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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106249
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】運動評価システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20240731BHJP
   A61B 5/1171 20160101ALI20240731BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20240731BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
A61B5/11 120
A61B5/1171 200
A63B71/06 G
A63B69/00 C
A63B71/06 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010492
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】522111622
【氏名又は名称】株式会社WisH Lab
(74)【代理人】
【識別番号】100090413
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 康稔
(72)【発明者】
【氏名】小宮 康宏
(72)【発明者】
【氏名】近藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】山田 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】田宮 公成
(72)【発明者】
【氏名】荒井 敏
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA07
4C038VA11
4C038VA12
4C038VB01
4C038VC05
(57)【要約】
【課題】 トレーニングする運動者の運動状態を、短時間で簡便に評価する。
【解決手段】 運動者EXは、表示装置110の正面の運動用シートEXSの上に移動し、撮像部120は前方を撮影する。複数の人物がいる場合、ジェスチャ動作を検出した人物を選択し、表示装置110に矩形枠EXFを重畳して表示する。歩行特性値検出部138は、運動者EXの頭部位置情報の変化から歩数とピッチの歩行特性値を検出する。そして、運動者EXの映像とともに、歩数やピッチなどの歩行特性値EXCも併せて表示装置に表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象の運動者と対向する位置に設置された表示装置と、
この表示装置の近傍に設置され、前記運動者を撮影する撮像部と、
前記運動者の位置情報を検出する運動者特定部と、
この運動者特定部で検出された運動者の位置情報から、運動者の頭部位置情報を検出する頭部検出部と、
この頭部検出部で検出した頭部位置情報から運動者の歩数、ピッチ、歩幅、歩行バランス、のいずれか一つ以上の歩行特性値を検出する歩行特性値検出部と、
前記撮像部で得られた映像入力信号に、前記頭部位置情報と前記歩行特性値の少なくとも一つを合わせて前記表示装置に表示するための映像出力信号を生成する映像表示制御部と、
を含むことを特徴とする運動評価システム。
【請求項2】
前記運動者特定部は、ジェスチャ検出部をさらに有し、ジェスチャ動作をした人物の位置を、評価対象の運動者の位置情報として出力することを特徴とする請求項1記載の運動評価システム。
【請求項3】
前記運動者特定部は、顔認証部をさらに有し、顔認証をした人物の位置を、評価対象の運動者の位置情報として出力することを特徴とする特許請求項1記載の運動評価システム。
【請求項4】
前記運動者特定部は、コード読み取り部をさらに有し、コードを読み取った人物の位置を、評価対象の運動者の位置情報として出力することを特徴とする特許請求項1記載の運動評価システム。
【請求項5】
運動者情報のデータを記録した運転者情報データ記録部を備えており、
前記運動者特定部によって特定された評価対象の運動者の運動者情報のデータを、前記映像表示制御部に出力して、前記表示装置に表示することを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の運動評価システム。
【請求項6】
マーカーにより歩行範囲が明示された歩行路と
前記歩行範囲を歩行する評価対象の運動者と対向する位置に設置された表示装置と、
この表示装置の近傍に設置され、前記運動者を撮影する撮像部と、
運動者の頭部位置情報を検出する頭部検出部と、
この頭部検出部で検出した運動者の頭部位置情報から、少なくとも歩行速度を検出する歩行特性値検出部と、
前記撮像部で得られた映像入力信号に、前記頭部位置情報と前記歩行速度を合わせて前記表示装置に表示する映像出力信号を生成する映像表示制御部と、
を含むことを特徴とする運動評価システム。
【請求項7】
前記歩行範囲の距離を入力する運動機器情報入力部を備えており、
前記歩行特性値検出部は、前記入力された距離情報を利用して、前記運動者の歩行速度を得ることを特徴とする請求項6記載の運動評価システム。
【請求項8】
前記頭部検出部で検出された頭部位置情報を、前記運動者の頭部の大きさに基づいて補正する頭部位置補正部を含むことを特徴とする請求項6記載の運動評価システム。
【請求項9】
前記撮像部は、撮影視野のアスペクト比が、水平方向をx、垂直方向をyとしたとき、x<yの縦向きであることを特徴とする請求項6記載の運動評価システム。
【請求項10】
前記歩行特性値検出部は、
運動の状態を識別して運動状態情報を得る運動状態識別部と、
これによって得た運動状態から反転検出パラメータを検出する反転検出パラメータ検出部と、
これによって検出された反転検出パラメータと、前記運動者の頭部の位置情報から、頭部の水平または垂直の変位量を検出し、変位量が増加から減少、または、減少から増加に変わる時刻を頭部の反転位置として検出して、反転情報を出力する反転検出部と、
この反転情報から、運動者の歩数、ピッチ、歩行速度、歩幅、バランスの少なく一つを歩行特性値として得る歩行特性値演算部と、
を含むことを特徴とする請求項6記載の運動評価システム。
【請求項11】
請求項1又は請求項6のいずれかに記載の運動評価システムの複数が、ネットワークに接続されており、
各運動評価システムによって得られた運動者情報を記録する運動者情報データ記録部が前記ネットワークに接続されており、
この運動者情報データ記録部に記録されている運動者情報が、前記ネットワークを通じて前記複数の運動評価システム間で共有されたことを特徴とする運動評価システム。
【請求項12】
いずれかの運動評価システムの表示装置に表示されている運動者の画像に、他の運動評価システムの表示装置に表示されている他の運動者の画像を並べて表示することを特徴とする請求項11記載の運動評価システム。
【請求項13】
複数の人が利用する施設に設置され、表示装置、撮像部、音声入出力部、信号処理部を有し、
前記信号処理部は、前記表示装置、撮像部、音声入出力部と接続されて、それら表示装置、撮像部、音声入出力部の制御と信号の処理を行い、
運動者の歩行特性値を取得する過程で、表示装置による表示あるいは音声入出力部による音声の一方もしくは両方で運動者に指示を行い、
