(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106103
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010215
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山根 一郎
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL02
5H181LL08
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】車両の外側に位置する物体の情報を含む運転支援情報を適切に生成する。
【解決手段】情報処理装置20は、車両4の運転支援情報を生成する情報処理装置である。情報処理装置20は、車両4の外側に位置する物体Ojを検出することで得られた3次元データである検出データD1を取得する検出データ取得部30と、予め記憶されている複数の物体の3次元データの中から検出データD1に対応する物体の3次元データである物体データDoを抽出し、検出データD1を当該物体データDoで補完することで3次元データである補完データD2を生成するデータ補完部41と、補完データD2と車両4の3次元データである車両データDvとを合成することで、車両4および車両4の外側領域を含む3次元データである合成データD3を生成するデータ合成部42と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転支援情報を生成する情報処理装置であって、
前記車両の外側に位置する物体を検出することで得られた3次元データである検出データを取得する検出データ取得部と、
予め記憶されている複数の物体の3次元データの中から前記検出データに対応する物体の3次元データである物体データを抽出し、前記検出データを当該物体データで補完することで3次元データである補完データを生成するデータ補完部と、
前記補完データと前記車両の3次元データである車両データとを合成することで、前記車両および前記車両の外側領域を含む3次元データである合成データを生成するデータ合成部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記検出データは、前記車両の外側に位置する物体の外形の一部の3次元データであり、
前記物体データは、予め記憶されている前記物体の外形全体の3次元データを含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データ補完部は、前記物体データのうち、前記検出データと重複する部分以外のデータを前記検出データに付加することで前記補完データを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
さらに、前記複数の物体の3次元データを記憶する記憶部を備え、
前記データ補完部は、前記記憶部に記憶された前記複数の物体の3次元データの中から、前記検出データに対して相関の高いデータを前記物体データとして抽出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
さらに、前記車両データが記憶された記憶部を備え、
前記データ合成部は、前記記憶部に記憶された前記車両データに基づいて、前記合成データを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記車両が駐車する際に、前記運転支援情報を生成する
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記検出データ取得部は、少なくとも前記車両の後方および側方に位置する物体の検出データである複数の前記検出データを取得し、
前記データ補完部は、複数の前記検出データに基づいて、複数の前記物体データを抽出し、複数の前記検出データを複数の前記物体データで補完することで複数の前記補完データを生成し、
前記データ合成部は、複数の前記補完データおよび前記車両データに基づいて、前記合成データを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
さらに、前記データ合成部で生成された前記合成データに基づいて、前記車両および前記車両の外側領域を含む所定の画像を生成する画像生成部を備え、
前記画像生成部は、前記車両に対して横から見た画像、上から見た画像および斜めから見た画像の少なくとも1つの画像を、前記所定の画像として生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記車両データは、前記車両のドアが閉まった状態のデータおよび前記車両のドアが開いた状態のデータの少なくとも一方のデータを含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
車両の運転支援情報を生成する情報処理装置であって、
前記車両の外側に位置する物体を検出することで得られた3次元データである検出データを取得する検出データ取得部と、
予め記憶されている複数の物体の3次元データの中から前記検出データに対応する物体の3次元データである物体データを抽出し、前記検出データ、当該物体データおよび前記車両の3次元データを合成することで、3次元データである合成データを生成する合成部と、
を備える情報処理装置。
【請求項11】
車両の運転支援情報を生成する情報処理方法であって、
前記車両の外側に位置する物体を検出することで得られた3次元データである検出データを取得し、
予め記憶されている複数の物体の3次元データの中から前記検出データに対応する物体の3次元データである物体データを抽出し、
前記検出データを当該物体データで補完することで3次元データである補完データを生成し、
前記補完データと前記車両の3次元データである車両データとを合成することで、前記車両および前記車両の外側領域を含む3次元データである合成データを生成する
