(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106067
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】遊技情報表示装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010149
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】雁部 元春
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088EB56
2C088EB68
(57)【要約】
【課題】効果的な表示を実行可能な遊技情報表示装置を提供すること。
【解決手段】遊技場において各遊技機2に付設され、遊技者が獲得した得点数を表示可能な表示板10を備えている遊技情報表示装置1において、表示板10は、垂直軸121の周りに回転可能に支持されると共に、水平軸101の周りに回転可能に支持されており、現時点で遊技者が獲得している得点数、及び現時点の遊技状態に応じて予め設定された回転パターンに従って回転駆動される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置された遊技場において各遊技機に付設され、当該遊技機で遊技者が獲得した得点数を表示可能な遊技情報表示装置であって、
回転軸の周りに回転可能に支持され、前記得点数を表示可能な表示板と、
前記表示板を回転駆動する回転駆動部と、
前記表示板における前記得点数の表示処理を実行するとともに、前記回転駆動部による回転駆動処理を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、現時点で遊技者が獲得している得点数および現時点の遊技状態に応じて予め設定された回転パターンに従い、前記回転駆動処理を実行することを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記回転軸として、前記表示板の横回転を可能とする垂直軸と、前記表示板の縦回転を可能とする水平軸と、があり、
前記表示板は、前記垂直軸及び前記水平軸の周りに同時に回転可能なように支持され、
前記回転パターンとして、前記垂直軸及び水平軸の周りに同時に回転させるパターンが含まれることを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記遊技状態として、遊技機が大当たり状態となったこと、及び遊技機が非稼動状態となったことを含む請求項1又は2に記載の遊技情報表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示板に対し、回転コネクタを介して電力の供給を行うとともに、前記表示処理を実行するための制御信号を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報表示装置。
【請求項5】
前記回転コネクタは、接触式の回転コネクタであるスリップリングであることを特徴とする請求項4に記載の遊技情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、遊技者が獲得している得点数(持玉数、持メダル数)を表示するための表示装置を各遊技機に付設する構成が一般的となっている。遊技機に対して表示装置を付設すれば、遊技者の得点数を他の遊技者に対してアピールでき、遊技場全体で遊技意欲を高める効果が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の表示装置による表示の形式は、単純な数値の表示あるいはランプの点灯に過ぎないため、離れた位置からは視認しづらく、アピールの効果が不十分であるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、効果的な表示を実行可能な遊技情報表示装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技情報表示装置は、遊技場において各遊技機に付設され、遊技者が獲得した得点数を表示可能な表示装置である。本発明の遊技情報表示装置は、回転軸の周りに回転可能に支持され、得点数を表示可能な表示板を備えている。この表示板は、現時点で遊技者が獲得している得点数及び現時点の遊技状態に応じて、予め設定された回転パターンに従って回転駆動される。
【0007】
このように本発明の遊技情報表示装置では、遊技者の得点数を表示する表示板自体が回転できるので、従来の単純な表示形式と比べて効果的なアピールが可能になっている。また、この遊技情報表示装置では、遊技機の遊技状態によって表示板が回転するため、遊技状態の把握が容易になっている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】遊技機が配列された島に面する通路を見込む図。
【
図3】パチンコ遊技機及び得点処理装置の組合せを示す正面図。
【
図4】パチンコ遊技機及び得点処理装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図6】呼出表示装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図9】中間枠による表示板の支持構造を示す説明図。
