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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106129
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】塗工装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/02 20060101AFI20240731BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20240731BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
B05C5/02
B05C11/00
B05C11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010256
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000240341
【氏名又は名称】株式会社ヒラノテクシード
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹野 祐史
【テーマコード(参考)】
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4F041AA12
4F041AB01
4F041BA05
4F041BA13
4F041CA03
4F041CA13
4F041CA16
4F042AA22
4F042AB00
4F042BA08
4F042BA12
4F042CA01
4F042CB02
(57)【要約】
【課題】ウエブに複数の塗工部をストライプ塗工すると共に、それぞれの塗工部にエッジ塗工を行うことができる塗工装置を提案する。
【解決手段】バックアップロール2に抱きかかえられて一定の搬送方向に搬送されるウエブWにストライプ塗工を行うダイ10のシム16は、吐出方向に沿って延びる複数の閉塞片52を有し、隣接する閉塞片52,52の間に流通路57が形成され、閉塞片52の上面に第2塗工液が流れる左流通溝68と右流通溝72が形成され、シム16が第1本体12と第2本体14に挟持された状態で、閉塞片52の先端に左流通溝68と右流通溝72と連通する第2吐出口70,74が形成されている、
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックアップロールに抱きかかえられて一定の搬送方向に搬送されるウエブにストライプ塗工を行うダイを有する塗工装置において、
前記ダイは、
先端が前記ウエブの幅方向に沿って配される第1本体と、
先端が前記ウエブの幅方向に沿って配され、かつ、前記第1本体と組み合わされる第2本体と、
前記第1本体と前記第2本体に挟持され、第1本体と前記第2本体の間の前記幅方向と直交する吐出方向に沿って延びる第1塗工液の複数の流通路と、前記第1本体の前記先端と前記第2本体の前記先端との間であって複数の前記流通路にそれぞれ連通する第1吐出口を形成する板状のシムと、
を有し、
前記シムは、前記吐出方向に沿って延びる複数の閉塞片を有し、
隣接する前記閉塞片の間に前記流通路が形成され、
前記閉塞片の一方の面に第2塗工液が流れる流通溝が形成され、
前記シムが前記第1本体と前記第2本体に挟持された状態で、前記閉塞片の先端に前記流通溝と連通する第2吐出口が形成されている、
ことを特徴とする塗工装置。
【請求項2】
前記流通路に第1塗工液を供給する第1供給手段と、
前記流通溝に第2塗工液を供給する第2供給手段と、
を有する請求項1に記載の塗工装置。
【請求項3】
前記閉塞片の前記流通溝は、前記第2供給手段から供給される前記第2塗工液を受ける受け口を有する、
請求項2に記載の塗工装置。
【請求項4】
前記閉塞片の前記流通溝は、前記受け口から二股に分かれ、二股に分かれたそれぞれの前記流通溝が前記吐出方向に沿って延び、それぞれの前記流通溝の先端に前記第2吐出口が形成される、
請求項3に記載の塗工装置。
【請求項5】
前記第1本体において、前記第2本体と組み合わさる面に液溜め部が前記幅方向に形成されると共に、前記液溜め部と前記先端との間にランド面が形成され、
前記シムは、
前記ランド面以外の前記液溜め部の三方向を覆うシム本体と、
前記ランド面に所定間隔毎に配された複数の前記閉塞片と、
を有する請求項1に記載の塗工装置。
【請求項6】
前記閉塞片は、前記シム本体と別体である、
請求項5に記載の塗工装置。
【請求項7】
前記閉塞片は、前記シム本体から櫛歯状に一体に突出している、
請求項5に記載の塗工装置。
【請求項8】
バックアップロールに抱きかかえられて搬送されるウエブにストライプ塗工を行うダイを有する塗工装置において、
前記ダイは、
先端が前記ウエブの幅方向に沿って配される第1本体と、
先端が前記ウエブの幅方向に沿って配され、かつ、前記第1本体と組み合わされる第2本体と、
先端が前記ウエブの幅方向に沿って配され、かつ、前記第2本体と組み合わされる第3本体と、
前記第1本体と前記第2本体に挟持され、前記第1本体と前記第2本体の間の前記幅方向と直交する吐出方向に沿って延びる第1塗工液の複数の第1流通路と、前記第1本体の前記先端と前記第2本体の前記先端との間であって複数の前記第1流通路にそれぞれ連通する第1吐出口を形成する板状の第1シムと、