情報処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理方法をコンピュータで実行するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の運転支援情報を生成する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の安全性向上かつ事故防止のために、車両の運転支援情報を提供する装置が知られている。特許文献1には、車両の後方に存在する障害物の形状によらず、車両が有する跳ね上げ式のテールゲートの開閉に必要な最小空間を確保できない状態となるまでの情報を提供する運転支援情報提供装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1に記載された装置では、車両の外側に位置する物体の局所的な情報しか得られず、十分な運転支援情報を生成できないことがある。
【0005】
本開示は、車両の外側に位置する物体の情報を含む運転支援情報を生成することができる情報処理装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、車両の運転支援情報を生成する情報処理装置であって、前記車両の外側に位置する物体を検出することで得られた3次元データである検出データを取得する検出データ取得部と、予め記憶されている複数の物体の3次元データの中から前記検出データに対応する物体の3次元データである物体データを抽出し、前記検出データを当該物体データで補完することで3次元データである補完データを生成するデータ補完部と、前記補完データと前記車両の3次元データである車両データとを合成することで、前記車両および前記車両の外側領域を含む3次元データである合成データを生成するデータ合成部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、車両の運転支援情報を生成する情報処理装置であって、前記車両の外側に位置する物体を検出することで得られた3次元データである検出データを取得する検出データ取得部と、予め記憶されている複数の物体の3次元データの中から前記検出データに対応する物体の3次元データである物体データを抽出し、前記検出データ、当該物体データおよび前記車両の3次元データを合成することで、3次元データである合成データを生成する合成部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、車両の運転支援情報を生成する情報処理方法であって、前記車両の外側に位置する物体を検出することで得られた3次元データである検出データを取得し、予め記憶されている複数の物体の3次元データの中から前記検出データに対応する物体の3次元データである物体データを抽出し、前記検出データを当該物体データで補完することで3次元データである補完データを生成し、前記補完データと前記車両の3次元データである車両データとを合成することで、前記車両および前記車両の外側領域を含む3次元データである合成データを生成する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、上記の情報処理方法をコンピュータで実行するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示の情報処理装置等によれば、車両の外側に位置する物体の情報を含む運転支援情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】比較例の情報提供システムにて提供される画像の一例を示す図である。
【
図2】本開示の情報提供システムにて提供される画像の一例を示す図である。
【
図3】実施の形態に係る情報処理装置および情報提供システムを示すブロック図である。
【
図4】情報提供システムが備える検出装置の設置位置を示す図である。
【
図5】車両が後ろ向き駐車する際に車両の後方に位置する物体を検出する例を示す図である。
【
図6】車両が後ろ向き駐車する際に車両の側方に位置する物体を検出する例を示す図である。
【
図7】情報処理装置にて処理される3次元データを模式的に示す図である。
【
図8】比較例および実施の形態の情報提供システムにて提供される画像の一例を示す図である。
【
図9】実施の形態の情報提供システムにて提供される画像の他の一例を示す図である。
【
図10】実施の形態の情報提供システムにて提供される画像の他の一例を示す図である。
【
図11】比較例および実施の形態の情報提供システムにて提供される画像の他の一例を示す図である。
【
図12】実施の形態の情報提供システムにて提供される画像の他の一例を示す図である。
【
図13】実施の形態の情報提供システムにて提供される画像の他の一例を示す図である。
【
図14】実施の形態に係る情報処理方法を示すフローチャートである。
【
図15】実施の形態の変形例1の情報提供システムによって提供される画像を示す図である。
【
図16】実施の形態の変形例2の情報提供システムによって提供される画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示に至る経緯)
本開示に至る経緯について、
図1および
図2を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、比較例の情報提供システムにて提供される画像の一例を示す図である。同図には、自車両がバックで後ろ向き駐車する際に、車室内のモニターに映し出される画像が示されている。
【0014】
図1の(a)には、自車両から後方を見たときの画像が示されている。この画像には、後方に位置する他の車両6b、6s、ポール7などが示されているが、ドライバーがこの画像の見方に慣れていないと自車両から他の車両6b、6s、ポール7までの実際の距離を把握できないことがある。
【0015】
図1の(b)には、自車両である車両4を上から見たときのアラウンドビュー画像が示されている。この画像には、側方に位置する他の車両6s、ポール7などが示されているが、画面の外側にいくほど他の車両6sやポール7が斜め方向に広がって表され、ドライバーが違和感をおぼえることがある。このように比較例では、車両4の周辺に位置する物体の情報を適切に生成できず、十分な運転支援情報を提供できないという問題がある。
