(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106037
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】位置検知システム及びセンサ取り付け方法
(51)【国際特許分類】
G01V 8/10 20060101AFI20240731BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240731BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
G01V8/10 Z
G08B25/04 K
G01J1/02 Y
G01J1/02 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010098
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】506301140
【氏名又は名称】公立大学法人会津大学
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙 強福
(72)【発明者】
【氏名】奥山 祐市
【テーマコード(参考)】
2G065
2G105
5C087
【Fターム(参考)】
2G065AA17
2G065AB02
2G065BA13
2G065BA34
2G065BB48
2G065BC14
2G105AA01
2G105BB16
2G105CC04
2G105EE02
2G105HH01
5C087AA19
5C087DD03
5C087EE08
5C087FF02
5C087FF04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】対象者の行動を十分に把握することを可能とする位置検知システム及びセンサ取り付け方法を提供する。
【解決手段】ユニット本体と、ユニット本体に取り付けられて対象を感知する複数のセンサを有し、複数のセンサに含まれる1以上の第1センサのそれぞれは、各センサの感知領域の中心が所定の検知面における所定の位置よりも第1方向側に位置し、かつ、各センサの感知領域の第1方向と180度異なる第2方向側における境界が所定の検知面の中心よりも第2方向側に位置するように、ユニット本体において取り付けられ、複数のセンサに含まれる1以上の第2センサのそれぞれは、各センサの感知領域の中心が所定の検知面における所定の位置よりも第2方向側に位置し、かつ、各センサの感知領域の第1方向側における境界が所定の検知面の中心よりも第1方向側に位置するように、ユニット本体において取り付けられる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニット本体と、前記ユニット本体に取り付けられて対象を感知する複数のセンサと、を有する感知ユニットと、
前記複数のセンサのそれぞれから出力される信号が示す情報の組合せに基づいて、所定の検知面上における前記複数のセンサのそれぞれの感知領域の境界によって分割される複数の領域ごとに、各領域に位置する前記対象を検知する検知ユニットと、を有し、
前記複数のセンサに含まれる1以上の第1センサのそれぞれは、各センサの感知領域の中心が前記所定の検知面における所定の位置よりも第1方向側に位置し、かつ、各センサの前記感知領域の前記第1方向と180度異なる第2方向側における境界が前記所定の検知面の中心よりも前記第2方向側に位置するように、前記ユニット本体において取り付けられ、
前記複数のセンサに含まれる1以上の第2センサのそれぞれは、各センサの感知領域の中心が前記所定の検知面における前記所定の位置よりも前記第2方向側に位置し、かつ、各センサの前記感知領域の前記第1方向側における境界が前記所定の検知面の中心よりも前記第1方向側に位置するように、前記ユニット本体において取り付けられる、
ことを特徴とする位置検知システム。
【請求項2】
前記複数のセンサに含まれる1以上の第3センサのそれぞれは、各センサの感知領域の中心が前記所定の検知面における前記所定の位置よりも前記第1方向と90度異なる第3方向側に位置し、かつ、各センサの前記感知領域の前記第3方向と180度異なる第4方向側における境界が前記所定の検知面の中心よりも前記第4方向側に位置するように、前記ユニット本体において取り付けられ、
前記複数のセンサに含まれる1以上の第4センサのそれぞれは、各センサの感知領域の中心が前記所定の検知面における前記所定の位置よりも前記第4方向側に位置し、かつ、各センサの前記感知領域の前記第3方向側における境界が前記所定の検知面の中心よりも前記第3方向側に位置するように、前記ユニット本体において取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検知システム。
【請求項3】
前記所定の位置は、前記所定の検知面における中心である、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検知システム。
【請求項4】
前記第1センサ及び前記第2センサのうちの少なくともいずれかは、2以上のセンサである、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検知システム。
【請求項5】
前記第3センサ及び前記第4センサのうちの少なくともいずれかは、2以上のセンサである、
ことを特徴とする請求項2に記載の位置検知システム。
【請求項6】
