(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106143
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】制御システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
B64U 10/13 20230101AFI20240731BHJP
G09F 21/06 20060101ALI20240731BHJP
B64U 101/24 20230101ALN20240731BHJP
【FI】
B64U10/13
G09F21/06
B64U101:24
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010281
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】松本 光一
(72)【発明者】
【氏名】山口 敦子
(72)【発明者】
【氏名】川上 元太
(72)【発明者】
【氏名】菊地 泰二
(72)【発明者】
【氏名】宮口 涼
(72)【発明者】
【氏名】二村 龍太郎
(57)【要約】
【課題】ドローンを用いて、視認性よく情報表示を行うことが可能な制御システムを提供すること。
【解決手段】本開示にかかる制御システム200は、空間内を移動可能なドローンと、ドローンを制御する制御装置100とで構成される。ドローンは、空間内の所定の位置において表示を行う表示部と、表示部の表示方向と略反対側の方向である背面方向の照度を検出する照度センサと、を有する。制御装置100は、照度が閾値以上である場合、ドローンを所定の位置とは異なる位置に移動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間内を移動可能なドローンと、前記ドローンを制御する制御装置とで構成される制御システムであって、
前記ドローンは、
前記空間内の所定の位置において表示を行う表示部と、
前記表示部の表示方向と略反対側の方向である背面方向の照度を検出する照度センサと、を有し、
前記制御装置は、
前記照度が閾値以上である場合、前記ドローンを前記所定の位置とは異なる位置に移動させる
制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、複数の前記ドローンを制御し、複数の前記ドローンの少なくとも一つで検出される前記照度に基づいて、複数の前記ドローン間の距離を変更するように、複数の前記ドローンを移動させる
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記照度センサは、前記背面方向であって前記表示部の表示面に略直交する方向に指向性を有する
請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項4】
空間内を移動可能なドローンと、前記ドローンを制御する制御装置とで構成される制御システムであって、
前記ドローンは、
前記空間内の所定の位置において表示を行う表示部と、
前記表示部の表示方向と略反対側の方向である背面方向の照度を検出する照度センサと、
前記背面方向を撮影し、被写体の色を検出する色センサと、を有し、
前記制御装置は、
前記照度又は前記被写体の色に基づいて、前記表示部の表示輝度及び表示色の少なくとも一方を制御する
制御システム。
【請求項5】
空間内を移動可能なドローンを制御する制御装置が行う制御方法であって、
前記ドローンは、
前記空間内の所定の位置において表示を行う表示部と、
前記表示部の表示方向と略反対側の方向である背面方向の照度を検出する照度センサと、を有し、
前記制御装置は、
前記照度が閾値以上である場合、前記ドローンを前記所定の位置とは異なる位置に移動させる
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空間内を飛行する飛行体を用いて、広告などの情報を表示させる技術が知られている。関連する技術として、例えば、特許文献1は、店内通路を飛行しながら、各売場に分散している多数の顧客に商品や催し物等の広告を行う飛行式店内広告システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、LED(Light Emission Diode)などを用いた表示パネルを備えるドローンが上空を飛行し、地上の対象者に対して広告表示を行うとする。時間帯や天候によっては、対象者からみて表示パネルの背後に太陽が位置し、表示パネルが逆光状態となることがある。このような場合、対象者から広告の内容が見えにくくなるので、対象者に対して情報を適切に伝えることができない。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、ドローンを用いて、視認性よく情報表示を行うことが可能な制御システム及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる制御システムは、
空間内を移動可能なドローンと、前記ドローンを制御する制御装置とで構成される制御システムであって、
前記ドローンは、
前記空間内の所定の位置において表示を行う表示部と、
前記表示部の表示方向と略反対側の方向である背面方向の照度を検出する照度センサと、を有し、
前記制御装置は、
前記照度が閾値以上である場合、前記ドローンを前記所定の位置とは異なる位置に移動させるものである。
【0007】
本開示にかかる制御システムは、
空間内を移動可能なドローンと、前記ドローンを制御する制御装置とで構成される制御システムであって、
前記ドローンは、
前記空間内の所定の位置において表示を行う表示部と、
前記表示部の表示方向と略反対側の方向である背面方向の照度を検出する照度センサと、
前記背面方向を撮影し、被写体の色を検出する色センサと、を有し、
前記制御装置は、
前記照度又は前記被写体の色に基づいて、前記表示部の表示輝度及び表示色の少なくとも一方を制御するものである。
【0008】
本開示にかかる制御方法は、
