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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106158
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】室内履物、土台部及び被覆部
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/10 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
A43B3/10 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010309
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】浜口 貴司
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 真也
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA23
4F050BD08
4F050BD09
4F050HA18
4F050HA30
4F050HA56
4F050HA59
4F050HA73
4F050MA26
(57)【要約】
【課題】好みの温かさにカスタマイズすることができる室内履物を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る室内履物1は、第1方向D1、及び第1方向D1と交差する第2方向D2の双方に延在し、使用者の足が載置される土台部2と、土台部2に着脱可能であり、使用者の足を覆う被覆部3と、を備え、土台部2に被覆部3が取り付けられたときに、第1方向D1及び第2方向D2の双方に交差する第3方向D3において土台部2と被覆部3との間に内部空間Sが形成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向、及び前記第1方向と交差する第2方向の双方に延在し、使用者の足が載置される土台部と、
前記土台部に着脱可能であり、前記使用者の足を覆う被覆部と、
を備え、
前記土台部に前記被覆部が取り付けられたときに、前記第1方向及び前記第2方向の双方に交差する第3方向において前記土台部と前記被覆部との間に内部空間が形成されている、
室内履物。
【請求項2】
前記土台部の前記第1方向の端部から上方に延在する踵部を更に備え、
前記踵部と前記被覆部との間には空間が形成されている、請求項1に記載の室内履物。
【請求項3】
前記土台部は、柔軟性素材によって構成されている、請求項1又は請求項2に記載の室内履物。
【請求項4】
前記被覆部は、内容物を収容しており、
前記内容物は、羽毛を含む、請求項1又は請求項2に記載の室内履物。
【請求項5】
第1方向、及び前記第1方向と交差する第2方向の双方に延在し、使用者の足が載置される載置部と、
前記載置部の周縁に設けられ、前記使用者の足を覆う室内履物の被覆部が着脱可能に連結される第1連結部と、
を備える、土台部。
【請求項6】
使用者の足を覆う布部と、
前記布部の周縁に設けられ、前記使用者の足が載せられる室内履物の土台部が着脱可能に連結される第2連結部と、
を備える、被覆部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、使用者の足を覆う室内履物、室内履物の土台部、及び室内履物の被覆部に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、足先保温マットが記載されている。足先保温マットは、シート状を呈する発泡ウレタン断熱材と、発泡ウレタン断熱材の上面の一部に固定された袋状カバー部とを備える。袋状カバー部は、発泡ウレタンとの間に足先が差し込まれる開口を有する。発泡ウレタン断熱材の上面は、毛足の長い植毛によって構成されている。袋状カバー部の上記の開口は、袋状カバー部内の長い植毛によって形成されている。袋状カバー部の開口に足先が差し込まれることにより、足先に接する周囲の冷気が遮断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-136799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、足先の周囲の空気を冷たく感じるかどうかは、室内履物の使用者ごとに異なるという現状がある。すなわち、前述した足先保温マット等の室内履物に求められる温かさは、使用者ごとに異なる場合がある。従って、室内履物の各部の厚み又は材質等を変更して、好みの暖かさにカスタマイズできることが求められる。
【0005】
本開示は、好みの温かさにカスタマイズすることができる室内履物、土台部及び被覆部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る室内履物は、(1)第1方向、及び第1方向と交差する第2方向の双方に延在し、使用者の足が載置される土台部と、土台部に着脱可能であり、使用者の足を覆う被覆部と、を備える。土台部に被覆部が取り付けられたときに、第1方向及び第2方向の双方に交差する第3方向において土台部と被覆部との間に内部空間が形成されている。
【0007】
この室内履物では、土台部に被覆部が取り付けられたときに、第3方向において土台部と被覆部との間に内部空間が形成されている。よって、使用者は、足を当該内部空間に収容することができる。また、被覆部は土台部に着脱可能である。よって、土台部には、所望の厚み、及び所望の材質を有する被覆部を取り付けることができる。従って、使用者は、室内履物の各部の厚み及び材質等を変更して室内履物を好みの温かさにカスタマイズすることができる。
【0008】
(2)上記(1)において、土台部の第1方向の端部から上方に延在する踵部を更に備えてもよく、踵部と被覆部との間には空間が形成されていてもよい。この場合、使用者は、踵部と被覆部との間に設けられた空間に足を収容することができる。踵部と被覆部との間に足が挟まれることにより、室内履物の当該空間において足を安定させることができる。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)において、土台部は、柔軟性素材によって構成されていてもよい。この場合、土台部が柔軟性素材によって構成されていることにより、足が土台部に載置されたときに、土台部が足裏の形状に合わせて柔軟に変形する。その結果、土台部の柔軟性素材によって足を温めることができると共に、使用者が足を土台部に載置したときの使用感を向上させることができる。
