IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特開-ワイヤハーネス保持部 図1
  • 特開-ワイヤハーネス保持部 図2
  • 特開-ワイヤハーネス保持部 図3
  • 特開-ワイヤハーネス保持部 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106154
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス保持部
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/32 20060101AFI20240731BHJP
   H02G 3/30 20060101ALI20240731BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20240731BHJP
   F16L 3/12 20060101ALI20240731BHJP
   F16B 2/20 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
H02G3/32
H02G3/30
H05K7/00 G
F16L3/12 G
F16B2/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010302
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】下坂 隆志
【テーマコード(参考)】
3H023
3J022
4E352
5G363
【Fターム(参考)】
3H023AA04
3H023AB01
3H023AC23
3H023AD02
3H023AD15
3H023AD54
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC14
3J022FB04
3J022FB08
3J022FB12
3J022HA03
3J022HA05
3J022HB06
4E352AA09
4E352BB15
4E352CC07
4E352DD05
4E352DR02
4E352DR38
4E352GG10
4E352GG16
4E352GG27
5G363AA08
5G363AA12
5G363AA16
5G363BA02
5G363DA13
5G363DA15
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】異なる径のワイヤハーネスに対応して、ワイヤハーネスを保持及び固定することができるワイヤハーネス保持部を提供する。
【解決手段】ワイヤハーネスを保持するワイヤハーネス保持部1であって、基部3と、前記基部3に立設され、互いに対向する第1の腕部4および第2の腕部5と、を備え、前記第1の腕部4は、前記ワイヤハーネスと当接する第1のハーネス把持部6と、前記第1のハーネス把持部6と前記基部3とを接続する第1の支持部7と、を有し、前記第2の腕部5は、前記ワイヤハーネスと当接し、前記第1のハーネス把持部6と向かい合う第2のハーネス把持部8と、前記第2のハーネス把持部8と前記基部3とを接続する第2の支持部9と、を有し、前記第2の支持部9は、略円弧状に形成され、前記第2の腕部5は弾性変形可能に構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤハーネスを保持するワイヤハーネス保持部であって、
基部と、
前記基部に立設され、互いに対向する第1の腕部および第2の腕部と、
を備え、
前記第1の腕部は、
前記ワイヤハーネスと当接する第1のハーネス把持部と、
前記第1のハーネス把持部と前記基部とを接続する第1の支持部と、
を有し、
前記第2の腕部は、
前記ワイヤハーネスと当接し、前記第1のハーネス把持部と向かい合う第2のハーネス把持部と、
前記第2のハーネス把持部と前記基部とを接続する第2の支持部と、
を有し、
前記第2の支持部は、略円弧状に形成され、
前記第2の腕部は弾性変形可能に構成されている、
ワイヤハーネス保持部。
【請求項2】
前記基部は、第1のケース部材及び第2のケース部材を有し、
前記第1の腕部は、前記第1のケース部材に立設され、
前記第2の腕部は、前記第2のケース部材に立設される、
請求項1に記載のワイヤハーネス保持部。
【請求項3】
前記第2の腕部は、前記基部の側の端部から前記第2のハーネス把持部の側の端部に向かうに従い、前記第1の腕部から離間する方向に延在する、
請求項1または2に記載のワイヤハーネス保持部。
【請求項4】
前記第1のハーネス把持部の、前記第1の支持部と接続される部分には、前記第2の腕部に向けて突出する突起が形成されている、
請求項1または2に記載のワイヤハーネス保持部。
【請求項5】
前記第2のハーネス把持部の、前記第2の支持部と接続される部分には、前記第1の腕部に向けて突出する突起が形成されている、
請求項1または2に記載のワイヤハーネス保持部。
