(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106042
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】搬送加熱装置
(51)【国際特許分類】
F27B 9/24 20060101AFI20240731BHJP
F27B 9/30 20060101ALI20240731BHJP
F27D 99/00 20100101ALI20240731BHJP
【FI】
F27B9/24 E
F27B9/30
F27D99/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010106
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003236
【氏名又は名称】弁理士法人杉浦特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(72)【発明者】
【氏名】眞田 卓摩
(72)【発明者】
【氏名】吉田 賢太朗
(72)【発明者】
【氏名】川上 武彦
【テーマコード(参考)】
4K050
4K056
【Fターム(参考)】
4K050AA01
4K050BA17
4K050CA12
4K050CG10
4K056AA09
4K056BA02
4K056BC03
4K056CA18
(57)【要約】
【課題】加熱装置の外の走行範囲において、搬送チェーンの安定な走行を確保する。
【解決手段】複数の加熱炉が配列され、加熱炉によって被加熱物に対して熱風を吹きつけるように構成された加熱装置と、加熱装置に対してワークを搬入し、加熱装置からワークを搬出する搬送チェーンを有する搬送加熱装置において、搬送チェーンは加熱装置内部と加熱装置外部で連通する無端状とされ、加熱装置外部に搬送チェーンの軌道を規制するガイド部を備え、ガイド部が互いに連結された複数の分割ガイド部からなることを特徴とする搬送加熱装置である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の加熱炉が配列され、前記加熱炉によって被加熱物に対して熱風を吹きつけるように構成された加熱装置と、
前記加熱装置に対してワークを搬入し、前記加熱装置からワークを搬出する搬送チェーンを有する搬送加熱装置において、
前記搬送チェーンは前記加熱装置内部と前記加熱装置外部で連通する無端状とされ、
前記加熱装置外部に前記搬送チェーンの軌道を規制するガイド部を備え、
前記ガイド部が互いに連結された複数の分割ガイド部からなることを特徴とする搬送加熱装置。
【請求項2】
前記搬送チェーンの進行方向の先頭付近の前記分割ガイドの端部のみが固定された請求項1に記載の搬送加熱装置。
【請求項3】
前記分割ガイド部の継ぎ目が当接又は契合構造とされている請求項1又は2に記載の搬送加熱装置。
【請求項4】
前記分割ガイド部は、前記搬送チェーンが配置される長手方向の溝を有し、前記搬送チェーンと前記溝の壁の間に隙間を有する請求項1又は2に記載の搬送加熱装置。
【請求項5】
前記分割ガイド部は、前記搬送チェーンが配置される長手方向の溝を有し、前記搬送チェーンと前記溝の壁の間に隙間を有する請求項3に記載の搬送加熱装置。
【請求項6】
前記ガイド部の幅方向の位置を規制する規制部が設けられた請求項1又は2に記載の搬送加熱装置。
【請求項7】
前記ガイド部の幅方向の位置を規制する規制部が設けられた請求項3に記載の搬送加熱装置。
【請求項8】
前記ガイド部が非導電性樹脂で構成される請求項1又は2に記載の搬送加熱装置。
【請求項9】
前記ガイド部が非導電性樹脂で構成される請求項3に記載の搬送加熱装置。
【請求項10】
前記ガイド部が非導電性耐熱樹脂で構成される請求項8に記載の搬送加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばリフロー装置に対して適用される搬送加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送加熱装置例えばリフロー装置において、電子部品が搭載されたプリント基板等の被加熱物を搬送するために搬送チェーンが使用されている。リフロー装置は、搬送チェーンによって被加熱物例えばプリント基板が供給されるリフロー炉を備えている。リフロー炉は、例えば、搬入口から搬出口に至る搬送経路に沿って、複数のゾーンに対応する複数の加熱炉が順に配置された構成とされている。複数のゾーンは、その機能によって、加熱ゾーン、冷却ゾーンなどの役割を有する。