前記1以上の第1センサのそれぞれは、各センサの前記感知領域の前記第2方向側における境界が前記所定の検知面における前記所定の位置よりも前記第2方向側における互いに異なる位置になるように、前記ユニット本体において取り付けられ、
前記1以上の第2センサのそれぞれは、各センサの前記感知領域の前記第1方向側における境界が前記所定の検知面における前記所定の位置よりも前記第1方向側における互いに異なる位置になるように、前記ユニット本体において取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検知システム。
【請求項7】
前記感知ユニットは、天井に取り付けられ、
前記所定の検知面は、前記天井の垂直下方向における面である、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検知システム。
【請求項8】
前記複数のセンサのそれぞれは、焦電型の赤外線センサである、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検知システム。
【請求項9】
ユニット本体と、前記ユニット本体に取り付けられて対象を感知する複数のセンサと、を有する感知ユニットと、前記複数のセンサのそれぞれから出力される信号が示す情報の組合せに基づいて、所定の検知面上における前記複数のセンサのそれぞれの感知領域の境界によって分割される複数の領域ごとに、各領域に位置する前記対象を検知する検知ユニットと、を有する位置検知システムにおけるセンサ取り付け方法であって、
前記複数のセンサに含まれる1以上の第1センサのそれぞれを、各センサの感知領域の中心が前記所定の検知面における所定の位置よりも第1方向側に位置し、かつ、各センサの前記感知領域の前記第1方向と180度異なる第2方向側における境界が前記所定の検知面の中心よりも前記第2方向側に位置するように、前記ユニット本体に取り付け、
前記複数のセンサに含まれる1以上の第2センサのそれぞれを、各センサの感知領域の中心が前記所定の検知面における前記所定の位置よりも前記第2方向側に位置し、かつ、各センサの前記感知領域の前記第1方向側における境界が前記所定の検知面の中心よりも前記第1方向側に位置するように、前記ユニット本体に付ける、
ことを特徴とするセンサ取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検知システム及びセンサ取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遠隔地に暮らす家族等(以下、見守り者とも呼ぶ)が高齢者等(以下、対象者とも呼ぶ)の安否を確認するサービス(以下、見守りサービスとも呼ぶ)が提供されている。このような見守りサービスでは、例えば、対象者の住居等に設置された装置が対象者の行動に関する情報をリアルタイムに取得し、取得した情報を見守り者が閲覧可能な装置に送信する。これにより、見守り者は、対象者の安否等を適宜確認することが可能になる(特許文献1乃至4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-190967号公報
【特許文献2】特開2014-169968号公報
【特許文献3】特開2019-045279号公報
【特許文献4】特開2011-215027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記のような見守りサービスでは、例えば、対象者のプライバシー保護等の観点から、カメラ等に代えて赤外線センサ等の人感センサ(以下、単に人感センサとも呼ぶ)が用いられる場合がある。
【0005】
しかしながら、このような人感センサは、その近傍領域における対象者の居場所の検知を行うことができない。そのため、見守り者は、例えば、対象者の行動を十分に把握することができない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、対象者の行動を十分に把握することを可能とする位置検知システム及びセンサ取り付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明における位置検知システムは、ユニット本体と、前記ユニット本体に取り付けられて対象を感知する複数のセンサと、を有する感知ユニットと、前記複数のセンサのそれぞれから出力される信号が示す情報の組合せに基づいて、所定の検知面上における前記複数のセンサのそれぞれの感知領域の境界によって分割される複数の領域ごとに、各領域に位置する前記対象を検知する検知ユニットと、を有し、前記複数のセンサに含まれる1以上の第1センサのそれぞれは、各センサの感知領域の中心が前記所定の検知面における所定の位置よりも第1方向側に位置し、かつ、各センサの前記感知領域の前記第1方向と180度異なる第2方向側における境界が前記所定の検知面の中心よりも前記第2方向側に位置するように、前記ユニット本体において取り付けられ、前記複数のセンサに含まれる1以上の第2センサのそれぞれは、各センサの感知領域の中心が前記所定の検知面における前記所定の位置よりも前記第2方向側に位置し、かつ、各センサの前記感知領域の前記第1方向側における境界が前記所定の検知面の中心よりも前記第1方向側に位置するように、前記ユニット本体において取り付けられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明における位置検知システム及びセンサ取り付け方法によれば、対象者の行動を十分に把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、位置検知システム1000の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、感知ユニット200の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、感知ユニット200の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、感知ユニット200の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、複数の人感センサ2の感知領域について説明する図である。
