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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106069
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】スタンディングパウチ
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/02 20060101AFI20240731BHJP
   B65D 30/16 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
B65D33/02
B65D30/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010153
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 大樹
(72)【発明者】
【氏名】羽原 峰行
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB25
3E064AB26
3E064BA17
3E064BA26
3E064BA27
3E064BA30
3E064BA35
3E064BA36
3E064BA38
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064EA07
3E064FA03
3E064FA06
3E064GA04
3E064HF09
3E064HG07
3E064HM01
3E064HN05
3E064HN65
3E064HS04
(57)【要約】
【課題】落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチを提供する。
【解決手段】スタンディングパウチ1Aは、リングクラッシュ圧縮強さが10N以上200N以下のシート状部材にて構成された前壁部101、後壁部および底襠部103が重なる第1重ね合わせ領域を含み、その側端には、前壁部側襠部および後壁部側襠部が含む第1欠除部に対応する前壁部101と後壁部とが直接接合された第1副接合領域211bが位置する。前壁部101と後壁部とが重なる第2重ね合わせ領域の側端にて前壁部101と後壁部とが直接接合された第1側端部側接合領域221の内側端縁および外側端縁の延長線Lに挟まれる部分の第1重ね合わせ領域を高さ方向で二等分した場合の上端部側に位置する上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bの面積は、上側第1領域X1の総面積の40%以上である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に相対して位置する第1側端部および第2側端部と、高さ方向に相対して位置する上端部および下端部とを有し、内容物を収容するための収容空間が内部に設けられてなるスタンディングパウチであって、
前記収容空間を規定する前壁部、後壁部および底襠部を備え、
前記下端部には、前記収容空間に内容物が収容されていない状態において、前記前壁部、前記後壁部および前記底襠部が重ね合わされることで形成される第1重ね合わせ領域が設けられ、
前記下端部を除く部分には、前記収容空間に内容物が収容されていない状態において、前記前壁部および前記後壁部が重ね合わされることで形成される第2重ね合わせ領域が設けられ、
前記底襠部は、前記前壁部側に位置する前壁部側襠部と、前記後壁部側に位置する後壁部側襠部とを含むように、二つ折りにされるとともにその折り目が前記上端部側に配置された状態で前記前壁部と前記後壁部との間に介在するように位置し、
前記前壁部側襠部の下端が前記前壁部の下端に接続されるとともに、前記後壁部側襠部の下端が前記後壁部の下端に接続され、
前記前壁部、前記後壁部および前記底襠部は、いずれもリングクラッシュ圧縮強さが10N以上200N以下のシート状部材によって構成され、
前記第1重ね合わせ領域のうちの前記第1側端部に対応する部分には、前記前壁部、前記前壁部側襠部、前記後壁部側襠部および前記後壁部がこの順で重ね合わせられ、かつ、前記前壁部および前記前壁部側襠部が相互に接合されるとともに前記後壁部側襠部および前記後壁部が相互に接合されることで形成された第1主接合領域が位置するとともに、前記前壁部側襠部および前記後壁部側襠部の双方に第1欠除部が設けられることにより、当該第1欠除部に対応する部分の前記前壁部および前記後壁部が直接接合されることで形成された第1副接合領域が位置し、
前記第1重ね合わせ領域のうちの前記第2側端部に対応する部分には、前記前壁部、前記前壁部側襠部、前記後壁部側襠部および前記後壁部がこの順で重ね合わせられ、かつ、前記前壁部および前記前壁部側襠部が相互に接合されるとともに前記後壁部側襠部および前記後壁部が相互に接合されることで形成された第2主接合領域が位置するとともに、前記前壁部側襠部および前記後壁部側襠部の双方に第2欠除部が設けられることにより、当該第2欠除部に対応する部分の前記前壁部および前記後壁部が直接接合されることで形成された第2副接合領域が位置し、
前記第2重ね合わせ領域のうちの前記第1側端部に対応する部分には、前記前壁部および前記後壁部が直接接合されることで形成された第1側端部側接合領域が形成され、
前記第2重ね合わせ領域のうちの前記第2側端部に対応する部分には、前記前壁部および前記後壁部が直接接合されることで形成された第2側端部側接合領域が形成され、
前記幅方向および前記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、前記第1側端部側接合領域の前記幅方向における内側端縁および外側端縁をそれぞれ前記第1重ね合わせ領域側に向けて延長することで得られる一対の延長線によって挟まれる部分の前記第1重ね合わせ領域を第1領域とし、当該第1領域を前記高さ方向において二等分した場合の前記上端部側の領域を上側第1領域とした場合に、前記上側第1領域に含まれる部分の前記第1副接合領域の面積が、前記上側第1領域の総面積の40%以上であるとともに、前記第1副接合領域が設けられた部分以外の前記上側第1領域が、前記第1主接合領域によって構成され、
前記幅方向および前記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、前記第2側端部側接合領域の前記幅方向における内側端縁および外側端縁をそれぞれ前記第1重ね合わせ領域側に向けて延長することで得られる一対の延長線によって挟まれる部分の前記第1重ね合わせ領域を第2領域とし、当該第2領域を前記高さ方向において二等分した場合の前記上端部側の領域を上側第2領域とした場合に、前記上側第2領域に含まれる部分の前記第2副接合領域の面積が、前記上側第2領域の総面積の40%以上であるとともに、前記第2副接合領域が設けられた部分以外の前記上側第2領域が、前記第2主接合領域によって構成されている、スタンディングパウチ。
【請求項2】
前記幅方向および前記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、前記上側第1領域に含まれる部分の前記第1副接合領域の面積が、前記第1副接合領域の総面積の50%以上であり、
前記幅方向および前記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、前記上側第2領域に含まれる部分の前記第2副接合領域の面積が、前記第2副接合領域の総面積の50%以上である、請求項1に記載のスタンディングパウチ。
【請求項3】
前記第1副接合領域が、前記第1領域に複数設けられ、
前記第2副接合領域が、前記第2領域に複数設けられている、請求項1に記載のスタンディングパウチ。
【請求項4】
前記複数の第1副接合領域が、前記高さ方向に沿って並んで配置され、
前記幅方向および前記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、前記第1領域を前記高さ方向において二等分した場合の前記下端部側の領域を下側第1領域とした場合に、前記複数の第1副接合領域のうちの前記上側第1領域に含まれる部分の面積が、前記複数の第1副接合領域の総面積の50%以上であるとともに、前記複数の第1副接合領域のうちの前記上側第1領域に含まれる部分以外の部分が、前記下側第1領域に位置し、
前記複数の第2副接合領域が、前記高さ方向に沿って並んで配置され、
