(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106111
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置、及びナビゲーション装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20240731BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/0969
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010228
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗原 勝則
(72)【発明者】
【氏名】相磯 均
(72)【発明者】
【氏名】村上 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】堤 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】長山 正之
(72)【発明者】
【氏名】池田 雅之
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB03
2F129BB19
2F129BB26
2F129EE02
2F129EE34
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2F129FF02
2F129FF59
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH02
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF05
5H181FF06
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181FF40
(57)【要約】
【課題】運転者の運転中のナビゲーションの操作を制限し、助手席の同乗者がナビゲーション操作を安全に行うことができるナビゲーション装置、及びナビゲーション装置の制御方法を提供すること。
【解決手段】本開示に係るナビゲーション装置は、運転者の運転用操作装置への接触の有無を検知する接触検知部と、車両の走行が安定しているか否かを判定する走行安定性判定部と、前記接触検知部が運転者の運転用操作装置への接触を検知し、かつ、前記走行安定性判定部が、車両の走行が安定していると判定した場合に、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断する受付状態遷移決断部と、前記受付状態遷移決断部が受付状態遷移を決断した場合に、同乗者による操作を受け付け可能な状態である旨の表示をさせるように表示部の表示を制御する表示制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者の運転用操作装置への接触の有無を検知する接触検知部と、
車両の走行が安定しているか否かを判定する走行安定性判定部と、
前記接触検知部が運転者の運転用操作装置への接触を検知し、かつ、前記走行安定性判定部が、車両の走行が安定していると判定した場合に、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断する受付状態遷移決断部と、
前記受付状態遷移決断部が受付状態遷移を決断した場合に、同乗者による操作を受け付け可能な状態である旨の表示をさせるように表示部の表示を制御する表示制御部と、を備える、
ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記走行安定性判定部が、車両の走行が安定していると判定するのは、前記車両の前後の車間距離を計測する距離センサ部の計測値が示す前記車両の前後の車間距離が、所定の距離以上の場合である、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記走行安定性判定部が、車両の走行が安定していると判定するのは、車両が直進している場合である、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記走行安定性判定部が、車両の走行が安定していないと判定した場合に、同乗者による操作の受け付けを拒否する旨の表示をさせるように表示部を制御する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
運転者の運転用操作装置への接触を検知するステップと、
車両の走行が安定しているか否かを判定するステップと、
運転者の運転用操作装置への接触を検知し、かつ、車両の走行が安定していると判定した場合に、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断するステップと、
受付状態遷移を決断した場合に、同乗者による操作を受け付け可能な状態である旨の表示をさせるように表示部の表示を制御するステップと、を含む、