空間内を移動可能なドローンを制御する制御装置が行う制御方法であって、
前記ドローンは、
前記空間内の所定の位置において表示を行う表示部と、
前記表示部の表示方向と略反対側の方向である背面方向の照度を検出する照度センサと、を有し、
前記制御装置は、
前記照度が閾値以上である場合、前記ドローンを前記所定の位置とは異なる位置に移動させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示にかかる制御システム及び制御方法は、ドローンを用いて、視認性よく情報表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1にかかる制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1にかかるドローンの外観を示す図である。
【
図3】実施形態1にかかるドローンの内部構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態1にかかる照度センサの取付方法の一例を示す図である。
【
図5】実施形態1にかかる照度センサの取付方法の別の例を示す図である。
【
図6】実施形態1にかかる制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】実施形態1にかかる複数のドローンが構成するドローン編隊の一例を示す図である。
【
図8】実施形態1にかかるドローン編隊が表示する情報の一例を示す図である。
【
図9】実施形態1にかかる制御システムが行う制御処理を示すシーケンス図である。
【
図10】実施形態2にかかる制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図11】実施形態2にかかる制御システムが行う処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されている。説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0012】
<実施形態1>
まず、
図1を参照して、実施形態1にかかる制御システム200について説明する。
図1は、本実施形態にかかる制御システム200の構成を示すブロック図である。
【0013】
(制御システム200の構成)
制御システム200は、複数のドローンD11、D12、D13、・・・と、これらのドローンを制御する制御装置100と、を備えている。複数のドローンD11、D12、D13、・・・のそれぞれと、制御装置100とは、ネットワークNを介して接続されている。ここで、ネットワークNは、有線又は無線の通信回線である。ネットワークNは、例えば、パーソナルエリアネットワーク、メッシュネットワーク、3G、4G、5Gなどの移動体通信網、インターネット、公衆電話回線網、又は衛星通信網などを用いて構成されてよい。
【0014】
複数のドローンD11、D12、D13、・・・のそれぞれは、例えば、空間内を自律的に飛行することが可能なドローンである。ドローンに代えて、他の移動体が用いられてもよい。例えば、航空機などの飛行体が用いられてもよい。また、本実施形態では、移動対象となる空間が大気中である例を用いて説明を行うが、移動対象となる空間は、地上や水中などであってもよい。
【0015】
複数のドローンD11、D12、D13、・・・のそれぞれの構成は同等のものであるので、以下では、複数のドローンD11、D12、D13、・・・のそれぞれを、単に、「ドローンD」と称して説明する場合がある。なお、ドローンDの数は3つに限定されない。
【0016】
(ドローンDの構成)
続いて、
図2~
図5を参照して、ドローンDの構成について説明する。初めに、
図2を参照して、ドローンDの外観を説明する。
図2は、ドローンDの外観を示す図である。
【0017】
図に示されるように、ドローンDは、本体部35、プロペラ部30、及び表示パネル20を備えている。ドローンDは、本体部35に取り付けられたプロペラ部30の回転により、上昇、下降、左右の旋回、前進及び後進を行うことが可能に構成されている。これにより、ドローンDは、空間内を移動する。なお、プロペラ部30の数は、4つに限定されない。
【0018】
本実施形態では、空間内を移動するための移動手段として、プロペラ部30を用いているが、移動手段はこれに限定されない。移動手段は、ドローンの形態に応じて、例えば、地表、水面、又は水中などを移動するための駆動機構であってよい。
【0019】
表示パネル20は、情報を表示するための表示部である。表示パネル20は、ドローンDが位置する空間内の所定の位置において表示を行う。表示パネル20は、4箇所の発光部20a~20dを有している。発光部20a~20dは、1枚の表示面を形成する。これにより、表示パネル20は、平面状に構成されている。発光部の数は4つに限定されない。例えば表示パネル20は、1つの発光部のみを有してもよい。
【0020】
発光部20a~20dのそれぞれは、例えば、LED、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)、又は無機ELなどで構成され得る。発光部20a~20dは、一体として構成されてもよいし、それぞれが取り外し可能に構成されてもよい。
【0021】
なお、本実施形態では、図に示されるような平面状の表示パネル20の例を用いて説明するが、表示部の形態はこれに限られない。表示部として、他の形態で構成された種々の表示装置が用いられてもよい。例えば、表示パネル20は、直方体形状に構成されてもよい。
【0022】
表示パネル20は、色、画像、又は点滅などを用いて、対象者に対して表示情報を表示する。ここで、対象者は、表示を視認させる対象となる人物である。例えば、災害発生地において、制御システム200が災害発生を報知する表示を行うとする。この場合、対象者は災害発生地にいる人物である。また、例えば、制御システム200が店舗内で広告表示を行う場合、対象者は、店舗内にいる買い物客などである。これらは一例であるので、対象者はこれらに限定されない。
【0023】