前記幅方向および前記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、前記第2領域を前記高さ方向において二等分した場合の前記下端部側の領域を下側第2領域とした場合に、前記複数の第2副接合領域のうちの前記上側第2領域に含まれる部分の面積が、前記複数の第2副接合領域の総面積の50%以上であるとともに、前記複数の第2副接合領域のうちの前記上側第2領域に含まれる部分以外の部分が、前記下側第2領域に位置している、請求項3に記載のスタンディングパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底襠部が設けられてなるスタンディングパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに対向する一対のシート状部材と、二つ折りにされた状態でこれら一対のシート状部材の間に介在するように位置するシート状部材とを相互に接合することで内部に収容空間が設けられてなる、いわゆるスタンディングパウチが普及している。このスタンディングパウチにあっては、収容空間に内容物が充填されることにより、主として上記二つ折りにされたシート状部材によって規定される底襠部が拡開され、これによって当該スタンディングパウチが自立可能になる。この種のスタンディングパウチが開示された文献としては、たとえば特開2017-114519号公報(特許文献1)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-114519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、スタンディングパウチにあっては、複数のシート状部材が相互に所定部位で接合されることで底襠部が構成されるところ、当該スタンディングパウチが落下した場合には、これら接合部分の一部に荷重が集中することで当該部分を起点として破袋が生じ易いという問題がある。また、近年、スタンディングパウチに対する大型化のニーズが高まっているところ、内容物が増量した場合には、上記荷重もまた増加することで破袋のリスクは更に高まることになる。そのため、スタンディングパウチにあっては、これが落下した場合においても容易に破袋することがないよう、上記問題に対して何らかの手当てを行なうことが求められている。
【0005】
したがって、本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づくスタンディングパウチは、幅方向に相対して位置する第1側端部および第2側端部と、高さ方向に相対して位置する上端部および下端部とを有し、内容物を収容するための収容空間が内部に設けられてなるものであって、上記収容空間を規定する前壁部、後壁部および底襠部を備えている。上記下端部には、上記収容空間に内容物が収容されていない状態において、上記前壁部、上記後壁部および上記底襠部が重ね合わされることで形成される第1重ね合わせ領域が設けられており、上記下端部を除く部分には、上記収容空間に内容物が収容されていない状態において、上記前壁部および上記後壁部が重ね合わされることで形成される第2重ね合わせ領域が設けられている。上記底襠部は、上記前壁部側に位置する前壁部側襠部と、上記後壁部側に位置する後壁部側襠部とを含むように、二つ折りにされるとともにその折り目が上記上端部側に配置された状態で上記前壁部と上記後壁部との間に介在するように位置している。上記前壁部側襠部の下端は、上記前壁部の下端に接続されるとともに、上記後壁部側襠部の下端は、上記後壁部の下端に接続されている。上記前壁部、上記後壁部および上記底襠部は、いずれもリングクラッシュ圧縮強さが10N以上200N以下のシート状部材によって構成されている。上記第1重ね合わせ領域のうちの上記第1側端部に対応する部分には、上記前壁部、上記前壁部側襠部、上記後壁部側襠部および上記後壁部がこの順で重ね合わせられ、かつ、上記前壁部および上記前壁部側襠部が相互に接合されるとともに上記後壁部側襠部および上記後壁部が相互に接合されることで形成された第1主接合領域が位置するとともに、上記前壁部側襠部および上記後壁部側襠部の双方に第1欠除部が設けられることにより、当該第1欠除部に対応する部分の上記前壁部および上記後壁部が直接接合されることで形成された第1副接合領域が位置している。上記第1重ね合わせ領域のうちの上記第2側端部に対応する部分には、上記前壁部、上記前壁部側襠部、上記後壁部側襠部および上記後壁部がこの順で重ね合わせられ、かつ、上記前壁部および上記前壁部側襠部が相互に接合されるとともに上記後壁部側襠部および上記後壁部が相互に接合されることで形成された第2主接合領域が位置するとともに、上記前壁部側襠部および上記後壁部側襠部の双方に第2欠除部が設けられることにより、当該第2欠除部に対応する部分の上記前壁部および上記後壁部が直接接合されることで形成された第2副接合領域が位置している。上記第2重ね合わせ領域のうちの上記第1側端部に対応する部分には、上記前壁部および上記後壁部が直接接合されることで形成された第1側端部側接合領域が形成されている。上記第2重ね合わせ領域のうちの上記第2側端部に対応する部分には、上記前壁部および上記後壁部が直接接合されることで形成された第2側端部側接合領域が形成されている。
【0007】
上記本発明に基づくスタンディングパウチにあっては、上記幅方向および上記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、上記第1側端部側接合領域の上記幅方向における内側端縁および外側端縁をそれぞれ上記第1重ね合わせ領域側に向けて延長することで得られる一対の延長線によって挟まれる部分の上記第1重ね合わせ領域を第1領域とし、当該第1領域を上記高さ方向において二等分した場合の上記上端部側の領域を上側第1領域とした場合に、上記上側第1領域に含まれる部分の上記第1副接合領域の面積が、上記上側第1領域の総面積の40%以上であるとともに、上記第1副接合領域が設けられた部分以外の上記上側第1領域が、上記第1主接合領域によって構成されている。また、上記幅方向および上記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、上記第2側端部側接合領域の上記幅方向における内側端縁および外側端縁をそれぞれ上記第1重ね合わせ領域側に向けて延長することで得られる一対の延長線によって挟まれる部分の上記第1重ね合わせ領域を第2領域とし、当該第2領域を上記高さ方向において二等分した場合の上記上端部側の領域を上側第2領域とした場合に、上記上側第2領域に含まれる部分の上記第2副接合領域の面積が、上記上側第2領域の総面積の40%以上であるとともに、上記第2副接合領域が設けられた部分以外の上記上側第2領域が、上記第2主接合領域によって構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係るスタンディングパウチの正面図である。
図2図1に示すスタンディングパウチの背面図である。
図3図1に示すスタンディングパウチの断面図である。
図4】前壁部、後壁部および底襠部が重ね合わされる態様を説明するための模式図である。
図5図1に示すスタンディングパウチの第1領域およびその近傍を拡大した要部拡大正面図である。
図6】実施例S1および比較例T1に係るスタンディングパウチの正面図である。
図7】検証試験1および検証試験2の結果を示す表である。
図8】実施例S2および比較例T2に係るスタンディングパウチの正面図である。
図9】第1変形例に係るスタンディングパウチの第1領域およびその近傍を拡大した要部拡大正面図である。
図10】第2変形例に係るスタンディングパウチの第1領域およびその近傍を拡大した要部拡大正面図である。
図11】第3変形例に係るスタンディングパウチの第1領域およびその近傍を拡大した要部拡大正面図である。
図12】第4変形例に係るスタンディングパウチの第1領域およびその近傍を拡大した要部拡大正面図である。
図13】第5変形例に係るスタンディングパウチの第1領域およびその近傍を拡大した要部拡大正面図である。
図14】第6変形例に係るスタンディングパウチの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0011】
(実施の形態)
図1および図2は、それぞれ実施の形態に係るスタンディングパウチの正面図および背面図である。図3は、図1中のIII-III線に沿った断面図である。図4は、前壁部、後壁部および底襠部が重ね合わされる態様を説明するための模式図である。まず、これら図1ないし図4を参照して、本実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aについて説明する。なお、図1および図2においては、理解を容易とするために、スタンディングパウチ1Aを構成するシート状部材の接合領域のうち、後述する第1主接合領域および第2主接合領域に対応する領域には、同じ模様を付し、第1副接合領域および第2副接合領域に対応する領域には、第1主接合領域および第2主接合領域に対応する領域とは異なる模様を付し、上記シート状部材の接合領域のうちのこれら以外に対応する領域には、薄墨色を付している(後述する図5図6図8ないし図14においても同様である)。
【0012】
図1ないし図3に示すように、スタンディングパウチ1Aは、互いに対向する一対のシート状部材と、二つ折りにされた状態でこれら一対のシート状部材の間に介在するように位置するシート状部材とを備えている。上記一対のシート状部材のうちの一方は、前壁部101を規定しており、他方は、後壁部102を規定している。また、上記二つ折りにされたシート状部材は、底襠部103を規定している。