前記第2本体と前記第3本体に挟持され、前記第2本体と前記第3本体の間の前記吐出方向に沿って延びる第3塗工液の複数の第2流通路と、前記第2本体の前記先端と前記第3本体の前記先端との間であって複数の前記第2流通路にそれぞれ連通する第3吐出口を形成する板状の第2シムと、
を有し、
前記第1シムは、前記吐出方向に沿って延びる複数の第1閉塞片を有し、
隣接する前記第1閉塞片の間に前記第1流通路が形成され、
前記第1閉塞片の一方の面に第2塗工液が流れる第1流通溝が形成され、
前記第1シムが前記第1本体と前記第2本体に挟持された状態で、前記第1閉塞片の先端に前記第1流通溝と連通する第2吐出口が形成され、
前記第2シムは、前記吐出方向に沿って延びる複数の第2閉塞片を有し、
隣接する前記第2閉塞片の間に前記第2流通路が形成され、
前記第2閉塞片の一方の面に第4塗工液が流れる第2流通溝が形成され、
前記第2シムが前記第2本体と前記第3本体に挟持された状態で、前記第2閉塞片の先端に前記第2流通溝と連通する第4吐出口が形成されている、
ことを特徴とする塗工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエブに塗工液をストライプ塗工する塗工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の塗工装置には、ウエブに塗工部を形成し、その塗工部の左右両側にエッジ塗工を行うものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-10867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ウエブの幅方向に複数の塗工部をストライプ塗工し、それぞれの塗工部にエッジ塗工を行うことは困難であるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、ウエブに複数の塗工部をストライプ塗工すると共に、それぞれの塗工部にエッジ塗工を行うことができる塗工装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、バックアップロールに抱きかかえられて一定の搬送方向に搬送されるウエブにストライプ塗工を行うダイを有する塗工装置において、前記ダイは、先端が前記ウエブの幅方向に沿って配される第1本体と、先端が前記ウエブの幅方向に沿って配され、かつ、前記第1本体と組み合わされる第2本体と、前記第1本体と前記第2本体に挟持され、第1本体と前記第2本体の間の前記幅方向と直交する吐出方向に沿って延びる第1塗工液の複数の流通路と、前記第1本体の前記先端と前記第2本体の前記先端との間であって複数の前記流通路にそれぞれ連通する第1吐出口を形成する板状のシムと、を有し、前記シムは、前記吐出方向に沿って延びる複数の閉塞片を有し、隣接する前記閉塞片の間に前記流通路が形成され、前記閉塞片の一方の面に第2塗工液が流れる流通溝が形成され、前記シムが前記第1本体と前記第2本体に挟持された状態で、前記閉塞片の先端に前記流通溝と連通する第2吐出口が形成されている、ことを特徴とする塗工装置である。
【0007】
また、本発明は、バックアップロールに抱きかかえられて搬送されるウエブにストライプ塗工を行うダイを有する塗工装置において、前記ダイは、先端が前記ウエブの幅方向に沿って配される第1本体と、先端が前記ウエブの幅方向に沿って配され、かつ、前記第1本体と組み合わされる第2本体と、先端が前記ウエブの幅方向に沿って配され、かつ、前記第2本体と組み合わされる第3本体と、前記第1本体と前記第2本体に挟持され、前記第1本体と前記第2本体の間の前記幅方向と直交する吐出方向に沿って延びる第1塗工液の複数の第1流通路と、前記第1本体の前記先端と前記第2本体の前記先端との間であって複数の前記第1流通路にそれぞれ連通する第1吐出口を形成する板状の第1シムと、前記第2本体と前記第3本体に挟持され、前記第2本体と前記第3本体の間の前記吐出方向に沿って延びる第3塗工液の複数の第2流通路と、前記第2本体の前記先端と前記第3本体の前記先端との間であって複数の前記第2流通路にそれぞれ連通する第3吐出口を形成する板状の第2シムと、を有し、前記第1シムは、前記吐出方向に沿って延びる複数の第1閉塞片を有し、隣接する前記第1閉塞片の間に前記第1流通路が形成され、前記第1閉塞片の一方の面に第2塗工液が流れる第1流通溝が形成され、前記第1シムが前記第1本体と前記第2本体に挟持された状態で、前記第1閉塞片の先端に前記第1流通溝と連通する第2吐出口が形成され、前記第2シムは、前記吐出方向に沿って延びる複数の第2閉塞片を有し、隣接する前記第2閉塞片の間に前記第2流通路が形成され、前記第2閉塞片の一方の面に第4塗工液が流れる第2流通溝が形成され、前記第2シムが前記第2本体と前記第3本体に挟持された状態で、前記第2閉塞片の先端に前記第2流通溝と連通する第4吐出口が形成されている、ことを特徴とする塗工装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ダイの第1吐出口から吐出された第1塗工液によって塗工部をストライプ塗工すると共に、第2吐出口から吐出された第2塗工液によってそれぞれの塗工部にエッジ塗工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1の塗工装置の全体の説明図である。
