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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010611
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】収容容器、及び、塗布用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20240117BHJP
   B65D 41/04 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
B65D83/00 J
B65D41/04 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112046
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】落合 遼太郎
(72)【発明者】
【氏名】大橋 隆
(72)【発明者】
【氏名】川崎 友寛
(72)【発明者】
【氏名】蒲生 孝志
【テーマコード(参考)】
3E014
3E084
【Fターム(参考)】
3E014PA10
3E014PC04
3E014PC12
3E014PC20
3E014PD23
3E014PE25
3E014PF10
3E084AA06
3E084AA24
3E084AB10
3E084BA02
3E084DB13
3E084DB18
3E084FC04
3E084FC09
3E084GA08
3E084GB12
3E084LB02
3E084LB10
3E084LC01
3E084LG02
(57)【要約】
【課題】使用時における底壁や底壁近傍の周壁部分に対する滑らかな触り心地を維持しつつ、収容空間に収容された液状物を使用者の操作によって吐出させやすい収容容器、及び、塗布用容器を提供する。
【解決手段】内部に液状物が収容される収容空間spが形成されたボトルCであって、底面視において略円形をなす底壁11と、底壁12の周縁部から一体に立設された周壁12とを備えたものであり、周壁12には、少なくとも一つの平坦部12hが設けられている。
【選択図】図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液状物が収容される収容空間が形成された収容容器であって、
底面視において略円形をなす底壁と、この底壁の周縁部から立設された周壁とを備えたものであり、
前記周壁には、少なくとも一つの平坦部が設けられている収容容器。
【請求項2】
前記周壁が、複数の前記平坦部を備えたものであり、隣り合う前記平坦部間に外方に凸をなすように湾曲した湾曲部を形成することにより角部が設けられている請求項1記載の収容容器。
【請求項3】
前記湾曲部は、外方から押圧された場合に内方に向かって変形可能な湾曲度合いに設定されている請求項2記載の収容容器。
【請求項4】
前記周壁よりも上に前記液状物を吐出し得る開口が設けられたものであり、
前記湾曲部は、前記底壁側から前記開口側に向かって漸次曲率が大きくなるように形成されている請求項2記載の収容容器。
【請求項5】
前記周壁における少なくとも上部が、横断面視において前記湾曲部を前記角部とする多角形状をなしている請求項1記載の収容容器。
【請求項6】
前記周壁における少なくとも上部が、横断面視において、前記湾曲部を前記角部とする矩形状をなしている請求項1記載の収容容器。
【請求項7】
前記平坦部が、少なくとも、前記周壁の上部に設けられている請求項1記載の収容容器。
【請求項8】
請求項1~7の何れかに記載の収容容器と、この収容容器に取り付けられ前記液状物を吐出し得る吐出口を有した吐出体とを備えた塗布用容器。
【請求項9】
前記収容容器が、弾性変形可能な材質により形成されたものであり、
前記収容容器が、外面側からの押圧力を受けて弾性変形することにより、前記収容空間に収容された前記液状物を前記吐出口を通じて外部に吐出させ得るものである請求項8記載の塗布用容器。
【請求項10】
前記収容容器に対して螺着し得るキャップ体を備えたものであり、
前記キャップ体の前記収容容器に対する螺合進入の終了位置を位置決めし得る位置決め部が設けられたものであり、
前記キャップ体が前記位置決め部により位置決めされた場合に、前記収容容器の外側面と前記キャップ体の外側面とが略面一になるように構成されている請求項8記載の塗布用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容容器、及び、塗布用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内部に糊等の液状物が収容される収容空間が形成された種々の収容容器が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
この種の収容容器の殆どが、全体として円筒状をなしている。
【0004】
ところが、かかる構成のものであると、内部に収容された液状物を出すために使用者によって適切な押圧力を受け難い場合があり、適量の液状物が好適に吐出されない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-130902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたものであり、少なくとも、使用時における滑らかな触り心地を維持しつつ、収容空間に収容された液状物を使用者の操作によって好適に吐出し得る収容容器、及び、当該収容容器を用いた塗布用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0008】