【0016】
図2は、本開示の情報提供システムにて提供される画像の一例を示す図である。
【0017】
図2の(a)には車両4を横から見た図が示され、(b)には車両4を上から見た図が示され、(c)には車両4を斜め上から見た図が示されている。
図2のように、車両4および車両4の周辺に位置する物体を車両4の外から客観的または俯瞰的に見える画像情報として提供することで、ドライバーに十分な運転支援情報を提供することができる。本開示の情報処理装置等は、上記のような運転支援情報を適切に生成するため、以下に示す構成を有している。
【0018】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、複数の実施の形態のうちの2つ以上の実施の形態を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0019】
(実施の形態)
[情報処理装置および情報提供システムの構成]
実施の形態に係る情報処理装置および情報提供システムの構成について、
図3~
図8を参照しながら説明する。
【0020】
図3は、実施の形態に係る情報処理装置20および情報提供システム1を示すブロック図である。
【0021】
情報処理装置20は、車両4の運転支援情報を生成する装置であり、例えば車両4が駐車する際に、車両4の運転支援情報を生成する。情報提供システム1は、情報処理装置20で生成された運転支援情報を提供するシステムであり、車両4の内部に搭載されている(
図4参照)。
【0022】
図3に示すように、情報提供システム1は、物体を検出する検出装置10と、運転支援情報を生成する情報処理装置20と、を備える。また、情報提供システム1は、車両情報取得部91、作動切替部92、モニター制御部95およびモニター96を備えている。
【0023】
検出装置10は、車両4の外側に位置する物体Oj(
図5および
図6参照)を検出する装置であり、例えば、複数のカメラを有するステレオカメラである。検出装置10は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を利用した単眼カメラであってもよいし、光による検知および測距を行うライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)であってもよい。
【0024】
図4は、情報提供システム1が備える検出装置10の設置位置を示す図である。
【0025】
検出装置10は、例えば、複数の検出装置11、12、13および14によって構成されている。検出装置11は、車両4の後方に位置する物体Ojを検出するために、車両4の後ろ側のボディに設けられる。検出装置12は、車両4の前方に位置する物体Ojを検出するために、フロントガラス(ウインドシールド)の車室内側に設けられる。検出装置13は、車両4の右の側方の物体Ojを検出するために、車両4の右側のボディまたはサイドミラーに設けられる。検出装置14は、車両4の左の側方の物体Ojを検出するために、車両4の左側のボディまたはサイドミラーに設けられる。例えば検出装置11がステレオカメラである場合、2つのカメラが鉛直方向において同じ高さ位置に、水平方向に所定間隔を空けて配置される。他の検出装置12~14においても同様である。
【0026】
検出装置10にて検出される物体Ojは、例えば、車両4の後方および側方に位置する他の車両6b、6s、ポール7、壁、ガードレール等である。物体Ojは、車両4の後方に位置する車止め8(
図2参照)であってもよいし、車両4の駐車領域を示す白線であってもよい。物体Ojは、縁石や側溝などのように、走行路面、停車路面および駐車路面とは異なる形態を有する物であってもよい。
【0027】
検出装置10は、物体Ojを検出することによって車両4と物体Ojとの3次元的な距離を求め、物体Ojの3次元データである検出データD1を生成する。検出データD1には、車両4と物体Ojの3次元点群との距離を示すデータが含まれている。検出装置10で生成された検出データD1は、情報処理装置20へ出力される。
【0028】
図3に示すように、情報処理装置20は、検出データ取得部30と、合成部40と、記憶部70と、車両データ選択部71と、画像生成部80と、を備える。記憶部70には、情報処理装置20を作動するためのコンピュータプログラムが格納されている。情報処理装置20が備える各構成の機能は、記憶部70に記憶されたコンピュータプログラムを実行することで実現される。
【0029】
検出データ取得部30は、検出装置10から出力された検出データD1を取得する。以下では、車両4が後ろ向き駐車する際に車両4の後方および右の側方を検出することで得られる検出データD1について説明する。なお、左の側方および前方についても同様である。
【0030】
図5は、車両4が後ろ向き駐車する際に車両4の後方に位置する物体Ojを検出する例を示す図である。
【0031】
図5の(a)には、ステレオカメラによって後方に位置する他の車両6bを検出する例が示され、
図5の(b)には、ライダー(LiDAR)によって後方に位置する他の車両6bを検出する例が示されている。車両4が後ろ向き駐車する際、検出データ取得部30は、車両4の後方に位置する物体Ojの検出データD1を取得する。
図5に示すように、検出装置10で検出できる範囲は、同図に示す実線部分であり破線部分は検出できない。そのため、検出データ取得部30で取得する検出データD1は、他の車両6bの後部の3次元データのみである。
【0032】
図6は、車両4が後ろ向き駐車する際に車両4の側方に位置する物体Ojを検出する例を示す図である。
【0033】
図6の(a)には、ステレオカメラによって側方に位置する他の車両6sを検出する例が示され、
図6の(b)には、SLAM技術を利用した単眼カメラによって側方に位置する他の車両6sを検出する例が示されている。車両4が後ろ向き駐車する際、検出データ取得部30は、車両4の側方に位置する物体Ojの検出データD1を取得する。
図6に示すように、検出装置10で検出できる範囲は、同図に示す実線部分であり破線部分は検出できない。そのため、検出データ取得部30で取得する検出データD1は、他の車両6sの側部の3次元データのみである。
