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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106199
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】改装建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20240731BHJP
   E06B 1/64 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
E06B1/56 A
E06B1/64 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010381
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大東 正樹
(72)【発明者】
【氏名】筒井 淳司
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011JA02
2E011KA06
2E011KB03
2E011KC01
2E011KC09
2E011KD14
2E011KF01
2E011KG06
2E011KH01
2E011LA06
2E011LB02
2E011LC03
2E011LD01
2E011LD07
2E011LE04
2E011LF01
2E011LF06
(57)【要約】
【課題】既設枠の室外側に配置されるカバー部と既設枠との間に水が浸入することを抑制できる改装建具を提供すること。
【解決手段】改装建具1は、建物躯体100の開口部11に設けられる既設枠2と、既設枠2の内周側に配置される新設枠3と、を備え、既設枠2及び新設枠3の間に配置されるアタッチメント4と、アタッチメント4の室外側X1の部位に取り付けられると共に、既設枠2の室外側X1の面に対向して配置され見付方向における建物躯体100側に延びる見付方向延在板5121,5321を有するカバー部51,53と、見付方向延在板5121,5321の建物躯体100側の端部において既設枠2の室外側X1の面に対向する面に設けられ、既設枠2の室外側X1の面に当接する気密材516,536と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、を備える改装建具であって、
前記既設枠及び前記新設枠の間に配置されるアタッチメントと、
前記アタッチメントの室外側の部位に取り付けられると共に、前記既設枠の室外側の面に対向して配置され見付方向における前記建物躯体側に延びる見付方向延在板を有するカバー部と、
前記見付方向延在板の前記建物躯体側の端部において前記既設枠の室外側の面に対向する面に設けられ、前記既設枠の室外側の面に当接する気密材と、を備える、改装建具。
【請求項2】
前記気密材は、見付方向における前記建物躯体側に突出すると共に、前記建物躯体と前記既設枠との間に配置されるシーリング材の室外側の面に対向して配置され前記シーリング材の室外側の面に沿って突出する突出部を有する、請求項1に記載の改装建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改装建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物躯体の開口部をリフォーム等で改装する方法として開口部に新たな建具を設置するカバー工法が採用されている。カバー工法において、建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、既設枠の内周側に配置される新設枠と、既設枠と新設枠との間に配置されるアタッチメントと、を備える改装建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の改装建具においては、既設上枠の室外側にカバー部が配置され、カバー部と既設上枠との間には、気密材が挟まれて配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-89971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の改装建具においては、気密材の上部に空間が形成されているため、気密材の上部の空間に水が浸入してたまる可能性がある。
【0005】
本開示は、既設枠の室外側に配置されるカバー部と既設枠との間に水が浸入することを抑制できる改装建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、を備える改装建具であって、前記既設枠及び前記新設枠の間に配置されるアタッチメントと、前記アタッチメントの室外側の部位に取り付けられると共に、前記既設枠の室外側の面に対向して配置され見付方向における前記建物躯体側に延びる見付方向延在板を有するカバー部と、前記見付方向延在板の前記建物躯体側の端部において前記既設枠の室外側の面に対向する面に設けられ、前記既設枠の室外側の面に当接する気密材と、を備える、改装建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の改装建具の正面図である。
図2図1のA-A線断面図であって、本実施形態の改装建具の上方側の部分の縦断面図である。
