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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106139
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
A63F7/02 337
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010275
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】神門 徹也
(72)【発明者】
【氏名】山田 將貴
(72)【発明者】
【氏名】間瀬 順一
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB30
(57)【要約】
【課題】システムダウンした場合の使い勝手を損なう虞を低減したまま、営業時間外で発行された記録媒体による不正に適切に対応する。
【解決手段】管理装置6と発行端末(遊技機装置2a,2b、POS端末28、自販機POS端末50、島端計数機57)との接続状態がオフラインで発行された記録媒体(一般カード62やレシート58)であるオフライン券に、営業時間内及び営業時間外のうち何れの発行であるかを区別可能な発行時刻を対応付け、営業時間内及び営業時間外のうち何れの発行であるかに応じて互いに異なる処理を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が獲得した獲得価値が対応付けられた記録媒体を発行する発行手段と、
前記発行手段から前記記録媒体が発行されたことに応じて当該記録媒体の発行に関する発行情報を管理する管理手段と、
前記発行手段から発行された前記記録媒体を受付けた場合に受付処理を行う受付手段と、
前記管理手段と前記発行手段との接続状態がオフラインで発行された前記記録媒体であるオフライン媒体に、営業時間内及び営業時間外のうち何れの発行であるかを区別可能な識別情報を対応付ける対応付け手段と、
営業時間内の発行を示す前記識別情報が対応付けられた前記オフライン媒体である第1記録媒体と、営業時間外の発行を示す前記識別情報が対応付けられた前記オフライン媒体である第2記録媒体とに関する処理である媒体処理を可能とする記録媒体処理手段と、を備え、
前記媒体処理は、前記第1記録媒体が受付けられた場合に行われる第1媒体処理と、前記第2記録媒体が受付けられた場合に行われる第2媒体処理とを区分可能であり、
前記記録媒体処理手段は、前記第1媒体処理と、前記第2媒体処理とで互いに異なる前記媒体処理を行う遊技場用システム。
【請求項2】
前記識別情報は、前記記録媒体の発行時刻を特定可能であり、前記発行時刻と、予め設定される基準時刻とを比較可能であることから営業時間内及び営業時間外のうち何れの発行であるかを区別可能な情報である請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記第1媒体処理は、受付けた前記記録媒体に対応付けられた前記獲得価値を対価として使用する使用処理を行うための処理である一方、前記第2媒体処理は、前記使用処理を抑制した上で受付けた第2記録媒体を返却するための処理である請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
前記第2媒体処理は、前記第2記録媒体を返却する時点における前記接続状態がオンラインであっても、その返却する第2記録媒体が再度受付けられた場合に、前記使用処理が再度抑制されるように前記第2記録媒体を返却するための処理である請求項3に記載した遊技場用システム。
【請求項5】
前記受付手段は、前記使用処理として前記獲得価値を景品と交換するための景品交換処理を行う第1受付手段と、前記使用処理として前記景品交換処理を行わない第2受付手段とを含み、
前記第1受付手段は、前記第1記録媒体及び前記第2記録媒体の何れを受付けた場合であっても、前記接続状態がオンラインで発行された記録媒体では必要とならない特別な認証処理を、前記景品交換処理を行うために必要とし、
前記第2受付手段は、前記第1記録媒体を受付けた場合に前記第1媒体処理を行う一方、前記第2記録媒体を受付けた場合に前記第2媒体処理を行う請求項3に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では遊技者が獲得した獲得価値が対応付けられた記録媒体を発行し、その記録媒体を受付けることにより景品交換のような精算処理を行っている。この場合、記録媒体の受付けに応じて不正がないか否かを確認するために管理装置に問合わせるが、発行端末と管理装置との接続状態がオフラインで発行された所謂オフライン券は、記録媒体の発行に関する発行情報を管理装置にて管理することができない。したがって、例えば特許文献1に示されるようにオペレータの許容操作を待って上記した精算処理のような獲得価値を取扱う処理を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-246110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、オフラインとなる理由はシステムダウンによることが多く、その理由が不正でないことから比較的簡素な許容操作により、或いは許容操作を伴うことなく獲得価値を取扱うことで、仮にシステムダウンしても円滑に営業を行えるようにする遊技場も少なくない。一方で、遊技場では従業員による不正も少なくなく、システムの状況に目を付けて以下のような不正を目論む従業員もいる。即ち、例えば開店処理前のオフラインで遊技島から不正に遊技価値を抜取り、計数処理を行ってオフライン券を発行する。しかしながら、このまま開店処理前に精算処理を行っては不正が目立つため、開店処理後の営業開始を待って精算処理を行う。そうすることで上記のような比較的簡素な許容操作により、或いは許容操作を行うことなく不正に獲得価値を取扱うことが可能となる。