【0034】
このように、検出装置10で検出できる範囲が物体Ojの外形の一部である場合、検出データ取得部30にて取得できる情報は物体Ojの外形全体のうちの一部の情報であり、この情報だけではドライバーに必要な運転支援情報を生成することができない。そこで、本実施の形態では、上記の検出データD1に加え、記憶部70に予め記憶されている物体の3次元データおよび車両4の3次元データを用いて運転支援情報を生成する。
【0035】
記憶部70には、複数の物体の3次元データが記憶されている。物体の3次元データは、予め決められた原点を基準とする3次元データであり、既存する物体の外形全体のデータを含む。物体の3次元データは、標準化された製品の外形を示すデータであってもよいし、外部の情報ネットワークにて開示されている製品の外形を示すデータであってもよい。これらの物体の3次元データは、新しい製品ができるごとに適時更新および追加されてもよい。記憶部70に記憶されている物体の3次元データは、合成部40のデータ補完部41から読み出し可能となっている。
【0036】
また、記憶部70には、車両4の3次元データである車両データDvが保存されている。車両データDvは、予め決められた原点を基準とする3次元データであり、車両4の外形全体のデータを含む。車両データDvは、情報処理装置20が車両4に搭載されるときまたは車両4にオプション品が追加されるときに記憶部70に保存される。記憶部70に記憶された車両データDvは、後述する車両データ選択部71を介してデータ合成部42から読み出し可能となっている。
【0037】
なお、車両データDvには、車両4のドアが閉まった状態のデータおよび車両4のドアが開いた状態のデータの両方のデータが含まれている。この場合における車両4のドアは、サイドドア4sであってもよいし、バックドア4bであってもよい。
【0038】
車両データ選択部71は、車両データDvのうち、車両4のドアが閉まった状態のデータおよび車両4のドアが開いた状態のデータの少なくとも一方のデータを選択する。車両データ選択部71は、例えば、ユーザーによって入力された選択スイッチに基づいて、ドアの開閉状態に関するデータの選択を行う。選択されるデータは、例えば、3つのサイドドア4sが閉まっており1つのサイドドア4sが開いた状態のデータであってもよいし、4つのサイドドア4sが閉まっており1つのバックドア4bが開いた状態のデータであってもよい。車両データ選択部71は、事前に設定された各ドアの開閉角度に関する情報に基づいて、各ドアの開閉角度に関する情報を含む車両データDvを選択してもよい。車両データ選択部71によって選択された車両データDvに関するデータは、合成部40へ出力される。
【0039】
合成部40は、データ補完部41と、データ合成部42と、を備えている。
【0040】
データ補完部41は、記憶部70に記憶された複数の物体の3次元データの中から、検出データD1に対応する物体の3次元データである物体データDoを抽出する。例えばデータ補完部41は、複数の物体の3次元データの中から、検出データD1に対して最も相関の高いデータを物体データDoとして抽出する。相関の高さは、相関係数またはコサイン類似度によって判断されてもよい。また、データ補完部41は、3次元画像をAI(Artificial Intelligence)分析することで、検出データD1に対応する物体データDoを抽出してもよい。
【0041】
図7は、情報処理装置20にて処理される3次元データを模式的に示す図である。同図には、3次元データが平面状に示されている。この例では、車両4の後方および右の側方に位置する物体Ojが他の車両6b、6sである例について説明する。
【0042】
図7には、後方の検出データD1、および、側方の検出データD1が示されている。また、
図7には、複数の物体の3次元データ、抽出された物体データDo、および、車両データDvが示されている。また、
図7には、後方の補完データD2、側方の補完データD2、および、合成データD3が示されている。
【0043】
データ補完部41は、複数の物体の3次元データの中から、車両4の後方に位置する他の車両6bの検出データD1に対応する物体データDoを抽出する。例えばデータ補完部41は、複数の物体の3次元データの中から、他の車両6bの後部の検出データD1に最も近い部位を有する物体データDoを抽出する。
【0044】
そしてデータ補完部41は、後方の検出データD1を、抽出された物体データDoで補完することで、後方の3次元データである補完データD2を生成する。後方の補完データD2は、抽出された物体データDoのうち、後方の検出データD1と重複する部分以外のデータ(破線)を当該検出データD1(実線)に付加することで生成される。
【0045】
また、データ補完部41は、複数の物体の3次元データの中から、車両4の側方に位置する他の車両6sの検出データD1に対応する物体データDoを抽出する。例えばデータ補完部41は、複数の物体の3次元データの中から、他の車両6sの側部の検出データD1に最も近い部位を有する物体データDoを抽出する。
【0046】
そしてデータ補完部41は、側方の検出データD1を、抽出された物体データDoで補完することで、側方の3次元データである補完データD2を生成する。側方の補完データD2は、抽出された物体データDoのうち、側方の検出データD1と重複する部分以外のデータ(破線)を当該検出データD1(実線)に付加することで生成される。
【0047】
このように、データ補完部41は、複数の物体の3次元データの中から複数の検出データD1に対応する複数の物体データDoを抽出し、複数の検出データD1をそれぞれ複数の物体データDoで補完することで複数の補完データD2を生成する。データ補完部41で生成された複数の補完データD2は、データ合成部42へ出力される。
【0048】
データ合成部42は、後方の補完データD2と、側方の補完データD2と、車両データDvとを合成することで合成データD3を生成する。
【0049】