【0003】
加熱ゾーンでは、基板に対して熱風が吹きつけられることによって、はんだ組成物内のはんだを溶融させてプリント基板の電極と電子部品とがはんだ付けされる。リフロー装置では、加熱時の温度を所望の温度プロファイルにしたがって制御することによって、所望のはんだ付けがなされる。
【0004】
搬送チェーンは、無端状であってスプロケット間に装着されているので、炉内(加熱装置内部)のみならず、炉外(加熱装置外部)においても走行する。従来は下部炉体の更に下側に位置を規制することなく、そのまま這わして下部炉体の更に下側に例えば断面コの字状の金属製のガイド機構を設け、ガイド機構の中に搬送チェーンを収納していた。
【0005】
特許文献1には、炉内で搬送チェーンの走行を安定させるために、搬送レールを設け、搬送レールの溝部に金属製の上部キー材及び下部キー材を取り付け、搬送チェーンをこれらのキー材で支持する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の構成は、炉内での搬送チェーンが走行中に振動した場合、上部キー材によってチェーンの上下方向の振動が吸収され、チェーンの安定した走行が確保されるものであるが、炉外での搬送チェーンの走行を搬送レールによって規制するといった開示も示唆もなく、炉外での搬送チェーンの振動がはんだ付けに影響を与える可能性もある。また、炉外で搬送チェーンを金属製のガイド機構の中を摺動させる構成では、搬送チェーンの振動等によって、連続的に運転した場合に、金属片(コンタミ)が発生する。金属片が炉内に持ち込まれると、金属片がワーク(プリント配線基板)の電極間に付着する可能性があり、最悪、ワークのショートの不具合が生じる可能性があった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、炉外における搬送チェーンの走行安定化により、炉内における被加熱物の加熱処理を安定的に行える搬送加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数の加熱炉が配列され、加熱炉によって被加熱物に対して熱風を吹きつけるように構成された加熱装置と、
加熱装置に対してワークを搬入し、加熱装置からワークを搬出する搬送チェーンを有する搬送加熱装置において、
搬送チェーンは加熱装置内部と加熱装置外部で連通する無端状とされ、
加熱装置外部に搬送チェーンの軌道を規制するガイド部を備え、
ガイド部が互いに連結された複数の分割ガイド部からなることを特徴とする搬送加熱装置である。
【発明の効果】
【0010】
少なくとも一つの実施形態によれば、ガイド部が搬送チェーンに柔軟に追従可能となり、炉外における搬送チェーンの走行を安定とできる。また、金属片(コンタミ)の発生を抑制することができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本発明中に記載されたいずれの効果であってもよい。また、以下の説明における例示された効果により本発明の内容が限定して解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明を適用できるリフロー装置の一例の概略を示す略線図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態のレールガイドを説明するための平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態のレールガイド及びリターンレールの説明に用いる断面図である。
【
図5】
図5は、レールガイドの継ぎ目の形状の説明に用いる一部平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
【0013】
図1は、本発明を適用できるリフロー装置1の概略的構成を示す。リフロー装置1は、加熱装置としてのリフロー炉2と、被加熱物例えば両面に表面実装用電子部品が搭載されたプリント基板(以下、ワークと称する)Wをリフロー炉2内に搬入及び搬出させる搬送チェーン3aと、搬送チェーン3aの移動経路を規定する回転体例えばスプロケット5a、5b、5c、5dと、外板6とを備える。搬送チェーン3はリフロー炉内部とリフロー炉外部にて連通する無端状とされ、スプロケット5a、5b、5c、5dに架け渡されている。搬送チェーン3aと平行する搬送チェーン3bが設けられており、搬送チェーン3a及び3b(特に二つの搬送チェーンを区別する必要がない場合は搬送チェーン3と称する)によってワークWが搬送される。
【0014】
なお、