【
図10】外枠による中間枠の指示構造を示す説明図。
【
図11】表示板が原点位置にあるときの得点表示装置の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技場において各遊技機2に付設され、遊技機2で遊技者が獲得した得点数を表示可能な得点表示装置1(遊技情報表示装置の一例。)に関する例である。この得点表示装置1は、遊技者が獲得している現時点の得点数及び現時点の遊技状態に応じて、予め設定された回転パターンに従って得点数を表示可能である。この内容について、
図1~
図13を用いて説明する。
【0010】
まず、本例の得点表示装置1が設置された遊技場(
図1)について説明する。遊技場では、パチンコ遊技機21やパチスロ遊技機(図示略)等の遊技機2に対して、得点表示装置1に加えて得点処理装置4や呼出表示装置3等が個別に設置されている。さらに、2台の遊技機2毎に、中継装置509が1台ずつ設置されている。
【0011】
遊技場内の管理スペースには、遊技場内の遊技機2及び各種周辺機器を管理するための管理装置5が設置されている。また、遊技場には、図示しない景品交換カウンタが設けられ、遊技者が獲得した遊技価値を景品に交換するための景品交換端末(図示略)が設置されている。遊技場では、管理装置5を中心として、遊技場内に設置された機器(遊技機2、得点表示装置1、得点処理装置4、呼出表示装置3など)を含む管理システムが構成されている。
【0012】
遊技場(
図1)では、各種機器が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク500が構築されている。遊技機2と通信可能に接続された得点処理装置4や呼出表示装置3等が、中継装置509を介して場内ネットワーク500に接続されている。場内ネットワーク500では、得点処理装置4や呼出表示装置3等の遊技機2の周辺装置と、管理装置5と、の間の各種の通信が中継装置509を介して実現されている。
【0013】
管理装置5は、遊技場内に設置された全ての機器の稼動状況を管理するコンピュータ装置である。管理装置5は、動作に必要な各種の設定情報を各機器に送信する。管理装置5は、各遊技機2の遊技状況を表す稼動データや、遊技者の遊技履歴データ、等を収集して記憶、管理する機能を備えている。
【0014】
遊技履歴データには、遊技者が所有する入金残高や、遊技者が獲得した遊技価値を表す得点数等が含まれる。遊技場では、遊技カードに対応付けて各遊技者の所有価値が管理されている。管理装置5は、遊技カードの識別情報であるカードIDを対応付けた遊技者の所有価値の情報を、カード情報として記憶している。なお、本例では、遊技機2側で記憶される得点を遊技点、得点処理装置4側で記憶される得点を持点、両方を合算した得点を合計点と称する。
【0015】
中継装置509は、得点処理装置4及び呼出表示装置3と、管理装置5と、の間のデータ送受信を中継する端末装置である。上記の通り、中継装置509は、遊技機2台につき、1台ずつ設置されている。
【0016】
呼出表示装置3は、遊技機2毎に1台ずつ、個別に設置される表示装置である。この呼出表示装置3の設置場所は、対応する遊技機2の上方である。呼出表示装置3は、中継装置509経由で管理装置5から各種設定及び各種情報を受信し、表示情報を更新する。また、中継装置509経由で遊技機2及び得点処理装置4から各種情報を受信し、表示情報を更新する。
【0017】
得点表示装置1は、遊技情報表示装置の一例であって、呼出表示装置3と同様、遊技機2毎に1台ずつ、個別に設置される。得点表示装置1は、
図2のごとく、壁面に固定される旗竿のような取付ポール19により片持ち支持され、通路側に突き出すように取り付けられる。得点表示装置1は、表示面が通路方向に面しており、通路の両端から表示面を視認可能である。得点表示装置1は、呼出表示装置3と通信可能に接続されており、遊技者の得点数を表示可能である。
【0018】
遊技機2は、パチンコ遊技機21や図示しないパチスロ遊技機などの遊技機である。遊技機2は、各種の遊技情報(消費遊技価値情報、付与遊技価値情報、大当たり発生情報など)を、得点処理装置4へ送信する。本例では、遊技価値である得点を消費しながら遊技媒体である遊技球を発射して遊技される封入式のパチンコ遊技機21を、遊技機2の一例として例示する。パチンコ遊技機21では、いずれかの入賞口への遊技球の入賞に応じて、遊技価値をなす得点が付与される。
【0019】
得点処理装置4は、各遊技機2に対して個別に設置され、遊技に必要な得点の付与処理や、得点を記録した遊技カード(図示しない記録媒体の一例)の発行処理など、得点に関する処理を実行する装置である。この得点処理装置4は、遊技機2の側方、隣り合う遊技機2との間隙に配置される(
図1参照。)。
【0020】
得点処理装置4は、入金額又は遊技カードに記録された入金残高の範囲内で遊技機2に遊技点数を送信する。また、得点処理装置4は、計数処理に応じて遊技機2から受信した遊技点数を持点数として記憶するとともに、持点数と遊技点数との合計点数も記憶する。得点処理装置4は、入金残高及び持点数を記録した遊技カードを発行可能である。また、得点処理装置4は、中継装置509経由で持点数、遊技点数の情報を管理装置5、呼出表示装置3へ随時送信する。なお、遊技カードの発行時には、台番、カードID、入金残高、持点数などの発行情報を、管理装置5及び呼出表示装置3へ送信する。
