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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106290
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】外用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20240731BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20240731BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 8/894 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
A61K8/73
A61Q17/04
A61K8/39
A61K8/86
A61Q19/00
A61K8/894
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010569
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】磯村 愛未
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB172
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC332
4C083AC342
4C083AC372
4C083AC401
4C083AC402
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC542
4C083AC852
4C083AD092
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD331
4C083AD332
4C083BB46
4C083CC02
4C083CC19
4C083EE06
4C083EE17
(57)【要約】
【課題】熱感の抑制、乾燥感の抑制に優れ、良好な塗布性を有する外用組成物を提供する。
【解決手段】(A)紫外線防御剤、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を含有する外用組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)紫外線防御剤、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を含有する外用組成物。
【請求項2】
(D)ヒアルロン酸誘導体が、アセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、加水分解ヒアルロン酸アルキル(炭素数12~13のアルキル基)グリセリル、架橋型ヒアルロン酸、カルボキシメチルヒアルロン酸、ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヒアルロン酸ジメチルシラノール、及びそれらの塩からなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載の外用組成物。
【請求項3】
(D)ヒアルロン酸誘導体1質量部に対して、(A)紫外線防御剤を1~30000質量部含有する、請求項1又は2に記載の外用組成物。
【請求項4】
前記(B)成分及び前記(C)成分の含有量の総量1質量部に対して、前記(D)成分を0.0001~5000質量部含有する、請求項1又は2に記載の外用組成物。
【請求項5】
ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される1種以上の(E)非イオン性界面活性剤を含有し、その含有量が2質量%以下である、請求項1に記載の外用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活の様々な場面において紫外線などの人体に有害な光線から人体を保護するために、外用組成物に紫外線防御剤を配合することが試みられてきた。紫外線による人体への悪影響を防御する効果や使用感等に優れた外用組成物の実現には多くの困難があった。人体表面に塗布した外用組成物は、汗や衣服の擦れ等で人体表面から失われやすく、1日を通して紫外線を防御するために使用できる外用組成物が望まれている。
【0003】
高級アルコールと界面活性剤の総量及び配合比率を特定範囲内にし、紫外線防御効果と良好な使用感を達成できる試みがなされているが(特許文献1)、高級アルコールが多いと塗布の延びやべたつきが生じて不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-189281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、熱感の抑制、乾燥感の抑制に優れ、良好な塗布性を有する外用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、(A)紫外線防御剤、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を含有する外用組成物は、熱感を抑制し、乾燥感を抑制し、良好な塗布性を発揮できることを見出した。
【0007】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、下記の外用組成物を提供する。
【0008】
すなわち、本発明は、
[1](A)紫外線防御剤、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を含有する外用組成物;
[2](A)紫外線防御剤が、紫外線吸収剤及び紫外線散乱剤からなる群から選択される1種以上である、[1]に記載の外用組成物;
[3](B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩の含有量が、外用組成物の総量を基準として、0.0001~0.8質量%である、[1]又は[2]に記載の外用組成物;
[4](C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩の含有量が、外用組成物の総量を基準として、0.001~1質量%である、[1]~[3]に記載の外用組成物;
