(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106053
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】電気自動車用受電回路および電気自動車
(51)【国際特許分類】
B60L 53/20 20190101AFI20240731BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20240731BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20240731BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240731BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20240731BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20240731BHJP
B60L 53/66 20190101ALI20240731BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240731BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240731BHJP
【FI】
B60L53/20
B60M7/00 X
B60L5/00 B
B60L50/60
B60L53/12
B60L53/14
B60L53/66
H02J7/00 301D
H02J7/00 301B
H02J50/10
H02J7/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010122
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000219004
【氏名又は名称】島田理化工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087000
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 淳一
(72)【発明者】
【氏名】藤山 浩
(72)【発明者】
【氏名】石間 勉
(72)【発明者】
【氏名】田内 良男
(72)【発明者】
【氏名】永月 巧
【テーマコード(参考)】
5G503
5H105
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5G503GB06
5G503GB08
5H105BA09
5H105BB05
5H105CC07
5H105DD10
5H105EE13
5H105EE15
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125AC27
5H125BC21
5H125CC06
5H125DD02
5H125FF15
5H125FF16
(57)【要約】
【課題】既存のプラグイン給電専用車に搭載することにより、既存のプラグイン給電専用車でもワイヤレス給電方式により給電することができるようにする。
【解決手段】有線通信器を備えたプラグイン給電専用車に搭載される電気自動車用受電回路であって、ワイヤレス給電インバータと通信可能なワイヤレス通信コンバータと、ワイヤレス給電インバータから送電コイルを介して送電された電力を受電する受電コイルと、受電コイルと接続された整流器とを有し、ワイヤレス通信コンバータは、プラグイン給電専用車の有線通信器と接続可能に構成され、整流器は、プラグイン給電専用車の給電コンセントとバッテリとの間に接続可能に構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有線通信器を備えたプラグイン給電専用車に搭載される電気自動車用受電回路であって、
ワイヤレス給電インバータと通信可能なワイヤレス通信コンバータと、
前記ワイヤレス給電インバータから送電コイルを介して送電された電力を受電する受電コイルと、
前記受電コイルと接続された整流器と
を有し、
前記ワイヤレス通信コンバータは、プラグイン給電専用車の有線通信器と接続可能に構成され、
前記整流器は、前記プラグイン給電専用車の給電コンセントとバッテリとの間に接続可能に構成されている
ことを特徴とする電気自動車用受電回路。
【請求項2】
請求項1に記載の電気自動車用受電回路において、
前記整流器は、前記プラグイン給電専用車における前記給電コンセントに接続されている第1の逆電流阻止ダイオードと前記バッテリとの間において、第2の逆電流阻止ダイオードを介して接続されている
ことを特徴とする電気自動車用受電回路。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか1項に記載の電気自動車用受電回路において、
前記電気自動車用受電回路は、前記プラグイン給電専用車の車体に装着可能に小型ユニット化されている
ことを特徴とする電気自動車用受電回路。
【請求項4】
請求項1または2のいずれか1項に記載の電気自動車用受電回路において、さらに、
前記受電コイルを介して給電されるワイヤレス給電と前記給電コンセントを介して給電されるプラグイン給電とを合成する出力合成手段を有し、
前記出力合成手段により合成した出力を前記バッテリへ給電する
ことを特徴とする電気自動車用受電回路。
【請求項5】
請求項3に記載の電気自動車用受電回路において、さらに、
前記受電コイルを介して給電されるワイヤレス給電と前記給電コンセントを介して給電されるプラグイン給電とを合成する出力合成手段を有し、