請求項1に記載の発明は、内部に液状物が収容される収容空間が形成された収容容器であって、底面視において略円形をなす底壁と、この底壁の周縁部から立設された周壁とを備えたものであり、前記周壁には、少なくとも一つの平坦部が設けられている収容容器である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記周壁が、複数の前記平坦部を備えたものであり、隣り合う前記平坦部間に外方に凸をなすように湾曲した湾曲部を形成することにより角部が設けられている請求項1記載の収容容器である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記湾曲部は、外方から押圧された場合に内方に向かって変形可能な湾曲度合いに設定されている請求項2記載の収容容器である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記周壁よりも上に前記液状物を吐出し得る開口が設けられたものであり、前記湾曲部は、前記底壁側から前記開口側に向かって漸次曲率が大きくなるように形成されている請求項2記載の収容容器である。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記周壁における少なくとも上部が、横断面視において前記湾曲部を前記角部とする多角形状をなしている請求項1記載の収容容器である。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記周壁における少なくとも上部が、横断面視において、前記湾曲部を前記角部とする矩形状をなしている請求項1記載の収容容器である。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記平坦部が、少なくとも、前記周壁の上部に設けられている請求項1記載の収容容器である。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1~7の何れかに記載の収容容器と、この収容容器に取り付けられ前記液状物を吐出し得る吐出口を有した吐出体とを備えた塗布用容器である。
【0016】
請求項9に記載の発明は。前記収容容器が、弾性変形可能な材質により形成されたものであり、前記収容容器が、外面側からの押圧力を受けて弾性変形することにより、前記収容空間に収容された前記液状物を前記吐出口を通じて外部に吐出させ得るものである請求項8記載の塗布用容器である。
【0017】
請求項10に記載の発明は、前記収容容器に対して螺着し得るキャップ体を備えたものであり、前記キャップ体の前記収容容器に対する螺合進入の終了位置を位置決めし得る位置決め部が設けられたものであり、前記キャップ体が前記位置決め部により位置決めされた場合に、前記収容容器の外側面と前記キャップ体の外側面とが略面一になるように構成されている請求項8記載の塗布用容器である。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、使用時における滑らかな触り心地を維持しつつ、収容空間に収容された液状物を使用者の操作によって好適に吐出し得る収容容器、及び、当該収容容器を用いた塗布用容器を提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
図2】同実施形態における斜視図。
図3】同実施形態における正面図。
図4】同実施形態における平面図。
図5】同実施形態における底面図。
図6図4におけるX-X線断面図。
図7図6の部分拡大図。
図8図3におけるY-Y線断面図。
図9図3におけるZ-Z線断面図。
図10】同実施形態における斜視図。
図11】同実施形態における中央部を切断した状態の斜視図。
図12】同実施形態における正面図。
図13】同実施形態における平面図。
図14】同実施形態における分解斜視図。
図15】同実施形態における正面図。
図16】同実施形態における平面図。
図17】同実施形態における分解斜視図。
図18】同実施形態における中央部を切断した状態の斜視図。
図19】同実施形態における分解斜視図。
図20】同実施形態における端面形状の比較説明図。
図21】同実施形態におけるキャップ体の形状説明図。
図22】同実施形態におけるカバー部材の形状説明図。
図23】同実施形態におけるノズル外部材の形状説明図。
図24】同実施形態におけるノズルコア部材の形状説明図。
図25】同実施形態における部分拡大斜視図。
図26図10におけるV-V線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図1~26を参照して説明する。
【0021】
この実施形態は、本発明を、液状の被塗布物である糊(図示せず)を用紙等の塗布対象物(図示せず)に塗布するための塗布用容器に適用したものである。なお、この明細書における前後方向・上下方向・左右方向は、説明の便宜上、図1に明示したとおりに行うものとする。
【0022】
塗布用容器は、塗布部6を設けた容器本体Aと、塗布部6を覆うように容器本体Aに対して着脱可能なキャップ体Bとを備えたものである。
【0023】
以下、塗布用容器について詳述する。
【0024】
<<容器本体A>>
容器本体Aは、底部たる底壁11を有し内部に糊を収容し得る収容容器であるボトルCと、ボトルCに対して着脱可能に構成され先端に糊を外部に吐出し得る吐出口ptを含んでなる塗布部6が設けられた吐出体であるノズル体Dとを備えたものである。
【0025】
容器本体Aは、ノズル体DからボトルCを離脱させた後にリフィルである他のボトルCをノズル体Dに対して装着し得るようにしたリフィル交換タイプのものである。
【0026】
<ボトルC>
ボトルCは、先端に開口であるボトル開口caが形成されたものであるとともに内部に液状物である糊が収容される収容空間spが形成されたものである。ボトルCには、ノズル体D、及び、キャップ体Bがそれぞれ螺着し得るものとなっている。
【0027】
ボトルCは、合成樹脂により一体に形成されている。ボトルCは、撓み変形可能・弾性変形可能な材質である合成樹脂により作られている。
【0028】
ボトルCは、糊が収容される主要部となるボトル本体部1と、ボトル本体部1の上に配設されたキャップ体連結部2と、キャップ体連結部2の上に配設されたノズル体連結部3と、ノズル体連結部3の上に配設されたボトル開口caを備えたものである。ボトルCには、糊を流通させる第一の流路R1が設けられている。
【0029】
[ボトル本体部1]
ボトル本体部1は、底面視において略円形をなす底壁11と、底壁11の周縁部から一体に立設された本体筒状部である周壁12とを備えたものである。
【0030】
底壁11の外周縁部には、下方に膨出した膨出部11bが設けられている。膨出部11bは、容器本体Aが天板等の載置面(図示せず)に対して縦置きされた際に、当該載置面に対して接する部位をなしている。
【0031】
周壁12は、使用者等の外力による押圧変形操作に伴って撓み変形し得るものである。周壁12は、収容空間spに収容された糊を外部に吐出するための撓み変形し得る主要部を構成するものである。ボトルCの周壁12は、外面側からの押圧力を受けて収容空間spを狭める方向に弾性変形することにより、収容空間spに収容された糊を、吐出口ptを通じて外部に吐出させ得るものである。