【
図6】
図6は、複数の人感センサ2の感知領域について説明する図である。
【
図7】
図7は、検知ユニット100の機能について説明するブロック図である。
【
図8】
図8は、位置検知処理を説明するフローチャート図である。
【
図9】
図9は、各人感センサ2の取り付け角度を算出する際の具体例について説明する図である。
【
図10】
図10は、各人感センサ2の感知領域Rを算出する際の具体例について説明する図である。
【
図11】
図11は、各人感センサ2の感知領域Rを算出する際の具体例について説明する図である。
【
図12】
図12は、複数の人感センサ2の感知領域について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[位置検知システム1000の構成例]
初めに、位置検知システム1000の構成例について説明を行う。
図1は、位置検知システム1000の構成例を示す図である。
【0012】
位置検知システム1000は、
図1に示すように、検知ユニット100と、感知ユニット200とを有する。
【0013】
検知ユニット100は、例えば、コンピュータ装置であって、汎用的なPC(Personal Computer)である。そして、検知ユニット100は、例えば、感知ユニット200によって検知された信号に基づいて対象者の位置を検知する処理(以下、位置検知処理とも呼ぶ)を行う。
【0014】
検知ユニット100は、汎用的なコンピュータ装置のハードウエア構成を有し、例えば、
図1に示すように、プロセッサであるCPU101と、メモリ102と、通信インタフェース103と、記憶媒体104とを有する。各部は、バス105を介して互いに接続される。
【0015】
記憶媒体104は、例えば、位置検知処理を行うためのプログラム110を記憶するプログラム格納領域(図示せず)を有する。
【0016】
また、記憶媒体104は、例えば、位置検知処理を行う際に用いられる情報を記憶する記憶領域(図示せず)を有する。なお、記憶媒体104は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)であってよい。
【0017】
CPU101は、例えば、記憶媒体104からメモリ102にロードされたプログラム110を実行することによって位置検知処理を行う。
【0018】
通信インタフェース103は、例えば、有線通信または無線通信によって感知ユニット200と通信を行う。
【0019】
また、感知ユニット200は、例えば、複数の人感センサが取り付けられる構造物である。以下、感知ユニット200の構成例について説明を行う。
【0020】
[感知ユニット200の構成例]
図2及び
図3は、感知ユニット200の構成例を示す図である。具体的に、
図2は、対象者の住居等における部屋の天井S(以下、単に天井Sとも呼ぶ)に取り付けられた感知ユニット200を水平方向の一方向側(Y1方向側)から見た場合の構成例を示す図である。また、
図3は、天井Sに取り付けられた感知ユニット200を垂直方向の下方向側(Z2方向側)から見た場合の構成例を示す図である。
【0021】
感知ユニット200は、
図2及び
図3に示すように、例えば、ユニット本体1と、複数の人感センサ2とを有する。以下、各人感センサ2による感知領域が矩形形状であるものとして説明を行う。すなわち、以下、各人感センサ2に取り付けられたレンズ(図示せず)が感知領域を矩形形状にすることが可能なレンズであるものとして説明を行う。
【0022】
ユニット本体1は、例えば、平板状の矩形部材であり、一方の面(Z1方向側の面)が天井Sに取り付けられることによって天井Sに固定される。以下、ユニット本体1が平板状の矩形部材であるものとして説明するが、ユニット本体1は、例えば、円錐台形等の形状を有する部材であってもよい。
【0023】
複数の人感センサ2のそれぞれは、例えば、各センサの感知領域に位置する対象者を検知する焦電型の赤外線センサである。焦電型の赤外線センサは、例えば、焦電効果を利用して物体や人等の温度変化を検知するセンサである。そして、複数の人感センサ2のそれぞれは、例えば、10ミリ秒等の所定時間(以下、単に所定時間とも呼ぶ)ごとに、各センサが対象者を検知したか否かを示す信号を検知ユニット100に送信する。以下、複数の人感センサ2のそれぞれが焦電型の赤外線センサであるものとして説明を行うが、複数の人感センサ2のそれぞれは、例えば、対象者を検知可能な他のセンサであってもよい。具体的に、人感センサ2は、例えば、ドップラーセンサ等の他の動き検出センサ(モーションセンサ)であってもよいし、熱検出センサであってもよい。
【0024】
具体的に、複数の人感センサ2のそれぞれは、
図2に示すように、例えば、ユニット本体1における他方の面(Z2方向側の面)に取り付けられる。すなわち、複数の人感センサ2のそれぞれは、例えば、部屋の床面に向けられるように取り付けられる。