【0013】
スタンディングパウチ1Aには、これら前壁部101、後壁部102および底襠部103によって規定される収容空間100aが設けられている。収容空間100aに収容される内容物は、通常は液状物であるが、粒状物、粉状物等であってもよい。
【0014】
収容空間100aに内容物が収容されていない状態のスタンディングパウチ1Aを正面視した場合における、底襠部103の下端部分と二つ折りにされた部分との間の寸法(図1中の高さ寸法2H参照)は、50mm以上70mm以下とされることが好ましい。これにより、スタンディングパウチ1Aを、たとえば1L以上3L以下程度の液状物を収容可能な大容量パウチとすることができる。なお、以下においては、上記底襠部103の寸法を、底襠部103の高さ方向の寸法とも称する。
【0015】
スタンディングパウチ1Aは、その幅方向(すなわち、図1および図2中の左右方向)に相対して位置する第1側端部21および第2側端部22と、その高さ方向(すなわち、図1および図2中の上下方向)に相対して位置する上端部31および下端部32とを有している。
【0016】
スタンディングパウチ1Aは、収容空間100aに内容物が収容されていない状態において偏平でかつ正面から見た場合に略矩形状の外形を有している。
【0017】
図3に示すように、底襠部103は、前壁部101側に位置する前壁部側襠部103aと、後壁部102側に位置する後壁部側襠部103bとを含むように二つ折りにされている。また、底襠部103は、その折り目が上端部31側に配置された状態で前壁部101と後壁部102との間に介在するように位置している。前壁部側襠部103aの下端は、前壁部101の下端に接続されるとともに、後壁部側襠部103bの下端は、後壁部102の下端に接続されている。
【0018】
図1ないし図3に示すように、下端部32には、収容空間100aに内容物が収容されていない状態において、前壁部101、後壁部102および底襠部103が重ね合わされることで形成される第1重ね合わせ領域210が設けられている。一方で、下端部32を除く部分には、前壁部101および後壁部102が重ね合わされることで形成される第2重ね合わせ領域220が設けられている。
【0019】
図1に示すように、第2重ね合わせ領域220のうちの第1側端部21に対応する部分には、前壁部101および後壁部102が直接接合されることで形成された第1側端部側接合領域221が形成されている。また、第2重ね合わせ領域220のうちの第2側端部22に対応する部分には、前壁部101および後壁部102が直接接合されることで形成された第2側端部側接合領域222が形成されている。これら第1側端部側接合領域221および第2側端部側接合領域222は、スタンディングパウチ1Aの高さ方向と平行な方向に沿って延在している。なお、これら第1側端部側接合領域221および第2側端部側接合領域222の幅方向の寸法は、好適には3mm以上10mm以下とされる。
【0020】
第2重ね合わせ領域220のうちの上端部31に対応する部分には、前壁部101および後壁部102が直接接合されることで形成された上端部側接合領域223が形成されている。上端部側接合領域223のうちの第2側端部22側に位置する領域は、スタンディングパウチ1Aの幅方向と平行な方向に沿って延在しており、第1側端部21側に位置する領域は、第2側端部22から遠ざかるにつれて下端部32に近づくように傾斜する方向に沿って延在している。
【0021】
また、上端部側接合領域223のうちの上記傾斜する方向に延在する領域には、スパウト300が取付けられている。スパウト300は、その軸方向の一端に位置する基部301と、基部301から突出するように設けられた略円筒状の注出部302と、注出部302に対して取り付けおよび取り外しを行なうことにより、当該注出部302を開閉可能にするキャップ303とから構成されている。
【0022】
スパウト300は、その基部301が、上端部側接合領域223を規定する部分の前壁部および後壁部102によって挟み込まれた状態でこれらに接合されることにより、上端部側接合領域223に取付けられている。
【0023】
図1に示すように、第1重ね合わせ領域210のうちの第1側端部21に対応する部分には、前壁部101、前壁部側襠部103a、後壁部側襠部103bおよび後壁部102がこの順で重ね合わせられ、かつ、前壁部101および前壁部側襠部103aが相互に接合されるとともに後壁部側襠部103bおよび後壁部102が相互に接合されることで形成された第1主接合領域211aが位置している。
【0024】
また、図1および図4に示すように、第1重ね合わせ領域210のうちの第1側端部21に対応する部分には、前壁部側襠部103aおよび後壁部側襠部103bの双方に、複数の第1欠除部103sが設けられている。そのため、第1重ね合わせ領域210のうちの第1側端部21に対応する部分には、第1欠除部103sに対応する部分の前壁部101および後壁部102が直接接合されることで形成された第1副接合領域211bが位置している。
【0025】
本実施の形態においては、略半円形状に切り欠かれた2つの第1欠除部103sが前壁部側襠部103aおよび後壁部側襠部103bの各々に設けられていることにより、2つの第1副接合領域211bがスタンディングパウチ1Aの高さ方向に沿って並んで配置されている。また、第1欠除部103sおよび第1副接合領域211bのスタンディングパウチの幅方向に沿った寸法は、第1側端部側接合領域221の下端部分の上記幅方向の寸法と一致している。ここで、説明の便宜上、2つの第1副接合領域211bのうちの上端部31側に位置する方には符号211b1を付し、下端部32側に位置する方には符号211b2を付している。
【0026】
第1副接合領域211b1の上端部分と、第1側端部側接合領域221の下端部分との間の距離の寸法(図5中の寸法D1参照)は、3mm以上10mm以下とされることが好ましい。また、第1副接合領域211b1の下端部分と、第1副接合領域211b2の上端部分との間の距離の寸法(図5中の寸法D2参照)は、3mm以上15mm以下とされることが好ましい。
【0027】
なお、第1欠除部103sおよび第1副接合領域211bの形状は、特にこれが略半円形状に限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、第1欠除部103sおよび第1副接合領域211bの上記幅方向に沿った寸法は、必ずしも第1側端部側接合領域221の下端部分の上記幅方向の寸法と一致している必要はなく、適宜変更可能である。さらに、第1欠除部103sおよび第1副接合領域211bの数は、特にこれが2つに限定されるものではなく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0028】
図1に示すように、第1重ね合わせ領域210のうちの第2側端部22に対応する部分には、前壁部101、前壁部側襠部103a、後壁部側襠部103bおよび後壁部102がこの順で重ね合わせられ、かつ、前壁部101および前壁部側襠部103aが相互に接合されるとともに後壁部側襠部103bおよび後壁部102が相互に接合されることで形成された第2主接合領域212aが位置している。
【0029】
また、図1および図4に示すように、第1重ね合わせ領域210のうちの第2側端部22に対応する部分には、前壁部側襠部103aおよび後壁部側襠部103bの双方に、複数の第2欠除部103tが設けられている。そのため、第1重ね合わせ領域210のうちの第2側端部22に対応する部分には、第2欠除部103tに対応する部分の前壁部101および後壁部102が直接接合されることで形成された第2副接合領域212bが位置している。
【0030】
本実施の形態においては、略半円形状に切り欠かれた2つの第2欠除部103tが前壁部側襠部103aおよび後壁部側襠部103bの各々に設けられていることにより、2つの第2副接合領域212bがスタンディングパウチ1Aの高さ方向に沿って並んで配置されている。また、第2欠除部103tおよび第2副接合領域212bのスタンディングパウチの幅方向に沿った寸法は、第2側端部側接合領域222の下端部分の上記幅方向の寸法と一致している。ここで、説明の便宜上、2つの第2副接合領域212bのうちの上端部31側に位置する方には符号212b1を付し、下端部32側に位置する方には符号212b2を付している。
【0031】
第2副接合領域212b1の上端部分と、第2側端部側接合領域222の下端部分との間の距離の寸法は、3mm以上10mm以下とされることが好ましい。また、第2副接合領域212b1の下端部分と、第2副接合領域212b2の上端部分との間の距離の寸法は、3mm以上15mm以下とされることが好ましい。
【0032】