図3図1のB-B線断面図であって、本実施形態の改装建具の左右方向の端部の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態の改装建具1は、例えば、マンション等のビルなどの建物躯体100の開口部11に設けられる。図1は、改装建具1を室内側から見た様子を示している。改装建具1は、すでに設置されている既設枠2に、新設枠3を取り付ける改修を行って形成される。
【0009】
本明細書において、「見付方向」とは、建物躯体100の壁に形成された開口部11に納められた改装建具1における障子12の面材の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記面材の厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、改装建具1における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、改装建具1において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、改装建具1の見込方向の室外側を室外側X1とし、改装建具1の見込方向の室内側を室内側X2とする。改装建具1の見付方向における横方向を左右方向とする。
【0010】
改装建具1は、図1に示すように、建物躯体100の開口部11に設置された既設枠2の内周側に、アタッチメント4(図2及び図3参照)を介して、新設枠3を取り付けることで構成される。改装建具1は、既設枠2と、新設枠3と、アタッチメント4(図2及び図3参照)と、を有する。新設枠3の内側には、障子12,12が開閉可能に納められる。
【0011】
既設枠2は、窓枠10と一体若しくは別体で構成され、開口部11に設けられる枠体である。既設枠2は、矩形の枠状に形成される。既設枠2は、アルミニウム製、アルミ樹脂複合製又は樹脂製の形材により構成される。既設枠2は、既設上枠21と、既設下枠22と、左右一対の既設縦枠23と、を有する。
【0012】
既設上枠21は、開口部11の上方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。既設下枠22は、開口部11の下方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。一対の既設縦枠23は、開口部11の左右方向の両端部で上下方向に延びる長尺の部材である。
【0013】
新設枠3は、アタッチメント4(図2及び図3参照)を介して、既設枠2の内周側に配置される。新設枠3は、矩形の枠状に形成される。新設枠3は、アルミニウム製の形材により構成される。新設枠3は、新設上枠31と、新設下枠32と、左右一対の新設縦枠33と、を有する。
【0014】
新設上枠31は、開口部11の上方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。新設下枠32は、開口部11の下方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。一対の新設縦枠33は、開口部11の左右方向の両端部で上下方向に延びる長尺の部材である。
【0015】
図2及び図3に示すように、アタッチメント4は、既設枠2と新設枠3の間に配置され、新設枠3を既設枠2に固定するための部材である。アタッチメント4は、アタッチメント上枠41(図2参照)と、アタッチメント下枠(図示せず)と、左右一対のアタッチメント縦枠43(図3参照)と、を有する。アタッチメント上枠41、アタッチメント下枠及び左右一対のアタッチメント縦枠43は、それぞれ、例えば、アルミニウム製の形材により構成される。
【0016】
アタッチメント上枠41、アタッチメント下枠、左右一対のアタッチメント縦枠43は、それぞれ、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向に沿って配置される。アタッチメント上枠41、アタッチメント下枠、左右一対のアタッチメント縦枠43は、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向において、間隔を空けて複数配置されてもよいし、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向に延びる1部材により構成されていてもよい。
【0017】
本実施形態においては、図2及び図3に示すように、例えば軽量気泡コンクリートを用いたALC構造の納まりについて説明する。軽量気泡コンクリートを用いたALC構造の納まりにおいては、建物躯体100の天井の下面と、天井の下面の室外側の端部から上方に延びる側面とが、直角に形成された直角面を有して構成され、直角面に窓枠10が取り付けられる構造である。
【0018】
図2により、既設上枠21、新設上枠31及びアタッチメント上枠41の固定構造について説明する。
【0019】
既設上枠21は、図1に示すように、建物躯体100の開口部11の上部側に取り付けられている。既設上枠21は、図2に示すように、室内外方向に延びる室内外方向延在板211と、室内外方向延在板211の室外側X1の端部から下方に突出する室外側突出板212(室外側突出板)と、室内外方向延在板211の室内側X2の端部から下方に突出する室内側突出板213(室内側突出板)と、室内外方向延在板211の室内外方向の途中から下方に向けて立設される既設障子用のガイドレール214、215と、室内外方向延在板211の室外側X1の端部から上方に突出する室外側L字片216と、室内外方向延在板211の室内側X2の端部から上方に突出する室内側L字片217と、室外側L字片216の上端に接続される室外側既設上枠上方延出枠218と、を有する。室内側X2の端部に設けられるL字接続部材219と、を有する。ガイドレール214が室外側X1に設けられ、ガイドレール215が室内側X2に設けられる。