【0032】
周壁12は、筒状をなしている。周壁12は、図20に示すように、下部が円筒状をなしているとともに上部が丸みを帯びた四つの角部12kのある概略四角筒状をなしている。
【0033】
周壁12は、底壁11側から先端側(ボトル開口ca側)に向かって漸次縮径しつつ断面形状が変化するように成形されている。換言すれば、周壁12の外面は、上方に向かって漸次軸心に近づくように形成されている。周壁12における少なくとも上部は、横断面視において、湾曲部12wを角部12kとする矩形状をなしている。
【0034】
四角筒状をなしている周壁12の上部は、糊を塗布する操作時において、使用者の持ち手部分すなわち手の指先により挟持される主要部をなしている。周壁12の上部が平坦部12hを含んでなる略四角筒状をなしているため、糊を塗布する操作時等において、周壁12に接する使用者の指先が滑り難いものとなっている。
【0035】
周壁12は、複数すなわち四つの平坦部12hと、隣り合う平坦部12h間に配設され外方に凸をなすように湾曲した湾曲部12wとを備えている。平坦部12h及び湾曲部12wは、周壁12の上部に設けられている。周壁12は、隣り合う平坦部12h間に外方に凸をなすように湾曲した湾曲部12wを配設することにより、角部12kが設けられている。
【0036】
平坦部12hは、比較的平らな形状をなしている。平坦部12hは、少なくとも、周壁12の上部に設けられている。なお、「平坦部12h」は、完全に平らな領域部分に限られた概念のものではない。例えば、全体として若干湾曲した領域部分や局所的に凹凸が設けられている領域部分のように、完全に平らではない領域部分であっても、角部12kをなす湾曲部12wと比較した場合に、全体として曲率が小さく設定されている領域部分であれば、「平坦部12h」の概念に含まれる。
【0037】
平面視において四つの各平坦部12hの外面が向く方向は、平面視においてノズル体Dにおける周壁部61を構成する前壁p1、左右の側壁p2、p3、及び、後壁p4が向く方向と略合致したものとなっている。換言すれば、周壁12における上部の概略四角形状は、ノズル体Dに設けられた塗布部6の概略四角形状と同期されたものとなっている。なお、ノズル体DとボトルCとの間にはノズル体位置決め部Fが設けられている。
【0038】
湾曲部12wは、外方から押圧された場合に内方に向かって変形可能な湾曲度合いに設定されている。換言すれば、湾曲部12wは、外方から押圧された場合に内方に向かって殆ど変形しないような大きな曲率に設定されていないものとなっている。湾曲部12wは、底壁11側からボトル開口ca側に向かって漸次湾曲度合い(曲率)が大きくなるように形成されている。
【0039】
[キャップ体連結部2]
キャップ体連結部2は、ボトル本体部1の先端から内方に延設された第一延出鍔21と、ボトル本体部1の周壁12よりも小径をなし第一延出鍔21の内側端から外方に延設された第一円筒部22とを備えたものである。
【0040】
第一延出鍔21は、ボトル本体部1における周壁12の上端から内方に向かって略水平に延びたものである。第一延出鍔21の上の空間には、キャップ本体7が配設されるようになっている。
【0041】
第一円筒部22は、ボトル本体部1よりも先端側に配設されている。第一円筒部22は、第一延出鍔21の延出端から上方に向かって延びている。第一円筒部22の外面には、ボトルCとキャップ体Bとを螺着するための第一雄ねじ部N1が設けられている。
【0042】
第一円筒部22の下端部分すなわち基端部分には、キャップ体Bの螺合進入終了位置を位置決めし得るキャップ体位置決め部Eを構成する突起係合部e1が設けられている。なお、キャップ体位置決め部Eの詳細については後述する。
【0043】
[ノズル体連結部3]
ノズル体連結部3は、キャップ体連結部2を構成する第一円筒部22の先端から内方に延設された第二延出鍔31と、第一円筒部22よりも小径をなし第二延出鍔31の内側端から外方に延設された第二円筒部32と、第二円筒部32の先端から内方に延設された第三延出鍔33と、第二円筒部32よりも小径をなし第三延出鍔33の内側端から外方に延設され上端部にボトル開口caが設けられた第三円筒部34とを備えたものである。
【0044】
第二延出鍔31は、第一円筒部22の上端から内方に向かって略水平に延びたものである。第二延出鍔31の上の空間には、ノズル体Dを構成する外部材であるノズル外部材4が配設されるようになっている。
【0045】
第二円筒部32は、第一円筒部22よりも先端側に配設されている。第二円筒部32は、第一円筒部22よりも小径のものである。第二円筒部32は、第二延出鍔31の延出端から上方に向かって延びている。第二円筒部32の外面には、ボトルCとノズル体Dとを螺着するための第二雄ねじ部N2が設けられている。
【0046】
第二円筒部32の下端部分すなわち基端部分には、ノズル体Dの螺合進入終了位置を位置決めし得るノズル体位置決め部Fを構成する突起係合部f1が設けられている。なお、ノズル体位置決め部Fの詳細については後述する。
【0047】
第三延出鍔33は、第二円筒部32の上端から内方に向かって略水平に延びたものである。第三延出鍔33の上の空間には、ノズル体Dを構成するコア部材であるノズルコア部材5が配設されるようになっている。
【0048】
第三円筒部34は、第二円筒部32よりも先端側に配設されている。第三円筒部34は、第二円筒部32よりも小径のものである。第三円筒部34は、第二延出鍔31の延出端から上方に向かって延びている。第三円筒部34の上端にはボトル開口caが形成されている。
【0049】
[第一雄ねじ部N1・第二雄ねじ部N2について]
ボトルCは、第一円筒部22の外周面に設けられた第一雄ねじ部N1のねじピッチv1と、第二円筒部32の外周面に設けられた第二雄ねじ部N2のねじピッチv2とを異ならせている。
【0050】
この実施形態では、図15に示すように、第一雄ねじ部N1のねじピッチv1が、第二雄ねじ部N2のねじピッチv2よりも長く設定されている。
【0051】
第一雄ねじ部N1と第二雄ねじ部N2の回転方向は、それぞれ同じ方向に設定されている。第一雄ねじ部N1のねじピッチv1は、第二雄ねじ部N2のねじピッチv2よりも約二倍の長さに設定されている。
【0052】