なお、第2欠除部103tおよび第2副接合領域212bの形状は、特にこれが略半円形状に限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、第2欠除部103tおよび第2副接合領域212bの上記幅方向に沿った寸法は、必ずしも第2側端部側接合領域222の下端部分の上記幅方向の寸法と一致している必要はなく、適宜変更可能である。さらに、第2欠除部103tおよび第2副接合領域212bの数は、特にこれが2つに限定されるものではなく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0033】
図1に示すように、第1重ね合わせ領域210のうちの下端部32側に位置する領域のうち、第1主接合領域211a、第1副接合領域211b、第2主接合領域212aおよび第2副接合領域212bが形成されている領域以外の領域の一部には、前壁部101、前壁部側襠部103a、後壁部側襠部103bおよび後壁部102がこの順で重ね合わせられ、かつ、前壁部101および前壁部側襠部103aが相互に接合されるとともに後壁部側襠部103bおよび後壁部102が相互に接合されることで形成された下端部側接合領域213が位置している。内容物が充填されていない状態のスタンディングパウチ1Aを正面視した場合における下端部側接合領域213の上側端縁は、スタンディングパウチ1Aの幅方向における外側から内側に向かうにつれて下端部32側に近づくように略U字状に湾曲している。
【0034】
なお、上述した前壁部101、後壁部102および底襠部103を相互に接合する方法としては、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等による融着、もしくは接着剤による接着等が挙げられる。
【0035】
スタンディングパウチ1Aを構成する前壁部101、後壁部102および底襠部103は、たとえば樹脂製フィルムからなるシート状部材にて構成される。当該シート状部材は、好ましくは、包装体としての基本性能(耐衝撃性、耐摩耗性、耐熱性等)を発揮するベースフィルム層と、接合を可能にするためのシーラント層との積層体にて構成される。また、当該シート状部材は、場合によっては、これらベースフィルム層およびシーラント層に加え、高いガスバリア性や遮光性等の付加性能を発揮するバリア層をこれらベースフィルム層とシーラント層との間に備えた積層体にて構成されてもよい。
【0036】
ベースフィルム層の材質としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等に代表されるポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン、ナイロン6、ナイロン66等に代表されるポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン等が挙げられる。
【0037】
シーラント層の材質としては、たとえば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、未延伸ポリプロピレン、二軸延伸ナイロン、エチレン-オレフィン共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0038】
また、前壁部101、後壁部102および底襠部103に含まれる上記シーラント層は、いずれも厚みが好適には50μm以上200μm以下のものとされる。これにより、スタンディングパウチ1Aの薄肉化を図ることができるため、樹脂の使用量を削減可能になる。
【0039】
バリア層の材質としては、アルミニウム等に代表される金属、塩化ビニリデン、エチレン-ビニルアルコール共重合体に代表される樹脂、酸化アルミニウム、シリカ等が挙げられる。
【0040】
ここで、前壁部101、後壁部102および底襠部103を構成する上記シート状部材は、いずれもリングクラッシュ圧縮強さが10N以上200N以下のものとされることが好ましく、より好適には、20N以上170N以下のものとされ、最も好適には、30N以上120N以下とされる。このように構成することにより、前壁部101、後壁部102および底襠部103の樹脂の使用量を低減しつつこれらの剛性を相当程度に高めることができる。
【0041】
リングクラッシュ圧縮強さは、以下において説明する、JIS-P8126:2015に準拠した測定方法によって測定できる。なお、以下において説明する測定方法において用いる圧縮試験機は、オートグラフ(AG-Xplus 500N、島津製作所社製)である。
【0042】
まず、測定対象となるシート状部材のサンプルをスタンディングパウチから採取する。このサンプルは、長手方向の寸法が152.5mm、当該長手方向と直交する方向の寸法が12.5mmの矩形状のものである。ここで、上記長手方向は、スタンディングパウチの幅方向に一致し、上記長手方向と直交する方向は、スタンディングパウチの高さ方向に一致する。なお、採取するサンプルの数は5つである。
【0043】
次に、各サンプルを、その長手方向にリング状に丸めこみ、これを相対する一対の略平板状の圧縮治具の間に挟み込む。挟み込まれた状態におけるリング状のサンプルの軸方向は、上記一対の圧縮治具による圧縮方向に一致する。この状態において上記一対の圧縮治具の一方を他方に向けて一定の圧縮速度13mm/minで移動させることでサンプルに圧縮荷重を印加し、この圧縮によってサンプルが圧潰したときに示す最大圧縮荷重(単位N)を測定する。当該測定を5つのサンプルの各々に対して同様に行なうことで得られる5つの測定値の平均値を算出し、この算出値が、リングクラッシュ圧縮強さとなる。
【0044】
図5は、図1に示すスタンディングパウチの後述する第1領域およびその近傍を拡大した要部拡大正面図である。次に、この図5を参照して、スタンディングパウチ1Aの第1副接合領域211bおよび第2副接合領域212bの詳細な構成について説明する。ここで、後述する第2領域およびその近傍の構成は、図5に示す第1領域およびその近傍の構成のスタンディングパウチ1Aの幅方向における鏡面対称である。
【0045】
スタンディングパウチ1Aをその幅方向および高さ方向の双方に直交する方向から見た場合、すなわち、スタンディングパウチ1Aを正面視した場合において、第1側端部側接合領域221の上記幅方向における内側端縁および外側端縁をそれぞれ第1重ね合わせ領域210側に向けて延長することで得られる一対の延長線Lによって挟まれる部分の第1重ね合わせ領域210を第1領域Xとし、当該第1領域Xを高さ方向において二等分した場合(図中の高さ寸法H参照)の上端部31側の領域を上側第1領域X1とし、下端部32側の領域を下側第1領域X2とする。なお、図5においては、理解を容易にするため、当該上側第1領域X1の領域を二点鎖線によって囲んでいる(後述する図6図8ないし図13においても同様である)。
【0046】
ここで、本実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、第1領域Xに複数の第1副接合領域211bが設けられている。また、スタンディングパウチ1Aを正面視した場合において、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211b(すなわち、第1副接合領域211b1、および、第1副接合領域211b2の一部)の面積が、上側第1領域X1の総面積の40%以上であるとともに、第1副接合領域211bが設けられた部分以外の上側第1領域X1が、第1主接合領域211aによって構成されている。
【0047】
さらに、スタンディングパウチ1Aを正面視した場合において、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bの面積は、当該第1副接合領域211bの総面積の50%以上とされている。
【0048】
また、スタンディングパウチ1Aを正面視した場合において、上側第1領域X1に含まれる部分以外の部分の第1副接合領域211b(すなわち、第1副接合領域211b2の一部)は、下側第1領域X2に位置している。この下側第1領域X2に位置している部分の第1副接合領域211bは、下側第1領域X2を高さ方向において二等分した場合(図中の高さ寸法H/2参照)の上端部31側の領域に位置していることが好ましい。
【0049】
同様に、スタンディングパウチ1Aを正面視した場合において、第2側端部側接合領域222の幅方向における内側端縁および外側端縁をそれぞれ第1重ね合わせ領域側に向けて延長することで得られる一対の延長線によって挟まれる部分の第1重ね合わせ領域210を第2領域とし、当該第2領域を高さ方向において二等分した場合の上端部31側の領域を上側第2領域とし、下端部32側の領域を下側第2領域とする。
【0050】
ここで、本実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、第2領域に複数の第2副接合領域212bが設けられている。また、上側第2領域に含まれる部分の第2副接合領域212b(すなわち、第2副接合領域212b1、および、第2副接合領域212b2の一部)の面積が、上側第2領域の総面積の40%以上であるとともに、第2副接合領域212bが設けられた部分以外の上側第2領域が、第2主接合領域212aによって構成されている。