前記出力合成手段により合成した出力を前記バッテリへ給電する
ことを特徴とする電気自動車用受電回路。
【請求項6】
バッテリに給電される電気自動車において、
プラグイン給電専用車として設計された電気自動車であって、
請求項1または2のいずれか1項に記載の電気自動車用受電回路を搭載した
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項7】
バッテリに給電される電気自動車において、
プラグイン給電専用車として設計された電気自動車であって、
請求項3に記載の電気自動車用受電回路を搭載した
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項8】
バッテリに給電される電気自動車において、
プラグイン給電専用車として設計された電気自動車であって、
請求項4に記載の電気自動車用受電回路を搭載した
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項9】
バッテリに給電される電気自動車において、
プラグイン給電専用車として設計された電気自動車であって、
請求項5に記載の電気自動車用受電回路を搭載した
ことを特徴とする電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車用受電回路および電気自動車に関する。さらに詳細には、本発明は、プラグインによる有線給電方式(本明細書ならびに本特許請求の範囲においては、「プラグインによる有線給電方式」を「プラグイン給電方式」と称する。)により設計された電気自動車(EV:Electric Vehicle)に搭載して好適な電気自動車用受電回路および電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気自動車における給電方式として、プラグイン給電方式と、磁界共振方式(磁気結合方式)などを利用した無線による給電方式(本明細書ならびに本特許請求の範囲においては、「磁界共振方式(磁気結合方式)などを利用した無線による給電方式」を「ワイヤレス給電方式」と称する。)とが知られている。
【0003】
一般に、電気自動車を製造するに際して、プラグイン給電方式を採用する場合にはプラグイン給電の専用車(プラグイン給電専用車:プラグイン給電EV)として設計されており、一方、ワイヤレス給電方式を採用する場合にはワイヤレス給電の専用車(ワイヤレス給電専用車:ワイヤレス給電EV)として設計されている。
【0004】
ここで、
図1には、従来のプラグイン給電方式の説明図が示されている。このプラグイン給電方式に用いる電気自動車は、給電コンセントを備えたプラグイン給電専用車として構成されている。
【0005】
図1において、符号10はプラグイン給電方式における給電設備であるプラグイン給電器であり、符号20はプラグイン給電専用車である。
【0006】
プラグイン給電器10は、プラグイン給電専用車20に設けられた給電コンセント22に挿脱される給電プラグ12を備えている。
【0007】
また、プラグイン給電専用車20は、上記した給電コンセント22と、給電コンセント22と接続されているバッテリ24と、バッテリ24と接続されているインバータ26と、インバータ26と接続されていてプラグイン給電専用車20の駆動源となるモータ28と、給電コンセント22に接続されている有線通信器29とを有して構成されている。
【0008】
なお、こうしたプラグイン給電器10ならびにプラグイン給電専用車20は従来より公知の技術であるので、それらの詳細な説明は省略する。
【0009】
プラグイン給電専用車20においては、給電コンセント22にプラグイン給電器10の給電プラグ12を装着することにより、プラグイン給電器10からプラグイン給電専用車20のバッテリ24への給電と、有線通信器29から有線通信することができる。
【0010】
一方、
図2には、従来のワイヤレス給電方式の説明図が示されている。このワイヤレス給電方式に用いる電気自動車は、ワイヤレス通信コンバータなどを備えたワイヤレス給電専用車として構成されている。
【0011】
図2において、符号30はワイヤレス給電方式における給電設備であるワイヤレス給電インバータであり、符号40はワイヤレス給電専用車である。
【0012】
ワイヤレス給電インバータ30は、駐車場などの路面に設置された送電コイル32と接続されているとともに、ワイヤレス給電専用車40に設けられたワイヤレス通信コンバータ42とワイヤレス通信可能に構成されている。
【0013】
また、ワイヤレス給電専用車40は、上記したワイヤレス通信コンバータ42と、ワイヤレス給電インバータ30から送電コイル32を介して送電された電力を受電する受電コイル44と、受電コイル44と接続された整流器46と、整流器46と接続されたバッテリ48と、バッテリ48と接続されたインバータ50と、インバータ50と接続されていてワイヤレス給電専用車40の駆動源となるモータ52とを有して構成されている。また、上記したワイヤレス通信コンバータ42は、バッテリ48と接続されている。
【0014】
なお、こうしたワイヤレス給電インバータ30ならびにワイヤレス給電専用車40は従来より公知の技術であるので、それらの詳細な説明は省略する。
【0015】
ワイヤレス給電専用車40においては、ワイヤレス給電インバータ30から送電コイル32を介して送電された電力を受電コイル44が受電することにより、ワイヤレス給電インバータ30からワイヤレス給電専用車40のバッテリ48へ給電することができる。
【0016】