第一雄ねじ部N1は、キャップ体Bを平面視において右方向に回転させた場合に、当該キャップ体BをボトルCに対して螺合進入させつつ当該ボトルCに対して装着させるように回転方向が設定されている。また、第一雄ねじ部N1は、キャップ体Bを平面視において左方向に回転させた場合に、当該キャップ体BをボトルCに対して螺合後退させつつ当該ボトルCから離脱させるように回転方向が設定されている。
【0053】
第二雄ねじ部N2は、第一雄ねじ部N1と同様に、ノズル体Dを平面視において右方向に回転させた場合に、当該ノズル体DをボトルCに対して螺合進入させつつ当該ボトルCに対して装着させるように回転方向が設定されている。また、第二雄ねじ部N2は、第一雄ねじ部N1と同様に、ノズル体Dを平面視において左方向に回転させた場合に、当該ノズル体DをボトルCに対して螺合後退させつつ当該ボトルCから離脱させるように回転方向が設定されている。
【0054】
第一雄ねじ部N1と第二雄ねじ部N2の回転方向がそれぞれ同じ方向に設定されているのは、この実施形態の塗布用容器がリフィルである他のボトルCをノズル体Dに対して装着し得るようにしたリフィル交換タイプのものであるためである。
【0055】
すなわち、ノズル体DをボトルCに対して離脱させ得る螺合構造を、一般的な螺合構造として周知なもの、すなわち、平面視における左方向に回転させるものに合わせている。これにより、使用者によって実行されることになる「ノズル体DをボトルCから離脱させるための回転操作」を間違えさせることなく円滑に実行させることができるものとなっている。
【0056】
[第一の流路R1]
この実施形態の容器本体Aには、図26に示すように、底壁11側から吐出口pt側に向かって内法寸法w1、w2、w3、w4が階段状に漸次短くなるように形成された第一の流路R1が設けられている。第一の流路R1は、ボトルCの上部に設けられている。
【0057】
第一の流路R1は、周壁12、第一延出鍔21、第一円筒部22、第二延出鍔31、第二円筒部32、第三延出鍔33、及び、第三円筒部34を含んで形成されている。第一の流路R1は、周壁12、第一円筒部22、第二円筒部32、及び、第三円筒部34の順に、内法寸法w1、w2、w3、w4が階段状に漸次短くなる形態のものとなっている。
【0058】
つまり、第一の流路R1は、底壁11側からボトル開口ca側に向かって順に、周壁12により形成され最も内法寸法w1が長い第一流路幅部分r11、第一円筒部22により形成され二番目に内法寸法w2が長い第二流路幅部分r12、第二円筒部32により形成され三番目に内法寸法w3が長い第三流路幅部分r13、第三円筒部34により形成され四番目に内法寸法w4が長い第四流路幅部分r14を有したものである。
【0059】
[糊]
糊は、主として紙類同士を接着するためのものである。この実施形態では、封筒の封緘や紙類を用いた工作等を好適に行い得る、いわゆる「液状のり」と称されるタイプの糊が使用されている。
【0060】
<ノズル体D>
ノズル体Dは、ボトルCに収容された糊を塗布対象物の所定領域に対して適切に塗布させるためのものである。ノズル体Dの先端には、平面視において略矩形状をなす塗布部6が設けられている。
【0061】
この実施形態では、塗布部6が平面視において略矩形状をなしているため、用紙等における直角の角部や矩形の所定領域に対して、糊を好適に塗布させやすいものとなっている。
【0062】
しかも、この実施形態の容器本体Aは、略矩形状をなすボトル本体部1における上部の外面(平坦部12h)の向きが、塗布部6における四辺(周壁部61を構成する前壁p1、左右の側壁p2、p3、及び、後壁p4の各側端面61s)の向きと合致するように設定されている。そのため、使用者は、ボトルCの上部に設けられた平坦部12hに指先を当てて把持しつつ、矩形状の塗布部6における上端面を利用して角部等を塗布する作業を好適に実行し得るものとなっている。
【0063】
ノズル体Dは、ボトルCに対して着脱可能に構成されている。ノズル体Dは、ボトルCに対して螺着し得るように構成されたものである。
【0064】
ノズル体Dは、リフィルである他のボトルC(同一形状をなし収容空間spに糊が充填されたボトルC)に対して付け替え可能に構成されている。この実施形態のノズル体Dは、使用中のボトルC内に充填されていた糊が使用により尽きた場合等であっても、リフィルである他のボトルCに付け替えることにより、継続的に使用可能なもの(つまり、長期的に使用可能なもの)となっている。
【0065】
ノズル体Dは、筒状をなし基端部がボトルCに対して着脱し得るノズル外部材4と、先端部にノズル外部材4の上端面である先端端面部41よりも上に位置させた塗布部6が設けられノズル外部材4に装着されたノズルコア部材5とを備えたものである。
【0066】
ノズル体Dには、図26に示すように、第一の流路R1側から吐出口ptに至るまで内法寸法w6が略一定に設定された糊を流通させるための第二の流路R2が設けられている。
【0067】
ノズル外部材4とノズルコア部材5とは別体に構成されている。一方で、製造段階において外面にシート材Sが圧着されたノズルコア部材5がノズル外部材4に対して装着された後は、シート材S、ノズルコア部材5、及び、ノズル外部材4が一体的に取り扱われるものとなっている。
【0068】
[ノズル外部材4]
ノズル外部材4は、上方及び下方にそれぞれ開放された略円筒状のものである。ノズル外部材4には、軸心に沿ってボトルCを構成するノズル体連結部3及び第三円筒部34が配設されるとともにノズルコア部材5が貫装される貫通孔Jが設けられている。
【0069】
ノズル外部材4は、上方を向く先端端面部41と、先端端面部41の外側端から連設され下方に向かって漸次外側に位置するように構成された第一テーパ外側面部42と、第一テーパ外側面部42の下端から連設され上下方向に亘って略同じ距離に設定された円筒状外面部分である第一円筒外側面部43と、第一円筒外側面部43の下端から連設され下方に向かって漸次外側に位置するように構成された第二テーパ外側面部44と、第二テーパ外側面部44の下端から連設され上下方向に亘って略同じ距離に設定された第二円筒外側面部45とを備えている。
【0070】
先端端面部41は、塗布部6における基端部分の外周を囲むように設けられている。すなわち、ノズル体Dの塗布部6は、ノズル外部材4の先端端面部41よりも上に突出するように配設されている。
【0071】
この実施形態では、ノズル体Dの円筒状外面部分である第一円筒外側面部43に対して、キャップ体Bを構成するカバー部材8の筒状部82に突設された圧接部分82aが圧接し得るものとなっている。