その運動者の対応から、歩行特性値に加えて、文字の認知状況もしくは音声の認知状況の一方もしくは両方を記録することを特徴とする運動評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の身体運動を行った際の運動状態を評価する運動評価システムに関し、例えば、高齢者や障害者がリハリビテーションを目的として、歩行、トレッドミル、自転車漕ぎ、踏台昇降、などの身体運動を行ったときの運動状態の評価に好適な運動評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、高齢者の健康維持においては、フレイル(加齢に伴い筋力が衰え、疲れやすくなり家に閉じこもりがちになるなど、年齢を重ねたことで生じやすい衰え全般を指す言葉)予防に、「バランスの良い食事」、「運動」、「口腔・嚥下性能のケア」、「社会とのつながり」が重要であると、言われている。普段は自宅で生活している高齢者が通う、通所介護施設などは、前記フレイル予防の重要な拠点であるが、ここで行われている利用者の健康状態の把握は、非特許文献1にあるように、体温測定、簡易機器を用いた血圧測定、脈拍測定のみである。通所介護施設の職員は、多くの利用者を同時に見なければならず、一人一人に目がまわらない。また、頻繁に顔を会せて会話しているために、利用者の健康状態のゆるやかな変化を見逃す可能性がある。
【0003】
運動について詳述すると、運動による筋肉の維持は、下記非特許文献2,3に示すように、転倒の防止だけでなく、病気のリスク低減につながっており、下半身を中心としたトレーニングが有効であると報告されている。
【0004】
下半身を中心としたトレーニングとしては、ウォーキングマシンやランニングマシンなどのトレッドミル、フィットネスバイク、踏台昇降、ローイングマシン(ボート漕ぎ)、などの数々の健康器具を用いた身体運動が行われている。そして、下半身を中心としたトレーニングの効果を可視化、もしくは評価する一手法として、歩行状態を解析する技術がある(以下「歩行評価」という)。この歩行評価の結果がリハビリテーションの運動プログラムに利用されている。歩行評価では、歩行速度(m/s)や、歩幅(cm)、ピッチ(steps/min)の他、足関節、膝関節、股関節の動き等が歩行特性値として測定される。なお、ピッチはケイデンスとも言われる。
【0005】
このような歩行評価を行う背景技術としては、例えば、下記特許文献1~3に示すものがある。まず、特許文献1の「動作解析システム、動作解析装置及びプログラム」は、被験者に測定用マーカを取り付け、2台のカメラ(ステレオカメラ)でこのマーカを検出して左右両側の動作解析を行うもので、歩行動作の際の被験者の骨盤角度、並びに、歩幅や左右重複歩幅等の距離因子、単脚支持期や両脚支持期等の時間因子といった当該被験者の左右両側の動きに関連した両側関連動作情報を算出するようにしたものである。
【0006】
特許文献2の「足跡分析装置」は、平行棒型の歩行装置で歩行する被験者をカメラで撮影して評価するもので、被験者の足元を撮影した画像から左右の足の区別を行い、各足の床面接触位置及び床面接触位置の各足の経時変化を演算し、歩行速度や、歩隔、左右の歩幅の違い、ふらつき具合などの解析を行うものである。
【0007】
特許文献3の「歩行解析システム及び方法」は、カメラではなく、赤外線センサを利用して被験者の3次元座標を検出し、歩行速度、歩行リズムの左右差、腰の曲がりを求め、速度年齢、バランス年齢、姿勢年齢を算出するものである。なお、この特許文献3に関わる製品は、下記URLのホームページに「歩行姿勢測定システム」として公開されている。
https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sl/walkingform/index.html
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4863365号公報(特開2007-319347号公報)
【特許文献2】特開2004-248794号公報
【特許文献3】特開2018-69035号公報
【非特許文献1】介護の教科書、在宅介護第92回(https://www.minnanokaigo.com/news/kaigo-text/home-care/no92/)
【非特許文献2】NHK健康チャンネル「筋肉と健康・寿命の関係 筋肉量が落ちるリスクと病気について」(https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_186.html)
【非特許文献3】NHK健康チャンネル「高齢者に効果的な筋トレと運動時のコツ 筋力・脚力をつけるトレーニング」(https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_201.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記特許文献1に記載の背景技術では、身体全体にマーカを付ける必要があり、事前のセッティングに時間がかかる。特に、高齢者や障害者には、マーカを付けること自体が大きな負担になる。さらに、カメラ2台を用いたステレオ計測のため、カメラの事前の位置合わせなどのキャリブレーションも必要になる。
【0010】
前記特許文献2に記載の背景技術は、カメラで撮影した足元の画像から左右の足の区別や設置位置の判別をするもので、連続して撮影する画像を比較演算して検出する。しかし、足が設置している場合でも足は微妙に動いていることや、足の形状も被験者に応じて異なること、さらには、カメラが少し変位した場合でも位置補正処理が必要になるなど、足位置の検出アルゴリズムが複雑になる。
【0011】
前記特許文献3に記載の背景技術は、カメラでなく、赤外線センサを用いており、特許文献2のような複雑な検出アルゴリズムは不要である。しかし、測定位置に複数名いた場合にどちらが評価すべき運動者か分からず、本来測定すべき運動者以外の人を測定してしまう場合がある。さらに、カメラを用いていないため、被験者自身が自分の映像を確認できず、どのように測定されているのかを知ることできない。そのため、歩行を行う場合でも、このまま歩いてよいのだろうかと不安になり、ゆっくりとした歩行になりやすく、本来の正しい歩行速度を検出することができない。
【0012】
前記特許文献1~3には、以上のような課題があるが、さらに共通する課題として、カメラやセンサの位置を厳密に合わせる必要があり、それらの設置に多大の時間がかかる。また、運動者が歩行する専用スペースを室内に構築することが必要で、運動者は室内の特定の場所でしか歩行を評価することができない。さらに、歩行動作の評価しかできず、足踏みやトレッドミルを使った運動での評価はできないといった課題もある。
【0013】
本発明は、以上のような課題に着目してなされたもので、トレーニングする運動者の運動状態を、短時間で簡便に評価することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、評価対象の運動者と対向する位置に設置された表示装置と、この表示装置の近傍に設置され、前記運動者を撮影する撮像部と、前記運動者の位置情報を検出する運動者特定部と、この運動者特定部で検出された運動者の位置情報から、運動者の頭部位置情報を検出する頭部検出部と、この頭部検出部で検出した頭部位置情報から運動者の歩数、ピッチ、歩幅、歩行バランス、のいずれか一つ以上の歩行特性値を検出する歩行特性値検出部と、前記撮像部で得られた映像入力信号に、前記頭部位置情報と前記歩行特性値の少なくとも一つを合わせて前記表示装置に表示するための映像出力信号を生成する映像表示制御部とを含むことを特徴とする。
【0015】