上記において説明したように、電気自動車としては、プラグイン給電方式に対応したプラグイン給電専用車と、ワイヤレス給電方式に対応したワイヤレス給電専用車とが存在している。
【0017】
また、電気自動車への給電設備は、プラグイン給電方式に対応したプラグイン給電器と、ワイヤレス給電方式に対応したワイヤレス給電インバータとに分かれている。
【0018】
このため、プラグイン給電専用車は、ワイヤレス給電方式に対応した給電設備であるワイヤレス給電インバータを利用することができないという問題点があった。
【0019】
なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、本願明細書に記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、上記したような従来の技術における種々の問題点などに鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、既存のプラグイン給電専用車に搭載することにより、既存のプラグイン給電専用車でもワイヤレス給電方式により給電することができるようにした電気自動車用受電回路および電気自動車を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明による電気自動車用受電回路は、簡潔な構成により既存のプラグイン給電専用車に容易に取り付け可能であって、送電コイルから送電された電力を受電する受電コイルを備え、当該受電コイルで受電した電力をプラグイン給電専用車のバッテリに給電するようにしたものである。
【0022】
従って、本発明による電気自動車用受電回路によれば、当該電気自動車用受電回路をプラグイン給電専用車に取り付けることにより、プラグイン給電専用車でもワイヤレス給電方式により給電することができるようになる。
【0023】
また、本発明による電気自動車は、本発明による電気自動車用受電回路を搭載しているので、ワイヤレス給電方式により給電することができるようになる。
【0024】
即ち、本発明による電気自動車用受電回路は、有線通信器を備えたプラグイン給電専用車に搭載される電気自動車用受電回路であって、ワイヤレス給電インバータと通信可能なワイヤレス通信コンバータと、上記ワイヤレス給電インバータから送電コイルを介して送電された電力を受電する受電コイルと、上記受電コイルと接続された整流器とを有し、上記ワイヤレス通信コンバータは、プラグイン給電専用車の有線通信器と接続可能に構成され、上記整流器は、上記プラグイン給電専用車の給電コンセントとバッテリとの間に接続可能に構成されているものである。
【0025】
また、本発明による電気自動車用受電回路は、上記した本発明による電気自動車用受電回路において、上記整流器は、上記プラグイン給電専用車における上記給電コンセントに接続されている第1の逆電流阻止ダイオードと上記バッテリとの間において、第2の逆電流阻止ダイオードを介して接続されているものである。
【0026】
また、本発明による電気自動車用受電回路は、上記した本発明による電気自動車用受電回路において、上記電気自動車用受電回路は、上記プラグイン給電専用車の車体に装着可能に小型ユニット化されているものである。
【0027】
また、本発明による電気自動車用受電回路は、上記した本発明による電気自動車用受電回路において、さらに、上記受電コイルを介して給電されるワイヤレス給電と上記給電コンセントを介して給電されるプラグイン給電とを合成する出力合成手段を有し、上記出力合成手段により合成した出力を上記バッテリへ給電するものである。
【0028】
また、本発明による電気自動車は、バッテリに給電される電気自動車において、プラグイン給電専用車として設計された電気自動車であって、上記した本発明による電気自動車用受電回路を搭載したものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、以上説明したように構成されているので、既存のプラグイン給電専用車に搭載することにより、既存のプラグイン給電専用車でもワイヤレス給電方式により給電することができるようになるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、従来のプラグイン給電方式の説明図である。
【
図2】
図2は、従来のワイヤレス給電方式の説明図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施の形態による電気自動車用受電回路を搭載したプラグイン給電専用車における給電の手法を示す説明図である。
【
図4】
図4は、本発明の第2の実施の形態による電気自動車用受電回路を搭載したプラグイン給電専用車における給電の手法を示す説明図である。
【
図5】
図5は、本発明の第3の実施の形態による電気自動車用受電回路を搭載したプラグイン給電専用車における給電の手法を示す説明図である。
【
図6】
図6は、本発明の第3の実施の形態による電気自動車用受電回路を搭載したプラグイン給電専用車における給電の手法を示す説明図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態の一例による電気自動車において、ワイヤレス給電とプラグイン給電とを同時に行って、ワイヤレス給電とプラグイン給電との出力を合成してバッテリへ給電する手法を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による電気自動車用受電回路および電気自動車の実施の形態の一例について詳細に説明するものとする。
【0032】
なお、以下の説明においては、同一または相当する構成については、適宜にそれぞれ同一の符号を用いて示すこととして、それらの詳細な説明については適宜に省略する。