【0072】
換言すれば、キャップ体Bが容器本体Aに対して装着されている時(キャップ体BがボトルCに対して螺合進入し終えた時)に、圧接部分82aは、部材の弾性変形を利用して第一円筒外側面部43に対して弾性的に接触し得るものとなっている。
【0073】
ノズル外部材4の貫通孔Jは、上部に形成された角孔状をなす角孔部j1と、角孔部j1よりも下部に形成され角孔部j1よりも大径をなす丸孔部j2とを備えている。
【0074】
角孔部j1の内部には、本体部であるノズルコア本体部Pの先端部以外の部分が収容されている。角孔部j1の内面には、シート材Sが介在した状態で、ノズルコア本体部Pの外側面(前壁p1、左右の側壁p2、p3、及び、後壁p4の外側面)が緊密に係わり合っている。
【0075】
丸孔部j2には、ノズルコア部材5の基端鍔部52及び基端円筒部51が収容される基端配設部分4kと、基端配設部分4kの下に位置してなりボトルCの第二円筒部32に設けられた第二雄ねじ部N2に対して螺着し得る螺着部分である第二雌ねじ部M2と、第二雌ねじ部M2の下に位置してなりノズル体位置決め部Fを構成するノズル体位置決め突起f2が設けられている。
【0076】
[ノズルコア部材5]
ノズルコア部材5は、ノズル外部材4に保持されている。ノズルコア部材5は、ボトルCのボトル開口caから排出された糊を塗布部6にまで至らせるノズルコア本体部Pを主体に構成されたものである。
【0077】
ノズルコア部材5は、円筒状をなす基端円筒部51と、基端円筒部51から内方に延設された基端鍔部52と、基端鍔部52の延出端から外方に立設され先端に矩形状の吐出口ptが形成されたノズルコア本体部Pとを備えたものである。ノズルコア本体部Pの先端には塗布部6が設けられている。
【0078】
基端円筒部51は、ノズル外部材4の基端配設部分4kに配設されるものである。基端円筒部51の下端面には、全周に亘って、ボトルCに設けられた第三延出鍔33の上面に対して当接し得る糊の外部流出抑制用のシール突起51tが形成されている。
【0079】
基端鍔部52は、基端円筒部51の上端から内方に向かって略水平に延びたものである。基端鍔部52は、基端円筒部51とともにノズル外部材4の基端配設部分4kに配設されている。基端鍔部52は、ノズル外部材4における角孔部j1と丸孔部j2との境界部分、すなわち、角孔部j1における下端側の開放部分の周縁部4eに対して係わり合い、ノズルコア部材5をノズル外部材4に対して位置決めさせている。
【0080】
ノズルコア本体部Pは、全体として上下方向に延びた略矩形筒状をなしたものである。ノズルコア本体部Pには、先端部に塗布部6を構成する裏当部分Uが配設されている。なお、塗布部6の詳細については後述する。
【0081】
ノズルコア本体部Pは、前壁p1と、前壁p1の左右両端部から後方に延設された左右の側壁p2、p3と、左右の側壁p2、p3の後端部間を繋ぐ後壁p4とを備えてなるものである。ノズルコア本体部Pは、上下方向に延びてなり内部に略正方形の糊流通路(第二の流路R2)が形成された四角筒状をなしている。
【0082】
前壁p1、左右の側壁p2、p3、及び、後壁p4の各外面には、塗布部6を構成するシート材Sの一部である周縁部をノズル外部材4における角孔部j1の内面との間で挟圧するための押圧突起pcが設けられている。各押圧突起pcは、水平方向に長手をなしている。各押圧突起pcは、前壁p1、左右の側壁p2、p3、及び、後壁p4における各外面の上下二箇所に設けられている。
【0083】
ノズルコア本体部Pの先端部、すなわち、ノズル外部材4よりも外側に突出した部分には、上方に向かって開放され糊を外部に吐出し得る吐出口ptを有した裏当部分Uが形成されている。
【0084】
ノズルコア本体部Pには、部材の先端部分をなし、且つ、シート材Sの裏面側に当接する部位をなす裏当部分Uが設けられている。裏当部分Uは、矩形状の吐出口ptが形成された略四角筒状の部位を主体に構成されている。
【0085】
なお、この実施形態では、矩形枠状の裏当部分Uに対して、平面視において十字状をなす補強部62が架設されている。吐出口ptは、十字状の補強部62によって、四つの口部pkに分割されている。
【0086】
[塗布部6]
塗布部6は、ノズル体Dの先端部を構成するものである。塗布部6は、ノズルコア本体部Pの突出端部に設けられている。塗布部6は、略矩形ブロック状の外観をなしている。塗布部6は、ボトルCの先端側に配設されている。塗布部6は、容器本体Aに収容された糊を外部に吐出しつつ用紙等の塗布対象物に対して糊を塗布し得るものである。
【0087】
塗布部6は、ノズルコア本体部Pに形成された裏当部分Uと、裏当部分Uの外面に添設されたシート材Sを備えている。すなわち、塗布部6は、糊を通過させ得るシート材Sと、シート材Sの裏面側に当接した裏当部分Uとを有してなるものである。塗布部6は、ノズル外部材4の先端端面部41よりも上方に突出するように設けられている。塗布部6の天面は略フラットに構成されている。
【0088】
裏当部分Uは、平面視において非円環状である四角環状をなす周壁部61と、周壁部61を構成する周壁構成部分間すなわち前壁p1、左右の側壁p2、p3、及び、後壁p4の各上端部分に架設された補強部62とを備えている。
【0089】
周壁部61は、ノズルコア本体部Pの前壁p1、左右の側壁p2、p3、及び、後壁p4の上端部分、すなわち、前壁p1、左右の側壁p2、p3、及び、後壁p4におけるノズル外部材4よりも上に露出した部分によって構成されたものである。周壁部61は、平面視において略矩形環状をなしている。周壁部61は、糊を外部に吐出し得る略矩形状の吐出口ptを形成するものである。
【0090】
周壁部61は、平面視において略直線状をなす四つの周壁構成部分である前壁p1の上端部分、左右の側壁p2、p3の上端部分、及び、後壁p4の上端部分と、四つの周壁構成部分の間にそれぞれ介設された角部kdとを備えたものである。
【0091】
補強部62は、矩形状をなす塗布部6から糊をバランスよく排出させるために、周壁部61に設けられた角部kdを避けた位置に架設されている。補強部62は、対向関係にある周壁構成部分である前壁p1の上端部分、左右の側壁p2、p3の上端部分、及び、後壁p4の上端部分の各水平方向中央部間に架設されている。
【0092】
この実施形態では、補強部62は、前壁p1の上端部分における水平方向中央部と後壁p4の上端部分における水平方向中央部との間に直線状に架設されているとともに左の側壁p2の上端部分における水平方向中央部と右の側壁p3の上端部分における水平方向中央部との間に直線状に架設されている。