なお、情報処理装置20は、前方および左の側方においても同様の処理を行う。つまりデータ合成部42は、後方、前方、右の側方および左の側方の補完データD2と車両データDvとを合成することで、車両4および車両4の周辺領域を含む合成データD3を生成する。このように合成部40は、複数の物体の3次元データの中から検出データD1に対応する物体データDoを抽出し、検出データD1、物体データDoおよび車両データDvを合成することで、合成データD3を生成する。データ合成部42で生成された合成データD3は、画像生成部80へ出力される。
【0050】
画像生成部80は、データ合成部42から出力された合成データD3に基づいて、車両4および車両4の外側領域を含む所定の画像を生成する。画像生成部80は、車両4に対して横から見た画像(
図2の(a)参照)、上から見た画像(
図2の(b)参照)、および、斜めから見た画像(
図2の(c)参照)の少なくとも1つの画像を、所定の画像として生成する。このように画像生成部80は、車両4に対して見る角度を変更した画像、例えば車両4およびその周辺を俯瞰した画像を生成する。画像生成部80によって生成される画像は、動画像に限られず、コマ送りの静止画像であってもよい。
【0051】
画像生成部80で生成された所定の画像は、モニター制御部95へ出力される。なお、モニター制御部95へ出力される所定の画像は、モニター96上の操作キーによって予め設定される。
【0052】
車両情報取得部91は、車両4のECU(Electronic Control Unit)に通信接続されており、車両4から出力された車両情報を取得する。車両情報は、例えば、駐車開始の有無に関する情報であり、車両4のイグニッション情報およびシフトレバー情報を含む。車両情報取得部91は、ECUから出力された車両情報を取得し、当該車両情報を作動切替部92へ出力する。
【0053】
作動切替部92は、車両情報取得部91から出力された車両情報に基づいて、情報処理装置20およびモニター制御部95の作動を切り替える。例えば作動切替部92は、イグニッションがオフのとき、情報処理装置20およびモニター制御部95の作動を停止する信号を情報処理装置20およびモニター制御部95へ出力する。また作動切替部92は、イグニッションがオンのとき、情報処理装置20を作動可能とする信号を出力する。
【0054】
また、作動切替部92は、車両4のシフトレバー、すなわち車両4が前進するか後進するかに応じて、情報処理装置20およびモニター制御部95による運転支援情報を切り替える。例えば、作動切替部92は、イグニッションがオンでかつシフトレバーが後退(Reverse)を示すときに、後進に応じた運転支援情報処理を生成するように情報処理装置20を作動させ、後進に応じた画像を表示させる指示信号をモニター制御部95へ出力する。
【0055】
モニター制御部95は、作動切替部92からの指令、および、画像生成部80からの出力に基づいて、モニター96に映し出すための画像を生成する。車室内に設けられたモニター96は、モニター制御部95の指令に基づいて画像を表示する。
【0056】
[情報提供システムによって提供される画像]
図8は、比較例および実施の形態の情報提供システムにて提供される画像の一例を示す図である。
【0057】
同図には、車両4が後ろ向き駐車する際の様子を横から見たときの画像が示されている。
図8の(a)は、比較例にて提供される画像であるが、この画像では、他の車両6bの外形の一部しか表されておらず、車両4の後方の状態を十分に把握することができない。
【0058】
図8の(b)は、実施の形態にて提供される画像である。この画像は、例えば3次元の合成データD3に対する視点を変更することで生成される。
図8の(b)に示す画像は、3次元の合成データD3を横から見ることで生成される。この画像によれば、検出装置10によって検出できなかった部分も表され、車両4の後方の状態を容易に把握することができる。
【0059】
図9は、情報提供システム1にて提供される画像の他の一例を示す図である。
【0060】
図9の(a)にはバックドア4bが閉じられた状態の画像、(b)にはバックドア4bが開かれた状態の画像、(c)にはバックドア4bの可動領域を示す画像が示されている。この画像によれば、車両4の駐車を終えてバックドア4bを開いたときに、後方の物体Ojにぶつかるか否かを事前に確認することができる。なお、バックドア4bの開閉の表示有無は、ユーザーによって事前に選択可能である。
【0061】
図10は、情報提供システム1にて提供される画像の他の一例を示す図である。
【0062】
同図には、車両4が後ろ向き駐車する際の様子を横から見たときの複数の画像であって、車両4の後方に位置する他の車両6bおよび車止め8が固定され、それに対し車両4が相対移動する様子が示されている。また同図には、バックドア4bの開かれた状態が仮想的に示されている。この画像よれば、車両4および車両4の後方に位置する物体Ojを、車両4の外から客観的に見える情報として提供できる。
【0063】
図11は、比較例および実施の形態の情報提供システムにて提供される画像の他の一例を示す図である。
【0064】
同図には、車両4が後ろ向き駐車する際の様子を上から見たときの画像が示されている。
図11の(a)は、比較例にて提供される画像であるが、この画像では、他の車両6sの外形の一部しか表されておらず、車両4の側方の状態を十分に把握することができない。
【0065】
図11の(b)は、実施の形態にて提供される画像である。この画像は、例えば3次元の合成データD3に対する視点を変更することで生成される。
図11の(b)に示す画像は、3次元の合成データD3を上から見ることで生成される。この画像によれば、検出装置10によって検出できなかった部分も表され、車両4の側方の状態を容易に把握することができる。
【0066】
図12は、情報提供システム1にて提供される画像の他の一例を示す図である。
【0067】
図12の(a)にはサイドドア4sが閉じられた状態の画像、(b)には2つのサイドドア4sが開かれた状態の画像が示されている。この画像によれば、車両4の駐車を終えてサイドドア4sを開いたときに、側方の物体Ojにぶつかるか否かを事前に確認することができる。なお、サイドドア4sの開閉の表示有無は、ユーザーによって事前に選択可能である。また、サイドドア4sの開閉角度は、ユーザーによって事前に設定可能である。