ナビゲーション装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナビゲーション装置、及びナビゲーション装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置を車両の運転者が運転中に操作することは、運転者がわき見運転を行うことになることから、極めて危険な行為である。そのため、運転者が車両の運転中にナビゲーションの操作ができないように、運転者がハンドル操作をしていることを検知して、運転者がハンドル操作をしている間に、助手席の同乗者がナビゲーションを操作することが可能な技術が開示されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、ステアリングホイールを把持する運転者の手を検出するセンサ手段と、操作入力を受け付ける入力受付手段と、入力受付手段を介した操作入力の少なくとも一部の受け付けを車両状況に応じて禁止している受付禁止状態において、運転者の左右の手がステアリングホイールにあることをセンサ手段が検出している場合には、受付禁止状態を解除して入力受付手段からの操作入力の受け付けを許容する一方、運転者の左右の手の少なくともいずれか一方がステアリングホイールにないことをセンサ手段が検出している場合には、受付禁止状態を維持する受付制御手段と、を備えるカーナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載のカーナビゲーション装置は、運転者が車両を運転中に、運転者によるナビゲーションの操作を制限するには有効な手段であると考えられる。しかしながら、上記の特許文献1に記載のカーナビゲーション装置は、助手席の同乗者がナビゲーション操作を行っている時の安全性を考慮したものではなかった。
【0006】
本開示は上記課題を鑑み、運転者の運転中のナビゲーションの操作を制限し、助手席の同乗者がナビゲーション操作を安全に行うことができるナビゲーション装置、及びナビゲーション装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るナビゲーション装置は、運転者の運転用操作装置への接触の有無を検知する接触検知部と、車両の走行が安定しているか否かを判定する走行安定性判定部と、前記接触検知部が運転者の運転用操作装置への接触を検知し、かつ、前記走行安定性判定部が、車両の走行が安定していると判定した場合に、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断する受付状態遷移決断部と、前記受付状態遷移決断部が受付状態遷移を決断した場合に、同乗者による操作を受け付け可能な状態である旨の表示をさせるように表示部の表示を制御する表示制御部と、を備える。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るナビゲーション装置の制御方法は、運転者の運転用操作装置への接触を検知するステップと、車両の走行が安定しているか否かを判定するステップと、運転者の運転用操作装置への接触を検知し、かつ、車両の走行が安定していると判定した場合に、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断するステップと、受付状態遷移を決断した場合に、同乗者による操作を受け付け可能な状態である旨の表示をさせるように表示部の表示を制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、運転者の運転中のナビゲーションの操作を制限し、助手席の同乗者がナビゲーション操作を安全に行うことができるナビゲーション装置、及びナビゲーション装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示に係るナビゲーション装置の利用場面の一例を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、本開示に係るナビゲーションシステムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示に係るナビゲーション装置の第一実施形態の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示に係るナビゲーション装置の表示部の表示の第一態様を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示に係るナビゲーション装置の表示部の表示の第二態様を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示に係るナビゲーション装置の第一実施形態の制御方法のフローを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本開示に係るナビゲーション装置の第二実施形態の構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、本開示に係るナビゲーション装置の表示部の表示の第三態様を示す図である。
【
図9】
図9は、本開示に係るナビゲーション装置の第二実施形態の制御方法のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
(ナビゲーション装置の概要)
まず、本開示に係るナビゲーション装置100の概要について、
図1を用いて説明する。
図1は、本開示に係るナビゲーション装置の利用場面の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、本開示に係るナビゲーション装置100は、例えば、車両Cに搭載されて、運転者の運転を支援する情報処理装置である。
図1に示すように、ナビゲーション装置100は、各種の情報を表示する表示部190を備えて、表示部190に表示された地図上に運転経路を示すことによる経路案内や、渋滞情報などの各種の情報を運転者や同乗者に対して伝達する。
【0013】
図1に示すように、運転者が運転中にナビゲーション装置100を操作することは、ステアリングホイールの操作を行う必要があることから難しく、かつ、わき見運転になることから極めて危険な行為である。しかしながら、同乗者が運転者による車両の運転中に、ナビゲーション装置100を操作することは、運転者が運転中に目的地を変更したい場合などのような状況において求められることがあった。ただし、同乗者がナビゲーション装置100を操作することにより、運転者の気が散って運転を妨げる恐れがあることから、運転の安全性と操作の利便性を両立させることが求められていた。