【0093】
補強部62は、平面視において十字状をなしている。補強部62の上下寸法q2は、平面視における補強部62の厚み寸法q1よりも長く設定されている。また、補強部62の上端面62tは周壁部61の上端面61tと略面一をなすように設けられている。シート材Sは、周壁部61の上端面61t及び当該上端面61tに連続する外側面61sだけでなく当該補強部62の上端面62tにも添設し得るものとなっている。
【0094】
なお、補強部62は、十字状に設けられたものに限られないのはもちろんのことである。補強部62は、吐出口ptから吐出される糊の吐出量を調整するために適宜の形態に設定可能なものである。
【0095】
シート材Sは、糊を通過させ得るシート状をなしたものである。この実施形態では、シート材Sは合成樹脂製のものが適用されている。シート材Sには、例えば、糊を通過させ得る無数の糊通過孔(図示せず)が設けられた連続気泡発泡シート材が適用されている。
【0096】
シート材Sは、裏当部分Uを構成する周壁部61の上端面61t及び当該周壁部61の上端面61tに連続するように設けられている外側面61sに対して連続的に添設されているとともに補強部62の上端面62tに添設されている。シート材Sは、略直交する関係にあり且つ連続するように設けられた周壁部61の上端面61t及び外側面61sに皺や弛みの生じ難い態様で添設されている。
【0097】
シート材Sにより構成される塗布部6の上面部分は、周壁部61の上端面61t及び補強部62の上端面62tに支持されて、略フラットな形態をなしている。
【0098】
なお、シート材Sは、図1図7図19図25、及び、図26において概略的に示しているが、それ以外(図6、及び、図10~13)では省略している。
【0099】
[第二の流路R2]
第二の流路R2は、図26に示すように、ノズル体Dを構成するノズルコア部材5に設けられている。つまり、第二の流路R2は、ボトルCに設けられた第一の流路R1よりも下流側に設けられている。
【0100】
第二の流路R2は、ノズルコア部材5のノズルコア本体部P内に設けられている。第二の流路R2の全長すなわち上下方向の長さw5は、当該第二の流路R2における内法寸法w6の二倍以上の長さに設定されている。
【0101】
第二の流路R2における内法寸法w6は、第一の流路R1における最も短い内法寸法w4と略同じかそれよりも短く設定されている。この実施形態では、第二の流路R2における内法寸法w6が、第一の流路R1における最も短い内法寸法w4よりも短く設定されている。
【0102】
[ノズル体位置決め部F]
ボトルCとノズル体Dとの間には、ノズル体DのボトルCに対する螺合進入の終了位置(すなわち、ノズル体Dの閉め終わり位置)を位置決めし得るノズル体位置決め部Fが設けられている。
【0103】
ノズル体位置決め部Fは、ボトルCに対して回転して取り付けられるノズル体Dの装着完了位置(すなわち、ノズル体Dの螺合進入の終了位置)を位置決めするためのものである。
【0104】
ノズル体位置決め部Fは、ボトルCに対するノズル体Dの螺着が完了した位置である螺着完了位置において、ボトルCにおける四方を向く平坦部12hと、ノズルコア本体部Pの先端部である塗布部6の外側面61sすなわち前壁p1、左右の側壁p2、p3、及び、後壁p4の各外側面61sとがそれぞれ同じ方向を向くように、ノズル体DをボトルCに対して位置決めできるものとなっている。
【0105】
ノズル体位置決め部Fの具体的な構成について説明する。
【0106】
ノズル体位置決め部Fは、ボトルCにおける第二円筒部32の基端部分(下端部)の二箇所に設けられた突起係合部f1と、ノズル体Dにおけるノズル外部材4の下端部内面すなわち下端縁近傍の内面の二箇所に突設されボトルCに設けられた突起係合部f1に対して係合し得るノズル体位置決め突起f2とによって構成されたものである。
【0107】
突起係合部f1は、平面視において対角線上に位置し、互いに相反する外側方を向くように二箇所に配設されている。ノズル体位置決め突起f2は、二箇所の突起係合部f1に対応する位置にそれぞれ配設されている。
【0108】
ボトルC側に設けられたノズル体位置決め部Fを構成する突起係合部f1は、螺着動作時において第二円筒部32回りを移動するノズル体位置決め突起f2が部材の弾性変形を利用して乗り越え可能な膨出部分f11と、膨出部分f11を乗り越えたノズル体位置決め突起f2が当接し得る突起当接面mzを有しそれ以上の進行方向の移動を禁止し得る突出部分f12とを有し、膨出部分f11と突出部分f12との間にノズル体位置決め突起f2が位置し得る凹み部分f13を有したものである。
【0109】
<<キャップ体B>>
キャップ体Bは、容器本体Aを構成するボトルCに対して螺着し得るように構成されたものである。キャップ体Bは、ボトルCに対して螺合進退可能に構成されている。
【0110】
キャップ体Bは、矩形筒状をなすキャップ本体7と、キャップ本体7に取り付けられキャップ体Bの外面を構成する外面構成部分である上面myを含んでなるカバー部材8とを備えたものである。
【0111】
キャップ本体7とカバー部材8とは別体をなしているものであるが、製造段階においてカバー部材8がキャップ本体7に対して取り付けられた後は、一体的に取り扱われるものとなっている。
【0112】
<キャップ本体7>
キャップ本体7は、先端側及び基端側が開放され塗布部6の外周を囲う概略四角筒状をなしたものである。
【0113】
キャップ本体7は、概略矩形筒状に形成されたキャップ周壁部71と、キャップ周壁部71における上端部近傍の内面から内方に向かって延設されたカバー係合鍔部72とを備えている。キャップ本体7の上部には、カバー部材8が取り付けられるカバー部材取付部Gが設けられている。
【0114】
[キャップ周壁部71]
キャップ周壁部71は、先端側及び基端側が開放されノズル体Dに設けられた塗布部6の外周を囲う形状をなしたものである。
【0115】
キャップ本体7の下端部近傍、すなわち、キャップ周壁部71における下端部近傍の内周面には、ボトルCに設けられた第一雄ねじ部N1に螺着し得る螺着部分たる第一雌ねじ部M1が設けられている。
【0116】
キャップ本体7の下端部、すなわち、キャップ周壁部71の内面に形成された第一雌ねじ部M1よりも下に位置する内面の二箇所には、キャップ体BのボトルCに対する螺合進入終了位置を位置決めし得るキャップ体位置決め部Eを構成する突起が設けられている。