他の発明は、マーカーにより歩行範囲が明示された歩行路と、前記歩行範囲を歩行する評価対象の運動者と対向する位置に設置された表示装置と、この表示装置の近傍に設置され、前記運動者を撮影する撮像部と、運動者の頭部位置情報を検出する頭部検出部と、この頭部検出部で検出した運動者の頭部位置情報から、少なくとも歩行速度を検出する歩行特性値検出部と、前記撮像部で得られた映像入力信号に、前記頭部位置情報と前記歩行速度を合わせて前記表示装置に表示する映像出力信号を生成する映像表示制御部と、を含むことを特徴とする。
【0016】
さらに他の発明は、複数の人が利用する施設に設置され、表示装置、撮像部、音声入出力部、信号処理部を有し、前記信号処理部は、前記表示装置、撮像部、音声入出力部と接続されて、それら表示装置、撮像部、音声入出力部の制御と信号の処理を行い、運動者の歩行特性値を取得する過程で、表示装置による表示あるいは音声入出力部による音声の一方もしくは両方で運動者に指示を行い、その運動者の対応から、歩行特性値に加えて、文字の認知状況もしくは音声の認知状況の一方もしくは両方を記録することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、運動者を撮像部で撮影して、その動きを検出する。このため、運動者に、マーカやセンサなどを取り付ける必要がない。また、撮像部は、運動者の頭部を捉えるように設置するだけでよく、厳密な位置調整が不要であることから、その設置は簡単に短時間で行われる。
【0018】
また、運動者の頭部の動きを検出することから、足の動きの検出のように複雑なアルゴリズムは不要であり、歩行だけなでなく、足踏みやトレッドミルなど頭部が動く各種の運動に広く応用できる。
【0019】
さらに、運動者は、撮像部に向かって運動することで、自分の映像を表示装置で確認でき、不安なく運動を行うことができる。複数の運動者がいる場合、ジェスチャや顔認証等を利用することで、評価すべき運動者が選定される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、トレーニングする運動者の運動状態を、短時間で簡便に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例1の全体構成を示す図である。
図2】前記図1の信号処理部を示す図である。
図3】前記実施例の作用を示す図である。
図4】前記実施例の動作手順を示す図である。
図5】本発明の実施例2の信号処理部を示す図である。
図6】前記実施例における運動者情報データの一例を示す図である。
図7】前記実施例における歩行特性の表示例を示す図である。
図8】前記実施例の運動者特定の変形例を示す図である。
図9】本発明の実施例3の全体の様子を示す図である。
図10】前記図9を側方から見た様子を示す図である。
図11】前記実施例3の信号処理部330の構成を示す図である。
図12】前記実施例3の動作を示す図である。
図13】(A)は前記実施例における歩行動作時の表示の例す図であり、位置調整部の他の例を示す図である。
図14】前記実施例3における歩行特性値検出部338の詳細を示す図である。
図15】本発明の実施例4を示す図である。
図16】前記実施例4の信号処理部の構成を示す図である。
図17】前記実施例4における画面の表示例示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の望ましい実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明するが、既に周知の技術的部分については説明を省略ないし簡略化する。
【実施例0023】
<構成> 最初に、本発明の実施例1を、図1図4を参照して説明する。本実施例は、運動者が足踏み運動を行う場合の例である。図1には、実施例の全体の様子が示されており、運動評価システム100は、足踏み運動する運動者EXの前に大型テレビなどの表示装置110が置かれ、運動者EXは表示装置110を見ながら、足踏み運動を行う。
【0024】
表示装置110には、例えばUSB(ユニバーサルシリアルバス)カメラのような撮像部120が設けられている。撮像部120は、運動者EXを正面から撮像するように、表示装置110の上部の中央位置に設置されている。撮像部120の一部には、位置調整部122が設けられており、撮像部120の撮影方向(上下方向、左右方向)を変更することができるようになっている。なお、基本的には、撮像部120の撮影方向は、表示装置110に対して正面垂直な方向であるため、左右方向の位置調整はなくてもよい。
【0025】
また、この撮像部120には、広画角のレンズが具備されており(例えば画角70度)、表示装置110から1.5m~2mほど離れた位置で運動する運動者EXの頭部を確実に撮影できる画角になっている。さらに、撮像部120は、撮影する画像の画素数を変更できるようになっており、例えば、HDTV(高解像度テレビ)の画素数である1920画素×1080画素の他、640画素×360画素、1280画素×720画素、等に変更可能となっている。
【0026】
次に、前記撮像部120には、例えばパーソナルコンピュータによる信号処理部130がUSBケーブルなどで接続されており、信号処理部130は、HDMI(登録商標)(高精細度マルチメディアインターフェース)ケーブルなどで表示装置110に接続されている。これにより、撮像部120によって得られた映像信号が信号処理部130に入力されるとともに、信号処理部130から出力された映像信号が表示装置110に出力されるようになっている。
【0027】
このように、本実施例によれば、足踏みする運動者EXの動きを検出するセンサなどのハードウエアを運動者EXに取り付けることは一切なく、それらセンサが信号処理部130と接続されることもない。
【0028】
図2には、前記信号処理部130の構成が示されている。同図に示すように、信号処理部130は、頭部検出部132、運動者特定部134、撮像パラメータ設定部136、歩行特性値検出部138、映像表示制御部140、および、これらを制御する全体制御部142から構成される。上述した撮像部120の映像入力信号は頭部検出部132に供給されるようになっており、映像表示制御部140から出力された映像出力信号は表示装置110に供給されるようになっている。また、撮像パラメータ設定部136から、撮像部設定信号が撮像部120に出力されるようになっている。撮像部設定信号は、撮像部120の露出と解像度の2つの撮影パラメータを設定するための信号である。
【0029】
これらのうち、頭部検出部132は、撮像部120から入力される映像入力信号から、運動者EXの頭部の位置と大きさを検出する。特に指定がない場合には、映像入力信号で得られる画像の全域から頭部検出を行い、撮像部120で撮影される人物全員の頭部の位置を検出する。
【0030】
例えば、図2に示すように、撮像部120の前に運動者EXとして、人物が3名(人物1~3)がいて、3人が撮像部120の画角に入っていて撮影されている場合には、(人物1~3)の頭部をそれぞれ検出する。検出した頭部の位置や大きさから、頭部位置を矩形枠として表現すると、図3(A)のようになり、映像表示制御部140により、この図3(A)の画像が表示装置110に表示される。なお、評価する人物が画面中央付近にいることが明確な場合には、画像の全域ではなく画面の中央付近のみから頭部の検出を行ってもよい。
【0031】
