(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106119
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240731BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010242
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】521567930
【氏名又は名称】ライフジェンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003546
【氏名又は名称】弁理士法人伊藤IP特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 正和
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】物品の配送において、環境負荷及びコストを低減可能な技術を提供する。
【解決手段】本開示の情報処理装置は、所定の物品の配送を管理する情報処理装置である。この情報処理装置は、所定の内部空間を有する第1物品の移動に関する移動予定情報を取得することと、第2物品の配送希望に関する配送希望情報を取得することと、移動予定情報と配送希望情報とがマッチするか否かを判定することと、を実行する制御部を備える。そして、制御部は、移動予定情報と配送希望情報とがマッチする場合に、第1物品の移動時に該第1物品の内部空間に第2物品を積載して該第2物品を配送するシェアリング配送処理を実行し、移動予定情報と配送希望情報とがマッチしない場合に、第1物品の移動によらずに第2物品を通常配送する通常配送処理を実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の物品の配送を管理する情報処理装置であって、
第1物品の移動に関する情報である移動予定情報を取得することと、
第2物品の配送希望に関する情報である配送希望情報を取得することと、
前記移動予定情報と前記配送希望情報とが所定の条件でマッチするか否かを判定することと、
を実行する制御部を備え、
前記第1物品は、車両を含み、所定の内部空間を有する物品であって、
前記制御部は、
前記移動予定情報と前記配送希望情報とが前記条件でマッチする場合に、前記第1物品の移動時に該第1物品の前記内部空間に前記第2物品を積載して該第2物品を配送するシェアリング配送処理を実行し、
前記移動予定情報と前記配送希望情報とが前記条件でマッチしない場合に、前記第1物品の移動によらずに前記第2物品を通常配送する通常配送処理を実行する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第2物品の配送を希望するユーザである第2ユーザに対して該第2物品の配送に要する配送料を課金する処理であって、前記通常配送処理において前記第2物品の大きさ及び輸送距離に基づいて予め定められる配送料である通常配送料を該第2物品の配送方法によらず課金する処理と、
前記第2物品の配送において前記シェアリング配送処理が実行された場合に、前記第2ユーザに対して所定のインセンティブを付与する処理と、を更に実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記シェアリング配送処理において、前記第2物品の配送元又は配送先を、前記第2ユーザの居所とは異なる所定の集配所とした場合、
前記第2ユーザに対して、前記集配所への前記第2物品の持ち込み又は引き取りに関する情報を通知する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記インセンティブは、CO2排出権クレジットである、
請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
所定の取引物品の出品と、該取引物品の購入又は借用の申込みと、を受付ける所定のマーケットプレイスを利用する取引ユーザに対して、
前記移動予定情報に含まれる出発地に対して所定の関連度を有する前記取引ユーザには、前記取引物品の出品を提案することと、
前記移動予定情報に含まれる目的地に対して所定の関連度を有する前記取引ユーザには、前記取引物品の購入又は借用の申込みを提案することと、を更に実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
所定の取引物品の出品と、該取引物品の購入又は借用の申込みと、を受付ける所定のマーケットプレイスにおける取引履歴を取得し、
前記第1物品を移動させることを予定するユーザである第1ユーザに対して、前記取引履歴に基づいて推定される前記取引物品の配送需要に関する情報を提供する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
所定の物品の配送を管理する情報処理方法であって、
コンピュータが、
所定の内部空間を有する物品である第1物品の移動に関する情報である移動予定情報を取得することと、
第2物品の配送希望に関する情報である配送希望情報を取得することと、
前記移動予定情報と前記配送希望情報とが所定の条件でマッチするか否かを判定することと、
前記移動予定情報と前記配送希望情報とが前記条件でマッチする場合に、前記第1物品の移動時に該第1物品の前記内部空間に前記第2物品を積載して該第2物品を配送することと、
前記移動予定情報と前記配送希望情報とが前記条件でマッチしない場合に、前記第1物品の移動によらずに前記第2物品を通常配送することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
