(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106194
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】故障管理システム及び故障管理方法
(51)【国際特許分類】
G01M 17/007 20060101AFI20240731BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20240731BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
G01M17/007 H
G06F21/62 390
B60R16/02 650J
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010374
(22)【出願日】2023-01-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大谷 恭平
(72)【発明者】
【氏名】辻岡 毅
(72)【発明者】
【氏名】加納 忠彦
(57)【要約】
【課題】オプション機能のための機器を搭載した車両において、車載機器における故障の発生を、運転者に適切に通知すること。
【解決手段】故障管理装置は、車両に搭載された装置又は機器の故障についての情報である故障情報を収集する情報収集部と、故障の発生を通知する故障通知を車両の室内において出力する通知部と、故障情報に基づきいずれかの装置又は機器の故障が発見されたときに、故障通知の出力を行うか否かを通知部に指示する指示部と、を備え、指示部は、車両におけるオプション機能のそれぞれについて当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す管理情報に基づき、故障が発見された装置又は機器が、実行を許可されているオプション機能の実行に関与するものでないときは、通知部に対し故障通知の出力を禁止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された装置又は機器の故障についての情報である故障情報を収集する情報収集部と、
前記故障の発生を通知する故障通知を前記車両の室内において出力する通知部と、
前記故障情報に基づきいずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、前記故障通知の出力を行うか否かを前記通知部に指示する指示部と、
を備え、
前記指示部は、前記車両におけるオプション機能のそれぞれについて当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す管理情報に基づき、前記故障が発見された前記装置又は前記機器が、実行を許可されている前記オプション機能の実行に関与するものでないときは、前記通知部に対し前記故障通知の出力を禁止する、
故障管理装置。
【請求項2】
車両に搭載された故障管理装置と、前記車両の外部に設けられて、前記故障管理装置と通信可能に接続された管理サーバと、を含み、
前記故障管理装置は、
前記車両に搭載された装置又は機器の故障についての情報である故障情報を収集する情報収集部と、
前記故障の発生を通知する故障通知を前記車両の室内において出力する通知部と、
を備え、
前記管理サーバは、
前記故障情報に基づきいずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、前記故障通知の出力を行うか否かを前記通知部に指示する第1指示部と、
を備え、
前記通知部は、前記第1指示部からの指示に従って前記故障通知の出力動作を行い、
前記第1指示部は、前記車両におけるオプション機能のそれぞれについて当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す管理情報に基づき、前記故障が発見された前記装置又は前記機器が、実行を許可されている前記オプション機能の実行に関与するものでないときは、前記通知部に対し前記故障通知の出力を禁止する、
故障管理システム。
【請求項3】
前記故障管理装置は、更に、
前記管理情報を記憶する記憶装置と、
前記故障情報に基づきいずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、前記故障通知の出力を行うか否かを前記通知部に指示する第2指示部であって、前記記憶装置に記憶されている前記故障情報に基づき、前記故障が発見された前記装置又は前記機器が、実行を許可されている前記オプション機能の実行に関与するものでないときは、前記通知部に対し前記故障通知の出力を禁止する第2指示部と、
を備え、
前記通知部は、前記故障管理装置が前記管理サーバと通信可能であるときは、前記第1指示部からの指示に従って前記故障通知を出力し、前記故障管理装置が前記管理サーバと通信可能でないときは、前記第2指示部からの指示に従って前記故障通知を出力する、
請求項2に記載の故障管理システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の故障管理システムを構成する前記故障管理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する故障管理方法であって、
車両に搭載された装置又は機器の故障についての情報である故障情報を収集する収集ステップと、
前記故障情報に基づきいずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、前記故障の発生を通知する故障通知の出力を行うか否かの指示を決定する指示ステップと、
前記指示ステップが決定した指示に従って前記故障通知を前記車両の室内において出力する通知ステップと、
を含み、