【0005】
このような不正は精算処理に限らず、例えば所謂再プレイ機能や、新たな計数処理を行う場合に発行済みの記録媒体を受付けて計数した獲得価値と統合する機能を有する発行端末にて、オフライン券を受付けて新たな記録媒体を発行すれば、オンラインで発行された正常な記録媒体となり、より不正し易くなるといったように他の処理を行う端末にも及ぶ。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、システムダウンした場合の使い勝手を損なう虞を低減したまま、営業時間外で発行された記録媒体による不正に適切に対応することが可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明は、遊技者が獲得した獲得価値が対応付けられた記録媒体(例えば一般カード62、レシート58)を発行する発行手段(例えば遊技機装置2a,2b、POS端末28、自販機POS端末50、島端計数機57)と、前記発行手段から前記記録媒体が発行されたことに応じて当該記録媒体の発行に関する発行情報を管理する管理手段(例えば管理装置6)と、前記発行手段から発行された前記記録媒体を受付けた場合に受付処理を行う受付手段(例えば遊技機装置2a,2b、POS端末28、自販機POS端末50、島端計数機57)と、前記管理手段と前記発行手段との接続状態がオフラインで発行された前記記録媒体であるオフライン媒体に、営業時間内及び営業時間外のうち何れの発行であるかを区別可能な識別情報(例えば発行時刻)を対応付ける対応付け手段(例えば遊技機装置2a,2b、POS端末28、自販機POS端末50、島端計数機57)と、営業時間内の発行を示す前記識別情報が対応付けられた前記オフライン媒体である第1記録媒体と、営業時間外の発行を示す前記識別情報が対応付けられた前記オフライン媒体である第2記録媒体とに関する処理である媒体処理を可能とする記録媒体処理手段(例えば遊技機装置2a,2b、POS端末28、自販機POS端末50、島端計数機57)と、を備え、前記媒体処理は、前記第1記録媒体が受付けられた場合に行われる第1媒体処理と、前記第2記録媒体が受付けられた場合に行われる第2媒体処理とを区分可能であり、前記記録媒体処理手段は、前記第1媒体処理と、前記第2媒体処理とで互いに異なる前記媒体処理を行う。
【0008】
このような構成によれば、管理手段と発行手段との接続状態がオフラインで発行されたオフライン媒体に、営業時間内及び営業時間外のうち何れの発行であるかを区別可能な識別情報を対応付け、営業時間内の発行を示す識別情報が対応付けられた第1記録媒体が受付けられた場合に行われる第1媒体処理と、営業時間外の発行を示す識別情報が対応付けられた第2記録媒体が受付けられた場合に行われる第2媒体処理とで互いに異なる媒体処理を行うようにしたので、システムダウンした場合の使い勝手を損なう虞を低減したまま、営業時間外で発行された記録媒体による不正に適切に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を概略的に示す図
図2】景品交換カウンタの斜視図
図3】精算機の機能ブロック図
図4】POS端末の斜視図
図5】POS端末の機能ブロック図
図6】端玉レシートを示す図
図7】自販機POS端末及び自販機の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、遊技場内には多数の遊技機1a,1bが設置されており、各遊技機1aに対応して遊技機装置2a(発行手段、第2受付手段、対応付け手段、記録媒体処理手段に相当する)及び情報表示装置3aが設置されており、各遊技機1bに対応して遊技機装置2b(発行手段、第2受付手段、対応付け手段、記録媒体処理手段に相当する)及び情報表示装置3bが設置されている。遊技機1a、遊技機装置2a及び情報表示装置3aは、2台ずつ中継装置4aと接続されている。遊技機1b、遊技機装置2b及び情報表示装置3bは、2台ずつ中継装置4bと接続されている。中継装置4a,4bは、それぞれLAN5を介して管理装置6(管理手段に相当する)と接続されている。遊技機1aは貸出単価が例えば1円の所謂1円パチンコ機であり、遊技機1bは貸出単価が例えば4円の所謂4円パチンコ機である。
【0011】
管理装置6は、遊技機側(遊技機1a,1b、遊技機装置2a,2b等)から送信される遊技信号を受信して遊技機毎の遊技データを管理すると共に、会員登録されている会員毎の個人データも管理する。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1a,1bが管理装置6の管理対象となっている。管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8及びプリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技場内に設置されている遊技機1a,1b、遊技機装置2a,2b等の稼動状況を管理する。
【0012】
遊技者が遊技場で使用するカードとしては、会員カード61(図3参照)と、一般カード62(記録媒体に相当する)(図3参照)とがある。会員カード61は、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効なカードであり、予め会員登録した遊技者に対して発行される。会員カード61に対応する貯玉は、管理装置6の会員口座に貸単価毎に記憶される。会員カード61に内蔵されたICチップ61aには、当該カードを特定可能な会員IDが記録されると共に、遊技機装置2a,2bに入金された入金残高を特定可能な入金残高情報が記録される。会員カード61に対応する貯玉は、管理装置6の会員口座に貸単価毎に記憶されている貯玉を特定可能な貯玉情報が当該会員口座から読み出されることで会員カード61に対応付けられる。