所定の物品の配送を管理する情報処理プログラムであって、
コンピュータに、
所定の内部空間を有する物品である第1物品の移動に関する情報である移動予定情報を取得することと、
第2物品の配送希望に関する情報である配送希望情報を取得することと、
前記移動予定情報と前記配送希望情報とが所定の条件でマッチするか否かを判定することと、
前記移動予定情報と前記配送希望情報とが前記条件でマッチする場合に、前記第1物品の移動時に該第1物品の前記内部空間に前記第2物品を積載して該第2物品を配送することと、
前記移動予定情報と前記配送希望情報とが前記条件でマッチしない場合に、前記第1物品の移動によらずに前記第2物品を通常配送することと、
を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の物品の配送を管理する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物品の取引を行うためのプラットフォームが多数提供され、例えば、オンラインショッピングやインターネットを使用した個人ユーザ間での商品売買等が盛んに行われている。
【0003】
そして、このような物品の取引の隆盛に伴い、商品等の配送サービスの提供形態も様々考案され、その配送効率を向上させるための技術も提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、荷物の輸送を要望する第1のユーザの予約情報と、移動を要望する第2のユーザの予約情報とに基づいて、第1のユーザの荷物と第2のユーザとが同じ輸送機関で輸送されるように、第1のユーザと第2のユーザとをマッチングする情報処理システムが開示されている。この情報処理システムによれば、本人の移動に利用しない輸送機関を用いて荷物を輸送することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
個人ユーザによる物品の取引の隆盛に伴って物品の配送の業務負担が増大し、従来までの配送方法では、サービス品質の低下や顧客満足度の低下が問題となっていた。また、配送業者の人手不足による人件費高騰に起因して配送コストが上昇したり、物流の活発化により環境負荷が増大したりする虞もある。
【0007】
ここで、特許文献1に記載の技術によれば、配送業者によらず、移動を要望する第2のユーザによって荷物を輸送することができる。そのため、配送業者の業務負担を増大させることはなく、配送業者の人手不足により配送コストが上昇してしまう事態を抑制できるようにも思われる。しかしながら、この技術では、第2のユーザが移動しなければ荷物を輸送することができない。そして、物品の配送において、環境負荷及びコストを低減可能な技術については、未だ改良の余地を残すものである。
【0008】
本開示の目的は、物品の配送において、環境負荷及びコストを低減可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の情報処理装置は、所定の物品の配送を管理する情報処理装置である。そして、この情報処理装置は、第1物品の移動に関する情報である移動予定情報を取得することと、第2物品の配送希望に関する情報である配送希望情報を取得することと、前記移動予定情報と前記配送希望情報とが所定の条件でマッチするか否かを判定することと、を実行する制御部を備える。ここで、前記第1物品は、車両を含み、所定の内部空間を有する物品である。そして、前記制御部は、前記移動予定情報と前記配送希望情報とが前記条件でマッチする場合に、前記第1物品の移動時に該第1物品の前記内部空間に前記第2物品を積載して該第2物品を配送するシェアリング配送処理を実行し、前記移動予定情報と前記配送希望情報とが前記条件でマッチしない場合に、前記第1物品の移動によらずに前記第2物品を通常配送する通常配送処理を実行する。
【0010】
上記の情報処理装置では、第2物品がシェアリング配送されることで、物品の配送における環境負荷を低減することができる。また、第2物品がシェアリング配送されると、配送業者の業務負担が低減されるため、物品の配送におけるコストを低減することができる。
【0011】
そして、上記の情報処理装置において、前記制御部は、前記第2物品の配送を希望するユーザである第2ユーザに対して該第2物品の配送に要する配送料を課金する処理であって、前記通常配送処理において前記第2物品の大きさ及び輸送距離に基づいて予め定められる配送料である通常配送料を該第2物品の配送方法によらず課金する処理と、前記第2物品の配送において前記シェアリング配送処理が実行された場合に、前記第2ユーザに対して所定のインセンティブを付与する処理と、を更に実行してもよい。これによれば、第2物品をシェアリング配送させることへの動機付けがなされるため、物品の配送において、環境負荷をより低減することができる。また、第2物品の配送料がその配送方法によらずに定められ、シェアリング配送された場合にユーザにインセンティブが付与されるため、ユーザにとって、物品の配送に係るコストが明確であり、以て、ユーザの利便性が高められる。
【0012】
この場合、前記制御部は、前記シェアリング配送処理において、前記第2物品の配送元又は配送先を、前記第2ユーザの居所とは異なる所定の集配所とした場合、前記第2ユーザに対して、前記集配所への前記第2物品の持ち込み又は引き取りに関する情報を通知してもよい。これによれば、例えば、ラストワンマイルについて、配送業者によらずに物品を物流させることができるので、配送コストを低減することができる。
【0013】
そして、このような情報処理装置において、前記インセンティブは、CO2排出権クレジットであってもよい。
