(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106267
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
B01D 29/11 20060101AFI20240731BHJP
B01D 29/50 20060101ALI20240731BHJP
B01D 17/02 20060101ALI20240731BHJP
B01D 17/022 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
B01D29/10 510F
B01D29/10 530B
B01D29/26 B
B01D17/02 501C
B01D17/02 503
B01D17/022 501
B01D17/022 502A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010523
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000178675
【氏名又は名称】ヤマシンフィルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170070
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】納冨 洋一
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116BB01
4D116BC13
4D116BC23
4D116BC27
4D116BC29
4D116BC41
4D116BC42
4D116BC43
4D116BC71
4D116BC77
4D116DD05
4D116DD06
4D116EE01
4D116EE03
4D116FF12B
4D116GG27
4D116GG31
4D116HH25B
4D116KK04
4D116QA51C
4D116QA51E
4D116QA51F
4D116QB03
4D116QB12
4D116QB24
4D116QB26
4D116QB32
4D116QB34
4D116QC08
4D116VV02
4D116VV30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】濾過面積を増やすことができるフィルタ装置を提供する。
【解決手段】フィルタ装置は、液体が流入する流入部及び液体が流出する流出部23を有するハウジング30と、流入部からの液体を濾過する筒状の第1フィルタ41と、第1フィルタ41の内側に設けられた、液体をさらに濾過する第2フィルタ42とを備え、第2フィルタ42は、筒状の第3フィルタと、第3フィルタの内側に設けられた、第3フィルタの高さ方向に延びる第4フィルタとを有し、第1フィルタ41の内側の領域かつ第3フィルタの外側の領域と第4フィルタの内側の領域とは、互いにを連通しており、第3フィルタの内側かつ第4フィルタの外側の領域は、流出部23と連通している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流入する流入部及び前記液体が流出する流出部を有するハウジングと、
前記ハウジングの内部空間に設けられており、前記流入部からの前記液体を濾過する筒状の第1フィルタと、
前記第1フィルタの内側に設けられた、前記液体をさらに濾過する第2フィルタと、
を備え、
前記第2フィルタは、筒状の第3フィルタと、前記第3フィルタの内側に設けられた、前記第3フィルタの高さ方向に延びる第4フィルタとを有し
前記第3フィルタは、前記高さ方向における一方の端である第1端部と、前記高さ方向における前記第1端部とは反対側の端である第2端部と、前記第1端部及び前記第2端部により囲まれた領域に設けられた第1濾過部と、を有し、
前記第4フィルタは、第3端部と、前記高さ方向において前記第3フィルタ内に位置する第4端部と、前記第3端部及び前記第4端部により囲まれた領域に設けられた第2濾過部と、を有し、
前記第2端部と前記第3端部は一体であり、又は、前記第2端部と前記第3端部とは連結されており、
前記第1フィルタの内側の領域かつ前記第3フィルタの外側の領域と、前記第4フィルタの内側の領域とは、互いに連通しており、
前記第3フィルタの内側かつ前記第4フィルタの外側の領域は、前記流出部と連通している
ことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
前記第4フィルタは、筒状であり、
前記第4端部には、孔が形成されており、
前記第2濾過部は、前記孔を覆うように前記第4端部に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
液体が流入する流入部及び前記液体が流出する流出部を有するハウジングと、
前記ハウジングの内部空間に設けられており、前記流入部からの前記液体を濾過する筒状の第1フィルタと、
前記第1フィルタの内側に設けられた、前記液体をさらに濾過する第2フィルタと、
を備え、
前記第2フィルタは、前記第2フィルタの高さ方向における一方の端である第1端部と、前記高さ方向における前記第1端部と反対側の端である第2端部と、前記第1端部及び前記第2端部により囲まれた領域に設けられた濾過部と、を有し、
前記第1端部は、前記流出部と前記第2フィルタの内側の領域とを連通する中空部を有し、
前記第2端部は、前記第2フィルタの端面を覆う第2板状部を有し、