前記指示ステップでは、前記車両におけるオプション機能のそれぞれについて当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す管理情報に基づき、前記故障が発見された前記装置又は前記機器が、実行を許可されている前記オプション機能の実行に関与するものでないときは、前記故障通知の出力を禁止する指示を決定する、
故障管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器の故障を管理する故障管理システム、及び故障管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて運転支援技術に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
【0003】
また、近年、車両の販売時に、当該車両において標準機能を実現するための装置のほか、オプション機能を実現し得る装置及び機器を車両に搭載しておき、車両の販売後において、ユーザからの要求に応じてオプション機能の実行を可能とすることが行われている。
【0004】
特許文献1には、使用目的に応じて車両に搭載されているオプションの利用設定を変更する情報処理装置が記載されている。この情報処理装置では、車両の使用目的が業務である場合には、全てのオプションの利用が可能とされ、車両の使用目的が私用である場合には、少なくとも一つのオプションの利用が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、運転支援技術においては、車載機器における故障の発生を、運転者に適切に通知することが課題である。特に、販売時には動作しないオプション機能のための機器を搭載した車両では、すべての車載機器を対象として故障の発生を通知したのでは、利用しないオプション機能に係る車載機器の故障も通知されることとなり、運転者を煩わせることとなり得る。
【0007】
本願は、上記課題の解決のため、オプション機能のための機器を搭載した車両において、車載機器における故障の発生を、運転者を煩わせることなく適切に通知することを目的としたものである。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様は、車両に搭載された装置又は機器の故障についての情報である故障情報を収集する情報収集部と、前記故障の発生を通知する故障通知を前記車両の室内において出力する通知部と、前記故障情報に基づきいずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、前記故障通知の出力を行うか否かを前記通知部に指示する指示部と、を備え、前記指示部は、前記車両におけるオプション機能のそれぞれについて当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す管理情報に基づき、前記故障が発見された前記装置又は前記機器が、実行を許可されている前記オプション機能の実行に関与するものでないときは、前記通知部に対し前記故障通知の出力を禁止する、故障管理装置である。
本発明の他の態様によると、車両に搭載された故障管理装置と、前記車両の外部に設けられて、前記故障管理装置と通信可能に接続された管理サーバと、を含み、前記故障管理装置は、前記車両に搭載された装置又は機器の故障についての情報である故障情報を収集する情報収集部と、前記故障の発生を通知する故障通知を前記車両の室内において出力する通知部と、を備え、前記管理サーバは、前記故障情報に基づきいずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、前記故障通知の出力を行うか否かを前記通知部に指示する第1指示部と、を備え、前記通知部は、前記第1指示部からの指示に従って前記故障通知の出力動作を行い、前記第1指示部は、前記車両におけるオプション機能のそれぞれについて当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す管理情報に基づき、前記故障が発見された前記装置又は前記機器が、実行を許可されている前記オプション機能の実行に関与するものでないときは、前記通知部に対し前記故障通知の出力を禁止する、故障管理システムである。
本発明の他の態様によると、前記故障管理装置は、更に、前記管理情報を記憶する記憶装置と、前記故障情報に基づきいずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、前記故障通知の出力を行うか否かを前記通知部に指示する第2指示部であって、前記記憶装置に記憶されている前記故障情報に基づき、前記故障が発見された前記装置又は前記機器が、実行を許可されている前記オプション機能の実行に関与するものでないときは、前記通知部に対し前記故障通知の出力を禁止する第2指示部と、を備え、前記通知部は、前記故障管理装置が前記管理サーバと通信可能であるときは、前記第1指示部からの指示に従って前記故障通知を出力し、前記故障管理装置が前記管理サーバと通信可能でないときは、前記第2指示部からの指示に従って前記故障通知を出力する。
本発明の他の態様は、いずれかの前記故障管理システムを構成する前記故障管理装置である。