4つの発光部20a~20dは、後述する表示制御部13の制御に従い、それぞれ異なる態様で表示を行うことができる。例えば、発光部20a~20dのそれぞれは、異なる色を表示することができる。また、発光部20a~20dは、異なるタイミングで点灯及び消灯を行うことができる。したがって、発光部20a~20dは、それぞれ異なるタイミングで点滅することができる。
【0024】
このようにすることで、1台のドローンDにおいて複数種類の情報を表示することができる。また、ドローンDが複数集まって編隊を構成することで、より多くの情報を表示することができる。なお、発光部20a~20dの全てが同じ表示を行ってもよいし、一部が同じ表示を行ってもよい。
【0025】
続いて、
図3を参照して、本実施形態にかかるドローンDの内部構成について説明する。
図3は、ドローンDの内部構成を示すブロック図である。図に示されるように、ドローンDは、気圧センサ1、距離センサ2、照度センサ3、無線通信部4、カメラ5、位置検出センサ6、メイン制御部10、画像処理部11、飛行制御部12、表示制御部13、表示方向制御部14、及び表示パネル20を備えている。
【0026】
ドローンD及び制御装置100は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えている。当該記憶装置には、本実施形態にかかる処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムをメモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行することができる。これにより、プロセッサは、ドローンD及び制御装置100が備える機能部の各機能を実現する。
【0027】
また、ドローンD及び制御装置100が備える機能部は、それぞれが専用のハードウエアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0028】
気圧センサ1は、周囲の気圧を検出する。これにより、ドローンDの高度を検出することができる。距離センサ2は、対象物との距離を検出する。距離センサ2は、例えば、他のドローンとの間の距離を検出する。ドローンDは、気圧センサ1及び距離センサ2での検出結果を用いて、自身の位置を調整することができる。
【0029】
照度センサ3は、ドローンDの周囲の照度を検出する。照度センサ3は、表示パネル20の背面側に設けられ得る。ここで、表示パネル20の背面側とは、発光部20a~20dが構成する表示面の反対側を示している。これにより、照度センサ3は、表示パネル20の表示方向と略反対側の方向である背面方向の照度を検出する。
【0030】
なお、本開示において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差を含む状態を示している。したがって、例えば、「表示パネル20の表示方向と略反対側の方向」は、表示パネル20の表示方向に対して厳密に180度異なる方向には限定されない。同様に、後述する「略平行」や「略直交」等についても、厳密に同一である場合のみでなく、ある程度の誤差を含む状態を示している。また逆に、例えば、単に「反対側」等と表現する場合においても、厳密な反対側のみを示すものではなく、ある程度の誤差が含まれ得る。
【0031】
(照度センサ3の取付方法)
図4を参照して、照度センサ3の取付方法について説明する。
図4は、照度センサ3の取付方法の一例を示す図である。
図4に示される右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものであり、
図5においても同様である。
【0032】
図において、z軸の正方向は鉛直上向きを示し、負方向は鉛直下向きを示している。また、z軸負方向は、表示パネル20が表示を行う表示方向Aを示している。表示方向Aの先には、対象者が存在している。なお、ここでは説明のために表示方向Aを鉛直下向きとしているが、表示方向Aは、対象者の位置に応じて適宜変更され得る。
【0033】
また、図において、表示パネル20はxy平面と平行に示されている。表示パネル20は、表示方向A側の面である表示面21と、表示面21とは反対側の面である裏面22と、を有する。図に示されるように、照度センサ3は、裏面22側に取り付けられる。これにより、照度センサ3は、表示パネル20の表示方向Aとは略反対側の方向である背面方向の照度を検出する。
【0034】
また、照度センサ3は、特定の方向に指向性を有するように構成されてもよい。例えば、照度センサ3は、表示パネル20の背面方向であって、表示パネル20の表示面に略直交する方向に指向性を有するように構成され得る。
【0035】
ここで、
図5を参照して、指向性を有するように構成された照度センサ3の例を説明する。
図5は、照度センサ3の取付方法の別の例を示す図である。この例では、照度センサ3に筒状部材40が被せられている。筒状部材40は、上部が開口している。筒状部材40の中心軸はz軸と略平行であり、半径方向はxy平面と略平行である。これにより、照度センサ3は、表示パネル20の裏面22側において、鉛直方向からの光の強度を測定することができる。言い換えれば、照度センサ3は、表示面21の反対側に指向性を有する。
【0036】
図3に戻り説明を続ける。無線通信部4は、制御装置100との間で通信を行う。無線通信部4は、無線により通信を行うための通信インタフェースであってよい。
【0037】
カメラ5は、撮影装置である。カメラ5は、例えば、カラーカメラ、又は赤外線センサなどである。カメラ5は、所定の方向に対して撮影を行う。カメラ5は、例えば、上空から地上に向けて撮影を行う。これにより、カメラ5は、地上にいる対象者を含む撮影画像を取得する。カメラ5は、取得した撮像画像を画像処理部11に送る。
【0038】
位置検出センサ6は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の技術を用いて測位を行うものであってよい。位置検出センサは、すべてのドローンに備える必要は無く、後述する基準機体にのみ備える構成としても良い。