【0020】
既設上枠21は、開口部11の上方において、室内側X2の端部が、L字状のL字接続部材219を介して、建物躯体100の額縁部材101に固定されていると共に、室外側L字片216及び室内側L字片217において、建物躯体100に固定されている。なお、本実施形態では、既設上枠21の室内側X2の端部に別体のL字接続部材219を接続したが、これに限定されない。L字接続部材219を設けずに、既設上枠21と一体で既設上枠21から突出するリブを設けてもよい。
【0021】
室外側既設上枠上方延出枠218は、建物躯体100の天井の直角面の側面に沿って上方に延びる。室外側既設上枠上方延出枠218は、室外側L字片216の室外側X1の端部から上方に所定長さ延びる上下方向延在部218aと、上下方向延在部218aの上端部から室内側X2に所定長さ延びる室内外方向延在部218bと、室内外方向延在部218bの室内側X2の端部から上方に所定長さ突出する上端突出部218cと、を有する。
【0022】
既設上枠21の室外側既設上枠上方延出枠218の上端突出部218cの室外側X1の面には、バックアップ材102が配置される。バックアップ材102の室外側X1には、建物躯体100と既設上枠21との間に配置されて建物躯体100と既設上枠21との間を止水するシーリング材103が施されている。
【0023】
アタッチメント上枠41は、既設上枠21と新設上枠31とを接続する。アタッチメント上枠41は、図2に示すように、開口部11の上方において、既設上枠21及び新設上枠31の間に配置され、左右方向に延びる長尺の部材である。アタッチメント上枠41は、既設上枠21の内周側に接続される。アタッチメント上枠41は、既設上枠21の下方に配置され、既設上枠21に固定される。
【0024】
アタッチメント上枠41は、室内外方向に延びる。アタッチメント上枠41は、室内外方向に延びる室内外方向延在板411と、室内外方向延在板411の室内側X2の端部に配置され室内外方向に延びる室内側端部延出部412(室内側延出部)と、室内外方向延在板411の室内外方向の室外側X1の端部寄りに形成され上方に突出する突出片413と、室内外方向延在板411の室内外方向の室外側X1の端部に形成され下方に突出する突起414と、を有する。
【0025】
室内外方向延在板411は、室内外方向の途中において、ネジ111により、既設上枠21の室内外方向延在板211及び建物躯体100に固定される。
【0026】
室内外方向延在板411の上面には、室外側X1において既設上枠21の室外側突出板212の下端部212a(先端部)が当接し、室内側X2において既設上枠21の室内側突出板213の下端部213a(先端部)が当接する。
【0027】
既設上枠21のガイドレール214の下端部214aは、室内外方向延在板411の上面に当接する。既設上枠21のガイドレール215の下端部215aは、室内外方向延在板411の上面から上方に離れて配置されている。既設上枠21のガイドレール214、215の下端部214a,215aは、室内外方向延在板411の上面に当接してもよいし、室内外方向延在板411の上面から上方に離れて配置されていてもよい。
【0028】
突出片413は、既設上枠21の室外側突出板212の室内側X2の面に沿って、室内外方向延在板411から上方に突出する。突起414は、室内外方向延在板411の室外側X1の端部から下方に突出して形成され、既設上枠21の室外側突出板212の下方に配置される。
【0029】
室内外方向延在板411の室外側X1の端部には、上枠カバー部51(カバー部)が取り付けられる。上枠カバー部51は、室内側X2の端部に形成され室内外方向に延びる室内外方向延在板511と、室外側X1の端部に配置されるL字カバー部517(室外側部分)と、を有する。
【0030】
室内外方向延在板511は、アタッチメント上枠41の室内外方向延在板411の室外側X1の端部の下面に沿って配置される。室内外方向延在板511は、段差状に形成され、室内側上段板部511aと、室外側下段板部511cと、段差511bと、を有する。
【0031】
室内側上段板部511aは、室内側X2の端部において室内外方向に延びる板状に形成される。室内側上段板部511aは、アタッチメント上枠41の室内外方向延在板411の室外側X1において下面に形成される下方開放凹部411aに配置される。室内側上段板部511aは、ネジ112により、アタッチメント上枠41の室内外方向延在板411の室外側X1の部分において下面に固定される。
【0032】
室外側下段板部511cは、室内側上段板部511aの室外側X1に段差511bを介して接続され、室内側上段板部511aよりも室外側X1において、室内側上段板部511aよりも下方において室内外方向に延びる板状に形成される。室外側下段板部511cの上面には、室外側下段板部511cの室外側X1に形成され上方に延出する室外側上方延出部512と、室外側上方延出部512よりも室内側X2の位置において上方に突出する位置規制突起514と、が形成される。
【0033】
室外側上方延出部512は、室外側下段板部511cの室外側X1の部分から建物躯体100側の上方に延びる上下方向延在板5121(見付方向延在板)と、上下方向延在板5121の室内側X2の面から室内側X2に突出する突出部5122と、を有する。上下方向延在板5121は、既設上枠21の室外側突出板212及び室外側既設上枠上方延出枠218の上下方向延在部218aの室外側X1の面に対向して配置される。