【0014】
また、本開示の情報処理装置において、前記制御部は、所定の取引物品の出品と、該取引物品の購入又は借用の申込みと、を受付ける所定のマーケットプレイスを利用する取引ユーザに対して、前記移動予定情報に含まれる出発地に対して所定の関連度を有する前記取引ユーザには、前記取引物品の出品を提案することと、前記移動予定情報に含まれる目的地に対して所定の関連度を有する前記取引ユーザには、前記取引物品の購入又は借用の申込みを提案することと、を更に実行してもよい。これによれば、上記のマーケットプレイスにおいて取引される物品に関しても、第1物品の移動に併せてシェアリング配送することが可能になる。
【0015】
また、本開示の情報処理装置において、前記制御部は、所定の取引物品の出品と、該取引物品の購入又は借用の申込みと、を受付ける所定のマーケットプレイスにおける取引履歴を取得し、前記第1物品を移動させることを予定するユーザである第1ユーザに対して、前記取引履歴に基づいて推定される前記取引物品の配送需要に関する情報を提供してもよい。これによれば、上記のマーケットプレイスにおいて取引される物品に関しても、第1物品の移動に併せてシェアリング配送することが可能になり、且つ、第1ユーザに配送需要が提供されることで、シェアリング配送のマッチングが成立し易くなる。
【0016】
また、本開示は、コンピュータによる情報処理方法の側面から捉えることができる。すなわち、本開示の情報処理方法は、所定の物品の配送を管理する情報処理方法であって、コンピュータが、所定の内部空間を有する物品である第1物品の移動に関する情報である移動予定情報を取得することと、第2物品の配送希望に関する情報である配送希望情報を取得することと、前記移動予定情報と前記配送希望情報とが所定の条件でマッチするか否かを判定することと、前記移動予定情報と前記配送希望情報とが前記条件でマッチする場合に、前記第1物品の移動時に該第1物品の前記内部空間に前記第2物品を積載して該第2物品を配送することと、前記移動予定情報と前記配送希望情報とが前記条件でマッチしない場合に、前記第1物品の移動によらずに前記第2物品を通常配送することと、を実行する。
【0017】
また、本開示は、情報処理プログラムの側面から捉えることができる。すなわち、本開示の情報処理プログラムは、所定の物品の配送を管理する情報処理プログラムであって、コンピュータに、所定の内部空間を有する物品である第1物品の移動に関する情報である移動予定情報を取得することと、第2物品の配送希望に関する情報である配送希望情報を取得することと、前記移動予定情報と前記配送希望情報とが所定の条件でマッチするか否かを判定することと、前記移動予定情報と前記配送希望情報とが前記条件でマッチする場合に、前記第1物品の移動時に該第1物品の前記内部空間に前記第2物品を積載して該第2物品を配送することと、前記移動予定情報と前記配送希望情報とが前記条件でマッチしない場合に、前記第1物品の移動によらずに前記第2物品を通常配送することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、物品の配送において、環境負荷及びコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態における情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態における、情報処理システムに含まれるサーバの構成要素をより詳細に示すとともに、サーバと通信を行うユーザ端末の構成要素を示した図である。
【
図3】第1実施形態における情報処理システムの動作の流れを例示する図である。
【
図4】移動予定情報と配送希望情報とのマッチングを説明するための第1の図である。
【
図5】移動予定情報と配送希望情報とのマッチングを説明するための第2の図である。
【
図6】第2実施形態におけるマーケットプレイスの動作の流れを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0021】
<第1実施形態>
第1実施形態における情報処理システムの概要について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における情報処理システムの概略構成を示す図である。本実施形態に係る情報処理システム100は、ネットワーク200と、サーバ300と、ユーザ端末400と、を含んで構成される。なお、本開示の情報処理システムは、所定の物品の配送を管理するシステムであって、該配送の管理がサーバ300によって実行される。
【0022】
ネットワーク200は、例えば、IPネットワークである。ネットワーク200は、IPネットワークであれば、無線であっても有線であっても無線と有線の組み合わせであってもよく、例えば、無線による通信であれば、ユーザ端末400は、無線LANアクセスポイント(不図示)にアクセスし、LANやWANを介してサーバ300と通信してもよい。また、ネットワーク200は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網や、光回線、ADSL回線、衛星通信網などであってもよい。
【0023】
サーバ300は、ネットワーク200を介して、ユーザ端末400と接続される。なお、
図1において、説明を簡単にするために、サーバ300は1台、ユーザ端末400は4台示してあるが、これらに限定されないことは言うまでもない。
【0024】