【0039】
メイン制御部10は、ドローンDの各機能部を制御することでドローンDの動作を制御する。例えば、メイン制御部10は、気圧センサ1、距離センサ2、及び照度センサ3から、それぞれのセンサで検出されたデータ及び、画像処理部11で処理した結果の情報を取得する。また、例えばメイン制御部10は、画像処理部11、飛行制御部12、表示制御部13、及び表示方向制御部14に対して指示を行い、それぞれの機能部の処理を実行させる。
【0040】
また、メイン制御部10は、本実施形態にかかる逆光判定処理を行うための判定部として機能する。逆光判定処理は、表示パネル20が表示情報を表示した場合に、表示パネル20の表示面が逆光状態であるか否かを判定する処理である。
【0041】
逆光状態とは、表示パネル20の背面側から光が照射されることで、表示内容の視認性が低下していると想定される状態を示している。逆光状態は、光源の位置、表示パネル20の表示面、及び対象者の位置に関連して生じ得る。光源は、例えば太陽光である。光源は、蛍光灯などであってもよい。
【0042】
例えば、光源が太陽光であり、地上の対象者から上空のドローンDの表示パネル20を見るとする。表示パネル20の背面側に太陽が位置する場合、表示パネル20の表示面が、対象者からみて逆光状態となる。このような場合、表示パネル20に表示される表示情報の視認性が低下する。
【0043】
メイン制御部10は、照度センサ3で検出された照度を取得し、当該照度に基づいて、表示パネル20の表示面が逆光状態であるか否かを判定する。具体的には、まず、メイン制御部10は、表示パネル20の表示方向と略反対側の方向である背面方向の照度を照度センサ3から取得する。次に、メイン制御部10は、取得した照度と所定の閾値とを比較する。取得した照度が閾値以上の場合、メイン制御部10は、表示面が逆光状態であると判定する。この場合、メイン制御部10は、制御装置100に対し、表示面が逆光状態である旨を逆光通知として通知する。
【0044】
また、表示面が逆光状態にある場合、メイン制御部10は、現在位置から修正後位置へ移動するための移動指示を制御装置100から受信する。修正後位置は、表示面が逆光状態とならない場所にドローンDを移動させるために、初期の指定位置から修正された位置を示している。
【0045】
メイン制御部10は、制御装置100の移動指示に従い、飛行制御部12を介してドローンDを移動させる。例えばメイン制御部10は、移動指示を受信する前の指定位置から、移動指示で指定された修正後位置へと、ドローンDを移動させる。これによりドローンDは、現在位置とは異なる位置に移動する。
【0046】
画像処理部11は、カメラ5で撮影された画像に対して画像処理を行う。画像処理部11は、周知の画像認識技術などを用いて画像処理を行い得る。画像処理部11は、撮影画像から対象者を抽出する。
【0047】
飛行制御部12は、ドローンDの飛行を制御する。例えば飛行制御部12は、ドローンDの前進、方向転換、上昇、及び下降などの動作を制御する。飛行制御部12は、画像処理部11で抽出された対象者を追尾するようにドローンDの飛行を制御してもよい。
【0048】
表示制御部13は、表示パネル20の表示を制御する。例えば、表示制御部13は、表示パネル20が備える発光部20a~20dの点灯及び消灯をそれぞれ制御する。これにより、表示制御部13は、発光部20a~20dのそれぞれが異なる情報を表示するように制御する。
【0049】
表示方向制御部14は、表示パネル20の表示方向を制御する。表示方向制御部14は、表示パネル20の角度を変更することで、表示パネル20の向きを変える。これにより、表示方向制御部14は表示方向を変更することができる。例えば、表示方向制御部14は、図示しない駆動部を用いて表示パネル20の向きを変更する。当該駆動部は、表示パネル20を傾斜させることが可能に構成される。
【0050】
表示方向制御部14は、表示パネル20が、画像処理部11で特定された対象者の方向を向くように、表示パネル20の表示方向を制御してもよい。または、表示方向制御部14は、無線機器を持った対象者を特定し、表示パネル20の表示方向を制御してもよい。
【0051】
表示パネル20は、
図2を用いて説明したように、表示情報を表示するための表示部である。表示パネル20は、空間内の所定の位置において表示を行う。上述したように、表示パネル20は発光部20a~20dを有しており、発光部20a~20dは表示面を形成する。
【0052】
(制御装置100の構成)
続いて、制御装置100について説明する。制御装置100は、ドローンDを制御する制御装置である。制御装置100は、例えば、PC(Personal Computer)などの情報処理装置で構成され得る。
【0053】
図6を参照して、制御装置100の構成について説明する。
図6は、制御装置100の構成を示すブロック図である。図に示されるように、制御装置100は、情報取得部101、修正後位置算出部102、無線通信部104、及びドローン制御部110を備えている。
【0054】
情報取得部101は、複数のドローンD11、D12、D13、・・・のそれぞれから情報を取得する。例えば、情報取得部101は、各ドローンDの位置情報を取得する。また情報取得部101は、各ドローンDに設けられた照度センサ3で測定された照度を取得する。情報取得部101は、対象者の位置情報を各ドローンから取得してもよい。情報取得部101は、各ドローンで撮影された画像を取得してもよい。
【0055】
修正後位置算出部102は、ドローンDの位置を修正するための修正後位置を算出する。修正後位置算出部102は、表示パネル20の表示面が逆光状態にあると判定された場合、表示パネル20の表示面が逆光状態とならない位置を修正後位置として算出する。例えば、対象者を中心として所定の角度ずれた位置を修正後位置として算出しても良いし、現状のドローンの位置に対し所定の距離ずれた位置を修整後位置として算出しても良い。
【0056】
修正後位置算出部102は、ドローンDから逆光通知を受信することで、逆光状態を把握する。修正後位置算出部102は、基準となる基準機体の修正後位置を算出してもよいし、複数のドローンD11、D12、D13、・・・のそれぞれに対して修正後位置を算出してもよい。