本発明の他の態様は、コンピュータが実行する故障管理方法であって、車両に搭載された装置又は機器の故障についての情報である故障情報を収集する収集ステップと、前記故障情報に基づきいずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、前記故障の発生を通知する故障通知の出力を行うか否かの指示を決定する指示ステップと、前記指示ステップが決定した指示に従って前記故障通知を前記車両の室内において出力する通知ステップと、を含み、前記指示ステップでは、前記車両におけるオプション機能のそれぞれについて当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す管理情報に基づき、前記故障が発見された前記装置又は前記機器が、実行を許可されている前記オプション機能の実行に関与するものでないときは、前記故障通知の出力を禁止する指示を決定する、故障管理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、オプション機能のための機器を搭載した車両において、車載機器における故障の発生を、運転者を煩わせることなく適切に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る故障管理装置の構成を示す図である。
【
図2】故障管理方法の処理の手順を示すフロー図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る故障管理システムの構成を示す図である。
【
図6】
図5に示す故障管理システムを構成する故障管理装置の構成を示す図である。
【
図7】
図5に示す故障管理システムを構成する管理サーバの構成を示す図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態に係る故障管理システムの構成を示す図である。
【
図9】
図8に示す故障管理システムを構成する故障管理装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[1.第1実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態に係る故障管理装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る故障管理装置1の構成を示す図である。故障管理装置1は、車両2に搭載されて、車両2の車載機器に故障が発見されたときに、車両2の車室内において、当該故障の発生を示す故障通知を出力する。車両2は、オプション機能を有する任意の車両であり得る。本実施形態では、車両2は、例えば電気自動車である。
【0012】
故障管理装置1は、車両2が備える車載ネットワークバス5を介して、aECU(Electronic Contrl Unit)6a、bECU6b、cECU6c、dECU6d、TCU(Telematics Control Unit)8、及び機能管理装置9と、通信可能に接続されている。
【0013】
aECU6a、bECU6b、cECU6c、及びdECU6dは、それぞれ、a機器7a、b機器7b、c機器7c、及びd機器7dを制御する。以下、aECU6a、bECU6b、cECU6c、及びdECU6dを総称してECU6ともいい、a機器7a、b機器7b、c機器7c、及びd機器7dを総称して機器7ともいうものとする。各ECU6は、単独で又は他のECU6と協働して、車両2の様々なオプション機能を実行し得る。ここで、ECU6および機器7は、本開示における車両に搭載された装置および機器に相当する。
【0014】
ECU6は、それぞれ、車両電源スイッチ10がオン状態にあって電源供給が行われている期間に、例えば所定のタイミングで定期的に、自身の動作故障についての自己診断及びそれぞれが制御する機器7についての故障診断を行って、その診断結果を示す故障情報を生成する。各ECU6は、生成した故障情報を、故障管理装置1へ送信する。ここで、上記故障には、ソフトウェアの異常及び又はハードウェアの故障が含まれ得る。また、上記故障情報は、本開示における、車両に搭載された装置又は機器の故障についての情報である故障情報に相当する。
【0015】
TCU8は、車両2の外部に設けられた管理サーバ4と、通信ネットワーク3を介して通信するための無線通信装置を含む。管理サーバ4は、車両2のユーザについての、車両2のオプション機能の利用可否の情報を管理する。例えば、管理サーバ4は、ユーザが携帯端末を介して送信する車両2のいずれかのオプション機能の利用開始又は利用停止の要求を受信して、対応するオプション機能の実行許可又は実行禁止の指示を車両2へ送信する。また、管理サーバ4は、車両におけるオプション機能のそれぞれについて、当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す管理情報を記憶する。
【0016】
機能管理装置9は、コンピュータを備える電子制御装置であり、車両2における各オプション機能の実行許否の状態を管理する。機能管理装置9は、いずれかのオプション機能の実行許可又は実行禁止の指示を管理サーバ4から受信したときに、そのオプション機能の実行に関与するECU6に、そのオプション機能の実行許可を与え又は実行禁止を指示する。
【0017】
故障管理装置1は、プロセッサ12と、メモリ13と、を備える。メモリ13は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。メモリ13には、後述する情報収集部14により、管理サーバ4からダウンロードされた管理情報が、管理情報17として記憶される。
【0018】
プロセッサ12は、例えば、CPU等を備えるコンピュータである。プロセッサ12は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、プロセッサ12は、機能要素又は機能ユニットとして、情報収集部14と、通知部15と、指示部16、を備える。
【0019】
プロセッサ12が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータであるプロセッサ12が、メモリ13に保存されたプログラム18を実行することにより実現される。なお、プログラム18は、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、プロセッサ12が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