【0068】
図13は、情報提供システム1にて提供される画像の他の一例を示す図である。
【0069】
同図には、車両4が後ろ向き駐車する際の様子を上から見たときの複数の画像であって、車両4の側方に位置する他の車両6s、ポール7および後方に位置する車止め8が固定され、それに対して車両4が相対移動する様子が示されている。また同図には、サイドドア4sの開かれた状態が仮想的に示されている。この画像よれば、車両4および車両4の側方および後方に位置する物体Ojを、車両4の外から俯瞰的に見える情報として提供できる。
【0070】
[情報処理方法]
実施の形態に係る情報処理方法について、
図14を参照しながら説明する。この例に示す情報処理方法は、車両4が駐車する際に、車両4の運転支援情報を生成する方法である。
【0071】
図14は、実施の形態に係る情報処理方法を示すフローチャートである。なお、
図14には、情報処理装置20だけでなく情報提供システム1にて実行される処理も記載されている。
【0072】
まず、情報提供システム1は、運転支援情報の要求の有無を判断する(ステップS11)。具体的には、車両情報取得部91が運転支援情報の要求信号をECUから取得しているか否かを確認する。運転支援情報の要求が無い場合(S11にてNo)、ステップS11に戻り、運転支援情報の要求を待つ。運転支援情報の要求が有る場合(S11にてYes)、情報処理装置20は、運転支援情報を生成するための各種の処理を行う。
【0073】
検出データ取得部30は、車両4の外側に位置する物体Ojを検出することで得られた3次元データである検出データD1を取得する(ステップS12)。検出データD1は、車両4に設置された検出装置10によって得られたデータである。なお、検出データD1は、車両4の外側に位置する物体Ojの外形の一部の3次元データである。検出データ取得部30は、車両4の後方および側方のそれぞれの検出データD1を取得する。
【0074】
データ補完部41は、予め記憶されている複数の物体の3次元データの中から検出データD1に対応する物体の3次元データである物体データDoを抽出する(ステップS13)。複数の物体の3次元データは、記憶部70に記憶されている物体のデータであり、当該物体の外形全体の3次元データを含んでいる。データ補完部41は、記憶部70に記憶された複数の物体の3次元データの中から、検出データD1に対して相関の高いデータを物体データDoとして抽出する。データ補完部41は、車両4の後方および側方のそれぞれの検出データD1に対応するそれぞれの物体データDoを抽出する。
【0075】
また、データ補完部41は、検出データD1を当該物体データDoで補完することで3次元データである補完データD2を生成する(ステップS14)。例えばデータ補完部41は、物体データDoのうち、検出データD1と重複する部分以外のデータを検出データD1に付加することで補完データD2を生成する。データ補完部41は、車両4の後方および側方のそれぞれの補完データD2を生成する。
【0076】
次に、データ合成部42は、補完データD2と車両データDvとを合成することで、車両4および車両4の外側領域を含む3次元データである合成データD3を生成する(ステップS15)。例えば、データ合成部42は、車両4の後方の補完データD2、車両4の側方の補完データD2および車両データDvを合成することで、合成データD3を生成する。車両データDvは、記憶部70に記憶されている車両4の3次元データであり、当該車両4の外形全体のデータを含んでいる。なお、データ合成部42は、ドアの開閉に関するデータが反映された車両データDvを記憶部70から読み出してもよい。
【0077】
次に、画像生成部80は、合成データD3に基づいて、車両4および車両4の外側領域を含む所定の画像を生成する(ステップS16)。所定の画像は、例えば、車両4に対して横から見た画像、上から見た画像および斜めから見た画像の少なくとも1つの画像である。モニター制御部95は、画像生成部80で生成された所定の画像に基づいてモニターを制御し、モニター96に画像を表示させる(ステップS17)。
【0078】
次に、情報提供システム1は、再び運転支援情報の要求の有無を判断する(ステップS18)。具体的には、車両情報取得部91が運転支援情報の要求信号をECUから引き続き取得しているか否かを確認する。運転支援情報の要求が有る場合(S18にてYes)、ステップS12に戻り、運転支援情報の提供を続ける。運転支援情報の要求が無い場合(S18にてNo)、情報処理装置20は、運転支援情報を生成するための各種の処理を終了する。上記のステップS11~S18が実行されることで、車両4の運転支援情報を適切に生成および提供することができる。
【0079】
[実施の形態の変形例1]
本実施の形態の情報処理装置20は、車両4が駐車するときだけでなく、狭い道路で車両4と他の車両6sがすれ違う場合にも適用できる。変形例1の情報提供システム1は、例えば、車両4が停止または徐行しているときに所定のスイッチ入力を受け付けることで運転支援情報を提供する。
【0080】
図15は、実施の形態の変形例1の情報提供システム1によって提供される画像を示す図である。
【0081】
図15の(a)には車両4および他の車両6sを後ろから見た図が示され、(b)には車両4および他の車両6sを上から見た図が示され、(c)には車両4および他の車両6sを斜め上から見た図が示されている。
図15のように、車両4および車両4の周辺に位置する物体Ojを車両4の外から俯瞰的または客観的に見える画像情報として提供することで、狭い道路を走行するときであってもドライバーに十分な運転支援情報を提供することが可能となる。
【0082】
[実施の形態の変形例2]
本実施の形態の情報処理装置20は、車両4が駐車するときだけでなく、車両4が路肩に停車する場合にも適用できる。変形例2の情報提供システム1は、例えば車両4が停止または徐行しているときに所定のスイッチ入力を受け付けることで運転支援情報を提供する。
【0083】
図16は、実施の形態の変形例2の情報提供システム1によって提供される画像を示す図である。
【0084】
