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特開2024-106257観客席情報提供装置、チケット管理システム、観客席情報提供方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106257
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】観客席情報提供装置、チケット管理システム、観客席情報提供方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0282 20230101AFI20240731BHJP
【FI】
G06Q30/0282
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010506
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】521460549
【氏名又は名称】株式会社梓総合研究所
(71)【出願人】
【識別番号】398002617
【氏名又は名称】ぴあ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 功樹
(72)【発明者】
【氏名】荻原 久幸
(72)【発明者】
【氏名】酒向 悠馬
(72)【発明者】
【氏名】風間 洋佑
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】観客席から、どのように観覧対象領域が見えるかに加え、観客席に関する情報を提供可能とする。
【解決手段】観客席情報提供装置20は、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における観客席に関する観客席情報を提供し、複数の観客席の中から選択された選択観客席の位置情報を取得する位置情報取得手段21と、選択観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像を生成する画像生成手段22と、選択観客席の観客席情報を取得する観客席情報取得手段23と、3D画像に、観客席情報を配置した提供画像を生成する提供画像生成手段27と、ネットワークを介して接続された端末に、提供画像を送信する送信手段28と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の観客席と、前記観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における前記観客席に関する観客席情報を提供する観客席情報提供装置であって、
複数の前記観客席の中から選択された選択観客席の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記選択観客席から前記観覧対象領域方向を視た場合の3D画像を生成する画像生成手段と、
前記選択観客席の前記観客席情報を取得する観客席情報取得手段と、
前記3D画像に、前記観客席情報を配置した提供画像を生成する提供画像生成手段と、
ネットワークを介して接続された端末に、前記提供画像を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする観客席情報提供装置。
【請求項2】
前記提供画像生成手段は、予め設定された広告に関する広告情報を配置した前記提供画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の観客席情報提供装置。
【請求項3】
前記観客席情報取得手段は、前記選択観客席について、前記観客席と、前記施設における前記観客席以外の設備と、の関係を示す設備情報を含む前記観客席情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の観客席情報提供装置。
【請求項4】
前記観覧対象に関する観覧対象情報を取得する観覧対象情報取得手段を、更に備え、
前記提供画像生成手段は、前記3D画像に、前記観覧対象情報を配置した提供画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の観客席情報提供装置。
【請求項5】
請求項1に記載の観客席情報提供装置と、
ユーザを識別するユーザ識別情報と、複数の前記観客席の中から、当該ユーザにより選択された前記選択観客席を識別する観客席識別情報と、を取得する識別情報取得手段と、
前記ユーザ識別情報と、前記観客席識別情報と、を対応付けたチケット情報を管理する管理手段と、を備えることを特徴とするチケット管理システム。
【請求項6】
複数の観客席と、前記観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における前記観客席に関する観客席情報を提供する観客席情報提供装置が実行する方法であって、
複数の前記観客席の中から選択された選択観客席の位置情報を取得するステップと、
前記選択観客席から前記観覧対象領域方向を視た場合の3D画像を生成するステップと、
前記選択観客席の前記観客席情報を取得するステップと、
前記3D画像に、前記観客席情報を配置した提供画像を生成するステップと、
ネットワークを介して接続された端末に、前記提供画像を送信するステップと、を含むことを特徴とする観客席情報提供方法。
【請求項7】
複数の観客席と、前記観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における前記観客席に関する観客席情報を提供する観客席情報提供装置を、
複数の前記観客席の中から選択された選択観客席の位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記選択観客席から前記観覧対象領域方向を視た場合の3D画像を生成する画像生成手段、
前記選択観客席の前記観客席情報を取得する観客席情報取得手段、
前記3D画像に、前記観客席情報を配置した提供画像を生成する提供画像生成手段、