【0010】
(4)上記(1)又は(2)において、被覆部は、内容物を収容していてもよく、内容物は、羽毛を含んでもよい。この場合、被覆部と土台部との間の内部空間への冷気を羽毛によって遮断することができる。従って、被覆部に内蔵された羽毛によって足をより効果的に温めることができるので、足の冷えをより確実に抑制できる。
【0011】
本開示に係る土台部は、第1方向、及び第1方向と交差する第2方向の双方に延在し、使用者の足が載置される載置部と、載置部の周縁に設けられ、使用者の足を覆う室内履物の被覆部が着脱可能に連結される第1連結部と、を備える。
【0012】
この土台部では、載置部が第1方向及び第2方向の双方に延在する。よって、使用者は足裏を載置部に接触させるように、足を載置部に載せることができる。土台部は第1連結部を有し、第1連結部は載置部の周縁に設けられている。第1連結部は、室内履物の被覆部に着脱可能に連結される。土台部の第1連結部が室内履物の被覆部に着脱可能とされていることにより、所望の厚み及び材質を有する被覆部に所望の厚み及び材質を有する土台部を第1連結部を介して連結させることができる。従って、室内履物の各部の厚み及び材質等を変更して室内履物を好みの温かさにカスタマイズすることができる。
【0013】
本開示に係る被覆部は、使用者の足を覆う布部と、布部の周縁に設けられ、使用者の足が載せられる室内履物の土台部が着脱可能に連結される第2連結部と、を備える。
【0014】
この被覆部では、布部の周縁に設けられた第2連結部が室内履物の土台部に連結される。すなわち、被覆部の第2連結部は、室内履物の土台部に着脱可能に連結される。よって、所望の厚み及び材質を有する土台部に所望の厚み及び材質を有する被覆部を第2連結部を介して連結させることができる。その結果、室内履物の各部の厚み及び材質等を変更して室内履物を好みの温かさにカスタマイズすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示に係る室内履物、土台部及び被覆部によれば、好みの温かさにカスタマイズすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、第1実施形態に係る室内履物の斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る室内履物における、土台部及び被覆部を示す斜視図である。
図3図3は、第2実施形態に係る室内履物における、土台部及び被覆部を示す斜視図である。
図4図4は、第3実施形態に係る室内履物における、土台部の斜視図である。
図5図5は、第3実施形態に係る室内履物の斜視図である。
図6図6は、第4実施形態に係る室内履物の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本開示に係る室内履物、土台部及び被覆部の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る室内履物の斜視図である。図2は、第1実施形態に係る室内履物における、土台部及び被覆部を示す斜視図である。室内履物1は、室内で使用される履物である。室内履物1は、例えば、室内の床に配置される。室内履物1には、例えば、椅子に着座した使用者の足が挿入される。使用者とは、室内履物に足を挿入する人を示している。
【0019】
本実施形態では、室内履物に足を挿入した使用者から見た場合における、前方を「前」、後方を「後」、上方を「上」、下方を「下」、左方を「左」、右方を「右」として説明する。しかしながら、この「前」、「後」、「上」、「下」、「左」又は「右」を含む表現は、説明の便宜のためのものであり、部品の配置位置又は方向等を限定するものではない。足とは、人の身体の下端を含む部分を示しており、例えば、くるぶしより先の部分を示している。足は、足先と同じ意味であってもよい。室内は、例えば、建物の内部である。しかしながら、室内は、建物の内部以外の場所であってもよく、例えば、テントの内部であってもよい。
【0020】
室内において、使用者の足は、床と直接接触すると、床に熱を奪われて冷えることが懸念される。室内履物1は、土台部2及び被覆部3を備える。室内履物1では、土台部2と被覆部3との間に使用者の足が挿入されることにより、使用者の足が掛け布団と敷き布団との間に収容されたように保温される。室内履物1には、使用者の片足が収容される。室内履物1は、足用の布団を構成するので、布団で身体を温めるのと同じように室内履物1の使用者の足を温めることができる。従って、室内履物1では、足が冷えることを抑制することが可能である。
【0021】
室内履物1は、使用者の足が載せられる土台部2と、土台部2に載せられた使用者の足を覆う被覆部3とを備える。室内履物1は、使用者の足(足先)の長手方向に相当する第1方向D1、及び使用者の足(足先)の幅方向に相当する第2方向D2の双方に延在している。第1方向D1は、室内履物1の長手方向である。第2方向D2は、第1方向D1に交差する方向であって、且つ室内履物1の幅方向(短手方向)である。
【0022】
室内履物1では、土台部2に対して被覆部3が着脱可能とされている。図1及び図2では、一例としての土台部2及び被覆部3を示しているが、土台部2には種々の被覆部が着脱可能であり、被覆部3には種々の土台部が着脱可能とされている。本実施形態では、土台部2を含む複数種類の土台部と、被覆部3を含む複数種類の被覆部とが予め用意されていてもよい。例えば、複数種類の土台部は互いに異なる厚み及び材料を有し、複数種類の被覆部は互いに異なる厚み及び材料を有する。この場合、土台部2に所望の被覆部を取り付けることが可能であると共に、被覆部3を所望の土台部に取り付けることも可能である。
【0023】
例えば、土台部2に被覆部3が取り付けられたときに、第1方向D1及び第2方向D2の双方と交差する第3方向D3において土台部2と被覆部3との間に内部空間Sが形成されている。土台部2は、例えば、矩形状を呈する。具体例として、土台部2は、隅丸長方形状を呈する。土台部2は、例えば、板状を呈する。土台部2は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在すると共に第3方向D3に厚みを有する。
【0024】
土台部2は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する底部21と、底部21の上部に位置する載置部22と、被覆部3が着脱可能に連結される第1連結部23とを有する。底部21は、室内履物1の底の部分である。すなわち、底部21は、室内履物1を床に配置して使用するときに床と接触する部分である。底部21は、例えば、矩形状(一例として隅丸長方形状)を呈する。底部21は、例えば、床に対して滑り難い材料によって構成されていてもよい。底部21は、例えば、ハニカム生地によって構成されている。底部21は、防臭効果を有する素材、又は抗菌効果を有する素材によって構成されていてもよい。底部21は、例えば、ニット生地によって構成されていてもよい。