[5](D)ヒアルロン酸誘導体の含有量が、外用組成物の総量を基準として、0.00001~0.3質量%である、[1]~[4]に記載の外用組成物;
[6](D)ヒアルロン酸誘導体1質量部に対して、(A)紫外線防御剤を1~30000質量部含有する、[1]~[5]に記載の外用組成物;
[7](D)ヒアルロン酸誘導体が、アセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、加水分解ヒアルロン酸アルキル(炭素数12~13のアルキル基)グリセリル、架橋型ヒアルロン酸、カルボキシメチルヒアルロン酸、ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヒアルロン酸ジメチルシラノール、及びそれらの塩からなる群から選択される1種以上である、[1]~[6]に記載の外用組成物;
[8](B)成分及び(C)成分の含有量の総量1質量部に対して、(D)成分を0.0001~5000質量部含有する、[1]~[7]に記載の外用組成物;
[9](E)非イオン性界面活性剤を含有する、[1]~[8]に記載の外用組成物;
[10](E)非イオン性界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される1種以上である、[9]に記載の外用組成物;
[11](E)非イオン性界面活性剤の含有量が、2質量%以下である、[9]~[10]に記載の外用組成物;
[12]水中油型である、[1]~[11]に記載の外用組成物;
[13][1]~[12]に記載の外用組成物からなる、熱感抑制剤。;
[14][1]~[12]に記載の外用組成物からなる、乾燥感抑制剤。;
[15][1]~[12]に記載の外用組成物からなる、塗布性向上剤。;
[16](A)紫外線防御剤を含有する外用組成物に、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を配合する、前記外用組成物の塗布性向上方法。;
等を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の外用組成物は、(A)紫外線防御剤、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を含有するため、熱感を抑制し、乾燥感を抑制し、塗布性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書において、「塩」とは、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。具体的には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、典型金属塩等の無機塩基との塩、有機塩基との塩等の塩基性塩がある。「塩」には、塩の溶媒和物及び水和物が含まれる。
【0011】
〔1.外用組成物〕
本実施形態に係る外用組成物は、(A)紫外線防御剤(単に「(A)成分」とも表記する。)と、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩(単に「(B)成分」とも表記する。)と、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩(単に「(C)成分」とも表記する。)と、(D)ヒアルロン酸誘導体(単に「(D)成分」とも表記する。)を含有する外用組成物である。
【0012】
<(A)成分>
紫外線防御剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(A)成分としては、油溶性紫外線吸収剤、水溶性紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、等の紫外線防御能を備える成分が挙げられる。具体的には、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジメチコジエチルベンザルマロネート、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、パラアミノ安息香酸、2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、サリチル 酸ホモメンチル、サリチル酸エチルヘキシル 、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン及びジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンからなる群より選択される1種以上の油溶性紫外線吸収剤;フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸塩、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、4-(2-β-グルコピラノシロキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン及びフェニレン-1,4-ビス(2-ベンズイミダジル)-3,3’-5,5’-テトラスルホン酸ビス-ナトリウム塩からなる群より選択される1種以上の水溶性紫外線吸収剤;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム及び酸化ジルコニウムからなる群より選択される1種以上の金属酸化物;などが例示される。油溶性紫外線吸収剤は25℃の水への溶解性が0.01質量%未満であり、水溶性紫外線吸収剤は25℃の水への溶解性が0.01質量%以上である。金属酸化物は球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、公知の表面処理方法で表面処理していてもよい。(A)成分は市販されているものを用いることができる。
【0013】
本実施形態に係る外用組成物における(A)成分の含有量は特に限定されず、(A)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、外用組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物の総量を基準として、(A)成分の総含有量が、1~50質量%であってもよく、1~45質量%であることが好ましく、1~40質量%であることがより好ましく、1~35質量%であることが更に好ましく、2~35質量%であることが更により好ましく、2~33質量%であることが特に好ましく、3~30質量%であることが最も好ましい。