図1では、搬送方向に平行して配されている2本の搬送チェーン3a及び3bの一方の搬送チェーン3aのみが示されている。例えば搬送チェーン3として、ローラチェーンが使用されている。外板6は、全体を覆うためのケースである。
【0015】
ワークWは、搬入口7からリフロー炉2内に搬入された後、搬送チェーン3によって所定速度で矢印方向(
図1に向かって左から右方向)へ搬送され、最終的に搬出口8から搬出される。図示しないが、搬入口7の前段には、ワークWを搬入するためのワーク搬入装置が設けられ、搬出口8の後段には、ワークWを外部へ送り出すためのワーク搬出装置が配置されている。搬送チェーン3のリフロー炉2の外部で走行する範囲のうちで、ほぼ平坦な炉外走行範囲9(スプロケット5c及び5dの範囲)において、後述するようなガイド部が設けられ、ガイド部によって搬送チェーン3の軌道が規制される。
【0016】
搬入口7から搬出口8に至る搬送経路に沿って、加熱装置としてのリフロー炉2が例えば9個のゾーンZ1からZ9に順次分割され、これらのゾーンZ1~Z9がインライン状に配列されている。搬入口7側から7個のゾーンZ1~Z7が加熱ゾーンであり、搬出口8側の2個のゾーンZ8およびZ9が冷却ゾーンである。冷却ゾーンZ8およびZ9に関連して強制冷却ユニット(図示しない)が設けられている。なお、ゾーン数は、一例であって、他の個数のゾーンを備えても良い。複数のゾーンZ1~Z9がリフロー時の温度プロファイルにしたがってワークWの温度を制御する。加熱ゾーンZ1~Z7のそれぞれは、それぞれ送風機を含む上部加熱炉および下部加熱炉を有する。
【0017】
最初の区間が加熱によって温度が上昇する昇温部R1であり、次の区間がほぼ一定温度のプリヒート(予熱)部R2であり、次の区間がリフロー(リフロー)部R3であり、最後の区間が冷却部R4である。昇温部R1は、常温からプリヒート部R2(例えば150℃~170℃)まで基板を加熱する期間である。プリヒート部R2は、等温加熱を行い、フラックスを活性化し、電極、はんだ粉の表面の酸化膜を除去し、また、ワークの加熱ムラをなくすための期間である。リフロー部R3(例えばピーク温度で220℃~240℃)は、はんだが溶融し、接合が完成する期間である。リフロー部R3では、はんだの溶融温度を超える温度まで昇温が必要とされる。最後の冷却部R4は、急速にプリント基板を冷却し、はんだ組成を形成する期間である。なお、例えばSn-3.0Ag-0.5Cu等の無鉛はんだ合金組成の場合では、リフロー部における温度は、より高温(例えば240℃~260℃)となる。
【0018】
リフロー装置1では、昇温部R1の温度制御を、主としてゾーンZ1およびZ2が受け持つ。プリヒート部R2の温度制御は、主としてゾーンZ3、Z4およびZ5が受け持つ。リフロー部R3の温度制御は、ゾーンZ6およびZ7が受け持つ。冷却部R4の温度制御は、ゾーンZ8およびゾーンZ9が受け持つ。
【0019】
炉外走行範囲9には、
図2に示すように、ガイド部として、平行する2本のレールガイド11a及び11b(特に2本のレールガイドを区別する必要がないときは、レールガイド11と称する)が設けられている。レールガイド11aは、例えば4個の分割ガイド部としてのガイド部品Ga1,Ga2,Ga3及びGa4が連結されたもので、レールガイド11bは、例えば4個の分割ガイド部としてのガイド部品Gb1,Gb2,Gb3及びGb4が連結されたものである。
【0020】
搬送チェーン3a及び3bが矢印で示す方向に走行し、レールガイド11a及び11bによって、搬送チェーン3a及び3bの軌道が規制される。
図2において、搬送チェーン3a及び3bの進行方向の先頭位置12及び終端位置13が一点鎖線でそれぞれ示されている。レールガイド11aは、先頭位置12の付近のガイド部品Ga1の前端部のみがフレーム等の固定部に対して固定され、レールガイド11bは、先頭位置12の付近のガイド部品Gb1の前端部のみがフレーム等の固定部に対して固定されている。固定方法としては、ネジ止め等の通常の方法を用いることができる。
【0021】
先頭のガイド部品Ga1及びGb1のそれぞれの後端部に対してガイド部品Ga2及びGb2の前端部が当接されている。さらに、ガイド部品Ga3及びGb3の前端部がガイド部品Ga2及びGb2の後端部に当接され、ガイド部品Ga4及びGb4の前端部がガイド部品Ga3及びGb3の後端部に当接されている。先頭位置12には、ガイド部品Ga1及びGb1の前端の位置を規制する突起等のストッパーが設けられる。この場合、ガイド部品Ga1及びGb1の前端とストッパー間にレールガイド11a及び11bの熱膨張、変形等を考慮した長さの隙間が設けられる。