【0051】
さらに、スタンディングパウチ1Aを正面視した場合において、上側第2領域に含まれる部分の第2副接合領域212bの面積は、当該第2副接合領域212bの総面積の50%以上とされている。
【0052】
また、スタンディングパウチ1Aを正面視した場合において、上側第2領域に含まれる部分以外の部分の第2副接合領域212b(すなわち、第2副接合領域212b2の一部)は、下側第2領域に位置している。この下側第2領域に位置している部分の第2副接合領域212bは、下側第2領域を高さ方向において二等分した場合の上端部31側の領域に位置していることが好ましい。
【0053】
以上のように構成することにより、落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチ1Aとすることができる。
【0054】
すなわち、スタンディングパウチ1Aが落下した場合の第1側端部21に着目した場合、第1側端部側接合領域221の下端部分と、第1主接合領域211aの上端部分との境界部分に、落下に伴う荷重が集中し、その結果、当該境界部分を起点とする破袋が発生し易くなる。これは、当該境界部分においては、スタンディングパウチ1Aの高さ方向に平行な方向に沿って衝撃荷重が印加されること、ならびに、前壁部側襠部103aおよび後壁部側襠部103bが相互に接合されていないことにより第1主接合領域211aが二股に広がるように変形することで当該境界部分が前壁部101側から後壁部102側に向かう方向(すなわち、図3中の左方向)と後壁部102側から前壁部101側に向かう方向(すなわち、図3中の右方向)との双方向に引張されることに起因する。
【0055】
なお、この事象は、スタンディングパウチ1Aが落下した場合の第2側端部22に着目した場合においても同様に生じるものである。そのため、スタンディングパウチ1Aが落下した場合においては、第1側端部側接合領域221の下端部分と第1主接合領域211aの上端部分との境界部分、および、第2側端部側接合領域222の下端部分と第2主接合領域212aの上端部分との境界部分のうちの、いずれか一方あるいは両方を起点とする破袋が発生し易くなる。
【0056】
この点、本実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、上述したように、第1重ね合わせ領域210のうちの第1側端部21に対応する部分に、前壁部101および後壁部102が直接接合されることで形成された第1副接合領域211bが設けられており、かつ、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bの面積が、上側第1領域X1の総面積の40%以上とされている。また、スタンディングパウチ1Aにおいては、第1重ね合わせ領域210のうちの第2側端部22に対応する部分に、前壁部101および後壁部102が直接接合されることで形成された第2副接合領域212bが設けられており、かつ、上側第2領域に含まれる部分の第2副接合領域212bの面積が、上側第2領域の総面積の40%以上とされている。
【0057】
このように構成することにより、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bが、第1側端部21側の上記境界部分に隣接する部分の第1主接合領域211aの上端部分が二股に広がるように変形することを効果的に抑制できることになるため、当該境界部分へ荷重が集中することが未然に防止される。さらに、上側第2領域に含まれる部分の第2副接合領域212bが、第2側端部22側の上記境界部分に隣接する部分の第2主接合領域212aの上端部が二股に広がるように変形することを効果的に抑制できることになるため、当該境界部分へ荷重が集中することが未然に防止される。
【0058】
また、本実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、上述したように、前壁部101、後壁部102および底襠部103を構成する上記シート状部材が、いずれもリングクラッシュ圧縮強さが10N以上200N以下のものとされている。このように構成することにより、前壁部101、後壁部102および底襠部103の剛性が相当程度に高められることになる。これによっても、上述の如く第1主接合領域211aの上端部分と第2主接合領域212aの上端部分とが二股に広がるように変形することを効果的に抑制できることになるため、上記境界部分へ荷重が集中することが未然に防止される。
【0059】
以上のように構成することにより、スタンディングパウチ1Aが落下した場合において、第1側端部21側の上記境界部分を起点とする破袋の発生、および、第2側端部22側の上記境界部分を起点とする破袋の発生のいずれをも未然に防止できることになるため、落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチ1Aとすることができる。
【0060】
なお、以上において説明したスタンディングパウチ1Aにおける落下に対する耐久性の向上の効果は、後述する検証試験1,2によって確認されている。
【0061】
また、本実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、上述したように、スタンディングパウチ1Aを正面視した場合において、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bの面積が、当該第1副接合領域211bの総面積の50%以上とされており、上側第2領域に含まれる部分の第2副接合領域212bの面積が、当該第2副接合領域212bの総面積の50%以上とされている。
【0062】
このように、第1副接合領域211bが上側第1領域X1に集中するようにこれを配置するとともに、第2副接合領域212bが上側第2領域に集中するようにこれを配置することにより、上述した落下に対するスタンディングパウチ1Aの耐久性をさらに向上させることが可能になる。
【0063】
さらに、本実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、上述したように、スタンディングパウチ1Aを正面視した場合において、上側第1領域X1に含まれる部分以外の部分の第1副接合領域211bが下側第1領域X2に位置しているとともに、上側第2領域に含まれる部分以外の部分の第2副接合領域212bが下側第2領域に位置している。
【0064】
このように、前壁部101および後壁部102が直接接合されることで形成された第1副接合領域211bが下側第1領域X2に位置するとともに、前壁部101および後壁部102が直接接合されることで形成された第2副接合領域212bが下側第2領域に位置することにより、内容物が収容されている状態におけるスタンディングパウチ1Aの自立性の向上が図られる。したがって、このように構成することにより、落下に対する耐久性の向上と自立性の向上との両立が図られたスタンディングパウチ1Aとすることが可能になる。
【0065】
また、下側第1領域X2に位置している部分の第1副接合領域211bは、下側第1領域X2を高さ方向において二等分した場合の上端部31側の領域に位置していることが好ましく、下側第2領域に位置している部分の第2副接合領域212bは、下側第2領域を高さ方向において二等分した場合の上端部31側の領域に位置していることが好ましい。これにより、上記落下に対する耐久性の向上と自立性の向上との両立を図ることができる効果がより顕著に得られることになる。
【0066】
さらに、本実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、上述したように、第1副接合領域211b1の上端部分と、第1側端部側接合領域221の下端部分との間の距離の寸法が、3mm以上10mm以下とされることが好ましく、第2副接合領域212b1の上端部分と、第2側端部側接合領域222の下端部分との間の距離の寸法が、3mm以上10mm以下とされることが好ましい。
【0067】
このように、第1副接合領域211bが第1側端部側接合領域221の下端部分に相当程度に隣接するように当該第1副接合領域211bを配置するとともに、第2副接合領域212bが第2側端部側接合領域222の下端部分に相当程度に隣接するように当該第2副接合領域212bを配置することにより、上記境界部分を起点とする破袋の発生をより効果的に防止できることになる。
【0068】
また、本実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、上述したように、第1副接合領域211bが複数設けられており、第1副接合領域211b1の下端部分と、第1副接合領域211b2の上端部分との間の距離の寸法が、3mm以上15mm以下とされることが好ましい。さらに、スタンディングパウチ1Aにおいては、第2副接合領域212bが複数設けられており、第2副接合領域212b1の下端部分と、第2副接合領域212b2の上端部分との間の距離の寸法が、3mm以上15mm以下とされることが好ましい。
