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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106278
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】プリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/38 20060101AFI20240731BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
H05K3/38 A
H05K3/46 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010540
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 純
(72)【発明者】
【氏名】吉川 恭平
(72)【発明者】
【氏名】伊西 拓弥
【テーマコード(参考)】
5E316
5E343
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316CC09
5E316CC16
5E316CC32
5E316DD17
5E316DD24
5E316DD32
5E316DD33
5E316FF07
5E316FF12
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG17
5E316HH01
5E343AA12
5E343AA22
5E343AA37
5E343BB24
5E343CC62
5E343DD25
5E343DD43
5E343ER16
5E343ER18
5E343GG13
(57)【要約】
【課題】高速伝送に適するプリント配線板の提供。
【解決手段】プリント配線板は、第1樹脂絶縁層と、前記第1樹脂絶縁層上に形成されていて、パッドを有する第1導体層と、第1面と前記第1面と反対側の第2面を有し、前記第2面が前記第1導体層と対向するように、前記第1樹脂絶縁層と前記第1導体層上に形成されている第2樹脂絶縁層と、前記第2樹脂絶縁層の前記第1面の直上に形成されている窒化ケイ素膜と、記窒化ケイ素膜の直上に形成されている第2導体層、とを有する。前記第1面は実質的に平坦である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1樹脂絶縁層と、
前記第1樹脂絶縁層上に形成されていて、パッドを有する第1導体層と、
第1面と前記第1面と反対側の第2面を有し、前記第2面が前記第1導体層と対向するように、前記第1樹脂絶縁層と前記第1導体層上に形成されている第2樹脂絶縁層と、
前記第2樹脂絶縁層の前記第1面の直上に形成されている窒化ケイ素膜と、
前記窒化ケイ素膜の直上に形成されている第2導体層、
とを有するプリント配線板であって、
前記第1面は実質的に平坦である。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板であって、前記第1面は粗化されていない。
【請求項3】
請求項1のプリント配線板であって、さらに、前記窒化ケイ素膜と前記第2樹脂絶縁層を同時に貫通し前記パッドに至るビア導体用の開口と前記開口内に形成され前記パッドとランドを接続する前記ビア導体を有する。
【請求項4】
請求項3のプリント配線板であって、前記第2導体層は、前記窒化ケイ素膜上のシード層と、前記シード層上の電解めっき膜、とを有する。
【請求項5】
請求項4のプリント配線板であって、前記ビア導体は前記第2導体層を形成する前記シード層と前記電解めっき膜で形成され、前記ビア導体を形成する前記シード層は前記パッドと直接繋がっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、プリント配線板を開示している。特許文献1の図1に示されるように、特許文献1は、アンカーを有する接着剤層を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-188935号公報
【発明の概要】
【0004】
<特許文献1の課題>
特許文献1の技術は、接着剤層にアンカーを形成し、そのアンカーに導体層を形成するめっきを充填している。そのため、導体層はアンカーに起因する凹凸を有するので、伝搬損失が発生すると考えられる。特許文献1の技術で形成されるプリント配線板は高速な信号を伝送するためのプリント配線板に適していないと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板は、第1樹脂絶縁層と、前記第1樹脂絶縁層上に形成されていて、パッドを有する第1導体層と、第1面と前記第1面と反対側の第2面を有し、前記第2面が前記第1導体層と対向するように、前記第1樹脂絶縁層と前記第1導体層上に形成されている第2樹脂絶縁層と、前記第2樹脂絶縁層の前記第1面の直上に形成されている窒化ケイ素膜と、前記窒化ケイ素膜の直上に形成されている第2導体層、とを有する。前記第1面は実質的に平坦である。
【0006】
本発明の実施形態では、第2樹脂絶縁層の第1面は平坦である。平坦な第1面の直上に窒化ケイ素膜が形成されている。第2導体層は、窒化ケイ素膜の直上に形成されている。そのため、第2導体層と第2樹脂絶縁層との結合強度は高い。平坦な第1面に第2導体層が形成されるため、伝搬損失が小さい。実施形態のプリント配線板は、高速な信号を伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のプリント配線板を模式的に示す断面図。
図2A】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2B】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2C】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2D】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2E】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2F】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2G】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2H】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態のプリント配線板>