【0022】
このようにして、ガイド部品Ga1~Ga4からなるレールガイド11aと、ガイド部品Gb1~Gb4からなるレールガイド11bが形成される。なお、各レールガイドをするガイド部品の本数は、一例であって、任意の本数のガイド部品でレールガイドを構成してもよい。レールガイド11が先頭以外は固定されていない複数のガイド部品を繋いだ構成とされているので、搬送チェーンの駆動によってそれぞれのガイド部品が整列し、継ぎ目のないチェーン経路を形成できる。すなわち、段差、継ぎ目が生じないので、振動等の不具合の発生を抑制できる。また、加熱された搬送チェーン3が接触することによって、レールガイド11の温度が上昇し、レールガイド11の伸びが発生するが、その伸びを吸収することができる。
【0023】
レールガイド11aのガイド部品Ga1~Ga4及びレールガイド11bのガイド部品Gb1~Gb4の材質は、例えば非導電性樹脂であり、その中でも非導電性耐熱樹脂が好ましい。非導電性は、ワーク上でショートを引き起こすことを防止するために必要な特性であり、耐熱性は、搬送チェーン3が高熱であるために必要な特性である。例えばデルリン(登録商標)が使用される。MCナイロン、PEEKなどの他の樹脂を使用してもよい。これらの樹脂を使用することによって、レールガイド11上を搬送チェーン3が摺動した際に発生する可能性のある金属片(コンタミ)の影響によるワーク上のショートを防止することができる。なお、レールガイド11として窒化処理等の表面処理がなされたステンレス等の金属を使用してもよい。表面処理によって、金属片の発生が抑制されると共に、発生した金属片のサイズを、ワーク上でショートを引き起こすおそれがない程度に微細とできる。
【0024】
図3は、搬送チェーンの進行方向と直交する方向(幅方向と適宜称する)の断面図である。レールガイド11は、中央に溝14が形成され、溝14内を搬送チェーン3が走行する。レールガイド11の溝14の両側の壁面によって、搬送チェーン3の幅方向の変位を規制することができる。さらに、レールガイド11は、リターンレール21内に収納されている。なお、
図2では、リターンレール21は、省略されている。リターンレール21は、ステンレス等の金属からなり、底面部22aと底面部22aの両側から立ち上げられた側面部22b及び22cを有する。側面部22a及び22bの先端が底面部22aと平行に折り曲げられている。レールガイド11は、リターンレール21の上部の開口から挿入される。
【0025】
搬送チェーン3は、ワークが載置されるピン31を有するピン付リンクプレート32と、リンクプレート33と、ピン付リンクプレート32及びリンクプレート33間に位置し、スプロケット接するローラ(又はブッシュ)34を有する。ピン付リンクプレート32及びリンクプレート33間の長さに比してレールガイド11の溝14の幅が大きくされ、搬送チェーン3と溝14の壁面の間に隙間が存在している。
【0026】
隙間によって、搬送チェーン3が幅方向に多少変位することが可能とされている。炉内では、ワークWの脱落のおそれがあるので、2本の搬送チェーン間の距離が変動しないようにされるが、炉外では、そのような必要がないため、搬送チェーン3の幅方向の変位が許容される。その結果、搬送チェーン3とレールガイド11の間の接触による磨耗を避けることができる。さらに、搬送チェーン間の距離のみならず、2本のレールガイド間の距離も多少の変動が許容されるので、レールガイドを先端部のみで固定する簡単な取り付け方法が採用できる。
【0027】
リターンレール21の側面部22b及び22cの対向間隔は、レールガイド11の幅より大とされ、レールガイド11の両側の側面とリターンレール21の側面部22b及び22cの内面との間に隙間23a及び23bが存在する。レールガイド11は、先頭部分を除いてリターンレール21の底面部22aに固定されていないので、レールガイド11が幅方向に移動する。この場合、リターンレール21の側面部22b及び22cによって、レールガイド11の幅方向の大きな変位が規制され、搬送チェーン3の円滑な走行が不可能となるほどレールガイド11が大きく曲がることが防止される。但し、搬送チェーン3の発生しうる幅方向の変位が小さいような場合には、リターンレール21を設けないでもよい。
【0028】
図4A、
図4B及び
図4Cを参照して、ガイド部品間の継ぎ目の構造について説明する。これらの図では、レールガイド11aのガイド部品Ga1及びGa2の継ぎ目が示されているが、他のガイド部品の継ぎ目に関しても同様の構成とできる。本発明の一実施形態では、レールガイドの幅方向に対してガイド部品の一方の端部が他方の端部に対して突出した構成であり、端部同士が当接又は契合する構成である。