【0014】
<(B)成分>
重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分は、鶏冠、サメの皮、臍帯、眼球、皮膚、軟骨などの動物組織や、ストレプトコッカス属微生物などのヒアルロン酸生産微生物、動物細胞、植物細胞の培養物から抽出、回収、精製して得ることができる。ヒアルロン酸を分解処理したり、分画・精製することで、重量平均分子量1万未満のヒアルロン酸又はその塩を得ることもできる。分解処理は、例えば、酸又はアルカリ存在下での加水分解、ヒアルロニダーゼなどの酵素処理、超音波や剪断のような物理的切断、微生物による発酵などにより行うことができる。分画・精製はろ過法などの公知の方法で行うことができる。また、市販品を購入することもでき、ヒアロオリゴ(商品名)(キユーピー株式会社;重量平均分子量1万未満)、ヒアルロン酸(SL)(商品名)(株式会社FAPジャパン;重量平均分子量1万未満)、マイクロヒアルロン酸FCH(商品名)(キッコーマンバイオケミファ株式会社;重量平均分子量5000以下)、HAbooster(商品名)(キユーピー株式会社;重量平均分子量2000)などを挙げることができる。ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を用いる場合、2~16糖程度が好ましく、飽和型又は不飽和型のいずれを用いてもよい。
【0015】
(B)成分の重量平均分子量は2万未満であるが、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、19000以下であることが好ましく、15000以下であることがより好ましく、12000以下であることが更に好ましく、9000以下であることが特に好ましい。また、10以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましく、300以上であることが更に好ましく、400以上であることが特に好ましい。
【0016】
本実施形態に係る外用組成物における(B)成分の含有量は特に限定されず、(B)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、外用組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(B)成分の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物の総量を基準として、0.0001質量%以上が好ましく、0.0005質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上がさらに好ましく、0.005質量%以上がさらにより好ましい。また、(B)成分の含有量は、外用組成物の総量を基準として、0.8質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下がさらにより好ましい。
【0017】
<(C)成分>
重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分は、鶏冠、サメの皮、臍帯、眼球、皮膚、軟骨などの動物組織や、ストレプトコッカス属微生物などのヒアルロン酸生産微生物、動物細胞、植物細胞の培養物から抽出、回収、精製して得ることができる。ヒアルロン酸を分解処理したり、分画・精製することで、重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩を得ることもできる。分解処理は、例えば、酸又はアルカリ存在下での加水分解、ヒアルロニダーゼなどの酵素処理、超音波や剪断のような物理的切断、微生物による発酵などにより行うことができる。分画・精製はろ過法などの公知の方法で行うことができる。また、市販品を購入することもでき、ヒアルロン酸ナトリウムHA12N(商品名)(資生堂株式会社;重量平均分子量110~160万)、ヒアルロン酸FCH-150(商品名)(キッコーマンバイオケミファ株式会社;重量平均分子量140~180万)、バイオヒアルロン酸ナトリウムSZE(商品名)(資生堂株式会社;重量平均分子量110~160万)、ヒアルロン酸FCH-120(商品名)(キッコーマンバイオケミファ株式会社;重量平均分子量100~140万)、ヒアルロンサンHA-LQ(商品名)(キユーピー株式会社;重量平均分子量85~160万)、ヒアルロン酸FCH-80(商品名)(キッコーマンバイオケミファ株式会社;重量平均分子量60~100万)、ヒアルロン酸FCH-60(商品名)(キッコーマンバイオケミファ株式会社;重量平均分子量50~70万)、ヒアルロン酸FCH-SU(商品名)(キッコーマンバイオケミファ株式会社;重量平均分子量5~11万)などを挙げることができる。
【0018】
(C)成分の重量平均分子量は2万以上であるが、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、5万以上であることが好ましく、10万以上であることがより好ましく、30万以上であることが更に好ましく、50万以上であることが特に好ましい。また、700万以下であることが好ましく、600万以下であることがより好ましく、400万以下であることが更に好ましく、300万以下であることが更により好ましく、200万以下であることが特に好ましい。
【0019】
本実施形態に係る外用組成物における(C)成分の含有量は特に限定されず、(C)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、外用組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(C)成分の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物の総量を基準として、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましく、0.02質量%以上がさらにより好ましい。また、(C)成分の含有量は、外用組成物の総量を基準として、1.0質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下がさらに好ましく、0.3質量%以下がさらにより好ましい。
【0020】
<(D)成分>