【0014】
(ナビゲーションシステムの構成)
次に、本開示に係るナビゲーションシステム1の構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、本開示に係るナビゲーションシステムの構成例を示す図である。
図2に示すように、本開示に係るナビゲーションシステム1は、ナビゲーション装置100と、サーバ装置200と、ネットワークNを備える。以下、これらの構成について順を追って、簡単に説明する。
【0015】
ナビゲーション装置100は、例えば、車両Cに搭載されて、運転者の運転を支援する情報処理装置である。ナビゲーション装置100については、上述して簡単に説明したことから、ここでの説明はこの程度に留め、ナビゲーション装置100の詳細な説明については後述する。
【0016】
サーバ装置200は、各種の情報を提供する情報処理装置である。サーバ装置200は、他の装置からの要求に基づいて、例えば、天気予報に関する情報などを提供してよい。サーバ装置200は、例えば、PC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどにより実現されてよい。
【0017】
ネットワークNは、ナビゲーション装置100とサーバ装置200を無線により相互に通信可能に接続する。ネットワークNは、IEEE802.11に規定される無線LAN(Local Area Network)や、第4世代移動通信システム(4G)、第5世代移動通信システム(5G)などにより実現されてよい。
【0018】
ナビゲーション装置100と、サーバ装置200と、ネットワークNは、ネットワークNを介して相互に情報のやり取りを行うことにより、一つのシステムとして機能し、上述したようにナビゲーションシステム1を構成する。
【0019】
(ナビゲーション装置の構成)
(第一実施形態)
次に、第一実施形態のナビゲーション装置100Aの構成について、
図3を用いて説明する。
図3は、本開示に係るナビゲーション装置の第一実施形態の構成例を示す図である。
図3に示すように、本開示に係る第一実施形態のナビゲーション装置100Aは、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、距離センサ部140と、接触センサ部150と、加速度センサ部160と、GNSS受信部170と、音出力部180と、表示部190を備える。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0020】
通信部110は、ナビゲーション装置100の内部と外部を相互に通信可能に接続し、ナビゲーション装置100の内部と外部との間で相互に情報を送受信する。通信部110は、例えば、LAN(Local Area Network)カード、CAN(Controller Area Network)インターフェイスデバイス、Bluetooth(登録商標)モジュール、Wi-Fi(登録商標)モジュール、アンテナ等によって実現されてよい。そして、通信部110は、例えば、ネットワークNと無線で接続され、サーバ装置200との間で相互に情報の送受信を行ってもよい。
【0021】
記憶部120は、各種の情報を記憶する記憶装置である。記憶部120は、主記憶装置と補助記憶装置とを備える。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。また、補助記憶装置は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)、光ディスク等によって実現されてよい。
【0022】
図3に示すように、記憶部120は、地図情報記憶部121を備える。
【0023】
地図情報記憶部121は、例えば経路案内に用いるための各種の地図情報を記憶する。地図情報記憶部121が記憶する地図情報は、緑地や河川、道路の位置、道路の曲率半径、道路の車線数、道路の道幅、鉄道、都道府県等の区画の情報などが含まれ、緯度、及び経度に基づいて、所定のメッシュ状に区切られた情報であってよい。地図情報記憶部121には、緯度、及び経度に基づいて、所定のメッシュ状に区切れていることから、緯度と、経度と、メッシュの寸法を指定することにより、所定の位置の地図情報を読み出すことができる。
【0024】
制御部130は、ナビゲーション装置100を司り、制御するコントローラである。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部120に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0025】
図3に示すように、制御部130は、接触検知部131と、走行安定性判定部1321と、受付状態遷移決断部133と、表示制御部134を備える。制御部130は、記憶部120からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、これらの機能を実現して、これらの処理を実行する。なお、制御部130は、電子回路によって実現されてもよい。また、制御部130は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、複数のCPUで、これらの処理を並列に実行してもよい。以下、これらの構成について順に説明する。
【0026】
接触検知部131は、運転者の運転用操作装置への接触の有無を検知する。ここで、運転用操作装置とは、ステアリングホイール、シフトレバー、ウィンカーレバー、サイドブレーキレバーなどの車両の運転操作のための装置のことを指している。接触検知部131は、これらの運転用操作装置に設けられた、後述して説明する接触センサ部150が運転者の運転用操作装置への接触を検知した場合に、運転者の運転用操作装置への接触が有ることを検知する。