【0057】
無線通信部104は、複数のドローンD11、D12、D13、・・・との間で通信を行う。無線通信部104は、無線により通信を行うための通信インタフェースであってよい。
【0058】
ドローン制御部110は、1又は複数のドローンを制御する。本実施形態では、ドローン制御部110は、複数のドローンD11、D12、D13、・・・を制御する。ドローン制御部110は、複数のドローンD11、D12、D13、・・・を指定位置に移動して整列させることで、ドローン編隊を組むことができる。
【0059】
ここで、
図7及び
図8を参照して、ドローン編隊について説明する。
図7は、複数のドローンD11、D12、D13、・・・が構成するドローン編隊DFの一例を示す図である。また、
図8は、ドローン編隊DFが表示する情報の一例を示す図である。
【0060】
図7に示されるように、ドローン編隊DFは、複数のドローンD11、D12、D13、・・・が整列することで構成される。複数のドローンによって表示を行うため、隣接ドローン間の空間から、表示部反対側からの光が入り込み、表示パネル20の表示が見えにくくなる可能性がある。このため、本実施形態では、表示パネル20の反対側の照度が所定値を超えた場合、表示パネル20の表示面が逆光状態であると判断し、所定の処理を行う。
【0061】
ドローン編隊DFは、ドローン編隊DF全体の位置を決定するための基準となる基準機体を有している。図の例では、対象者Tから見た場合のドローン編隊DFにおいて左上端に配置されるドローンD11が基準機体である。基準機体は、制御システム200の管理者等により予め設定され得る。基準機体は左上端以外に配置されるドローンであってもよい。
【0062】
ドローン編隊DFは、各ドローンDの表示パネル20の表示面を対象者方向に向ける。図の例では、ドローン編隊DFは、対象者が位置する方向Aを表示方向として、表示パネル20の向きを調整する。
【0063】
ドローン編隊DFを構成する複数のドローンのそれぞれは、自身が備える発光部20a~20dを点灯又は消灯させる。これにより、ドローン編隊DFは、全体として1つの表示(以下、「全体表示」と称する)を構成する。全体表示は、文字や図形などの情報を含み得る。ドローン編隊DFは、所定のタイミングで点灯の態様を変化させることで、当該全体表示を変化させてもよい。
【0064】
各ドローンが備える発光部20a~20dのそれぞれは、全体表示を構成するドットのうちの1つのドットに対応する。よって、1台のドローンは、全体表示における4ドットを構成する。ドローン編隊DFは、表示面を均等にするために、各ドローンの高度を調整して編成を行ってもよい。ドローン編隊DFは、カラーで画像を表示してもよい。
【0065】
図8では、120機のドローンD11~D206が構成するドローン編隊DFが、全体として1つのメッセージを表示する例を示している。図に示されるように、ドローン編隊DFは、全体として「津波注意」の文字を表示する。図の例では、各ドローンの発光部が消灯している部分を薄い網掛けで示し、点灯している部分を濃い網掛けで示している。例えば、ドローンD11は左下の発光部が点灯しており、それ以外の3つの発光部は消灯している。
【0066】
この例のように、ドローン編隊DFは、災害時においても移動可能な空中ディスプレイとして機能することができる。また、ドローン編隊DFは、例えば、平常時は広告などの表示を行うことができる。
【0067】
ドローン制御部110は、ドローン編隊DFを移動させる場合、指定位置の情報をドローン編隊DFに送信する。ドローン制御部110は、基準機体となるドローンD11に移動指示を送信することでドローンD11の位置を指定し、他のドローンがドローンD11の位置に基づいて位置決めをするようにしてもよい。
【0068】
また、ドローン制御部110は、照度センサ3で検出される照度が閾値以上である場合、すなわち、表示パネル20の表示面が逆光状態である場合、ドローンDを異なる位置に移動させる。複数のドローンを制御する場合、ドローン制御部110は、複数のドローンの少なくとも一つで検出される照度に基づいて、複数のドローン間の距離を変更するように、複数のドローンを移動させる。例えばドローン編隊DFに対しては、ドローン制御部110は、基準機体の照度を基準として制御してもよいし、ドローン編隊DFのうち所定数の機体の照度を基準として制御してもよい。ドローン制御部110は、複数のドローンのそれぞれで検出される照度に基づいて移動を制御してもよい。
【0069】
表示面が逆光状態である場合、ドローン制御部110は、修正後位置算出部102で算出された修正後位置を含む移動指示をドローン編隊DFに送信する。これにより、ドローン編隊DFは修正後位置に移動する。このようにすることで、ドローン編隊DFの背面に太陽や月などのような光の強い光源がある場合であっても、ドローン制御部110は、表示面が逆光状態とならない位置にドローン編隊DFを移動させることができる。
【0070】
また、ドローン制御部110は、複数のドローン間の距離が小さくなるように、ドローンを移動させてもよい。例えば、ドローン制御部110は、複数のドローンD11、D12、D13、・・・が互いに接近するように制御を行う。ドローン制御部110は、各ドローンの位置を指定してもよい。または、各ドローンDが、距離センサ2を用いて互いの距離を調整してもよい。ドローン同士が互いに接近することで、ドローン間の隙間が少なくなるので、全体表示の視認性を向上させることができる。なお、ドローン制御部110は、ドローンD同士を接近させるとともに、ドローン編隊DF全体の位置を移動させてもよい。
【0071】
また、ドローン制御部110は、表示を行うために用いられる表示情報を各ドローンDに送信する。表示情報は、例えば、発光部20a~20dのうち、点灯させる発光部の情報や、点灯時間などの情報を含み得る。また、表示情報は、点灯させる発光部の発光輝度の情報を含み得る。
【0072】