【0020】
情報収集部14は、管理サーバ4から管理情報をダウンロードして、管理情報17としメモリ13に記憶する。管理情報のダウンロードは、例えば、車両2の車両電源スイッチ10がオンに切り替えられたときに行われる。
【0021】
図3は、管理情報の一例を示す図である。図示の例では、管理情報が表形式で示されている。図示の表の左から、第1列は車両ユーザのユーザID、第2列はオプション機能の名称、第3列は各オプション機能の実行を許可しているか否かの情報を示している。また、第4列及び第5列は、それぞれ、各オプション機能の動作に関与するECU6(関連ECU)及び機器7(関連機器)のリストである。
【0022】
なお、第4列及び第5列が示す、各オプション機能と関連ECU及び関連機器との関係についての情報は、必ずしも管理情報に含める必要はない。第4列及び第5列に示す情報は、車両2の固有情報として、管理情報とは別にメモリ13に記憶させておくものとすることができる。
【0023】
例えば、車両2がシェアカーであり、複数のユーザにより車両2が利用され得る場合には、管理情報は、ユーザUのそれぞれについて、上記第1列から第3列までの情報を保持するものとすることができる。
【0024】
図1を参照し、情報収集部14は、また、ECU6又は機器7の故障についての情報である故障情報を収集する。例えば、情報収集部14は、上述したECU6のそれぞれが定期的に行う自己診断及び故障診断の診断結果である故障情報を受信して、当該故障情報を収集する。
【0025】
通知部15は、情報収集部14が収集した故障情報に基づき、ECU6又は機器7において故障が発生したときに、故障の発生を通知する故障通知を車両2の室内において出力する。例えば、通知部15は、故障通知として、故障の発生を示す故障表示(例えば、アイコン)を、車両2の車室内のインストルメントパネル(不図示)に設けられた、車速等を表示するメータ表示装置11に表示する。本実施形態では、特に、通知部15は、後述する指示部16からの指示に従って故障通知を出力する。具体的には、通知部15は、故障が発生した場合であっても、指示部16から故障通知の出力が禁止されたときは、故障通知を出力しない。
【0026】
図4は、メータ表示装置11を用いて出力される故障通知の一例を示す図である。図示の例では、メータ表示装置11には、速度計50、バッテリ温度計51、バッテリ充電残量計52、及び種々の情報が表示される情報ディスプレイ53が設けられている。そして、メータ表示装置11の図示右下の、情報ディスプレイ53の下方において、故障表示アイコン54が点灯することにより故障通知が出力される。
【0027】
図1を参照し、指示部16は、情報収集部14が収集した故障情報に基づき、いずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、故障通知の出力を行うか否かを通知部15に指示する。本実施形態では、特に、指示部16は、メモリ13に記憶された管理情報17に基づき、故障が発見されたECU6又は機器7が、実行を許可されているオプション機能の実行に関与するものでないときは、通知部15に対し故障通知の出力を禁止する。
【0028】
一方、故障が発見されたECU6又は機器7が、実行を許可されているオプション機能の実行に関与するものであるとき又はスタンダード機能(オプション機能でない機能)に関与するものであるときは、指示部16は、通知部15に対し故障通知の出力を許可する。これに応じて、指示部16は、故障通知を出力する。上述したように、この故障通知の出力は、メータ表示装置11への故障表示アイコンの表示であり得る。
【0029】
例えば、管理情報17が
図3に示す内容である場合、bECU6b又はb機器7bは、実行を許可されているいずれのオプション機能にも関与しない。このため、bECU6b又はb機器7bが故障した場合、指示部16は、通知部15に対し故障通知の出力を禁止する。一方、
図3に示す管理情報では、cECU6c及びc機器7cは、実行が許可されているオプション機能である機能Fに関与しているので、指示部16は、通知部15に対し故障通知の出力を許可する。
【0030】
上記の構成を有する故障管理装置1では、実行が許可され車両ユーザが利用しているいずれのオプション機能にも関与しない車載機器(ECU6及びECU6に制御される機器7を含む。以下、同じ。)の故障については故障通知が出力されないので、車両ユーザは、運転者として車両2を運転する際に、自分にとって関係のない故障通知に煩わされることがない。このため、故障管理装置1では、車載機器における故障の発生を運転者に適切に通知することができる。
【0031】
次に、故障管理装置1における処理の手順について説明する。
図2は、故障管理装置のコンピュータであるプロセッサ12が実行する故障管理方法の処理手順を示すフロー図である。
図2に示す処理は、繰り返し実行される。
【0032】
処理を開始すると、まず、例えば情報収集部14は、車両電源スイッチ10がターンオンされたか否か(すなわち、オンに切り替えられたか否か)を判断する(S100)。そして、車両電源スイッチ10がターンオンされないときは(S100、NO)、情報収集部14は、ステップS100に戻って処理を繰り返し、車両電源スイッチ10がターンオンされるのを待機する。
【0033】
一方、車両電源スイッチ10がターンオンされたときは(S100、YES)、情報収集部14は、管理サーバ4から管理情報を取得する(S102)。情報収集部14は、取得した管理情報を、管理情報17としてメモリ13に記憶する。続いて、情報収集部14は、車両電源スイッチ10がターンオフされたか否かを判断する(S104)。そして、車両電源スイッチ10がターンオフされたときは(S104、YES)、情報収集部14は、本処理を終了する。