運動者特定部134は、複数の人物1~3の中から評価する人物のみを運動者EXとして検出し、検出すべき運動者EXの位置情報を頭部検出部132に送る。本実施例では、運動者EXの特定にジェスチャ動作を用いる。運動者特定部134はジェスチャ検出部134Aを備えており、ジェスチャ検出部134Aは画面に映る人物1~3の目、鼻、耳、肩、腕、手、腰、膝、足先などの身体部位を検出し、これら身体部位の特定の変化(移動)から、ジェスチャ動作を検出する。例えば、手の位置が目の位置より上に移動した場合には、挙手をしたと認識するといった具合でである。
【0032】
ジェスチャ検出部134Aで検出するジェスチャとしては、前記片手の挙手以外にも、両手で挙手(バンザイ)したり、敬礼したり、片足をあげたり、等様々なジェスチャ動作を検出するようにしてよい。
【0033】
図3(B)の例では、人物1が片手で挙手しているため、人物1を評価すべき運動者EXとして特定する。なお、挙手は、右手、左手の区別もするようにしてよい。そして、図3(C)に示すように、特定した評価対象の人物1についてのみ運動者矩形枠EXFを残して表示する。
【0034】
このように、運動者特定部134は、特定した運動者EXの身体部位から頭部の位置を算出する機能を備えており、運動者位置情報として頭部検出部132に送る。頭部検出部132では、複数の頭部を検出している場合には、この運動者位置情報に対応した人物の頭部情報(頭部の中心位置と大きさ)だけを、撮像パラメータ設定部136、歩行特性値検出部138、映像表示制御部140にそれぞれ送る。
【0035】
歩行特性値検出部138は、運動者EXの頭部の位置情報から頭部の水平または垂直方向の変位量を検出し、この変位量が、増加から減少または減少から増加に変わる時刻における位置を頭部の反転位置として検出する。1回の反転は、足踏みの歩数の1歩に相当すると考えることができる。前記変位量が、増加から減少または減少から増加に変わるタイミングは、所定の画像フレーム間隔離れた2時刻の変位量の差分から検出することができる。つまり、所定のフレーム離れた変位量の差分が設定した閾値より小さくなった時を、反転が生じたと判断する。また、反転を検出した時刻から次の反転を検出した時刻の時間間隔が、ピッチに相当する。
【0036】
このようにして求めた歩数とピッチは、運動者EXの歩行特性値EXCとして、歩行特性値検出部138から映像表示制御部140に送られる。なお、頭部の反転の検出にあたり、複数の画像フレームで検出した位置情報を加算してから差分を計算することにより、画像のノイズの影響を低減でき、より正確な反転検出を行うことができる。この反転検出では、差分をとるフレーム間隔、閾値、加算するフレーム数が反転検出のパラメータとなるが、後述する実施例3のように、運動者EXの運動の状態を識別してから、この反転パラメータを設定するようにしてもよい(実施例3変形例参照)。
【0037】
次に、映像表示制御部140は、頭部検出部132から送られる頭部位置情報(頭部の中心位置と大きさ)から、図3(C)に示すように、運動者EXの頭部の位置を囲むような矩形(運動者矩形枠)EXFを映像入力信号に重畳する。さらに、歩行特性値検出部138から送られる歩行特性値(歩数、ピッチ)EXCを更に映像に合成し、映像画面の上部位置に表示する。図示の例では、「歩数124歩、ピッチ0.55」と表示されている。
【0038】
なお、撮像部120で撮影される映像全体を表示装置110に表示するのではなく、図3(D)のように、運動者EXを含む領域だけを切り出して表示装置110の画面左側に表示して、歩行特性値EXCを画面の右側に表示するなど、表示位置の構成は適宜変更してもよい。
【0039】
次に、撮像パラメータ設定部136は、撮像部120の撮影パラメータを設定する。本実施例では、撮像部120の露出と解像度の2つの撮影パラメータを設定する。露出については、運動者特定部134で検出した運動者位置情報から運動者EXの近傍の映像入力信号を加算し、輝度信号として取得する。そして、この輝度信号が所定の明るさ以上の場合には、撮像部120のシャッタ速度を速くするなどして露出を下げる。また、輝度信号が所定の明るさ以下の場合には、撮像部120のシャッタ速度を遅くするなどして露出を上げる。このような処理により、評価する運動者EXを常に適切な露出で撮像することができる。
【0040】
また、解像度については、頭部検出部132で検出した運動者EXの頭部の大きさに基づいて、適切な解像度に設定する。頭部の検出には、画素数として所定の画素数、例えば、30画素×30画素以上が必要である。また、頭部が大きな画素数、例えば、150画素以上になると、頭部の検出に多くの計算時間がかかることから、頭部はある好ましい画素範囲(例えば50画素×50画素~80画素×80画素)で検出することが好ましい。
【0041】
そこで、撮像パラメータ設定部136では、運動者EXの頭部の大きさが、前記好ましい検出サイズの画素範囲になるように、解像度を設定する。つまり、運動者EXが撮像部120から遠い場所(例えば5m)にいる場合には、解像度を1920画素×1080画素に設定し、逆に近い場所(例えば1.5m)にいる場合では、解像度を640画素×360画素に設定することで、頭部の大きさを好ましい検出範囲にすることができる。
【0042】
加えて、図2に示すように、運動用シートEXSを、表示装置110の1.5~2mくらい前方に置くといった方法もある。この運動用シートEXSの上で運動者EXが運動することで、運動者EXの足の負担を小さくするだけでなく、頭部検出部132で運動者EXを検出する範囲を狭めることができ、複数の人が運動していても、評価する運動者EX以外の人を検出しにくくする効果がある。また、運動者EXを近距離で撮影できることから、カメラ解像度も640画素×360画素とすることができ、撮影のフレームレートを高くできるなどのメリットもある。さらに、運動用シートEXSに、足跡のような画像を描いておくことで、運動者EXはその位置で運動するように理解し、運動用シートEXS上からはみ出さないで足踏み運動が行われるようにできる。
【0043】
<作用> 次に、本実施例の全体の動作について説明する。図4には、動作手順が示されている。まず、運動者EXは、表示装置110の正面中央から1.5~2m前に置かれた運動用シートEXSの上に移動する(図4,ステップSA)。撮像部120では、連続して前方の撮影が行われ、映像入力信号が頭部検出部132、撮像パラメータ設定部136、運動者特定部134、映像表示制御部140に送られる。管理者(図示せず)は、表示装置110の画面に映し出される画像を見ながら、運動者EXが画面のほぼ中央に映るように、位置調整部122を利用して撮像部120の撮影方向を調整する(ステップSB)。撮像部120も運動用シートEXSも表示装置110の正面中央に置かれていることから、運動者EXは撮像部120と対向した位置にいる。そのため、撮像部120の左右方向の調整は必要なく、運動者EXの身長差があることによる上下方向の調整を行うだけの簡単な操作でよい。なお、この調整では、運動者EXの頭部が撮影できるように調整するだけで、厳密な位置合わせは必要ない。
【0044】
次に、図2に示すように、評価対象の人物1の後ろに人物2,3の2名がいる場合、頭部検出部132では、人物1,2,3の頭部を検出する(ステップSC)。検出した頭部情報は、映像表示制御部140で矩形枠EXFが重畳され、図3(A)に示すような画像が表示装置110に表示される。一方、運動者特定部134では、ジェスチャ動作の検出を行っており、図3(B)に示すように人物1~3の誰かが左右どちらかの片手を挙げると、運動者特定部134でこの挙手動作を認識し(ステップSD)、挙手した人物の位置情報を運動者位置情報として頭部検出部132に送る。
【0045】