ヒアルロン酸誘導体は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(D)成分の中でも本発明による効果をより一層顕著に奏する観点から、アセチル化ヒアルロン酸、硫酸化ヒアルロン酸、疎水化された加水分解ヒアルロン酸(加水分解ヒアルロン酸アルキル、加水分解ヒアルロン酸グリセリルなど)、架橋型ヒアルロン酸、カルボキシメチルヒアルロン酸、ヒアルロン酸アルキレングリコール、ヒアルロン酸シラノール、カチオン化ヒアルロン酸、及びそれらの塩などを挙げることができる。好ましくは、アセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、加水分解ヒアルロン酸アルキル(炭素数12~13のアルキル基)グリセリル、架橋型ヒアルロン酸、カルボキシメチルヒアルロン酸、ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヒアルロン酸ジメチルシラノール、及びそれらの塩が好ましく、中でもアセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、架橋型ヒアルロン酸、ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヒアルロン酸ジメチルシラノール、及びこれらの塩を挙げることができる。更に好ましくは、アセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、及びそれら塩が挙げられる。
また、市販品を購入することもでき、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム(商品名)(資生堂株式会社;重量平均分子量1~10万)、ヒアロベール(商品名)(キユーピー株式会社;重量平均分子量50~80万)、ヒアロリペア(商品名)(キユーピー株式会社;重量平均分子量1万以下)、ヒアロキャッチ(商品名)(キユーピー株式会社;重量平均分子量80万~120万)、ヒアルジョン(商品名)(キッコーマンバイオケミファ株式会社;ヒアルロン酸プロピレングリコール)、ヒアルケージシステム(商品名)(I.R.Asrl;架橋3次元ヒアルロン酸;重量平均分子量700万)、D.S.H.CN6(商品名)(EXSYMOL S.A.M;ヒアルロン酸ジメチルシラノール)、D.S.H.CN(商品名)(EXSYMOL S.A.M;ヒアルロン酸ジメチルシラノール)などを挙げることができる。
【0021】
本実施形態に係る外用組成物における(D)成分の含有量は特に限定されず、(D)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、外用組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(D)成分の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物の総量を基準として、0.00001質量%以上が好ましく、0.00004質量%以上がより好ましく、0.00008質量%以上がさらに好ましく、0.0001質量%以上がさらにより好ましい。また、ヒアルロン酸誘導体の含有量は、皮膚外用剤の全量に対して、0.3質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、0.025質量%以下がさらにより好ましい。
【0022】
本実施形態において、重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定される値である。
その条件は、下記の通りである。
カラム:TSKgel GMPWXL 7.8mm×30cm(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃付近の一定温度
検出器:示差屈折率計
移動相:0.2mol/L NaCl
流量:0.3mL/分
注入量:100μL
標準物質:プルラン標準品(STANDARD P-82、昭和電工株式会社製)
【0023】
<(E)成分>
本実施形態に係る外用組成物は、更に(E)非イオン性界面活性剤(単に「(E)成分」とも表記する。)を含有してもよい。外用組成物が(E)成分を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。(E)成分は、外用組成物に一般的に用いられるものであれば、特に制限されない。
【0024】
(E)成分としては、モノステアリン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリルのようなポリグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ステアリン酸ポリエチレングリコール、イソステアリン酸ポリエチレングリコールのようなポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ショ糖脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンフィトステロール;ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性ポリエーテル変性シリコーン、アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーンのような分子構造中にオルガノシロキサン構造を有する界面活性剤などが例示される。分子構造中にオルガノシロキサン構造を有する界面活性剤としては、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリシリコーン-13(ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体)、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなどが例示される。
【0025】
本実施形態に係る外用組成物における(E)成分の含有量は特に限定されず、(E)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、外用組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(E)成分の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物の総量を基準として、(E)成分の総含有量が、2質量%以下であることが好ましく、1.8質量%以下であることがより好ましく、1.5質量%以下であることが更に好ましく、1.2質量%以下であることが更により好ましく、1.0質量%であることが特に好ましい。外用組成物の総量を基準として、(E)成分の総含有量が、0~2質量%であることが好ましく、0.01~1.8質量%であることがより好ましく、0.05~1.5質量%であることが更に好ましく、0.08~1.2質量%であることが更により好ましく、0.1~1.0質量%であることが特に好ましい。