図16の(a)には車両4を後ろから見た図が示され、(b)には車両4を上から見た図が示され、(c)には車両4を斜め上から見た図が示されている。
図16のように、車両4および車両4の周辺に位置する物体Ojを車両4の外から俯瞰的または客観的に見える画像情報として提供することで、車両4が路肩に停車するときであってもドライバーに十分な運転支援情報を提供することが可能となる。
【0085】
(まとめ)
本実施の形態に係る情報処理装置20は、車両4の運転支援情報を生成する情報処理装置である。情報処理装置20は、車両4の外側に位置する物体Ojを検出することで得られた3次元データである検出データD1を取得する検出データ取得部30と、予め記憶されている複数の物体の3次元データの中から検出データD1に対応する物体の3次元データである物体データDoを抽出し、検出データD1を当該物体データDoで補完することで3次元データである補完データD2を生成するデータ補完部41と、補完データD2と車両4の3次元データである車両データDvとを合成することで、車両4および車両4の外側領域を含む3次元データである合成データD3を生成するデータ合成部42と、を備える。
【0086】
このように、3次元の検出データD1を3次元の物体データDoで補完することで3次元データの補完データD2を生成し、当該補完データD2と3次元の車両データDvとを合成して3次元の合成データD3を生成することで、車両4の外側に位置する物体Ojの情報を含む運転支援情報を生成することができる。
【0087】
また、検出データD1は、車両4の外側に位置する物体Ojの外形の一部の3次元データであり、物体データDoは、予め記憶されている物体の外形全体の3次元データを含んでいてもよい。
【0088】
このように、物体データDoが物体の外形全体のデータを含むことで、検出データD1が物体Ojの外形の一部のデータであっても、3次元の補完データD2を適切に生成することができる。これにより、補完データD2と3次元の車両データDvとを合成して3次元の合成データD3を生成し、車両4の外側に位置する物体Ojの情報を含む運転支援情報を生成することができる。
【0089】
また、データ補完部41は、物体データDoのうち、検出データD1と重複する部分以外のデータを検出データD1に付加することで補完データD2を生成してもよい。
【0090】
これによれば、実際に検出した物体Ojの検出データD1に基づいて、現実に即した補完データD2を生成することができる。これにより、車両4の外側に位置する物体Ojの情報を含む運転支援情報を生成することができる。
【0091】
また、情報処理装置20は、さらに、複数の物体の3次元データを記憶する記憶部70を備える。データ補完部41は、記憶部70に記憶された複数の物体の3次元データの中から、検出データD1に対して相関の高いデータを物体データDoとして抽出してもよい。
【0092】
このように検出データD1に対して相関の高いデータを物体データDoとして抽出することで、物体データDoの抽出精度を高めることができる。これにより、補完データD2を適切に生成し、車両4の外側に位置する物体Ojの情報を含む運転支援情報を生成することができる。
【0093】
また、情報処理装置20は、さらに、車両データDvが記憶された記憶部70を備え、データ合成部42は、記憶部70に記憶された車両データDvに基づいて、合成データD3を生成してもよい。
【0094】
これによれば、車両4および車両4の外側に位置する物体Ojの情報を含む運転支援情報を生成することができる。これにより、車両4の外から俯瞰的または客観的に見える情報を提供することが可能となる。
【0095】
また、情報処理装置20は、車両4が駐車する際に、運転支援情報を生成してもよい。
【0096】
これにより、車両4が駐車する際に、車両4の外側に位置する物体Ojの情報を含む運転支援情報を生成することができる。
【0097】
また、検出データ取得部30は、少なくとも車両4の後方および側方に位置する物体Ojの検出データである複数の検出データD1を取得し、データ補完部41は、複数の検出データD1に基づいて、複数の物体データDoを抽出し、複数の検出データD1を複数の物体データDoで補完することで複数の補完データD2を生成し、データ合成部42は、複数の補完データD2および車両データDvに基づいて、合成データD3を生成してもよい。
【0098】
このように、後方および側方の検出データD1、物体データDoおよび補完データD2を用いて合成データD3を生成することで、車両4および車両4の周辺に位置する物体Ojの情報を含む運転支援情報を生成することができる。これにより、車両4の外から俯瞰的または客観的に見える情報を提供することが可能となる。
【0099】
また、情報処理装置20は、さらに、データ合成部42で生成された合成データD3に基づいて、車両4および車両4の外側領域を含む所定の画像を生成する画像生成部80を備える。画像生成部80は、車両4に対して横から見た画像、上から見た画像および斜めから見た画像の少なくとも1つの画像を、所定の画像として生成してもよい。
【0100】
これにより、車両4の外から俯瞰的または客観的に見える情報を提供することが可能となる。
【0101】
また、車両データDvは、車両4のドアが閉まった状態のデータおよび車両4のドアが開いた状態のデータの少なくとも一方のデータを含んでいてもよい。
【0102】
これによれば、車両4のドアの開閉に関する情報を含む運転支援情報を生成および提供することが可能となる。
【0103】
本実施の形態に係る情報処理装置20は、車両4の運転支援情報を生成する情報処理装置である。情報処理装置20は、車両4の外側に位置する物体Ojを検出することで得られた3次元データである検出データD1を取得する検出データ取得部30と、予め記憶されている複数の物体の3次元データの中から検出データD1に対応する物体の3次元データである物体データDoを抽出し、検出データD1、当該物体データDoおよび車両4の3次元データ(車両データDv)を合成することで、3次元データである合成データD3を生成する合成部40と、を備える。
【0104】