【0013】
一般カード62は、当日限り有効なカードであり、不特定多数の遊技者に対して発行される。一般カード62に内蔵されたICチップ62aには、当該カードを特定可能な一般IDが記録されると共に、遊技機装置2a,2bに入金された入金残高を特定可能な入金残高情報、当日中に遊技者が遊技により獲得した持玉を特定可能な持玉情報が貸単価毎に記録される。
【0014】
遊技機1a,1bについて説明する。上記した通り遊技機1a,1bは貸出単価が異なるだけであり、基本的な構成は同等である。以下、遊技機1aについて説明するが、遊技機1bについても同等である。
【0015】
遊技機1aは、盤面9に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、上部受皿11、下部受皿12を有すると共に、盤面9に、液晶表示部13、普図入賞口14、第1始動口15、第2始動口16、大入賞口17等を有する。
【0016】
遊技機1aは、以下に示す動作を行う。
(1)第1始動口15は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口16は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。
(2)第1始動口15又は第2始動口16への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部13において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
(3)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0017】
(4)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/200で、大当りがその後確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率はヘソ入賞では50%であるのに対して電チューでは70%である。大当りが発生すると振分けられたラウンド(R)分だけ大入賞口17を開放する。ここで、Rはヘソ入賞では全てが4Rに振分けられる一方、電チューでは10Rに50%、4Rに50%振分けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0018】
(5)確変中は大当り確率が1/50に向上すると共に、第2始動口16への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる複合時短となり、大当り発生まで継続する。一方で、確変とならない通常大当りが発生した場合、100回の図柄変動が行われるまで継続する確変ではない時短(単独時短)となり、大当りが発生しなければ通常状態に戻る。
【0019】
(6)第2始動口16は普図入賞口14への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。又、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口16の入賞率が高くなる。
【0020】
このような遊技機以外に、所謂ST機のような所謂回数切りの確変を採用した遊技機、所謂天井時短を発生可能な遊技機、或いは大当り確率が複数設けられ、設定により変更可能な遊技機といった例示した遊技機以外の遊技機を管理対象としても良い。
【0021】
遊技機1a及び当該遊技機1aに付設された周辺機器は、遊技者による玉の打込みや第1始動口15や第2始動口16への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
【0022】
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)である。消費(使用、打込、回収)10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1aから出力される信号でも良い。
【0023】
セーフ信号=遊技機1aから出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。又、玉を実際に払出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払出が予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
【0024】
スタート信号=遊技機1aから出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する液晶表示部13(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に出力されるので、信号入力に応じてスタート処理を特定する。尚、始動入賞時に出力されるS入賞信号にて代用しても良い。
【0025】
大当り信号=遊技機1aから出力される大当り期間を特定可能な信号である。大当り中にレベル出力される状態信号なので、大当り信号入力中を大当り中として特定する。
特別状態信号=遊技機1aから出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口16の入賞率が向上する特別状態中(時短中(複合時短含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。尚、大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であっても良い。又、大当り信号と特別状態信号の何れも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0026】