【0025】
さらに具体的に、ユニット本体1には、
図3に示すように、例えば、6個の人感センサ2がそれぞれ取り付けられる。以下、ユニット本体1に6個の人感センサ2が取り付けられる場合について説明を行うが、ユニット本体1には、例えば、6個以外の数の人感センサ2が取り付けられるものであってもよい。また、以下、ユニット本体1のX1方向側において2個の人感センサ2(以下、人感センサ21及び人感センサ22とも呼ぶ)が取り付けられ、ユニット本体1のX2方向側において1個の人感センサ2(以下、人感センサ23とも呼ぶ)が取り付けられ、ユニット本体1のY1方向側において2個の人感センサ2(以下、人感センサ24及び人感センサ25とも呼ぶ)が取り付けられ、ユニット本体1のY2方向側において1個の人感センサ2(以下、人感センサ26とも呼ぶ)が取り付けられている場合について説明を行うが、これに限られない。具体的に、複数の人感センサ2のそれぞれは、
図4に示すように、例えば、ユニット本体1における他の場所に取り付けられるものであってもよい。
【0026】
なお、以下、複数の人感センサ2のそれぞれがユニット本体1に取り付けられる場合について説明を行うが、これに限られない。具体的に、複数の人感センサ2のうちの少なくとも一部は、例えば、ユニット本体1と一体化しないで、天井Sに直接取り付けられるものであってもよい。
【0027】
ここで、複数の人感センサ2のそれぞれは、例えば、全体としての感知領域を広げるために、各人感センサ2の感知領域が互いに異なるようにユニット本体1に取り付けられる。さらに、複数の人感センサ2のそれぞれは、例えば、対象者の位置を検知する必要性から、各人感センサ2の感知領域の一部が互いに重なるようにユニット本体1に取り付けられる。以下、複数の人感センサ2の感知領域の具体例について説明を行う。
【0028】
[複数の人感センサ2の感知領域の具体例]
図5及び
図6は、複数の人感センサ2の感知領域について説明する図である。具体的に、
図5は、検知面Fを一部に含む領域における各人感センサ2の感知領域を示す図である。また、
図6は、検知面Fにおける各人感センサ2の感知領域を示す図である。すなわち、
図6は、
図5における検知面Fを拡大した図である。
【0029】
検知面Fは、例えば、室内における天井Sと床面との間に位置する面(天井SのZ2方向側の面)であって、天井Sや床面と平行の面である。具体的に、検知面Fは、例えば、対象者が立っている場合における対象者の頭付近の高さにある面(例えば、天井Sからの距離が1.5m程度である面)や、対象者が立っている場合における対象者の腰付近の高さにある面(例えば、天井Sからの距離が2.0m程度である面)である。
【0030】
図5に示す例において、感知領域R11aは、例えば、
図3で説明した人感センサ21の感知領域であり、XY平面上における中心がXY平面上における人感センサ21の位置よりも検知面Fの中心に対して外側(X1方向側)に位置する領域である。すなわち、人感センサ21は、この場合、方位角がX1方向になるように取り付けられている。さらに、感知領域R11aは、例えば、外縁のうちのX2方向側の一部(以下、境界L11aとも呼ぶ)が検知面F内に位置し、かつ、外縁のうちの境界L11a以外の部分が検知面F外に位置する領域である。すなわち、人感センサ21は、この場合、境界L11aが検知面F内に位置し、かつ、境界L11a以外の外縁が検知面F外に位置する取り付け角度(仰角)においてユニット本体1に取り付けられている。
【0031】
また、感知領域R11bは、例えば、
図3で説明した人感センサ22の感知領域であり、XY平面上における中心がXY平面上における人感センサ22の位置よりも検知面Fの中心に対して外側(X1方向側)に位置する領域である。すなわち、人感センサ22は、この場合、人感センサ21と同様に、方位角がX1方向になるように取り付けられている。さらに、感知領域R11bは、例えば、外縁のうちのX2方向側の一部(以下、境界L11bとも呼ぶ)が検知面F内に位置し、かつ、外縁のうちの境界L11b以外の部分が検知面F外に位置する領域である。すなわち、人感センサ22は、この場合、境界L11bが検知面F内に位置し、かつ、境界L11b以外の外縁が検知面F外に位置する取り付け角度(仰角)においてユニット本体1に取り付けられている。
【0032】
また、感知領域R12は、例えば、
図3で説明した人感センサ23の感知領域であり、XY平面上における中心がXY平面上における人感センサ23の位置よりも検知面Fの中心に対して外側(X2方向側)に位置する領域である。すなわち、人感センサ23は、この場合、方位角がX2方向になるように取り付けられている。さらに、感知領域R12は、例えば、外縁のうちのX1方向側の一部(以下、境界L12とも呼ぶ)が検知面F内に位置し、かつ、外縁のうちの境界L12以外の部分が検知面F外に位置する領域である。すなわち、人感センサ23は、この場合、境界L12が検知面F内に位置し、かつ、境界L12以外の外縁が検知面F外に位置する取り付け角度(仰角)においてユニット本体1に取り付けられている。
【0033】
また、感知領域R13aは、例えば、
図3で説明した人感センサ24の感知領域であり、XY平面上における中心がXY平面上における人感センサ24の位置よりも検知面Fの中心に対して外側(Y1方向側)に位置する領域である。すなわち、人感センサ24は、この場合、方位角がY1方向になるように取り付けられている。さらに、感知領域R13aは、例えば、外縁のうちのY2方向側の一部(以下、境界L13aとも呼ぶ)が検知面F内に位置し、かつ、外縁のうちの境界L13a以外の部分が検知面F外に位置する領域である。すなわち、人感センサ24は、この場合、境界L13aが検知面F内に位置し、かつ、境界L13a以外の外縁が検知面F外に位置する取り付け角度(仰角)においてユニット本体1に取り付けられている。