【0021】
以下、(A)遊技機及び得点処理装置の構成及び基本動作、(B)呼出表示装置の構成及び動作内容、(C)得点表示装置の構成及び動作内容、について詳しく説明する。
【0022】
(A)遊技機及び得点処理装置の構成及び基本動作
遊技機2の一例であるパチンコ遊技機21(
図3)は、遊技価値である遊技点(得点)を消費(使用)して遊技媒体である遊技球を循環発射して遊技される遊技機である。例示するパチンコ遊技機21は、特図始動口221への入賞に応じて大当たり抽選が実行され、大当たりに当選したときに大当たり図柄が表示されて大当たり状態が発生する、いわゆるセブン機である。
【0023】
パチンコ遊技機21は、
図3に示すように、略円形状の遊技領域(遊技盤)210を有している。遊技領域210の上部、左右両側には装飾ランプ部242が設けられ、遊技領域210の下部、左側にはスピーカ241が配置されている。また、遊技領域210の下側には、情報表示部25が配設され、情報表示部25の右下には、操作ハンドル26が設けられている。
【0024】
情報表示部25は、液晶ディスプレイにより構成され、その表示画面には、大当たり回数や特図抽選回数など遊技に関する各種の遊技情報等、各種の情報が表示される。情報表示部25の表示画面は、シート状のタッチパネル251(
図4)が積層されたタッチ操作が可能な表示画面となっている。表示画面へのタッチ操作に応じて、情報表示部25による表示内容を切替可能である。
【0025】
情報表示部25の表示画面には、得点処理装置4から受信した遊技点や、入賞に応じて付与された得点に基づく遊技点、などの累計の遊技点数が表示される。遊技点数は、遊技球を1個発射する毎に1点ずつ減算される一方、入賞口への遊技球の入賞に応じて所定の遊技点(得点)が加算される。パチンコ遊技機21では、この遊技点数がゼロになると遊技球を発射できなくなる。
【0026】
遊技領域210は、遊技媒体である遊技球が流下する領域である。遊技領域210では、図柄表示部24を含む表示装置が中心近くに配置され、入賞することなく流下した遊技球を回収するためのアウト孔225が最下部に設けられている。特図始動口221は、図柄表示部24の下側に配置され、特図始動口221とアウト孔225の中間には、大入賞口222が設けられている。
【0027】
遊技者側から向かって図柄表示部24の左側には通過ゲート式の普図始動口223等が配置されている。普図始動口223は、遊技球の通過を検知するためのゲートである。遊技球を通過させるのみの普図始動口223には、遊技球の払い出し(賞球)が設定されていない。普図始動口223により遊技球が検知されると、普通図柄の当否判定(以下、普図抽選という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図抽選が実行される。普図抽選の当否は、図柄表示部24によって表示される。
【0028】
特図始動口221は、特別図柄の当否判定(以下、特図抽選という。)の契機となる入賞口である。特図始動口221は、電動チューリップ(電動役物)を備えており、入賞率を変更可能な可変入賞口である。電動チューリップは、普図抽選での当選を契機として開放し、特図始動口221の入賞率を格段に高くする。特図始動口221に遊技球が入賞(始動入賞)すると、特図抽選用の抽選用乱数が抽出され、特図抽選(大当たり抽選)が実行される。
【0029】
図柄表示部24は、液晶ディスプレイにより図柄を変動表示する表示部である。図柄表示部24は、特図抽選の当否(抽選結果)を表示する特図表示部としての機能と、普図抽選の当否(抽選結果)を表示する普図表示部としての機能と、を有している。特図抽選に当選すると、大入賞口222の開放を含む大当たりが発生する。
【0030】
パチンコ遊技機21は、
図4のごとく主制御部20を中心として構成されている。主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)201、記憶素子であるROM(Read Only Memory)202・RAM(Random Access Memory)204、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)205等を備えている。
【0031】
RAM204の記憶領域には、発射可能な遊技球の球数を表す遊技点や、遊技者が獲得した遊技価値の現在値である得点数などの記憶エリアが設けられている。RAM204を含む主制御部20は、遊技価値記憶手段としての機能等を備えている。
【0032】
主制御部20に対しては、情報表示部25、タッチパネル251、演出制御部291、入賞した遊技球のセンサ293~295、特図始動口(電チュー)221を開放する特図始動ソレノイド296、大入賞口222を開放させる大入賞口ソレノイド297、及び電力供給のための電源回路部298、設定操作部23等が電気的に接続されている。さらに、主制御部20には、得点処理装置4との通信窓口をなすI/F部200が電気的に接続されている。