遊技機装置2a,2bについて説明する。遊技機装置2aは各台計数機能を有する装置であり、遊技機装置2bは各台計数機能を有しない装置である。以下、遊技機装置2aについて説明するが、遊技機装置2bについても各台計数機能を有しない点(後述する計数受皿25を備えない点等)を除いて遊技機装置2aと同等である。
【0027】
遊技機装置2aは、遊技機1aの遊技状態や遊技機装置2aの状態を示す状態表示灯18、紙幣が投入される紙幣投入口19、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラを内蔵しているカメラ部20(図1では保護カバーのみを図示)、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部21、玉を払出すために操作される払出ボタン22、払出された玉が通過する払出ノズル23、会員カード61や一般カード62が挿入されるカード挿入口24、遊技機1aの下部受皿12の下方に位置する着脱可能な計数受皿25等を有する。
【0028】
遊技機装置2aは、以下に示す動作を行う。
(1)貨幣を受付ける(貨幣受付処理)と、遊技機1aと遊技機装置2aの双方に入金額が表示されると共に貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)が遊技機1aから払出され(対価付与処理、付与処理)、その対価付与処理に応じて入金額の表示が貸出玉の対価を除いた入金残高の表示となる。貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば10000円まで)。
【0029】
(2)入金残高がある状態で遊技機1aの貸出ボタンを押下(貸出操作、付与操作)すると、貸出1単位分の貸出玉が遊技機1aから払出され、その対価分を入金残高から引落とす。遊技者が獲得した獲得玉を計数し、その計数した獲得玉を対価として再度玉を払戻すこと(獲得価値を対価として使用する使用処理)も可能で、その払戻し分の対価を除いた玉数を持玉として特定可能である。
【0030】
(3)入金残高や持玉が残存する状態で遊技機1aの返却ボタンを押下(発行操作を受付)すると、入金残高や持玉を特定可能な一般カード62を発行する。この場合、一般カード62に対しては発行下限値(所定の発行下限情報により示される遊技価値の大きさ、一般カード62の購入対価分を想定した例えば500円に対応する玉数であり、1円パチンコであれば500玉)が設定されており、入金残高が「0」であるときには、持玉数が発行下限値に達していることを発行条件とする。即ち、一般カード62や会員カード61が挿入されておらず、入金残高が「0」でなければ、持玉数が発行下限値に達しているか否かに関係なくカードストック部から一般カード62を繰り出して発行するが、入金残高が「0」であれば、持玉数が発行下限値に達していれば発行する一方、持玉数が発行下限値に達していなければ発行しない(発行を禁止する)。又、一般カード62が挿入されており、入金残高が「0」でなければ、持玉数が発行下限値に達しているか否かに関係なく当該挿入されている一般カード62を発行するが、入金残高が「0」であれば、持玉数が発行下限値に達していれば発行する一方、持玉数が発行下限値に達していなければ発行しない(発行を禁止する)。会員カード61に対しては発行下限値が設定されておらず、会員カード61が挿入されていれば、入金残高が「0」であるか否かに関係なく当該挿入されている会員カード61を発行する。尚、入金残高や持玉の一部を発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可としたが、可能としても良い。
【0031】
(4)中継装置4aとのシリアル通信(売上信号の受信)により貨幣受付処理や対価付与処理、入金残高や貸出玉数、入金額や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、計数玉、持玉、払戻玉、及び一般カード62の受付や発行処理を特定可能であるが、これらはパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)でも特定可能である。
【0032】
遊技場には、従業員を介することなく遊技者による入金残高の精算や景品交換の操作を可能とするセルフ交換方式が導入されている。遊技場内の一角には、図2に示すような景品交換カウンタ26が設置されていると共に、景品交換カウンタ26に隣接し、後述する図7に示すような自販機POS端末50(発行手段、第2受付手段、対応付け手段、記録媒体処理手段に相当する)及び自販機51が設置されている。尚、これ以降、景品交換カウンタ26をセルフカウンタと称する場合がある。景品交換カウンタ26は、会員カード61や一般カード62を受付け、入金残高情報に基づいて貨幣を払出す精算処理、貯玉情報や持玉情報に基づいて景品を交換する交換処理(獲得価値を対価として使用する使用処理、景品交換処理)、交換処理で交換対象となった景品を遊技者に対して払出す景品払出処理を実行するためのものであり、精算機27、POS端末28(発行手段、第1受付手段、対応付け手段、記録媒体処理手段に相当する)、景品払出機29、端玉景品コーナー30を併設して構成されている。本実施形態の場合、POS端末28及び景品払出機29は一つの筐体31に収納されて一体的に構成されていると共に、筐体31上に端玉景品コーナー30が配置されて構成されている。尚、図1に示すように、精算機27、POS端末28、景品払出機29及び自販機POS端末50は、LAN5を介して管理装置6と接続されている。又、精算機27とPOS端末28とはデータ通信可能に直接接続され、POS端末28と景品払出機29とはデータ通信可能に直接接続されている。
【0033】