ネットワークを介して接続された端末に、前記提供画像を送信する送信手段、として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観客席情報提供装置、チケット管理システム、観客席情報提供方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタジアム、アリーナ、ホール、映画館等の施設において、観客席から、フィールド、舞台、スクリーン等の観覧対象を視た場合の様子の画像を出力する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、仮想視点画像を生成するための仮想視点の位置及び仮想視点からの視線方向を指定するためのユーザ指定を受け付ける受付手段と、受付手段が受け付けるユーザ指定により指定される仮想視点の位置及び仮想視点からの視線方向に対応する仮想視点画像の出力を制御する制御手段とを有する情報処理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-114787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、施設(例えば、スタジアム、アリーナ、ホール、映画館等)で行われる観覧対象(例えば、スポーツ、コンサート、映画等)を観覧するためのチケットは、一般的に各観客席毎に発行される。ユーザ(観客)は、ある観客席のチケットを入手することで、施設で観覧対象が行われる際の当該観客席の使用権を得る。
【0006】
ユーザは、チケットを入手する際、施設に配置されている複数の観客席のうち、どの観客席のチケットを入手するかを検討する。このような検討をする場合、施設において、ある観客席から、どのように観覧対象領域(フィールド、舞台、スクリーン等)が見えるかは、重要である。
【0007】
ここで、観客席は、観覧対象が行われている際に、ユーザ(観客)が使用する設備である。ユーザ(観客)は、自分にとって観客席が快適であれば、観覧対象を十分に楽しむことができる一方で、自分にとって観客席が不快であれば、仮に、観覧対象領域を見やすかったとしても、観覧対象を十分に楽しむことができない。このため、複数の観客席のいずれかを選択するユーザにとって、ある観客席に関する情報も、重要である。
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術では、観客席に関する情報を示すことはできない。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、観客席から、どのように観覧対象領域が見えるかに加え、観客席に関する情報の提供を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1) 複数の観客席と、前記観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における前記観客席に関する観客席情報を提供する観客席情報提供装置であって、
複数の前記観客席の中から選択された選択観客席の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記選択観客席から前記観覧対象領域方向を視た場合の3D画像を生成する画像生成手段と、
前記選択観客席の前記観客席情報を取得する観客席情報取得手段と、
前記3D画像に、前記観客席情報を配置した提供画像を生成する提供画像生成手段と、
ネットワークを介して接続された端末に、前記提供画像を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする観客席情報提供装置。
【0011】
(1)の発明では、観客席情報提供装置は、位置情報取得手段と、画像生成手段と、観客席情報取得手段と、提供画像生成手段と、送信手段と、を備え、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象(例えば、野球等のスポーツや、コンサート、映画等)が行われる観覧対象領域(例えば、フィールド、舞台、スクリーン等)と、を備える施設(例えば、スタジアム、アリーナ、ホール、映画館等)における観客席に関する観客席情報を提供する。
位置情報取得手段は、複数の観客席の中から選択された選択観客席の位置情報を取得する。
画像生成手段は、選択観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像を生成する。
観客席情報取得手段は、選択観客席の観客席情報を取得する。
提供画像生成手段は、3D画像に、観客席情報を配置した提供画像を生成する。
送信手段は、ネットワークを介して接続された端末に、提供画像を送信する。
【0012】
(1)の発明によれば、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における観客席に関する観客席情報を、当該観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像に配置した提供画像を提供できる。
したがって、観客席から、どのように観覧対象領域が見えるかに加え、観客席に関する情報の提供が可能となる。
【0013】
(2) 前記提供画像生成手段は、予め設定された広告に関する広告情報を配置した前記提供画像を生成することを特徴とする(1)に記載の観客席情報提供装置。
【0014】
ここで、施設(例えば、スタジアム等)において、観覧対象(例えば、野球等のスポーツ等)を行う場合、多大な費用がかかる。このため、主催者は、観覧対象を行うための費用を提供するスポンサーを募る場合がある。このようなスポンサーは、広告により集客し、観覧対象を行うために提供した費用を回収したいという事情があることから、広告をする機会を増やしたいという要望がある。
【0015】
(2)の発明によれば、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における観客席に関する観客席情報と、広告に関する広告情報とを、当該観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像に配置した提供画像を提供できる。
【0016】
これにより、3D画像という仮想空間に広告情報を配置できるので、現実の施設(例えば、スタジアム等)では配置できない位置において、任意の要素(例えば、観覧対象や、シーズンや、観客席のグレード等)に応じて変更可能に、広告を表示できる。
【0017】
また、例えば、観客席情報提供装置を、チケット販売の際に利用した場合、ユーザが、観客席情報提供装置により生成された提供画像により、どの観客席のチケットを入手するかを検討する際にも、当該ユーザに広告を示すことができる。
【0018】
(3) 前記観客席情報取得手段は、前記選択観客席について、前記観客席と、前記施設における前記観客席以外の設備と、の関係を示す設備情報を含む前記観客席情報を取得することを特徴とする(1)に記載の観客席情報提供装置。
【0019】