図2】ダイによってウエブにストライプ塗工した平面図である。
図3】ダイの斜視図である。
図4】ダイの第1の組み立て状態の斜視図である。
図5】ダイの第2の組み立て状態の斜視図である。
図6】閉塞片の斜視図である。
図7】ダイの前端部における短辺方向の縦断面図である。
図8】ダイによってストライプ塗工した状態の拡大平面図である。
図9】ダイによってストライプ塗工した状態の変更例の平面図である。
図10】実施形態2の塗工装置の全体図である。
図11】ダイの分解斜視図である。
図12】ダイ前部の短手方向の縦断面図である。
図13】ダイの正面拡大図である。
図14図13におけるX-X線断面図である。
図15図13におけるY-Y線断面図である。
図16】ダイによってウエブに二層のストライプ塗工した平面図である。
図17図17におけるZ-Z線断面図である。
図18】ダイによって二層のストライプ塗工した状態の変更例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態のウエブWにストライプ塗工を行う塗工装置1について図面を参照して説明する。長尺状のウエブWとしては、金属箔、フィルム、メッシュ状の金属、紙、布帛などである。
【実施形態1】
【0011】
実施形態1の塗工装置1について図1図9を参照して説明する。
【0012】
(1)塗工装置1
塗工装置1の構造について図1図2を参照して説明する。
【0013】
塗工装置1は、図1に示すように、モータ3によって一定の回転速度で回転するバックアップロール2、第1塗工液の第1ポンプ4と第1タンク5、第2塗工液の第2ポンプ6と第2タンク7、ダイ10を有している。なお、以下の説明で、左右方向とはウエブWの幅方向を意味し、前後方向に関しては、図1においてダイ10の前方にバックアップロール2があるとして説明する。また、ダイ10において幅方向と直交する方向を吐出方向という。
【0014】
バックアップロール2はウエブWを抱きかかえて下から上への上下方向(搬送方向)に一定速度で走行させる。このバックアップロール2の後方には、ダイ10が水平方向(横向き)に配されている。ストライプ塗工を行うダイ10は、第1本体12と第2本体14とシム16とを有している。
【0015】
第1ポンプ4は、第1タンク5に蓄積されている第1塗工液をダイ10に圧送し、ダイ10は、その前端部にある第1吐出口42から第1塗工液をウエブWにストライプ塗工し、塗工部8を形成する。
【0016】
第2ポンプ6は、第2タンク7に蓄積されている第2塗工液をダイ10に圧送し、ダイ10は、その前端部にある第2吐出口70,74,78から第2塗工液をウエブWの塗工部8の両側(エッジ)に塗工し、エッジ塗工部11を形成する。
【0017】
これにより、図2に示すように、ウエブWには、塗工部8と非塗工部9とが交互に形成され、さらに塗工部8の両側にエッジ塗工部11を形成できる。
【0018】
(2)第1本体12
ダイ10の第1本体12について説明する。図3図5図7に示すように、第1本体12は、左右方向に長い四角柱であって、上面18は水平な平らな面で形成されている。下面20は水平な平らな面で形成されている。この下面20の前端部に続いて下傾斜面22が形成されている。下傾斜面22は、第1本体12の短手方向の断面形状において前方に行くほど狭くなるように形成されている。第1本体12の後面24は、垂直方向に平らな面で構成されている。第1本体12の左右両面は、垂直方向に平らな面で構成されている。
【0019】
図3図5図7に示すように、第1本体12の上面18の前端部と下傾斜面22の前端部が交わる位置には、下リップ部26が形成されている。この下リップ部26は左右方向に長い直方体であり、その前面は垂直方向に平らな面である。そして、この下リップ部26は、第1本体12の前端部から前方に突出した唇のようになっている。
【0020】
図3図5に示すように、第1本体12の上面18には、左右方向に長い凹部である液溜め部38が形成されている。液溜め部38は、平面形状が長方形であって第1本体12の上面18の中央部に設けられている。液溜め部38の左右方向における中央部の底面には第1塗工液が供給される供給口44が形成され、この供給口44は、下面20を上下方向に貫通している。液溜め部38の前方に位置する上面18と下リップ部26の上面を合わせて本明細書では「ランド面」40という。
【0021】
図3に示すように、第1本体12における液溜め部38の外周部の位置には、複数のボルト孔92が上下方向に貫通している。
【0022】
(3)第2本体14
ダイ10の第2本体14について説明する。図3図5図7に示すように、第2本体14は、左右方向に長い四角柱であって、左右方向の寸法に関しては第1本体12と同じ寸法で形成されている。第2本体14の下面30は、水平な平らな面で形成されている。上面28も水平な平らな面で形成されている。この上面28の前端部に続いて上傾斜面32が形成されている。上傾斜面32は、第2本体14の短手方向の断面形状において前方に行くほど狭くなるように形成されている。第2本体14の後面34は、平らな面で形成されている。第2本体14の左右両面は、平らな面で構成されている。
【0023】