【0034】
また、感知領域R13bは、例えば、
図3で説明した人感センサ25の感知領域であり、XY平面上における中心がXY平面上における人感センサ25の位置よりも検知面Fの中心に対して外側(Y1方向側)に位置する領域である。すなわち、人感センサ25は、この場合、方位角がY1方向になるように取り付けられている。さらに、感知領域R13bは、例えば、外縁のうちのY2方向側の一部(以下、境界L13bとも呼ぶ)が検知面F内に位置し、かつ、外縁のうちの境界L13b以外の部分が検知面F外に位置する領域である。すなわち、人感センサ25は、この場合、境界L13bが検知面F内に位置し、かつ、境界L13b以外の外縁が検知面F外に位置する取り付け角度(仰角)においてユニット本体1に取り付けられている。
【0035】
また、感知領域R14は、例えば、
図3で説明した人感センサ26の感知領域であり、XY平面上における中心がXY平面上における人感センサ26の位置よりも検知面Fの中心に対して外側(Y2方向側)に位置する領域である。すなわち、人感センサ26は、この場合、人感センサ25と同様に、方位角がY2方向になるように取り付けられている。さらに、感知領域R14は、例えば、外縁のうちのY1方向側の一部(以下、境界L14とも呼ぶ)が検知面F内に位置し、かつ、外縁のうちの境界L14以外の部分が検知面F外に位置する領域である。すなわち、人感センサ26は、この場合、境界L14が検知面F内に位置し、かつ、境界L14以外の外縁が検知面F外に位置する取り付け角度(仰角)においてユニット本体1に取り付けられている。
【0036】
なお、以下、感知領域R11a、感知領域R11b、感知領域R12、感知領域R13a、感知領域R13b及び感知領域R14を総称して単に感知領域Rとも呼ぶ。また、以下、境界L11a、境界L11b、境界L12、境界L13a、境界L13b及び境界L14を総称して単に境界Lとも呼ぶ。また、以下、X1方向の方位角(人感センサ21及び人感センサ22の方位角)が0度であり、Y2方向の方位角(人感センサ26の方位角)が90度であり、X2方向の方位角(人感センサ23の方位角)が180度であり、Y1方向の方位角(人感センサ24及び人感センサ25の方位角)が270度であるものとして説明を行う。
【0037】
ここで、複数の人感センサ2のそれぞれは、例えば、複数の人感センサ2のそれぞれに対応する複数の境界Lのうちの一部の境界LがX軸方向に沿って配置され、かつ、複数の人感センサ2のそれぞれに対応する複数の境界Lのうちの他の一部の境界LがY軸方向に沿って配置される仰角においてユニット本体1に取り付けられる。
【0038】
具体的に、人感センサ21、人感センサ22及び人感センサ23のそれぞれは、方位角0度または180度であり、感知領域RがX軸方向に沿って並ぶ人感センサ2である。そのため、人感センサ21、人感センサ22及び人感センサ23は、各人感センサ2に対応する境界L11a、境界L11b及び境界L12のそれぞれをX軸方向に沿って並ぶように配置することが可能になる。また、人感センサ24、人感センサ25及び人感センサ26のそれぞれは、方位角90度または270度であり、感知領域RがY軸方向に沿って並ぶ人感センサ2である。そのため、人感センサ24、人感センサ25及び人感センサ26は、各人感センサ2に対応する境界L13a、境界L13b及び境界L14のそれぞれをY軸方向に沿って並ぶように配置することが可能になる。
【0039】
なお、以下、感知領域RがX軸方向に沿って並ぶ人感センサ2の数が3個である場合について説明を行うが、これに限られない。具体的に、感知領域RがX軸方向に沿って並ぶ人感センサ2の数は、3個以外の数であってもよい。また、以下、感知領域RがY軸方向に沿って並ぶ人感センサ2の数が3個である場合について説明を行うが、これに限られない。具体的に、感知領域RがY軸方向に沿って並ぶ人感センサ2の数は、3個以外の数であってもよい。さらに、感知領域RがX軸方向に沿って並ぶ人感センサ2の数は、例えば、感知領域RがY軸方向に沿って並ぶ人感センサ2の数と異なるものであってもよい。
【0040】
そして、
図6に示すように、感知領域R11aにおける境界L11a、感知領域R11bにおける境界L11b及び感知領域R12における境界L12は、検知面FをX軸方向に沿って4個に分割する。また、感知領域R13aにおける境界L13a、感知領域R13bにおける境界L13b及び感知領域R14における境界L14は、検知面FをY軸方向に沿って4個に分割する。
【0041】
すなわち、境界L11a、境界L11b、境界L12、境界L13a、境界L13b、及び、境界L14は、
図6に示すように、検知面Fを16個の分割領域DRに分割する。
【0042】
なお、以下、
図6に示すように、Y2方向側から数えて1段目の分割領域DRのそれぞれを、X2方向側からX1方向側に向けて分割領域DR11、分割領域DR12、分割領域DR13及び分割領域DR14とも呼ぶ。また、以下、Y2方向側から数えて2段目の分割領域DRのそれぞれを、X2方向側からX1方向側に向けて分割領域DR21、分割領域DR22、分割領域DR23及び分割領域DR24とも呼ぶ。また、以下、Y2方向側から数えて3段目の分割領域DRのそれぞれを、X2方向側からX1方向側に向けて分割領域DR31、分割領域DR32、分割領域DR33及び分割領域DR34とも呼ぶ。また、Y2方向側から数えて4段目の分割領域DRのそれぞれを、X2方向側からX1方向側に向けて分割領域DR41、分割領域DR42、分割領域DR43及び分割領域DR44とも呼ぶ。