平面視において、前記第2板状部の形状は、前記中空部の形状と異なる
ことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項4】
前記第1端部は、前記第2フィルタの中心軸と直交する面に沿って設けられた第1板状部を有し、
前記第1板状部には、前記中空部となる第1孔が形成されており、
前記第1孔は、平面視において多角形状又は曲線を有する平面図形である
ことを特徴とする請求項3に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記第2端部は、平面視において十字形状、多角形状又は曲線を有する平面図形である
ことを特徴とする請求項4に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記第1板状部には、前記第1孔と異なる第2孔が形成されており、
前記濾過部は、前記第2孔を覆うように設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載のフィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料などの液体の濾過に使用するためのフィルタ要素が、フィルタ媒体の第1のセクションと、任意選択的なコアレッサ媒体の層と、第1のセクションの内部に少なくとも途中まで延びるバリア媒体のセクションとを含むコアレッサを有する燃料フィルタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明では、バリア媒体が管状に成形されており、その断面形状は円形や多角形である。しかしながら、特許文献1に記載のバリア媒体は、濾過面積が狭いという問題がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、濾過面積を増やすことができるフィルタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るフィルタ装置は、例えば、液体が流入する流入部及び前記液体が流出する流出部を有するハウジングと、前記ハウジングの内部空間に設けられており、前記流入部からの前記液体を濾過する筒状の第1フィルタと、前記第1フィルタの内側に設けられた、前記液体をさらに濾過する第2フィルタと、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタの上端を連結する上プレートと、を備え、前記第2フィルタは、筒状の第3フィルタと、前記第3フィルタの高さ方向に延びる第4フィルタと、から成り、前記第3フィルタは、前記高さ方向における一方の端である第1端部と、前記高さ方向における前記第1端部と反対側の端である第2端部と、前記第1端部及び前記第2端部により囲まれた領域に設けられた第1濾過部と、を有し、前記第4フィルタは、第3端部と、前記高さ方向において前記第3フィルタ内に位置する第4端部と、前記第3端部及び前記第4端部により囲まれた領域に設けられた第2濾過部と、を有し、前記第2端部と前記第3端部は一体であり、又は、前記第2端部と前記第3端部とは連結されており、前記第1フィルタの内側の領域かつ前記第3フィルタの外側の領域と、前記第4フィルタの内側の領域とは、互いに連通しており、前記第3フィルタの内側かつ前記第4フィルタの外側の領域は、前記流出部と連通していることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るフィルタ装置によれば、筒状の第1フィルタの内側に第2フィルタが設けられており、第2フィルタは第3フィルタと第4フィルタと、を有する。これにより、濾過面積を増やすことができる。
【0008】
前記第4フィルタは、筒状であり、前記第4端部には、孔が形成されており、前記第2濾過部は、前記孔を覆うように前記第4端部に設けられていてもよい。これにより、濾過面積をさらに増やすことができる。
【0009】
本発明の別の態様に係るフィルタ装置は、例えば、液体が流入する流入部及び前記液体が流出する流出部を有するハウジングと、前記ハウジングの内部空間に設けられており、前記流入部からの前記液体を濾過する筒状の第1フィルタと、前記第1フィルタの内側に設けられた、前記液体をさらに濾過する第2フィルタと、を備え、前記第2フィルタは、前記第2フィルタの高さ方向における一方の端である第1端部と、前記高さ方向における前記第1端部と反対側の端である第2端部と、前記第1端部及び前記第2端部により囲まれた領域に設けられた濾過部と、を有し、前記第1端部は、前記流出部と前記第2フィルタの内側の領域とを連通する中空部を有し、前記第2端部は、前記第2フィルタの端面を覆う第2板状部を有し、平面視において、前記第2板状部の形状は、前記第1端部の中空部の形状と異なることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るフィルタ装置によれば、筒状の第1フィルタの内側に第2フィルタが設けられており、平面視において、第2フィルタの第2端を覆う第2板状部の形状は、第2端と反対側の第1端に設けられた第1端部の中空部の形状と異なる。その結果、第2フィルタの形状が複雑になる。これにより、濾過面積を増やすことができる。
【0011】
前記第1端部は、前記第2フィルタの中心軸と直交する面に沿って設けられた第1板状部を有し、前記第1板状部には、前記中空部となる第1孔が形成されており、前記第1孔は、平面視において多角形状又は曲線を有する平面図形であってもよい。
【0012】