図3図5に示すように、上傾斜面32と下面30が交わる位置には、上リップ部36が形成されている。この上リップ部36は左右方向に長い直方体であり、その前面は垂直方向に平らな面である。そして、上リップ部36は、第2本体14の前端部から前方に唇のように突出した状態となっている。
【0024】
第1本体12の複数のボルト孔92の位置に対応して、第2本体14には複数のボルト孔96が上下方向に貫通している。
【0025】
図3図5図7に示すように第2本体14の上傾斜面32には、複数の凹部80が幅方向に沿って所定間隔毎に設けられている。この凹部80が設けられている位置は、ウエブWに非塗工部9を形成する位置に対応している。凹部80の底面82は平らな水平面に形成されている。この凹部80の底面82の後部にはボルト孔96が上下方向に貫通し、底面82の前部には第2塗工液を注入するための注入孔84が上下方向に貫通している。また、この凹部80に対応する第2本体14の下面30には、後から説明するピン60が嵌め込まれるピン凹部86が形成されている。
【0026】
図7に示すように、凹部80の底面82の注入孔84には、第2ポンプ6から送り込まれる第2塗工液を注入するためのノズル88の下端部が差し込まれている。このノズル88から送り出された第2塗工液は注入孔84を通り、第2本体14の下面30から供給される。
【0027】
(4)シム16
ダイ10のシム16について説明する。図4図5図7に示すように、シム16は、厚み寸法aの金属板より形成され、後片46、左片48、右片50が一体に形成されている。
【0028】
後片46は、平面形状が長方形であり、液溜め部38の後方にある上面18に配される。
【0029】
左片48は、平面形状が長方形であり、後片46の左端部からランド面40の後端部まで吐出方向に延び、液溜め部38の左側の上面に配されている。
【0030】
右片50は、平面形状が長方形であり、後片46の右端部からランド面40の後端部まで吐出方向に延び、液溜め部38の右側の上面18に配されている。
【0031】
第1本体12の複数のボルト孔92に位置に対応して、シム16には、複数のボルト孔94が貫通している。
【0032】
(5)閉塞片52
図4図5図6に示すように、ダイ10は、n個(n=>1、図4図5では5個)よりなる閉塞片52と、n個の閉塞片52の左右両側に配される左閉塞片54と右閉塞片56を有している。シム16とは別体であり、また、閉塞片52と左閉塞片54と右閉塞片56の厚み寸法は、シム16と同じaである。
【0033】
図6図7図8に示すように、閉塞片52は、平面形状が吐出方向に長い長方形であり、ランド面40に所定間隔e毎に配されている。閉塞片52は、長方形の金属板より形成され、閉塞片52の中の閉塞部67の幅寸法dは非塗工部9の幅寸法Dと対応するように形成されている。閉塞部67については、後から説明する。また、閉塞片52の前後方向の長さはランド面40の前後方向(吐出方向)の長さと同じ寸法に形成されている。この閉塞片52には、2個のピン孔58が上下方向に貫通し、このピン孔58は、平面視で長方形の閉塞片52の前部と後部に開口している。
【0034】
図4図6図7図8に示すように、ランド面40における閉塞片52を取り付ける位置には、ピン60が突出している。このピン60の位置は、隣接する閉塞片52の間隔eがウエブWの塗工部8の幅寸法Eと対応するように、ランド面40に予め埋設しておく。また、ピン60は、閉塞片52の2個のピン孔58と対応するように前後方向に2個突出している。また、第1本体12の複数のボルト孔92に位置に対応して、閉塞片52にはボルト孔61が貫通している。
【0035】
図6図7図8に示すように、閉塞片52の上面、すなわち、第2本体14が被さる面には、受け口66が皿状に窪んでいる。この受け口66は、上記で説明した第2塗工液が注入される注入孔84の位置に対応し、注入孔84から第2塗工液を受けるものでる。受け口66の深さは、閉塞片52の厚み寸法aより小さい。
【0036】
図6図8に示すように、受け口66の左前側から、閉塞片52の左側部の縁部に沿って第2塗工液が流れる左流通溝68が前後方向に刻設されている。この左流通溝68の前端部は、閉塞片52の前面に開口し、第2塗工液が吐出される第2吐出口70となる。左流通溝68の深さは、閉塞片52の厚み寸法aより小さい。また、左流通溝68と連通する第2吐出口70の位置は、右側に隣接する第1吐出口42の近傍になるように形成し、塗工を行った場合に、第2吐出口70から吐出された第2塗工液の塗工部分(エッジ塗工部11)が、一定の間隔を開けて、第1吐出口42から吐出された第1塗工液の塗工部分(塗工部8)の右側のエッジ部分になるようにする。
【0037】
図6図8に示すように、受け口66の右前側からは、閉塞片52の右側部の縁部に沿って第2塗工液が流れる右流通溝72が前後方向に刻設されている。この右流通溝72の前端部は、閉塞片52の前面に開口し、第2塗工液が吐出される第2吐出口74となる。右流通溝72の深さは、閉塞片52の厚み寸法aより小さい。また、右流通溝72と連通する第2吐出口74の位置は、左側に隣接する第1吐出口42の近傍になるように形成し、塗工を行った場合に、第2吐出口74から吐出された第2塗工液の塗工部分(エッジ塗工部11)が、一定の間隔を開けて、第1吐出口42から吐出された第1塗工液の塗工部分(塗工部8)の左側のエッジ部分になるようにする。
【0038】
そして、図6図8に示すように、左側の第2吐出口70の幅寸法と、右側の第2吐出口74の幅寸法とは同じであり、以下ではその第2吐出口70,74の幅寸法をfとする。