【0034】
上下方向延在板5121の下部側の室内側X2の面には、気密材515が取り付けられる。気密材515は、既設上枠21の下部側において、上下方向延在板5121と既設上枠21の室外側突出板212の室外側X1の面との間に配置される。
【0035】
上下方向延在板5121の建物躯体100側の上端部の室内側X2の面には、気密材516が取り付けられる。上下方向延在板5121の建物躯体100側の上端部の室内側X2の面は、既設上枠21の室外側既設上枠上方延出枠218の上下方向延在部218aの室外側X1の面に対向する面である。気密材516は、既設上枠21の上部側において、上下方向延在板5121と既設上枠21の室外側既設上枠上方延出枠218の上下方向延在部218aの室外側X1の面との間に配置される。
【0036】
気密材516は、上下方向延在板5121の室内側X2の面に取り付けられる取付部516aと、取付部516aの室内側X2に設けられ既設上枠21の室外側既設上枠上方延出枠218の上下方向延在部218aの室外側X1の面に押し当てられて当接する気密部516bと、気密部516bから上方に突出するヒレ部516c(突出部)と、を有する。
【0037】
気密材516は、軟質樹脂製の材料で形成される。気密部516bは、上下方向延在板5121の上端部と室外側既設上枠上方延出枠218の上下方向延在部218aとの間に配置されることで、水が浸入しないように気密性能を確保する。ヒレ部516cは、気密部516bから、シーリング材103の室外側X1の面に沿って建物躯体100側の上方側にヒレ状に突出する。ヒレ部516cは、シーリング材103の室外側X1の面に対向して配置される。これにより、ヒレ部516cは、建物躯体100と既設上枠21とをシーリング材103により止水している箇所を隠すことができる。シーリング材103が経年劣化した場合には、軟質樹脂製の気密材516を取り外し、又は、軟質樹脂製の気密材516のヒレ部516cをカットすることで、新たなシーリング材103を施すことができる。
【0038】
位置規制突起514は、段差511bの室外側X1において、室内外方向延在板511の室外側下段板部511cから上方に突出する。段差511bと位置規制突起514との間には、上方に向けて開放する上方開放凹部513が形成される。上方開放凹部513には、アタッチメント上枠41の室内外方向延在板411の室外側X1の端部に形成される突起414が配置される。
【0039】
位置規制突起514は、室内側X2の側面が、アタッチメント上枠41の突起414の室外側X1の端面に対向して配置される。そのため、位置規制突起514は、上枠カバー部51が室内側X2に移動しようとしても、アタッチメント上枠41の突起414の室外側X1の端面よりも室内側X2に移動できないため、上枠カバー部51の室内側X2への移動を規制する。
【0040】
本実施形態においては、位置規制突起514は、アタッチメント上枠41の突起414の室外側X1の端面に当接している。これにより、室外側上方延出部に取り付けられた気密材515,516が、室外側上方延出部512の上下方向延在板5121と既設上枠21の室外側突出板212の室外側X1の面との間に挟まれた状態において、位置規制突起514が室内側X2への移動を規制することにより、気密性能が確保された範囲で気密材515,516が過度に押しつぶされないように規制される。
【0041】
L字カバー部517は、上枠カバー部51の室外側X1の端部に配置される。L字カバー部517は、既設上枠21よりも室外側X1に突出して配置され、室内側X2及び下方側に向けて開放するL字状に形成される。L字カバー部517は、新設上枠31の室外側X1に配置される。L字カバー部517は、新設上枠31の室外側X1の端部の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0042】
新設上枠31は、図2に示すように、アタッチメント上枠41の内周側(アタッチメント上枠41の下方)に、スペーサ部材611を介して、取り付けられる。新設上枠31は、アタッチメント上枠41の室内外方向延在板411の下面との間に、板状のスペーサ部材611を挟んだ状態で、スペーサ部材611の下面に配置される。
【0043】
スペーサ部材611は、1枚以上のシートによって構成される。スペーサ部材611を構成するシートの厚み及びシートの積層数は、アタッチメント上枠41と新設上枠31との間の隙間の大きさ等に応じて適宜設定される。また、アタッチメント上枠41と新設上枠31との間の隙間の大きさによっては、スペーサ部材611を設けなくてもよい。
【0044】
新設上枠31は、新設上枠室外側中空部311と、新設上枠室内側中空部312と、横樋構造部313と、室外側上下方向延出板部314と、室外側気密材取付部316と、ガイドレール317,318と、を有する。
【0045】
新設上枠室外側中空部311及び新設上枠室内側中空部312は、いずれも室内外方向に延びる細長い長方形状の中空状に形成され、室内外方向に並んで配置される。新設上枠室外側中空部311が室外側X1に配置され、新設上枠室内側中空部312が室内側X2に配置されている。
【0046】
新設上枠室外側中空部311は、新設上枠31の室内外方向の中央付近において、ネジ113により、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内外方向延在板411に固定される。
【0047】