【0033】
演出制御部291には、スピーカ241を駆動するアンプ241Aや装飾ランプ部242が電気的に接続されているほか、図柄表示部24の表示画面を制御する表示制御部292が通信可能に接続されている。
【0034】
入賞した遊技球の検出センサとしては、特図始動口221への入賞を検出する特図入賞センサ293、普図始動口223の入賞を検出する普図入賞センサ294、及び大入賞口222への入賞を検出する大入賞センサ295がある。
【0035】
設定操作部23は、各種の設定を行うための操作部である。設定操作部23は、遊技機本体の内部に設けられ、遊技盤面を前方へ開放すると操作可能になる。設定操作部23によれば、大当たり確率が異なる例えば6段階の設定値のうちのいずれかを設定する設定操作等を行うことができる。
【0036】
パチンコ遊技機21は、遊技点を消費する遊技の実行に応じて、遊技状態を表す各種の遊技情報を得点処理装置4へ送信する。パチンコ遊技機21が出力する遊技情報は、機種によって異なる様々な情報がある。例えば、本例のパチンコ遊技機21は、以下の各遊技情報を得点処理装置4へ送信する。パチンコ遊技機21が出力する遊技情報は、得点処理装置4経由にて、中継装置509、管理装置5、呼出表示装置3、等に送信される。
【0037】
・消費遊技点情報:遊技で消費された遊技点数を示す情報。
・付与遊技点情報:入賞により付与された遊技点数を示す情報。
・スタート情報:大当たり抽選が実行されたことを示す情報。
・大当たり情報:大当たり状態であることを示す情報。
・確変情報:確変状態であることを示す情報。
【0038】
パチンコ遊技機21に個別に対応する得点処理装置4は、隣り合うパチンコ遊技機21との台間スペースに設置されている(
図1参照。)。この得点処理装置4は、遊技球を発射する権利となる遊技点(得点)の付与機能(貸出機能)を備えている。
【0039】
得点処理装置4の前面(
図3参照。)には、装置エラー等の作動状態を表示する状態ランプ41、紙幣挿入口420、液晶表示画面にタッチパネルが積層されタッチ操作可能な表示部43、代金引き落としに応じて遊技に必要な遊技点の貸出を受けるための貸出ボタン44、計数済みの得点である持点を遊技点に変換するための再遊技ボタン45、遊技カードの返却を求める返却ボタン46、カード挿入口470、等が配設されている。
【0040】
得点処理装置4は、
図4のごとく、CPU401、ROM402、RAM403、I/O404等を備える制御部40を中心として電気的に構成されている。制御部40に対しては、上記の各構成のほか、紙幣処理部42、カード処理部47、I/F部400が電気的に接続されている。得点処理装置4は、I/F部400を介して中継装置509と通信可能であるほか、対応するパチンコ遊技機21と直接接続されている。
【0041】
続いてパチンコ遊技機21及び得点処理装置4の基本動作を説明する。パチンコ遊技機21は、対応する得点処理装置4から遊技点(得点)を受信すると、その遊技点数分の遊技球を発射できるようになる。パチンコ遊技機21は、遊技球を発射する毎に1玉ずつ遊技点数を減算する一方、入賞が発生した場合には、入賞に応じた得点を遊技点数に加算する。パチンコ遊技機21では、この遊技点数がゼロになった時点で、遊技球の発射ができなくなり遊技を継続できなくなる。なお、パチンコ遊技機21は、記憶している遊技点数を随時、得点処理装置4へ送信する。
【0042】
パチンコ遊技機21では、操作ハンドル26を操作することで遊技領域210の右下に配置された図示しない発射装置から遊技球を発射できる。遊技球が特図始動口221へ入賞すると特図抽選(大当たり抽選)が実行され、図柄表示部24にて特図の図柄変動が開始される。
【0043】
特図抽選で当選した場合は、図柄表示部24にて、777などの大当たり図柄が停止表示されて大当たりが報知され、大当たり状態へ移行する。大当たり状態では、大入賞口222が規定回数開放されることにより、入賞率が大幅に向上する。
【0044】
なお、普図始動口223へ入賞すると普図抽選が実行され、普図の図柄変動が図柄表示部24で開始される。普図抽選に当選すると、図柄表示部24でその旨が報知されると共に、特図始動口221の電動チューリップが開放して特図始動口221への入賞が容易になる。
【0045】
パチンコ遊技機21の遊技状態としては、上記の大当たり状態のほか、通常状態、確変状態がある。確変状態は、通常状態よりも特図判定及び普図判定の当選確率が高まり、大当たりの期待度が高くなる熱い状態である。例示するパチンコ遊技機21では、大当たり状態の終了後、70%の確率で確変状態に移行し、30%の確率で通常状態に移行する。なお、パチンコ遊技機21の遊技中では、情報表示部25へのタッチ操作に応じて各種の遊技データ(大当たり回数、特図抽選回数など)の閲覧が可能である。
【0046】
パチンコ遊技機21での遊技を終了する際などでは、パチンコ遊技機21が記憶している遊技点数の計数を受ける必要がある。遊技点数の計数のためには、情報表示部25に表示される図示しない計数ボタンをタッチ操作(計数操作)すれば良い。計数操作に応じて遊技点が、得点処理装置4に送信され、遊技点数が減算される。短タッチの計数操作により遊技点が1点ずつ送信され、長タッチ(連続タッチ)の計数操作により遊技点が全点一括して送信される。得点処理装置4では、パチンコ遊技機21から受信した遊技点が持点へ変換される。パチンコ遊技機21が記憶している遊技点数は、得点処理装置4への送信完了に応じてゼロになる。