【0043】
ここで、例えば、分割領域DR11は、感知領域R12及び感知領域R14に含まれる分割領域DRであって、感知領域R11a、感知領域R11b、感知領域R13a及び感知領域R13bに含まれない分割領域DRである。そのため、例えば、感知領域R12及び感知領域R14のそれぞれに対応する人感センサ23及び人感センサ24が対象者を検知したことを示す信号を検知ユニット100に送信し、かつ、感知領域R11a、感知領域R11b、感知領域R13a及び感知領域R13bのそれぞれに対応する人感センサ21、人感センサ22、人感センサ25及び人感センサ26が対象者を検知しなかったことを示す信号を検知ユニット100に送信した場合、検知ユニット100は、対象者が分割領域DR11に位置していると判定することが可能になる。
【0044】
また、例えば、分割領域DR22は、感知領域R11a、感知領域R12、感知領域R13a及び感知領域R14に含まれる分割領域DRであって、感知領域R11b及び感知領域R13bに含まれない分割領域DRである。そのため、例えば、感知領域R11a、感知領域R12、感知領域R13a及び感知領域R14のそれぞれに対応する人感センサ21、人感センサ23、人感センサ24及び人感センサ26が対象者を検知したことを示す信号を検知ユニット100に送信し、かつ、感知領域R11b及び感知領域R13bのそれぞれに対応する人感センサ22及び人感センサ25が対象者を検知しなかったことを示す信号を検知ユニット100に送信した場合、検知ユニット100は、対象者が分割領域DR22に位置していると判定することが可能になる。
【0045】
このように、位置検知システム1000では、例えば、各人感センサ2のZ軸方向における取り付け角度(仰角)を調整することによって、各人感センサ2に対応する境界Lの位置を制御し、検知面Fを複数の分割領域DRに分割する。そして、位置検知システム1000では、例えば、各人感センサ2から信号を受信した場合、各信号が示す内容の組合せを特定し、特定した組合せに対応する分割領域DRを対象者の現在位置として特定する。
【0046】
これにより、位置検知システム1000は、例えば、対象者の現在位置を精度良く特定することが可能になる。
【0047】
また、位置検知システム1000は、例えば、各人感センサ2に対応する境界Lの位置を制御することによって、各分割領域DRの大きさや形状の可能な限り均一にすることが可能になる。具体的に、位置検知システム1000は、例えば、
図6で説明したように、各分割領域DRを均一の大きさ及び形状の矩形形状にすることが可能になる。そのため、位置検知システム1000では、例えば、各分割領域DRにおける対象者の検知精度の差を抑えることが可能になり、感知ユニット200が取り付けられた部屋のどの位置に対象者がいる場合であっても、対象者の現在位置を精度良く特定することが可能になる。
【0048】
なお、上記の例では、ユニット本体11が天井Sに取り付けられ、検知面FがXY平面上に広がる平面である場合について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、ユニット本体11は、例えば、室内における壁(壁面)に取り付けられるものであってもよい。また、検知面Fは、この場合、例えば、XZ平面に広がる平面であってもよい。
【0049】
これにより、位置検知システム1000では、例えば、対象者の姿勢を推定することが可能になる。具体的に、位置検知システム1000は、この場合、例えば、対象者が座っているか否か(対象者が起立しているか否か)についての判定を行うことが可能になる。
【0050】
[検知ユニット100の機能]
次に、検知ユニット100の機能について説明を行う。具体的に、
図7は、検知ユニット100の機能について説明するブロック図である。
【0051】
検知ユニット100は、
図7に示すように、例えば、信号受信部111、対象検知部112及び結果出力部113を含む各機能を実現する。
【0052】
検知ユニット100の信号受信部111は、例えば、感知ユニット200に取り付けられた各人感センサ2から対象者の検知結果を示す信号を受信する。
【0053】
具体的に、信号受信部111は、例えば、所定時間ごとに、各人感センサ2が対象者を検知したか否かを示す信号を受信する。
【0054】
検知ユニット100の対象検知部112は、例えば、所定時間ごとに、信号受信部111が受信した信号が示す情報の組合せに基づいて検知面Fにおける対象者の検知を行う。
【0055】
具体的に、例えば、
図6で説明した例において、人感センサ23及び人感センサ24のそれぞれから信号受信部111が受信した信号が対象者を検知したことを示す信号であり、かつ、人感センサ21、人感センサ22、人感センサ25及び人感センサ26のそれぞれから信号受信部111が受信した信号が対象者を検知していないことを示す信号であった場合、対象検知部112は、分割領域DR11において対象者が存在していると判定する。
【0056】
また、例えば、
図6で説明した例において、人感センサ21、人感センサ23、人感センサ24及び人感センサ26のそれぞれから信号受信部111が受信した信号が対象者を検知したことを示す信号であり、かつ、人感センサ22及び人感センサ25のそれぞれから信号受信部111が受信した信号が対象者を検知していないことを示す信号であった場合、対象検知部112は、分割領域DR22において対象者が存在していると判定する。