【0039】
図6図7図8に示すように、閉塞片52の上面の左流通溝68と右流通溝72との間は閉塞部67を構成している。この閉塞部67が、ウエブWの非塗工部9の位置に対応する。この閉塞部67の幅寸法dは、非塗工部9の幅寸法Dに対応して形成される。
【0040】
図8に示すように、左閉塞片54は、平面形状が幅方向に長い長方形であり、左片48の前方にあるランド面40の左側部に配されている。左閉塞片54は、その角部の内側に4個のピン孔が貫通し、ランド面40の左端部には4個のピン62が突出し、この4個のピン62に左閉塞片54のピン孔を嵌め込むことにより、左閉塞片54を位置決めしてランド面40に固定できる。また、第1本体12の複数のボルト孔92に位置に対応して、左閉塞片54にはボルト孔64が貫通している。
【0041】
図8に示すように、左閉塞片54の左側部の前後方向のほぼ中央部には、第2塗工液を受ける受け口76が皿状に窪んでいる。この受け口76が窪んでいる位置は、第2本体14の最も左側にある凹部80の注入孔84の位置に対応している。この受け口76の前部から前方に向かって第2塗工液が流れる流通溝77が前後方向に刻設されている。この流通溝77の前端部は、左閉塞片54の前面で開口し、この開口部が、第2塗工液が吐出される第2吐出口78となる。この第2吐出口78の幅寸法は、第2吐出口70と第2吐出口74の幅寸法fと同じである。
【0042】
図4図5に示すように、右閉塞片56は、平面形状が幅方向に長い長方形であり、右片50の前方にあるランド面40の右側部に配されている。右閉塞片56は、左閉塞片54と左右対称の構造を有し、第2塗工液を受ける受け口76と、第2塗工液が流れる流通溝77と、第2塗工液が吐出される第2吐出口78と、ボルト孔64を有し、その角部の内側に4個のピン孔が貫通している。ランド面40の右端部からは4個のピン62が突出し、この4個のピン62に右閉塞片56のピン孔を嵌め込むことにより、右閉塞片56を位置決めしてランド面40に固定できる。
【0043】
(6)ダイ10の組み立て方法
次に、ダイ10の組み立て方法について図3図7を参照して説明する。
【0044】
第1に、図4図5に示すように、第1本体12の上面18にシム16を組み付ける。この場合には、シム16の後片46は液溜め部38の後方にある上面18に配し、左片48は液溜め部38の左側にある上面18に配し、右片50は液溜め部38の右側にある上面18に配する。
【0045】
シム16と独立している閉塞片52はそれぞれピン60が突出している位置に取り付ける。このときにランド面40の2個のピン60に、閉塞片52の2個のピン孔58,58を嵌め込んで位置決めして固定する。
【0046】
左閉塞片54は、左片48の前方にあるランド面40の左端部に配する。このときにランド面40の4個のピン62に左閉塞片54の4個のピン孔をそれぞれ嵌め込んで位置決めして固定する。
【0047】
右閉塞片56は、右片50の前方にあるランド面40の右端部に配する。このときにランド面40の4個のピン62に右閉塞片56の4個のピン孔をそれぞれ嵌め込んで位置決めして固定する。
【0048】
第2に、図5図6に示すように、第1本体12とシム16の上に第2本体14を配して、図3に示すように、複数のボルト90により一体に締結する。なお、複数のボルト90は、第2本体14の複数のボルト孔96、シム16の複数のボルト孔94、第1本体12の複数のボルト孔92の順番に螺合して締結する。すると、第1本体12の前端部の下リップ部26と、第2本体14の前端部の上リップ部36とにより、ダイ10の前端部から唇のように突出したリップ部分が形成される。このときに、ピン62とピン64がシム16から少し突出しているが、第2本体14の下面30には、ピン凹部86が形成されているため、このピン凹部86にピン62とピン64が嵌まり、シム16の上に第2本体14を安定して載置できる。
【0049】
(7)塗工装置1の動作状態
次に、塗工装置1の動作状態について図1図2図7を参照して説明する。
【0050】
図1に示すように、図1に示すように、モータ3によって一定の回転速度でバックアップロール2が回転し、その後周面で抱きかかえたウエブWを下から上へ一定速度で走行する。
【0051】
第1ポンプ4は、第1タンク5に蓄積されている第1塗工液をダイ10の供給口44に圧送する。ダイ10に圧送された第1塗工液は、液溜め部38で左右に拡がり、図8に示すように、閉塞片52と隣接する閉塞片52との間の流通路57を通り、リップ部分の前面にある第1吐出口42からウエブWに塗工され、ストライプ状の塗工部8を形成する。このストライプ塗工をする場合に、隣接する閉塞片52,52の間の寸法eが、塗工部8の幅寸法Eに対応する。
【0052】
また、それぞれの閉塞片52の閉塞部67が設けられている位置は、ウエブWの非塗工部9となる。
【0053】
一方、第2ポンプ6は、第2タンク7に蓄積されている第2塗工液をダイ10の複数あるノズル88に供給する。それぞれのノズル88は、第2塗工液を、注入孔84を通して閉塞片52の受け口66に送る。受け口66に至った第2塗工液は、左流通溝68と右流通溝72を通って第2吐出口70と第2吐出口74から吐出され、エッジ塗工部11を形成する。このエッジ塗工部11を形成する位置は、塗工部8の左右両側(エッジ部分)であり、塗工部8とは一定の間隔を空けて形成されている。すなわち、第2吐出口70と第2吐出口74とは、第1吐出口42の近傍にあるため、塗工部8の両側近傍にエッジを形成するようにエッジ塗工部11を形成できる。