前記第2端部は、平面視において十字形状、多角形状又は曲線を有する平面図形であってもよい。これにより、濾過面積を増やすことができる。
【0013】
前記第1板状部には、前記第1孔と異なる第2孔が形成されており、前記濾過部は、前記第2孔を覆うように設けられていてもよい。これにより、濾過面積をさらに増やすことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、濾過面積を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態であるフィルタ装置1の概略を示す断面図である。
【
図2】第2フィルタ42の概略を示す斜視図であり、(A)は斜め上から見た図であり、(B)は斜め下から見た図である。
【
図3】第2フィルタ42の概略を示す断面図である。
【
図4】第2フィルタ42の概略を示す断面斜視図である。
【
図5】第2フィルタ43の概略を示す図であり、(A)は斜め上から見た斜視図であり、(B)は平面図であり、(C)は斜め下から見た斜視図である。
【
図6】第2フィルタ43の概略を示す斜視図である。
【
図7】第2フィルタ44の概略を示す斜視図である。
【
図8】第2フィルタ44の概略を示す斜視図である。
【
図9】第2フィルタ45の概略を示す斜視図である。
【
図10】従来のフィルタ142の概略を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、流体に含まれる塵埃、水分等を除去するフィルタ装置である。以下、本実施のフィルタ装置を、燃料フィルタを例に説明するが、フィルタ装置は燃料フィルタに限られない。また、フィルタ装置が濾過する流体として燃料を例に説明するが、流体は燃料に限られず、作動油等でもよい。
【0017】
フィルタ装置は、建設機械、自動車等に設けることができる。フィルタ装置は、燃料タンクの下流側に設けられている。また、フィルタ装置の下流側には、ポンプが設けられている。ポンプが稼働すると、燃料は、フィルタ装置1に供給され、フィルタ装置1で濾過されてフィルタ装置1から排出される。その後、燃料は、ポンプを通って内燃機関に供給される。
【0018】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の一実施形態であるフィルタ装置1の概略を示す断面図である。フィルタ装置1は、主として、フィルタケース10及びヘッド20を有するハウジング30と、フィルタエレメント40とを有する。
【0019】
フィルタケース10は、樹脂又は金属で形成されており、有底略筒形状(ここでは、有底円筒形状)の第1ケース11と、略筒形状の第2ケース13とを有する。本実施の形態において、金属とは、例えばステンレスであり、耐腐食性の高い様々な種類の金属を含む。なお、第1ケース11と第2ケース13とは1部品であってもよい。
【0020】
第1ケース11は第2ケース13の下側(-z側)に設けられている。第1ケース11は、上端に開口部を有し、下端が底面11aにより覆われている。フィルタケース10の底面11a近傍の空間は貯水部S4であり、底面11aにはドレンプラグ16が設けられている。また、貯水部S4には、水位を確認できるようにフロート51が設けられている。
【0021】
フィルタケース10の上端は、開口端12である。開口端12を覆うようにヘッド20が設けられている。第2ケース13には、ヘッド20の筒状部22に設けられたねじ部22aが螺合されるねじ部13aが設けられている。
【0022】
第2ケース13は、板状部14を有する。板状部14にフィルタエレメント40が載置され、ねじ部22aがねじ部13aに螺合されて、ヘッド20がフィルタケース10に取り付けられると、ヘッド20にフィルタエレメント40が挿入され、ハウジング30の内部でフィルタエレメント40が固定される。
【0023】
板状部14とフィルタエレメント40との間には、Oリング等の弾性部材52が設けられており、ヘッド20とフィルタエレメント40との間には、Oリング等の弾性部材53が設けられている。これにより、フィルタエレメント40が板状部14及びヘッド20に固定されるとともに、フィルタエレメント40と板状部14との間及びフィルタエレメント40とヘッド20との間から燃料が漏れないようにシールされる。また、第2ケース13とヘッド20との間には、Oリング等の弾性部材54が設けられている。これにより、ハウジング30から燃料が漏れないようにシールされる。
【0024】
ヘッド20は、金属で形成されており、フィルタエレメント40に燃料を供給し、フィルタエレメント40で濾過された燃料を排出する。ヘッド20は、フィルタエレメント40が設けられた筒状部21と、第2ケース13に設けられた筒状部22とを有する。また、ヘッド20は、燃料が流入する流入部(図示省略)と、燃料が流出する流出部23とを有する。
【0025】
ハウジング30内の空間は、フィルタエレメント40によって2つの空間に分けられる。この2つの空間のうち、ハウジング30とフィルタエレメント40との間が空間S1であり、フィルタエレメント40の内部が空間S2、S3である。
【0026】
フィルタエレメント40は、主として、第1フィルタ41と、第2フィルタ42と、プレート48、49とを有する。
【0027】
第1フィルタ41は、シート状の濾材をひだ折りにして(プリーツ状に折り曲げて)形成された、いわゆるプリーツ濾材である。第1フィルタ41は、プリーツ状に折り曲げた濾材の両端を接続して筒状(ここでは、円筒形状)に形成されている。第1フィルタ41は、燃料中の塵埃を取り除くとともに、燃料中の水分を凝集させる。具体的には、燃料が第1フィルタ41を通過することで、燃料に含まれる水分が凝集されてより大きな径の水滴になる。なお、第1フィルタ41の形態はこれに限られない