【0029】
図4Aに示す例は、ガイド部品Ga2の前端部がガイド部品Ga1の後端部に対して突出し、ガイド部品の継ぎ目を上から見た時に、継ぎ目により形成される線L1が尖った部分を持たず、曲線とされたものである。
図4Bに示す例は、継ぎ目により形成される線L2が楔形とされたものである。
図4A及び
図4Bは、当接の例である。さらに、
図4Cは、ガイド部品Ga2の前端部のほぼ中央位置に矩形の突起が形成され、ガイド部品Ga1の後端部に形成された切欠きにこの突起が契合する例である。継ぎ目により形成される線L3が直角に曲がったものとなる。これらの端面の当接又は契合の構成によって、レールガイド11が多少斜めになっても、搬送チェーン3の駆動によって整列(追従)されるため、安定して搬送チェーン3が走行することができる。
【0030】
図4A,
図4B及び
図4Cに示す形状は、一例であって、他の種々の形状が可能である。しかしながら、
図5に示すように、ガイド部品Ga1及びGa2の継ぎ目により形成された線L4が幅方向と一致する直線となる形状は適切ではない。このような継ぎ目は、
図5に示すように、幅方向の力がレールガイド11aに加わった場合に、
図4A、
図4B、
図4Cにそれぞれ示す継ぎ目と比較して二つのガイド部品の幅方向のズレが発生し易い。その結果、レールガイド11の走行路に段差が生じ、搬送チェーン3の走行の円滑性が失われる問題が発生する。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば本発明は、プリント基板に限らず、フレキシブル基板、リジッド基板とフレキシブル基板とを貼り合わせた基板、これらを組み合わせたリジッドフレキ基板のリフローに対しても適用できる。また、加熱炉が1段(1ゾーン)のリフロー装置に対して本発明を適用できる。さらに、リフロー装置に限らず、樹脂の硬化のための加熱装置等に対しても適用できる。また、上述の実施の形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。また、上述の実施の形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0032】
1・・・リフロー装置、3,3a,3b・・・搬送チェーン、W・・・ワーク、
9・・・炉外走行範囲、11,11a,11b・・・レールガイド、Ga1~Ga4,Gb1~Gb4・・・ガイド部品、14・・・溝、21・・・リターンレール
【手続補正書】
【提出日】2024-07-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の加熱炉が配列され、前記加熱炉によって被加熱物に対して熱風を吹きつけるように構成された加熱装置と、
前記加熱装置に対してワークを搬入し、前記加熱装置からワークを搬出する搬送チェーンを有する搬送加熱装置において、
前記搬送チェーンは前記加熱装置内部と前記加熱装置外部で連通する無端状とされ、
前記加熱装置外部に前記搬送チェーンの軌道を規制するガイド部を備え、
前記ガイド部が互いに連結された複数の分割ガイド部からなり、前記搬送チェーンの進行方向の先頭付近の前記分割ガイド部の端部のみが固定されたことを特徴とする搬送加熱装置。
【請求項2】
前記分割ガイド部の継ぎ目が当接又は契合構造とされている請求項1に記載の搬送加熱装置。
【請求項3】
前記分割ガイド部は、前記搬送チェーンが配置される長手方向の溝を有し、前記搬送チェーンと前記溝の壁の間に隙間を有する請求項1又は2に記載の搬送加熱装置。
【請求項4】
前記ガイド部の幅方向の位置を規制する規制部が設けられた請求項1又は2に記載の搬送加熱装置。
【請求項5】
前記ガイド部が非導電性樹脂で構成される請求項1又は2に記載の搬送加熱装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明は、複数の加熱炉が配列され、加熱炉によって被加熱物に対して熱風を吹きつけるように構成された加熱装置と、
加熱装置に対してワークを搬入し、加熱装置からワークを搬出する搬送チェーンを有する搬送加熱装置において、
搬送チェーンは加熱装置内部と加熱装置外部で連通する無端状とされ、
加熱装置外部に搬送チェーンの軌道を規制するガイド部を備え、
ガイド部が互いに連結された複数の分割ガイド部からなり、搬送チェーンの進行方向の先頭付近の分割ガイド部の端部のみが固定されたことを特徴とする搬送加熱装置である。