【0054】
さらに、左閉塞片54と右閉塞片56の受け口76,76にも第2塗工液が供給され、それぞれ流通溝77,77を通り、第2吐出口78,78から吐出され、ウエブWの最も左右両側にある塗工部8の左側部と右側部にエッジ塗工部11を形成できる。そして、これらエッジ塗工部11は、第2吐出口70、第2吐出口74、第2吐出口78,78の幅寸法fが同じであるため全て同じ塗工幅寸法Fで、かつ、同じ塗工厚さで形成できる。
【0055】
なお、ウエブWに形成される6個の塗工部8の幅寸法Eと非塗工部9の幅寸法Dとエッジ塗工部11の幅寸法Fとは予め判明している。しかし、実際には非塗工部9の幅寸法Dと閉塞部67の幅寸法d、塗工部8の幅寸法Eと隣接する閉塞片52,52の間隔eと、エッジ塗工部11の幅寸法Fと第2吐出口70、第2吐出口74、第2吐出口78,78の幅寸法fは完全に一致しない。そのため、予め実験を行い、非塗工部9の幅寸法Dと塗工部8の幅寸法Eとエッジ塗工部11の幅寸法Fが得られるように、閉塞部67の幅寸法dと閉塞片52,52の間隔eと第2吐出口70、第2吐出口74、第2吐出口78,78の幅寸法fを求めておく。
【0056】
これにより、ウエブWには、図2に示すように、幅寸法Eの塗工部8の左右両側に幅寸法Fのエッジ塗工部11が形成され、エッジ塗工部11,11を有する塗工部8と幅寸法Dの非塗工部9が交互にストライプ塗工ができる。
【0057】
(8)効果
本実施形態によれば、ウエブWに塗工部8と非塗工部9とを交互にストライプ塗工する場合であっても、その塗工部8の左右両側にエッジ塗工部11を形成できる。
【0058】
(9)変更例
上記実施形態1では、図8に示すように塗工部8の左右両側部に設けるエッジ塗工部11,11を塗工部8と間隔を開けて塗工したが、これに限らず、図9に示すように塗工部8の左右両側部にエッジ塗工部11,11を接触させて塗工してもよい。
【実施形態2】
【0059】
次に、実施形態2の塗工装置100のダイ110について図10図17を参照して説明する。上記実施形態1においては、ウエブWに一層の塗工液をストライプ塗工する塗工装置1であったが、本実施形態の塗工装置100は、ウエブWに二層の塗工液を積層してストライプ塗工するものである。
【0060】
(1)塗工装置100
塗工装置100の構造について図10を参照して説明する。塗工装置100は、モータ103によって一定の回転速度で回転するバックアップロール102、第1塗工液の第1ポンプ104と第1タンク105、第2塗工液の第2ポンプ106と第2タンク107、第3塗工液の第3ポンプ108と第3タンク109、第4塗工液の第4ポンプ111と第4タンク113、ダイ110を有している。
【0061】
図10に示すようにバックアップロール102は、ウエブWを抱き抱えて下から上へ上下方向(搬送方向)に一定速度で走行させる。
【0062】
図10に示すようにダイ110は、バックアップロール102の後方に水平方向(横向き)に配されている。ダイ110は、第1本体112と、第1本体112の上に配された第1シム118と、第1シム118の上に配された第2本体114と、第2本体114の上に配された第2シム120と、第2シム120の上に配され第3本体116とを有している。そして、図12に示すように、第1本体112と第1シム118と第2本体114とは、複数の下ボルト156で固定され、第2本体114と第2シム120と第3本体116とは、複数の上ボルト158で固定されている。
【0063】
図10に示すように第1ポンプ104は、第1タンク105に蓄積されている第1塗工液をダイ110に圧送し、ダイ110は、その前端部にある第1吐出口421から第1塗工液をウエブWにストライプ塗工し、図17に示すように第1塗工部201を形成する。
【0064】
図10に示すように第2ポンプ106は、第2タンク107に蓄積されている第2塗工液をダイ110に圧送し、ダイ110は、その前端部にある第2吐出口701,741から第2塗工液をウエブWの第1塗工部201の左右両側(エッジ)に塗工し、図17に示すように第1エッジ塗工部202,203を形成する。
【0065】
図10に示すように第3ポンプ108は、第3タンク109に蓄積されている第3塗工液をダイ110に圧送し、ダイ110は、その前端部にある第3吐出口422から第3塗工液をウエブWにストライプ塗工し、図16図17に示すように第1塗工部201の上に第2塗工部211をそれぞれ形成する。
【0066】
第4ポンプ111は、第4タンク113に蓄積されている第4塗工液をダイ110に圧送し、ダイ110は、その前端部にある第4吐出口702,742から第4塗工液をウエブWの第2塗工部211の左右両側(エッジ)に塗工し、図16図17に示すように第1エッジ塗工部202,203の上に第2エッジ塗工部212,213をそれぞれ形成する。
【0067】
(2)第1本体112
ダイ110の第1本体112は、図11に示すように、左右方向に長い四角柱であって、上面と下面が平面であり、前面の下部は垂直な面であり、前面の上部は短手方向の断面形状において前方に行くほど狭くなるように形成されている。第1本体112の上面には、第1液溜め部122が設けられ、第1液溜め部122の左右方向の中央部に第1塗工液を供給する第1供給口126が設けられている(図10参照)。この第1供給口126には、第1本体112の下面から第1塗工液が供給される。図11に示すように、第1本体112における第1液溜め部122の前部には、平らで水平な第1ランド面401が形成されている。