【0025】
例えば、底部21の周縁と、載置部22の周縁とは互いに縫い合わされている。載置部22は、使用者が足を土台部2に載置したときに足が接触する部分である。載置部22は、底部21に連結されている。例えば、載置部22の形状は、底部21の形状と相似である。この場合、載置部22は、矩形状(一例として隅丸長方形状)を呈する。載置部22は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する。例えば、平面視(第3方向D3に沿って見た場合)において、載置部22の面積は、底部21の面積よりも狭い。この場合、平面視において、載置部22の周縁から底部21の周縁が張り出している。載置部22の周縁と底部21の周縁との間には段差部22hが形成されている。段差部22hは、底部21の天面と、載置部22の側面とによって構成されている。段差部22hを構成する底部21の天面は第3方向D3(上方)に向けられており、段差部22hを構成する載置部22の側面は第1方向D1又は第2方向D2(水平方向)に向けられている。
【0026】
例えば、土台部2は、底部21と載置部22との間に形成された内部空間を有する。土台部2の内部空間には、内容物が収容されている。土台部2の内部空間に収容された内容物は、例えば、固綿である。しかしながら、この内容物は、固綿以外のものであってもよい。この内容物は、ウレタンフォーム等の柔軟性内容物、プロファイル材等の凹凸加工ウレタンフォーム、ウールフェルト素材等の吸湿性及び放湿性に優れた天然素材、又は、これらの素材が複数層に積層された材料によって構成された内容物であってもよい。
【0027】
載置部22は、側地22aと、矩形縫製部22bと、横断縫製部22cとを有する。側地22aは、底部21と共に土台部2の内部空間を画定する部材である。側地22aの周縁は、底部21と連結されている。側地22aは、例えば、綿、羊毛、ポリエステル、レーヨン、アクリル、ダブルラッセル、又は、接触冷感素材によって構成されている。しかしながら、側地22aは、上記で列挙した材料以外のものによって構成されていてもよい。矩形縫製部22b及び横断縫製部22cは、側地22aを底部21に縫い合わせる部分であって、土台部2の内部空間を区切る部分である。例えば、矩形縫製部22bは、平面視において隅丸長方形状を呈する。平面視において、矩形縫製部22bは、側地22aの外縁の内側に位置する。土台部2の内部空間に前述した内容物が収容されている。
【0028】
横断縫製部22cは、矩形縫製部22bを横断する。横断縫製部22cは、例えば、第2方向D2に沿って延在する。載置部22は、例えば、複数の横断縫製部22cを有する。平面視における矩形縫製部22bよりも内側の部分に横断縫製部22cが設けられている。これにより、平面視における矩形縫製部22bの内側に複数の内部空間が形成されている。
【0029】
一例として、載置部22は2本の横断縫製部22cを有し、平面視における矩形縫製部22bの内側に3つの内部空間が形成されている。当該3つの内部空間は、例えば、一対の横断縫製部22cの間に位置する第1内部空間と、第1内部空間を挟む一対の第2内部空間によって構成されている。第2内部空間は、一対の横断縫製部22cから見て第1方向D1の両端側のそれぞれに位置する。一対の第2内部空間の一方には足の指が載せられ、一対の第2内部空間の他方には足の踵の部分が載せられる。平面視における第1内部空間の広さは、平面視における第2内部空間の広さよりも大きい。以上、横断縫製部22c、及び土台部2の内部空間の構成の例について説明した。しかしながら、横断縫製部22cの構成、及び当該内部空間の構成は、上記の例に限定されない。
【0030】
第1連結部23は、被覆部3が連結される部分である。より詳細には、第1連結部23は、被覆部3の後述する下側連結部32が連結される部分である。第1連結部23は、例えば、スナップボタンである。この場合、第1連結部23を介して土台部2に被覆部3を容易に取り付けることができる。一例として、第1連結部23は、メス側のスナップボタンである。しかしながら、第1連結部23は、オス側のスナップボタンであってもよい。更に、第1連結部23は、スナップボタン以外のものであってもよく、例えば、面ファスナー、又はブロック型スナップテープであってもよい。
【0031】
第1連結部23は、例えば、載置部22の周縁に設けられている。より具体的には、第1連結部23は、段差部22hを構成する載置部22の側面に設けられている。なお、第1連結部23は、段差部22hを構成する底部21の天面に設けられてもよい。土台部2は、例えば、複数の第1連結部23を有する。複数の第1連結部23は、平面視における載置部22の周縁の一部に配置されている。平面視において、複数の第1連結部23はコの字状を呈する。複数の第1連結部23は、載置部22の周縁と底部21の周縁との間に形成された段差部22hに配置されている。
【0032】
第1連結部23は、載置部22の第1方向D1の一端側に位置する前縁22dと、載置部22の第2方向D2の両端側のそれぞれに位置する一対の横縁22eの一部と、のそれぞれに設けられている。第1連結部23は、各横縁22eにおける前縁22d側の部分に設けられている。より具体的には、前縁22dにおいて複数の第1連結部23が第2方向D2に沿って並んでおり、且つ、各横縁22eの一部において複数の第1連結部23が前縁22dから第1方向D1に沿って並んでいる。
【0033】
複数の第1連結部23は、例えば、前縁22dにおいて第2方向D2の一端から第2方向D2の他端まで互いに間隔を空けて設けられている。複数の第1連結部23は、例えば、第2方向D2の両側の横縁22eのそれぞれの一部において、前縁22dと連結されている第1方向D1の一端から間隔を空けて設けられている。横縁22eの長さに対する各横縁22eの第1連結部23が設けられている部分の長さの割合は、例えば、30%以上且つ90%以下である。しかしながら、当該割合の数値は、上記の例に限られず、適宜変更可能である。前縁22dに設けられている第1連結部23の数は、例えば、各横縁22eに設けられている第1連結部23の数よりも少ない。
【0034】