【0069】
このように、第1副接合領域211bが複数設けられかつこれらが互いに相当程度に離間して配置されるとともに、第2副接合領域212bが複数設けられかつこれらが互いに相当程度に離間して配置されることにより、第1副接合領域211b1および第1副接合領域211b2の間に位置する部分の第1主接合領域211aと、第2副接合領域212b1および第2副接合領域212b2の間に位置する部分の第2主接合領域212aとが、スタンディングパウチ1Aが落下した際にこれに印加される衝撃荷重を吸収する緩衝部分として作用することになる。そのため、第1副接合領域211bと第2副接合領域212bとがいずれも1つである場合に比べ、上記境界部分を起点とする破袋の発生をより効果的に防止できることになる。
【0070】
さらに、スタンディングパウチが、底襠部の高さ方向の寸法が50mm以上70mm以下とされる大容量パウチである場合には、上記衝撃荷重が相当程度に大きくなることに起因しての破袋の発生のリスクが高まるところ、このような大容量パウチに対して本実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aの如くの構成を採用することにより、大容量化を実現しつつ落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチとすることが可能になる。
【0071】
なお、本実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、上述したように、前壁部101、後壁部102および底襠部103が、それぞれ別体のシート状部材にて構成されている場合を例示して説明を行なったが、前壁部101、後壁部102および底襠部103は、必ずしもこれらが別体のシート状部材にて構成される必要はない。たとえば、前壁部101、後壁部102および底襠部103は、これらが1つのシート状部材を折り畳むことで構成されてもよいし、前壁部101と底襠部103とが1つのシート状部材を折り畳むことで構成されるとともに後壁部102が別体のシート状部材にて構成されてもよいし、後壁部102と底襠部103とが1つのシート状部材を折り畳むことで構成されるとともに前壁部101が別体のシート状部材にて構成されてもよい。
【0072】
(検証試験1)
検証試験1においては、スタンディングパウチにおいて、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bの面積が、上側第1領域X1の総面積に対して占める割合(以下、当該割合を面積率とも称する)と、スタンディングパウチの破袋率との関係を明らかにするための検証を行なった。図6(A)および図6(B)は、それぞれ実施例S1および比較例T1に係るスタンディングパウチの正面図であり、図7は、検証試験1および後述する検証試験2の結果を示す表である。
【0073】
検証試験1においては、実施例S1として、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bの面積が、上側第1領域X1の総面積の56.0%であるスタンディングパウチを準備し、比較例T1として、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bの面積が、上側第1領域X1の総面積の33.9%であるスタンディングパウチを準備した。実施例S1および比較例T1のサンプル数は、いずれも5つである。
【0074】
実施例S1および比較例T1に係るサンプルとしてのスタンディングパウチの前壁部101、後壁部102および底襠部103を構成するシート状部材は、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートが2つ積層されたものおよび厚み15μmのナイロン6からなるベースフィルム層と、厚み180μmの直鎖状低密度ポリエチレンからなるシーラント層とからなるものである。また、実施例S1および比較例T1に係るサンプルとしてのスタンディングパウチの高さ方向の寸法は315mmであり、幅方向の寸法は255mmであり、底襠部103の高さ方向の寸法は69.5mmである。
【0075】
検証を行なうにあたっては、まず、実施例S1および比較例T1に係るサンプルの各々に、5℃以下の冷水を2.5L充填した。次に、冷水が充填された状態の実施例S1および比較例T1に係るサンプルの各々を、地面からの高さが1mの位置から地面に向けて自然落下させ、破袋するか否かを確認した(以下、本検証を第1自然落下検証と称する)。検証試験1においては、当該第1自然落下検証をサンプル毎に合計10回行なった。ただし、サンプルが破袋した場合には、当該サンプルについてはそれ以降の検証は行なわなかった。
【0076】
検証試験1においては、第1自然落下検証を行なった過程で破袋したサンプルの数を全サンプル数5で除した割合を破袋率とした。図7に示すように、比較例T1に係るサンプルの破袋率(面積率33.9%)が80%であるのに対し、実施例S1に係るサンプル(面積率56.0%)の破袋率は20%であった。
【0077】
(検証試験2)
検証試験2においても、検証試験1と同様に、スタンディングパウチにおいて、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bの面積が、上側第1領域X1の総面積に対して占める割合と、スタンディングパウチの破袋率との関係を明らかにするための検証を行なった。図8(A)および図8(B)は、それぞれ、実施例S2および比較例T2に係るスタンディングパウチの正面図である。
【0078】
検証試験2においては、実施例S2として、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bの面積が、上側第1領域X1の総面積の50.0%であるスタンディングパウチを準備し、比較例T2として、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bの面積が、上側第1領域X1の総面積の39.3%であるスタンディングパウチを準備した。実施例S2および比較例T2のサンプル数は、いずれも5つである。
【0079】
実施例S2および比較例T2に係るサンプルとしてのスタンディングパウチの前壁部101、後壁部102および底襠部103を構成するシート状部材は、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートおよび厚み15μmのナイロン6からなるベースフィルム層と、厚み150μmの直鎖状低密度ポリエチレンからなるシーラント層とからなるものである。また、実施例S2および比較例T2に係るサンプルとしてのスタンディングパウチの高さ方向の寸法は315mmであり、幅方向の寸法は200mmであり、底襠部103の高さ方向の寸法は60mmである。
【0080】
検証を行なうにあたっては、まず、実施例S2および比較例T2に係るサンプルの各々に、5℃以下の冷水を1.6L充填した。次に、冷水が充填された状態の実施例S2および比較例T2に係るサンプルの各々について、検証試験1と同様の第1自然落下検証を行なった。次に、当該第1自然落下検証を10回繰り返しても破袋しなかったサンプルを、地面からの高さが2mの位置から地面に向けて自然落下させて、破袋するか否かを確認した(以下、本検証を第2自然落下検証と称する)。検証試験2においては、当該第2自然落下検証をサンプル毎に合計10回行なった。ただし、サンプルが破袋した場合には、当該サンプルについてはそれ以降の検証は行なわなかった。検証試験2においては、これら第1および第2自然落下検証を行なった過程で破袋したサンプルの数を全サンプル数5で除した割合を破袋率とした。
【0081】
図7に示すように、比較例T2に係るサンプル(面積率39.3%)の破袋率が80%であるのに対し、実施例S2に係るサンプル(面積率50.0%)の破袋率は0%であった。この結果と、上述した検証試験1の結果とから、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bの面積を、上側第1領域X1の総面積の40%以上とすることにより、落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチ1Aとすることができることが確認された。
【0082】
(第1変形例)
図9は、第1変形例に係るスタンディングパウチの第1領域およびその近傍を拡大した要部拡大正面図である。以下、この図9を参照して、上述した実施の形態に基づいた第1変形例に係るスタンディングパウチ1A1について説明する。なお、スタンディングパウチ1A1の第2副接合領域212bの構成は、以下において説明するスタンディングパウチ1A1の第1副接合領域211bの構成と同様の構成を有しているため、その説明は繰り返さない(後述する第2ないし第4変形例においても同様である)。