【0034】
一方、車両電源スイッチ10がターンオフされないときは(S104、NO)、情報収集部14は、それぞれのECU6から故障情報を収集する(S106)。具体的には、情報収集部14は、それぞれのECU6が定期的に送信する故障情報を受信することにより、故障情報を収集する。続いて、通知部15は、情報収集部14が収集した故障情報に基づき、いずれかのECU6又は機器7に故障が発生しているか否かを判断する(S108)。
【0035】
そして、いずれのECU6及び機器7にも故障が発生していないときは(S108、NO)、通知部15は、ステップS104に戻って処理を繰り返す。一方、いずれかのECU6又は機器7に故障が発生しているときは(S108、YES)、通知部15は、その旨を指示部16に通知する。当該通知を受けた指示部16は、まず、故障装置等(上記故障が発生したECU6及び又は機器7)が、スタンダード機能(オプション機能以外の機能)に関わるものであるか否かを判断する(S110)。例えば、指示部16は、予めメモリ13に記憶された、スタンダード機能に関わるECU6及び機器7のリスト(不図示)を参照して、ステップS110における判断を行うものとすることができる。
【0036】
そして、故障装置等がスタンダード機能に関わるものであるときは(S110、YES)、指示部16は、通知部15に対し、故障通知の出力を許可する(S116)。当該許可に応じて、通知部15は、故障通知を出力したのち(S118)、処理をステップS104に戻す。
【0037】
一方、ステップS110において、故障装置等がスタンダード機能に関わるものでないときは(S110、NO)、指示部16は、故障装置等が、実行許可されているオプション機能に関わるものであるか否かを判断する(S112)。そして、故障装置等が、実行許可されているオプション機能に関わるものであるときは(S112、YES)、指示部16は、ステップS116に処理を移して、故障通知の出力を許可する。
【0038】
一方、故障装置等が、実行許可されているオプション機能に関わるものでないときは(S112、NO)、指示部16は、通知部15に対し、故障通知の出力を禁止したのち(S114)、ステップS104に処理を戻す。
【0039】
ここで、
図2に示すフロー図において、ステップS106は、本開示における収集ステップに相当し、ステップS118は、本開示における通知ステップに相当する。また、ステップS110、S112、S114、S116は、本開示における指示ステップに相当する。
【0040】
[2.第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る故障管理システムについて説明する。
図5は、本実施形態に係る故障管理システム20の構成を示す図である。
図5に示す故障管理システム20は、車両2に搭載された故障管理装置21と、管理サーバ22と、を含む。故障管理装置21と管理サーバ22とは、通信ネットワーク3を介して通信可能に接続されている。故障管理システム20では、故障管理装置21は、車両2が搭載する装置又は機器の故障が発見されたときに、上記発見した故障についての故障通知を出力するか否かの指示を管理サーバ22から受信し、当該受信された指示に従って動作する。
【0041】
本実施形態に係る故障管理システム20によれば、運転者にとって関係のない故障通知を禁止して運転者を煩わせないという第1実施形態における効果に加えて、例えばオプション機能利用の最新情報を管理サーバ22において管理しつつ、且つ車載の故障管理装置21の処理負荷を軽減しつつ、車載機器における故障の発生を運転者に適切に通知することができる。
【0042】
[2.1 故障管理装置の構成]
図6は、故障管理システム20を構成する故障管理装置21の構成を示す図である。
図6において、
図1に示す第1実施形態に係る故障管理装置1と同じ構成要素については、
図1における符号と同じ符号を用いるものとし、上述した
図1についての説明を援用する。
【0043】
故障管理装置21は、故障管理装置1と同様の構成を有するが、プロセッサ12及びメモリ13に代えて、第1プロセッサ25及び第1メモリ26を有する点が異なる。第1メモリ26は、メモリ13と同様の構成を有するが、管理情報17は記憶されず、プログラム18に代えて第1プログラム27が記憶されている点が異なる。
【0044】
第1プロセッサ25は、プロセッサ12と同様の構成を有するが、機能要素又は機能ユニットとして、指示部16を有さず、また、通知部15に代えて通知部28を有する点が異なる。第1プロセッサ25が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである第1プロセッサ25が、第1メモリ26に保存された第1プログラム27を実行することにより実現される。
【0045】
なお、第1プログラム27は、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、第1プロセッサ25が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
【0046】
通知部28は、通知部15と同様の構成を有するが、故障通知の出力を行うか否か関し、指示部16からの指示に代えて、後述する管理サーバ22の指示部36からの指示に従う。具体的には、通知部28は、情報収集部14が収集した故障情報に基づき、ECU6又は機器7において故障が発生したときに、管理サーバ4へ、故障通知を出力するか否かの指示を求める指示要求を送信する。この指示要求には、故障が生じたECU6及び又は機器7を特定するための機器情報が含まれ得る。
【0047】