被覆部3は、土台部2に載せられた使用者の足を覆う部分である。土台部2に取り付けられた状態で、被覆部3は、第1方向D1から見て第2方向D2の中央部が隆起した形状を呈する。土台部2に取り付けられた状態で被覆部3の第1方向D1と直交する断面は、第2方向D2の中央に近づくに従って上方に突出するように湾曲した形状を呈する。例えば、土台部2に取り付けられた状態における被覆部3の第1方向D1と直交する断面は、逆U字状を呈する。当該断面は、放物線状を呈していてもよい。第1方向D1と直交する被覆部3の断面の大きさは、前縁22dに近づくにつれて小さくなっていく。
【0035】
被覆部3は、前縁22dから第1方向D1に離隔するにつれて、土台部2から第3方向D3に離隔している。すなわち、土台部2に対する被覆部3の高さが前縁22dから離隔するに従って高くなっている。被覆部3は、被覆部3の第2方向D2の端から第2方向D2の中央に向かうに従って斜め上方に延在している。
【0036】
被覆部3は、土台部2の前縁22dに接触する。一例として、被覆部3は、前縁22dにおいて、第2方向D2の全域に亘って土台部2と接触する。被覆部3は、第2方向D2の両端において土台部2と接触する。被覆部3は、土台部2に接触する部分である接触縁3aを有する。
【0037】
被覆部3は、使用者の足を覆う部分である布部31と、土台部2に着脱可能に連結される部分である下側連結部32(第2連結部)と、別の被覆部が着脱可能に連結される部分である上側連結部33とを有する。当該別の被覆部は、上から被覆部3を覆うように被覆部3に連結される。よって、室内履物1では、土台部2に対して複数の被覆部を取り付けることが可能である。
【0038】
使用者が土台部2と被覆部3との間に形成される内部空間Sに足を収容したときに、布部31は、使用者の足先、足の側面及び足の甲部に対向する。布部31は、被覆部3が土台部2に取り付けられた状態で、外側に露出している布地である表地31aと、被覆部3が土台部2に取り付けられた状態で、外側に露出していない布地である裏地31bとを有する。裏地31bは表地31aと反対側を向く布地である。裏地31bは、表地31aと同じ素材によって構成されていてもよいし、表地31aとは異なる素材によって構成されていてもよい。
【0039】
布部31は、毛布によって構成されてもよい。この毛布は、例えば織り毛布又は編み毛布であり、一例として、綿毛布である。更に、この毛布は、ニューマイヤー毛布の生地から形成されていてもよい。当該ニューマイヤー毛布の生地は、例えば、アクリル製である。布部31が毛布によって構成されることにより、使用者にとっての肌触りを向上させることができる。布部31は、抗菌効果を有する素材によって構成されてもよい。布部31は、防臭効果を有する素材によって構成されてもよい。
【0040】
例えば、被覆部3は、表地31aと裏地31bとの間に形成された内部空間を有する。被覆部3の内部空間は、表地31aの周縁と裏地31bの周縁とが互いに縫い合わされることによって形成されている。被覆部3の内部空間には、内容物が収容されている。この内容物は、例えば、羽毛を含む。しかしながら、この内容物は、羽毛以外を含んでもよい。この内容物は、例えば、ポリエステルわた、ポリエチレンパイプ材、エラストマーパイプ材、そば殻、アズキ、ヒノキ、又は、接触冷感性を付与する材料を含んでもよい。
【0041】
例えば、布部31には、表地31aと裏地31bとが互いに縫い合わされた部分である複数の縫製部が形成されている。複数の縫製部は、第1方向D1に延在する複数の第1縫製部と、第2方向D2に延在する複数の第2縫製部とを含む。複数の第1縫製部と、複数の第2縫製部とは、格子状に交差している。複数の縫製部が形成されることによって、被覆部3の内部空間は、複数の空間に仕切られている。これによって、被覆部3の内部空間において内容物が偏在することが抑制される。
【0042】
本実施形態では、被覆部3の内部空間に内容物が収容されているので、被覆部3の内部空間に内容物が収容されていない場合と比較して、被覆部3による冷気を遮断する能力が高い。被覆部3が冷気を遮断する能力は、被覆部3の内部空間に収容される内容物の量、及び内容物の種類によって変えることができる。例えば、被覆部3の内部空間に収容される内容物の量を多くすることによって、被覆部3による冷気を遮断する能力が高くなる。被覆部3の内部空間に収容される内容物の素材が接触冷感素材である場合、使用者に涼しさを提供することができる。
【0043】
下側連結部32は、土台部2に連結される部分である。より詳細には、下側連結部32は、土台部2の第1連結部23に連結される部分である。下側連結部32は、例えば、スナップボタンである。この場合、下側連結部32を介して被覆部3を土台部2に容易に取り付けることができる。一例として、下側連結部32は、メス側のスナップボタンである第1連結部23に連結されるオス側のスナップボタンである。しかしながら、下側連結部32は、メス側のスナップボタンであってもよいし、スナップボタン以外のものであってもよい。例えば、下側連結部32は、第1連結部23に接合する面ファスナーであってもよい。例えば、下側連結部32は、第1連結部23に接合するブロック型スナップテープであってもよい。
【0044】
下側連結部32は、例えば、布部31の周縁に設けられている。被覆部3は、例えば、複数の下側連結部32を有する。複数の下側連結部32は、被覆部3の接触縁3aにおいて互いに間隔を空けて配置されている。
【0045】
下側連結部32は、前縁22dに対向する部分、及び一対の横縁22eのそれぞれに対向する部分、のそれぞれに設けられている。例えば、前縁22dに対向する部分に設けられている下側連結部32の数は、前縁22dに設けられている第1連結部23の数と同一である。前縁22dに対向する部分に設けられている複数の下側連結部32は、第2方向D2に沿って並んでいる。一対の横縁22eのそれぞれに対向する部分に設けられている下側連結部32の数は、一対の横縁22eのそれぞれに設けられている第1連結部23の数と同一である。一対の横縁22eのそれぞれに対向する部分に設けられている複数の下側連結部32は、第1方向D1に沿って並んでいる。
【0046】
上側連結部33は、前述した別の被覆部が連結される部分である。被覆部3は、複数の上側連結部33を有する。例えば、平面視における各上側連結部33の位置は、平面視における各下側連結部32の位置と同一である。上側連結部33の裏側(下側)に下側連結部32が位置する。
【0047】
上側連結部33は、例えば、スナップボタンである。この場合、上側連結部33を介して別の被覆部を被覆部3に容易に取り付けることができる。上側連結部33は、一例として、メス側のスナップボタンである。しかしながら、上側連結部33は、前述した下側連結部32と同様、スナップボタン以外のものであってもよい。すなわち、上側連結部33の種類は、下側連結部32の種類と同様、適宜変更可能である。
【0048】