サーバ300は、データの取得、生成、更新等の演算処理及び加工処理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどの様な電子機器でもよく、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、その他電子機器であってもよい。すなわち、サーバ300は、CPUやGPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、あるいは、CDやDVDのようなディスク記録媒体であってもよい。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納されている。
【0025】
また、サーバ300は、本実施形態に係る情報処理システム100専用のソフトウェアやハードウェア、OS等を設けずに、クラウドサーバによるSaaS(Software as a Service)、Paas(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)を適宜用いてもよい。
【0026】
ユーザ端末400は、情報処理システム100を利用するユーザ(後述する第1ユーザや第2ユーザ)が保有する携帯端末等の電子機器であればよく、例えば、携帯端末、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ等、その他端末機器であってもよい。
【0027】
次に、
図2に基づいて、主にサーバ300の構成要素の詳細な説明を行う。
図2は、第1実施形態における、情報処理システム100に含まれるサーバ300の構成要素をより詳細に示すとともに、サーバ300と通信を行うユーザ端末400の構成要素を示した図である。
【0028】
サーバ300は、機能部として通信部301、記憶部302、制御部303を有しており、補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各機能部等が制御されることによって、各機能部における所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0029】
ここで、通信部301は、サーバ300をネットワーク200に接続するための通信インタフェースである。通信部301は、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。サーバ300は、通信部301を介して、ユーザ端末400やその他の外部装置と通信可能に接続される。
【0030】
記憶部302は、主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。主記憶装置は、制御部303によって実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが展開されるメモリである。補助記憶装置は、制御部303において実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが記憶される装置である。また、記憶部302は、ユーザ端末400等から送信されたデータを記憶し、記憶部302には、後述する移動予定情報や配送希望情報が記憶される。なお、サーバ300は、通信部301を介してユーザ端末400等から送信されたデータを取得する。また、記憶部302には、後述するマッチング条件や、配送料テーブル、インセンティブテーブルが予め記憶される。
【0031】
制御部303は、サーバ300が行う制御を司る機能部である。制御部303は、CPUなどの演算処理装置によって実現することができる。制御部303は、更に、第1取得部3031と、第2取得部3032と、判定部3033と、配送処理部3034と、課金処理部3035と、付与処理部3036と、の6つの機能部を有して構成される。各機能部は、記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0032】
第1取得部3031は、第1ユーザからの第1物品の移動に関する情報である移動予定情報を取得する。詳しくは、第1取得部3031は、第1ユーザのユーザ端末400から送信された上記の移動予定情報を取得する。ここで、第1ユーザは、情報処理システム100を介して所定の物品である第1物品を移動させることを予定する個人ユーザであって、該第1物品とは、例えば、車両や、物置、収納ケースや棚等の家具、箱、鞄などの所定の内部空間を有する物品である。なお、第1取得部3031が取得した移動予定情報は、サーバ300の記憶部302に記憶される。
【0033】
ここで、本実施形態におけるユーザ端末400は、機能部として通信部401、入出力部402、記憶部403を有している。通信部401は、ユーザ端末400をネットワーク200に接続するための通信インタフェースであり、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。入出力部402は、通信部401を介して外部から送信されてきた情報等を表示させたり、通信部401を介して外部に情報を送信する際に当該情報を入力したりするための機能部である。記憶部403は、サーバ300の記憶部302と同様に主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。
【0034】