【請求項6】
前記第1のハーネス把持部の先端には、前記第2の腕部に向けて突出する突起が形成されている、
請求項1または2に記載のワイヤハーネス保持部。
【請求項7】
前記第2のハーネス把持部の先端には、前記第1の腕部に向けて突出する突起が形成されている、
請求項1または2に記載のワイヤハーネス保持部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネス保持部に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用空調装置は、車室内のインストルメンタルパネルの内部に設置される。車両用空調装置のケーシングの外側には、車両に設けられる複数の機器同士を接続するためのワイヤハーネスが固定されている。ワイヤハーネスは、モータ等に接続される複数の電源ケーブルや複数のセンサが束ねられて構成されている。
ワイヤハーネスは、複数の機器と接続されるためその全長が長く、ケーシングの外形に沿って何度か折り曲げられる。したがって、このようなケーシングには、ワイヤハーネスを保持及び固定する複数の保持部が必要である。保持部としては、特許文献1に示されるような形状が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭55-181078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車室等の仕様によって、車両用空調装置のケーシングに固定されるワイヤハーネスの仕様が異なる場合がある。特許文献1に示される保持部に、径が小さいワイヤハーネスを固定する場合には、径が小さいワイヤハーネスと保持部との間に隙間が生じてしまい、確実に固定できない場合がある。車両の振動により、車両用空調装置に振動が加わる場合に、保持部に固定されていないワイヤハーネスが振動し、ワイヤハーネスの被覆が損傷する場合がある。ワイヤハーネスを確実に固定するために、ワイヤハーネスの径に応じて車両用空調装置のケーシングの仕様を変更することが考えられるが、この場合、車両用空調装置の製造コストの増加という課題がある。
一方で、ワイヤハーネスに金属のクリップを取り付け、このクリップを車両用空調装置のケーシングに固定することも知られている。クリップを使用してケーシングにワイヤハーネスを固定する場合、ワイヤハーネスの径に応じて車両用空調装置の仕様を変更する必要がない。一方で、金属のクリップを使用すると、車両用空調装置の重量の増加及び製造コストの増加という課題がある。
【0005】
本発明は、異なる径のワイヤハーネスに対応して、ワイヤハーネスを保持及び固定することができるワイヤハーネス保持部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の態様1に係るワイヤハーネス保持部は、ワイヤハーネスを保持するワイヤハーネス保持部であって、基部と、前記基部に立設され、互いに対向する第1の腕部および第2の腕部と、を備え、前記第1の腕部は、前記ワイヤハーネスと当接する第1のハーネス把持部と、前記第1のハーネス把持部と前記基部とを接続する第1の支持部と、を有し、前記第2の腕部は、前記ワイヤハーネスと当接し、前記第1のハーネス把持部と向かい合う第2のハーネス把持部と、前記第2のハーネス把持部と前記基部とを接続する第2の支持部と、を有し、前記第2の支持部は、略円弧状に形成され、
前記第2の腕部は弾性変形可能に構成されている。
【0007】
本発明の態様2は、態様1に係るワイヤハーネス保持部であって、前記基部は、第1のケース部材及び第2のケース部材を有し、前記第1の腕部は、前記第1のケース部材に立設され、前記第2の腕部は、前記第2のケース部材に立設される。
【0008】
本発明の態様3は、態様1または態様2に係るワイヤハーネス保持部であって、前記第2の腕部は、前記基部の側の端部から前記第2のハーネス把持部の側の端部に向かうに従い、前記第1の腕部から離間する方向に延在する。
【0009】
本発明の態様4は、態様1または態様2に係るワイヤハーネス保持部であって、前記第1のハーネス把持部の、前記第1の支持部と接続される部分には、前記第2の腕部に向けて突出する突起が形成されている。
【0010】
本発明の態様5は、態様1または態様2に係るワイヤハーネス保持部であって、前記第2のハーネス把持部の、前記第2の支持部と接続される部分には、前記第1の腕部に向けて突出する突起が形成されている。
【0011】
本発明の態様6は、態様1または態様2に係るワイヤハーネス保持部であって、前記第1のハーネス把持部の先端には、前記第2の腕部に向けて突出する突起が形成されている。
【0012】
本発明の態様7は、態様1または態様2に係るワイヤハーネス保持部であって、前記第2のハーネス把持部の先端には、前記第1の腕部に向けて突出する突起が形成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の上記態様によれば、異なる径のワイヤハーネスに対応して、ワイヤハーネスを保持及び固定することができるワイヤハーネス保持部を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第一実施形態のワイヤハーネス保持部を示す概略図である。
