(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106262
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】飲料容器
(51)【国際特許分類】
A47G 19/22 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
A47G19/22 Z
A47G19/22 D
A47G19/22 R
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010514
(22)【出願日】2023-01-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】523030061
【氏名又は名称】有限会社ワンステップ
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】弁理士法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】塩野 利樹
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001BB01
3B001BB04
3B001CC27
3B001DA02
3B001DB05
3B001DC01
(57)【要約】
【課題】飲むときに2種類以上の飲料の出てくる量を調整しやすい、飲料容器を提供する。
【解決手段】本実施例の飲料容器1は、複数種類の飲料を貯留できる容器本体部2と、容器本体部2内に形成されて、容器本体部2の軸線方向周りに捩じられて、らせん状になっている、複数のらせん状貯留部3A、3Bと、複数のらせん状貯留部3A、3Bにそれぞれ連通する複数の飲み口4A、4Bと、を備えている。複数のらせん状貯留部3A、3Bは、容器本体部2内に配置された、らせん状に折り曲げられた複数のホース31、31によって形成される。又は、複数のらせん状貯留部3A~3Dは、容器本体部2内が、らせん状に捩じられた1枚又は複数枚の仕切り板32、・・・によって区分されて形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の飲料を貯留できる容器本体部と、
前記容器本体部内に形成されて、前記容器本体部の軸線方向周りに捩じられて、らせん状になっている、複数のらせん状貯留部と、
複数のらせん状貯留部にそれぞれ連通する複数の飲み口と、
を備える、飲料容器。
【請求項2】
複数の前記らせん状貯留部は、前記容器本体部内に配置された、らせん状に折り曲げられた複数のホースによって形成される、請求項1に記載された、飲料容器。
【請求項3】
複数の前記らせん状貯留部は、前記容器本体部内が、らせん状に捩じられた1枚又は複数枚の仕切り板によって区分されて形成される、請求項1に記載された、飲料容器。
【請求項4】
複数の前記飲み口には、共通する蓋部が取り付けられており、
前記蓋部は、それぞれの前記飲み口から出てくる量を調整できるようになっている、請求項2又は請求項3に記載された、飲料容器。
【請求項5】
前記蓋部は、長孔を有しており回転可能に複数の前記飲み口に取り付けられる内蓋部と、前記長孔を塞ぐことのできる外蓋部と、から構成されている、請求項4に記載された、飲料容器。
【請求項6】
前記容器本体部の複数の前記飲み口の反対側に、取り外し可能な底部が螺合されている、請求項5に記載された、飲料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジュースなどの液体を分けて貯留できる飲料容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲料容器は、1つの飲料容器に1種類の飲料が充填されている。従来の飲料容器は、1種類の飲料が充填されているので、異なる種類の飲料を少しずつ飲みたいときは、それぞれの飲料を別々に購入する必要があった。このため、料金が高くなるうえ、飲料が余って無駄になってしまう、という問題があった。
【0003】
これに対して、例えば、特許文献1に記載された飲料容器は、飲料容器を一端側に個別の抽出口を有する複数の別体の容器で形成して、これらの各容器に異なる飲料を充填し、複数の別体の容器を互いに平坦な密着面で密着させて合体させる手段を設けて、これらの別体の容器を合体させたときに所定の寸法形状になるようにしたことを特徴とする飲料容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1を含む従来の飲料容器は、飲むときに飲料容器を傾けると、2種類以上の飲料が同程度の量だけ抽出口(飲み口)から出てきてしまい、好みに応じて味を変えることはできなかった。