頭部検出部132では、人物1,2,3の中から、送られた運動者位置情報に該当する人物(図示の例では人物1)を選択し、その人物1の頭部情報(頭部の位置と大きさ)を歩行特性値検出部138と、映像表示制御部140、撮像パラメータ設定部136に送る。これにより、表示装置110には、評価対象の運動者EXのみに矩形枠EXFが重畳されて、表示される(図3(C)参照,ステップSE)。また、撮像パラメータ設定部136では、頭部位置情報に該当する位置近傍の映像入力信号から運動者EXが適正露出で撮影されるように撮像部120の露出が制御されるとともに、頭部が好ましい検出サイズの範囲で検出されるように、撮像部120の解像度が制御される(ステップSF)。なお、露出に関しては、運動中の室内の明るさ変化に対応して常に露出制御が行うが、解像度に関しては、一度設定した後は運動が終了するまでは変更しない。
【0046】
歩行特性値検出部138では、頭部位置情報の変化から歩数とピッチの歩行特性値が検出される。そして、映像表示制御部140で、図3(C)ないし(D)のように、映像入力画像に対して運動者EXの頭部の位置に運動者矩形枠EXFが重畳されるとともに、歩数やピッチなどの歩行特性値EXCも併せて表示装置に表示される(ステップSG)。
【0047】
<効果> 以上のように、本実施例によれば、次のような効果が得られる。
a,表示装置110に取り付けた撮像部120のみで運動者EXの動きを捉えることから、運動者EXにマーカやセンサなどを取り付ける必要がない。
b,撮像部120は、運動者EXの頭部を捉えるように調整するだけでよいことから、機器の設置において厳密な位置調整が不要で、短時間で簡単に設置作業を行うことができる。
c,運動者EXの頭部の動きだけを検出することから、足の検出のように複雑な認識のアルゴリズムは不要である。また、運動者EXは、表示装置110に向かって運動することで、自分の映像を表示装置110で確認できることから、運動者EXは不安なく運動を行うことができる。
d,運動者EXのジェスチャ動作を認識することで、複数の人物1~3がいても、評価すべき運動者EXを確実に選定できる。
e,選定した運動者EXの頭部情報から撮像部120の露出を適切に設定することから、運動者EXの周辺の明るさが変化するような環境であっても、確実に運動者EXの頭部を検出できる。
f,撮像部120の解像度を適切に設定することから、運動者EXの運動する位置が所定の位置から離れていても、確実に運動者EXの頭部を検出できる。
【実施例0048】
次に、図5図8を参照して、本発明の実施例2について説明する。なお、上述した実施例1と共通ないし対応する構成要素には、同一の符号を用い、その説明を省略する。以下の実施例についても、同様である。前記実施例1では、ジェスチャ動作を用いて評価対象の運動者EXの特定を行った。しかしながら、高齢者の中には、手足が悪く、挙手ができない人もいる。また、ウォーキングマシンなどのトレッドミルでは、両手で手摺りを握って運動するが、挙手のために手を放すことは、危険も伴う。そこで、本実施例では、ジェスチャを使わなくても確実に運動者を特定できる方法として、顔認証を用いる例を説明する。本実施例では、運動者EXを事前に登録しておき、登録された運動者EXが所定の位置に来ると、運動者EXを顔認証することで評価対象者として特定することが特徴である。
【0049】
<構成> 図5には、本実施例の信号処理部230の構成を示す。同図において、信号処理部230の運動者特定部234は、顔認証学習部234Aと、顔認証部234Bとから構成される。顔認証学習部234Aは、運動する複数の人の顔画像とユーザIDを学習させて顔認証用データを作成する。顔認証部234Bは、この顔認証用データを用いて、撮像部120で撮像された頭部画像データと顔認証用データから顔認証処理を行い、画像内で検出された頭部の人物に対応するユーザIDとその位置を検出する。ユーザIDは、運動者情報データ記録部250に送られるとともに、位置情報は運動者位置情報として頭部検出部232へ送られる。
【0050】
なお、画像内に複数の人物がいても、運動者EXとして登録していなければ、運動者EXのユーザIDだけが検出できる。もし、運動者以外に登録した人物がいた場合には、その人物のユーザIDも検出してしまうが、トレッドミルを表示装置110の正面中央に置くことで、正面中央付近のユーザIDを優先して選択する。なお、ユーザIDの代わりに、運動者EXの氏名やニックネームを学習させてもよい。
【0051】
運動者情報データ記録部250には、図6に具体例を示すように、ユーザIDに対応した、氏名、疾病情報、歩行評価情報、運動履歴情報などが記録されている。運動履歴情報は、運動を行った時に得られた歩行特性値で、運動後に追記される。歩行評価情報は、後述する実施例で説明するような歩行評価の結果が記載されている。なお、この運動者情報データ記録部250は、信号処理部230内でなく、クラウド上に置いてもよく、その場合には、様々な場所から運動者情報データ記録部250にアクセスできるというメリットがある。
【0052】
運動機器情報入力部252は、運動機器の情報を入力するためのものである。例えば、ウォーキングマシンの場合、ベルトが動く速度(トレッドミル速度)が入力され、歩行特性値検出部238に送られる。歩行特性値検出部238では、前記実施例1のように得られた、歩数、ピッチの情報とトレッドミル速度V(cm/s)から、次の数式に基づいて歩幅を求める。
歩幅(cm)=V*ピッチ(s/step)
【0053】
ここで、運動者EXの頭部の横方向移動と縦方向移動を2次元にプロットすると、図7(A),(B)のような曲線が得られる。これは、歩行評価では、前額面のリサージュ曲線と呼ばれるものである。図7(A)は歩行動作の場合を示し、図7(B)はその場で足踏みした場合を示す。これらに示すように、歩行動作では、左右の動きだけでなく上下の動きもあるのに対し、足踏み動作では、上下の動きがほとんどない。これらのリサージュ曲線は、左右対称が望ましいが、バランスが悪いと非対称となることから、対称性を評価することで歩行時のバランスを算出することができる。
【0054】
<作用> 次に、本実施例の全体の動作について説明する。まず、運動者EXは、表示装置110の正面前方1.5~2mの位置に置かれたウォーキングマシンに乗り、運動を開始する。撮像部120では、連続して撮影が行われ、映像入力信号が頭部検出部232、撮像パラメータ設定部236、運動者特定部234、映像表示制御部240に送られる。管理者は、表示装置110の画面に映し出される画像を見ながら、実施例1と同じように運動者EXが画面のほぼ中央に映るように、位置調整部122による位置調整を行う。ウォーキングマシンが表示装置110の正面中央に設置されているので、前記調整は、主として上下方向の位置調整となる。
【0055】
そして、運動者特定部234では、ウォーキングマシンで運動する運動者EXの顔認証を行う。顔認証学習部234Aで作成された顔認証用データから、運動者特定情報としてユーザIDを取得する。そして、このユーザIDに基づき、運動者情報データ記録部250から運動者EXの運動者情報が読み出され、映像表示制御部240に送られる。歩行特性値検出部238では、頭部情報の変位から算出される歩数、ピッチと運動機器情報入力部252で入力されたトレッドミル速度から歩幅が計算される。また、頭部位置情報の変位を利用して前額面のリサージュ曲線とバランス情報が算出され、映像表示制御部240にて、運動者EXの映像と合成されて、図7(C)に示す画像が表示装置110に表示される。
【0056】
図示の例では、画面左側に運動者EXの画像が示されており、画面右側に歩行者特性値EXCとリサージュ曲線EXLが表示されている。なお、画面の上方に運動者特定部234で検出された運動者氏名も表示されている例を示しているが、前回の運動履歴情報なども併せて表示してもよい。