ここで、施設(例えば、スタジアム等)には、観客席以外にも、トイレ、売店、スロープ等の様々な施設が設けられている。ユーザ(観客)は、観客席と、観客席以外の設備との関係によって、快適に観覧対象を十分に楽しむことができる。例えば、比較的トイレが近いユーザには、自分の観客席から設備の一例であるトイレとの関係(例えば、距離)は、快適に観覧対象を楽しむために重要な情報となる。また、比較的頻繁に売店で買い物をしたいユーザには、自分の観客席から設備の一例である売店との関係(例えば、距離)は、快適に観覧対象を楽しむために重要な情報となる。また、車椅子を利用するユーザには、自分の観客席から設備の一例であるスロープとの関係(例えば、距離)は、快適に観覧対象を楽しむために重要な情報となる。
【0020】
(3)の発明によれば、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における観客席に関し、選択観客席について、観客席と観客席以外の設備と、の関係を示す設備情報を含む観客席情報を、当該観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像に配置した提供画像を提供できる。
したがって、観客席から、どのように観覧対象領域が見えるかに加え、観客席と施設の観客席以外の設備との関係を示す情報の提供が可能となる。
【0021】
(4) 前記観覧対象に関する観覧対象情報を取得する観覧対象情報取得手段を、更に備え、
前記提供画像生成手段は、前記3D画像に、前記観覧対象情報を配置した提供画像を生成することを特徴とする(1)に記載の観客席情報提供装置。
【0022】
(4)の発明によれば、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における観客席に関する観客席情報と、観覧対象に関する観覧対象情報(例えば、観覧対象が野球であれば、過去の試合におけるホームランボールの軌道等)とを、当該観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像に配置した提供画像を提供できる。
したがって、観客席から、どのように観覧対象領域が見えるかに加え、観客席に関する情報や、観覧対象に関する情報の提供が可能となる。
【0023】
(5) (1)に記載の観客席情報提供装置と、
ユーザを識別するユーザ識別情報と、複数の前記観客席の中から、当該ユーザにより選択された前記選択観客席を識別する観客席識別情報と、を取得する識別情報取得手段と、
前記ユーザ識別情報と、前記観客席識別情報と、を対応付けたチケット情報を管理する管理手段と、を備えることを特徴とするチケット管理システム。
【0024】
(5)の発明では、チケット管理システムは、観客席情報提供装置と、識別情報取得手段と、管理手段と、を備える。
識別情報取得手段は、ユーザを識別するユーザ識別情報と、当該ユーザにより選択された選択観客席を識別する観客席識別情報と、を取得する。
管理手段は、ユーザ識別情報と、観客席識別情報と、を対応付けたチケット情報を管理する。
【0025】
(5)の発明によれば、ユーザがチケットを、例えば、入手する際に、選択した観客席に関する観客席情報を、当該観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像に配置した提供画像を提供できる。
これにより、ユーザは、自分が快適に観覧対象を楽しむことができる観客席を選択することが容易になる。
【0026】
(6) 複数の観客席と、前記観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における前記観客席に関する観客席情報を提供する観客席情報提供装置が実行する方法であって、
複数の前記観客席の中から選択された選択観客席の位置情報を取得するステップと、
前記選択観客席から前記観覧対象領域方向を視た場合の3D画像を生成するステップと、
前記選択観客席の前記観客席情報を取得するステップと、
前記3D画像に、前記観客席情報を配置した提供画像を生成するステップと、
ネットワークを介して接続された端末に、前記提供画像を送信するステップと、を含むことを特徴とする観客席情報提供方法。
【0027】
(7) 複数の観客席と、前記観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における前記観客席に関する観客席情報を提供する観客席情報提供装置を、
複数の前記観客席の中から選択された選択観客席の位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記選択観客席から前記観覧対象領域方向を視た場合の3D画像を生成する画像生成手段、
前記選択観客席の前記観客席情報を取得する観客席情報取得手段、
前記3D画像に、前記観客席情報を配置した提供画像を生成する提供画像生成手段、
ネットワークを介して接続された端末に、前記提供画像を送信する送信手段、として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【0028】
(6)及び(7)の発明によれば、(1)の発明と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、観客席から、どのように観覧対象領域が見えるかに加え、観客席に関する情報の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施形態に係る観客席情報提供装置の概要を説明する図である。
図2】本発明の実施形態に係るチケット管理システムの機能構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る観客席情報提供装置における観客席情報テーブルの一例を説明する図である。
図4】本発明の実施形態に係る観客席情報提供装置における観覧対象情報テーブルの一例を説明する図である。
図5】本発明の実施形態に係る観客席情報提供装置における提供画像の一例を説明する図である。
図6】本発明の実施形態に係るチケット管理システムが実行するチケット管理処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ又は同類の要素には同じ番号または符号を付している。
【0032】
[基本概念/基本構成]
図1は、本発明の実施形態に係る観客席情報提供装置の概要を説明する図である。
本発明の実施形態に係る観客席情報提供装置は、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象(例えば、野球等のスポーツや、コンサート、映画等)が行われる観覧対象領域(例えば、フィールド、舞台、スクリーン等)と、を備える施設(例えば、スタジアム、アリーナ、ホール、映画館等)における観客席に関する観客席情報を提供する。