【0083】
図9に示すように、第1変形例に係るスタンディングパウチ1A1は、上述した実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aと比較した場合に、第1副接合領域211bの構成のみが相違している。
【0084】
より詳細には、上述した実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、上側第1領域X1に、第1副接合領域211b1と、第1副接合領域211b2の一部とが含まれているところ(図1および図5参照)、第1変形例に係るスタンディングパウチ1A1においては、上側第1領域X1に第1副接合領域211b1のみが含まれており、第1副接合領域211b2は含まれていない。より詳細には、スタンディングパウチ1A1においては、第1副接合領域211b2が、第1領域Xの下端部分に位置している。
【0085】
また、スタンディングパウチ1A1においては、第1副接合領域211b1が略半楕円形状を有している。さらに、スタンディングパウチ1A1を正面視した場合において、第1副接合領域211b1の面積は、第1副接合領域211b2の面積よりも大きく構成されている。
【0086】
このように構成した場合にも、上述した実施の形態において説明した効果に準じた効果が得られることになり、落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチすることができる。
【0087】
(第2変形例)
図10は、第2変形例に係るスタンディングパウチの第1領域およびその近傍を拡大した要部拡大正面図である。以下、この図10を参照して、上述した実施の形態に基づいた第2変形例に係るスタンディングパウチ1A2について説明する。
【0088】
図10に示すように、第2変形例に係るスタンディングパウチ1A2は、上述した実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aと比較した場合に、第1副接合領域211bの構成のみが相違している。
【0089】
より詳細には、上述した実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、第1領域Xに第1副接合領域211b1と第1副接合領域211b2とが含まれているところ(図1および図5参照)、第2変形例に係るスタンディングパウチ1A2においては、第1領域Xに1つの第1副接合領域211bのみが含まれている。この1つの第1副接合領域211bは、上側第1領域X1に位置している。
【0090】
このように構成した場合にも、上側第1領域X1に含まれる部分の第1副接合領域211bの面積が上側第1領域X1の総面積の40%以上である場合には、上述した実施の形態において説明した効果に準じた効果が得られることになり、落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチすることができる。
【0091】
(第3変形例)
図11は、第3変形例に係るスタンディングパウチの第1領域およびその近傍を拡大した要部拡大正面図である。以下、この図11を参照して、上述した実施の形態に基づいた第3変形例に係るスタンディングパウチ1A3について説明する。
【0092】
図11に示すように、第3変形例に係るスタンディングパウチ1A3は、上述した実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aと比較した場合に、第1副接合領域211bの構成のみが相違している。
【0093】
より詳細には、上述した実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、第1領域Xに第1副接合領域211b1と第1副接合領域211b2とが含まれているところ(図1および図5参照)、第3変形例に係るスタンディングパウチ1A3においては、これらに加えてさらに第1副接合領域211b3が第1領域Xに含まれている。
【0094】
第1副接合領域211b1、第1副接合領域211b2および第1副接合領域211b3は、スタンディングパウチ1Aの高さ方向に沿ってこの順で並んで配置されており、第1副接合領域211b3は、第1領域Xの下端部分に位置している。
【0095】
このように構成した場合にも、上述した実施の形態において説明した効果に準じた効果が得られることになり、落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチすることができる。
【0096】
(第4変形例)
図12は、第4変形例に係るスタンディングパウチの第1領域およびその近傍を拡大した要部拡大正面図である。以下、この図12を参照して、上述した実施の形態に基づいた第4変形例に係るスタンディングパウチ1A4について説明する。
【0097】
図12に示すように、第4変形例に係るスタンディングパウチ1A4は、上述した実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aと比較した場合に、第1副接合領域211bの構成のみが相違している。
【0098】
より詳細には、上述した実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、第1副接合領域211bのスタンディングパウチ1Aの幅方向に沿った寸法は、第1側端部側接合領域221の下端部分の上記幅方向の寸法と一致しているところ(図1および図5参照)、第4変形例に係るスタンディングパウチ1A4においては、第1副接合領域211bの上記幅方向の寸法が、第1側端部側接合領域221の下端部分の上記幅方向の寸法よりも大きく構成されている。
【0099】
このように構成した場合にも、上述した実施の形態において説明した効果に準じた効果が得られることになり、落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチすることができる。
【0100】
(第5変形例)
図13は、第5変形例に係るスタンディングパウチの第1領域およびその近傍を拡大した要部拡大正面図である。以下、この図13を参照して、上述した実施の形態に基づいた第5変形例に係るスタンディングパウチ1A5について説明する。
【0101】
図13に示すように、第5変形例に係るスタンディングパウチ1A5は、上述した実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aと比較した場合に、下端部32の第1側端部21側の端部、および、下端部32の第2側端部22側の端部の構成が相違している。
【0102】
より詳細には、上述した実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、下端部32の第1側端部21側の端部、および、下端部32の第2側端部22側の端部が、いずれもスタンディングパウチ1Aの幅方向に平行な方向に沿って延在しているところ(図1および図5参照)、第5変形例に係るスタンディングパウチ1A5においては、下端部32の第1側端部21側の端部、および、下端部32の第2側端部22側の端部が、いずれもスタンディングパウチ1A5の幅方向に平行な方向に対して傾斜している。
【0103】
より詳細には、スタンディングパウチ1A5においては、下端部32の第1側端部21側の端部、および、下端部32の第2側端部22側の端部が、いずれも、上記幅方向の内側から外側に向かうにつれて上端部31に近づくように傾斜している。
【0104】
このように構成した場合にも、上述した実施の形態において説明した効果に準じた効果が得られることになり、落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチすることができる。さらに、このように構成した場合には、スタンディングパウチの自立性の向上を図ることができる。
【0105】
(第6変形例)
図14は、第6変形例に係るスタンディングパウチの正面図である。以下、この図14を参照して、上述した実施の形態に基づいた第6変形例に係るスタンディングパウチ1A6について説明する。
【0106】
図14に示すように、第6変形例に係るスタンディングパウチ1A6は、上述した実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aと比較した場合に、下端部側接合領域213の構成が相違している。
【0107】
より詳細には、上述した実施の形態に係るスタンディングパウチ1Aにおいては、内容物が充填されていない状態のスタンディングパウチ1Aを正面視した場合における下端部側接合領域213の上側端縁が、スタンディングパウチ1Aの幅方向における外側から内側に向かうにつれて下端部32側に近づくように略U字状に湾曲しているところ(図1参照)、第6変形例に係るスタンディングパウチ1A6においては、上記状態におけるスタンディングパウチ1A6を正面視した場合における下端部側接合領域213の上側端縁が、上記幅方向における外側から内側に向かうにつれて下端部32側に近づくように直線状に傾斜する一対の部分と、上記幅方向に平行な方向に沿って直線状に延在する部分とによって構成されている。