【0028】
なお、
図1では図示しないが、第1フィルタ41の内周面に沿って内筒が設けられていてもよいし、第1フィルタ41の外周面に沿って外筒が設けられていてもよい。内筒及び外筒には、燃料が通過可能な孔が多数設けられている。
【0029】
第1フィルタ41には、上側(+z側)の端を覆うようにプレート48(本発明の上プレートに相当)が設けられ、下側(-z側)の端を覆うようにプレート49が設けられている。プレート48は、中央に筒状部48aが設けられている。この筒状部48aが筒状部21の内部に挿入されることで、ヘッド20にフィルタエレメント40が設けられる。
【0030】
プレート48は、筒状部48aに隣接して設けられた筒状部48bを有する。筒状部48bの中空部には、第2フィルタ42が設けられる。フィルタエレメント40の内部のうち、第2フィルタ42の外側が空間S2であり、第2フィルタ42の内側が空間S3である。
【0031】
第2フィルタ42は、撥水性又は疎水性を有し、燃料が第1フィルタ41を通過することで凝集された水分を表面で弾き、燃料のみを通過させる。第2フィルタ42で弾かれた水分は、第2フィルタ42上を転がりながら下方向(-z方向)に向かい、貯水部S4に溜まる。
【0032】
次に、第2フィルタ42について詳細に説明する。
図2は、第2フィルタ42の概略を示す斜視図であり、(A)は斜め上から見た図であり、(B)は斜め下から見た図である。
図3は、第2フィルタ42の概略を示す断面図である。
図4は、第2フィルタ42の概略を示す断面斜視図である。
【0033】
第2フィルタ42は、主として、外フィルタ(本発明の第3フィルタ)410と、内フィルタ(本発明の第4フィルタ)420とを有する。内フィルタ420は、外フィルタ410の内側に設けられている。内フィルタ420は外フィルタ410の高さ方向に延びており、外フィルタ410及び内フィルタ420の中心軸をaxとする。本実施の形態では、内フィルタ420の高さ(z方向の距離)は外フィルタ410の高さより低いが、外フィルタ410及び内フィルタ420の高さはこれに限られない。
【0034】
外フィルタ410は、撥水性又は疎水性を有し、主として、濾過部411(本発明の第1濾過部に相当)と、上端部412(本発明の第1端部に相当)と、下端部413(本発明の第2端部に相当)と、リブ414とを有する。
【0035】
濾過部411は、網目状の薄板で形成されている。上端部412、下端部413及びリブ414は、例えば樹脂により形成されている。リブ414は、上端部412と下端部413とを連結する。濾過部411は、上端部412、下端部413及びリブ414により囲まれた領域に設けられている。なお、リブ414は必須ではなく、リブ414を有しない場合には、濾過部411は、上端部412及び下端部413に囲まれた領域に設けられていればよい。
【0036】
上端部412は、筒状であり、外フィルタ410の一方(ここでは、上側(+z側))の端に設けられている。本実施の形態では、上端部412は円筒状である。
図1に示すように、上端部412は、プレート48に設けられている。上端部412とプレート48との間を燃料が通過できないように、上端部412はプレート48に固定されている。
【0037】
図2の説明に戻る。下端部413は、外フィルタ410の上側の端とは反対側(ここでは、下側(-z側))の端に設けられている。下端部413は、主として、板状部413a(本発明の第1板状部に相当)と、筒状部413b、413cとを有する。
【0038】
板状部413aは、外フィルタ410の-z側の端面を覆う。板状部413aには、孔413dが形成されている。本実施の形態では、板状部413aは、中空円状であり、孔413dは円形状である。
【0039】
筒状部413bは、板状部413aの外周縁に沿って設けられており、筒状部413cは、孔413dの周縁に沿って設けられている。リブ414は、上端部412と筒状部413bとを連結し、濾過部411は上端部412、筒状部413b及びリブ414により囲まれた領域に設けられている。
【0040】
なお、筒状部413bは必須ではない。筒状部413bを有しない場合には、リブ414は上端部412と板状部413aとを連結し、濾過部411は上端部412、板状部413a及びリブ414により囲まれた領域に設けられていればよい。この場合には、板状部413aに溝を設け、この溝に濾過部411を設ければよい。
【0041】
下端部413の筒状部413cには、内フィルタ420が設けられている。筒状部413cは孔413dに沿って設けられているため、孔413dは、外フィルタ410の外側の領域と内フィルタ420の内側の領域とを連通する。これにより、内フィルタ420の内側の領域が空間S2(
図1参照)となる。
【0042】
内フィルタ420は、撥水性又は疎水性を有し、主として、濾過部421(本発明の第2濾過部に相当)と、上端部422(本発明の第4端部に相当)と、下端部413(本発明の第3端部に相当)と、リブ424とを有する。なお、内フィルタ420の下端部413は、外フィルタ410の下端部413と一体である(同一の部材である)。
【0043】
濾過部421は、網目状の薄板で形成されている。上端部422及びリブ424は、例えば樹脂により形成されている。リブ424は、上端部422と下端部413(筒状部413c)とを連結する。濾過部421は、上端部422、下端部413及びリブ424により囲まれた領域に設けられている。なお、リブ424は必須ではなく、リブ424を有しない場合には、濾過部421は、上端部422及び下端部413に囲まれた領域に設けられていればよい。