【0047】
得点処理装置4は、対応するパチンコ遊技機21から各種の遊技情報を受信して稼動データを集計し記憶すると共に、中継装置509経由にて随時、管理装置5及び呼出表示装置3へ稼動データを送信する。また、得点処理装置4は、遊技者の入金残高や持点数などの得点数等、遊技者の所有価値の情報についても随時、管理装置5へ送信する。なお、得点処理装置4は、管理装置5から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価など)を受信し、記憶している。
【0048】
得点処理装置4が集計する稼動データとしては、例えば、以下のデータがある。
(1)大当たり回数:大当たり状態の発生回数(連荘回数)。
(2)大当たり間スタート:直前の大当たり状態が終了してからの大当たり抽選回数であるスタート回数(只今スタート回数)。
(3)本日累計スタート:当日、開店後の累計スタート回数。
(4)持点数:遊技者が獲得した得点のうち、計数済みの得点である持点の点数。
(5)差点数:営業開始時点からの付与点数から消費点数を差し引いた点数。
【0049】
得点処理装置4は、紙幣を受け付けると、その紙幣の額を入金残高に加算して記憶する。なお、入金残高の上限は10000円となっている。また得点処理装置4は、会員カードや一般カードなどの遊技カードを受け付け可能である。得点処理装置4は、一般カードを受け付けたときは、その遊技カードの識別情報であるカードIDを対応付けて管理装置5が記憶しているカード情報と照合する。そして、得点処理装置4は、照合結果がOKのとき、そのカード情報に係る入金残高及び持点数を表示する。会員カードを受け付けたときは、暗証番号による認証を条件としてその遊技カードから入金残高を読み出すと共に、管理装置5から持点数を読み出して表示する。
【0050】
得点処理装置4は、貸出ボタン44の操作など遊技者の求めに応じて遊技者の入金残高、貯玉、持点を遊技点に変換し、対応するパチンコ遊技機21へ送信する。例えば貸出ボタン44が操作されたときには、一定金額(例えば1000円)ずつ遊技点(250点)に変換し、パチンコ遊技機21へ送信する。例えば再遊技ボタン45が操作されたときには、持点を250点ずつ遊技点に変換し、パチンコ遊技機21へ送信して持点による再プレイを可能にする(再プレイ処理)。
【0051】
得点処理装置4は、持点数、遊技点数、及び持点数と遊技点数との合計点数である全得点数、などの得点数を記憶、表示する。得点処理装置4は、対応するパチンコ遊技機21から得点の加算情報及び減算情報を受信し、記憶している得点数を更新する。そして、得点数の更新に応じて、得点数情報を中継装置509へ送信する。
【0052】
得点処理装置4は、入金残高及び持点の少なくとも何れか一方が存在する状態で返却ボタン46が操作されたときは、遊技カードを発行する。一般カードを発行する場合には、入金残高及び持点数を遊技カードに記録して発行すると共に、発行情報を管理装置5へ送信する。会員カードを発行する場合には、入金残高のみを遊技カードに記録し、発行情報を管理装置5へ送信する。パチンコ遊技機21が記憶する遊技点数については、遊技カードには記録されず、遊技機2側に記憶されたままとなる。なお、得点処理装置4は、カードストッカーを内蔵し、最大10枚の遊技カードをストック可能である。
【0053】
(B)呼出表示装置の構成及び動作内容
呼出表示装置3(
図1及び
図5)は、対応する遊技機2に関する各種の情報を表示する装置である。呼出表示装置3は、大型の液晶ディスプレイよりなる液晶表示部33を備えている。液晶表示部33の画面330の下側には、呼出ボタン341、リモコン受光部347、各種の操作ボタン群345、などが配置され、上半分を取り囲むようにランプ部32が配設されている。
【0054】
呼出表示装置3は、
図6のごとく、制御部30を中心として電気的に構成されている。制御部30は、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU301、メモリ手段としてのROM302・RAM304、信号の入出力を行うI/O部305を含んでいる。制御部30に対しては、外部と信号の送受信を実行するI/F部308、液晶表示部33、従業員の呼出機能を有するランプ部32、呼出ボタン341、操作ボタン群345、及びリモコン受光部347、等が電気的に接続されている。
【0055】
呼出表示装置3は、(1)遊技情報の作成・表示処理、(2)遊技状態の判定処理、(3)得点表示装置への情報送信処理、を実行可能である。
(1)遊技情報の作成・表示処理
呼出表示装置3は、管理装置5から各種の設定情報や対応する遊技機2に関する情報を受信すると共に、対応する遊技機2に関する各種の遊技情報を得点処理装置4等から受信する。そして、呼出表示装置3は、受信した設定情報や遊技情報等に基づいて各種の表示用情報を作成して表示する。なお、呼出表示装置3は、中継装置509経由で、設定情報や遊技情報などを受信する。
【0056】