図1は実施形態のプリント配線板2を示す断面図である。図1に示されるように、プリント配線板2は、絶縁層(第1樹脂絶縁層)4と第1導体層10と樹脂絶縁層20(第2樹脂絶縁層)と窒化ケイ素膜50と第2導体層30とビア導体40とを有する。
【0009】
絶縁層4は熱硬化性樹脂を用いて形成される。絶縁層4はシリカ等の無機粒子を含む。あるいは、絶縁層4は、ガラスクロス等の補強材を含む。絶縁層4は、第3面6と、第3面6と反対側の第4面8を有する。
【0010】
第1導体層10は絶縁層4の第3面6上に形成されている。第1導体層10は信号配線12とパッド14を含む。図に示されていないが、第1導体層10は信号配線12とパッド14以外の導体回路も含んでいる。第1導体層10は銅によって形成される。第1導体層10は、シード層10aとシード層10a上の電解めっき膜10bで形成されている。
【0011】
樹脂絶縁層20は絶縁層4の第3面6と第1導体層10上に形成されている。樹脂絶縁層20は第1面22と、第1面22と反対側の第2面24を有する。第2面24は第1導体層10と対向する。樹脂絶縁層20はパッド14に至る開口(ビア導体用の開口)26を有する。樹脂絶縁層20はエポキシ系樹脂と、エポキシ系樹脂の中に分散している複数の無機粒子とで形成されている。樹脂の例は熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂である。無機粒子は、例えば、シリカやアルミナである。
【0012】
樹脂絶縁層20の第1面22には凹凸が形成されていない。第1面22は粗化されていない。第1面22は実質的に平坦である。開口26の内壁面は凹凸を有する。
【0013】
窒化ケイ素膜50は第1面22の直上に形成されている。開口26は、窒化ケイ素膜50と樹脂絶縁層20を同時に貫通する。
【0014】
第2導体層30は窒化ケイ素膜50の直上に形成されている。第2導体層30は第1信号配線32と第2信号配線34とランド36とを含む。図に示されていないが、第2導体層30は第1信号配線32と第2信号配線34とランド36以外の導体回路も含んでいる。第1信号配線32と第2信号配線34はペア配線を形成している。第2導体層30は銅によって形成される。第2導体層30は、窒化ケイ素膜50上のシード層30aとシード層30a上の電解めっき膜30bで形成されている。シード層30aは窒化ケイ素膜50と接している。
【0015】
ビア導体40は開口26内に形成されている。ビア導体40は第1導体層10と第2導体層30を接続する。図1ではビア導体40はパッド14とランド36を接続する。ビア導体40は第2導体層30を形成するシード層30aとシード層30a上の電解めっき膜30bで形成されている。ビア導体40を形成するシード層30aは、パッド14と直接繋がっている。
【0016】
<実施形態のプリント配線板の製造方法>
図2A図2Hは実施形態のプリント配線板2の製造方法を示す。図2A図2Hは断面図である。図2Aは絶縁層4と絶縁層4の第3面6上に形成されている第1導体層10を示す。第1導体層10はセミアディティブ法によって形成される。
【0017】
図2Bに示されるように、絶縁層4と第1導体層10上に樹脂絶縁層20が形成される。樹脂絶縁層20の第2面24が絶縁層4の第3面6と対向している。
【0018】
図2Cに示されるように、樹脂絶縁層20の第1面22の直上に窒化ケイ素膜50が形成される。 窒化ケイ素膜50は、スパッタ法により形成される。又は、窒化ケイ素膜50は、真空蒸着法により形成される。又は、窒化ケイ素膜50は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される。
【0019】
図2Dに示されるように、窒化ケイ素膜50の上からレーザ光Lが照射される。レーザ光Lは窒化ケイ素膜50と樹脂絶縁層20を貫通する。第1導体層10のパッド14に至るビア導体用の開口26が形成される。レーザ光Lは例えばUVレーザ光、二酸化炭素レーザ光、YAGレーザ光である。開口26によりパッド14が露出される。
【0020】
図2Eに示されるように、窒化ケイ素膜50上にシード層30aが形成される。シード層30aは、開口26から露出する露出面上に形成される。露出面はパッド14の上面と開口26の内壁面である。シード層30aはスパッタによって形成される。シード層30aの形成はドライプロセスで行われる。シード層30aは銅で形成される。実施形態では、樹脂絶縁層20の第1面22は平坦である。平坦な第1面22の直上に窒化ケイ素膜50が形成されている。第2導体層30のシード層30aは、窒化ケイ素膜50の直上に形成されている。そのため、第2導体層30と樹脂絶縁層20との結合強度は高い。平坦な第1面22に第2導体層30が形成されるため、伝搬損失が小さい。実施形態のプリント配線板2は、高速な信号を伝送することができる。
【0021】
図2Fに示されるように、シード層30a上にめっきレジスト60A,60B,60C,60Dが写真技術により形成される。めっきレジスト60A~60Dは、第1信号配線32と第2信号配線34とランド36(図1参照)を形成するための開口60aを有する。
【0022】
図2Gに示されるように、めっきレジスト60A~60Dから露出するシード層30aの上に電解めっき膜30bが形成される。
【0023】
図2Hに示されるように、めっきレジスト60A~60Dが除去される。電解めっき膜30bから露出するシード層30aが除去される。第1信号配線32と第2信号配線34とランド36が形成される。開口26内にビア導体40が形成される。第2導体層30とビア導体40は同時に形成される。実施形態のプリント配線板2(図1参照)が得られる。
【符号の説明】
【0024】
2 :プリント配線板
4 :絶縁層
6 :第3面
8 :第4面
10 :第1導体層
10a :シード層
10b :電解めっき膜
12 :信号配線
14 :パッド
20 :樹脂絶縁層
22 :第1面
24 :第2面
26 :開口
30 :第2導体層
30a :シード層
30b :電解めっき膜
32 :第1信号配線
34 :第2信号配線
36 :ランド
40 :ビア導体
50 :窒化ケイ素膜
60A :めっきレジスト
60a :開口
60B :めっきレジスト
60C :めっきレジスト
60D :めっきレジスト
E :プラズマ
L :レーザ光
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H