【0033】
詳しくは、後述するが、「観客席情報」とは、各観客席固有の情報であり、ユーザ(観客)が観覧対象を快適に観覧できるかの指標となり得る情報である。
【0034】
観客席情報提供装置は、例えば、施設において行われる観覧対象の観覧を希望するユーザ(観客)に、チケットを提供(販売・譲渡等)するチケット管理システムに適用される。チケット管理システムは、ネットワークを介して、ユーザに操作される端末と接続されている。
【0035】
本実施形態において、「チケット」とは、施設において行われるある観覧対象を観覧する権利を示すものであり、観客席毎にユーザ付与されるものである。「チケット」は、紙等で形成された現実の券に限らず、電子的に取引可能であり、ある観客席で観覧対象を観覧する権利を示すものとして、チケット管理システムから、端末に、送信された情報も含まれる。
【0036】
ユーザは、施設における、ある観覧対象(例えば、野球等)のチケットを取得する際、どの観客席で観覧するかを選択する。具体的には、ユーザは、例えば、端末に表示されている、施設に配置された複数の観客席の一覧から、チケットの取得を希望する観客席を選択する。これにより、複数の観客席の中から、ユーザに選択された選択観客席を識別する観客席識別情報(例えば、席番号等)が、端末から観客席情報提供装置に送信される。
【0037】
観客席情報提供装置は、端末から受信した観客席識別情報に基づき、複数の観客席の中から選択された選択観客席の位置情報を取得する。
【0038】
観客席情報提供装置は、選択観客席の位置情報に基づき、施設の3Dデータにおいて、選択観客席を視点、観覧対象領域を注視点とした、選択観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像を生成する。
【0039】
また、観客席情報提供装置は、選択観客席の観客席情報を取得する。図1に示す例において、観客席情報は、施設における観客席以外の設備と、の関係を示す設備情報である。具体的には、図1に示す例において、設備情報は、観客席から、観客席以外の設備までの距離を示す情報(「SHOP 50m」、「WC 100m」)である。
【0040】
また、観客席情報提供装置は、予め設定された広告(例えば、観覧対象のスポンサー等の広告等)に関する広告情報を取得する。具体的には、図1に示す例において、広告情報は、「ぴあ」、「AZS」等)である。
【0041】
そして、観客席情報提供装置は、3D画像に、観客席情報と、広告情報を配置した提供画像を生成し、提供画像を端末に送信する。
【0042】
ユーザは、このような提供画像において、3D画像により、選択した観客席から観覧対象領域がどのように見えるかを確認するとともに、観客席情報により、選択した観客席が自分にとって、快適に観覧対象を楽しむことができるものかを確認できる。
【0043】
このような観客席情報提供装置によれば、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における観客席に関する観客席情報を、当該観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像に配置した提供画像を提供できる。
したがって、観客席から、どのように観覧対象領域が見えるかに加え、観客席に関する情報の提供が可能となる。
【0044】
また、例えば、観客席情報提供装置を、チケット販売の際に利用した場合、ユーザが、観客席情報提供装置により生成された提供画像により、どの観客席のチケットを入手するかを検討する際にも、当該ユーザに広告を示すことができる。
【0045】
[機能構成]
図2は、本発明の実施形態に係るチケット管理システムの機能構成を示す図である。
チケット管理システム1は、チケット管理装置10と、端末100と、を備え、施設において行われる観覧対象の観覧を希望するユーザ(観客)に、チケットを提供(販売・譲渡等)する。
【0046】
チケット管理装置10は、観客席情報提供装置20と、識別情報取得手段30と、管理手段40と、記憶手段50と、を備え、ネットワークを介して接続された端末100と情報を送受信する。
【0047】
観客席情報提供装置20は、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における観客席に関する観客席情報を提供する。
観客席情報提供装置20は、位置情報取得手段21と、画像生成手段22と、観客席情報取得手段23と、観覧対象情報取得手段24と、環境情報取得手段25と、広告情報取得手段26と、提供画像生成手段27と、送信手段28と、を備える。
【0048】
まず、チケット管理装置10は、端末100に、施設で行われる観覧対象毎に、施設に配置された複数の観客席の一覧画面を表示する。チケット管理装置10は、一覧画面において、チケットを取得可能な観客席(まだ、チケットが購入されていない観客席)だけ選択可能に表示することが望ましい。
【0049】
ユーザは、このような一覧画面において、チケットの取得を希望する観客席を選択する。これにより、複数の観客席の中から、ユーザに選択された選択観客席を識別する観客席識別情報(例えば、席番号等)が、端末100から観客席情報提供装置20に送信される。
【0050】
位置情報取得手段21は、複数の観客席の中から選択された選択観客席の位置情報を取得する。詳細には、位置情報取得手段21は、端末100から送信された選択観客席の観客席識別情報に基づき、観客席情報テーブルを参照して、施設の3Dデータにおける選択観客席の位置情報を取得する。なお、3Dデータにおいて、観客席識別情報で識別される観客席の位置が特定されていれば、位置情報取得手段21は、観客席識別情報を位置情報として取得してもよい。
【0051】
図3は、本発明の実施形態に係る観客席情報提供装置における観客席情報テーブルの一例を説明する図である。
観客席情報テーブルは、各観客席に関す種々の観客席情報が予め登録されているものであり、施設に設けられた複数の観客席をそれぞれ識別する観客席識別情報(例えば、席番号等)に、位置情報、観客席情報(設備情報、属性情報、構造情報、観覧対象関係情報等)が、対応付けられ、記憶手段50に記憶されている。
【0052】
位置情報は、施設の3Dデータにおける各観客席の座標である。位置情報において、高さ方向の座標は、各観客席が設置されている床から所定寸法高い位置(例えば、観客席に一般的な人が着座したときの目の高さ)に設定されている。
【0053】
設備情報は、観客席と、施設における観客席以外の設備と、の関係を示す情報である。具体的には、設備情報は、ある観客席から、他の設備(例えば、トイレ(WC)、売店等)までの距離を示す情報である。