管理装置5から受信する設定情報としては、例えば、対応する遊技機2の機種名、識別情報となる台番号、大当たり確率や大当たり出玉数などの遊技性能、等の情報がある。得点処理装置4から受信する対応する遊技機2の遊技情報としては、例えば、大当たり抽選回数(スタート回数)、大当たりの発生回数、遊技点数や、持点数、等の情報がある。
【0057】
(2)遊技状態の判定処理
呼出表示装置3は、得点処理装置4からの情報に基づいて、遊技機2の遊技状態(大当たり、確変、通常)を判定する。また、呼出表示装置3は、前面に設けられた操作ボタンによる操作や、従業員が携帯するリモコン(図示略)からの信号入力に基づいて、遊技者の離席や休憩を判定する。
【0058】
(3)得点表示装置への情報送信処理
呼出表示装置3は、得点表示装置1への情報送信処理を実行可能である。呼出表示装置3は、合計点数情報、大当たり発生情報、離席・休憩情報、等を得点表示装置1へ随時送信する。
【0059】
なお、呼出表示装置3は、通常時に
図5に例示する画面を表示する。同図の通常画面では、向かって左側の上から順番に、本日、前日(1日前)、前々日(2日前)の初当たり回数の表示欄、大当たりの内訳の表示欄、及び本日のスタート回数の表示欄が表示される。画面の中央には、本日、前日、前々日の大当たり回数を表示するメイン表示欄が表示され、その下側には、過去の最高差玉の表示欄、及び大当たり間スタート回数を棒グラフで表すグラフ表示欄が、横並びで表示される。
【0060】
(C)得点表示装置の構成及び動作内容
得点表示装置1は、5桁の数字を表示する表示板10を備える遊技情報表示装置である。この得点表示装置1は、上記のごとく、対応する遊技機2の上方の壁面に固定される取付ポール19によって片持ち支持されている。
【0061】
得点表示装置1では、縦方向及び横方向に回転可能に表示板10が支持されている。横長ボード状の表示板10は、中間枠12を介して、外枠14に支持されている。表示板10は、中間枠12に対して縦方向に回転可能に軸支されている。中間枠12は、取付ポール19が固定された外枠14に対して横方向に回転可能に軸支されている。得点表示装置1では、中間枠12を介在する支持構造により、表示板10の縦方向及び横方向の回転が可能となっている。
【0062】
表示板10は、5桁の数字をデジタル表示する7セグ部107が、表裏両面に設けられた横長ボード状のユニットである。7セグ部107は、0~9のアラビア数字を表示する電子部品である7セグメントディスプレイが5個、横並びで配置された表示部である。7セグメントディスプレイは上下対称であるので、表示板10の縦回転に応じて上下が反転しても、ソフトウェア的な処理により数字を正しく表示できる。
【0063】
表示板10の左右両側の側面には、それぞれ、回転軸101が立設されている(
図8~
図10参照。)。水平軸の一例である回転軸101は、中間枠12に穿設された軸孔120により回転可能に軸支される。一方の回転軸101には、回転ギア102が外挿固定され、さらに回転軸101の先端側には、回転リング103Aが取り付けられている。回転リング103Aは、回転コネクタの一例である接触式のスリップリング103の構成部品である。
【0064】
中間枠12は、正面形状が矩形状を呈する枠体である。中間枠12の一方の側壁には、表示板10を縦回転させるための駆動モータ121M、スリップリング103の構成部品であるブラシユニット103B、等が組み込まれている。駆動モータ121Mの回転シャフトには、表示板10側の回転ギア102と噛合する回転ギア121Gが外挿固定されている。駆動モータ121M、回転ギア102、回転ギア121Gの組合せにより、表示板10を縦回転させるための第1の回転駆動部が形成されている。
【0065】
駆動モータ121Mは、回転ギア121Gを介して表示板10を縦方向に回転駆動する。ブラシユニット103Bは、表示板10側の回転リング103Aとの組合せによりスリップリング103を構成している。スリップリング103は、電力及び各種信号を表示板10に供給あるいは伝達するための接触式の回転コネクタである。回転リング103Aは、回転可能な状態でブラシユニット103Bに内挿配置されている。
【0066】
中間枠12の上面及び下面には回転軸121が立設されている。垂直軸の一例である回転軸121は、外枠14に穿設された軸孔140により回転可能に軸支される。下面の回転軸121には、回転ギア122が外挿固定され、さらに回転軸121の先端側には、回転リング123Aが取り付けられている。回転リング123Aは、回転コネクタの一例である接触式のスリップリング123の構成部品である。
【0067】
外枠14は、正面長方形状の中空部が設けられた枠体である。外枠14は、表示板10の回転動作および表示を制御するための制御部148、中間枠12と共に表示板10を横回転させるための駆動モータ141M、スリップリング123の構成部品であるブラシユニット123B、等を内蔵している。駆動モータ141Mの回転シャフトには、中間枠12側の回転ギア122と噛合する回転ギア141Gが外挿固定されている。駆動モータ141M、回転ギア122、回転ギア141Gの組合せにより、表示板10を横回転させるための第2の回転駆動部が形成されている。
【0068】