【0057】
<効果> 本実施例によれば、実施例1と異なる効果として、ジェスチャ動作でなく運動者の顔を認証することで運動者を特定した。そのため手足の悪い高齢者や、手を放すことは危険なウォーキングマシンなどのトレッドミル運動などの場合にも安全に適用することができる。また、運動者EXの氏名がわかることから、表示画面に運動者EXの氏名を表示し、運動者EXのモチベーションをさらに高めることもできる。さらに、歩幅や前額面のリサージュ曲線、バランス情報も提示することができ、運動者EXは、より多くの歩行特性情報を得ることができる。
【0058】
なお、本実施例の変形例として、顔認証の変わりにQRコード(登録商標)などの二次元バーコードを利用することもできる。運動開始前に、ユーザID等を記録した二次元バーコードを作成・印刷し、運動者EXは、この印刷した二次元バーコードを、図8(A)のようにストラップ付ホルダーに入れて首にかける。運動者特定部234には、図8(B)に示す二次元バーコード読み取り部234Cがあり、二次元バーコードから運動者特定情報としてユーザIDを読み取る。また、二次元バーコードの位置自体は運動者の頭部と一致はしないが、検出した二次元バーコード位置のやや上の部分(例えば、50画素上の位置)を運動者位置情報として出力する。このように、二次元バーコードを利用すれば、運動者EXの顔画像を事前に撮影したり、顔認証用データを作成したりする必要がない。また、二次元バーコードの代わりに一次元のバーコードなどを用いてもよい。
【0059】
二次元バーコードは、ストラップ付ホルダーに入れて首にかける他、クリップのようなもので運動者EXの服に取り付けてもよい。また、二次元バーコードの画像を運動者EXのスマートホンやスマートウォッチに入れておき、運動開始時にはそれらスマートホンやスマートウォッチの画面に二次元バーコードを表示して、それを撮像部120に向けるようにしてもよい。
【実施例0060】
次に、本発明の第3実施例を図9図14を用いて説明する。本実施例は、運動者EXの歩行特性値として、実施例2の歩行特性値EXCに加え、更に、歩行速度を検出する例を提案する。
【0061】
<構成> 歩行速度を検出するには、所定の距離をどのくらいの時間で歩行したかを検出する必要がある。本実施例では、図9に示すように、撮像部120が置かれた表示装置110の正面方向に歩行路300を設け、この歩行路300を撮像部120に向かって歩行することで、歩行速度を検出する。このような歩行路300を常設するには、スペースに余裕のある大規模施設などに限られる。しかし、多くの高齢者施設では、イベント時に机や椅子を移動してスペースを確保しており、そのような状況を想定して歩行路300を設定することができる。
【0062】
歩行路300は、一定の広さの床面に、剥がしやすい養生テープなどでマーキングして、歩行の開始位置302や終了位置304を設置する。施設によっては、10m程度の十分な歩行距離をとれるところもあろうが、施設によっては3m程度しか確保できないところもある。本実施例では、施設の状況に合わせた距離の歩行路300を設置し、その状態で歩行速度を検出するようにしている。
【0063】
歩行開始位置302を示す線や、歩行終了位置304を示す線は、表示装置110の表示画面に対して平行に作成する。そして、この歩行開始位置302と歩行終了位置304の間の距離D(m)をメジャーで計測する。そして、運動者EXが歩行開始位置302から歩行終了位置304まで歩行し、その歩行時間がS(sec)であったとすると、歩行速度は、
歩行速度(m/s)=D/S
となる。
【0064】
ところで、距離Dはメジャーで簡単に計測できるが、歩行時間Sはストップウォッチなどで計測できるものの手間がかかる。そこで、本実施例では、運動者EXの頭部の大きさから簡便に歩行時間Sを計測する方法を提案する。つまり、歩行終了位置304における頭部の大きさを事前に設定しておき、頭部がこのサイズになった時刻を検出する。歩行の開始については、歩行の開始を知らせる合図を出し(例えば、カウントダウンの画像を表示する)、スタート時刻とする。なお、歩幅は、歩行距離を歩数で除算することで求められる。前額面リサージュ曲線は、後述するが、頭部の大きさを補正することで求められる。
【0065】
また、本実施例では、撮像部120の位置調整部122として、カメラ用三脚を用いる。カメラ用三脚は、撮像部120の方向や高さを調節できることから、運動者EXの身長に応じて撮像部120の位置調整を簡便に行うことができる。歩行評価においては、撮像部120の高さと運動者EXの身長が異なる場合、歩行開始位置302で運動者EXの頭部が撮影画面の中央にあったとしても、歩行終了位置304に近づくにつれて、運動者EXの頭部位置が上方または下方に移動し、撮影画面から外れてしまう可能性がある。そこで、カメラ用三脚を用いて、撮像部120の高さを運動者EXの身長近傍に調整することで、運動者EXの頭部が撮像部120のほぼ光軸上を動くことになり、運動者EXを撮影画面から外れることなく撮影できる。
更には、撮像部120の撮影視野の向きを縦向きとして、上下方向の画素数を左右方向の画素数よりも多く撮影するようにする。つまり、撮影視野の縦横のアスペクト比を横x:縦yとしたとき、x<yの縦向きとすることで、運動者EXの隣にいる人物を視野から排除して運動者EXを特定しやすくなるとともに、運動者EXの身長の影響で撮影視野から外れることを防止できる。
【0066】
撮像部120及び位置調整部122は、図9に示すように、表示装置110の表示画面の正面中央付近に設置される。そして、表示装置110の画面左側には運動者EXの映像を表示し、右側には歩行動作の関わる指示文を表示し、さらに上側には運動者EXの氏名などの運動者情報を表示する。撮像部120、位置調整部122が表示装置110の画面の前にあっても、運動者映像、歩行指示文、運動者情報が運動者から見えるように表示される。
【0067】
図10に、歩行路300を側方から見た様子を示す。運動者EXは、歩行開始位置302から歩行終了位置304に向かって矢印方向に歩行する。撮像部120は、前記実施例1,2と比較して、焦点距離が短く、より画角が狭く設定されている。そのため、遠方の歩行開始位置302であっても、運動者EXの頭部の検出に十分な画素数を確保することができる。
【0068】
図11に、本実施例の信号処理部330の構成を示す。頭部情報記録部360には、歩行の開始から終了までの頭部の位置(頭部の中心の横座標、縦座標)、大きさ(頭部の横サイズ、縦サイズ)を記録する。さらに、運動前に、歩行終了位置304における運動者EXの頭部の大きさを記録する。具体的には、例えば、運動者EXが歩行終了位置304に移動して、ジェスチャ動作を検出したときの頭部のサイズを記録する。ジェスチャ動作で運動者EXを特定できることから、運動者EXの近傍に他の人物がいても確実に運動者EXの頭部の大きさを記録することができる。
【0069】
頭部位置補正部362は、頭部の位置(頭部の中心の横座標、縦座標)を補正する。前記実施例1,2では、運動者EXは、撮像部120前方の定位置で運動していたが、本実施例では遠方から近くに歩行してくる。このため、頭部の動きが一定でも、遠点ではその揺れ幅は小さく(座標の変化は小さい)、近点になるほど揺れ幅が大きく(座標の変化が大きい)検出されてしまう。そこで、頭部位置補正部362では、検出した頭部の大きさによって、頭部の位置(頭部の中心の横座標、縦座標)を補正する。時刻tにおける頭部の中心横座標をX(t)、縦座標をY(t)、頭部の大きさをS(t)とすれば、補正は下記式で行うことができる。