【0026】
本実施形態に係る外用組成物における、(D)ヒアルロン酸誘導体1質量部に対して、(A)紫外線防御剤の含有比率は特に限定されないが、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、本実施形態に係る外用組成物に含まれる(D)成分の総含有量1質量部に対して、(A)成分の総含有量が、1~30000質量部であることが好ましく、5~20000質量部であることがより好ましく、10~10000質量部であることが更に好ましく、10~5000質量部であることが更により好ましく、10~3000質量部であることが特に好ましい。
【0027】
本実施形態に係る外用組成物における、(B)成分及び(C)成分の総含有量1質量部に対して、(D)ヒアルロン酸誘導体の含有比率は特に限定されないが、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、本実施形態に係る外用組成物に含まれる(B)成分及び(C)成分の総含有量1質量部に対して、(D)成分の総含有量が、0.0001~5000質量部であることが好ましく、0.0005~2500質量部であることがより好ましく、0.001~1000質量部であることが更に好ましく、0.005~100質量部であることが更により好ましく、0.01~10質量部であることが特に好ましい。
【0028】
本実施形態に係る外用組成物は、本発明の効果を妨げない限り、化粧品や医薬部外品や医薬品に使用される公知の成分を含むことができる。上記(A)~(E)成分の他に、例えば、抗酸化剤、機能性ブライトニング成分、保湿剤、抗炎症成分、抗菌剤、ビタミン類、アミノ酸類、生物由来抽出物、種々の薬理活性成分や生理活性成分を組み合わせて適当量含有してもよい。また、添加剤、たとえば、界面活性剤(但し前記(E)を除く)、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、緩衝剤、増粘剤(但し前記(B)、(C)、(D)を除く)、ゲル化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、香料、ミネラルなどから1種を単独で、または2種以上を組み合わせて添加することができる。シリカを含有する場合、多孔質、無孔質、中実型、中空型などがあり、平均粒子径は1~20μmが好ましく、2~7μmがより好ましい。また、基剤または担体を1種単独で、または2種以上を含むことができる。これらは公知のものを適宜選択して使用でき、常法を用いて製造することができる。
【0029】
本実施形態に係る外用組成物は、各成分を常法に従って、たとえば、混合撹拌することにより調製できる。
【0030】
本実施形態に係る外用組成物は、薬剤の形態は特に限定されず、化粧品や医薬部外品や医薬品の形態として公知の形態を採ることができる。このような公知の形態の中でも、たとえば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、リニメント剤、軟膏剤、ローション剤、エアゾール剤、パウダー剤、パップ剤、不織布などのシートに薬液を含浸させたシート剤、リップスティックのようなスティック剤などをあげることができる。なかでも、使用感が良い点で、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤が好ましい。本実施形態に係る外用組成物は、水中油型(O/W)の組成物であっても油中水型(W/O)の組成物であってもよい。本発明による効果をより顕著に奏する観点から、水中油型の組成物が好ましい。
また、乳液、クリーム、ボディローション、ボディークリーム、日焼け止めのような基礎化粧品の形態や、ファンデーション、口紅、ほお紅、アイメイク、おしろい、マニキュア、ペディキュア等のメークアップ化粧料の形態でも用いられ得る。好ましくは日焼け止め用化粧料である。
【0031】
本実施形態に係る外用組成物の適用部位は特に限定されないが、顔、腕、手、足、首、頭皮などのいずれにも適用できる。
【0032】
〔2.外用組成物の熱感の抑制〕
本実施形態に係る(A)紫外線防御剤を含有する外用組成物は、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を共存させることにより、適用部位での熱感が抑制されている。したがって、本発明の一実施形態として、(A)紫外線防御剤を含有する外用組成物に、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を共存させることを含む、該外用組成物の適用部位での熱感を抑制させる方法が提供される。
【0033】
本実施形態に係る(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を含有する外用組成物は、(A)紫外線防御剤を共存させることにより、適用部位での熱感が抑制されている。したがって、本発明の一実施形態として、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を含有する外用組成物に、(A)紫外線防御剤を共存させることを含む、該外用組成物の適用部位での熱感を抑制させる方法が提供される。
【0034】
本実施形態における、(A)成分の種類及び含有量等、(B)成分の含有量等、(C)成分の含有量等、(D)成分の種類及び含有量等、その他の成分の種類及び含有量等、外用組成物の製剤形態及び用途等については、〔1.外用組成物〕で説明したとおりである。
【0035】
〔3.外用組成物の乾燥感の抑制〕
本実施形態に係る(A)紫外線防御剤を含有する外用組成物は、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を共存させることにより、適用部位での乾燥感が抑制されている。したがって、本発明の一実施形態として、(A)紫外線防御剤を含有する外用組成物に、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を共存させることを含む、該外用組成物の適用部位での乾燥感を抑制させる方法が提供される。
【0036】