このような設備情報を、ユーザに提示することで、WCまでの距離が気になるユーザにとって有益な情報となり、今まで気付かなかったWCを利用するユーザも増加し、WCの混雑が緩和される可能性がある。なお、設備情報には、他の装置が受信したWCの現在の使用率や待ち時間を示す情報を含めてもよい。また、売店までの距離が気になるユーザにとって有益な情報となり、今まで気付かなかった売店を利用するユーザも増加し、当該売店の売上を向上できる可能性がある。
【0054】
属性情報は、各観客席の種別や、各観客席の特性を示す情報である。図3に示す例において、各観客席の種別とは、「一般席(外野)」、「VIP席」、「車椅子席」「、一般席(内野)」である。また、各観客席の特性とは、観客席からの視野が、施設の他の設備等により一部遮られる席であることを示す「見切れ席」である。このような見切れ席であることを示す属性情報をユーザに提示することで、ユーザからのクレーム等の減少につながる。また、見切れ席である属性情報を、3D画像による見え方とともに、ユーザに提示することで、見切れ席であることだけを提示する場合に比べ、見切れの程度まで提示できるので、当該観客席のチケットの販売を促進可能となる。
【0055】
構造情報は、各観客席に備え付けられた器具等の構造物を示す情報である。図3に示す例において、構造情報は、「背もたれ」、「カップホルダー」の有無を示す情報である。カップホルダーの有無を気にするユーザは多く、このような構造情報により、飲食物の販売を促進可能である。
【0056】
観覧対象関係情報は、観覧対象に関する情報である。図3に示す例において、観覧対象関係情報は、ホームランボールが入球する可能性を示す「ホームランボール入球頻度」を示す情報、「ホーム側」の席なのか「ビジター側」の席なのかを示す情報、ベンチ内の見やすさを示す「ベンチ内視認度」を示す情報である。「ホームランボール入球頻度」を示す観覧対象関係情報をユーザに提示することで、観客席のグレードとは関係なくチケットが購入される可能性がある。一般的に、ホームランボールが入球する観客席は外野席であり、他の観客席に比べ、低廉な価格が設定されている。「ホームランボール入球頻度」を提示することで、「ホームランボール入球頻度」が高い観客席であれば、比較的高価格に設定しても購入される可能性を向上できる。また、「ホーム側」の席なのか「ビジター側」の席なのかを示す観覧対象関係情報をユーザに提示することで、ユーザが、観覧の初心者であった場合、ホームとビジターの位置がわからず、自分が応援するチーム側の観客席と反対側の観客席のチケットを購入してしまい、観覧時に嫌な思いをすることを防止できる。また、「ベンチ内視認度」を示す観覧対象関係情報は、控え選手や監督の動き等を見たいユーザにとって、チケット購入時に観客席を選ぶ際に、有益な情報となる。
【0057】
その他、観客席情報テーブルには、観客席識別情報に、付加情報が対応付けられていてもよい。このような付加情報としては、座席の種類の説明情報や、各観客席の評価情報等がある。座席の種類の説明情報は、ユーザに伝わっていない席種の意味を補足するものであり、例えば、スポンサーシートは、その意味を補足することで、スポンサーの広告効果の向上を期待できる。また、各観客席の評価情報は、観客席の人気度を示すことができるので、ユーザのチケットを購入する際のモチベーションを向上することが可能となる。
【0058】
図2に戻って、画像生成手段22は、選択観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像を生成する。
【0059】
詳細には、画像生成手段22は、記憶手段50に予め記憶された施設の3Dデータを読込む。3Dデータは、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象(例えば、野球等のスポーツや、コンサート、映画等)が行われる観覧対象領域(例えば、フィールド、舞台、スクリーン等)と、複数の観客席及び観覧対象領域以外の領域である場外領域と、が含まれている。
【0060】
そして、画像生成手段22は、読み込んだ3Dデータに対して、位置情報取得手段21が取得した位置情報を視点に設定し、観覧対象領域の予め設定された位置を注視点に設定した3D画像を生成する。画像生成手段22は、例えば、観覧対象領域が球場であれば、観覧対象領域において、ホームベースの位置や、ピッチャーマウンドの位置等の観客が注視する時間が比較的長い位置等を注視点として設定する。
【0061】
また、画像生成手段22は、注視点として、予め設定された観覧対象のプレイヤである特定の選手や演者のポジションを注視点として設定してもよい。これにより、例えば、ユーザは、特定の選手や演者が、選択した観客席からどのように見えるかを確認することができる。
【0062】
また、画像生成手段22は、施設の3Dデータに、施設を利用するユーザ(観客)の利便性や安全性を向上する付加データを加えてもよい。付加データには、例えば、エントランスから観客席まで、バリアフリーとなるルートを示すオブジェクトや、車椅子席を特定の表示とする設定(例えば、他の観客席と差別化する色を付する等)や、ビール等の飲食物を販売する売り子のルートを示すオブジェクトや、避難動線を示すオブジェクトである。
【0063】
また、画像生成手段22は、読み込んだ3Dデータに対して、観覧対象領域の予め設定された位置を視点に設定し、位置情報取得手段21が取得した位置情報を注視点に設定した観覧対象側3D画像を生成してもよい。この場合、例えば、観覧対象領域の予め設定された位置が、特定の選手や演者のポジションであれば、ユーザは、特定の選手や演者から、自分の選択した観客席がどのように見えているかを確認することができる。
【0064】
また、画像生成手段22は、観覧対象が行われる日時に応じたライティングで、3D画像や観覧対象側3D画像(以下、「3D画像等」ともいう。)を生成してもよい。例えば、画像生成手段22は、観覧対象が野球であり、デイゲームであれば太陽を主光源としたライティングの3D画像等を生成し、ナイターであればナイター照明を主光源としたライティングの3D画像等を生成してもよい。なお、画像生成手段22は、同じ視点及び注視点の3D画像等に対して、ライティングが異なる複数種類の3D画像等を生成してもよい。
【0065】
観客席情報取得手段23は、選択観客席の観客席情報を取得する。詳細には、観客席情報取得手段23は、端末100から送信された選択観客席の観客席識別情報に基づき、観客席情報テーブル(図3参照)を参照して、選択観客席の観客席情報を取得する。
【0066】