【0027】
走行安定性判定部1321は、車両の走行が安定しているか否かを判定する。以下に、走行安定性判定部1321が車両の走行が安定しているか否かを判定する処理の例について、具体的に説明する。
【0028】
例えば、走行安定性判定部1321が、車両の走行が安定していると判定するのは、距離センサ部140の計測値が示す車両の前後の車間距離が、所定の距離以上の場合であってよい。すなわち、走行安定性判定部1321は、後述して説明するGNSS受信部170が計測した位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を地図情報記憶部121から読み出して、車両が走行中の道路の種別を把握し、車両が走行中の道路が高速道路である場合であれば、車間距離が例えば100m以上である場合に、車両の走行が安定していると判定する。また、走行安定性判定部1321は、車両が走行中の道路が一般道である場合であれば、車間距離が例えば30m以上である場合に、車両が走行中の道路が安定していると判定してよい。
【0029】
また、走行安定性判定部1321が、車両の走行が安定していると判定するのは、車両が直進している場合であってもよい。すなわち、走行安定性判定部1321は、後述して説明するGNSS受信部170が計測した位置情報が示す位置の時系列変化を監視して、位置情報が示す位置が所定の時間の間に亘って、左折や右折などによって異なる方向への移動方向の転換をすることなく、所定の方向に向かって進んでいる場合に、車両が直進していると判定する。そして、走行安定性判定部1321は、車両が直進していると判定した場合に、車両の走行が安定していると判定してよい。
【0030】
また、走行安定性判定部1321が、車両の走行が安定していると判定するのは、車線変更、右左折等のためのハンドル操作がない状態であってもよい。走行安定性判定部1321が、通信部110の例えばCANや、車内LANなどを介して、車両から動作信号を取得して、ウインカーの点滅の有無、ハンドルの操舵角に変化がないか判断することにより、車線変更、及び右左折の為のハンドル操作が無い状態であるか否かを判定し、この判定結果に基づいて、車両の走行が安定しているか否かを判定してよい。
【0031】
また、走行安定性判定部1321が、車両の走行が安定していると判定するのは、車両の揺れ、すなわち振動が所定の閾値を超えた場合であってもよい。すなわち、走行安定性判定部1321は、加速度センサ部160が計測した車両の上下方向の加速度が所定の閾値を超えた場合に、車両の走行が安定していないと判定する。この場合の所定の閾値は、例えば、ドライブレコーダーがイベント記録を行うときの閾値より低い値に設定してよく、未舗装道路や悪路を走行する時に、加速度が0.5m/s2を超える状態が、所定の距離(例えば、20m以上)または所定の時間(例えば、3秒以上)、持続する場合に、車両の走行が安定していないと判定してよい。なお、加速度の閾値は、これに限定されることなく任意に設定してよい。
【0032】
受付状態遷移決断部133は、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断する。例えば、受付状態遷移決断部133は、接触検知部131が運転者の運転用操作装置への接触を検知し、かつ、走行安定性判定部1321が、車両の走行が安定していると判定した場合に、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断する。すなわち、受付状態遷移決断部133は、接触検知部131の検知結果と、走行安定性判定部1321の判定結果に基づいて、受付状態遷移を決断する。受付状態遷移決断部133は、受付状態遷移を決断したら、表示制御部134に対して、受付状態遷移の制御指令を与える。なお、接触検知部131が運転者の運転用操作装置への接触を検知しただけの場合は、受付状態遷移決断部133は、受付状態遷移を決断せず、操作の受け付け不可能な状態を維持する。つまり、受付状態遷移決断部133は、運転者が運転中には、操作の受け付け不可能な状態を維持し、車両の走行が安定していると判定した場合に、受付状態遷移を決断する。
【0033】
また、受付状態遷移決断部133は、緊急時であると判断される場合に、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断する。例えば、受付状態遷移決断部133は、距離センサ部140によって計測された車間距離が所定の時間、例えば、30分以上に亘って40m以下に維持されるときに、渋滞が発生していると判断して、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断する。これにより、渋滞を回避するルート探索の操作を受け付けることができる。また、受付状態遷移決断部133は、車両の走行予定の道路周辺の気象予報を、サーバ装置200から取得して、車両の走行予定の道路周辺の気象予報がゲリラ豪雨、豪雪(路面凍結)などを示す場合に、車行き先にゲリラ豪雨が予想される場合、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断する。これにより、ゲリラ豪雨や豪雪を回避するためのルート探索の操作を受け付けることができる。
【0034】
表示制御部134は、表示部190に表示される情報の表示を制御する。以下に、表示制御部134が表示部190に表示される情報の表示を制御する態様について説明する。
【0035】
表示制御部134は、受付状態遷移決断部133が受付状態遷移を決断した場合に、同乗者による操作を受け付け可能な状態である旨の表示をさせるように表示部190の表示を制御する。このような表示制御部134の表示制御の態様について、