【0108】
このように構成した場合にも、上述した実施の形態において説明した効果に準じた効果が得られることになり、落下に対する耐久性の向上が図られたスタンディングパウチすることができる。
【0109】
(付記)
上述した実施の形態およびその変形例において開示したスタンディングパウチの特徴的な構成を要約すると、以下のとおりとなる。
【0110】
[付記1]
幅方向に相対して位置する第1側端部および第2側端部と、高さ方向に相対して位置する上端部および下端部とを有し、内容物を収容するための収容空間が内部に設けられてなるスタンディングパウチであって、
上記収容空間を規定する前壁部、後壁部および底襠部を備え、
上記下端部には、上記収容空間に内容物が収容されていない状態において、上記前壁部、上記後壁部および上記底襠部が重ね合わされることで形成される第1重ね合わせ領域が設けられ、
上記下端部を除く部分には、上記収容空間に内容物が収容されていない状態において、上記前壁部および上記後壁部が重ね合わされることで形成される第2重ね合わせ領域が設けられ、
上記底襠部は、上記前壁部側に位置する前壁部側襠部と、上記後壁部側に位置する後壁部側襠部とを含むように、二つ折りにされるとともにその折り目が上記上端部側に配置された状態で上記前壁部と上記後壁部との間に介在するように位置し、
上記前壁部側襠部の下端が上記前壁部の下端に接続されるとともに、上記後壁部側襠部の下端が上記後壁部の下端に接続され、
上記前壁部、上記後壁部および上記底襠部は、いずれもリングクラッシュ圧縮強さが10N以上200N以下のシート状部材によって構成され、
上記第1重ね合わせ領域のうちの上記第1側端部に対応する部分には、上記前壁部、上記前壁部側襠部、上記後壁部側襠部および上記後壁部がこの順で重ね合わせられ、かつ、上記前壁部および上記前壁部側襠部が相互に接合されるとともに上記後壁部側襠部および上記後壁部が相互に接合されることで形成された第1主接合領域が位置するとともに、上記前壁部側襠部および上記後壁部側襠部の双方に第1欠除部が設けられることにより、当該第1欠除部に対応する部分の上記前壁部および上記後壁部が直接接合されることで形成された第1副接合領域が位置し、
上記第1重ね合わせ領域のうちの上記第2側端部に対応する部分には、上記前壁部、上記前壁部側襠部、上記後壁部側襠部および上記後壁部がこの順で重ね合わせられ、かつ、上記前壁部および上記前壁部側襠部が相互に接合されるとともに上記後壁部側襠部および上記後壁部が相互に接合されることで形成された第2主接合領域が位置するとともに、上記前壁部側襠部および上記後壁部側襠部の双方に第2欠除部が設けられることにより、当該第2欠除部に対応する部分の上記前壁部および上記後壁部が直接接合されることで形成された第2副接合領域が位置し、
上記第2重ね合わせ領域のうちの上記第1側端部に対応する部分には、上記前壁部および上記後壁部が直接接合されることで形成された第1側端部側接合領域が形成され、
上記第2重ね合わせ領域のうちの上記第2側端部に対応する部分には、上記前壁部および上記後壁部が直接接合されることで形成された第2側端部側接合領域が形成され、
上記幅方向および上記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、上記第1側端部側接合領域の上記幅方向における内側端縁および外側端縁をそれぞれ上記第1重ね合わせ領域側に向けて延長することで得られる一対の延長線によって挟まれる部分の上記第1重ね合わせ領域を第1領域とし、当該第1領域を上記高さ方向において二等分した場合の上記上端部側の領域を上側第1領域とした場合に、上記上側第1領域に含まれる部分の上記第1副接合領域の面積が、上記上側第1領域の総面積の40%以上であるとともに、上記第1副接合領域が設けられた部分以外の上記上側第1領域が、上記第1主接合領域によって構成され、
上記幅方向および上記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、上記第2側端部側接合領域の上記幅方向における内側端縁および外側端縁をそれぞれ上記第1重ね合わせ領域側に向けて延長することで得られる一対の延長線によって挟まれる部分の上記第1重ね合わせ領域を第2領域とし、当該第2領域を上記高さ方向において二等分した場合の上記上端部側の領域を上側第2領域とした場合に、上記上側第2領域に含まれる部分の上記第2副接合領域の面積が、上記上側第2領域の総面積の40%以上であるとともに、上記第2副接合領域が設けられた部分以外の上記上側第2領域が、上記第2主接合領域によって構成されている、スタンディングパウチ。
【0111】
[付記2]
上記幅方向および上記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、上記上側第1領域に含まれる部分の上記第1副接合領域の面積が、上記第1副接合領域の総面積の50%以上であり、
上記幅方向および上記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、上記上側第2領域に含まれる部分の上記第2副接合領域の面積が、上記第2副接合領域の総面積の50%以上である、付記1に記載のスタンディングパウチ。
【0112】
[付記3]
上記第1副接合領域が、上記第1領域に複数設けられ、
上記第2副接合領域が、上記第2領域に複数設けられている、付記1または2に記載のスタンディングパウチ。
【0113】
[付記4]
上記複数の第1副接合領域が、上記高さ方向に沿って並んで配置され、
上記幅方向および上記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、上記第1領域を上記高さ方向において二等分した場合の上記下端部側の領域を下側第1領域とした場合に、上記複数の第1副接合領域のうちの上記上側第1領域に含まれる部分の面積が、上記複数の第1副接合領域の総面積の50%以上であるとともに、上記複数の第1副接合領域のうちの上記上側第1領域に含まれる部分以外の部分が、上記下側第1領域に位置し、
上記複数の第2副接合領域が、上記高さ方向に沿って並んで配置され、
上記幅方向および上記高さ方向の双方に直交する方向から見た場合において、上記第2領域を上記高さ方向において二等分した場合の上記下端部側の領域を下側第2領域とした場合に、上記複数の第2副接合領域のうちの上記上側第2領域に含まれる部分の面積が、上記複数の第2副接合領域の総面積の50%以上であるとともに、上記複数の第2副接合領域のうちの上記上側第2領域に含まれる部分以外の部分が、上記下側第2領域に位置している、付記3に記載のスタンディングパウチ。
【0114】
(その他の形態等)
上述した実施の形態およびその変形例に係るスタンディングパウチは、樹脂成型品からなる容器に比較して、樹脂の使用量を大幅に削減できるものである。また、上述した実施の形態およびその変形例に係るスタンディングパウチは、樹脂成型品からなる容器に比較して、使用後において収容空間から気体を抜くことにより、これを折り畳めるものであるため、減容化した上で廃棄することができるものである。
【0115】
また、上述した本発明の実施の形態およびその変形例において示した各部の形状や構成、大きさ、数、材質等は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々変更が可能である。
【0116】
さらに、上述した本発明の実施の形態およびその変形例において示した特徴的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当然に相互に組み合わせることができる。
【0117】
このように、今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0118】
1A,1A1~1A6 スタンディングパウチ、21 第1側端部、22 第2側端部、31 上端部、32 下端部、100a 収容空間、101 前壁部、102 後壁部、103 底襠部、103a 前壁部側襠部、103b 後壁部側襠部、103s 第1欠除部、103t 第2欠除部、210 第1重ね合わせ領域、211a 第1主接合領域、211b,211b1,211b2,211b3 第1副接合領域、212a 第2主接合領域、212b,212b1,212b2 第2副接合領域、213 下端部側接合領域、220 第2重ね合わせ領域、221 第1側端部側接合領域、222 第2側端部側接合領域、223 上端部側接合領域、300 スパウト、301 基部、302 注出部、303 キャップ、L1,L2 延長線、X 第1領域、X1 上側第1領域、X2 下側第1領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14