図2】第一実施形態のワイヤハーネス保持部がワイヤハーネスを保持及び固定している状態を示す概略図である。
図3】第一実施形態のワイヤハーネス保持部がワイヤハーネスを保持及び固定している状態を示す概略図である。
図4】第二実施形態のワイヤハーネス保持部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第一実施形態)
以下、本発明に係る第一実施形態のワイヤハーネス保持部1について説明する。
図1は、本実施形態のワイヤハーネス保持部1を示す概略図である。ワイヤハーネス保持部1は、車両用空調装置2のケーシング21の壁面に立設されている。
ワイヤハーネス保持部1は、後述する径の異なるワイヤハーネス10、11を保持及び固定可能に構成されている。
車両用空調装置2は、不図示の車両に搭載され、車両の車室内の空調を行うように構成されている。
車両用空調装置2のケーシング21とワイヤハーネス保持部1とは、一体に形成されている。なお、ケーシング21とワイヤハーネス保持部1とは別体に形成されてもよい。
【0016】
ワイヤハーネス保持部1は、基部3と、基部3に立設され、基部3に対して固定される第1の腕部4と、基部3に立設され、基部3に対して固定される第2の腕部5と、を有する。
なお、本願明細書において、特定の部材に対して「立設される」という構成は、当該部材から鉛直方向に沿って延在するように設けられる場合に限られない。
以下の説明において、第1の腕部4及び第2の腕部5が基部3に立設される方向を、第1の方向D1と称する。
基部3は、車両用空調装置2のケーシング21の壁面から延在する。
【0017】
第1の腕部4は、基部3から延在する。第1の腕部4は、第1のハーネス把持部6と、第1のハーネス把持部6と基部3との間に形成される第1の支持部7と、を有する。第1の支持部7は、第1のハーネス把持部6と基部3とを接続する。第1のハーネス把持部6の先端には、第1の突起61が形成されている。第1のハーネス把持部6の、第1の支持部7と接続される部分には、第2の突起62が形成されている。第1の突起61及び第2の突起62は、第2の腕部5に向けて突出している。
第1の支持部7は、略直線状に形成されている。なお、第1の支持部7は、略直線状に形成されなくてもよい。
【0018】
第2の腕部5は、基部3から延在する。第2の腕部5は、第1の腕部4から離間する。第2の腕部5は、第1のハーネス把持部6と向かい合う第2のハーネス把持部8と、第2のハーネス把持部8と基部3との間に形成される第2の支持部9と、を有する。第2の支持部9は、第2のハーネス把持部8と基部3とを接続する。第2のハーネス把持部8の先端には、第3の突起81が形成されている。第2のハーネス把持部8の、第2の支持部9と接続される部分には、第4の突起82が形成されている。第3の突起81及び第4の突起82は、第1の腕部4に向けて突出している。
第2の支持部9は、略円弧状に形成されており、第2の腕部5は、第1の腕部4から離間する方向に弾性変形可能に構成されている。
【0019】
図2は、ワイヤハーネス保持部1がワイヤハーネス(第1のワイヤハーネス)10を保持及び固定している状態を示す概略図である。ワイヤハーネス保持部1は、ワイヤハーネス10が挿入可能に構成され、ワイヤハーネス10は、ワイヤハーネス保持部1に押し込まれることで取り付けられる(挿入される)。ワイヤハーネス保持部1は、挿入されたワイヤハーネス10を保持及び固定する。
具体的には、ワイヤハーネス10は、第1の腕部4及び第2の腕部5が立設される方向(第1の方向D1)に沿って、第1の腕部4及び第2の腕部5の間に押し込まれることで、第1の腕部4及び第2の腕部5の間に挿入されている。
このとき、第1の腕部4の第1のハーネス把持部6及び第2の腕部5の第2のハーネス把持部8は、ワイヤハーネス10に当接している。ワイヤハーネス10は、第1のハーネス把持部6と第2のハーネス把持部8との間に挟み込まれて、第1のハーネス把持部6及び第2のハーネス把持部8により把持される。
第1の腕部4の突起61及び62と、第2の腕部5の突起81及び82とがワイヤハーネス10に当接してワイヤハーネス10を保持及び固定している。突起61及び81は、第1の方向D1の一方側からワイヤハーネス10に当接し、突起62及び82は、第1の方向D1の他方側からワイヤハーネス10に当接する。これにより、ワイヤハーネス10の第1の方向D1の移動が規制される。
第2の腕部5は、第1の腕部4から離間する方向に弾性変形しており、第1の腕部4に向かう方向の復元力(弾性変形力)が第2の腕部5に発生することで、ワイヤハーネス保持部1はワイヤハーネス10を保持及び固定している。
【0020】