補正後の横座標 X'(t)=X(t)×Cx/S(t)
補正後の縦座標 Y'(t)=Y(t)×Cy/S(t)
ここで、Cx,Cyは定数で、例えば、2m離れたときの頭部のサイズとすることで、X'(t),Y'(t)は2mの距離でのスケールに補正され、運動者EXがどの距離にいても、前額面のリサージュ曲線は所定の距離離れた位置でのスケールで求めることができる。
【0070】
運動機器情報入力部352では、メジャーで計測した歩行開始位置302から歩行終了位置304までの距離Dが入力され、歩行特性値検出部338に送られるようになっている。他の各部の基本的な動作については、上述した実施例と同様である。
【0071】
<作用> 次に、図12のフロー図も参照して、本実施例の全体動作を説明する。運動者EXは、まず歩行終了位置302に移動する(ステップS-1)。運動者EXが撮像部120の視野面のほぼ中央に映っていない場合には、管理者が位置調整部122であるカメラ三脚を用いて、運動者EXが視野面の中央に映るように調整する。そして、全体制御部342で、「準備ができたら右手を挙げてください」というメッセージを表示装置110に表示する。左右どちらの手を挙手するかはランダムに決定する。
【0072】
この表示を参照して、運動者EXが指示された手を挙げ、これが撮像部120で撮影されてジェスチャ検出部334Aで検出されると(ステップS-2)に、その時の頭部の大きさSEを頭部情報記録部360に記録する(ステップS-3)。そして、全体制御部342から歩行開始位置302に移動するように表示装置110で指示し、運動者EXは歩行開始位置302へ移動する(ステップS-4)。
【0073】
ジェスチャの検出結果、例えば、指示された方の手を間違えなく挙手したかどうか、挙手の動作にかかった時間などを、ジェスチャ検出部134Aに記録する。
【0074】
次に、全体制御部342は、「準備ができたら左手を挙げてください」というメッセージを出す。左右どちらの手を挙手するかはランダムに決定する。そして運動者EXの指示された方の手の挙手が検出されると(ステップS-5)、表示装置110に「足踏みを開始してください」とメッセージを表示し、運動者EXは足踏みを開始する(ステップS-6)。同時に歩行開始のカウントダウンを行い(ステップS-7)、図13(A)のように表示装置110に歩行開始までの時間を表示する。図示の例では「歩行開始まであと3秒」と表示されている。
【0075】
前記と同様に、ジェスチャの検出結果、例えば、指示された方の手を間違えなく挙手したかどうか、挙手の動作にかかった時間などを、ジェスチャ検出部134Aに記録する。
【0076】
そして、カウントがゼロになった時点で(ステップS-8)、運動者EXは歩行を開始する(ステップS-9)。この時の時刻をT1とする。運動者EXは表示装置110に表示された自分の画面を見ながら、歩行終了位置304に向けて歩行路300上を歩行する。そして、連続して取得される頭部のサイズが前記記録された大きさSEを超えると(ステップS-10)、その時刻T2を検出し、T1とT2の差から歩行時間と歩行速度が歩行特性値検出部338で求められる。なお、頭部検出部332で検出された頭部の位置(頭部の中心の横座標、縦座標)は、頭部位置補正部362で補正された後に、歩行特性値検出部338に送られる。
【0077】
頭部位置補正部362で補正された頭部の位置情報から検出した歩行速度と歩数、ピッチ等の歩行特性値は、表示装置110に表示され、運動者EXが確認する。さらに、この歩行特性値と頭部の大きさSEは、図6に示した歩行評価情報として運動者情報データ記録部350に記録される(ステップS-11)。一方、運動者EXは、歩行終了位置304を超えた時点で歩行動作を終了する。
【0078】
<効果> 以上のように、本実施例によれば、歩行評価を行うための歩行路300は、テープなどでマーキングするだけでよいことから、容易に短時間で設置できる。また、ジェスチャ動作により歩行終了位置304を明確化することができるため、歩行評価を行う歩行路300を施設の場所に合わせて自由に設定でき、施設に常設する必要もないし、歩行距離も自由に設定することができる。さらに、運動者EXは、前方の表示画面で自分の運動状態を把握でき、安心して歩行ができる。また、歩行開始位置302は表示装置110から遠方となるが、撮像部120の画角を狭くすることで、歩行開始位置302でも十分な解像度で頭部位置を検出することができる。加えて、撮像部120を運動者EXの身長とほぼ同じ高さとすることで、歩行路全域において頭部位置が撮影視野面から外れることなく確実に撮影できる。
【0079】
また、運動者EXへの足踏みから歩行に移行する指示を文字情報で指示し、その対応、例えば、文字で指示した方の手を間違えなく挙手したかどうか、挙手をするまでの時間はどのくらいだったか、などは、運動者EXの文字に対する認知状況として自動的に記録し、評価に利用できる。さらに、運動者EXへの足踏みから歩行に移行する指示を、文字情報でなく音声情報で指示し、その対応、例えば、音声で指示した方の手を間違えなく挙手したかどうか、挙手をするまでの時間はどのくらいだったか、などを音声に対する認知状況として自動的に記録し、評価に利用できる。
【0080】
なお、本実施例では、歩行終了位置304での頭部の大きさを歩行前に記録するようにしたが、運動者EXの平均的な頭部の大きさを用いてもよく、その場合には事前に歩行前に頭部の大きさを記録する必要がない。また、実施例2のように、顔認証や、二次元バーコード読み取り部334Bで二次元バーコードを利用して運動者を事前に特定してもよく、この場合は、運動者情報データ記録部350に記録されていた前回の頭部の大きさSEの情報を用いてもよい。
【0081】
また、歩行路300については、テープなどで歩行開始位置302と歩行終了位置304を作成して設置したが、歩行路300にシートを置いたり、侵入禁止コーンを歩行路の両脇に置いたりすることで、より簡単に歩行路300を設置できる。
【0082】
さらに、撮像部120の位置調整部122として、図13(B)に示すように、撮像部120をワイヤーで吊り下げるローラーを位置調整部322として用い、これを表示装置110の上端に設置する。そして、ローラーを回転させてワイヤーの長さを調整することで、撮像部120を上下に移動させることができ、運動者EXに合わせて容易に撮像部120の位置を調整することができる。
【0083】
<変形例> 次に、本実施例の変形例として、歩行特性値検出部338では、運動者EXの頭部の位置の変化から運動者EXの運動状態を識別できることから、歩行と足踏みの両方を評価することができる例を提案する。
【0084】
運動者EXが撮像部120に近づく場合には、頭部が大きくなることから、頭部の大きさが連続的に増えれば歩行と識別できる。そのため、足踏み状態から歩行状態に変化したかどうかは頭部の大きさの変化でわかる。前記実施例3では、歩行開始前のカウントダウンがゼロになったときに歩行を始めたが、運動者EXが自分のタイミングで歩行を始めた場合であっても、頭部を大きさの変化を見ることで足踏みから歩行に移ったと判断でき、カウントダウンが不要となる。
【0085】
さらにこの場合、図7(B)のような足踏みのリサージュ曲線と図7(A)のような歩行動作のリサージュ曲線が同時に得られることから、この2つのリサージュ曲線を比較することで、歩行を評価することが可能となる。例えば、歩行が摺り足状態になっていると、歩行時のリサージュ曲線が足踏み時と同じような形になることから、歩行時にどのくらい足が上がっているかなどの評価ができる。
【0086】