このように、3次元の検出データD1と3次元の物体データDoと3次元の車両データDvとを合成して3次元の合成データD3を生成することで、車両4の外側に位置する物体Ojの情報を含む運転支援情報を生成することができる。
【0105】
本実施の形態に係る情報処理方法は、車両4の運転支援情報を生成する情報処理方法であって、車両4の外側に位置する物体Ojを検出することで得られた3次元データである検出データD1を取得し、予め記憶されている複数の物体の3次元データの中から検出データD1に対応する物体の3次元データである物体データDoを抽出し、検出データD1を当該物体データDoで補完することで3次元データである補完データD2を生成し、補完データD2と車両4の3次元データである車両データDvとを合成することで、車両4および車両4の外側領域を含む3次元データである合成データD3を生成する。
【0106】
このように、3次元の検出データD1を3次元の物体データDoで補完することで3次元データの補完データD2を生成し、当該補完データD2と3次元の車両データDvとを合成して3次元の合成データD3を生成することで、車両4の外側に位置する物体Ojの情報を含む運転支援情報を生成することができる。
【0107】
本実施の形態に係るプログラムは、上記の情報処理方法をコンピュータで実行するためのプログラムである。
【0108】
これにより、上記の情報処理方法をプログラムに従ってコンピュータに実行させることが可能になる。
【0109】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータで読み取り可能なCD-ROM等の非一時的記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。プログラムは、記録媒体に予め記憶されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0110】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態等について説明した。ただし以上の実施の形態等は、本質的に好ましい例示であって、この発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0111】
上記の実施の形態では、検出装置10が検出データD1を検出データ取得部30へ出力する例を示したが、それに限られない。例えば、検出装置10で検出した生データが検出データ取得部30へ出力される場合、検出データ取得部30はこの生データに基づいて、3次元の距離情報を含む検出データD1を生成することで、検出データD1を取得してもよい。
【0112】
上記の実施の形態では、データ補完部41が記憶部70に記憶されている複数の物体の3次元の中から所定の物体データDoを抽出する例を示したがそれに限られない。例えば、車両4が無線モジュールを備えている場合、データ補完部41は無線モジュールを介して外部のサーバにアクセスし、サーバに予め記憶されている複数の物体の3次元データの中から所定の物体データDoを抽出してもよい。
【0113】
上記の実施の形態では、車両4が後ろ向き駐車する場合について説明したが、それに限られない。例えば情報提供システム1は、車両4が前向き駐車する場合、または、縦列駐車する場合にも、車両4の運転支援情報を生成し、ドライバーに提供することができる。
【0114】
上記の実施の形態では、モニター96に1つの画像が映し出される例を示したが、それに限られない。例えばモニター96が分割表示される場合、モニター96に
図2の(a)、(b)、(c)の3つの画像が同時に表示されてもよい。また、
図2の(a)~(c)に加え、
図1の(a)に示す画像が同時に表示されてもよい。
【0115】
以上、本開示について、実施の形態及び実施の形態の変形例に基づいて説明したが、本開示は、これら実施の形態及び実施の形態の変形例等に限定されるものではない。
【0116】
また、上記各実施の形態及び実施の形態の変形例に係る情報処理装置は、コンピュータを用いたプログラムによって実現され、このようなプログラムは、記憶装置に記憶されてもよい。
【0117】
また、上記各実施の形態及び実施の形態の変形例に係る情報処理装置に含まれる各処理部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0118】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0119】
なお、上記各実施の形態及び実施の形態の変形例において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0120】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態及び実施の形態の変形例は例示された数字に制限されない。
【0121】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0122】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0123】
その他、実施の形態及び実施の形態の変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び実施の形態の変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本開示は、車両の運転支援情報を生成する情報処理装置として、自動車技術などの分野に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0125】
1 情報提供システム
4 車両
4b バックドア
4s サイドドア
6b、6s 他の車両
7 ポール
8 車止め
10、11、12、13、14 検出装置
20 情報処理装置
30 検出データ取得部
40 合成部
41 データ補完部
42 データ合成部
70 記憶部
71 車両データ選択部
80 画像生成部
91 車両情報取得部
92 作動切替部
95 モニター制御部
96 モニター
D1 検出データ
D2 補完データ
D3 合成データ
Do 物体データ
Dv 車両データ
Oj 物体