図3は、ワイヤハーネス保持部1がワイヤハーネス(第2のワイヤハーネス)11を保持及び固定している状態を示す概略図である。ワイヤハーネス保持部1は、ワイヤハーネス11が挿入可能に構成され、ワイヤハーネス11は、ワイヤハーネス保持部1に押し込まれることで取り付けられる(挿入される)。ワイヤハーネス保持部1は、挿入されたワイヤハーネス11を保持及び固定する。
具体的には、ワイヤハーネス11は、第1の腕部4及び第2の腕部5が立設される方向(第1の方向D1)に沿って、第1の腕部4及び第2の腕部5の間に押し込まれることで、第1の腕部4及び第2の腕部5の間に挿入されている。
このとき、第1の腕部4の第1のハーネス把持部6及び第2の腕部5の第2のハーネス把持部8は、ワイヤハーネス11に当接している。ワイヤハーネス11は、第1のハーネス把持部6と第2のハーネス把持部8との間に挟み込まれて、第1のハーネス把持部6及び第2のハーネス把持部8により把持される。
第1の腕部4の突起61及び62と、第2の腕部5の突起81及び82とがワイヤハーネス11に当接してワイヤハーネス11を保持及び固定している。突起61及び81は、ワイヤハーネス11に、第1の方向D1の一方側から当接し、突起62及び82は、ワイヤハーネス11に、第1の方向D1の他方側から当接する。これにより、ワイヤハーネス11の第1の方向D1の移動が規制される。
第2の腕部5は、第1の腕部4から離間する方向に弾性変形しており、第1の腕部4に向かう方向の復元力(弾性変形力)が第2の腕部5に発生することで、ワイヤハーネス保持部1はワイヤハーネス11を保持及び固定している。
【0021】
図3に示されるワイヤハーネス11は、図2に示されるワイヤハーネス10よりも大きい径を有する。このため、図3においてワイヤハーネス11を保持する第2の腕部5の弾性変形量は、図2においてワイヤハーネス10を保持する第2の腕部5の弾性変形量よりも大きい。すなわち、図3においてワイヤハーネス11を保持する第2の腕部5に発生する復元力は、図2においてワイヤハーネス10を保持する第2の腕部5に発生する復元力よりも大きい。
【0022】
以上説明したように、本第一実施形態のワイヤハーネス保持部1は、ワイヤハーネス10、11を保持するワイヤハーネス保持部1であって、基部3と、基部3に立設され、互いに対向する第1の腕部4および第2の腕部5と、を備え、第1の腕部4は、ワイヤハーネス10、11と当接する第1のハーネス把持部6と、第1のハーネス把持部6と基部3とを接続する第1の支持部7と、を有し、第2の腕部5は、ワイヤハーネス10、11と当接し、第1のハーネス把持部6と向かい合う第2のハーネス把持部8と、第2のハーネス把持部8と基部3とを接続する第2の支持部9と、を有し、第2の支持部9は、略円弧状に形成され、第2の腕部5は弾性変形可能に構成されている。
このような構成により、第1の腕部4及び第2の腕部5の間にワイヤハーネス10、11が挿入された場合に、第2の腕部5が第1の腕部4から離間する方向に弾性変形し、第1の腕部4に向かう方向の復元力が第2の腕部5に発生する。これにより、ワイヤハーネス保持部1は、ワイヤハーネス10、11を保持及び固定することができる。
また、このような構成によれば、第1の腕部4及び第2の腕部5の間に挿入されるワイヤハーネス10、11の径に応じて、第2の腕部5の弾性変形量が変化する。したがって、ワイヤハーネス保持部1は、異なる径のワイヤハーネス10、11に対応して、当該ワイヤハーネス10、11を保持及び固定することができる。
【0023】
また、第1のハーネス把持部6の、第1の支持部7と接続される部分には、第2の腕部5に向けて突出する突起62が形成されている。第2のハーネス把持部8の、第2の支持部9と接続される部分には、第1の腕部4に向けて突出する突起82が形成されている。
このような構成により、第1の腕部4及び第2の腕部5の間にワイヤハーネス10、11を押し込んで挿入する際に、ワイヤハーネス10、11をどこまで押し込めばよいかが明確になり、ワイヤハーネス保持部1へのワイヤハーネス10、11の取り付けをより容易に行うことができる。
また、突起62または突起82によってワイヤハーネス10、11の移動を規制することで、より確実にワイヤハーネス10、11を保持することができる。
【0024】
また、第1のハーネス把持部6の先端には、第2の腕部5に向けて突出する突起61が形成されている。第2のハーネス把持部8の先端には、第1の腕部4に向けて突出する突起81が形成されている。
このような構成により、第1の腕部4及び第2の腕部5の間にワイヤハーネス10、11を押し込んで挿入する際に、第1の腕部4の先端に形成された突起61または第2の腕部5の先端に形成された突起81の内側まで押し込めばよいことが明確化されるため、ワイヤハーネス保持部1へのワイヤハーネス10、11の取り付けをより容易に行うことができる。
また、突起61または突起81によって、第1の腕部4及び第2の腕部5の間からワイヤハーネス10、11が抜けてしまうことを防ぐとともに、ワイヤハーネス10、11の移動を規制し、より確実にワイヤハーネス10、11を保持することができる。