入出力部402は、更に、表示部4021、操作入力部4022、画像・音声入出力部4023を有している。表示部4021は、各種情報を表示する機能を有し、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等により実現される。操作入力部4022は、ユーザからの操作入力を受け付ける機能を有し、具体的には、タッチパネル等のソフトキーあるいはハードキーにより実現される。画像・音声入出力部4023は、静止画や動画等の画像の入力を受け付ける機能を有し、具体的には、Charged-Coupled Devices(CCD)、Metal-oxide-semiconductor(MOS)あるいはComplementary Metal-Oxide-Semiconductor(CMOS)等のイメージセンサを用いたカメラにより実現される。また、画像・音声入出力部4023は、音声の入出力を受け付ける機能を有し、具体的には、マイクやスピーカーにより実現される。
【0035】
第1ユーザは、このように構成されたユーザ端末400を用いて、上記の移動予定情報をサーバ300に送信することができる。ここで、サーバ300は、移動予定情報を入力するためのインタフェースをユーザ端末400に提供してもよい。そうすると、第1ユーザは、ユーザ端末400を介して上記のインタフェースに情報を入力することで、移動予定情報をサーバ300に送信することができる。
【0036】
第2取得部3032は、第2ユーザからの第2物品の配送希望に関する情報である配送希望情報を取得する。詳しくは、第2取得部3032は、第2ユーザのユーザ端末400から送信された上記の配送希望情報を取得する。ここで、第2ユーザは、情報処理システム100を介して所定の物品である第2物品を配送することを希望する個人ユーザであって、第2ユーザは、例えば、サーバ300から提供されたインタフェースに情報を入力することで、配送希望情報をサーバ300に送信することができる。なお、第2取得部3032が取得した配送希望情報は、サーバ300の記憶部302に記憶される。
【0037】
そして、判定部3033は、移動予定情報と配送希望情報とが所定の条件でマッチするか否かを判定する。ここで、サーバ300の記憶部302には、マッチング条件が予め記憶されていて、判定部3033は、該マッチング条件に基づいて、上記の判定を行うことができる。なお、判定部3033が実行する処理の詳細は、後述する
図3に基づいて説明する。
【0038】
配送処理部3034は、移動予定情報と配送希望情報とが上記の条件でマッチする場合に、第1物品の移動時に該第1物品の内部空間に第2物品を積載して該第2物品を配送するシェアリング配送処理を実行する。一方、移動予定情報と配送希望情報とが上記の条件でマッチしない場合に、第1物品の移動によらずに第2物品を通常配送する通常配送処理を実行する。
【0039】
課金処理部3035は、第2ユーザに対して第2物品の配送に要する配送料を課金する処理を実行する。ここで、上記の配送料は、通常配送処理において第2物品の大きさ及び輸送距離に基づいて予め定められる配送料である通常配送料であって、課金処理部3035は、第2物品の配送方法によらず、第2ユーザに対して該通常配送料を課金する。なお、上記の通常配送料は、サーバ300の記憶部302に予め記憶された配送料テーブルに基づいて定められ得る。
【0040】
付与処理部3036は、第2物品の配送においてシェアリング配送処理が実行された場合に、第2ユーザに対して所定のインセンティブを付与する。なお、付与処理部3036が実行する処理の詳細は、後述する
図3に基づいて説明する。
【0041】
なお、制御部303が、第1取得部3031、第2取得部3032、判定部3033、配送処理部3034、課金処理部3035、および付与処理部3036の処理を実行することで、本開示に係る制御部として機能する。
【0042】
ここで、本実施形態における情報処理システム100の動作の流れについて説明する。
図3は、本実施形態における情報処理システム100の動作の流れを例示する図である。
図3では、本実施形態における情報処理システム100におけるサーバ300とユーザ端末400との間の動作の流れ、およびサーバ300とユーザ端末400とが実行する処理を説明する。
【0043】
本実施形態では、先ず、第1ユーザのユーザ端末400に、移動予定情報が入力される(S101)。ここで、移動予定情報は、第1物品の移動予定に関する情報であって、その移動日時や、出発地・目的地、移動経路等を含んだ情報である。また、移動せしめられる第1物品の物品名や、その内部空間の大きさ等の情報も含んでいる。そして、移動予定情報は、第1ユーザのユーザ端末400からサーバ300に送信される。そうすると、サーバ300は、第1ユーザのユーザ端末400から送信された情報を取得する(S102)。
【0044】
次に、第2ユーザのユーザ端末400に、配送希望情報が入力される(S103)。ここで、配送希望情報は、第2物品の配送希望に関する情報であって、その配送日時や、配送元・配送先等を含んだ情報である。また、配送せしめられる第2物品の物品名や大きさ等の情報も含んでいる。そして、配送希望情報は、第2ユーザのユーザ端末400からサーバ300に送信される。そうすると、サーバ300は、第2ユーザのユーザ端末400から送信された情報を取得する(S104)。
【0045】
ここで、本実施形態では、サーバ300が上記の配送希望情報を受付けるとき、その配送日時について、所定の許容期間の入力を第2ユーザから受付けることができる。つまり、本実施形態に係る物品の配送では、第2物品が、第2ユーザの要求に応じて即座に配送されるわけではなく、後述するマッチングが成立するまでは、上記の許容期間を限度に発送待ち状態にされる。これにより、後述するマッチングを成立させ易くなる。なお、上記の許容期間は、例えば、1週間である。この場合、第2物品は、後述するマッチングが成立するまで最長1週間に亘って発送待ち状態にされる。
【0046】
そして、サーバ300は、第1ユーザからの移動予定情報と、第2ユーザからの配送希望情報と、を取得すると、これらが所定のマッチング条件でマッチするか否かを判別する(S105、S106)。そして、S106の処理で肯定判定された場合、サーバ300はS107の処理へ進み、S106の処理で否定判定された場合、サーバ300はS109の処理へ進む。