【0044】
なお、筒状部413cは必須ではない。筒状部413cを有しない場合には、リブ424は上端部422と板状部413aとを連結し、濾過部421は上端部422、板状部413a及びリブ424により囲まれた領域に設けられていればよい。
【0045】
上端部422は、外フィルタ410の下端部413が設けられていない側(ここでは、上側(+z側))の端に設けられている。上端部422は、内フィルタ420の+z側の端面を覆う。
【0046】
図1の説明に戻る。
図1において、燃料の流れを二点鎖線の矢印で示す。燃料タンク(図示せず)からフィルタ装置1に導かれる燃料は、濾過される前の状態である。燃料は、ヘッド20に設けられた図示しない流入部(図示省略)を通って、空間S1に流入する。空間S1の内部に流入した燃料は、第1フィルタ41を通過することで、塵埃が取り除かれる。
【0047】
第1フィルタ41を通過して空間S2に流入した燃料は、第2フィルタ42を通過して、空間S3に流入する。空間S3へ流出した燃料は、ヘッド20の流出部23を介してフィルタ装置1から流出し、エンジン(図示せず)に導かれる。
【0048】
燃料が第1フィルタ41を通過することで、燃料に含まれる水分が凝集されてより大きな径の水滴になる。また、燃料に含まれる水分は、第2フィルタ42の表面に留まり、第2フィルタ42を通過しない。第2フィルタ42は撥水性又は疎水性を有するため、第2フィルタ42の表面に留まった水滴は、燃料の第2フィルタ42の通過量が増加するとともに成長して大きな径となった段階で、下方に落下して貯水部S4に溜まる。これにより、燃料に含まれる水分を分離させて除去することができる。
【0049】
燃料が第1フィルタ41及び第2フィルタ42を通過するとき、第1フィルタ41や濾過部411、421が抵抗となって圧力損失が生じる。構造上、第1フィルタ41より第2フィルタ42の濾過面積が狭くなるため、フィルタ装置1の性能向上のためには第2フィルタ42(濾過部411及び濾過部421)の濾過面積を広くすることが重要である。
【0050】
第2フィルタ42が外フィルタ410及び内フィルタ420を有するため、1つの筒状のフィルタ(例えば、外フィルタ410のみ)しか有しない従来の形態(例えば、
図10参照)より濾過面積を増やすことができる。
【0051】
例えば、高さH1、H2、H3及び直径d1、d2、d3、d4(
図3、10参照)が表1に示す値である場合には、第2フィルタ42の濾過面積は220cm
2となり、従来のフィルタ142(
図10参照)に比べて濾過面積が広くなる。
【表1】
【0052】
本実施の形態によれば、第2フィルタ42が外フィルタ410及び内フィルタ420を有するため、第2フィルタ42の濾過面積を増やすことができる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、第2フィルタ42の濾過面積、すなわち水滴が当接する面積が広いため、油水分離性能を高くすることができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、第2フィルタ42、すなわち外フィルタ410及び内フィルタ420が中空の円錐台形状であったが、第2フィルタ42の形状はこれに限られない。例えば、外フィルタ410及び内フィルタ420は、断面が多角形(四角形、六角形等)の角錐台形状でもよい。また、外フィルタ410及び内フィルタ420は、円錐、角錐であってもよい。
【0055】
また、本実施の形態では、上端部422が内フィルタ420の上端を覆ったが、上端部422の形態はこれに限られない。例えば、上端部422に孔が形成されており、この孔を覆うように上端部422に濾過部421が設けられていてもよい。
【0056】
また、本実施の形態では、外フィルタ410の下端部413が平坦であったが、第2フィルタ42の形態はこれに限られない。例えば、中空の円錐台形状であるフィルタを途中で内側に折り曲げて、外フィルタ410及び内フィルタ420を形成してもよい。この場合には、側面から見たときの外フィルタ410及び内フィルタ420の連結部、すなわち第2フィルタ42の下端部は線状又は円弧状となり得る。
【0057】
また、本実施の形態では、外フィルタ410の下端部413と内フィルタ420の下端部413は一体であったが、下端部413の形態はこれに限られない。例えば、外フィルタ410の下端部と内フィルタ420の下端部とが別部材であり、外フィルタ410の下端部と内フィルタ420の下端部とが直接的又は間接的に連結されていてもよい。
【0058】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、フィルタエレメント40が外フィルタ410及び内フィルタ420を有する第2フィルタ42を有したが、フィルタエレメントの構成はこれに限られない。第2の実施の形態は、第2フィルタの形状に特徴がある形態である。以下、第2の実施の形態に係るフィルタ装置について説明する。なお、第1の実施の形態及び変形例と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0059】
第2の実施の形態に係るフィルタ装置は、主として、フィルタケース10及びヘッド20を有するハウジング30と、第1フィルタ41及び第2フィルタ43を有するフィルタエレメントとを有する。