【0006】
そこで、本発明は、飲むときに2種類以上の飲料の出てくる量を調整しやすい、飲料容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の飲料容器は、複数種類の飲料を貯留できる容器本体部と、前記容器本体部内に形成されて、前記容器本体部の軸線方向周りに捩じられて、らせん状になっている、複数のらせん状貯留部と、複数のらせん状貯留部にそれぞれ連通する複数の飲み口と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
このように、本発明の飲料容器は、複数種類の飲料を貯留できる容器本体部と、容器本体部内に形成されて、容器本体部の軸線方向周りに捩じられて、らせん状になっている、複数のらせん状貯留部と、複数のらせん状貯留部にそれぞれ連通する複数の飲み口と、を備えている。このような構成の飲料容器は、貯留部がらせん状になっているため、飲むときに2種類以上の飲料の出てくる量を調整しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実施例のらせん状貯留部を備える飲料容器を軸線方向に沿って切断した断面図である。
【
図3】実施例のらせん状貯留部を備える飲料容器を軸線方向に直交して切断した断面図である。
【
図4】変形例のらせん状貯留部を備える飲料容器を軸線方向に直交して切断した断面図である。
【
図6】蓋部の作用の説明図である。(a)は飲料A:B=1:1とした状態であり、(b)は飲料A:B=3:1とした状態である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成要素は例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例0011】
(構成)
まず、
図1を用いて本発明の飲料容器1の全体構成を説明する。飲料容器1は、使い捨てのものではなく、洗浄して何度も使用できるものである。飲料容器1は、複数種類の飲料を貯留できる容器本体部2と、容器本体部2内に形成されて、容器本体の軸線方向周りに捩じられて、らせん状になっている、複数のらせん状貯留部3A、3Bと、複数のらせん状貯留部3A、3Bにそれぞれ連通する複数の飲み口4A、4Bと、飲み口4A、4Bを共通して塞ぐ蓋部5と、最下部に螺合される底部6と、を備えている。
【0012】
容器本体部2は、PET等の合成樹脂等によって、例えば円筒状に形成されるものであり、一方の端部に分割された飲み口4A、4Bと、他方の端部に開口部と、を備えている。なお、容器本体部2の素材は、合成樹脂でなくてもよく、例えば、ビニールやガラスや紙(牛乳パックのような素材)であってもよい。そして、飲み口4A、4Bには、共通する蓋部5が螺合されるとともに、開口部には、底部6が螺合されている。そして、本実施例の容器本体部2は、その内部がらせん状に屈曲された、2つの領域に区分されている。
【0013】
すなわち、容器本体部2の内部には、
図2に示すように、2つのらせん状貯留部3A、3Bが形成されている。これらの2つのらせん状貯留部3A、3Bは、容器本体部2の軸線方向周りにらせん状に捩じられており、互いに絡まり合って全体として二重らせん構造となっている。なお、以下では、らせん状貯留部を2つ備える場合について説明するが、これに限定されるものではなく、らせん状貯留部の個数は、3つであってもよいし、4つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0014】
そして、本実施例の2つのらせん状貯留部3A、3Bは、
図3の断面図に示すように、容器本体部2内に配置された、らせん状に折り曲げられた2つのホース31、31によって形成されている。つまり、各らせん状貯留部3A(3B)は、合成樹脂素材の細長い円筒容器状とされ、容器本体部2内で中心軸線の回りに回転されて、二重らせんに形成される。
【0015】
各ホース31、31は、その一端がそれぞれ飲み口4A、4Bに接続されるとともに他端が閉じられており、それぞれが細長い容器となっている。上述したように、ホース31の本数は、3本であってもよいし、4本であってもよいし、5本以上であってもよい。
【0016】
また、別形態(変形例)の4つのらせん状貯留部3A~3Dは、