図3に示すように、観客席情報には、選択観客席と、施設における観客席以外の設備と、の関係を示す設備情報や、各観客席の種別や、各観客席の特性を示す属性情報や、各観客席に備え付けられた器具等の構造物を示す構造情報や、観覧対象に関する観覧対象関係情報や、上記の付加情報等が含まれる。
【0067】
観客席情報取得手段23は、図3に示すような複数種類の観客席情報のいずれか1つを取得してもよいし、複数種類の観客席情報を取得してもよい。
【0068】
観覧対象情報取得手段24は、観覧対象に関する観覧対象情報を取得する。詳細には、観覧対象情報取得手段24は、観覧対象情報テーブルを参照して、観覧対象情報を取得する。観覧対象情報は、例えば、過去の観覧対象の試合結果に基づき生成され、施設の3Dデータに配置可能なオブジェクトであり、予め、記憶手段50に記憶されている。
【0069】
図4は、本発明の実施形態に係る観客席情報提供装置における観覧対象情報テーブルの一例を説明する図である。
観覧対象情報テーブルは、観覧対象オブジェクト識別情報に、観覧対象が行われた日付、観覧対象オブジェクトの内容が対応付けられている。
図4に示す例において、観覧対象オブジェクト識別情報OB001の観覧対象情報(オブジェクト)は、2022/5/1に行われた観覧対象(野球)におけるホームランボールの軌道を示すモデルである。また、観覧対象オブジェクト識別情報OB0022の観覧対象情報(オブジェクト)は、2022/4/30に行われた観覧対象(野球)において、行われたパフォーマンス(例えば、マスコットによるダンス等)を示すモデルである。また、観覧対象オブジェクト識別情報OB0055の観覧対象情報(オブジェクト)は、2022/4/30に行われた観覧対象(野球)に出場していたA選手を示すモデルである。
【0070】
このように観覧対象情報としてホームランボールの軌道を示すモデルを、施設の3Dデータに配置し、可視化することで、過去のホームランがどのような軌道を描き、外野のスタンドに入っていくかをエンターテインメントとして、ユーザに提供できる。また、観覧対象情報としてパフォーマンスを示すモデルを、施設の3Dデータに配置し、可視化することで、近年注目度が高まっている球場におけるパフォーマンスをエンターテインメントとして、ユーザに提供できる。また、観覧対象情報として特定の選手や演者(例えば、ユーザによる端末100の操作で選択された選手や演者)を示すモデルを、施設の3Dデータに配置し、可視化することで、席種のグレードとは関係なく、特定の選手や演者がよく見える観客席のチケットが購入される可能性を向上できる。また、このような人型モデルを、施設の3Dデータに配置し、可視化することで、ユーザにおける3D画像でのスケール感の把握が容易になる。
【0071】
また、観覧対象情報取得手段24は、観覧対象情報テーブルに記憶されている全ての観覧対象情報(オブジェクト)を取得してもよいし、例えば、端末100におけるユーザの操作に入力された検索条件(例えば、ある日付(2022/5/1)のホームラン等)に基づき、観覧対象情報テーブルを参照して、検索条件に沿った観覧対象情報(オブジェクト)を抽出して取得してもよい。
【0072】
また、観覧対象情報テーブルは、図4に示す例に限らず、所定の観点に基づき、観覧対象情報(オブジェクト)を集計したものでもよい。例えば、観覧対象情報テーブルは、あるシーズンにおける特定の選手のホームランボールの軌道を、時系列で集計したものでもよい。
【0073】
図2に戻って、環境情報取得手段25は、施設の周囲の環境に関する環境情報を取得する。環境情報は、施設の3Dデータとともに配置可能なオブジェクトであり、予め、記憶手段50に記憶されている。環境情報は、例えば、施設の周囲で打ち上げられた花火を示すモデルや、所定時間(例えば、観覧対象が行われる予定時間等)における太陽の位置や、太陽の軌道を示すモデルである。また、環境情報には、このような太陽のモデルを光源として、施設に形成される影を示す表現を含んでもよい。
【0074】
このように環境情報として施設の周囲で打ち上げられた花火を示すモデルを、施設の3Dデータとともに、可視化することで、ユーザはより花火がよく見える観客席を検証することが可能となる。また、環境情報として観覧対象が行われる予定時間における太陽の位置や、太陽の軌道を示すモデルを、施設の3Dデータとともに、可視化することで、ユーザは、例えば、夏のデイゲームにおいて、直射日光を避けた観客席を検証することが可能となる。
【0075】
広告情報取得手段26は、広告を示す広告情報を取得する。例えば、広告情報取得手段26は、観覧対象毎や、シーズン毎や、観客席の属性(一般席、VIP席等の観客席のグレード等)毎に分類され、予め記憶手段50に記憶されている複数種類の広告情報の中から、観覧対象や、シーズンや、ユーザに選択された選択観客席の属性情報に基づき、広告情報を取得する。広告情報は、施設の3Dデータに配置可能なオブジェクトである。
【0076】
広告情報は、例えば、観覧対象のスポンサーの広告であってもよいし、施設での販売商品や、チケットの購入特典の広告でもよい。このように、チケットの購入特典を広告として表示することで、チケットの販売を促進できる。
【0077】
チケット管理装置10は、広告情報毎に、当該広告情報を含む提供画像を端末100に表示した回数を、広告のビュー数としてカウントしてもよい。チケット管理装置10は、このような広告のビュー数に基づき、広告のスポンサーに請求する広告料を算出してもよい。
【0078】
提供画像生成手段27は、画像生成手段22が生成した3D画像等に、観客席情報取得手段23が取得した観客席情報(設備情報、属性情報、構造情報、観覧対象関係情報等)を配置した提供画像を生成する。更に、提供画像生成手段27は、画像生成手段22が生成した3D画像等に、予め設定された(広告情報取得手段26により取得された)広告に関する広告情報を配置した提供画像を生成してもよい。更にまた、提供画像生成手段27は、画像生成手段22が生成した3D画像等に、観覧対象情報や、環境情報を配置した提供画像を生成してもよい。
【0079】
また、提供画像生成手段27は、画像生成手段22が、ライティングが異なる複数種類の3D画像等を生成していた場合、ライティングが異なる複数種類(例えば、デイゲームとナイター等)の3D画像等に基づく、複数種類の提供画像を生成してもよい。このような複数種類の提供画像は、端末100において、例えば、ユーザの端末100における選択操作に基づき、切り替えて表示されてもよいし、同時に表示されてもよい。
【0080】
図5は、本発明の実施形態に係る観客席情報提供装置における提供画像の一例を説明する図である。