【0033】
(I) 本発明の第1の実施の形態による電気自動車用受電回路についての説明
ここで、
図3には、本発明の第1の実施の形態による電気自動車用受電回路を搭載したプラグイン給電専用車における給電の手法を示す説明図があらわされている。
【0034】
図3に示すように、本発明の第1の実施の形態による電気自動車用受電回路100は、電気自動車の一種であるプラグイン給電専用車20に搭載可能に構成されている。
【0035】
電気自動車用受電回路100は、筐体H内に、ワイヤレス給電インバータ30と通信可能なワイヤレス通信コンバータ104(上記したワイヤレス通信コンバータ42と同様な作用を行う構成を備える。)と、ワイヤレス給電インバータ30から送電コイル32を介して送電された電力を受電する受電コイル106(上記した受電コイル44と同様な作用を行う構成を備える。)と、受電コイル106と接続された整流器108(上記した整流器46と同様な作用を行う構成を備える。)とが配設されている。
【0036】
上記した整流器108は、プラグイン給電専用車20における給電コンセント22とバッテリ24との間に接続可能に構成されている。
【0037】
電気自動車用受電回路100がプラグイン給電専用車20に搭載されると、整流器108は給電コンセント22とバッテリ24との間に接続される。これにより、整流器108により整流されて出力された電力が、バッテリ28に給電される。
【0038】
即ち、電気自動車用受電回路100を搭載したプラグイン給電専用車20においては、送電コイル32からワイヤレス給電された高周波電力が受電コイル106で受電され、受電コイル106で受電された高周波電力が整流器108を通して整流された後に、プラグイン給電専用車20における給電コンセント22とバッテリ24との間に接続された整流器108から、プラグイン給電専用車20のバッテリ24に給電される。
【0039】
また、電気自動車用受電回路100のワイヤレス通信コンバータ104は、プラグイン給電専用車20における有線通信器29と接続可能に構成されている。
【0040】
電気自動車用受電回路100がプラグイン給電専用車20に搭載されると、ワイヤレス通信コンバータ104は有線通信器29と接続される。これにより、有線通信器29の有線通信信号が、ワイヤレス通信コンバータ104においてワイヤレス仕様に変換される。
【0041】
即ち、ワイヤレス通信コンバータ104は、プラグイン給電方式において使用する通信信号を受信して、受信したプラグイン給電方式において使用する通信信号をワイヤレス給電用通信信号に変換して、ワイヤレス給電インバータ30と通信する。
【0042】
また、このワイヤレス通信コンバータ104は、プラグイン給電専用車20とワイヤレス給電インバータ30との間で必要な各種の制御通信を行う。
【0043】
上記において説明した電気自動車用受電回路100は、全体が簡潔な構成であるので、既存のプラグイン給電専用車20に容易に取り付けることができる。
【0044】
そして、電気自動車用受電回路100を搭載したプラグイン給電専用車20によれば、プラグイン給電方式における給電設備であるプラグイン給電器10と、ワイヤレス給電方式における給電設備であるワイヤレス給電インバータ30とのいずれからも、バッテリ24に給電することができる。
【0045】
即ち、電気自動車用受電回路100を搭載したプラグイン給電専用車20においては、プラグイン給電器10の給電プラグ12を給電コンセント22に装着することにより、バッテリ24にプラグイン給電器10から給電することができる。
【0046】
さらに、電気自動車用受電回路100を搭載したプラグイン給電専用車20においては、ワイヤレス給電インバータ30に接続された送電コイル32からワイヤレス給電された高周波電力を受電コイル106で受電することにより、バッテリ24にワイヤレス給電インバータ30から給電することができる。
【0047】
従って、電気自動車用受電回路100を搭載したプラグイン給電専用車20のユーザーは、プラグイン給電専用車20の給電時において、給電設備として、プラグイン給電方式における給電設備であるプラグイン給電器10とワイヤレス給電方式における給電設備であるワイヤレス給電インバータ30とのいずれかを自由に選択することができる。
【0048】
また、電気自動車用受電回路100は、全体が簡潔な構成であり、単に整流器108を給電コンセント22とバッテリ24との間に接続するとともにワイヤレス通信コンバータ104を有線通信器29に接続するだけでよいので、既存のプラグイン給電専用車20に搭載する際にも簡単に取り付けることができるとともに、既存のプラグイン給電専用車20の改造も容易におこなうことができる。
【0049】
さらに、電気自動車用受電回路100は、従来のプラグイン給電専用車20に搭載されている既存の充電システム(給電コンセント22、バッテリ24、インバータ26、モータ28などである。)をそのまま利用することができる。
【0050】
(II) 本発明の第2の実施の形態による電気自動車用受電回路についての説明
ここで、
図4には、本発明の第2の実施の形態による電気自動車用受電回路を搭載したプラグイン給電専用車における給電の手法を示す説明図があらわされている。
【0051】
この
図4に示す本発明の第2の実施の形態による電気自動車用受電回路200は、整流器108が、プラグイン給電専用車20における給電コンセント22に接続されている逆電流阻止ダイオード23とバッテリ24との間において、逆電流阻止ダイオード109を介して接続されている点において、上記した本発明の第1の実施の形態による電気自動車用受電回路100と異なっている。