ドローン制御部110は、カメラ等で対象者を特定し、表示面の角度を変更しながら対象者を追従するように、ドローン編隊DFを制御してもよい。
【0073】
以上、制御システム200が備える構成について説明した。なお、上述した制御システム200の構成は一例に過ぎず、適宜変更され得る。例えば、制御システム200の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、制御装置100の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、制御装置100がドローンDとは別個に設けられているが、制御装置100がドローンD内に設けられていてもよい。例えば、基準機体が自動的に逆光判定処理を行い、他の機体に移動指示などを行ってもよい。
【0075】
(制御システム200の処理)
続いて、
図9を参照して、制御システム200が行う処理を説明する。
図9は、制御システム200が行う制御処理を示すシーケンス図である。図に示されるように、制御装置100及びドローン編隊DFは、図に示される様々なデータの送受信を行うことで本実施形態にかかる制御処理を行う。ここでは、
図8に示されるような全体表示を行うために、ドローンD11~D206がドローン編隊DFを組む場合を想定して説明を行う。
【0076】
まず、制御装置100(ドローン制御部110)は、移動先の指定位置をドローン編隊DFに送信する(S1)。各ドローンは、編隊の左上端に配置されるドローンD11(基準機体)の高度や、ドローンD11の地図上の平面位置を基準として位置取りを行うことが可能に構成されている。制御装置100がドローンD11の位置を指定することで、各ドローンは、ドローン間距離補正と高度補正を自動で行う。図に示されるように、制御装置100は、ドローンD11の高度データ、ドローンD11の地図上平面位置データ、ドローン間の距離補正データ、及びドローン間の高度補正データをドローン編隊DFに送信する。
【0077】
次に、ドローン編隊DFは、指定位置に移動する(S2)。また、ドローン編隊DFは、指定位置へ到着すると、表示編隊へ整列する(S3)。ドローン編隊DFは、整列が完了したことを通知する到着通知を制御装置100に送信する。到着通知は、到着完了データ及び空撮カメラデータを含む。
【0078】
制御装置100(情報取得部101)は、ドローン編隊DFから到着通知を受信する(S4)。制御装置100は、対象者位置データをドローン編隊DFに送信する(S5)。対象者位置データは、対象者の地図上平面位置データを含んでいる。当該平面位置データは、例えば、基準機体であるドローンD11が対象者の位置を特定することで取得されてよい。ドローンD11は、カメラの画像などから対象者の位置を特定する。
【0079】
続いて、ドローン編隊DFは、表示パネル20の表示面が対象者の方を向くように、表示パネル20の向きを調整する(S6)。また、ドローン編隊DFは、表示パネル20が対象者からみて逆光状態にあるか否かを判定するための逆光判定処理を行う(S7)。例えば、ドローンD11が当該処理を行うとする。まずドローンD11は、表示パネル20の表示方向と略反対側の方向である背面方向の照度を照度センサ3から取得する。次に、ドローンD11は、当該照度が閾値以上であるか否かを判定する。これにより、ドローンD11は、太陽光や月光の影響で表示パネル20の表示面が逆光状態になっているか否かを判定する。
【0080】
当該照度が閾値以上である場合(S7のYES)、ドローンD11は、逆光通知データを制御装置100に送信する。逆光通知データは、表示パネル20の表示面が逆光状態であることを制御装置100に通知するためのものである。当該照度が閾値未満である場合(S7のNO)はステップS12の処理に進む。
【0081】
制御装置100(情報取得部101)は、逆光通知をドローン編隊DFから受信する(S8)。制御装置100(修正後位置算出部102)は、ドローン編隊DFを移動させるための修正後位置を算出する(S9)。制御装置100(ドローン制御部110)は、修正後移動先の修正後位置をドローン編隊DFに送信する(S10)。制御装置100は、ドローン編隊DFの基準となるドローンD11の地図上平面位置データを修正後位置として送信する。
【0082】
ドローン編隊DFは、ドローンD11の地図上平面位置データに基づいて、修正後位置へ移動する(S11)。ドローン編隊DFは、表示パネル20の表示面が対象者の方向を向くように、表示パネル20の向きを変更し、向きの変更が完了した旨を示すパネル面調整完了通知を制御装置100に送信する(S12)。
【0083】
制御装置100(情報取得部101)は、パネル面調整完了通知を受信する(S13)。制御装置100(ドローン制御部110)は、表示情報データをドローン編隊DFに送信する(S14)。表示情報データは、各ドローンがそれぞれの位置で表示を行うための表示情報を含んでいる。ドローン編隊DFは、表示情報データを受信し、情報を表示する(S15)。
【0084】
なお、上述の例では、ドローン編隊DFで逆光判定処理を行ったが、制御装置100が当該処理を行ってもよい。その場合、ドローン編隊DFが照度を制御装置100に送信することで、制御装置100は、当該照度を用いて逆光判定処理を行うことができる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態にかかる制御システム200では、ドローンが備える表示パネルの背面の照度に基づいて、表示パネルの表示面が逆光状態であるか否かを判定する。これにより、表示面が逆光状態である場合には、ドローンの位置を変更することで、逆光状態とならない場所で表示を行うことができる。また、ドローン同士の位置を接近させることで、全体表示を見やすくすることができる。このようにすることで、制御システム200は、太陽光の影響を受けやすい日中においても適切に情報を表示することができる。
【0086】
制御システム200は、表示装置のない場所へドローンを移動させ、空中に表示をすることができるので、例えば、災害時において、上空から地上の対象者に対して必要な情報表示を行うことができる。また、平常時は広告などの表示を行うことでドローンを活用することができる。