【0117】
なお、キャップ周壁部71とノズル外部材4における下部の外面(第二テーパ外側面部44及び第二円筒外側面部45)との間には、塗布部6から流出した糊を留置させるための隙間空間(糊の逃げ空間)が形成されている。
【0118】
[カバー係合鍔部72]
カバー係合鍔部72は、キャップ周壁部71の上端部近傍の内周面から内方に向かって略水平に延びてなるものである。カバー係合鍔部72は、キャップ周壁部71と協働して、カバー部材8が取り付けられるカバー部材取付部Gを構成するものである。
【0119】
カバー係合鍔部72には、カバー部材8をキャップ本体7に取り付ける際にカバー部材8のキャップ本体7に対する取り付け姿勢をガイドするガイドスリット72sが設けられている。
【0120】
[カバー部材取付部G]
カバー部材取付部Gは、キャップ本体7の上端部に設けられている。カバー部材取付部Gは、キャップ周壁部71における上端部分とカバー係合鍔部72とによって構成されている。カバー部材取付部Gは、カバー部材8の天壁81に概して外嵌し得る形態をなしている。カバー部材取付部Gには、カバー部材8の天壁81が嵌め込まれるようになっている。
【0121】
<カバー部材8>
カバー部材8は、キャップ本体7と別体に構成されている。カバー部材8は、キャップ本体7に対して取り付けられるものである。カバー部材8には、塗布部6を気密に封止し得る封止部Hが設けられている。
【0122】
カバー部材8は、キャップ体Bの外面構成部分である上面myを有しキャップ周壁部71の先端側の開口を閉塞し得る天壁81と、天壁81の内面に連設された筒状部82とを備えたものである。
【0123】
[天壁81]
天壁81は、四つの角部が丸く形成された全体として矩形板状をなしたものである。天壁81は、キャップ周壁部71の上端部に設けられたカバー部材取付部Gに内嵌し得る形状をなしている。
【0124】
天壁81の外面すなわち上面myは、カバー部材取付部Gに嵌め込まれた場合に、キャップ周壁部71の上端面71mと略面一になるように構成されている。
【0125】
[筒状部82]
筒状部82は、天壁81の下面から下方に向かって片持ち状に突設された概略円筒状のものである。
【0126】
筒状部82の内周面には、ノズル体Dの塗布部6の近傍であるノズル外部材4の外周面に圧接し得る圧接部分82aが突設されている。圧接部分82aは、筒状部82における内周面の全周に亘って連続するように設けられている。圧接部分82aは、容器本体Aに対してキャップ体Bが取り付けられた状態において、ノズル外部材4の円筒状外面部分である第一円筒外側面部43に圧接し得るように構成されている。
【0127】
筒状部82の外周面には、キャップ本体7に設けられたカバー係合鍔部72に係合する戻り防止爪82tと、カバー係合鍔部72に設けられたガイドスリット72sを通過し得るガイド突起82gが突設されている。この実施形態では、戻り防止爪82tが、筒状部82の外周面における左右の二箇所に設けられている。また、ガイド突起82gが、筒状部82の外周面における背面側の一箇所に設けられている。
【0128】
[封止部H]
封止部Hは、不使用時における塗布部6の乾燥を抑制するものである。封止部Hは、天壁81及び筒状部82を含んで構成されている。
【0129】
封止部Hを構成する筒状部82は、キャップ体Bが容器本体Aに対して取り付けられた状態において、圧接部分82aがノズル外部材4の外周面を部材の弾性変形を利用して強圧し得るものとなっている。ノズル体Dの塗布部6は、圧接部分82aを設けた筒状部82及び天壁81により緊密に包囲されたものとなる。ノズル体Dの塗布部6は、封止部Hによって、外部との空気流通が抑制された状態に封止されたものとなっている。
【0130】
<<キャップ体位置決め部E>>
容器本体Aとキャップ体Bとの間には、キャップ体BのボトルCに対する螺合進入の終了位置(すなわち、キャップ体Bの閉め終わり位置)を位置決めし得るキャップ体位置決め部Eが設けられている。
【0131】
キャップ体位置決め部Eは、ボトルCに対して回転して取り付けられるキャップ体Bの装着完了位置(すなわち、キャップ体Bの螺合進入の終了位置)を位置決めするためのものである。
【0132】
キャップ体位置決め部Eは、容器本体Aに対するキャップ体Bの螺着が完了した位置である螺着完了位置において、ボトルCの外側面とキャップ体Bの外側面とが略面一になるように、キャップ体BをボトルCに対して位置決めできるものとなっている。
【0133】
キャップ体位置決め部Eの具体的な構成について説明する。
【0134】
キャップ体位置決め部Eは、ボトルCにおける第一円筒部22の基端部分(下端部)の二箇所に設けられた突起係合部e1と、キャップ体Bにおけるキャップ本体7の下端部内面すなわち下端縁近傍の内面の二箇所に突設されボトルCに設けられた突起係合部e1に対して係合し得るキャップ体位置決め突起e2とによって構成されたものである。
【0135】
突起係合部e1は、平面視において対角線上に位置し、互いに相反する外側方を向くように二箇所に配設されている。キャップ体位置決め突起e2は、二箇所の突起係合部e1に対応する位置にそれぞれ配設されている。
【0136】
ボトルC側に設けられたキャップ体位置決め部Eを構成する突起係合部e1は、螺着動作時において第一円筒部22回りを移動するキャップ体位置決め突起e2が部材の弾性変形を利用して乗り越え可能な膨出部分e11と、膨出部分e11を乗り越えたキャップ体位置決め突起e2が当接し得る突起当接面mxを有しそれ以上の移動を禁止し得る突出部分e12とを有し、膨出部分e11と突出部分e12との間にキャップ体位置決め突起e2が位置し得る凹み部分e13を有したものである。
【0137】
容器本体AのボトルCとキャップ体Bとの間に設けられたキャップ体位置決め部Eが作用すると、ボトルCにおける周壁12の外面とキャップ体Bにおけるキャップ周壁部71の外面が略面一に設定されるものとなる。このため、この実施形態のキャップ体位置決め部Eはキャップ体Bの閉め忘れが好適に抑制されたものとなっている。
【0138】
以上詳述したように、本実施形態に係る収容容器であるボトルCは、内部に液状物である糊が収容される収容空間spが形成されたものである。そして、ボトルCは、底面視において略円形をなす底壁11と、底壁11の周縁部から立設された周壁12とを備えている。周壁12には、単一又は複数の平坦部12h、すなわち、四つの平坦部12hが設けられている。