図4を用いて説明する。
図4は、本開示に係るナビゲーション装置の表示部の表示の第一態様を示す図である。
図4に示すように、表示制御部134は、受付状態遷移決断部133が受付状態遷移を決断した場合に、表示部190に、例えば、「操作を受け付け可能です。」というメッセージを表示させたうえで、操作受付部135に対して、同乗者による操作を受け付け可能な状態に遷移させてよい。これにより、車両の走行が安定している場合に、同乗者による操作を受け付け可能となることから、運転の安全性と操作の利便性を両立させることができる。
【0036】
表示制御部134は、走行安定性判定部1321が、車両の走行が安定していないと判定した場合に、同乗者による操作の受け付けを拒否する旨の表示をさせるように表示部190を制御する。このような表示制御部134の表示制御の態様について、
図5を用いて説明する。
図5は、本開示に係るナビゲーション装置の表示部の表示の第二態様を示す図である。
図5に示すように、表示制御部134は、走行安定性判定部1321が、車両の走行が安定していないと判定した場合に、表示部190に、例えば、「操作を受け付けることができません。」というメッセージを表示させたうえで、操作受付部135に対して、同乗者による操作を受け付け不可能な状態にさせてよい。これにより、車両の走行が安定していない場合に、同乗者による操作を受け付け可能となることから、運転の安全性を確保することができる。
【0037】
操作受付部135は、同乗者、及び運転者を含む利用者の操作を受け付ける。すなわち、操作受付部135は、表示部190のタッチパネルを介して、利用者から操作を受け付ける。また、操作受付部135は、表示制御部134が受付状態を遷移させた場合に、表示制御部134が遷移させた受付状態に応じて、利用者による操作の受け付けをしない状態と、利用者による操作を受け付ける状態を切り替える。
【0038】
距離センサ部140は、車両の前後の様子を計測して、車両の前後の車間距離を計測する。すなわち、距離センサ部140は、車両の前方、及び後方に設けられてよい。例えば、距離センサ部140は、車両の前後に存在する車両との車間距離を計測して良い。この場合の距離センサ部140は、LiDAR(Light Detection and Ranging)により実現されてよい。LiDARは、近赤外光や可視光、紫外線を対象物に照射して、対象物からの反射光を光センサで捉えることにより、対象物との距離を測定する。
【0039】
また、距離センサ部140は、車両の前後の様子として映像を撮像して、車両の前後の車間距離を計測してもよい。この場合の距離センサ部140は、ステレオカメラにより実現されてよい。カメラは、光学素子と撮像素子を含み、光学素子は、例えばレンズ、ミラー、プリズム、フィルタなどの光学系を構成する素子である。撮像素子は、光学素子を通して入射した光を電気信号である画像信号に変換する素子である。なお、撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどであってよい。距離センサ部140は、エッジ側で処理を実現する回路を備えてよく、ステレオカメラにより撮像された撮像データに基づいて、三角測量の原理を用いて、車両の前後の車間距離を計測してよい。
【0040】
接触センサ部150は、運転者の運転用操作装置に対する接触を検知するセンサである。接触センサ部150は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O3)などの圧電セラミックス素子に圧力が加わった際の圧電セラミックス素子の静電容量の変化を検出することにより、物体の接触を検知する静電容量検出型の接触センサにより実現されてよい。接触センサ部150は、ステアリングホイール、シフトレバー、ウィンカーレバー、サイドブレーキレバーなどの運転用操作装置に設けられてよく、これらに対する運転者の接触を検知する。
【0041】
加速度センサ部160は、車両の加速度を計測する。加速度センサは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)により可動電極と固定電極を作り、可動電極が動くことによる静電容量の変化と加速度の関係を用いて加速度を計測する静電容量式の加速度センサであってよい。
【0042】
GNSS受信部170は、ナビゲーション装置100の位置を示す位置情報を計測する。GNSS受信部170は、GNSS受信機を備え、GPS(Global Positioning System)衛星、欧州のGalileo衛星、ロシアのGLONASS(Global Navigation Satellite System)衛星、中国のBeiDou衛星などから送信される電波を受信する。GNSS受信機は、複数のGPS衛星などから送信される電波を受信し、電波を受信した時刻と、GPS衛星などが電波を発信した時刻との差を用いて、GPS衛星などからナビゲーション装置100までの距離を算出することによって、ナビゲーション装置100の現在位置(例えば、緯度、及び経度)を計測する。
【0043】
音出力部180は、制御指令にしたがって音を出力する。音出力部180は、スピーカーであってよく、スピーカーは電気信号をダイヤフラムにより音に変換する。すなわち、スピーカーは、音出力部180から電気信号により与えられる制御指令に基づいて、ダイヤフラムを所定の振幅、振動数によって振動させることにより、ダイヤフラムに接している空気を振動させて音を出力する。音出力部180は、例えば、表示制御部134の制御にしたがって表示部190に表示されるメッセージを音声として出力してよい。
【0044】