【0060】
図5は、第2フィルタ43の概略を示す図であり、(A)は斜め上から見た斜視図であり、(B)は平面図であり、(C)は斜め下から見た斜視図である。
図6は、第2フィルタ43の概略を示す斜視図である。
【0061】
第2フィルタ43は、撥水性又は疎水性を有し、主として、濾過部431(本発明の濾過部に相当)と、上端部432(本発明の第1端部に相当)と、下端部433(本発明の第2端部に相当)と、リブ434とを有する。なお、
図6は、説明のため、濾過部431(後に詳述)を省略している。
【0062】
濾過部431は、網目状の薄板で形成されている。上端部432、下端部433及びリブ434は、例えば樹脂により形成されている。リブ434は、上端部432と下端部433とを連結する。濾過部431は、上端部432、下端部433及びリブ434により囲まれた領域に設けられている。なお、リブ434は必須ではなく、リブ434を有しない場合には、濾過部431は、上端部432及び下端部433に囲まれた領域に設けられていればよい。
【0063】
上端部432は、第2フィルタ43の一方(ここでは、上側(+z側))の端に設けられている。上端部432は、プレート48(
図1参照)に設けられている。上端部432とプレート48との間を燃料が通過できないように、上端部432はプレート48に固定されている。
【0064】
上端部432は、軸axと直交する面に沿って設けられた板状部432a(本発明の第1板状部に相当)と、筒状(本実施の形態では、円筒状)の筒状部432cを有する。板状部432aには孔432b(本発明の第1孔に相当)が形成されている。孔432bは上端部432の中空部である。中心軸axに沿って見たときに、孔432bの形状は多角形であり、本実施の形態では星形状である。リブ434の上端は、孔432bの頂点に設けられており、濾過部431は孔432bの辺に沿って設けられている。
【0065】
下端部433は、第2フィルタ43の上側の端とは反対側(ここでは、下側(-z側))の端に設けられている。下端部433は、主として、板状部433a(本発明の第2板状部に相当)と、板状部433aに設けられた溝433bとを有する。なお、下端部433は、板状部433aの周縁に沿って設けられたリブを有していてもよい。
【0066】
板状部433aは、第2フィルタ43の下側の端面を覆う。中心軸axに沿って見たときに、板状部433aは十字形状である。したがって、中心軸axに沿って見たときに、孔432bの形状と板状部433aの形状とは異なる。
【0067】
溝433bは、板状部433aの4本の棒状部433cに沿って設けられている。溝433bには、濾過部431が設けられている。
【0068】
燃料が第1フィルタ41を通過することで、燃料に含まれる水分が凝集されてより大きな径の水滴になる。また、燃料に含まれる水分は、第2フィルタ43の表面に留まり、第2フィルタ43を通過しない。第2フィルタ43の表面に留まった水滴は、燃料の第2フィルタ43の通過量が増加するとともに成長して大きな径となった段階で、下方に落下する。これにより、燃料に含まれる水分を分離させて除去することができる。
【0069】
燃料が第1フィルタ41及び第2フィルタ43を通過するとき、第1フィルタ41や第2フィルタ43が抵抗となって圧力損失が生じる。構造上、第1フィルタ41より第2フィルタ43の濾過面積が狭くなるため、フィルタ装置1の性能向上のためには第2フィルタ42(濾過部411及び濾過部421)の濾過面積を広くすることが重要である。
【0070】
第2フィルタ43が単なる筒状ではなく複雑な形状であるため、単なる筒状のフィルタ(例えば、外フィルタ410のみ)しか有しない従来の形態(例えば、
図10参照)より濾過面積を増やすことができる。
【0071】
例えば、高さH1、H2、H3、直径d1及び幅d5(
図6参照)が表2に示す値である場合には、第2フィルタ43の濾過面積は184.8cm
2となり、従来のフィルタ142(
図10参照)に比べて濾過面積が広くなる。
【表2】
【0072】
本実施の形態によれば、中心軸axに沿って見たときに、孔432bの形状と板状部433aの形状とを異ならせて複雑な形状の第2フィルタ43とすることで、第2フィルタ42の濾過面積を増やすことができる。
【0073】
なお、本実施の形態では、板状部432aに1つの孔432bが設けられていたが、板状部432aに設けられている孔の数はこれに限られない。例えば、板状部432aには、孔432bの外側かつ筒状部432cとの間の領域に孔(本発明の第2孔に相当)が設けられており、この孔を覆うように濾過部431が設けられていてもよい。これにより、濾過面積をさらに増やすことができる。
【0074】
また、本実施の形態では、中心軸axに沿って見たときに孔432bが星形状であったが、孔432bの形状はこれに限られない。例えば、中心軸axに沿って見たときの孔432bの形状は、矩形形状、三角形状等の多角形でもよいし、曲線を有する平面図形であってもよい。
【0075】
また、本実施の形態では、板状部433aが十字形状であったが、板状部433aの形状はこれに限られない。例えば、中心軸axに沿って見たときの板状部433aの形状は、多角形状、円形状、曲線を有する平面図形などであってもよい。
【0076】
例えば、中心軸axに沿って見たときに、孔432bが多角形状で板状部433aが円形状であってもよいし、孔432bが多角形状で板状部433aが曲線を有する平面図形であってもよいし、孔432bが曲線を有する平面図形で板状部433aが円形状であってもよい。
【0077】