【0057】
検知ユニット100の結果出力部113は、例えば、所定時間ごとに、対象検知部112による検知結果を見守り者が閲覧可能な端末(図示せず)に出力する。
【0058】
具体的に、結果出力部113は、例えば、いずれかの分割領域DRにおいて対象者が検知された場合、対象者が検知されたことを示す情報を出力するものであってよい。また、結果出力部113は、例えば、いずれの分割領域DRにおいても対象者が検知されなかった場合、対象者が検知されなかったことを示す情報を出力するものであってよい。
【0059】
なお、結果出力部113は、例えば、1分間等の所定の時間帯の間において対象検知部112が検知した結果を纏めて出力するものであってもよい。
【0060】
[位置検知処理のフローチャート図]
次に、位置検知処理について説明を行う。
図8は、位置検知処理を説明するフローチャート図である。
【0061】
信号受信部111は、
図8に示すように、例えば、感知ユニット200に取り付けられた各人感センサ2から対象者の検知結果を示す信号を受信するまで待機する(S11のNO)。
【0062】
そして、感知ユニット200に取り付けられた各人感センサ2から対象者の検知結果を示す信号を受信した場合(S11のYES)、対象検知部112は、例えば、S11の処理で受信した信号が示す情報の組合せを特定する(S12)。
【0063】
続いて、対象検知部112は、例えば、S12の処理で特定した組合せに基づいて検知面Fにおける対象者の検知を行う(S13)。
【0064】
その後、結果出力部113は、例えば、S13の処理で検知した結果を見守り者が閲覧可能な端末(図示せず)に出力する(S14)。
【0065】
[各人感センサ2の取り付け角度の算出]
次に、各人感センサ2のユニット本体1に対する取り付け角度(仰角)を算出する際の具体例について説明を行う。
図9は、各人感センサ2の取り付け角度を算出する際の具体例について説明する図である。具体的に、
図9は、感知領域RがX軸方向に沿って並ぶ人感センサ2(例えば、
図3で説明した人感センサ21)の取り付け角度を算出する際の具体例を説明する図である。以下、人感センサ2の上下方向(Z軸方向)における感知角度(仰角)の範囲が±αであるものとして説明を行う。
【0066】
なお、以下、
図9に示すように、Z2方向を基準とした場合における人感センサ2のZ軸方向における取り付け角度(仰角)をβとも呼び、人感センサ2における位置O(例えば、XY平面における人感センサ2の位置)から検知面Fまで垂直に(Z2方向に向けて)下した直線をHと呼び、人感センサ2の感知方向に対応する直線をD0とも呼ぶ。また、以下、
図9に示すように、直線Hと検知面Fとの交点の位置(すなわち、検知面Fの中心の位置)をP1とも呼び、直線D0と検知面Fとの交点の位置をP2とも呼ぶ。
【0067】
具体的に、各分割領域DRを均一の大きさ及び形状にする場合、情報処理装置(図示せず)は、例えば、以下の式(1)及び式(2)を用いることによって、距離ΔWと距離ΔDとをそれぞれ算出する。距離ΔWは、各分割領域DRのX軸方向における距離であり、距離ΔDは、各分割領域DRのX軸方向における距離である。なお、ここでの情報処理装置は、例えば、検知ユニット100であってもよいし、検知ユニット100以外のコンピュータ装置であってもよい。
【0068】
ΔW=W/(Nx+1) ・・・式(1)
ΔD=D/(Ny+1) ・・・式(2)
【0069】
上記の式(1)及び(2)において、Wは、X軸方向における部屋の室内の長さ(すなわち、部屋の室内における幅)であり、Dは、Y軸方向における部屋の室内の長さ(すなわち、部屋の室内における奥行)であり、Nxは、感知領域RがX軸方向に沿って並ぶ各人感センサ2の数であり、Nyは、感知領域RがY軸方向に沿って並ぶ各人感センサ2の数である。
【0070】
続いて、情報処理装置は、例えば、以下の式(3)を用いることによって距離Aに対応する仰角βを算出する。距離Aは、位置P1と境界Lとを結ぶ直線であってX軸方向に沿った直線(以下、直線D3とも呼ぶ)の距離である。なお、距離Aは、例えば、予め指定されるものであってもよい。また、例えば、
図9に示すように、位置P1からX軸方向に向けて1個の分割領域DRを隔てた境界Lに対応する人感センサ2(例えば、
図3等で説明した人感センサ21や人感センサ23)の仰角βを算出する場合、距離Aは、上記の式(1)で算出された距離ΔWであってよい。
【0071】
β=α-tan-1(A/h) ・・・式(3)
【0072】
上記の式(3)において、hは、直線Hの長さ(すなわち、検知面Fに対するユニット本体1の取り付け位置の高さ)である。
【0073】
なお、例えば、位置P1から2個の分割領域DRを隔てた境界Lに対応する人感センサ2の仰角βを算出する場合、距離Aは、上記の式(1)で算出された距離ΔWの2倍の距離であってよい。また、例えば、位置P1から3個の分割領域DRを隔てた境界Lに対応する人感センサ2の仰角βを算出する場合、距離Aは、上記の式(1)で算出された距離ΔWの3倍の距離であってよい。すなわち、例えば、位置P1からN(Nは2以上の整数)個の分割領域DRを隔てた境界Lに対応する人感センサ2の仰角βを算出する場合、距離Aは、上記の式(1)で算出された距離ΔWのN倍の距離であってよい。一方、例えば、位置P1上に位置する境界Lに対応する人感センサ2(例えば、