【0087】
また、制御システム200は、ドローンが備える発光部を用いて表示を行うので、表示内容を柔軟に変更することができる。また、対象者は、夜間であっても、表示内容を容易に視認することができる。
【0088】
さらに、制御システム200は、小さな複数のドローンが編隊を組むことで、全体として大きな表示をすることができるので、大きな広告を吊り下げる必要もない。また、制御システム200は、編隊の構成を適宜変更することができるので、例えば、対象者を限定しない多角面表示を行うこともできる。
【0089】
このような構成により、制御システム200は、ドローンを用いて、視認性よく情報表示を行うことができる。加えて、制御システム200では、ドローンは、カメラや赤外線センサ等で対象者を特定し、表示面の角度を変更し追従することができるので、対象者に対し、継続的に情報を表示することができる。
【0090】
なお、上述の例では、メイン制御部10が照度センサ3で検出された照度に基づいて表示パネル20の表示面が逆光状態であるか否かを判定し、逆光と判定された場合、ドローン制御部110が複数のドローン間の距離が小さくなるように制御する例を説明したが、複数のドローン間の距離が小さくなるように制御する例に限定されない。照度センサ3で検出された照度が所定値よりも低い場合に、ドローン制御部110が複数のドローン間の距離を大きくするように制御しても良い。つまり、ドローン制御部110は照度センサ3で検出された照度値に基づいて、複数のドローン間の距離を制御しても良い。照度センサ3で検出された照度が所定値よりも低い場合に、ドローン制御部110が複数のドローン間の距離を大きくするように制御することで、より広範囲の表示を行うことができる。
【0091】
<実施形態2>
続いて、実施形態2にかかる制御システム200aについて説明する。実施形態2は、実施形態1の変形例である。以下では、実施形態2と異なる点を主に説明し、重複する点は適宜省略する。
【0092】
実施形態1では、表示パネル20の表示面が逆光状態である場合、ドローンを移動させることで逆光状態を回避する例を説明した。本実施形態にかかる制御システム200aは、ドローンの背面に位置する被写体の色に基づいて、表示パネル20の表示輝度及び表示色の少なくとも一方を調整するものである。
【0093】
(制御システム200aの構成)
本実施形態にかかる制御システム200aは、複数のドローンD11、D12、D13、・・・と、これら複数のドローンを制御することが可能な制御装置100aと、を備えている。制御システム200aの構成は、
図1に示される制御システム200の制御装置100を制御装置100aと読み替えることで説明できる。また、本実施形態にかかるドローンDの構成は、
図3と同等である。よって、ここではこれらの図示を省略する。
【0094】
本実施形態にかかるドローンDは、背面方向を撮影し、被写体の色を検出する色センサを備えている。被写体の色を検出する色センサとして、
図3に示されるカメラ5を用いて説明する。色センサとしては、被写体を撮影して、被写体の色を検出することが可能な種々のセンサが用いられ得る。被写体の色は、例えば、sRGB空間上にて定義されるRGB値を用いた色情報で表され得る。
【0095】
カメラ5は、表示パネル20の背面方向を撮影し、被写体の色を検出する。被写体は、例えば、表示パネル20の背面側に位置する空や物体などである。例えば、カメラ5は、表示パネル20の背面に取り付けられて、背面方向を撮影する。なお、ドローンDは、照度センサ3とカメラ5の機能を兼ね備えた1つのセンサを備える構成であってもよい。
【0096】
(制御装置100aの構成)
続いて、
図10を参照して、本実施形態にかかる制御装置100aについて説明する。
図10は、制御装置100aの構成を示すブロック図である。
【0097】
制御装置100aは、情報取得部101、修正後表示算出部103、無線通信部104、及びドローン制御部110aを備えている。実施形態1の制御装置100と異なり、制御装置100aは、修正後位置算出部102に代えて修正後表示算出部103を備えている。
【0098】
修正後表示算出部103は、照度センサ3で検出された照度と、カメラ5で検出された被写体の色と、に基づいて、修正後表示情報を算出する。修正後表示算出部103は、照度及び被写体の色の両方を用いて、又はいずれか一方を用いて、修正後表示情報を算出し得る。
【0099】
修正後表示情報は、表示パネル20の表示輝度及び表示色の少なくとも一方を修正するための情報である。修正後表示情報は、修正後の表示輝度を示す修正後表示輝度、又は修正後の表示色を示す修正後表示色を含み得る。修正後表示情報は、修正後表示輝度及び修正後表示色の両方を含んでもよい。
【0100】
例えば、修正後表示算出部103は、照度又は被写体の色に基づいて、表示パネル20の表示輝度を修正した修正後表示輝度を算出する。例えば、修正後表示算出部103は、照度が閾値以上である場合、表示パネル20の表示輝度を大きくする。これにより、表示パネル20の表示面が逆光状態である場合、表示パネル20の視認性が向上する。修正後表示算出部103は、照度に応じて、表示輝度を小さくしてもよい。
【0101】
例えば、修正後表示算出部103は、照度Iと閾値Thとを用いて、以下のような条件により修正後表示輝度L1又はL2を算出する。ただし、L1<L2である。
【0102】
(1)I<Thの場合:L1
(2)I≧Thの場合:L2
【0103】
このようにすることで、修正後表示算出部103は、表示パネル20の背面方向の照度に応じた修正後表示輝度を算出することができる。修正後表示算出部103は、所定の時間間隔で照度を取得し、修正後表示輝度を算出してもよい。これにより、修正後表示算出部103は、ドローンの移動に応じて適切な表示輝度を算出することができる。
【0104】
なお、ここでは2段階の表示輝度を示したが、修正後表示算出部103は、さらに多くの段階を用いて表示輝度を調整してもよい。また修正後表示算出部103は、照度センサ3の測定値で表示輝度の補正値を算出し、当該補正値を用いて表示輝度を調整してもよい。