続いて、第1実施形態に係る室内履物1、土台部2及び被覆部3の作用効果について説明する。図1及び図2に示されるように、室内履物1では、土台部2に被覆部3が取り付けられたときに、第3方向D3において土台部2と被覆部3との間に内部空間Sが形成されている。よって、使用者は、足を内部空間Sに収容することができる。土台部2は、載置部22と底部21との間に内容物を収容している。被覆部3は、布部31に内容物を収容している。本実施形態では、土台部2及び被覆部3の双方が内容物を有することにより、使用者の足先への冷気を遮断して、使用者の足が冷えることを抑制できる。また、被覆部3は土台部2に着脱可能である。よって、土台部2には、所望の厚み、及び所望の材質を有する被覆部3を取り付けることができる。従って、使用者は、室内履物1の各部の厚み及び材質等を変更して室内履物1を好みの温かさにカスタマイズすることができる。
【0049】
本実施形態において、被覆部3は、内容物を収容しており、内容物は、羽毛を含む。この場合、被覆部3と土台部2との間の内部空間Sへの冷気を羽毛によって遮断することができる。従って、被覆部3に内蔵された羽毛によって足をより効果的に温めることができるので、足の冷えをより確実に抑制できる。
【0050】
土台部2は、載置部22と、第1連結部23とを備える。この土台部2では、載置部22が第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する。よって、使用者は足裏を載置部22に接触させるように、足を載置部22に載せることができる。土台部2は第1連結部23を有し、第1連結部23は載置部22の周縁に設けられている。第1連結部23は、室内履物1の被覆部3に着脱可能に連結される。土台部2の第1連結部23が室内履物1の被覆部3に着脱可能とされていることにより、所望の厚み及び材質を有する被覆部3に所望の厚み及び材質を有する土台部2を第1連結部23を介して連結させることができる。従って、室内履物1の各部の厚み及び材質等を変更して室内履物1を好みの温かさにカスタマイズすることができる。
【0051】
被覆部3は、布部31と、下側連結部32とを備える。この被覆部3では、布部31の周縁に設けられた下側連結部32が室内履物1の土台部2に連結される。すなわち、被覆部3の下側連結部32は、室内履物1の土台部2に着脱可能に連結される。よって、所望の厚み及び材質を有する土台部2に所望の厚み及び材質を有する被覆部3を下側連結部32を介して連結させることができる。その結果、室内履物1の各部の厚み及び材質等を変更して室内履物1を好みの温かさにカスタマイズすることができる。
【0052】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る室内履物について図3を参照しながら説明する。第2実施形態に係る室内履物1Aの一部の構成は、室内履物1の一部の構成と重複するため、以降では、室内履物1の内容と重複する説明を同一の符号を付して適宜省略する。図3は、第2実施形態に係る室内履物1Aにおける、土台部2及び被覆部3を示す斜視図である。室内履物1Aは、使用者の踵の後方に位置する踵部4Aを備える。
【0053】
踵部4Aは、例えば、使用者の踵を支持する部分である。平面視において、踵部4AはU字状を呈する。踵部4Aは、被覆部3の第2方向D2の両端のそれぞれから後方に延在する。踵部4Aは、例えば、テープ状とされている。踵部4Aの一端及び他端のそれぞれが被覆部3の後縁3bに接続されている。踵部4Aと被覆部3との間には空間が形成されている。当該空間に使用者の足が通される。踵部4Aは、例えば、弾性部材によって構成されている。踵部4Aは、一例として、ゴムによって構成されている。この場合、踵部4Aによって使用者の踵を締め付けることができるので、意図せず室内履物1Aが抜けることをより確実に抑制できる。但し、踵部4Aは、弾性部材以外によって構成されてもよく、一例として、ベルトによって構成されてもよい。
【0054】
踵部4Aがベルトによって構成されている場合、踵部4Aは、被覆部3に踵部4Aを留めるための踵部留め具を有してもよい。被覆部3は、踵部留め具と着脱可能な被覆部留め具を有してもよい。踵部留め具は、例えば、踵部4Aを構成するベルトの両端のそれぞれに配置されている。この場合、被覆部3は、当該ベルトの両端のそれぞれに配置された踵部留め具が留められる一対の被覆部留め具を有する。踵部留め具が当該ベルトの両端のそれぞれに配置されている場合、各踵部留め具を各被覆部留め具から外すことによって、踵部4Aを被覆部3から分離させることができる。従って、踵部4Aを、室内履物1Aのうちの踵部4A以外の部分とは独立して洗浄することができる。なお、踵部留め具は、踵部4Aを構成するベルトの一端に配置されてもよく、当該ベルトの他端は被覆部3の後縁3bに連結されていてもよい。
【0055】
踵部4Aの踵部留め具は、例えば、スナップボタン又は面ファスナーによって構成されてもよい。踵部留め具が面ファスナーによって構成されている場合、踵部4Aのベルトの延在方向における踵部留め具の長さが、当該延在方向における被覆部3の被覆部留め具の長さより長くてもよい。この場合、当該延在方向における被覆部留め具への踵部留め具の取付位置を変更することができる。よって、踵部4Aのうち被覆部3から後方に延在する部分の長さを足の大きさ等に合わせて調整することができる。
【0056】
第2実施形態に係る室内履物1Aの作用効果について説明する。室内履物1Aは、被覆部3から後方に延び出す踵部4Aを有し、踵部4Aと被覆部3との間には足を挿入可能な空間が形成されている。よって、使用者は、踵部4Aと被覆部3との間に形成された空間に足を通して内部空間Sに足を収容することができる。足が内部空間Sに収容された状態では、踵部4Aによって使用者の踵が支持される。すなわち、足が内部空間Sに収容された状態において足が後方に移動するときに、踵が踵部4Aに接触する。踵部4Aと被覆部3との間に足が位置することにより、室内履物1Aの内部空間Sから意図せず足が抜けることを抑制でき、足を安定させることができる。
【0057】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る室内履物について図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、第3実施形態に係る室内履物1Bにおける、土台部2Bの斜視図である。図5は、第3実施形態に係る室内履物1Bの斜視図である。図4及び図5に示された室内履物1Bは、使用者の右足に対応した形状を有する。使用者の左足に対応した形状を有する室内履物1Bは、図4及び図5に示された室内履物1Bと左右対称の形状を有する。室内履物1Bは、使用者の足が載せられる土台部2Bと、被覆部3と、使用者の踵を支持する部分である踵部4Bとを備える。