図5に示す例において、提供画像生成手段27は、複数の観客席、観覧対象領域及び場外領域が含まれ、選択観客席を視点とし観覧対象領域に注視点を設定した3D画像に、設備情報、属性情報、広告情報、観覧対象情報及び環境情報を配置した提供画像を生成している。
【0081】
図5に示す例において、設備情報は、「SHOP 50m」、「WC 100m」である。属性情報は、「一般席(内野)」である。広告情報は、「ぴあ」、「AIR」等である。観覧対象情報は、ホームランボールの軌道を示すモデルである。環境情報は、施設の周囲で打ち上げられた花火を示すモデルである。
【0082】
提供画像生成手段27は、3D画像等に、観客席情報、広告情報、観覧対象情報及び環境情報の全てを配置した提供画像を生成してもよいし、例えば、ユーザの端末100における選択操作に基づき、これらの情報の一部だけを配置した提供画像を生成してもよい。
【0083】
なお、提供画像生成手段27は、端末100におけるユーザの操作に基づき、視点や注視点を変更可能な提供画像を生成してもよいし、3D画像等内(複数の観客席、観覧対象領域(例えば、フィールド、舞台、スクリーン等)及び場外領域の任意の位置)を移動可能なキャラクタ(アバター)を含む提供画像を生成してもよい。
【0084】
提供画像生成手段27は、3D画像等内を移動可能なキャラクタ(アバター)を含む提供画像を生成した場合、端末100におけるユーザの操作に基づき、キャラクタの視線に応じた提供画像を生成してもよい。また、提供画像生成手段27は、観覧対象の見え方が変化する提供画像を生成してもよい。例えば、提供画像生成手段27は、観覧対象を鳥瞰した画像から、キャラクタの視線に応じた画像に変化し、その後は、パノラマビューとなる提供画像を生成してもよい。
【0085】
また、提供画像生成手段27は、図5等に示す例では、広告情報を、場外領域の仮想面上に配置しているが、これに限らず、広告情報を3D画像等の任意の位置に配置してもよいし、広告情報を配置するためのオブジェクトを読み込み、このオブジェクトに広告情報を配置した提供画像を生成してもよい。
【0086】
また、観客席情報提供装置20は、例えば、ユーザにより端末100に表示された提供画像において、選択観客席とは別の観客席が選択された場合、この別の観客席を選択観客席に変更して、新たな提供画像を生成してもよい。
【0087】
図2に戻って、送信手段28は、ネットワークを介して接続された端末100に、提供画像生成手段27が生成した提供画像を送信(提供)する。これにより、ユーザに操作される端末100に、提供画像(図5参照)が表示される。
【0088】
例えば、図5に示す例において、ユーザは、端末100において、提供画像を確認し、選択した観客席(選択観客席)のチケットを購入する場合、「TICKET購入」を選択することで、選択観客席のチケットを購入することができる。
【0089】
チケット管理装置10は、提供画像(図5参照)において「TICKET購入」が選択された場合、端末100の表示装置における表示を、ログイン画面に遷移させる。
【0090】
識別情報取得手段30は、ユーザを識別するユーザ識別情報と、複数の観客席の中から、当該ユーザにより選択された選択観客席を識別する観客席識別情報と、を取得する。具体的には、識別情報取得手段30は、例えば、端末100の表示装置に表示させたログイン画面において、ユーザに入力された当該ユーザを識別するユーザ識別情報を取得する。また、識別情報取得手段30は、「TICKET購入」が選択された提供画像(図5参照)の選択観客席の観客席識別情報(図3参照)を取得する。
【0091】
管理手段40は、ユーザ識別情報と、観客席識別情報と、を対応付けたチケット情報を管理する。具体的には、管理手段40は、ユーザの端末100の操作により、ログイン画面で、ユーザ識別情報が入力され、チケットの決済が完了した場合、識別情報取得手段30が取得したユーザ識別情報と、観客席識別情報と、を対応付けて、記憶手段50に記憶する。
【0092】
端末100は、表示装置を備え、例えば、ユーザが所持するスマートフォンやタブレットやコンピュータや、施設等に設置されているチケット発行機である。
【0093】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、1つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて1つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置や端末に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置(記憶手段)に格納されたコンピュータプログラム(例えば、基幹ソフトや上述の各種処理をCPUに実行させるアプリ等)を読み出し、CPUにより実行されたコンピュータプログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータプログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信装置(例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス、第3世代、第4世代及び第5世代移動通信システム等の国際電気通信連合の規格に準拠した無線デバイス等))を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0094】
[処理フロー]
図6は、本発明の実施形態に係るチケット管理システムが実行するチケット管理処理フローを示す図である。図6に示すチケット管理処理フローのうち、ステップS1~ステップS8は、観客席情報提供装置20が実行する観客席情報提供処理である。
【0095】
チケット管理装置10は、端末100に、施設で行われる観覧対象毎に、施設に配置された複数の観客席の一覧画面を表示する。端末100は、この一覧画面において、ユーザによりチケットの取得を希望する観客席が選択された場合、ユーザに選択された選択観客席を識別する観客席識別情報(例えば、席番号等)を観客席情報提供装置20に送信する。
【0096】
ステップS1において、位置情報取得手段21は、端末100から送信された選択観客席の観客席識別情報に基づき、観客席情報テーブル(図3参照)を参照して、施設の3Dデータにおける選択観客席の位置情報を取得する。
【0097】
ステップS2において、画像生成手段22は、記憶手段50に予め記憶された施設の3Dデータを読込み、この3Dデータに対して、ステップS1で位置情報取得手段21が取得した位置情報を視点に設定し、観覧対象領域の予め設定された位置を注視点に設定した3D画像を生成する。