指示要求を受信した管理サーバ4の指示部36(後述)は、指示要求に含まれる機器情報に基づいて、故障通知を出力するか否かを判断する。そして、その判断結果としての、通知許可又は通知禁止の指示を故障管理装置21へ送信する。通知部28は、管理サーバ4の指示部36からの指示に従って故障通知を出力する。具体的には、通知部28は、管理サーバ4の指示部36から通知許可の指示を受信したときは、上記故障についての故障通知を出力し、通知禁止の指示を受信したときは、上記故障についての故障通知を出力しない。なお、故障通知は、第1実施形態と同様に、メータ表示装置11への故障表示アイコンを表示することにより行われ得る。
【0048】
[2.2 管理サーバの構成]
次に、管理サーバ22について説明する。
図7は、管理サーバ22の構成を示す図である。管理サーバ22は、第2プロセッサ30と、第2メモリ31と、通信装置32と、を備える。通信装置32は、管理サーバ22が通信ネットワーク3を介して故障管理装置21と通信するための通信装置である。
【0049】
第2メモリ31は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。第2メモリ31には、後述する管理部35により、管理情報33が記憶される。管理情報33は、車両2におけるオプション機能のそれぞれについて当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す情報であり、第1実施形態における故障管理装置1のメモリ13に記憶される管理情報17(例えば、
図3に示す管理情報)と同様である。
【0050】
第2プロセッサ30は、例えば、CPU等を備えるコンピュータである。第2プロセッサ30は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、第2プロセッサ30は、機能要素又は機能ユニットとして、管理部35と、指示部36と、を備える。
【0051】
第2プロセッサ30が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである第2プロセッサ30が、第2メモリ31に保存された第2プログラム34を実行することにより実現される。なお、第2プログラム34は、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、第2プロセッサ30が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
【0052】
管理部35は、車両2のユーザについての、車両2のオプション機能の利用可否の情報を管理する。例えば、管理部35は、ユーザが携帯端末等を介して送信する車両2のいずれかのオプション機能の利用開始又は利用停止の要求を受信して、対応するオプション機能の実行許可又は実行禁止の指示を車両2へ送信する。また、管理サーバ4は、車両におけるオプション機能のそれぞれについて、当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す管理情報33を生成して第2メモリ31に記憶する。
【0053】
管理部35からの上記実行許可又は実行禁止の指示は、車両2の機能管理装置9により受信される。第1実施形態の説明において上述したように、機能管理装置9は、いずれかのオプション機能の実行許可又は実行禁止の指示を受信したときに、そのオプション機能の実行に関与するECU6に、そのオプション機能の実行許可を与え又は実行禁止を指示する。
【0054】
指示部36は、故障管理装置21から指示要求を受信したときに、その指示要求が含む機器情報により特定されるECU6又は機器7(すなわち、故障が発見されたECU6又は機器7)についての故障通知の出力を行うか否かを、故障管理装置21の通知部28に指示する。
【0055】
具体的には、指示部36は、第2メモリ31に記憶されている管理情報33に基づき、上記機器情報により特定されるECU6又は機器7が、実行を許可されているオプション機能の実行に関与するものでないときは、故障管理装置21の通知部28に通知禁止の指示を送信して、故障通知の出力を禁止する。
【0056】
一方、上記機器情報により特定されるECU6又は機器7が、実行を許可されているオプション機能の実行に関与するものであるとき又はスタンダード機能(オプション機能でない機能)に関与するものであるときは、指示部36は、故障管理装置21の通知部28に通知許可の指示を送信して、故障通知の出力を指示する。
【0057】
次に、故障管理システム20が実行する故障管理方法について説明する。故障管理システム20のコンピュータである故障管理装置21の第1プロセッサ25及び管理サーバ22の第2プロセッサ30が実行する故障管理方法は、
図2に示す第1実施形態に係る故障管理装置1が実行する故障管理方法と同様である。ただし、故障管理システム20における故障管理方法は、ステップS106に代えて、管理サーバ22の管理部35が管理情報33を生成する点、及びステップS110、S112、S114、及びS116の実行主体が指示部16に代えて管理サーバ22の指示部36である点が異なる。
【0058】
[3.第3実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る故障管理システムについて説明する。
図8は、本実施形態に係る故障管理システム40の構成を示す図である。
図8において、
図5に示す第2実施形態に係る故障管理システム20と同じ構成要素については、
図5における符号と同じ符号を用いるものとし、上述した
図5についての説明を援用する。
【0059】
図8に示す故障管理システム40は、
図5に示す故障管理システム20と同様の構成を有するが、故障管理装置21に代えて故障管理装置41を有する点が異なる。
【0060】
図9は、故障管理装置41の構成を示す図である。