ネジ113は、下方から上方に向けて順に、新設上枠室外側中空部311の上面板311a、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内外方向延在板411を貫通する。これにより、ネジ113は、新設上枠室外側中空部311、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内外方向延在板411を共締めにより固定することで、新設上枠室外側中空部311をアタッチメント上枠41に固定する。新設上枠室外側中空部311の下面板311bには、ネジ113を通すための貫通孔311cが設けられ、ネジ113が貫通孔311cを通されて、ネジ113により、新設上枠室外側中空部311、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内外方向延在板411が固定される。ネジ113が通された後に、貫通孔311cには、キャップ311dが取り付けられる。
【0048】
新設上枠室内側中空部312は、新設上枠31の室内外方向の室内側X2側において、ネジ114により、スペーサ部材611に固定される。
【0049】
ガイドレール317,318は、新設上枠室外側中空部311及び新設上枠室内側中空部312から、下方に向けて立設される。ガイドレール317,318は、障子12,12(図1参照)の上部をガイドする。ガイドレール317が室外側X1に設けられ、ガイドレール318が室内側X2に設けられる。
【0050】
ガイドレール317とガイドレール318との間において、新設上枠室外側中空部311及び新設上枠室内側中空部312の下面には、新設上枠室外側中空部311及び新設上枠室内側中空部312のアルミニウムが露出された部分を覆うように、樹脂カバー材319が取り付けられている。樹脂カバー材319は、新設上枠室外側中空部311及び新設上枠室内側中空部312の下面において、ガイドレール317とガイドレール318との間のレール間を覆うカバーである。
【0051】
横樋構造部313は、新設上枠室外側中空部311の室外側X1に形成される。横樋構造部313は、下方に凹む凹状に形成されることで、上方に向けて開放する。これにより、横樋構造部313は、水を貯留して流すことができ、樋の機能を有する。横樋構造部313に浸入した水は、新設上枠31の長手方向の両端部に流れる。これにより、横樋構造部313を設けることにより、排水性能を向上できる。
【0052】
室外側上下方向延出板部314は、横樋構造部313の室外側X1の端部から下方に延出する板状に形成される。室外側上下方向延出板部314は、網戸13用の上部のガイドレールである。
【0053】
室外側気密材取付部316は、新設上枠31の室外側X1の端部に形成される。室外側気密材取付部316には、気密材配置部材316aが取り付けられる。気密材配置部材316aの室外側X1には、気密材316bが取り付けられる。気密材316bは、新設上枠31の室外側X1の端部の室外側X1の面と、上枠カバー部51のL字カバー部517の下方(見付方向の内側)に突出する突出板517aの室内側X2の面との間に配置される。これにより、室外側X1において、上枠カバー部51のL字カバー部517と新設上枠31との間には、気密材316bが配置される。
【0054】
新設上枠31の新設上枠室内側中空部312の室内側X2の下部には、樹脂製のアングル部材612が取り付けられる。アングル部材612には、室内側化粧カバー613が取り付けられる。室内側化粧カバー613は、室外側X1及び上方側が開放されたL字状に形成され、アタッチメント上枠41の室内側X2の端部側及び新設上枠31の室内側X2の端部側を覆うように配置される。
【0055】
室内側化粧カバー613と額縁部材101との境目は、ネジ614aによって額縁部材101に固定される断面L字状の見切り材614によって遮蔽されている。
【0056】
次に、図3により、既設縦枠23、新設縦枠33及びアタッチメント縦枠43の固定構造について説明する。
【0057】
既設縦枠23は、図1に示すように、建物躯体100の開口部11の左右方向の両端部に取り付けられている。既設縦枠23は、図3に示すように、室内外方向に延びる室内外方向延在板231と、室内外方向延在板231の室外側X1の端部から左右方向の内側に延びる室外側突出板232と、室内外方向延在板231の室内側X2の端部から左右方向の内側に延びる室内側突出板233と、室内外方向延在板231の室内外方向の途中から左右方向の内側に突出する第1中間突出板234及び第2中間突出板235と、室内外方向延在板231の室外側X1の端部から左右方向の外側に突出する室外側L字片236と、室内外方向延在板231の室内側X2の端部から左右方向の外側に突出する室内側L字片237と、室外側L字片236の左右方向の外側の端部に接続される室外側既設縦枠見付方向外側延出枠238と、室内側X2の端部に設けられるL字接続部材239と、を有する。
【0058】
既設縦枠23は、開口部11の左右方向の両端部において、室内側X2の端部が、L字状のL字接続部材239を介して、建物躯体100の額縁部材101に固定されていると共に、室外側L字片236及び室内側L字片237において、建物躯体100に固定されている。なお、本実施形態では、既設縦枠23の室内側X2の端部に別体のL字接続部材239を接続したが、これに限定されない。L字接続部材239を設けずに、既設縦枠23と一体で既設縦枠23から突出するリブを設けてもよい。
【0059】
室外側突出板232は、既設縦枠23の室外側X1に形成され、左右方向の内側(見付方向の内側)に向けて突出する。室内側突出板233は、既設縦枠23の室内側X2に形成され、左右方向の内側(見付方向の内側)に向けて突出する。