表示部190は、車両の運転者や同乗者に向けて各種の情報を表示する。具体的には、表示部190は、表示制御部134の制御指令にしたがって各種の情報を表示する。
【0045】
表示部190は、車載インフォテインメントシステムの表示デバイスや、バックミラー型の表示デバイスであってよい。また、表示部190は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等によって実現されてよい。表示部190が設けられる箇所は、ダッシュボード上やセンタークラスターなどに限定されることなく、前方座席の背面や、リアウィンドウに設けられてもよい。
【0046】
また、表示部190は、車両の運転者や同乗者に向けて各種の情報を表示すると同時に、タッチパネルによって操作の入力を受け付けてもよい。タッチパネルは、抵抗膜方式や静電容量方式などの様々な方式のものを用いてよい。抵抗膜方式は、抵抗を持つ金属薄膜によって透明電極を構成し、対向する二枚の抵抗膜の内の1枚に対して電圧をかけておき、操作した位置に応じた電圧を検知することで接触位置を検出する方式である。静電容量方式は、指先と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて接触位置を検出する方式である。
【0047】
(ナビゲーション装置の制御方法)
(第一実施形態)
次に、本開示に係るナビゲーション装置の第一実施形態の制御方法について、
図6を用いて説明する。
図6は、本開示に係るナビゲーション装置の第一実施形態の制御方法のフローを示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートのフローに沿って、本開示に係るナビゲーション装置の第一実施形態の制御方法について説明する。
【0048】
まず、ナビゲーション装置100は、運転者が運転用操作装置に接触しているか否かを検知する(ステップS101)。運転者が運転用操作装置に接触している場合(ステップS101:Yes)、ナビゲーション装置100は、車両の走行が安定しているか否かを判定する(ステップS102)。車両の走行が安定している場合(ステップS102:Yes)、すなわち、これは運転者の運転用操作装置への接触を検知し(ステップS101:Yes)、かつ、車両の走行が安定していると判定した場合(ステップS102:Yes)、ナビゲーション装置100は、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断する(ステップS103)。次に、ナビゲーション装置100は、同乗者による操作を受け付け可能な状態である旨の表示をさせるように表示部190の表示を制御する(ステップS104)。
【0049】
なお、ステップS101において、運転者が運転用操作装置に接触していない場合(ステップS101:No)、ナビゲーション装置100は、本開示に係るナビゲーション装置の第一実施形態の制御方法の処理を終了する。また、ステップS102において、車両の走行が安定していないと判定された場合(ステップS102:No)も、本開示に係るナビゲーション装置の第一実施形態の制御方法の処理を終了する。
【0050】
これによれば、運転者が運転用操作装置に接触しており、かつ、車両の走行が安定している場合に、同乗者による操作を受け付け可能な状態に遷移させることできる。これにより、車両の走行が安定している場合に、同乗者による操作を受け付け可能となることから、運転の安全性と操作の利便性を両立させることができる。また、運転者の運転中のナビゲーションの操作を制限し、助手席の同乗者がナビゲーション操作を安全に行うことができるナビゲーション装置、及びナビゲーション装置の制御方法を提供することができる。
【0051】
(ナビゲーション装置の構成)
(第二実施形態)
次に、本開示に係るナビゲーション装置の第二実施形態の構成について、
図7を用いて説明する。
図7は、本開示に係るナビゲーション装置の第二実施形態の構成例を示す図である。
図7に示すように、本開示に係るナビゲーション装置100Bの第二実施形態は、前述して説明したナビゲーション装置100Aの第一実施形態に対して、制御部130の走行安定性判定部1321が道路安定性判定部1322に置き換えられ、制御部130に地図情報取得部136と、時刻推定部137が追加され、受付状態遷移決断部133、表示制御部134の処理が異なること以外は、ナビゲーション装置100Aの第一実施形態の構成と同じである。そのため、ナビゲーション装置100Bの第二実施形態の構成のうち、ナビゲーション装置100Aの第一実施形態の構成と同じ構成についての説明を省略し、ナビゲーション装置100Aの第一実施形態の構成とは異なる構成について説明する。
【0052】
道路安定性判定部1322は、車両の走行予定の道路が、安定した走行が可能であることを判定する。以下に、道路安定性判定部1322が車両の走行予定の道路が、安定した走行が可能であることを判定する処理の例について、具体的に説明する。
【0053】
道路安定性判定部1322は、地図情報取得部136が取得した地図情報が、車両の走行予定の道路が曲がりくねった道でないこと、坂道でないことのうち、両方を満たす場合に、車両の走行予定の道路が、安定した走行が可能であると判定する。ここで、道路が曲がりくねった道であるとは、走行予定の道路にカーブの曲率半径が曲率半径閾値を超えるカーブがある場合や、走行予定の道路にカーブ数の閾値以上の数のカーブが含まれる場合のことを指している。また、坂道でないこととは、走行予定の道路に勾配が勾配閾値を超える坂道がある場合や、走行予定の道路に勾配数の閾値以上の数の坂道が含まれる場合のことを指している。道路安定性判定部1322は、これらの基準に沿って、地図情報取得部136が取得した地図情報を参照して、取得した地図情報が車両の走行予定の道路が曲がりくねった道でないこと、坂道でないことのうち、両方を満たすか否かを判定する。そして、道路安定性判定部1322は、車両の走行予定の道路が曲がりくねった道でないこと、坂道でないことのうち、両方を満たす場合に、車両の走行予定の道路が、安定した走行が可能であると判定する。