【0105】
また、ドローンDが複数の照度センサ3を備えている場合、修正後表示算出部103は、複数の照度センサ3のそれぞれで検出された照度を用いて修正後表示情報を算出してもよい。
【0106】
例えば、表示パネル20は、
図4及び
図5に示される表示面21及び裏面22の両方に、照度センサ3を設ける構成としてもよい。このようにすることで、2つの照度センサ3は、表示面21側の照度と、裏面22側の照度と、をそれぞれ検出することができる。また、2つの照度センサ3を、
図5に示される取付方法を用いて取り付けることで、表示パネル20は、表示方向Aに指向性を有する照度センサ3と、背面方向に指向性を有する照度センサ3と、を備えることができる。
【0107】
この例において、表示パネル20の裏面22に取り付けられる照度センサ3を第1照度センサ3aとし、表示面21に取り付けられる照度センサ3を第2照度センサ3bとする。修正後表示算出部103は、第1照度センサ3aで検出された照度と、第2照度センサ3bで検出された照度と、の差分を算出し、当該差分に基づいて修正後表示輝度を算出してもよい。第2照度センサ3bで検出された周辺環境の明るさも考慮することで、修正後表示算出部103は、より適切な輝度調整ができる。
【0108】
また、修正後表示算出部103は、照度又は被写体の色に基づいて、表示パネル20の表示色を修正した修正後表示色を算出してもよい。例えば、修正後表示算出部103は、表示パネル20の表示と背景にある被写体の色とで、明度差や色相差を設けるように、修正後表示色を算出する。例えば、修正後表示算出部103は、表示パネル20の表示と、背景にある被写体の色とが補色関係となるように、修正後表示色を算出する。
【0109】
ドローン制御部110aは、修正後表示算出部103で算出された修正後表示情報に基づいて、ドローンDを制御する。ドローン制御部110aは、表示パネル20の表示輝度及び表示色の少なくとも一方を制御する。
【0110】
(制御システム200aの処理)
続いて、
図11を参照して、本実施形態にかかる制御システム200aの処理を説明する。
図11は、制御システム200aが行う処理を示すシーケンス図である。ステップS1~S8の処理は、
図9に示される実施形態1の処理と同様であるので説明を省略する。
【0111】
ステップS8において逆光通知を受信すると、制御装置100a(修正後表示算出部103)は、修正後表示情報を算出する(S21)。続いて、制御装置100a(ドローン制御部110a)は、修正後表示情報データをドローン編隊DFに送信する(S22)。そして、ドローン編隊DFは、表示パネル20の表示情報を修正し(S23)、修正後の表示情報を表示する(S24)。
【0112】
なお、図の例では、ドローン編隊DFは逆光判定処理を行い、制御装置100aに逆光通知を送信する処理(S7、S8)を示しているが、ドローン編隊DFはこれらの処理を行わなくともよい。例えば、ドローン編隊DFは、単に照度及び被写体の色を制御装置100aに送信するようにしてもよい。これにより、制御装置100aは、逆光状態であるか否かにかかわらず、視認性を向上させる表示情報を算出するようにしてもよい。
【0113】
また、上述の説明では、制御装置100aにおいて修正後表示情報を算出したが、各ドローンDにおいて当該処理を行ってもよい。例えば、それぞれのドローンDの表示制御部13が、自身の備える照度センサ3の検出値に基づいて修正後表示情報を算出し、表示パネル20の表示輝度及び表示色の少なくとも一方を制御してもよい。
【0114】
以上説明したように、本実施形態にかかる制御システム200aでは、照度センサ3は、表示パネル20の表示方向と略反対側の方向である背面方向の照度を検出する。また、カメラ5は、表示パネル20の背面方向を撮影し、被写体の色を検出する。
【0115】
また、制御装置100aは、照度及び被写体の色に基づいて、表示パネル20の表示輝度及び表示色の少なくとも一方を制御する。このようにすることで、制御システム200aは、ドローンを用いて、視認性よく情報表示を行うことができる。
【0116】
(ハードウエアの構成例)
上述した制御装置100、100a、及びドローンDの各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。例えば、本開示は、任意の処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0117】
プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)又は実体のある記憶媒体(tangible storage medium)に格納されてもよい。限定ではなく例として、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【0118】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0119】
また、上述した実施形態は任意に組み合わせて実行可能である。例えば、実施形態1と実施形態2とを組み合わせて実行することができる。例えば、制御システムは、照度に基づいて逆光状態とならない場所にドローンを移動させ、かつ、表示パネルの表示輝度及び表示色の少なくとも一方を制御するように、ドローンを制御するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1 気圧センサ
2 距離センサ
3 照度センサ
4 無線通信部
5 カメラ
6 位置検出センサ
10 メイン制御部
11 画像処理部
12 飛行制御部
13 表示制御部
14 表示方向制御部
20 表示パネル
20a~20d 発光部
21 表示面
22 裏面
30 プロペラ部
35 本体部
40 筒状部材
100、100a 制御装置
101 情報取得部
102 修正後位置算出部
103 修正後表示算出部
104 無線通信部
110、110a ドローン制御部
200、200a 制御システム
A 表示方向
D、D11~D206 ドローン
DF ドローン編隊
N ネットワーク
T 対象者