【0047】
ここで、上記のマッチング条件は、サーバ300の記憶部302に予め記憶されていて、その条件は、第1物品の移動スケジュール(日時・場所)および内部空間と、第2物品の配送希望(日時・場所)および大きさと、の合致度である。
【0048】
図4は、移動予定情報と配送希望情報とのマッチングを説明するための第1の図である。
図4には、第1物品の移動予定情報として、No.1~No.5の物品の移動スケジュールおよび内部空間が例示されている。
【0049】
図5は、移動予定情報と配送希望情報とのマッチングを説明するための第2の図である。
図5には、第2物品の配送希望情報として、No.1´~No.5´の物品の配送希望および大きさが例示されている。
【0050】
そうすると、No.1の物置(第1物品)とNo.1´のギター(第2物品)について、第1物品と第2物品の出発地および目的地が一致し、且つ第1物品の移動日時が第2物品の配送希望期間に含まれていて、更に、第2物品が第1物品の内部空間に収容可能であるため、これら物品についての移動予定情報と配送希望情報とがマッチすると判定することができる。
【0051】
また、No.2の自動車(第1物品)とNo.2´の掃除機(第2物品)については、第1物品と第2物品の出発地および目的地の市町村が一致し、且つ第1物品の移動日時が第2物品の配送希望期間に含まれていて、更に、第2物品が第1物品の内部空間に収容可能である。そのため、これら物品についての移動予定情報と配送希望情報とがマッチすると判定することができる。なお、上記の自動車は、売買取引される新車または中古車(この場合、該自動車は、例えば、所定のトラックで移動せしめられる。)であってもよいし、移動予定を有する所定のドライバーが運転する自家用車やシェアカー、旅客車両、貨物車両であってもよい。また、第2物品は、配達元から第1物品の出発地まで、および第1物品の目的地から配達先まで、通常配送されてもよいし、第2ユーザによる持ち込みまたは引き取りがなされてもよい。
【0052】
同様に、No.3の自動車(第1物品)とNo.3´の靴(第2物品)についても、移動予定情報と配送希望情報とがマッチされ得る。この場合、上記の自動車は、輸出入される車両であって、上記の靴は、越境取引される物品である。
【0053】
そして、No.4の鞄(第1物品)とNo.4´のアクセサリー(第2物品)についても、移動予定情報と配送希望情報とがマッチされ得る。一方で、No.5のギター(第1物品)については、配送元・配送先および配送希望期間に合致する第1物品が存在しないため、第1物品の移動予定情報と第2物品の配送希望情報とがマッチしないと判定される。
【0054】
そして、
図3に戻って、S106の処理で肯定判定された場合、サーバ300は、シェアリング配送処理を実行する(S107)。このシェアリング配送では、第2物品が、第1物品の移動時に該第1物品の内部空間に積載されて配送される。そのため、サーバ300は、第2物品の配送希望情報を第1ユーザのユーザ端末400に送信し、該第1ユーザのユーザ端末400がこの情報を取得する(S108)。
【0055】
一方、S106の処理で否定判定された場合、サーバ300は、通常配送処理を実行する(S109)。この通常配送処理は、第1物品の移動によらずに第2物品を通常配送する処理である。
【0056】
そして、サーバ300は、上記の配送処理の方法によらず、つまり、シェアリング配送処理が実行された場合でも、通常配送処理が実行された場合でも、通常配送料を第2ユーザに課金する課金処理を実行する(S110、S111)。ここで、通常配送料は、上述したように、第2物品の大きさ及び輸送距離に基づいて予め定められる配送料であって、サーバ300の記憶部302に予め記憶された配送料テーブルに基づいて定められ得る。なお、第2ユーザから徴収される配送料は、第2物品がシェアリング配送された場合、該第2物品が積載された第1物品を移動させる第1ユーザに分配され得る。また、シェアリング配送以外の輸送区間については、該輸送を請け負う配送業者等に、それに対応する配送料が分配され得る。
【0057】
また、第2物品の配送においてシェアリング配送処理が実行された場合には、第2ユーザに対して所定のインセンティブを付与する処理が実行される(S112、S113)。
【0058】
ここで、本実施形態における上記のインセンティブは、CO2排出権クレジットである。CO2排出権クレジットは、CO2の排出削減量や適切な森林管理によるCO2の吸収量をクレジットとして認証されたものであって、例えば、J-クレジットである。このようなCO2排出権クレジットは、売買可能であるため、ユーザに対するインセンティブとなり得る。
【0059】
また、第2ユーザに付与されるCO2排出権クレジットは、第2物品がシェアリング配送された距離に基づいて算出され得る。第2物品がシェアリング配送されると、該第2物品の物流に係るCO2の排出量が削減される。そのため、第2物品がシェアリング配送された距離に起因して削減されるCO2の排出量に基づいて、CO2排出権クレジットを算出することができる。例えば、上記の
図4および
図5におけるNo.1´のギター(第2物品)は、その配送元から配送先までの距離に基づいて、CO2排出権クレジットが算出され、No.2´の掃除機(第2物品)は、No.2の自動車(第1物品)の出発地から目的地までの距離に基づいて、CO2排出権クレジットが算出される。なお、第1物品の移動方法に応じて、該第1物品の移動に係るCO2の排出量が変化し得る。そのため、上記のCO2排出権クレジットは、第1物品の移動方法に応じて調整されてもよい。例えば、上記の