【0052】
従って、この本発明の第2の実施の形態による電気自動車用受電回路200においては、ワイヤレス給電側からプラグイン給電側への逆電流が阻止されるので、安全面ならびに故障防止のために有効である。
【0053】
(III) 本発明の第3の実施の形態による電気自動車用受電回路についての説明
ここで、
図5には、本発明の第3の実施の形態による電気自動車用受電回路を搭載したプラグイン給電専用車における給電の手法を示す説明図があらわされている。
【0054】
また、
図6には、本発明の第3の実施の形態による電気自動車用受電回路を搭載したプラグイン給電専用車における給電の手法を示す説明図があらわされている。
【0055】
この
図5ならびに
図6に示す本発明の第3の実施の形態による電気自動車用受電回路300は、上記した電気自動車用受電回路100、200を小型ユニット化したものであり、このように電気自動車用受電回路100、200を小型ユニット化した電気自動車用受電回路300を用いることにより、既存のプラグイン給電専用車20により簡単に装着することができるようになる。
【0056】
なお、
図5ならびに
図6においては、図の視認性を向上するために、電気自動車用受電回路300の筐体H内に配設される構成の一部や、プラグイン給電専用車20における有線通信器29などの構成の図示は省略している。
【0057】
上記において電気自動車用受電回路100、200について説明したように、電気自動車用受電回路100、200は全体が簡潔な構成であるので、
図5に示すように既存のプラグイン給電専用車20の車体の下や、
図6に示すように既存のプラグイン給電専用車20の車体の上などに装着可能なように容易に小型ユニット化することが可能であり、電気自動車用受電回路300として構成することができる。
【0058】
従って、本発明の第3の実施の形態による電気自動車用受電回路300によれば、既存のプラグイン給電専用車20の構成を変えることなく、プラグイン給電専用車20の車体の下や上などの適宜の場所に装着することができるので、プラグイン給電専用車20の改造が非常に容易であるとともに取り付けも簡単になる。
【0059】
(IV) その他の実施の形態について
なお、上記した実施の形態は例示に過ぎないものであり、本発明は他の種々の形態で実施することができるものである。即ち、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換えあるいは変更などを適宜に行うことができる。
【0060】
例えば、上記した実施の形態は、以下の(IV-1)乃至(IV-4)に説明するように変形してもよい。
【0061】
(IV-1) 上記した各実施の形態において、ワイヤレス給電とプラグイン給電との出力を合成してバッテリ24へ給電するようにしてもよいことは勿論である。
【0062】
ここで、
図7には、本発明の実施の形態の一例による電気自動車において、ワイヤレス給電とプラグイン給電とを同時に行って、ワイヤレス給電とプラグイン給電との出力を合成してバッテリへ給電する手法を模式的に示す説明図があらわされている。
【0063】
図7に示すように、上記した各実施の形態において、受電コイル106を介して給電されるワイヤレス給電と給電コンセント22を介して給電されるプラグイン給電とを同時に行い、出力合成部400によりワイヤレス給電とプラグイン給電との出力を合成して、合成した出力たる電力をバッテリ24へ給電するようにしてもよいことは勿論である。
【0064】
このように、ワイヤレス給電とプラグイン給電とを同時に行って、それらの出力を合成してバッテリ24へ給電することにより、バッテリ24への給電時間の短縮化を図ることができるようになる。
【0065】
(IV-2) 上記した各実施の形態においては、プラグイン給電専用車に関する詳細な説明は省略したが、プラグイン給電専用車にはプラグインハイブリッド車も含まれることは勿論である。
【0066】
(IV-3) 上記した各実施の形態においては、筐体H内にワイヤレス通信コンバータ104と受電コイル16と整流器108とが配設されている場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論である。即ち、ワイヤレス通信コンバータ104と受電コイル16と整流器108とは必ずしも筐体H内に配設される必要なく、設計条件や使用条件などに応じて適宜の場所に配置されていてもよい。
【0067】
(IV-4) 上記した実施の形態ならびに上記した(IV-1)乃至(IV-3)に示す各実施の形態や変形例などは、適宜に組み合わせるようにしてもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、プラグイン給電専用車に適用すると、当該プラグイン給電専用車のバッテリに給電する際に極めて有用である。
【符号の説明】
【0069】
10 プラグイン給電器
12 給電プラグ
20 プラグイン給電専用車
22 給電コンセント
23 逆電流阻止ダイオード(第1の逆電流阻止ダイオード)
24 バッテリ
26 インバータ
28 モータ
29 有線通信器
30 ワイヤレス給電インバータ
32 送電コイル
40 ワイヤレス給電専用車
42 ワイヤレス通信コンバータ
44 受電コイル
46 整流器
48 バッテリ
50 インバータ
52 モータ
100 電気自動車用受電回路
104 ワイヤレス通信コンバータ
106 受電コイル
108 整流器
109 逆電流阻止ダイオード(第2の逆電流阻止ダイオード)
200 電気自動車用受電回路
300 電気自動車用受電回路
400 出力合成部(出力合成手段)
H 筐体