【0054】
道路安定性判定部1322は、車両の走行予定の道路周辺の気象予報を、サーバ装置200から取得して、車両の走行予定の道路周辺の気象予報がゲリラ豪雨、豪雪(路面凍結)などを示す場合に、車両の走行予定の道路が安定した走行が不可能であると判定してもよい。この場合、道路安定性判定部1322は、通信部110を介して、ネットワークNを経由して、サーバ装置200に車両の走行予定の道路周辺の気象予報に関する情報の取得要求を送信する。道路安定性判定部1322は、サーバ装置200から、車両の走行予定の道路周辺の気象予報に関する情報を取得したら、当該の気象予報がゲリラ豪雨、豪雪(路面凍結)などを示すか否かを判定する。そして、道路安定性判定部1322は、車両の走行予定の道路周辺の気象予報がゲリラ豪雨、豪雪(路面凍結)などを示す場合に、車両の走行予定の道路の安定した走行が不可能であると判定する。
【0055】
道路安定性判定部1322は、車両の走行予定の道路の周辺が住宅街や学校、商店街などである場合に、車両の走行予定の道路が安定した走行が不可能であると判定してもよい。この場合、道路安定性判定部1322は、地図情報取得部136が取得した地図情報を参照して、車両の走行予定の道路の周辺の施設を把握して、周辺の施設が住宅街や学校、商店街に該当するか否かを判定する。そして、道路安定性判定部1322は、周辺の施設が住宅街や学校、商店街に該当すると判定した場合に、車両の走行予定の道路が安定した走行が不可能であると判定する。
【0056】
受付状態遷移決断部133は、車両の走行予定の道路が安定した走行が可能であると判定した場合に、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断する。また、受付状態遷移決断部133は、車両の走行予定の道路が安定した走行が不可能であると判定した場合に、操作の受け付け不可能な状態に遷移させる。
【0057】
表示制御部134は、道路安定性判定部1322が、車両の走行予定の道路が安定した走行が不可能であると判定した場合に、安定した走行が不可能である道路に差し掛かるまでに入力を終了するように促す表示を表示部190に表示させるように制御する。このような表示制御部134の処理について、
図8を用いて説明する。
図8は、本開示に係るナビゲーション装置の表示部の表示の第三態様を示す図である。
図8に示すように、表示制御部134は、時刻推定部137が不安定な道路に差し掛かる時間を推定すると、表示部190に、例えば、「あと10分で不安定な道路に到着します。それまでに操作の入力を完了して下さい。」というメッセージを表示させる。
【0058】
地図情報取得部136は、位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を取得する。すなわち、地図情報取得部136は、GNSS受信部170が計測した位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を、地図情報記憶部121から読み出すことにより、位置情報が示す位置を含む領域の地図情報を取得する。なお、この場合の地図情報には、車両が走行中の道路の形状や、道路の曲率半径、道路の勾配などの情報が含まれていてよい。
【0059】
時刻推定部137は、道路安定性判定部1322が、車両の走行予定の道路が不安定であると判定した場合に、不安定な道路に差し掛かるまでの時間を推定する。時刻推定部137は、車両の車速を、例えば、一般道の場合に30km/hr、高速道路の場合に80km/hrという前提のもとに、不安定な道路までの距離を車速によって除算することにより、不安定な道路に差し掛かるまでの時間を推定してよい。なお、不安定な道路までの距離は、GNSS受信部170が計測した位置情報と、地図情報取得部136が取得した地図情報を参照することにより求めることができる。
【0060】
(ナビゲーション装置の制御方法)
(第二実施形態)
次に、本開示に係るナビゲーション装置の第二実施形態の制御方法について、
図9を用いて説明する。
図9は、本開示に係るナビゲーション装置の第二実施形態の制御方法のフローを示すフローチャートである。
図9に示すフローチャートのフローに沿って、本開示に係るナビゲーション装置の第二実施形態の制御方法について説明する。
【0061】
まず、ナビゲーション装置100Bは、運転者が運転用操作装置に接触しているか否かを検知する(ステップS201)。運転者が運転用操作装置に接触している場合(ステップS201:Yes)、ナビゲーション装置100Bは、車両の走行予定の道路が、安定した走行が可能であるか否かを判定する(ステップS202)。車両の走行予定の道路が、安定した走行が可能である場合(ステップS202:Yes)、すなわち、運転者の運転用操作装置への接触を検知し(ステップS201:Yes)、かつ、車両の走行予定の道路が、安定した走行が可能である場合(ステップS202:Yes)、ナビゲーション装置100Bは、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断する(ステップS203)。次に、ナビゲーション装置100Bは、同乗者による操作を受け付け可能な状態に表示部190の表示を制御する(ステップS204)。
【0062】
なお、ステップS201において、運転者が運転用操作装置に接触していない場合(ステップS201:No)、ナビゲーション装置100Bは、本開示に係るナビゲーション装置の第二実施形態の制御方法の処理を終了する。また、ステップS202において、車両の走行予定の道路が、安定した走行が不可能であると判定された場合(ステップS202:No)も、本開示に係るナビゲーション装置の第二実施形態の制御方法の処理を終了する。