図4におけるNo.1の物置(第1物品)が電気自動車によって移動せしめられる場合には、該第1物品に積載されて配送されるNo.1´のギター(第2物品)について(該第2物品の配送を希望する第2ユーザに対して)付与されるCO2排出権クレジットは、該第1物品がガソリン車によって移動せしめられる場合よりも多くされてもよい。また、例えば、上記の
図4におけるNo.1の物置(第1物品)が自動運転車両や宅配ロボットによって移動せしめられる場合には、該第1物品に積載されて配送されるNo.1´のギター(第2物品)について(該第2物品の配送を希望する第2ユーザに対して)付与されるCO2排出権クレジットが、配送コストの削減分とCO2排出量の削減分に応じて増やされてもよい。
【0060】
そして、第2物品がシェアリング配送された場合、つまり、第2物品の物流に係るCO2の排出量が削減された場合に、CO2排出権クレジットが付与されることによれば、第2物品をシェアリング配送させることへの動機付けがなされるため、物品の配送において、環境負荷を低減することができる。更に、第2物品がシェアリング配送されると、配送業者の業務負担が低減されるため、物品の配送におけるコストを低減することができる。また、本開示によれば、第2物品の配送料がその配送方法によらずに定められ、シェアリング配送された場合にユーザにインセンティブが付与されるため、ユーザにとって、物品の配送に係るコストが明確であり、以て、ユーザの利便性が高められる。
【0061】
なお、本開示において、上記の第1物品は、乗捨型カーシェアリングサービスに供される車両であってもよい。この場合、乗捨てされた車両の回送時に、該車両の内部空間に第2物品を積載することができる。これにより、車両回送のコストを第2物品の配送料により回収できるだけでなく、第2物品の配送に係る環境負荷を低減することができる。
【0062】
また、上記のインセンティブは、後述する所定のマーケットプレイスで利用可能なポイントであってもよい。
【0063】
以上に述べた情報処理システム100によれば、物品の配送において、環境負荷及びコストを低減することができる。
【0064】
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態の変形例について、説明する。上記の第1実施形態の説明で述べたように、サーバ300は、移動予定情報と配送希望情報とがマッチングされた区間について、シェアリング配送処理を実行することができる。そこで、本変形例では、サーバ300が、シェアリング配送処理において、第2物品の配送元又は配送先を、第2ユーザの居所とは異なる所定の集配所とした場合、第2ユーザに対して、該集配所への第2物品の持ち込み又は引き取りに関する情報を通知する。
【0065】
このように、本変形例に係る情報処理システム100では、シェアリング配送処理における第2物品の配送元又は配送先を集配所とした場合に、該集配所から、該第2物品の物流起点の配送元又は物流終点の配送先(これらは、例えば、第2ユーザの居所である。)までのラストワンマイルについて、第2ユーザに対して、第2物品の持ち込み又は引き取りを促すことができる。
【0066】
そして、本変形例に係るサーバ300は、上記の通知に対する応答として、集配所への第2物品の持ち込み又は引き取りについての許諾を第2ユーザから取得した場合には、該第2ユーザに対して所定のインセンティブを付与する処理を実行してもよい。ここで、上記のインセンティブは、例えば、CO2排出権クレジットである。
【0067】
これによれば、上記のラストワンマイルについて、配送業者によらずに物品を物流させることができるので、配送コストを低減することができる。また、第2ユーザは、環境負荷が低い手段を用いて物品を物流させることが可能になる。
【0068】
そして、以上に述べた情報処理システム100によっても、物品の配送において、環境負荷及びコストを低減することができる。
【0069】
<第2実施形態>
第2実施形態における情報処理システム100について、説明する。本実施形態におけるサーバ300は、第1物品の移動予定情報に基づいて、所定のマーケットプレイスを利用する取引ユーザに対して、所定の取引物品の出品、および購入又は借用の申込みを提案する。
【0070】
ここで、上記のマーケットプレイスは、個人ユーザ間において、所定の取引物品の出品と、該取引物品の購入又は借用の申込みと、を受付ける、物品の取引サービスである。
図6は、本実施形態におけるマーケットプレイスの動作の流れを例示する図である。
図6では、本実施形態におけるマーケットプレイスにおけるマーケットプレイスサーバと取引ユーザのユーザ端末400との間の動作の流れ、およびマーケットプレイスサーバとユーザ端末400とが実行する処理を説明する。
【0071】
本実施形態におけるマーケットプレイスでは、先ず、第1取引ユーザのユーザ端末400に、出品情報が入力される(S201)。ここで、出品情報は、第1取引ユーザからの物品の出品に関する所定の情報であって、第1取引ユーザは、所定のインタフェースを用いてこの出品情報を入力することができる。そして、出品情報は、第1取引ユーザのユーザ端末400からマーケットプレイスサーバに送信される。
【0072】
そして、マーケットプレイスサーバは、第1取引ユーザのユーザ端末400から送信された情報を取得する(S202)。そして、マーケットプレイスサーバは、取得した出品情報を複数の個人ユーザに対して閲覧可能に提供する(S203)。ここで、マーケットプレイスサーバは、マーケットプレイスを利用する複数の個人ユーザのユーザ端末400に情報を送信することで、出品情報を提供することができる。