精算機27は、タッチパネル式の液晶表示部32、カード挿入口33、紙幣返却口34、硬貨返却口35等を有する。図3に示すように、精算機27は、電気的な構成として、CPU36a、ROM36b、RAM36c、I/O36dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部36、制御部36と接続されている液晶表示部32、液晶表示部32上に配置されたタッチパネル37、紙幣返却口34に紙幣を払出す紙幣払出部38、硬貨返却口35に硬貨を払出す硬貨払出部39、精算機27の状態や異常を報知するための報知ランプ部40、カード挿入口33に挿入された会員カード61や一般カード62から各種情報を読取るためのカードR/W41、カードR/W41に位置する一般カード62を回収するストック部42、管理装置6及びPOS端末28との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部43等を含んで構成されている。紙幣返却口34には紙幣、カード挿入口33には各種カードの抜取りを検知するセンサが各々設けられている。この場合、会員カード61や一般カード62は、カード挿入口33に挿入されることで各種情報が読取られる。
【0034】
精算機27は、会員カード61がカード挿入口33に挿入されたことで会員カード61を受付けると、暗証番号の入力を遊技者に要求し、入力された暗証番号の照合結果が正であったことを条件として、その挿入された会員カード61に記録されている入金残高情報を読取り、その読取った入金残高情報により特定される入金残高を液晶表示部32にて表示すると共に、その挿入された会員カード61に対応する貯玉情報を管理装置6の会員口座から取得して記憶する。
【0035】
その後、精算機27は、その受付けた会員カード61をカード挿入口33から排出し、会員カード61がカード挿入口33から抜取られたことを条件として、入金残高に対応する貨幣を紙幣返却口34や硬貨返却口35から払出す精算処理を実行する。精算機27は、その挿入された会員カード61に対応付けて記憶した貯玉情報により特定される貯玉数が所定数以上であれば、その払出した紙幣が紙幣返却口34から抜取られたことを条件として、貯玉情報をPOS端末28に送信する送信処理を実行する。尚、精算機27は、会員カード61に対応付けて記録されている入金残高を取扱うときは、管理装置6により会員カード61に対応して予め記憶している入金残高と照合した上で処理する。
【0036】
精算機27は、一般カード62がカード挿入口33に挿入されたことで一般カード62を受付けると、その挿入された一般カード62に対応付けて記録されている入金残高情報及び持玉情報を読取り、その読取った入金残高情報により特定される入金残高を液晶表示部32にて表示する。精算機27は、入金残高に対応する貨幣を紙幣返却口34や硬貨返却口35から払出す精算処理を実行する。
【0037】
その後、精算機27は、その読取った持玉情報により特定される持玉数が所定数以上であれば、その払出した紙幣が紙幣返却口34から抜取られたことを条件として、貯玉情報をPOS端末28に送信する送信処理を実行する。尚、精算機27は、一般カード62に対応付けて記録されている入金残高や持玉を取扱うときは、管理装置6により一般カード62に対応して予め記憶している入金残高や持玉と照合した上で処理する。
【0038】
尚、本実施形態では、紙幣の抜取りを検知するセンサが紙幣返却口34に設けられることで、紙幣の抜取りを検知したことを条件として次の操作に進む場合を例示しているが、硬貨の抜取りを検知するセンサが硬貨返却口35に設けられることで、紙幣及び硬貨の抜取りを検知したことを条件として次の操作に進む構成としても良い。又、紙幣の抜取りを検知することに対し、硬貨の抜取りを検知することが比較的困難であれば、硬貨の払出し後から所定期間が経過したことを条件として次の操作に進む構成としても良い。
【0039】
図4に示すように、POS端末28は、従業員向けのタッチパネル式の液晶表示部44と、遊技者向けのタッチパネル式の液晶表示部45とを備えている。POS端末28は、従業員が景品交換操作を行う所謂有人POSと、遊技者が景品交換操作を行う所謂セルフPOSとの両方に対応しており、例えば従業員が従業員ICカードによる従業員認証を行うことでセルフPOSの運用から有人POSの運用に移行する。POS端末28は、セルフPOSの運用では遊技者が液晶表示部45にて景品交換操作を行うことに応じて景品交換処理を実行し、有人POSの運用では従業員が液晶表示部44にて景品交換操作を行うことに応じて景品交換処理を実行する。
【0040】
POS端末28は、一般カード62や後述する島端計数機から発行されたレシート58(図1参照)(記録媒体に相当する)を受付可能であり、遊技価値を景品と交換するための景品交換処理を行い、その景品交換を行わなかった場合や残玉が生じた場合に、所謂保留券としてのレシートを発行したり、再プレイを希望する場合には一般カード62を発行したりする。
【0041】
図5に示すように、POS端末28は、電気的な構成として、CPU46a、ROM46b、RAM46c、I/O46dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部46、制御部46と接続されている液晶表示部44,45、会員カード61から情報を読取るためのICカードリーダ47、管理装置6、精算機27、景品払出機29との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部48を含んで構成されている。この場合、会員カード61は、ICカードリーダ47にタッチされることで各種情報が読取られる。会員カード61とICカードリーダ47とのデータ通信は、例えばFeliCa(登録商標)にて例示される近距離無線通信により行われる。
【0042】
POS端末28は、精算機27から貯玉情報や持玉情報を受信すると、その貯玉情報や持玉情報により特定される貯玉数や持玉数(有価価値情報)に基づいて特殊景品の種類及び個数を特定し、その特定した特殊景品の種類及び個数を特定可能な払出指示を景品払出機29に送信し、特殊景品の払出しを指示する。
【0043】