【0058】
土台部2Bは、使用者の足が載置される部分である載置部22Bと、第1連結部23とを有する。載置部22Bは、床に接触する部分である本体部24と、使用者の足が載置される部分である凸部25とを有する。本体部24と凸部25とは、一体化されている。本体部24は、直方体状を呈する。本体部24は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在し、第3方向D3に厚みを有する。本体部24は、第1方向D1の一端に位置する前面24aと、第2方向D2の両端のそれぞれに位置する一対の側面24bとを有する。本体部24は、第3方向D3の一方(下方)を向く下面と、下面とは反対を向く上面とを有する。本体部24の下面は、室内履物1Bを床に配置して使用するときに、床に接触する面である。
【0059】
本体部24は、柔軟性素材によって構成されている。柔軟性素材とは、身体の載置によって変形する柔らかさを備えた素材を示している。本体部24は、例えば、ウレタンフォームによって構成されている。また、本体部24は、バイオマスウレタン、軟質発泡性樹脂素材(低反発フォーム、ポリエチレンフォーム、無膜フォーム、若しくはラテックス(天然ゴム)、ポリエステル固綿素材、又は2次元加工機でカッティングできるもの)によって構成されていてもよい。
【0060】
凸部25は、使用者の足が載置される部分である。凸部25は、本体部24の上面において第3方向D3に突出した形状を有する。本体部24の上面とは、凸部25と当該凸部25に隣接する凸部25との間に形成された凹面のことを示している。凸部25の第3方向D3に直交する断面は、例えば、円形状を呈する。凸部25の第3方向と直交する断面の直径は、本体部24の上面から遠ざかるほど(上方に向かうほど)小さくなる。凸部25の第1方向D1に直交する断面は、上方に突出するように湾曲した形状を有する。載置部22Bは、複数の凸部25を有する。複数の凸部25は、例えば、本体部24の上面において連続して設けられている。複数の凸部25は、第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれに沿って並んでいる。すなわち、複数の凸部25は、本体部24の上面において格子状に配列されている。
【0061】
凸部25は、本体部24と同様、柔軟性素材によって構成されている。凸部25は、本体部24から上方に突出する部分である。凸部25は、本体部24における突出高さ(第3方向D3の長さ)が互いに異なる第1凸部25a、第2凸部25b及び第3凸部25cを含む。第1凸部25aの第3方向D3の長さは、第2凸部25bの第3方向D3の長さよりも長い。第2凸部25bの第3方向D3の長さは、第3凸部25cの第3方向D3の長さよりも長い。例えば、第1凸部25aの第3方向D3の長さ、第2凸部25bの第3方向D3の長さ、及び第3凸部25cの第3方向D3の長さは、互いに等しくてもよい。但し、第1凸部25aの第3方向D3の長さ、第2凸部25bの第3方向D3の長さ、及び第3凸部25cの第3方向D3の長さの関係は、上記の例に限られず適宜変更可能である。
【0062】
載置部22Bは、第1凸部25aが設けられている第1領域R1と、第2凸部25bが設けられている第2領域R2と、第3凸部25cが設けられている第3領域R3とを含む。第1領域R1は、載置部22Bの第2方向D2の一方側の端部に位置する。第1領域R1は、使用者が載置部22Bに足(図4及び図5の例では右足)を載置したときに、平面視で当該足の土踏まずと重なる領域である。第1領域R1は、右足を載置部22Bに載置した室内履物1Bの使用者から見て左側の縁を含んでいる。使用者の左足に対応した形状を室内履物1Bが有するときには、第1領域R1は、左足を載置部22Bに載置した室内履物1Bの使用者から見て右側の縁を含んでいる。第1領域R1は、第1方向D1における載置部22Bの中央付近に設けられている。
【0063】
第3領域R3は、使用者が載置部22Bに足を載置したときに、平面視で足の踵と重なる領域である。第3領域R3は、載置部22Bの第1方向D1の一端を含む領域(後端を含む領域)に位置する。第3領域R3は、載置部22Bの第1方向D1の後縁を含んでいる。第2領域R2は、第1領域R1及び第3領域R3以外の領域である。
【0064】
複数の第1連結部23は、例えば、前面24aにおいて第2方向D2の一端から第2方向D2の他端まで互いに間隔を空けた位置に設けられている。複数の第1連結部23は、一対の側面24bの一部において、前面24aと連結されている第1方向D1の一端から互いに間隔を空けた位置に設けられている。側面24bの第1方向D1の長さに対する各側面24bの第1連結部23が設けられている部分の長さの割合は、例えば、30%以上且つ90%以下である。しかしながら、当該割合の数値は、上記の例に限られず、適宜変更可能である。複数の第1連結部23は、例えば、第3方向D3において互いに同じ高さで配置されている。
【0065】
踵部4Bは、使用者の踵を支持する部分である。踵部4Bは、土台部2の第1方向D1の端部において上方に延在する。踵部4Bは、室内履物1Bの後端を構成する背面部41と、使用者の踵及び背面部41の間に位置するクッション部42とを有する。背面部41は、クッション部42を支持する部分である。クッション部42は、使用者の踵又はアキレス腱を支持する部分である。
【0066】
背面部41は、本体部24の第1方向D1の端部から上方に突出する部分である。背面部41は、本体部24の前面24aとは反対側の端部において上方に突出している。背面部41及び本体部24は、例えば、一体とされている。背面部41は、第2方向D2及び第3方向D3の双方に延在すると共に、第1方向D1に厚みを有する板状を呈する。背面部41は、直方体状を呈する。背面部41は、第2方向D2の端面である一対の側面と、第3方向D3の一方側の端面である下面と、下面とは反対を向く上面と、第1方向D1の端面であり、土台部2Bに取り付けられた被覆部3と対向する前面とを有する。背面部41の下面は、室内履物1Bを床に配置して使用するときに床に接触する面である。なお、背面部41は、直方体状以外の形状であってもよく、例えば、背面部41の上面は第2方向D2の中央に近づくに従って上方に突出するように湾曲した形状を有してもよい。
【0067】
背面部41の下面における第3方向D3の位置は、本体部24の下面における第3方向D3の位置と同一である。背面部41の上面における第3方向D3の位置は、本体部24の上面における第3方向D3の位置よりも上方である。背面部41の第2方向D2を向く各端面は、本体部24の第2方向D2を向く各側面24bと面一である。例えば、背面部41は、本体部24と同様、柔軟性素材によって構成されている。