さらに、上記のように運動者EXの頭部の大きさの連続的な増大から歩行状態と識別する以外にも、運動者EXの頭部の位置情報の変化から運動者の運動状態を知ることができる。例えば、
a,頭部の大きさが増えずに、左右、上下に一定周期で動いていれば、運動者は前後の移動がないことから、足踏みを行っていると識別できる。
b,歩行時の上下動よりもより大きく頭部が繰り返して上下方向に移動していれば、踏み台昇降を行っていると識別できる。
c,頭部が歩行や足踏みと比較して、水平方向のピッチが早ければ、サイクルトレーナー等のペダル漕ぎを行っていると識別できる。
d,頭部の大きさが一定のピッチで増減していれば、ローイング(ボート漕ぎ)を行っていると識別できる。
といった具合である。
【0087】
このように、運動者EXの頭部の位置変化から、運動者EXの運動状態を知ることができるが、この運動状態の情報から歩行特性値検出部338での歩行特性値の検出性能を向上させることができる例を、図14に示す。
図14は、歩行特性値検出部338の詳細を示した図である。同図において、運動状態識別部338Aは、上記のように運動が足踏みか、歩行か、踏台昇降か、ペダル漕ぎか、ボート漕ぎか、等を識別して運動状態情報を、反転検出パラメータ検出部338Bに送る。反転検出パラメータ検出部338Bは、運動状態から反転検出部338Cで用いる反転検出パラメータ(差分をとるフレーム間隔、閾値、加算するフレーム数、等)を検出し、反転検出部338Cに送る。反転検出部338Cは、運動者EXの頭部の位置情報から頭部の水平または垂直の変位量を検出し、変位量が増加から減少、または、減少から増加に変わる時刻を頭部の反転位置として検出して反転情報として出力する。歩行特性値演算部338Dは、歩数やピッチ、歩行速度、歩幅、バランス等の歩行特性値を演算する。
【0088】
本例によれば、反転検出パラメータ(差分をとるフレーム間隔、閾値、加算するフレーム数)を変更することで、反転検出の性能を向上させることができる。例えば、歩行に比較してペダル漕ぎのピッチは速いので、差分をとるフレーム間隔を短くすることで確実に反転が検出できる。また、踏台昇降は、上下運動であるが動きが不安定で差分がゼロ付近で微小な変動が起きるため、閾値を大きくすることで反転検出のミスを減らせる。また、画像にノイズが多い場合には、加算するフレーム数を多くすることでノイズ影響を低減できる。
【0089】
このように、運動者EXの頭部の位置情報の変化から運動者EXの運動状態を検出し、反転検出パラメータを設定することで、歩行特性値の検出性能を向上させることができる。
【実施例0090】
次に、図15図17を参照して、本発明の実施例4を説明する。本実施例では、遠隔地にいる複数のメンバーで同時に運動を行うシステムを提案する。図15のように、前記実施例1~3で説明した運動評価システム102A,102Bが、それぞれネットワーク420を介して繋がっている。そして、運動者情報データ記録部452はクラウド450上にあり、各運動評価システム102A,102Bからアクセスできる。さらに、音声入出力部(マイク、スピーカー)410A,410Bがあり、ネットワーク420を介して、遠隔地の運動者EXA,EXB同士が音声のやり取りを行うことができるようになっている。
【0091】
運動者EXA側の運動評価システム102Aの詳細を図16に示す。運動者EXB側も基本的に同じ構成になっているので、説明を省略する。前記実施例1,2と同様に、運動者EXAの歩行特性値、運動者データから、映像表示制御部440Aにて、運動者EXAの運動者映像EXPAと歩行特性値EXCAがそれぞれ作成される。前記実施例1,2では、これらの画像がそのまま表示装置110に表示されていたが、本実施例では、同様に作成された運動者EXBの運動者映像EXPAと歩行特性値EXCAがネットワーク420を介して入力されて合成される。
【0092】
そして、図9のように、運動者映像EXPAや歩行特性値EXCAだけではなく、遠隔地で運動する運動者EXBの運動者映像EXPBと歩行特性値EXCBも、図17(A)に示すように、表示装置110に同時に表示される。さらに、音声入出力部410A,410Bにて、音声データもネットワーク420を介して送受信され、運動者EXAと運動者EXBはお互いに会話を交わすことができる。以上のように、本実施例では、遠隔地の運動者EXA,EXBと会話をしながら、かつ、相手の運動状態を見ながら運動することができ、モチベーションがアップする。
【0093】
なお、運動者EXは、2人に限られることはなく、3人以上でもよい。さらに、運動者EXの一人が運動のインストラクターであった場合、図17(B)のように、インストラクターの運動者映像EXPCや歩行特性値EXCCも合わせて表示するようにしてもよいし、インストラクターの画像を大きく表示し、残りの運動者の画像を小さく表示するなどしてもよい。また、信号処理部430A,430Bを各運動地点で各々持つようにしたが、クラウド450にて各処理を行ってもよい。
【0094】
<他の実施例> なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
(1)前記実施例で示した各部の構成は、同様の作用を奏するように設計変更可能である。
(2)前記実施例では、撮像部のカメラとして広角レンズを備えたものを使用したが、ズーム機能があってもよいし、複眼であってもよい。
(3)前記実施例では、評価対象の運動者を選択するために顔認証や二次元バーコードを用いたが、指認証や静脈認証など、個人を特定できる他の認証方法を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明によれば、トレーニングする運動者の運動状態を、短時間で簡便に評価することができ、運動評価システムに好適である。
【符号の説明】
【0096】
100:運動評価システム
102A,102B:運動評価システム
110:表示装置
120:撮像部
122:位置調整部
130:信号処理部
132:頭部検出部
134:運動者特定部
134A:ジェスチャ検出部
136:撮像パラメータ設定部
138:歩行特性値検出部
140:映像表示制御部
142:全体制御部
230:信号処理部
232:頭部検出部
234:運動者特定部
234A:顔認証学習部
234B:顔認証部
234C:二次元バーコード読み取り部
236:撮像パラメータ設定部
238:歩行特性値検出部
240:映像表示制御部
250:運動者情報データ記録部
252:運動機器情報入力部
300:歩行路
302:歩行開始位置
304:歩行終了位置
322:位置調整部
330:信号処理部
332:頭部検出部
334A:ジェスチャ検出部
334B:二次元バーコード読み取り部
338:歩行特性値検出部
338A:運動状態識別部
338B:反転検出パラメータ検出部
338C:反転検出部
338D:歩行特性値演算部
342:全体制御部
350:運動者情報データ記録部
352:運動機器情報入力部
360:頭部情報記録部
362:頭部位置補正部
410A,410B:音声入出力部
420:ネットワーク
430A,430B:信号処理部
440A:映像表示制御部
450:クラウド
452:運動者情報データ記録部
EX,EXA,EXB:運動者
EXC,EXCA,EXCB,EXCC:歩行特性値
EXF:矩形枠
EXL:リサージュ曲線
EXPA,EXPB,EXPC:運動者映像
EXS:運動用シート
図1
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図3
図4
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