景品払出機29は、筐体31の図示しない景品ストック部に複数種類の特殊景品を収納しており、POS端末28から払出指示を受信すると、その受信した払出指示に応じた種類及び個数の特殊景品を自動的に払出し、交換処理で交換対象となった景品を遊技者に対して払出す景品払出処理を実行する。特殊景品はICチップを内蔵した樹脂製カードであり、5000円、1000円、200円の3種類がある。ここで、景品払出機29は、払出した景品が取出されたかを検知するセンサが設けられており、取出された旨を検知するとPOS端末28や精算機27に対してその旨を示す信号を出力可能である。
【0044】
又、景品払出機29は、セルフ交換方式の一般カード62に対応する余り玉の処理方法として遊技者が端玉バイキングを選択すると、図6に示す端玉レシート49を発券する。端玉レシート49には、利用可能なポイント数(余り玉に対応したポイント数であり、図6では38ポイントを例示)が印刷されている。端玉レシート49が発券されると、遊技者は、その端玉レシート49に印刷されているポイント数に応じた端玉景品を端玉景品コーナー30からバイキング形式で獲得することができる。
【0045】
図7に示すように、自販機POS端末50と自販機51とは並んで設置されており、データ通信可能に直接接続されている。自販機POS端末50は、タッチパネル式の液晶表示部52、カード挿入口53等を有する。この場合、一般カード62は、カード挿入口53に挿入されることで各種情報が読取られる。自販機POS端末50は、一般カード62がカード挿入口53に挿入されたことで一般カード62を受付けると、その挿入された一般カード62に記録されている持玉情報を読取り、その読取った持玉情報の対価が景品の最低単価以上であり、景品交換可能であれば、その旨を示す交換許容情報を自販機51に送信する。自販機POS端末50は、受付けた一般カード62に持玉が残っていれば、受付けた一般カード62をカード挿入口53から返却する。
【0046】
自販機51は、内部に複数種類の景品(図7では例えば飲料を例示している)を保管し、その保管している景品を取扱景品表示部54にて視認可能に整列して展示しており、景品毎に選択ボタン55が設けられ、選択ボタン55にLEDが設けられている。自販機51は、自販機POS端末50から交換許容情報を受信すると、例えば交換可能な景品に対応する選択ボタン55のLEDを点灯させて景品の選択を遊技者に促す。遊技者が何れかの選択ボタン55を押下すると、その選択された景品を景品払出口56から払出し、その旨を示す交換情報を自販機POS端末50に送信する。自販機POS端末50は、自販機51から交換情報を受信すると、払出された分の対価を持玉情報から差引き、一般カード62に対応付けて記録されている持玉情報を更新する(獲得価値を対価として使用する使用処理)。
【0047】
尚、自販機51は、主に外部のベンダーが管理する自販機であり、図7では景品として飲料を例示したが、飲料だけでなく、菓子類、雑誌、フィギュア等の様々な景品に対応可能であり、端玉景品コーナー30に陳列されている景品と比較して高価な景品が対象となる。又、自販機51は、現金での販売は不可となっている。本実施形態では、セルフカウンタにて発行される余り玉分の一般カード62を受付可能であるが、例えば遊技中の遊技者に対して飲料を提供するサービスに対応するといった遊技機装置2から発行された一般カード62により景品交換するといった利用方法も想定することができる。
【0048】
遊技場内には、景品交換カウンタ26、自販機POS端末50及び自販機51に加え、上記した各台計数機能を有しない遊技機装置2bに対応する遊技機1bにて獲得された獲得玉を計数するための島端計数機57(図1参照)(発行手段、第2受付手段、対応付け手段、記録媒体処理手段に相当する)も設置されている。
【0049】
島端計数機57は、状態を示すためのLEDからなる状態表示部、従業員ICカードが翳されている状態で当該従業員ICカードに記憶されている担当者IDを読取るICカードリーダ、閉鎖位置と開放位置との間でスライド移動されるスライドカバー、計数結果等の各種情報を表示する表示機能及び従業員や遊技者からの操作入力を受付ける入力受付機能を有するタッチパネル式の液晶表示部、一般カード62を受付けるカード挿入口、各種情報が印字されたレシート58を発行するレシート発行口等を備える。レシート58に印字された情報には、例えば遊技場名、発行日時、計数結果、交換可能景品、計数誤差結果、遊技機番号、従業員ID等が含まれる。
【0050】
島端計数機57は、従業員が従業員ICカードをICカードリーダに翳すことで従業員の認証処理が行われ、スライドカバーのロックが解除されてスライド移動されることにより図示しない投入容器が開放されると、計数可能な状態となる。従業員又は遊技者が獲得玉を投入容器に投入すると、獲得玉が計数センサにより計数される。島端計数機57は、遊技機装置2a,2b等で別途発行された一般カード62を受付可能であり、一般カード62を受付けると、計数した遊技価値と統合した計数値を示す再プレイ用の一般カード62やレシート58を発行可能である。
【0051】
上記したように遊技場内では、遊技機装置2a,2b、POS端末28、自販機POS端末50、島端計数機57が、一般カード62やレシート58を発行する発行端末として機能すると共に、一般カード62やレシート58を受付ける受付端末としても機能する。以降の説明では、一般カード62やレシート58を記録媒体、記録媒体を発行する端末を発行端末、記録媒体を受付ける端末を受付端末と称して説明する。
【0052】
発行端末は、記録媒体を発行する場合に管理装置6との接続状態がオンラインであれば、発行対象の記録媒体のIDや発行玉数等の発行情報を管理装置6へ送信する。一方、発行端末は、記録媒体を発行する場合に管理装置6との接続状態がオフラインであれば、オフラインである旨を記録媒体に記録するが、オフライン中に発行対象となった記録媒体の発行情報を管理しておき、オンライン復旧時に当該発行情報を管理装置6へ送信し、管理装置6にて管理可能とする。尚、オンラインとは、発行端末と管理装置6とがデータ通信可能な状態であることを意味し、オフラインとは、例えばシステムダウンにより発行端末と管理装置6とがデータ通信不能な状態であることを意味する。