【0025】
(第二実施形態)
以下、本発明に係る第二実施形態のワイヤハーネス保持部1Aについて説明する。
第二実施形態のワイヤハーネス保持部1Aは、基本的な構成は第一実施形態のワイヤハーネス保持部1と同様であるため、異なる点を中心に説明する。また、第一実施形態のワイヤハーネス保持部1と同一又は類似の機能を有する構成要素については、同一の符号を付す場合がある。
【0026】
図4は、本実施形態のワイヤハーネス保持部1Aを示す概略図である。ワイヤハーネス保持部1Aは、車両用空調装置2Aに立設されている。
車両用空調装置2Aは、ケーシング(第1のケーシング)22と、ケーシング(第2のケーシング)23とを有する。
ワイヤハーネス保持部1Aは、第1のケーシング22に対して固定される第1のケース部材(第1の基部)31および第1の腕部4Aと、第2のケーシング23に対して固定される第2のケース部材(第2の基部)32および第2の腕部5と、を有する。
第1のケース部材31は、第1のケーシング22の壁面22aから延在する。第1の腕部4Aは、第1のケース部材31から延在する。
第2のケース部材32は、第2のケーシング23の壁面から延在する。第2の腕部5は、第2のケース部材32から延在する。
第1のケース部材31及び第2のケース部材32は、基部3Aを構成する。すなわち、基部3Aは、第1のケース部材31及び第2のケース部材32を有する。
【0027】
第1の腕部4Aは、第1のケース部材31から延在する。第1の腕部4Aは、第1のケース部材31に対して固定され、第1のケース部材31に立設されている。第1の腕部4Aは、第1のハーネス把持部6及び第1の支持部7に加えて、第3の支持部12を有する。第3の支持部12は、第1のハーネス把持部6と第1のケーシング22との間に形成され、第1のハーネス把持部6と第1のケーシング22とを接続し、第1のハーネス把持部6を支持する。
第2の腕部5は、第2のケース部材32から延在する。第2の腕部5は、第2のケース部材32に対して固定され、第2のケース部材32に立設されている。
【0028】
第1のケーシング22と第1の腕部4Aとは、一体に形成されている。第2のケーシング23と第2の腕部5とは、一体に形成されている。なお、第1のケーシング22と第1の腕部4Aとは、別体に形成されていてもよく、第2のケーシング23と第2の腕部5とは、別体に形成されていてもよい。
【0029】
以上説明したように、本第二実施形態のワイヤハーネス保持部1Aにおいては、基部3Aは、第1のケース部材31及び第2のケース部材32を有し、第1の腕部4Aは、第1のケース部材31に立設され、第2の腕部5は、第2のケース部材32に立設される。
このような構成により、第1の腕部4A及び第2の腕部5を異なるケース部材31、32から立設されるように構成することができ、すなわち、第1の腕部4A及び第2の腕部5を別部材として形成することができる。このため、第1の腕部4A及び第2の腕部5を一体に形成する場合と比べて、ワイヤハーネス保持部1Aの設計自由度を上げることができる。
【0030】
なお、本発明の技術的範囲は前記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0031】
第2の腕部5は、基部3、32の側の端部から第2のハーネス把持部8の側の端部に向かうに従い、第1の腕部4、4Aから離間する方向に延在してもよい。このような構成により、基部3、3Aの側の端部において第1の腕部4、4Aと第2の腕部5とをより近接させてワイヤハーネス保持部1、1Aを設けることができ、ワイヤハーネス保持部1Aの配置の自由度を上げることができる。
第1の腕部4、4Aの突起61及び突起62と、第2の腕部5の突起81及び82とは、そのうちのいずれかが形成されていなくてもよく、いずれもが形成されていなくてもよい。
第1の腕部4、4Aの突起61及び突起62と、第2の腕部5の突起81及び82とは、そのうちのいずれかがワイヤハーネス10、11に当接していなくてもよく、いずれもがワイヤハーネス10、11に当接していなくてもよい。
第二実施形態のワイヤハーネス保持部1Aにおいて、第1の腕部4Aは第3の支持部12を有しなくてもよい。
【0032】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1、1A…ワイヤハーネス保持部 2、2A…車両用空調装置 21…ケーシング 22…ケーシング(第1のケーシング) 23…ケーシング(第2のケーシング) 3、3A…基部 31…第1のケース部材(第1の基部) 32…第2のケース部材(第2の基部) 4、4A…第1の腕部 5…第2の腕部 6…第1のハーネス把持部 61…突起(第1の突起) 62…突起(第2の突起) 7…第1の支持部 8…第2のハーネス把持部 81…突起(第3の突起) 82…突起(第4の突起) 9…第2の支持部 10…ワイヤハーネス(第1のワイヤハーネス) 11…ワイヤハーネス(第2のワイヤハーネス) 12…第3の支持部 D1…第1の方向
図1
図2
図3
図4