【0068】
図11図12に示すように、第1本体112の前面にある下傾斜面130には、所定間隔毎に第1凹部132が設けられている。この第1凹部132が設けられている位置は、ウエブWにストライプ塗工を行う場合の非塗工部220に対応する部分である。この第1凹部132には、実施形態1と同様に第1注入口134とポルト孔136が設けられ、第1注入口134には、第2塗工液を注入するための第1ノズル138が設けられている。
【0069】
(3)第2本体114
ダイ110の第2本体114は、図11に示すように、左右方向に長い三角柱であって、上面と下面が平面であり、短手方向の断面形状において前部は前方に行くほど狭くなるように形成されている。第2本体114の上面には、第2液溜め部124が設けられ、第2液溜め部124にも第2塗工液を供給する第2供給口128が設けられている。この第2供給口128は、第2本体114の後面に延びて、その後面から第2塗工液が供給される(図10参照)。図11に示すように、第2本体114における第2液溜め部124の前部には、平らで水平な第2ランド面402が形成されている。
【0070】
(4)第3本体116
ダイ110の第3本体116は、図11に示すように、左右方向に長い四角柱であって、下面が平面であり、短手方向の断面形状において上面から続く前面は前方に行くほど狭くなるように形成されている。
【0071】
図11図12に示すように、第3本体116の前面にある上傾斜面140には、所定間隔毎に第2凹部142が設けられている。この第2凹部142が設けられている位置は、ウエブWにストライプ塗工する場合の非塗工部220の位置に対応している。第2凹部142には、第2注入口144とボルト孔146が設けられている。第2凹部142には、第4塗工液を第2注入口144に注入するための第2ノズル148が設けられている。
【0072】
(5)第1シム118と第1閉塞片521
第1シム118は、図11に示すように、第1本体112の上面と第2本体114の下面との間に挟まれている。第1シム118は、金属板よりなり、第1液溜め部122の後方の上面に配される第1後片と、第1液溜め部122の左右両側の上面に配される第1左片、第1右片を有している。
【0073】
ダイ110は、図11図12に示すように、複数の第1閉塞片521を有し、これら第1閉塞片521は、第1液溜め部122の前方に位置する第1本体112の第1ランド面401にピン601で固定されている。複数の第1閉塞片521の左右両側の第1ランド面401にはそれぞれ第1左閉塞片541と第1右閉塞片561が配されている。
【0074】
第1閉塞片521の下面には、図14に示すように、受け口661、左流通溝681とそれに連通した第2吐出口701と、右流通溝721とそれに連通した第2吐出口741とを有している。左流通溝681と右流通溝721との間には、閉塞部671が形成されている。この第1閉塞片521の構造は実施形態1の閉塞片52と同様である。
【0075】
第1左閉塞片541と第1右閉塞片561にも、それぞれ受け口、流通溝が設けられている。この構造は実施形態1の左閉塞片54と右閉塞片56と同様である。
【0076】
第1閉塞片521の受け口661と第1左閉塞片541と第1右閉塞片561の受け口は、第1本体12の第1ノズル138の第1注入口134に対応した位置に設けられている。
【0077】
(6)第2シム120と第2閉塞片522
第2シム120は、図11図12に示すように、第2本体114の上面と第3本体116の下面との間に挟まれている。第2シム120は、金属板よりなり、第2液溜め部124の後方の上面に配される第2後片と、第2液溜め部124の左右両側の上面に配される第2左片、第2右片とを有している。
【0078】
ダイ110は、図11図12に示すように、複数の第2閉塞片522を有し、これら第2閉塞片522は、第2液溜め部124の前方に位置する第2本体114の第2ランド面402にピン602で固定されている。複数の第2閉塞片522の左右両側の第2ランド面402には、第2左閉塞片542と第2右閉塞片562が配されている。
【0079】
第2閉塞片522の上面には、図15に示すように、受け口662、左流通溝682とそれに連通した第4吐出口702と、右流通溝721とそれに連通した第4吐出口742とを有している。左流通溝682と右流通溝722との間には、閉塞部672が形成されている。この第2閉塞片522の構造は実施形態1の閉塞片52と同様である。
【0080】
第2左閉塞片542と第2右閉塞片562にも、それぞれ受け口、流通溝、第4吐出口が設けられている。この構造は実施形態1の左閉塞片54と右閉塞片56と同様である。
【0081】
第2閉塞片522の受け口662と、第2左閉塞片542と第2右閉塞片562の受け口は、第3本体116の第2ノズル148の第2注入口144に対応した位置に設けられている。
【0082】
(7)塗工装置100
塗工装置100について図10を参照して説明する。モータ103によって一定速度で回転するバックアップロール102は、ウエブWを後周面で抱きかかえて下から上に走行させる。二層のストライプ塗工を行うダイ110は、バックアップロール102の後方に水平方向(横向き)に配されている。