駆動モータ141Mは、回転ギア141Gを介して中間枠12を横方向に回転駆動する。ブラシユニット123Bは、中間枠12側の回転リング123Aとの組合せによりスリップリング123を構成している。スリップリング123は、電力及び各種信号を中間枠12側に供給あるいは伝達するための接触式の回転コネクタである。回転リング123Aは、回転可能な状態でブラシユニット123Bに内挿配置されている。
【0069】
制御部148は、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU、メモリ手段としてのROM・RAM、信号の入出力を行うI/O部を含んでいる。制御部148は、I/O部を介して呼出表示装置3と通信可能に接続されている。制御部148は、上記のごとく、合計点数情報、大当たり発生情報、離席・休憩情報、稼動情報等の情報を、呼出表示装置3から受信する。
【0070】
制御部148は、駆動モータ121M、141Mの回転制御、表示板10による表示制御、等を実行する。駆動モータ121Mの回転は、スリップリング123を介して取得する制御信号(回転制御信号)により制御される。表示板10による表示内容は、スリップリング103、123を介して取得する制御信号(表示制御信号)により制御される。
【0071】
スリップリング123によれば、回転軸121を中心として一体的に横回転する中間枠12及び表示板10に対し、電力や信号を供給できる。スリップリング103によれば、回転軸101を中心として縦回転する表示板10に対して電力や信号を供給できる。電力は、駆動モータ121M、141Mの動作電力や、7セグ部107の動作電力、等がある。信号には、駆動モータ121M、141Mを回転させるための制御信号や、7セグ部107の表示のための制御信号、等がある。
【0072】
なお、スリップリング103には、回転位置を検出するための図示しない回転位置センサが設けられている。この回転位置センサが検出する回転位置の情報は、制御部148に入力される。表示板10を縦方向に回転させるとき、その回転に応じて表側の表示がそのまま裏側に回り込んで上下が逆転する。そこで、制御部148は、表示が上下逆さまにならないように、表示板10の縦方向の回転位置に応じて表示を切り替える。
【0073】
得点表示装置1は、得点表示処理(得点数の表示処理)、回転駆動処理を実行可能である。得点表示処理では、呼出表示装置3から受信した合計点数が7セグ部107に表示される。なお、開店直後の非稼動時は、呼出表示装置3から受信した前日の最大合計点数が表示される。なお、得点表示装置1は、合計点数に関係なく、所定の装飾表示を実行可能である。
【0074】
得点表示装置1は、上記の第1及び第2の回転駆動部による回転駆動処理により、合計点数に応じて7セグ部を横方向あるいは縦方向へ回転させる。また得点表示装置1は、現時点の得点数及び現時点の遊技状態に応じて、表示板10(7セグ部107)を横方向あるいは縦方向へ回転させる。
【0075】
得点表示装置1の原点位置(
図11)は、表示板10の7セグ部107が正面を向く回転位置である。得点表示装置1の表示板10は、
図12に例示する横回転、
図13に例示する縦回転が可能である。横回転は、表示板10に沿って位置する中間枠12が、回転軸121を中心として回転することにより生じる。縦回転は、外枠14に沿って位置する中間枠12に対し、回転軸101を中心として表示板10が回転することにより生じる。
【0076】
回転駆動処理による回転パターンとしては以下のような具体例がある。
(1)開店時(営業開始時)の新台導入コーナーにて、表示板10が低速で縦横の同時回転を実行し、一定時間経過で原点位置に戻り停止するパターン。なお、原点位置は、7セグ部107による表示面が得点表示装置1の表裏の面と面一をなす表示板10の回転位置である。
(2)開店時(営業開始時)、全台前日の最大合計点数が表示された状態で表示板10が低速で横回転し、一定時間経過あるいは遊技開始に応じて原点位置に戻って停止するパターン。
(3)大当たりした瞬間に、数秒間高速で表示板10が縦回転するパターン。
(4)得点数10000点以上の遊技台において、非稼動時にも表示板10が低速で横回転するパターン。
(5)同一機種内の本日最大合計点数が更新されたときに、高速で表示板10が縦回転するパターン。
(6)得点が2500点(1万円分)更新される毎に、表示板10が、数秒間高速で縦横の同時回転を実行するパターン。
(7)食事休憩中などの離席時に、表示板10が縦に90度、横に90度傾いて、7セグ部107による表示面が視認できない状態となるパターン。
(8)盛り上がっている島(もっとも総出玉の多い島、総出玉が一定の値を超えた島)において、30分に1回など定期的に、島内の各表示板10が端から端へ往復で流れるように縦回転あるいは横回転するパターン。
(9)空き台のある島、空き台の多い島(稼動の低い島)において、客寄せのため、30分に1回など定期的に、島内の各表示板10が端から端へ往復で流れるように縦回転あるいは横回転するパターン。
(10)一定以上の大当たり回数になったときに、表示板10が縦回転あるいは横回転するパターン。この場合の表示板10の回転速度は、大当たり回数に応じて上昇する。
(11)大当たり当選の事前告知で表示板10が高速縦回転を開始し、大当たりの開始に応じて原点位置に戻り停止するパターン。
【0077】