また、例えば、中心軸axに沿って見たときに、孔432b及び板状部433aがそれぞれ多角形状である場合には、孔432bと板状部433aとの多角形状の種類が異なっていればよい。例えば、中心軸axに沿って見たときに、孔432bが六角形状であり、板状部433aが三角形状であればよい。
【0078】
<第3の実施の形態>
第1の実施の形態では、フィルタエレメント40が第1フィルタ41と第2フィルタ42を有したが、フィルタエレメントの構成はこれに限られない。第3の実施の形態は、第2の実施の形態と同様、第2フィルタの形状に特徴がある形態である。以下、第3の実施の形態に係るフィルタ装置について説明する。なお、第1の実施の形態、第2の実施の形態及びこれらの変形例と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0079】
第3の実施の形態に係るフィルタ装置は、主として、フィルタケース10及びヘッド20を有するハウジング30と、第1フィルタ41及び第2フィルタ44を有するフィルタエレメントとを有する。
【0080】
図7、8は、第2フィルタ44の概略を示す斜視図である。第2フィルタ44は、撥水性又は疎水性を有し、主として、濾過部441(本発明の濾過部に相当)と、上端部442(本発明の第1端部に相当)と、下端部443(本発明の第2端部に相当)と、リブ444とを有する。
【0081】
濾過部441は、網目状の薄板で形成されている。上端部442、下端部443及びリブ444は、例えば樹脂により形成されている。リブ444は、上端部442と下端部443とを連結する。濾過部441は、上端部442、下端部443及びリブ444により囲まれた領域に設けられている。なお、リブ444は必須ではなく、リブ444を有しない場合には、濾過部441は、上端部442及び下端部443に囲まれた領域に設けられていればよい。
【0082】
上端部442は、筒状(本実施の形態では、円筒状)であり、第2フィルタ44の一方(ここでは、上側(+z側))の端に設けられている。上端部442は、プレート48(
図1参照)に設けられている。上端部442とプレート48との間を燃料が通過できないように、上端部442はプレート48に固定されている。
【0083】
下端部443は、第2フィルタ44の上側の端とは反対側(ここでは、下側(-z側))の端に設けられている。下端部443は、主として、板状部443a(本発明の第2板状部に相当)と、板状部443aに設けられた溝(図示省略)とを有する。なお、下端部443は、板状部443aの周縁に沿って設けられたリブを有していてもよい。
【0084】
板状部443aは、第2フィルタ44の下側の端面を覆う。中心軸axに沿って見たときに、板状部433aは曲線を有する平面図形である。本実施の形態では、板状部433aは、菱形の各辺が内側に湾曲する曲線となった図形である。したがって、中心軸axに沿って見たときに、上端部442の中空部の形状と板状部443aの形状とは異なる。
【0085】
リブ444は、一端が板状部443aの各頂点に設けられている。したがって、リブ444は、4本のリブ444a、444b、444c、444dを有する。板状部443aに設けられた溝は板状部433aの4本の辺に沿っており、溝には濾過部441が設けられている。
【0086】
燃料が第1フィルタ41を通過することで、燃料に含まれる水分が凝集されてより大きな径の水滴になる。また、燃料に含まれる水分は、第2フィルタ44の表面に留まり、第2フィルタ44を通過しない。第2フィルタ44の表面に留まった水滴は、燃料の第2フィルタ44の通過量が増加するとともに成長して大きな径となった段階で、下方に落下する。これにより、燃料に含まれる水分を分離させて除去することができる。
【0087】
第2フィルタ44が単なる筒状ではなく複雑な形状であるため、単なる筒状のフィルタしか有しない従来の形態(例えば、
図10参照)より濾過面積を増やすことができる。
【0088】
例えば、高さH1、H2、H3、直径d1及び幅d6、d7(
図7、8参照)が表3に示す値である場合には、第2フィルタ44の濾過面積は155cm
2となり、従来のフィルタ142(
図10参照)に比べて濾過面積が広くなる。
【表3】
【0089】
板状部443aの幅d7が狭いため、リブ444のうちの対向する2本のリブ444a、444bは、中心軸axに対する傾斜角が大きい。したがって、リブ444a、444bや濾過部441のリブ444a、444bの近傍領域に当接した水滴は、下方に落下しやすい。したがって、油水分離性能が高くなる。
【0090】
本実施の形態によれば、中心軸axに沿って見たときに、上端部442の中空部の形状と板状部443aの形状とを異ならせて複雑な形状の第2フィルタ44とすることで、第2フィルタ42の濾過面積を増やすことができる。
【0091】
なお、本実施の形態では、中心軸axに沿って見たときに板状部443aが菱形の各辺が内側に湾曲する曲線となった図形であったが、孔432bの形状はこれに限られない。例えば、中心軸axに沿って見たときの孔432bの形状は、菱形の各辺が外側に湾曲する曲線となった図形でもよい。また、中心軸axに沿って見たときの孔432bの形状は、菱形、矩形等の多角形状でもよい。
【0092】
<第4の実施の形態>
第1の実施の形態では、フィルタエレメント40が第1フィルタ41と第2フィルタ42を有したが、フィルタエレメントの構成はこれに限られない。第4の実施の形態は、第2、3の実施の形態と同様、第2フィルタの形状に特徴がある形態である。以下、第4の実施の形態に係るフィルタ装置について説明する。なお、第1の実施の形態~第3の実施の形態及びこれらの変形例と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0093】