【0068】
クッション部42は、背面部41の前面に連結されている。クッション部42は、例えば、背面部41に接着剤を介して連結されている。クッション部42は、背面部41に着脱可能であってもよい。背面部41及びクッション部42の少なくとも一方は面ファスナーを有してもよく、この面ファスナーを介してクッション部42が背面部41に着脱可能であってもよい。クッション部42は、第2方向D2に延在している。クッション部42の第2方向D2の長さは、例えば、背面部41の第2方向D2の長さよりも短い。例えば、クッション部42は、第2方向D2に沿って延在する円柱状を呈する。クッション部42の第2方向D2と直交する断面の形状は、円形状を呈する。しかしながら、クッション部42は、円柱状以外の形状であってもよく、例えば、枕形状を呈していてもよい。
【0069】
例えば、クッション部42は柔軟性素材によって構成されている。クッション部42は、例えば、側地と、側地によって画定される内部空間に収容されている内容物とを有する。クッション部42の側地は、例えば、綿、羊毛、ポリエステル、レーヨン、アクリル、ダブルラッセル、接触冷感素材、及びこれらの混紡のうちの少なくとも一つを含む。クッション部42の側地は、下面(例えば床に接触する面)に滑り止め部を有していてもよい。この滑り止め部は、例えば、ゴムによって構成されており、滑り止め加工が施されている部分である。クッション部42の下面の材料は、クッション部42の上面の材料とは異なっていてもよい。例えば、クッション部42の下面の材料は、クッション部42の上面の材料よりも強度が高い材料である。
【0070】
クッション部42の内容物は、例えば、ウレタンフォーム等の柔軟性内容物、プロファイル材等の凹凸加工ウレタンフォーム、ウールフェルト素材等の吸湿性及び放湿性に優れた天然素材、ポリエステルわた、ポリエチレンパイプ材、エラストマーパイプ材、そば殻、アズキ、ヒノキ、及び接触冷感性を付与する材料のうちの少なくとも一つを含む。しかしながら、クッション部42の側地の材料、及びクッション部42の内容物の材料は、上記で列挙したもの以外の材料であってもよく、適宜変更可能である。
【0071】
クッション部42は、背面部41に連結されていなくてもよい。室内履物1Bは、例えば、土台部2B及び背面部41を収容する側地と、当該側地のうち第1連結部23と対向する部分の裏側に配置され、下側連結部32と着脱可能である連結部と、当該側地のうち背面部41の前面に対向する部分の裏側に連結されると共にクッション部42を収容する袋部とを更に有してもよい。なお、室内履物1Bの側地は、背面部41のみを覆うものであってもよいし、上記の連結部を有しないものであってもよい。
【0072】
例えば、室内履物1Bの上記の袋部は、クッション部42が通過する開口を有してもよい。この開口は、第3方向D3に貫通していてもよい。この開口は袋部の上部に形成されていてもよい。この場合、この開口に上からクッション部42を入れて、クッション部42を袋部の内部に収容することができる。上記の袋部の開口は、第2方向D2に貫通していてもよい。この開口は袋部の側方に形成されていてもよい。この場合、この開口に側方からクッション部42を入れて、クッション部42を袋部の内部に収容することができる。
【0073】
また、室内履物1Bは、土台部2B及び背面部41を収容する第1側地と、第1側地の背面部41を収容する部分の前側に連結されると共にクッション部42を収容する袋状の第2側地とを有していてもよい。第2側地は、クッション部42が通過する開口を有してもよい。第2側地の開口は、前述した袋部の開口と同様、第2側地の上部に形成されていてもよいし、第2側地の側方に形成されていてもよい。更に、第2側地の開口は、第3方向D3に貫通していてもよいし、第2方向D2に貫通していてもよい。
【0074】
被覆部3の上側連結部33の下に位置する下側連結部32が第1連結部23に連結されることによって、被覆部3は土台部2Bに連結される。土台部2Bに被覆部3が取り付けられたときに、第3方向D3において土台部2Bと被覆部3との間に内部空間S1が形成されている。踵部4Bと被覆部3との間には空間が形成されている。
【0075】
第3実施形態に係る室内履物1Bの作用効果について説明する。室内履物1Bは、踵部4Bを備え、踵部4Bと被覆部3との間には空間が形成されている。使用者は踵部4Bと被覆部3との間に設けられた空間に足を収容することができる。また、踵部4Bは、クッション部42を有する。使用者の足の踵及びアキレス腱は、踵部4Bを構成するクッション部42によって安定して支持される。踵部4Bと被覆部3との間に足が挟まれることにより、室内履物1Bの当該空間において足を安定させることができる。
【0076】
土台部2Bは、柔軟性素材によって構成されている。土台部2Bが柔軟性素材によって構成されていることにより、足が土台部2Bに載置されたときに、土台部2Bが足裏の形状に合わせて柔軟に変形する。また、載置部22Bの後端には第3領域R3が設けられている。第3領域R3に設けられている第3凸部25cの第3方向D3の長さは、第2領域R2に設けられている第2凸部25bの第3方向D3の長さよりも短い。すなわち、第3凸部25cの高さは、第2凸部25bの高さよりも低い。よって、第3領域R3は使用者の足の踵に沿うように第2領域R2より低くなっているので、踵は第3領域R3に安定して収まる。
【0077】
右足が載せられる室内履物1Bにおいて、第1領域R1は、載置部22Bに足を載せた使用者から見て左側の縁に沿うように設けられている。第1領域R1に設けられている第1凸部25aの第3方向D3の長さは、第2領域R2に設けられている第2凸部25bの第3方向D3の長さよりも長い。すなわち、第1凸部25aの高さは、第2凸部25bの高さよりも高い。よって、第1領域R1は、使用者の足の土踏まずに沿うように第2領域R2より高くなっているので、土踏まずは第1領域R1に安定して支持される。その結果、土台部2Bの柔軟性素材によって足を温めることができると共に、使用者が足を土台部2Bに載置したときの使用感を向上させることができる。右足が載せられる室内履物1Bとは左右対称の左足が載せられる室内履物1Bからも上記と同様の作用効果が得られる。