【0053】
発行端末は、記録媒体を発行した場合に発行時刻を記録媒体に記録する(営業時間内及び営業時間外のうち何れの発行であるかを区別可能な識別情報を対応付ける)。尚、発行時刻を記録媒体に記録しなくとも上記した発行情報に発行時刻を対応付けて、発行端末やオンライン復旧後に管理装置6等で確認可能としても良い。
【0054】
POS端末28が有人POSの運用にて記録媒体を受付けた場合には、管理装置6へ発行情報を問合わせ、記録媒体に対応付けられている獲得価値に異常がないか否かを確認する。この場合、記録媒体がオフラインで発行されたオフライン券(オフライン媒体)である場合、POS端末28の起動時や担当者交代時に認証した従業員IDにより異なるメッセージ表示や処理を行う。即ち、オフライン券を取扱可能な従業員の場合は、受付けた記録媒体がオフライン券である旨を表示し、獲得価値を取込むか否かの選択釦を表示する一方、オフライン券を取扱不能な従業員の場合は、オフライン券を取扱可能な従業員に交代する旨を表示し、上記した獲得価値を取込むか否かの選択釦を表示せずに当該受付けた記録媒体を返却する。オフライン券を取扱可能な従業員は、例えばマネージャや主任クラスの従業員であり、例えば管理装置6のモニタ8にて所定の担当者権限設定画面を表示する等して任意に設定可能である。尚、POS端末28にてオフライン券を取扱可能な従業員だけで処理可能とするか、そのような区分を設けないかを設定可能とする。同様に、オフライン券の発行が開店前であるか否かにより受付処理を区別するか否かも設定可能とする。
【0055】
認証した従業員がオフライン券を取扱不能な従業員であることにより記録媒体を返却した場合は、オフライン券を取扱可能な従業員に交代する認証処理(オンラインで発行された記録媒体では必要とならない特別な認証処理)を行った上で、認証した従業員がオフライン券を取扱可能な従業員である場合と同様に、上記した獲得価値を取込むか否かの選択釦を表示する。尚、記録媒体を返却した場合でもオフラインである旨の識別情報は記録したまま保持する。保留券や再プレイ用の一般カードの発行時も同様である。
【0056】
POS端末28がセルフPOSの運用にて記録媒体を受付けた場合には、エラー状態となり、従業員を呼出して記録媒体を返却し、POS端末28の運用をセルフPOSから有人POSへ切替えた上で上記した処理を行うか、別途、有人POSを設けている場合には、有人POSへ移動して上記した処理を行う。又、セルフPOSも含めて交換処理を行った場合、景品交換履歴や景品セキュリティ履歴のような情報を管理装置6にて管理可能となるように交換情報を管理装置6へ送信する。景品交換履歴にはオフライン券の受付であるか否かを識別可能とし、オフライン券の受付を抽出条件として景品交換履歴を抽出可能とする。
【0057】
島端計数機57、遊技機装置2a,2b、自販機POS端末50にてオフライン券を受付けた場合には、その受付けたオフライン券の発行時刻と当日の開店時刻(基準時刻)とを比較し、オフライン券の発行時刻が当日の開店時刻以前であるか否かを判定する。発行時刻が当日の開店時刻以降であれば(営業時間内の発行を示す識別情報が対応付けられたオフライン媒体である第1記録媒体であれば)、システムダウンによるオフライン券の可能性が高いため、オンライン券と同様に受付け、その受付けたオフライン券に記録されている獲得価値の使用を許容する(第1媒体処理、記録媒体に対応付けられた獲得価値を対価として使用する使用処理)。尚、オフラインである旨を表示しても良い。
【0058】
一方で、自販機POS端末50にて受付けたオフライン券の発行時刻が当日の開店時刻以前であれば(営業時間外の発行を示す識別情報が対応付けられたオフライン媒体である第2記録媒体であれば)、一般カード62を受付できない(使用処理を抑制する)旨のメッセージを表示し、一般カード62を返却(発行処理)する(第2媒体処理)。又、遊技機装置2a,2bにて受付けたオフライン券の発行時刻が当日の開店時刻以前であれば、エラー状態とし、従業員認証を条件として一般カード62を返却する(第2媒体処理)。島端計数機57にて受付けたオフライン券の発行時刻が当日の開店時刻以前であれば、計数済みの遊技価値があれば、受付けたオフライン券の返却(第2媒体処理)後に計数分の遊技価値分についてストックカードにて別途発行処理を行う。
【0059】
ここで、オフライン券を受付けた場合、エラー解除や返却する場合も含め、その後、オンラインとなっても遊技価値が増減するかに関わらずオフライン券であることを示すオフライン情報を対応付け、オフライン券としての取扱いを保持し、再度受付けた場合に同様の取扱いを行う(再度抑制される)ようにする。この場合、発行時刻が当日の開店時刻以前である場合にオフライン券として取扱う(元々の発行時刻が当日の開店時刻以前であることを特定可能とすることが望ましい)一方、開店時刻以降であればオンライン券として取扱っても良いし、その逆としても良いし、このような処理を行うことなく受付処理後にオンラインであれば全てをオンライン券として取扱っても良い。
【0060】
以上に説明したように実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
管理装置6と発行端末との接続状態がオフラインで発行されたオフライン券に、営業時間内及び営業時間外のうち何れの発行であるかを区別可能な発行時刻を対応付け、営業時間内及び営業時間外のうち何れの発行であるかに応じて互いに異なる処理を行うようにしたので、システムダウンした場合の使い勝手を損なう虞を低減したまま、営業時間外で発行された記録媒体による不正に適切に対応することが可能となる。
【0061】