【0073】
そして、第2取引ユーザのユーザ端末400は、マーケットプレイスサーバから送信された情報を取得する(S204)。そうすると、第2取引ユーザのユーザ端末400には、該ユーザ端末400に予めインストールされた所定のアプリによって提供されるインタフェース、または所定のウェブサイト(例えば、オンラインショップ)によって提供されるインタフェースを用いて、取得した出品情報が閲覧可能に表示されることになる。そして、第2取引ユーザのユーザ端末400に、物品の購入又は借用の申込情報が入力される(S205)。
【0074】
マーケットプレイスサーバは、第2取引ユーザのユーザ端末400から送信された情報を取得する(S206)。そうすると、マーケットプレイスサーバは、本開示の情報処理システム100と連携して、処理を物品の配送へ移行させる。
【0075】
ここで、上述したように、本開示の情報処理システム100では、第1物品の移動に併せて第2物品が配送されるシェアリング配送が行われることにより、物品の配送における環境負荷及びコストが低減され得る。そうすると、上記のマーケットプレイスにおいて取引される物品に関しても、第1物品の移動に併せて配送されることが望ましい。
【0076】
そこで、本実施形態に係る情報処理システム100では、上記のマーケットプレイスを利用する取引ユーザに対して、第1物品の移動予定情報に含まれる出発地に対して所定の関連度を有する取引ユーザには、取引物品の出品を提案する。ここで、上記の関連度とは、例えば、取引ユーザの居所が属する市町村や地域が合致することである。そうすると、上記の取引ユーザ(
図6における第1取引ユーザ)が出品する取引物品は、第1物品の移動に併せて発送され易くなる。
【0077】
また、本実施形態に係る情報処理システム100では、上記のマーケットプレイスを利用する取引ユーザに対して、第1物品の移動予定情報に含まれる目的地に対して所定の関連度を有する取引ユーザには、取引物品の購入又は借用の申込みを提案する。ここで、上記の関連度とは、例えば、取引ユーザの居所が属する市町村や地域が合致することである。そうすると、上記の取引ユーザ(
図6における第2取引ユーザ)が購入又は借用する取引物品は、第1物品の移動に併せて届けられ易くなる。
【0078】
なお、情報処理システム100は、上述したように、マーケットプレイスサーバから取引物品の配送情報を取得するだけでなく、マーケットプレイスサーバと連携して、上記の第1取引ユーザや第2取引ユーザに対して、取引物品の出品、および購入又は借用の申込みを提案する。
【0079】
これにより、上記のマーケットプレイスにおいて取引される物品に関しても、第1物品の移動に併せてシェアリング配送することが可能になる。
【0080】
そして、以上に述べた情報処理システム100によっても、物品の配送において、環境負荷及びコストを低減することができる。
【0081】
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態の変形例について、説明する。本変形例におけるサーバ300は、第1ユーザに対して、マーケットプレイスにおける取引履歴に基づいて推定される取引物品の配送需要に関する情報を提供する。
【0082】
ここで、上記のマーケットプレイスは、第2実施形態の説明で述べたとおりであって、上記の
図6における第2取引ユーザは、第1取引ユーザから出品された取引物品の借用の申込をすることができる。そして、この場合、第2取引ユーザによる物品の借用という取引履歴に基づいて、該借用から一定期間経過すると物品が第1取引ユーザに返却されることが推定され得る。つまり、取引物品の配送需要が発生することが推定できる。
【0083】
そうすると、情報処理システム100を利用する第1ユーザは、上記の配送需要とあわせて第1物品を移動させることを予定すれば、シェアリング配送のマッチングを成立させ易くなる。
【0084】
そこで、本変形例に係る情報処理システム100のサーバ300は、上記の第2実施形態の説明で述べたマーケットプレイスサーバと連携して、マーケットプレイスにおける取引履歴を取得する。そして、上述したように、情報処理システム100を利用する第1ユーザに対して、マーケットプレイスにおける取引履歴に基づいて推定される取引物品の配送需要に関する情報を提供する。
【0085】
これによれば、上記のマーケットプレイスにおいて取引される物品に関しても、第1物品の移動に併せてシェアリング配送することが可能になり、且つ、第1ユーザに配送需要が提供されることで、シェアリング配送のマッチングが成立し易くなる。
【0086】
そして、以上に述べた情報処理システム100によっても、物品の配送において、環境負荷及びコストを低減することができる。
【0087】
<その他の変形例>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0088】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。例えば、第1取得部3031および第2取得部3032をサーバ300とは別の演算処理装置に形成してもよい。このとき当該別の演算処理装置はサーバ300と好適に協働可能に構成される。また、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0089】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0090】
100・・・情報処理システム
200・・・ネットワーク
300・・・サーバ
301・・・通信部
302・・・記憶部
303・・・制御部
400・・・ユーザ端末