第3の実施の形態に係るフィルタ装置は、主として、フィルタケース10及びヘッド20を有するハウジング30と、第1フィルタ41及び第2フィルタ45を有するフィルタエレメントとを有する。
【0094】
図9は、第2フィルタ45の概略を示す斜視図である。第2フィルタ45は、撥水性又は疎水性を有し、主として、濾過部451(本発明の濾過部に相当)と、上端部452(本発明の第1端部に相当)と、下端部453(本発明の第2端部に相当)と、リブ454とを有する。リブ454は、上端部452と下端部453とを連結する。
【0095】
上端部452、下端部453及びリブ454は、例えば樹脂により形成されている。濾過部451は、網目状の薄板で形成されており、上端部452、下端部453及びリブ454により囲まれた領域に設けられている。なお、リブ454は必須ではなく、リブ454を有しない場合には、濾過部451は、上端部452及び下端部453に囲まれた領域に設けられていればよい。
【0096】
上端部452は、第2フィルタ45の一方(ここでは、上側(+z側))の端に設けられている。上端部452は、プレート48(
図1参照)に設けられている。上端部452とプレート48との間を燃料が通過できないように、上端部452はプレート48に固定されている。
【0097】
上端部452は、軸axと直交する面に沿って設けられた板状部452a(本発明の第1板状部に相当)と、筒状(本実施の形態では、円筒状)の筒状部452cを有する。板状部452aには孔452bが形成されている。孔452bは上端部432の中空部である。中心軸axに沿って見たときに、孔452bの形状は多角形であり、本実施の形態では矩形形状である。リブ454の上端は、孔452bの頂点に設けられており、濾過部451は孔452bの辺に沿って設けられている。
【0098】
下端部453は、第2フィルタ45の上側の端とは反対側(ここでは、下側(-z側))の端に設けられている。下端部453は、主として、板状部453a(本発明の第2板状部に相当)と、板状部453aに設けられた溝(図示省略)とを有する。
【0099】
板状部453aは、第2フィルタ45の下側の端面を覆う。中心軸axに沿って見たときに、板状部453aは棒状である。したがって、中心軸axに沿って見たときに、上端部452の中空部(孔452b)の形状と板状部453aの形状とは異なる。
【0100】
4本のリブ454のうちの2本は、下端が板状部453aの両端に設けられており、残りの2本は、板状部453aの中央近傍に対向して設けられている。板状部443aに設けられた溝は線状であり、溝には濾過部451が設けられている。
【0101】
燃料が第1フィルタ41を通過することで、燃料に含まれる水分が凝集されてより大きな径の水滴になる。また、燃料に含まれる水分は、第2フィルタ45の表面に留まり、第2フィルタ45を通過しない。第2フィルタ45の表面に留まった水滴は、燃料の第2フィルタ45の通過量が増加するとともに成長して大きな径となった段階で、下方に落下する。これにより、燃料に含まれる水分を分離させて除去することができる。
【0102】
板状部443aは棒状であるため、リブ454のうちの対向する2本のリブは、中心軸axに対する傾斜角が大きい。したがって、中心軸axに対する傾斜角が大きい領域に当接した水滴は、下方に落下しやすい。したがって、油水分離性能が高くなる。
【0103】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成の追加、削除、置換等をすることが可能である。
【0104】
また、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、「円筒形状」とは、厳密に円筒形状の場合には限られず、例えば円筒形状と同一視できる場合を含む概念である。また、例えば、単に直交、平行、一致等と表現する場合において、厳密に直交、平行、一致等の場合のみでなく、略平行、略直交、略一致等の場合を含むものとする。
【0105】
また、「近傍」とは、基準となる位置の近くのある範囲(任意に定めることができる)の領域を含むことを意味する。例えば、端近傍という場合に、端の近くのある範囲の領域であって、端を含んでもいても含んでいなくてもよいことを示す概念である。
【符号の説明】
【0106】
1 :フィルタ装置
10 :フィルタケース
11 :第1ケース
11a :底面
12 :開口端
13 :第2ケース
13a :ねじ部
14 :板状部
16 :ドレンプラグ
20 :ヘッド
21、22:筒状部
22a :ねじ部
23 :流出部
30 :ハウジング
40 :フィルタエレメント
41 :第1フィルタ
41a :第1濾過部
42、43、44、45:第2フィルタ
48、49:プレート
48a、48b:筒状部
51 :フロート
52、53、54:弾性部材
142 :フィルタ
410 :外フィルタ
420 :内フィルタ
411、421、431、441、451:濾過部
412、422、432、442、452:上端部
413、433、443、453:下端部
413a、443a、452a、453a:板状部
413b、413c、432c452c:筒状部
413d、432b、452b:孔
414、424、434、444、444a~444d、454:リブ
432a、433a:板状部
433b :溝
433c :棒状部