【0078】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る室内履物について図6を参照しながら説明する。図6は、第4実施形態に係る室内履物1Cの斜視図である。室内履物1Cは、使用者が足を載置する部分である土台部2Cと、使用者の足を覆う部分である被覆部3Cとを備える。被覆部3Cは、土台部2Cに着脱可能である。土台部2Cに被覆部3Cが取り付けられたときに、第3方向D3において土台部2Cと被覆部3Cとの間に内部空間S2が形成される。内部空間S2の第2方向D2の長さは、内部空間S2の第1方向D1の長さよりも長い。室内履物1Cは、内部空間S2に使用者の両足を収容することができる。
【0079】
土台部2Cは、使用者が足を土台部2Cに載置したときに足と接触する部分である載置部22Cを有する。載置部22Cは、矩形板状を呈する。載置部22Cは、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在し、第3方向D3に厚みを有する。載置部22Cの第2方向D2の長さは、載置部22Cの第1方向D1の長さよりも長い。載置部22Cは、柔軟性素材によって構成されている。載置部22Cは、載置部22Cの第1方向D1の一端側に位置する前縁22fと、載置部22Cの第2方向D2の両端側のそれぞれに位置する一対の横縁22gとを有する。
【0080】
室内履物1Cにおいて、土台部2Cの第1連結部23は、例えば、被覆部3Cの上側連結部33の下方に位置する。土台部2Cの第1連結部23は、前縁22fにおいて第2方向D2の一端から第2方向D2の他端まで配置されている。第1連結部23は、例えば、第2方向D2の両側の横縁22gのそれぞれの一部において、前縁22fと連結されている第1方向D1の一端から間隔を空けて配置されている。横縁22gの長さに対する各横縁22gの第1連結部23が配置されている部分の長さの割合は、例えば、30%以上且つ90%以下である。しかしながら、当該割合の数値は、上記の例に限られず、適宜変更可能である。前縁22fに設けられている第1連結部23の数は、例えば、一対の横縁22gの一方に設けられている第1連結部23の数よりも多い。
【0081】
被覆部3Cは、土台部2Cに接触する部分である接触縁3cを有する。被覆部3Cは、使用者の足を覆う部分である布部31Cと、土台部2Cと着脱可能に連結される部分である下側連結部32と、別の被覆部と着脱可能に連結される部分である上側連結部33とを有する。下側連結部32は、上側連結部33の下側に位置する。
【0082】
布部31Cの第2方向D2の長さは、布部31Cの第1方向D1の長さよりも長い。布部31Cは、被覆部3Cが土台部2Cに取り付けられた状態で、外側に露出している布地である表地31cと、被覆部3Cが土台部2Cに取り付けられた状態で、外側に露出していない布地である裏地31dとを有する。
【0083】
第4実施形態に係る室内履物1Cの作用効果について説明する。室内履物1Cの第2方向D2の長さは、室内履物1の第2方向D2の長さよりも長い。よって、室内履物1Cの床に接触する部分の面積は、前述した片足を収容する室内履物1の床に接触する部分の面積よりも大きい。これにより、室内履物1Cの内部空間S2に足を収容したときに、床に対して室内履物1Cが滑り難くなる。従って、室内履物1Cは、床に対して位置がより安定する。
【0084】
以上、本開示に係る室内履物の種々の実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、本発明は、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
【0085】
以下では、第1実施形態の変形例について説明する。被覆部3は、接触冷感の機能を有する素材によって構成されていてもよい。この場合、使用者は、室内履物1の内部空間Sに足を収容することによって、涼しさを感じることができる。
【0086】
被覆部3は、リバーシブルであってもよい。すなわち、表裏をひっくり返された被覆部3の上側連結部33が第1連結部23に連結されてもよい。前述したように、第1連結部23、下側連結部32及び上側連結部33は、ブロック型のスナップテープであってもよい。この場合、表地31aの素材と、裏地31bの素材とに互いに異なる素材が用いられているとき、使用者は被覆部3の表裏を変更することによって、使用者の足に接触する素材を使用者の好みに応じて変更することができる。
【0087】
以下では、第2実施形態の変形例について説明する。被覆部3は、布部31に対向すると共に接触縁3aに連結された状態で使用者の足が挿入される袋部を更に有してよい。この場合、使用者は、被覆部3の布部31の下に位置する袋部の内側に形成された内部空間に足を収容することできる。使用者は、袋部の内側に形成された内部空間に足を収容するとともに、踵部4Aによって踵が支持された状態で、踵を支持する踵部4A及び被覆部3を土台部2から取り外すことができる。
【0088】
以下では、第4実施形態の変形例について説明する。室内履物1Cは、内部空間S2において、第1方向D1及び第3方向D3の双方に延在し、第2方向D2に厚みを有する板状の部材である仕切部を更に有してもよい。仕切部の第1方向D1の端部は、前縁22fに位置してもよい。仕切部は、室内履物1Cにおける第2方向D2の中央において第1方向D1に延在していてもよい。被覆部3Cは、仕切部と着脱可能であってもよい。この場合、被覆部3Cを土台部2Cに取り付けたときに、内部空間S2は、第2方向D2に配列された2個の空間に仕切られる。2個の空間が形成されるので、各空間に左右それぞれの足を収容することができる。
【0089】
載置部22Cの上面は、前縁22fに近づくにつれて第3方向D3において載置部22Cの下面から遠ざかるように傾斜していてもよい。すなわち、載置部22Cの上面は、前縁22f(指先方向)に向かって斜め上方に延在していてもよい。載置部22Cの第3方向D3の長さ(載置部22Cの厚み)は、前縁22fに近づくにつれて、長く(厚く)なっていてもよい。このように、載置部22Cの形状等についても適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0090】
1,1A,1B,1C…室内履物、2,2B,2C…土台部、3,3C…被覆部、3a,3c…接触縁、3b…後縁、4A,4B…踵部、21…底部、22,22B,22C…載置部、22a…側地、22b…矩形縫製部、22c…横断縫製部、22d,22f…前縁、22e,22g…横縁、23…第1連結部、24…本体部、24a…前面、24b…側面、25…凸部、25a…第1凸部、25b…第2凸部、25c…第3凸部、31,31C…布部、31a,31c…表地、31b,31d…裏地、32…下側連結部(第2連結部)、33…上側連結部、41…背面部、42…クッション部、R1…第1領域、R2…第2領域、R3…第3領域、S,S1,S2…内部空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6