【0060】
室外側既設縦枠見付方向外側延出枠238は、建物躯体100の天井の直角面の側面に沿って上方に延びる。室外側既設縦枠見付方向外側延出枠238は、室外側L字片236の室外側X1の端部から左右方向の外側に所定長さ延びる見付方向延在部238aと、見付方向延在部238aの左右方向の外側の端部から室内側X2に所定長さ延びる室内外方向外側延在部238bと、室内外方向外側延在部238bの室内側X2の端部から左右方向の外側に所定長さ突出する突出部238cと、を有する。
【0061】
既設縦枠23の室外側既設縦枠見付方向外側延出枠238の突出部238cの室外側X1の面には、バックアップ材102が配置される。バックアップ材102の室外側X1には、建物躯体100と既設縦枠23との間に配置されて建物躯体100と既設縦枠23との間を止水するシーリング材103が施されている。
【0062】
アタッチメント縦枠43は、既設縦枠23と新設縦枠33とを接続する。アタッチメント縦枠43は、図3に示すように、開口部11の左右方向の両端部において、既設縦枠23及び新設縦枠33の間に配置され、上下方向に延びる長尺の部材である。アタッチメント縦枠43は、既設縦枠23の内周側に接続される。アタッチメント縦枠43は、既設縦枠23の左右方向の内側に配置され、既設縦枠23に固定される。
【0063】
アタッチメント縦枠43は、室内外方向に延びる。アタッチメント縦枠43は、室内外方向に延びる室内外方向延在板431と、室内外方向延在板431の室内側X2の端部に配置され室内外方向に延びる室内側端部延出部432(室内側延出部)と、室内外方向延在板431の室内外方向の室外側X1の端部寄りに形成され左右方向の外側に突出する突出片433と、室内外方向延在板411の室内外方向の室外側X1の端部に形成され左右方向の内側に突出する突起434と、を有する。
【0064】
室内外方向延在板431は、室内外方向の途中において、ネジ131により、既設縦枠23の室内外方向延在板231及び建物躯体100に固定される。
【0065】
突出片433は、既設縦枠23の室外側突出板232の室内側X2の面に沿って、室内外方向延在板431から左右方向の外側に突出する。突起434は、室内外方向延在板431の室外側X1の端部から下方に突出して形成され、既設縦枠23の室外側突出板232の左右方向の内側に配置される。
【0066】
室内外方向延在板431の室外側X1の端部には、縦枠カバー部53(カバー部)が取り付けられる。縦枠カバー部53は、室内側X2の端部に形成され室内外方向に延びる室内外方向延在板531と、室外側X1の端部に配置されるL字カバー部537(室外側部分)と、を有する。
【0067】
室内外方向延在板531は、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431の室外側X1の端部の左右方向の内側の面に沿って配置される。室内外方向延在板531は、段差状に形成され、室内側外側板部531aと、室外側内側板部531cと、段差511bと、を有する。
【0068】
室内側外側板部531aは、室内側X2の端部において室内外方向に延びる板状に形成される。室内側外側板部531aは、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431の室外側X1において左右方向の内側の面に形成される内側開放凹部431aに配置される。室内側外側板部531aは、ネジ132により、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431の室外側X1の部分において左右方向の内側の面に固定される。
【0069】
室外側内側板部531cは、室内側外側板部531aの室外側X1に段差531bを介して接続され、室内側外側板部531aよりも室外側X1において、室内側外側板部531aよりも内側において室内外方向に延びる板状に形成される。室外側内側板部531cの左右方向の外側の面には、室外側内側板部531cの室外側X1に形成され左右方向の外側に延出する室外側見付方向延出部532と、室外側見付方向延出部532よりも室内側X2の位置において左右方向の外側に突出する位置規制突起534と、が形成される。
【0070】
室外側見付方向延出部532は、室外側内側板部531cの室外側X1の部分から建物躯体100側の左右方向の外側に延びる見付方向延在板5321(見付方向延在板)を有する。見付方向延在板5321は、既設縦枠23の室外側突出板232及び室外側既設縦枠見付方向外側延出枠238の見付方向延在部238aの室外側X1の面に対向して配置される。
【0071】
見付方向延在板5321の左右方向の内側の室内側X2の面には、気密材535が取り付けられる。気密材535は、既設縦枠23の左右方向の内側において、見付方向延在板5321と既設縦枠23の室外側突出板232の室外側X1の面との間に配置される。
【0072】
見付方向延在板5321の建物躯体100側の左右方向の外側の端部の室内側X2の面には、気密材536が取り付けられる。見付方向延在板5321の建物躯体100側の左右方向の外側の端部の室内側X2の面は、既設縦枠23の室外側既設縦枠見付方向外側延出枠238の見付方向延在部238aの室外側X1の面に対向する面である。気密材536は、既設縦枠23の左右方向の外側において、見付方向延在板5321と既設縦枠23の室外側既設縦枠見付方向外側延出枠238の見付方向延在部238aの室外側X1の面との間に配置される。
【0073】