【0139】
このため、本実施形態であれば、使用時における底壁11や底壁11近傍の周壁12部分に対する滑らかな触り心地を維持しつつ、収容空間spに収容された糊を使用者の操作によって吐出させやすいボトルCを提供することができるものとなる。
【0140】
つまり、使用者は、ボトルCを持つ場合に、略円形をなす底壁11の周縁部に手を当てて滑らかな触り心地を得ることができるものとなっている。しかも、この実施形態では、周壁12の四箇所に平坦部12hが設けられているため、糊を適度に吐出させるための押圧操作を無理なく軽快に実行し得るものとなっている。
【0141】
周壁12が、四つの平坦部12hを備えたものであり、隣り合う平坦部12h間に外方に凸をなすように湾曲した湾曲部12wを形成することにより角部12kが設けられている。
【0142】
このため、周壁12は、四つの平坦部12h間が湾曲部12wにより構成された角部12kによって滑らかに構成されたものとなっている。そのため、本実施形態のボトルCであれば、使用者に対して好適な手触りを提供し得るものとなっている。
【0143】
しかも、周壁12には、平坦部12h及び角部12kが隣設されたものとなっているため、ボトルCにおいて角筒状をなす部位が外観上明らかな態様で出現することになるため、意匠性に優れたものとなっている。
【0144】
湾曲部12wは、外方から押圧された場合に内方に向かって変形可能な湾曲度合いに設定されている。
【0145】
このため、使用者は、平坦部12hだけでなく、湾曲部12wを外方から内方に向かって押圧操作することにより、収容空間spに収容された糊を吐出されることができるものとなっている。
【0146】
周壁12よりも上に糊を吐出し得る開口たるボトル開口caが設けられたものである。そして、湾曲部w12は、底壁11側からボトル開口ca側に向かって曲率が大きくなるように形成されている。
【0147】
このため、ボトルCの周壁12は、上側に向かうにしたがって四角筒状の形状が明瞭に看取され得る構成のものとなるため、周壁Cの上部領域に対して行われる使用者の押圧操作が好適に行われるものとなる。
【0148】
また、ボトルCの周壁12は、上側に向かうにしたがって四角筒状の形状が明瞭に看取され得るものとなるため、使用者に対して好適な外観を提供し得るものとなっている。
【0149】
周壁12における少なくとも上部が、横断面視において湾曲部12wを角部12kとする多角形状すなわち角部12kが丸く形成された四角形状をなしている。
【0150】
このため、周壁12における少なくとも上部は、四角形状が明瞭に看取され得るものとなるため、周壁Cの上部に対して行われる使用者の押圧操作が好適に行われるものとなる。
【0151】
また、周壁12における少なくとも上部は、四角形状の外観が看取され易いものとなるため、使用者に対して好適な外観を提供し得るものとなっている。
【0152】
平坦部12hが、少なくとも、周壁12の上部に設けられている。
【0153】
このため、周壁Cの上部に設けられた平坦部12hに対して、使用者の押圧操作が好適に行われるものとなる。
【0154】
塗布用容器は、ボトルCと、ボトルCに取り付けられ糊を吐出し得る吐出口ptを有したノズル体Dとを備えたものである。
【0155】
このため、ボトルCに収容された糊は、ノズル体Dの吐出口ptを通じて、外部に好適に吐出されるものとなる。
【0156】
ボトルCが弾性変形可能な材質により形成されたものであり、ボトルCが、外面側からの押圧力を受けて弾性変形することにより、収容空間spに収容された糊を吐出口ptを通じて外部に吐出させ得るものである。
【0157】
このため、ボトルCが、使用者の押圧操作によって好適に変形することにより、内部に収容された糊をノズル体Dの吐出口ptを通じて外部に好適に吐出させるものとなっている。
【0158】
ボトルCに対して螺着し得るキャップ体Bを備えたものである。そして、キャップ体BのボトルCに対する螺合進入の終了位置を位置決めし得る位置決め部たるキャップ体位置決め部Eが設けられている。
【0159】
キャップ体Bがキャップ体位置決め部Eにより位置決めされた場合に、ボトルCの外側面とキャップ体Bの外側面とが略面一になるように構成されている。
【0160】
このため、キャップ体Bは、ボトルCと協働することにより、キャップ体Bの外側面とボトルCの外側面とが略面一となる優れた外観を提供し得るものとなっている。
【0161】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0162】
塗布用容器により塗布される液状物は上述した実施形態に示されたような糊に限られるものではない。液状物は、塗料、絵の具、インキ、修正液、接着剤、化粧液、薬液、補修剤、コーティング剤等、種々のものが考えられる。
【0163】
容器本体の先端には液状物・被塗布物を外部に吐出し得る吐出口が設けられたものであればよい。換言すれば、吐出口は、シート材が添設されていないものであってもよい。
【0164】
収容容器は、吐出体が取り付けられていないものであってもよい。
【0165】
収容容器の周壁には、少なくとも一つの平坦部が設けられていればよく、上述した実施形態に示すように四つの平坦部が設けられたものに限られるものではない。
【0166】
周壁の湾曲部は、外方から押圧された場合に内方に向かって変形可能な湾曲度合いに設定されていなくてもよい。
【0167】
周壁の湾曲部は、底壁側から開口側に向かって漸次曲率が大きくなるように形成されていないものであってもよい。
【0168】
周壁における少なくとも上部は、横断面視において湾曲部を角部とする多角形状をなしているものであればよい。すなわち、周壁の上部が、四角形状とは異なる多角形状をなしているものであってもよい。
【0169】
容器本体が、リフィル交換タイプのものでなくてもよい。
【0170】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0171】
A…容器本体
B…キャップ体
C…ボトル(収容容器)
D…ノズル体(吐出体)
1…ボトル本体部
2…キャップ体連結部
3…ノズル体連結部
4…ノズル外部材(外部材)
5…ノズルコア部材(コア部材)
6…塗布部
7…キャップ本体
8…カバー部材
12h…平坦部
12w…湾曲部
12k…角部
R1…第一の流路
R2…第二の流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26