図4の断面図に示すように、容器本体部2内が、らせん状に捻じ曲げられた4つの仕切り板32、・・・によって区分されて形成されている。すなわち、仕切り板32、・・・は、合成樹脂素材の板であり、容器本体部2内で中心軸線の回りに回転されて、スクリュー状に形成される。
【0017】
そして、仕切り板32で区分された4つの領域(らせん状貯留部)3A~3Dは、それぞれ飲み口4A~4D(不図示)に接続されている。上述したように、仕切り板32の枚数は、2枚や3枚であってもよいし、5枚以上であってもよい。
【0018】
2つ(又は4つ)の飲み口4A、4B(4C、4D)は、互いに接合されて、全体として短円筒状になっている。すなわち、各飲み口4Aは、中心角180度(=360度/分割数)の扇形の断面を有する筒状に形成されている。さらに、これらの2つの飲み口4A、4Bには、
図5の斜視図に示すように、これらを共通して塞ぐための、1つの蓋部5が嵌め込まれている。
【0019】
そして、本実施例の蓋部5は、2つの飲み口4A、4Bから出てくる飲料の量を調整できるようになっている。具体的に言うと、蓋部5は、
図5に示すように、内蓋部51と、外蓋部52と、から構成されている。内蓋部51の頂面には、円周方向に延びる長孔51aが形成されており、飲み口4A、4Bに対して自在に回転できるようになっている。
【0020】
そして、内蓋部51には、外蓋部52が被せられるようになっており、前述した長孔51aから飲料が漏れないように、これを塞ぐようになっている。したがって、使用者の好みに応じて、飲み口4A、4Bに相対的に、内蓋部51を回転させることによって、
図6(a)に示すように、飲料A:B=1:1の面積比(流量比)としたり、
図6(b)に示すように飲料A:B=3:1の面積比(流量比)としたり、できる。
【0021】
(作用・効果)
次に、本実施例及び変形例のらせん状貯留部3を備える、飲料容器1の作用について説明する。
【0022】
(1)上述してきたように、本実施例の飲料容器1は、複数種類の飲料を貯留できる容器本体部2と、容器本体部2内に形成されて、容器本体部2の軸線方向周りに捩じられて、らせん状になっている、複数のらせん状貯留部3A、3Bと、複数のらせん状貯留部3A、3Bにそれぞれ連通する複数の飲み口4A、4Bと、を備えている。このような構成の飲料容器1は、貯留部がらせん状になっているため、飲むときに2種類以上の飲料の出てくる量を調整しやすい。すなわち、らせん状に形成された貯留部3A、3Bであれば、片方の飲料を下にしたときに、他方の飲料は上にあるため、一度に両方の飲料が均等に出てきてしまうことがない。
【0023】
(2)また、複数のらせん状貯留部3A、3Bは、容器本体部2内に配置された、らせん状に折り曲げられた複数のホース31、31によって形成されるため、製造が容易であるうえ、各領域の密閉性が高い。加えて、ホース31の径(太さ)を調整すれば、多くの種類の飲料を収容しやすくなる。
【0024】
(3)あるいは、複数のらせん状貯留部3A~3Dは、容器本体部2内が、らせん状に捩じられた1枚又は複数枚の仕切り板32、・・・によって区分されて形成されていれば、複数種類の飲料を、容器本体部2内の容積いっぱいまで飲料を充填できる。
【0025】
(4)また、複数の飲み口4A、4Bには、共通する蓋部5が取り付けられており、蓋部5は、それぞれの飲み口4A、4Bから出てくる量を調整できるようになっていれば、飲む人の味の好みや適正に応じて、飲料の量をいっそう調整しやすくなる。
【0026】
(5)具体的には、蓋部5は、長孔51aを有しており回転可能に複数の飲み口4A、4Bに取り付けられる内蓋部51と、長孔51aを塞ぐことのできる外蓋部52と、から構成されているため、簡易な構造でありながら、飲料の出てくる量を調整しやすく、かつ、飲料が漏れにくい蓋部5となる。
【0027】
(6)他にも、容器本体部2の複数の飲み口4A、4Bの反対側に、取り外し可能な底部6が螺合されていることで、面積の広い開口部を通じて、容器本体部2の内部を洗浄して衛生的に保つことができる。
【0028】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0029】
例えば、実施例では、蓋部5の内蓋部51に長孔51aが設けられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。蓋部5は、単に飲み口4A、4Bを塞ぐだけのものであってもよいし、内蓋部51と外蓋部52に分かれていても、内蓋部51の孔(開口部)の形状や数は問わない。