【0098】
ステップS3において、観客席情報取得手段23は、端末100から送信された選択観客席の観客席識別情報に基づき、観客席情報テーブル(図3参照)を参照して、選択観客席の観客席情報を取得する。
【0099】
ステップS4において、観覧対象情報取得手段24は、観覧対象情報テーブル(図4参照)を参照して、観覧対象情報を取得する。なお、観覧対象情報を提供画像に含めない場合には、ステップS4を省略してもよい。
【0100】
ステップS5において、環境情報取得手段25は、施設の周囲の環境に関する環境情報を取得する。なお、環境情報を提供画像に含めない場合には、ステップS5を省略してもよい。
【0101】
ステップS6において、広告情報取得手段26は、広告を示す広告情報を取得する。なお、広告情報を提供画像に含めない場合には、ステップS6を省略してもよい。
【0102】
ステップS7において、提供画像生成手段27は、ステップS2で画像生成手段22が生成した3D画像に、ステップS3で観客席情報取得手段23が取得した観客席情報、ステップS4で観覧対象情報取得手段24が取得した観覧対象情報、ステップS5で環境情報取得手段25が取得した環境情報又はステップS6で広告情報取得手段26が取得した広告情報のうちの少なくても1つを配置した提供画像を生成する。
【0103】
ステップS8において、送信手段28は、端末100に、ステップS7で提供画像生成手段27が生成した提供画像を送信する。
【0104】
ステップS9において、チケット管理装置10は、端末100から提供画像において、選択観客席とは別の観客席が選択されたか否かを判定し、選択観客席とは別の観客席が選択された場合(別の観客席の観客席識別情報を受信した場合)には、ステップS1に処理を戻し、選択観客席とは別の観客席が選択されていない場合には、ステップS10に処理を移す。
【0105】
ステップS10において、チケット管理装置10は、ユーザの操作に基づき、チケットが購入されたか否か(チケットの決済処理が完了したか否か)を判定し、チケットが購入されたと判定した場合には、ステップS11に処理を移し、チケットが購入されたと判定できない場合には、ステップS9に処理を戻す。
【0106】
ステップS11において、識別情報取得手段30は、ユーザを識別するユーザ識別情報と、複数の観客席の中から、当該ユーザにより選択された選択観客席を識別する観客席識別情報と、を取得する。
【0107】
ステップS12において、管理手段40は、ステップS11で識別情報取得手段30が取得したユーザ識別情報と、観客席識別情報と、を対応付けて、記憶手段50に記憶する。
【0108】
このような観客席情報提供装置20によれば、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における観客席に関する観客席情報を、当該観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像に配置した提供画像を提供できる。
したがって、観客席から、どのように観覧対象領域が見えるかに加え、観客席に関する情報の提供が可能となる。
【0109】
また、観客席情報提供装置20によれば、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における観客席に関する観客席情報と、広告に関する広告情報とを、当該観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像に配置した提供画像を提供できる。
【0110】
また、観客席情報提供装置20によれば、3D画像という仮想空間に広告情報を配置できるので、現実の施設(例えば、スタジアム等)では配置できない位置において、任意の要素(例えば、観覧対象や、シーズンや、観客席のグレード等)に応じて変更可能に、広告を表示できる。
【0111】
また、観客席情報提供装置20によれば、チケット販売の際に利用することで、ユーザが、観客席情報提供装置20により生成された提供画像により、どの観客席のチケットを入手するかを検討する際にも、当該ユーザに広告を示すことができる。
【0112】
また、観客席情報提供装置20によれば、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における観客席に関し、選択観客席について、観客席と観客席以外の設備と、の関係を示す設備情報を含む観客席情報を、当該観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像に配置した提供画像を提供できる。
したがって、観客席から、どのように観覧対象領域が見えるかに加え、観客席と施設の観客席以外の設備との関係を示す情報の提供が可能となる。
【0113】
また、観客席情報提供装置20によれば、複数の観客席と、観客席から観客に観覧される観覧対象が行われる観覧対象領域と、を備える施設における観客席に関する観客席情報と、観覧対象に関する観覧対象情報(例えば、観覧対象が野球であれば、過去の試合におけるホームランボールの軌道等)とを、当該観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像に配置した提供画像を提供できる。
したがって、観客席から、どのように観覧対象領域が見えるかに加え、観客席に関する情報や、観覧対象に関する情報の提供が可能となる。
【0114】
また、チケット管理システム1によれば、ユーザがチケットを、例えば、入手する際に、選択した観客席に関する観客席情報を、当該観客席から観覧対象領域方向を視た場合の3D画像に配置した提供画像を提供できる。
これにより、ユーザは、自分が快適に観覧対象を楽しむことができる観客席を選択することが容易になる。
【0115】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、観客席情報提供装置について説明したが、本発明において観客席情報提供装置が実行する方法や、観客席情報提供装置を各種部として機能させるプログラムの発明と捉えることもできる。
【符号の説明】
【0116】
1 チケット管理システム
10 チケット管理装置
20 観客席情報提供装置
21 位置情報取得手段
22 画像生成手段
23 観客席情報取得手段
24 観覧対象情報取得手段
25 環境情報取得手段
26 広告情報取得手段
27 提供画像生成手段
28 送信手段
30 識別情報取得手段
40 管理手段
50 記憶手段
100 端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6