【0083】
ウエブWの一層目に第1塗工部201として塗工される第1塗工液を、第1タンク105から第1ポンプ104によって、ダイ110の第1液溜め部122に圧送する。
【0084】
ウエブWの一層目に第1エッジ塗工部202,203として塗工される第2塗工液を、第2タンク107から第2ポンプ106によって、ダイ110の第1閉塞片521と第1左閉塞片541と第1右閉塞片561に圧送する。
【0085】
ウエブWの二層目に第2塗工部211として塗工される第3塗工液を、第3タンク109から第3ポンプ108によって、ダイ110の第2液溜め部124に圧送する。
【0086】
ウエブWの二層目に第2エッジ塗工部212,213として塗工される第4塗工液を、第4タンク113から第4ポンプ111によって、ダイ110の第2閉塞片522と第2左閉塞片542と第2右閉塞片562に圧送する。
【0087】
第1塗工液は、第1液溜め部122で左右に拡がり、隣接する第1閉塞片521,521の間を通り、ダイ110の前端部にある第1吐出口421からウエブWに塗工され一層目の第1塗工部201を塗工する。一方、第1閉塞片521の閉塞部671の位置は第1塗工液が塗工されず非塗工部220となる。
【0088】
第2塗工液は、第1閉塞片521の受け口661から左流通溝681と右流通溝721を通り、第2吐出口701と第2吐出口741から吐出され、第1塗工部201の左右両側にそれぞれエッジ塗工部として塗工される。また、第1左閉塞片541、第1右閉塞片561の受け口から流通溝を通り、第2吐出口から吐出され、最も左右に位置する第1塗工部201の左右両側にそれぞれエッジ塗工部として塗工される。
【0089】
第3塗工液は、第2液溜め部124で左右に拡がり、隣接する第2閉塞片522の間を通り、ダイ110の前端部にある第3吐出口422からウエブWの一層目の第1塗工部201の上に二層目の第2塗工部211として塗工される。一方、第2閉塞片522の閉塞部672の位置は第3塗工液が塗工されず非塗工部220となる。この非塗工部220は、第1閉塞片521の閉塞部671で形成される非塗工部220と同じ位置、同じ幅である。
【0090】
第4塗工液は、第2閉塞片522の受け口662から左流通溝682と右流通溝722を通り、第4吐出口702と第4吐出口742から吐出され、第2塗工部211の左右両側にそれぞれエッジ塗工部として塗工される。また、第2左閉塞片542、第2右閉塞片562の受け口から流通溝を通り、第4吐出口から吐出され、ウエブWの一層目の第1エッジ塗工部202,203の上に二層目の第2エッジ塗工部212,213として塗工される。
【0091】
(8)効果
本実施形態によれば、図17に示すように第1塗工部201と第2塗工部211を積層してストライプ塗工する場合に、第1塗工部201と第2塗工部211にそれぞれ第1エッジ塗工部202,203と第2エッジ塗工部212,213とを積層して塗工できる。
【0092】
(9)変更例
上記実施形態2では、図17に示すように第1塗工部201と第2塗工部211を積層してストライプ塗工する場合に、第1塗工部201と第2塗工部211にそれぞれ第1エッジ塗工部202,203と第2エッジ塗工部212,213とを間隔を開けて積層したが、これに限らず図18に示すように、第1塗工部201と第2塗工部211にそれぞれ第1エッジ塗工部202,203と第2エッジ塗工部212,213とを間隔を開けないで積層してもよい。
【変更例】
【0093】
上記実施形態では、下リップ部26と上リップ部36を設けたが、下リップ部26と上リップ部36を設けず、第1本体12の前端部は平らな上面18と下傾斜面22とが交差した状態でもよく、第2本体14の前端部も平らな下面30と上傾斜面32が交差した状態であってもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、ウエブWにストライプ塗工する塗工部8の幅は幅方向において全て同じであったが、それぞれ異なる幅で塗工部8を形成してもよい。この場合には、この異なる塗工部8の幅に合わせて、複数の閉塞片52の配置位置を設定する。
【0095】
また、上記実施形態では、ウエブWにストライプ塗工する塗工部8の左右両側にエッジ塗工部を形成したが、これに限らず、左右どちらか一方のみにエッジ塗工部を形成してもよい。このときには閉塞片52の受け口66の左右両側に流通溝を設けるのでなく、一方のみ流通溝を設ける。
【0096】
また、上記実施形態では、シム16と複数の閉塞片52は別体であったが、これに代えて、シム16の後片46から櫛歯状に一体に突出していてもよい。
【0097】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
10・・・ダイ、12・・・第1本体、14・・・第2本体、16・・・シム、18・・・上面、20・・・下面、38・・・液溜め部、40・・・ランド面、42・・・第1吐出口、46・・・後片、48・・・左片、50・・・右片、52・・・閉塞片、54・・・左閉塞片、56・・・右閉塞片、66・・・受け口、68・・・左流通溝、70・・・第2吐出口、72・・・右流通溝、74・・・第2吐出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18