図9において、
図1に示す第1実施形態に係る故障管理装置1と同じ構成要素については、
図1における符号と同じ符号を用いるものとし、上述した
図1についての説明を援用する。
【0061】
故障管理装置41は、
図1に示す故障管理装置1と同様の構成を有するが、プロセッサ12及びメモリ13に代えて、第3プロセッサ42及び第3メモリ43を有する点が異なる。第3メモリ43は、メモリ13と同様に、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。メモリ13と同様に、第3メモリ43には、情報収集部14により管理サーバ4からダウンロードされた管理情報が、管理情報17として記憶される。ここで、第3メモリ43は、本開示における、管理情報を記憶する記憶装置に相当する。
【0062】
第3プロセッサ42は、プロセッサ12と同様の構成を有するが、機能要素又は機能ユニットとして、通知部15に代えて通知部44を有する点が異なる。第3プロセッサ42が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである第3プロセッサ42が、第3メモリ43に保存された第3プログラム45を実行することにより実現される。
【0063】
なお、第3プログラム45は、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、第3プロセッサ42が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
【0064】
通知部44は、
図1に示す故障管理装置1の通知部15と同様の構成を有するが、故障管理装置41と管理サーバ22との通信が可能か否かに応じて、指示部16からの指示に従って故障通知を出力するか、又は管理サーバ22の指示部36からの指示に従って故障通知を出力する点が、通知部15と異なる。具体的には、通知部44は、故障管理装置41が管理サーバ22と通信可能でないときは、指示部16からの指示に従って故障通知を出力し、故障管理装置41が管理サーバ22と通信可能であるときは、管理サーバ22の指示部36からの指示に従って故障通知を出力する。
【0065】
ここで、本実施形態において、管理サーバ22が備える指示部36は、本開示における第1指示部に相当し、故障管理装置41が備える指示部16は、本開示における第2指示部に相当する。
【0066】
上記の構成を有する故障管理システム40では、車両2と管理サーバ22との通信状態にかかわらず、車載機器における故障の発生を、運転者に適切に通知することができる。
【0067】
次に、故障管理システム40が実行する故障管理方法について説明する。故障管理システム40のコンピュータである故障管理装置41の第3プロセッサ42及び管理サーバ22の第2プロセッサ30が実行する故障管理方法は、
図2に示す第1実施形態に係る故障管理装置1が実行する故障管理方法と同様である。ただし、故障管理システム40における故障管理方法は、ステップS106に代えて、管理サーバ22の管理部35が管理情報33を生成する点、及びステップS110、S112、S114、及びS116の実行主体が、故障管理装置41と管理サーバ22との通信が可能か否かに応じて、故障管理装置41の指示部16又は管理サーバ22の指示部36となる点が異なる。
【0068】
[4.他の実施形態]
上述した実施形態では、情報収集部14は、それぞれのECU6が定期的に送信する故障情報を受信することにより故障情報を収集するものとした。これに加えて、情報収集部14は、それぞれのECU6が所定時間以下の間隔で定期的に故障情報を送信して来たか否かを判断し、その判断結果を故障情報として取得するものとしてもよい。あるいは、情報収集部14は、所定のタイミングで定期的に各ECU6に応答要求を送信し、それぞれのECU6が所定時間内に返信応答を返したか否かを判断し、その判断結果を故障情報として取得してもよい。
【0069】
上述した第2実施形態又は第3実施形態において、管理サーバ22は、複数の車両2にのそれぞれについての管理情報33を記憶して、複数の車両2の故障管理装置21又は41に対して故障通知を行うか否かの指示を送信してもよい。この場合において、それぞれの車両2が複数のユーザにより利用されるシェアカーであるときは、管理サーバ22の管理部は、ユーザと車両2の組み合わせ毎の管理情報33を作成して記憶するものとすることができる。この場合には、管理サーバ22は、それぞれの車両2の故障管理装置21又は41から、車両2の車両IDと、現在時刻において車両2を利用するユーザのユーザIDとを更に含む指示要求を受信するものすることができる。管理サーバ22の指示部36は、指示要求に含まれる車両IDとユーザIDとの組み合わせに対応する管理情報33を参照して故障通知の出力の許否を判断し、その判断結果を、対応する車両2の故障管理装置21又は41に送信することができる。
【0070】
なお、本発明は上記の実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0071】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上述した実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0072】
(構成1)車両に搭載された装置又は機器の故障についての情報である故障情報を収集する情報収集部と、前記故障の発生を通知する故障通知を前記車両の室内において出力する通知部と、前記故障情報に基づきいずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、前記故障通知の出力を行うか否かを前記通知部に指示する指示部と、を備え、前記指示部は、前記車両におけるオプション機能のそれぞれについて当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す管理情報に基づき、前記故障が発見された前記装置又は前記機器が、実行を許可されている前記オプション機能の実行に関与するものでないときは、前記通知部に対し前記故障通知の出力を禁止する、故障管理装置。