【0063】
これによれば、運転者が運転用操作装置に接触しており、かつ、車両の走行予定の道路が安定している場合に、同乗者による操作を受け付け可能な状態に遷移させることできる。これにより、車両の走行予定の道路が、安定した走行が可能である場合に、同乗者による操作を受け付け可能となることから、運転の安全性と操作の利便性を両立させることができる。また、運転者の運転中のナビゲーションの操作を制限し、助手席の同乗者がナビゲーション操作を安全に行うことができるナビゲーション装置、及びナビゲーション装置の制御方法を提供することができる。
【0064】
(構成と効果)
本開示に係るナビゲーション装置100は、運転者の運転用操作装置への接触の有無を検知する接触検知部131と、車両の走行が安定しているか否かを判定する走行安定性判定部1321と、接触検知部131が運転者の運転用操作装置への接触を検知し、かつ、走行安定性判定部1321が、車両の走行が安定していると判定した場合に、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断する受付状態遷移決断部133と、受付状態遷移決断部133が受付状態遷移を決断した場合に、同乗者による操作を受け付け可能な状態である旨の表示をさせるように表示部190の表示を制御する表示制御部134と、を備える。
【0065】
この構成によれば、運転者が運転用操作装置に接触しており、かつ、車両の走行が安定している場合に、同乗者による操作を受け付け可能な状態に遷移させることできる。これにより、車両の走行が安定している場合に、同乗者による操作を受け付け可能となることから、運転の安全性と操作の利便性を両立させることができる。そのため、運転者の運転中のナビゲーションの操作を制限し、助手席の同乗者がナビゲーション操作を安全に行うことができるナビゲーション装置100を提供することができる。
【0066】
本開示に係るナビゲーション装置100の走行安定性判定部1321が、車両の走行が安定していると判定するのは、車両の前後の車間距離を計測する距離センサ部140の計測値が示す車両の前後の車間距離が、所定の距離以上の場合である。
【0067】
この構成によれば、車両の前後の車間距離が車両の走行している道路で推奨されている車間距離の場合に、車両の走行が安定していると判定することができる。そのため、車両が前後の車両に衝突する危険性が低い状態において、同乗者への操作の受け付けを可能な状態に遷移することからできる。したがって、運転者の運転中のナビゲーションの操作を制限し、助手席の同乗者がナビゲーション操作を安全に行うことができるナビゲーション装置100を提供することができる。
【0068】
本開示に係るナビゲーション装置100の走行安定性判定部1321が、車両の走行が安定していると判定するのは、車両が直進している場合である。
【0069】
この構成によれば、車両が直進している場合に、車両の走行が安定していると判定することができる。そのため、車両が曲がり角を、曲がっている場合などの車両に遠心力が働いて、危険な状態となる場合に、同乗者による操作の受け付けを拒否することができる。したがって、運転者の運転中のナビゲーションの操作を制限し、助手席の同乗者がナビゲーション操作を安全に行うことができるナビゲーション装置100を提供することができる。
【0070】
本開示に係るナビゲーション装置100の表示制御部134は、走行安定性判定部1321が、車両の走行が安定していないと判定した場合に、同乗者による操作の受け付けを拒否する旨の表示をさせるように表示部190を制御する。
【0071】
この構成によれば、車両の走行が安定していない場合に、同乗者による操作の受け付けを拒否することができる。そのため、同乗者が危険な状態となる可能性がある車両の走行が安定していないときに、操作の受け付けを拒否することができる。したがって、運転者の運転中のナビゲーションの操作を制限し、助手席の同乗者がナビゲーション操作を安全に行うことができるナビゲーション装置100を提供することができる。
【0072】
本開示に係るナビゲーション装置の制御方法は、運転者の運転用操作装置への接触を検知するステップと、車両の走行が安定しているか否かを判定するステップと、運転者の運転用操作装置への接触を検知し、かつ、車両の走行が安定していると判定した場合に、操作の受け付け不可能な状態から、操作の受け付け可能な状態への遷移である受付状態遷移を決断するステップと、受付状態遷移を決断した場合に、同乗者による操作を受け付け可能な状態である旨の表示をさせるように表示部190の表示を制御するステップと、を含む。
【0073】
この構成によれば、運転者が運転用操作装置に接触しており、かつ、車両の走行予定の道路が安定している場合に、同乗者による操作を受け付け可能な状態に遷移させることできる。そのため、運転者の運転中のナビゲーションの操作を制限し、助手席の同乗者がナビゲーション操作を安全に行うことができるナビゲーション装置の制御方法を提供することができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0075】
1 ナビゲーションシステム
100 ナビゲーション装置
110 通信部
120 記憶部
121 地図情報記憶部
130 制御部
131 接触検知部
1321 走行安定性判定部
1322 道路安定性判定部
133 受付状態遷移決断部
134 表示制御部
135 操作受付部
136 地図情報取得部
137 時刻推定部
140 距離センサ部
150 接触センサ部
160 加速度センサ部
170 GNSS受信部
180 音出力部
190 表示部
200 サーバ装置
N ネットワーク