識別情報が、オフライン券の発行時刻を特定可能であり、発行時刻と基準時刻(例えば開店時刻や閉店時刻)を比較可能であることから営業時間内及び営業時間外のうち何れの発行であるかを区別可能な情報であるので、記録媒体に新たな識別情報を対応付ける必要性を低減することが可能となる。
【0062】
営業時間内で発行されたオフライン券の処理は、当該オフライン券に対応付けられた獲得価値を処理する一方、営業時間外で発行されたオフライン券の処理は、対応する獲得価値の処理を抑制した上で返却するようにしたので、システムダウンした場合の復旧時の使い勝手を保持したまま、営業時間外で発行されたオフライン券については使用不能とすることで不正による遊技場の損失を抑えることが可能となる。
【0063】
営業時間外で発行されたオフライン券を返却した場合、返却時にオンラインであっても返却したオフライン券を再度受付けた場合には、やはり返却対象とするので、返却時にオンライン状態であってもオフライン券としての対応を維持することが可能となる。
【0064】
POS端末28では、営業時間外及び営業時間内のうち何れで発行されたオフライン券であれば、オンライン券で必要とならない特別な認証処理が対応する獲得価値を処理するために必要である一方、島端計数機57、遊技機装置2a,2b、自販機POS端末50では、営業時間内で発行されたオフライン券であるか営業時間外で発行されたオフライン券であるかにより互いに異なる処理を行うようにしたので、営業時間内のオフラインが仮にシステムダウン以外の不正によるものである場合、島端計数機57や遊技機装置2a,2bや自販機POS端末50では使い勝手を優先して食い止めることは難しいが、景品交換では認証処理が必要なため、当該認証処理に応じた確認により不正を未然に防止することが可能となる。
【0065】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張したり、各変形例を上記した実施形態と組み合わせたり各変形例を組み合わせたりしてどのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
【0066】
営業時間内及び営業時間外のうち何れの発行であるかを区別可能な識別情報として発行時刻を例示したが、識別情報としては基準時刻を含んでも良いし、含まなくとも良い。
営業時間外であるか否かを当日の開店時刻以前であるか否かにより判定したが、例えば発行時刻が閉店時刻から開店時刻までであるか否かにより判定しても良いし、時刻によらず発行端末が営業モードであるか否かにより営業時間外であるか否かを判定し、その判定結果を記録媒体に対応付けるといった方法にて営業時間外であるか否かを特定しても良く、営業時間外であるか否かを識別できれば必ずしも例示した構成に限定する必要はない。
【0067】
獲得価値の処理の抑制として獲得価値の取込を禁止することを例示したが、例えば獲得価値の基準値(例えば500玉)を設け、その基準値に達していれば取込禁止するが、達していなければ取込むことや、再プレイのような遊技価値の使用は禁止する一方、数量は確認可能とするといったように取込自体は禁止しないが、使用は禁止するといったように利用用途に応じて取込可能としても良く、獲得価値の処理を抑制すれば全ての取込や使用を必ずしも禁止しなくとも良い。
【0068】
POS端末28ではオフライン券であるか否かの区別しか例示しなかったが、例えば営業時間内で発行されたオフライン券であれば、従業員の区別に関わらず、或いはセルフPOSの運用であっても景品交換処理を可能とする一方、営業時間外で発行されたオフライン券であれば、例えばPOS端末28の起動時や担当者交代時に認証した従業員IDにより異なるメッセージ表示や処理を行うといった構成としても良い。
【0069】
営業時間外で発行されたオフライン券を返却することを例示したが、営業時間外で発行された旨を報知するか否かで異なる処理としても良い。この場合、返却せずに例えば従業員認証により使用可能とすることや、そのような従業員認証を行うことなく報知画面を確認するだけで使用可能としても不正者に注意を促す面で有効である。
【0070】
例示した条件等の設定情報は、予め設定されていれば遊技場の管理者が任意に設定しても、予め管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)の管理サーバからダウンロードして設定しても良い。
遊技機1a,1bとしてパチンコ機、遊技媒体として玉を例示したが、これに限定されない。遊技媒体としてメダルを用いるスロットマシンに適用することもできる。
【0071】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。又、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
以上と超過についてはどちらを採用しても良く「達した」等の表現は以上となったこと、或いは超過したことの何れにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
発行端末や受付端末が行う処理の一部或いは全部を管理装置6、遊技機装置2a,2b、情報表示装置3a,3b、中継装置4a,4b等にて行っても良いし、管理装置6が行う処理の一部或いは全部を発行端末や受付端末にて行っても良い。
【符号の説明】
【0072】
図面中、1a,1bは遊技機、2a,2bは遊技機装置(発行手段、第2受付手段、対応付け手段、記録媒体処理手段)、6は管理装置(管理手段)、28はPOS端末(発行手段、第1受付手段、対応付け手段、記録媒体処理手段)、50は自販機POS端末(発行手段、第2受付手段、対応付け手段、記録媒体処理手段)、57は島端計数機(発行手段、第2受付手段、対応付け手段、記録媒体処理手段)、58はレシート(記録媒体)、62は一般カード(記録媒体)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7