構成1の故障管理装置によれば、実行が許可され車両ユーザが利用しているいずれのオプション機能にも関与しない車載機器(装置及び当該装置に制御される機器を含む)の故障については故障通知が出力されないので、車両ユーザは、運転者として車両を運転する際に、自分にとって関係のない故障通知に煩わされることがない。このため、構成1の故障管理装置では、車載機器における故障の発生を、運転者に適切に通知することができる。
【0073】
(構成2)車両に搭載された故障管理装置と、前記車両の外部に設けられて、前記故障管理装置と通信可能に接続された管理サーバと、を含み、前記故障管理装置は、前記車両に搭載された装置又は機器の故障についての情報である故障情報を収集する情報収集部と、前記故障の発生を通知する故障通知を前記車両の室内において出力する通知部と、を備え、前記管理サーバは、前記故障情報に基づきいずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、前記故障通知の出力を行うか否かを前記通知部に指示する第1指示部と、を備え、前記通知部は、前記第1指示部からの指示に従って前記故障通知の出力動作を行い、前記第1指示部は、前記車両におけるオプション機能のそれぞれについて当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す管理情報に基づき、前記故障が発見された前記装置又は前記機器が、実行を許可されている前記オプション機能の実行に関与するものでないときは、前記通知部に対し前記故障通知の出力を禁止する、故障管理システム。
構成2の故障管理システムによれば、例えばオプション機能利用の最新情報を管理サーバにおいて管理しつつ、且つ車載の故障管理装置の処理負荷を軽減しつつ、運転者にとって関係のない故障通知を禁止して運転者を煩わせることなく、車載機器における故障の発生を運転者に適切に通知することができる。
【0074】
(構成3)前記故障管理装置は、更に、前記管理情報を記憶する記憶装置と、前記故障情報に基づきいずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、前記故障通知の出力を行うか否かを前記通知部に指示する第2指示部であって、前記記憶装置に記憶されている前記故障情報に基づき、前記故障が発見された前記装置又は前記機器が、実行を許可されている前記オプション機能の実行に関与するものでないときは、前記通知部に対し前記故障通知の出力を禁止する第2指示部と、を備え、前記通知部は、前記故障管理装置が前記管理サーバと通信可能であるときは、前記第1指示部からの指示に従って前記故障通知を出力し、前記故障管理装置が前記管理サーバと通信可能でないときは、前記第2指示部からの指示に従って前記故障通知を出力する、構成2に記載の故障管理システム。
構成3の故障管理システムによれば、車両と管理サーバとの通信状態にかかわらず、車載機器における故障の発生を、運転者に適切に通知することができる。
【0075】
(構成4)構成2又は3に記載の故障管理システムを構成する前記故障管理装置。
構成4の故障管理装置によれば、例えばオプション機能利用の最新情報を管理サーバと連携して、車載機器における故障の発生を、運転者に適切に通知することができる。
【0076】
(構成5)コンピュータが実行する故障管理方法であって、車両に搭載された装置又は機器の故障についての情報である故障情報を収集する収集ステップと、前記故障情報に基づきいずれかの前記装置又は前記機器の故障が発見されたときに、前記故障の発生を通知する故障通知の出力を行うか否かの指示を決定する指示ステップと、前記指示ステップが決定した指示に従って前記故障通知を前記車両の室内において出力する通知ステップと、を含み、前記指示ステップでは、前記車両におけるオプション機能のそれぞれについて当該オプション機能の実行が許可されているか否かを示す管理情報に基づき、前記故障が発見された前記装置又は前記機器が、実行を許可されている前記オプション機能の実行に関与するものでないときは、前記故障通知の出力を禁止する指示を決定する、故障管理方法。
構成5の故障管理方法によれば、実行が許可され車両ユーザが利用しているいずれのオプション機能にも関与しない車載機器の故障については故障通知が出力されないので、車両ユーザは、運転者として車両を運転する際に、自分にとって関係のない故障通知に煩わされることがない。このため、構成1の故障管理装置では、車載機器における故障の発生を、運転者に適切に通知することができる。
【符号の説明】
【0077】
1、21、41…故障管理装置、2…車両、3…通信ネットワーク、4、22…管理サーバ、5…車載ネットワークバス、6…ECU、6a…aECU、6b…bECU、6c…cECU、6d…dECU、7…機器、7a…a機器、7b…b機器、7c…c機器、7d…d機器、8…TCU、9…機能管理装置、10…車両電源スイッチ、11…メータ表示装置、12…プロセッサ、13…メモリ、14…情報収集部、15、28、44…通知部、16、36…指示部、17、33…管理情報、18…プログラム、20、40…故障管理システム、25…第1プロセッサ、26…第1メモリ、27…第1プログラム、30…第2プロセッサ、31…第2メモリ、32…通信装置、35…管理部、42…第3プロセッサ、43…第3メモリ、45…第3プログラム、50…速度計、51…バッテリ温度計、52…バッテリ充電残量計、53…情報ディスプレイ、54…故障表示アイコン。