気密材536は、見付方向延在板5321の室内側X2の面に取り付けられる取付部536aと、取付部536aの室内側X2に設けられ既設縦枠23の室外側既設縦枠見付方向外側延出枠238の見付方向延在部238aの室外側X1の面に押し当てられて当接する気密部536bと、気密部536bから左右方向の外側に突出するヒレ部536c(突出部)と、を有する。
【0074】
気密材536は、軟質樹脂製の材料で形成される。気密部536bは、見付方向延在板5321の左右方向の外側の端部と室外側既設縦枠見付方向外側延出枠238の見付方向延在部238aとの間に配置されることで、水が浸入しないように気密性能を確保する。ヒレ部536cは、気密部536bから、シーリング材103の室外側X1の面に沿って建物躯体100側の左右方向の外側にヒレ状に突出する。ヒレ部536cは、シーリング材103の室外側X1の面に対向して配置される。これにより、ヒレ部536cは、建物躯体100と既設縦枠23とをシーリング材103により止水している箇所を隠すことができる。シーリング材103が経年劣化した場合には、軟質樹脂製の気密材536を取り外し、又は、軟質樹脂製の気密材536のヒレ部536cをカットすることで、新たなシーリング材103を施すことができる。
【0075】
位置規制突起534は、段差531bの室外側X1において、室内外方向延在板531の室外側内側板部531cから左右方向の外側に突出する。段差531bと位置規制突起534との間には、左右方向の外側に向けて開放する外側開放凹部533が形成される。外側開放凹部533には、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431の室外側X1の端部に形成される突起434が配置される。
【0076】
位置規制突起534は、室内側X2の側面が、アタッチメント縦枠43の突起434の室外側X1の端面に対向して配置される。そのため、位置規制突起534は、縦枠カバー部53が室内側X2に移動しようとしても、アタッチメント縦枠43の突起434の室外側X1の端面よりも室内側X2に移動できないため、縦枠カバー部53の室内側X2への移動を規制する。本実施形態においては、位置規制突起534の室内側X2の側面は、アタッチメント縦枠43の突起434の室外側X1の端面に当接している。これにより、室外側見付方向延出部に取り付けられた気密材535,536が、室外側見付方向延出部532の見付方向延在板5321と既設縦枠23の室外側突出板232の室外側X1の面との間に挟まれた状態において、位置規制突起534が室内側X2への移動を規制することにより、気密性能が確保された範囲で気密材536が過度に押しつぶされないように規制される。
【0077】
L字カバー部537は、縦枠カバー部53の室外側X1の端部に配置される。L字カバー部537は、既設縦枠23よりも室外側X1に突出して配置され、室内側X2及び下方側に向けて開放するL字状に形成される。L字カバー部537は、新設縦枠33の室外側X1に配置される。L字カバー部537は、新設縦枠33の室外側X1の端部の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0078】
新設縦枠33は、図3に示すように、アタッチメント縦枠43の内周側(アタッチメント縦枠43の左右方向の内側)に、スペーサ部材631a,631bを介して、取り付けられる。新設縦枠33は、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431の左右方向の内側の面との間に、板状のスペーサ部材631a,631bを挟んだ状態で、スペーサ部材631a,631bの左右方向の内側の面に配置される。
【0079】
スペーサ部材631a,631bは、それぞれ、1枚以上のシートによって構成される。スペーサ部材631a,631bを構成するシートの厚み及びシートの積層数は、アタッチメント縦枠43と新設縦枠33との間の隙間の大きさ等に応じて適宜設定される。また、アタッチメント縦枠43と新設縦枠33との間の隙間の大きさによっては、スペーサ部材631a,631bを設けなくてもよい。
【0080】
新設縦枠33は、新設縦枠室外側中空部331と、新設縦枠室内側中空部332と、室内側端部延出板335と、室外側気密材取付部336と、を有する。
【0081】
新設縦枠室外側中空部331及び新設縦枠室内側中空部332は、いずれも室内外方向に延びる細長い長方形状の中空状に形成され、室内外方向に並んで配置される。新設縦枠室外側中空部331が室外側X1に配置され、新設縦枠室内側中空部332が室内側X2に配置されている。
【0082】
新設縦枠室外側中空部331は、新設縦枠33の室内外方向の中央付近において、ネジ133により、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431に固定される。
【0083】
ネジ133は、左右方向の内側から外側に向けて順に、新設縦枠室外側中空部331の左右方向の外側面板331a、スペーサ部材631b及びアタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431を貫通する。これにより、ネジ133は、新設縦枠室外側中空部331及びアタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431を共締めにより固定することで、新設縦枠室外側中空部331をアタッチメント縦枠43に固定する。新設縦枠室外側中空部331の左右方向の外側面板331bには、ネジ133を通すための貫通孔331cが設けられ、ネジ133が貫通孔331cを通されて、ネジ133により、新設縦枠室外側中空部331、スペーサ部材631b及びアタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431が固定される。ネジ133が通された後に、貫通孔331cには、キャップ331dが取り付けられる。