図3等で説明した人感センサ22)の仰角βを算出する場合、距離Aは、0であってよい。
【0074】
また、例えば、位置P1からY軸方向に向けて1個の分割領域DRを隔てた境界Lに対応する人感センサ2(例えば、
図3等で説明した人感センサ24や人感センサ26)の仰角βを算出する場合、距離Aは、上記の式(2)で算出された距離ΔDであってよい。
【0075】
そして、感知ユニット200を製造する作業者(以下、単に作業者とも呼ぶ)は、例えば、各人感センサ2の仰角βが上記の式(3)で算出した仰角βになるように、各人感センサ2をユニット本体1に取り付けるものであってよい。
【0076】
すなわち、情報処理装置は、例えば、感知ユニット200が取り付けられる部屋の大きさや形状に適した仰角βの算出を行う。言い換えれば、情報処理装置は、例えば、感知ユニット200が取り付けられる部屋における検知面Fの全体を網羅することが可能な仰角βの算出を行う。
【0077】
これにより、情報処理装置は、例えば、様々な大きさや形状の部屋において感知ユニット200を適用することが可能になる。
【0078】
[各人感センサ2の感知領域Rの算出]
次に、各人感センサ2の感知領域Rを算出する際の具体例について説明を行う。
図10及び
図11は、各人感センサ2の感知領域Rを算出する際の具体例について説明する図である。具体的に、
図10及び
図11は、感知領域RがX軸方向に沿って並ぶ人感センサ2(例えば、
図3で説明した人感センサ21)の感知領域Rを算出する際の具体例を説明する図である。以下、人感センサ2の左右方向における感知角度(方位角)の範囲が±γであるものとして説明を行う。なお、
図10は、直線D1と境界Lとを含む平面を示す図である。
【0079】
具体的に、情報処理装置は、例えば、以下の式(4)を用いることによって距離Bを算出する。距離Bは、
図9に示すように、例えば、位置P1と感知領域Rにおける境界Lの反対側(X1方向側)の外縁とを結ぶ直線であってX軸方向に沿った直線(以下、直線D4とも呼ぶ)の距離である。
【0080】
B=h*tan(α+β) ・・・式(4)
【0081】
次に、情報処理装置は、例えば、以下の式(5)及び式(6)のそれぞれを用いることによって、直線D1及び直線D2の長さを算出する。直線D1は、
図9に示すように、例えば、直線D3及び直線Hと形成する直角三角形における斜辺に対応する直線である。また、直線D2は、例えば、直線D4及び直線Hと直角三角形における斜辺に対応する直線である。
【0082】
D1=sqrt(h2+A2) ・・・式(5)
D2=sqrt(h2+B2) ・・・式(6)
【0083】
続いて、情報処理装置は、
図10に示すように、例えば、以下の式(7)を用いることによって距離C1を算出する。距離C1は、例えば、感知領域RのX2方向側の外縁(境界Lを含む外縁)のうちのY1方向側の半分またはY2方向側の半分の距離である。
【0084】
C1=D1*tan(γ) ・・・式(7)
【0085】
同様に、情報処理装置は、例えば、以下の式(8)を用いることによって距離C2を算出する。距離C2は、例えば、感知領域RのX1方向側の外縁のうちのY1方向側の半分またはY2方向側の半分の距離である。
【0086】
C2=D2*tan(γ) ・・・式(8)
【0087】
これにより、情報処理装置は、
図11に示すように、例えば、距離A、距離B、距離C1及び距離C2を算出することが可能になり、感知領域Rの大きさ及び形状を特定することが可能になる。
【0088】
なお、上記の例では、各人感センサ2による感知領域Rが矩形である場合について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、各人感センサ2による感知領域Rは、例えば、
図12に示すように、楕円形状であるものであってもよい。すなわち、各人感センサ2に取り付けられるレンズは、例えば、感知領域Rを楕円形状にすることが可能なレンズであってもよい。
【0089】
また、上記の例では、分割領域DRの大きさ及び形状が均一である場合について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、各人感センサ2のZ軸方向における感知角度(仰角)は、例えば、対象者が検知される可能性が高い位置(例えば、部屋の中心近傍の位置)における分割領域DRの数を多くし、対象者が検知される可能性が低い位置(例えば、窓側の位置)における分割領域DRの数を少なくするように決定されるものであってもよい。また、各人感センサ2のZ軸方向における感知角度(仰角)は、例えば、対象者の位置を精度良く検知する必要性が高い位置(例えば、対象者が歩行する床面の位置)における分割領域DRの数を多くし、対象者の位置を精度良く検知する必要性が低い位置(例えば、ベッドの位置)における分割領域DRの数を少なくするように決定されるものであってもよい。
【0090】
また、上記の例では、検知ユニット100と感知ユニット200とが別体である場合について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、検知ユニット100と感知ユニット200とは、例えば、単一の装置からなるものであってもよい。
【符号の説明】
【0091】
1:ユニット本体
2:人感センサ
100:検知ユニット
101:CPU
102:メモリ
103:通信インタフェース
104:記憶媒体
105:バス
111:信号受信部
112:対象検知部
113:結果出力部
114:モデル生成部
115:識別情報取得部
116:対象判定部
117:結果出力部
200:感知ユニット