以上の通り、本例の得点表示装置1は、遊技場において各遊技機2に付設され、遊技者が獲得した得点数を表示可能な遊技情報表示装置である。本例の得点表示装置1は、垂直軸(回転軸121)の周りに回転可能に支持され、得点数を表示可能な表示板10を備えている。この表示板10は、現時点で遊技者が獲得している得点数、及び現時点の遊技状態に応じて予め設定された回転パターンに従って回転駆動される。
【0078】
本例の得点表示装置1では、遊技者の得点数を表示する表示板10自体が回転できるので、従来の単純な表示形式と比べて効果的なアピールが可能になっている。また、この得点表示装置1では、遊技機2の遊技状態によって表示板10が回転するため、遊技状態を容易に把握することが可能になっている。
【0079】
得点表示装置1の表示板10は、垂直軸(回転軸121)に加えて、水平軸(回転軸101)の周りに同時に回転可能に支持されている。表示板10の回転パターンとしては、垂直軸及び水平軸の周りに同時に回転させるパターンが含まれている。表示板10の縦横の同時回転によれば、複雑な回転動作によって一層効果的なアピールが可能となる。
【0080】
本例の構成では、表示板10の回転動作の契機として、遊技機2が大当たり状態となったこと、及び遊技機2が非稼動状態となったこと、等の遊技状態が含まれる。遊技機が大当たり状態となったことを契機として表示板10の回転動作を開始させれば、大当たり状態となったことを周囲の遊技者に効果的にアピールできる。食事休憩などの離席に伴う非稼動状態に応じて7セグ部107の表示面を視認できない状態にすれば、非稼動ではあるがいずれかの遊技者に占有された遊技台であることを、他の遊技者に知らせることができる。空き台に伴う非稼動状態に応じて所定のパターンで表示板10を回転駆動すれば、客寄せ効果による稼動率アップを期待できる。
【0081】
得点表示装置1の制御部148は、表示板10に対し、回転コネクタの一例であるスリップリング103、123を介して電力の供給を行うとともに、7セグ部107による表示処理を実行するための制御信号を送信する。仮に、中間枠12や表示板10に対し、電力線や信号線等の有線にて電力や信号を供給する場合には、電力線や信号線等の巻き付きを回避するために回転範囲を制限する必要がある。一方、スリップリング103、123を利用する本例の構成であれば、電力線や信号線等の巻き付きを考慮する必要がなく、中間枠12や表示板10の回転に関する制約が少なくなっている。
【0082】
本実施形態の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、接触式の回転コネクタであるスリップリング103、123を例示している。光通信や電磁誘導等により信号や電力を伝送可能な非接触式の回転コネクタを採用することも良い。
【0083】
本例では、横方向及び縦方向の両方へ表示板10が回転可能な構成を例示したが、横方向のみ又は縦方向のみ回転可能としても良い。
得点表示装置1における表示制御パターンは本例に限定されず、様々なパターンの表示制御が可能である。
【0084】
得点表示装置1において7セグメントディスプレイによる表示方式を採用したが、ドット方式を採用しても良い。さらに、液晶ディスプレイによる表示であっても良い。
7セグ部107の周囲にLED等の発光部を配置し、発光させるようにしても良い。表示板10の回転動作に連動して発光部が発光すれば、一層効果的なアピールが可能になる。
【0085】
本例では、得点表示装置1が得点数として合計点数(持点数+遊技点数)を表示する構成を例示しているが、持点数を表示することも良い。
得点表示装置1を中継装置509に接続し、中継装置509から得点数や大当たりなどの各種情報を受信するようにしても良い。
【0086】
本例では、得点処理装置4や呼出表示装置3が、中継装置509を介して管理装置5と通信する構成を例示している。これに代えて、中継装置509を設けることなく、遊技機2、得点処理装置4、呼出表示装置3及び管理装置5が各々直接通信する構成であっても良い。
【0087】
本例では、入賞に応じて遊技点を付与する封入式のパチンコ遊技機21を、遊技機の一例として例示したが、遊技機はこれに限定されない。入賞に応じて遊技玉を払い出す方式のパチンコ遊技機であっても良い。また、パチスロ遊技機やジャン球遊技機などであっても良い。得点表示装置1は、様々なタイプの遊技機に適用可能である。
【0088】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0089】
1 得点表示装置(遊技情報表示装置)
10 表示板
101 回転軸(水平軸)
102 回転ギア(第1の回転駆動部)
103 スリップリング(回転コネクタ)
103A 回転リング
103B ブラシユニット
107 7セグ部
12 中間枠
121 回転軸(垂直軸)
121G 回転ギア(第1の回転駆動部)
121M 駆動モータ(第1の回転駆動部)
122 回転ギア(第2の回転駆動部)
123 スリップリング(回転コネクタ)
123A 回転リング
123B ブラシユニット
14 外枠
141G 回転ギア(第2の回転駆動部)
141M 駆動モータ(第2の回転駆動部)
148 制御部
2 遊技機
21 パチンコ遊技機
3 呼出表示装置
4 得点処理装置
5 管理装置