【0084】
室内側端部延出板335は、新設縦枠室内側中空部332の室内側X2の端部から室内側X2に延びる。室内側端部延出板335は、新設縦枠33の室内側X2の端部側において、斜めに傾けたネジ134により、スペーサ部材631a及びアタッチメント縦枠43の室内側端部延出部432に固定される。
【0085】
ネジ134は、アタッチメント縦枠43の室内側端部延出部432が延びる方向に直交する方向(図3における左右方向)に対して傾いて配置される。ネジ134は、左右方向の内側から外側に向かうに従って、室内側X2から室外側X1に向かうように傾いて配置される。
【0086】
室外側気密材取付部336は、新設縦枠33の室外側X1の端部において、室外側X1に向けて開放して形成される。室外側気密材取付部336には、気密材配置部材336aが取り付けられる。気密材配置部材336aの室外側X1には、気密材336bが取り付けられる。気密材336bは、新設縦枠33の室外側X1の端部の室外側X1の面と、縦枠カバー部53のL字カバー部537の左右方向の内側(見付方向の内側)に突出する突出板537aの室内側X2の面との間に配置される。これにより、室外側X1において、縦枠カバー部53のL字カバー部537と新設縦枠33との間には、気密材336bが配置される。
【0087】
新設縦枠33の新設縦枠室内側中空部332の室内側X2の端部には、樹脂製のアングル部材632が取り付けられる。アングル部材632には、室内側化粧カバー633が取り付けられる。室内側化粧カバー633は、室外側X1及び上方側が開放されたL字状に形成され、アタッチメント縦枠43の室内側X2の端部側及び新設縦枠33の室内側X2の端部側を覆うように配置される。
【0088】
室内側化粧カバー633と額縁部材101との境目は、ネジ634aによって額縁部材101に固定される断面L字状の見切り材634によって遮蔽されている。
【0089】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の改装建具1は、建物躯体100の開口部11に設けられる既設枠2と、既設枠2の内周側に配置される新設枠3と、を備え、既設枠2及び新設枠3の間に配置されるアタッチメント4と、アタッチメント4(アタッチメント上枠41、アタッチメント縦枠43)の室外側X1の部位に取り付けられると共に、既設枠2(既設上枠21、既設縦枠23)の室外側X1の面に対向して配置され見付方向における建物躯体100側に延びる見付方向延在板(上下方向延在板5121,見付方向延在板5321)を有するカバー部(上枠カバー部51、縦枠カバー部53)と、見付方向延在板(上下方向延在板5121,見付方向延在板5321)の建物躯体100側の端部において既設枠2の室外側X1の面に対向する面に設けられ、既設枠2の室外側X1の面に当接する気密材516,536と、を備える。これにより、既設枠2(既設上枠21、既設縦枠23)の室外側X1に配置されるカバー部(上枠カバー部51、縦枠カバー部53)と既設枠2(既設上枠21、既設縦枠23)との間に水が浸入することを抑制できる。
【0090】
また、本実施形態において、気密材516,536は、見付方向における建物躯体100側に突出すると共に、建物躯体100と既設枠2(既設上枠21、既設縦枠23)との間に配置されるシーリング材103の室外側X1の面に対向して配置されシーリング材103の室外側X1の面に沿って突出するヒレ部516c、536cを有する。これにより、ヒレ部516c、536cは、建物躯体100と既設枠2(既設上枠21、既設縦枠23)とをシーリング材103により止水している箇所を隠すことができる。シーリング材103が経年劣化した場合には、軟質樹脂製の気密材516,536を取り外し、又は、軟質樹脂製の気密材516のヒレ部516c、536cをカットすることで、新たなシーリング材103を施すことができる。
【0091】
以上、本開示の改装建具の一実施形態について説明したが、本開示の改装建具は適宜変更可能である。例えば、本開示の改装建具は、上述した2枚の障子12,12を有するものに制限されず、3枚以上の障子を有するものであってもよいし、1枚だけの障子を有する片引き窓を構成するものであってもよい。さらに、本開示の改装建具は、辷り出し窓やFIX窓、上げ下げ窓、外倒し窓、内倒し窓、あるいは開き窓を構成するものであってもよい。
【0092】
前記実施形態においては、アタッチメントを、アタッチメント上枠及びアタッチメント縦枠とした場合について説明したが、これに限定されない。アタッチメントは、アタッチメント下枠でもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 改装建具、2 既設枠、3 新設枠、4 アタッチメント、11 開口部、21 既設上枠(既設枠)、33 新設縦枠(新設枠)、41 アタッチメント上枠(アタッチメント)、43 アタッチメント縦枠(アタッチメント)、51 上枠カバー部(カバー部)、53 縦枠カバー部(カバー部)、100 建物躯体、103 シーリング材、516 気密材、516c ヒレ部(突出部)、536 気密材、536c ヒレ部(突出部)、5121 上下方向延在板(見付方向延在板)、5321 見付方向延在板(見付方向延在板)
図1
図2
図3