本実施形態に係る(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を含有する外用組成物は、(A)紫外線防御剤を共存させることにより、適用部位での乾燥感が抑制されている。したがって、本発明の一実施形態として、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を含有する外用組成物に、(A)紫外線防御剤を共存させることを含む、該外用組成物の適用部位での乾燥感を抑制させる方法が提供される。
【0037】
本実施形態における、(A)成分の種類及び含有量等、(B)成分の含有量等、(C)成分の含有量等、(D)成分の種類及び含有量等、その他の成分の種類及び含有量等、外用組成物の製剤形態及び用途等については、〔1.外用組成物〕で説明したとおりである。
【0038】
〔4.外用組成物の塗布性の向上〕
本実施形態に係る(A)紫外線防御剤を含有する外用組成物は、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を共存させることにより、適用部位での塗布性が向上されている。したがって、本発明の一実施形態として、(A)紫外線防御剤を含有する外用組成物に、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を共存させることを含む、該外用組成物の適用部位での塗布性を向上させる方法が提供される。
【0039】
本実施形態に係る(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を含有する外用組成物は、(A)紫外線防御剤を共存させることにより、適用部位での塗布性が向上されている。したがって、本発明の一実施形態として、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を含有する外用組成物に、(A)紫外線防御剤を共存させることを含む、該外用組成物の適用部位での塗布性を向上させる方法が提供される。
【0040】
本実施形態における、(A)成分の種類及び含有量等、(B)成分の含有量等、(C)成分の含有量等、(D)成分の種類及び含有量等、その他の成分の種類及び含有量等、外用組成物の製剤形態及び用途等については、〔1.外用組成物〕で説明したとおりである。
【0041】
外用組成物の塗布性は、塗布後の適用部位が、べたつく感触が抑制され、塗布によるストレスを抑制されることや、みずみずしい感触になり、きしむ感じが抑制されることなどをいう。
【実施例0042】
以下、試験例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、以下の実施例等における配合量は質量%を示す。
【0043】
[試験例1]
下記の表1に示す組成を有する外用組成物を常法に従って調製した。専門パネル5名が、熱感、乾燥感、塗布性を評価基準に従って評価した。それぞれの評価は、5名が同じ日に行った。評価結果を表1及び表2に示す。
【0044】
(熱感の評価)
外用組成物4gを右前腕に塗布し、日光を4時間以上浴びた後の肌の熱感について評価した。衣服に覆われて日光を浴びなかった体の部位(上腕)と比べて、肌表面の体温を高く感じる感覚や、ほてりの様な感覚を熱感として評価した。
「評価基準」
◎:右前腕の塗布部は、熱をおびてほてったような熱感を感じない
〇:右前腕の塗布部は、熱をおびてほてったような熱感を少し感じるが、不快ではない
×:右前腕の塗布部は、熱をおびてほてったような熱感を強く感じる
「評価結果」
A:5名が◎と評価した
B:3~4名が◎と評価した(1名以上が×と評価した場合は、評価Dとする)
C:1~2名が◎と評価した(1名以上が×と評価した場合は、評価Dとする)
D:1名以上が×と評価した
【0045】
(乾燥感の評価)
外用組成物4gを右前腕に塗布し、日光を4時間以上浴びた。その後、塗布部を洗浄して水分を拭き取り、肌の乾燥感について評価した。
「評価基準」
◎:右前腕の塗布部は、乾燥感を感じない
〇:右前腕の塗布部は、乾燥感を少し感じるが、不快ではない
×:右前腕の塗布部は、乾燥感を強く感じる
「評価結果」
A:5名が◎と評価した
B:3~4名が◎と評価した(1名以上が×と評価した場合は、評価Dとする)
C:1~2名が◎と評価した(1名以上が×と評価した場合は、評価Dとする)
D:1名以上が×と評価した
【0046】
(塗布性の評価)
2時間ごとに3回、外用組成物1gを手の甲に塗布した。3回目に塗布した後、塗布部に触れて、塗布性を評価した。塗布時にストレスと感じるべたつく感触や、みずみずしい感触により塗布性を評価した。
「評価基準」
◎:べたつきを感じず、肌のみずみずしさを感じる
〇:べたつきを感じない
×:べたつきを感じる
「評価結果」
A:5名が◎と評価した
B:3~4名が◎と評価した(1名以上が×と評価した場合は、評価Dとする)
C:1~2名が◎と評価した(1名以上が×と評価した場合は、評価Dとする)
D:1名以上が×と評価した
【0047】
(総合評価)
熱感、乾燥感、塗布性の3個の項目の評価を総合して評価した。
「評価基準」
◎:3個の項目で◎の評価をした(1個以上の項目で×と評価した場合は、評価×とする)
〇:2個の項目で◎の評価をした(1個以上の項目で×と評価した場合は、評価×とする)
△:1個の項目で◎の評価をした(1個以上の項目で×と評価した場合は、評価×とする)
×:1~3個の項目で×の評価をした
「評価結果」
A:5名が◎と評価した
B:3~4名が◎と評価した
C:1~2名が◎と評価した
D:1名以上が×と評価した
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
表1及び表2に示すとおり、(A)紫外線防御剤、(B)重量平均分子量2万未満のヒアルロン酸又はその塩、(C)重量平均分子量2万以上のヒアルロン酸又はその塩、(D)ヒアルロン酸誘導体を含有する外用組成物は、熱感を抑制し、乾燥感を抑制し、塗布性を向上した。
【0051】
熱感を◎又は○と評価をしたパネルは、評価の直後に、化粧水を含ませたコットンで塗布部を20回パッティングし、肌表面を触ったところ、熱感の評価結果が良好な外用組成物ほど、肌表面が冷たくなっていると感じた。前腕で外用組成物を塗布しなかった部位では、肌表面が冷たくなる感覚は感じないか、又は弱く感じた。室温の化粧水が肌表層に浸透する量が多いほど冷たさを感じることから、本発明の外用組成物は、角質層への水分の浸透性を向上させると考えられた。本発明の外用組成物は、塗布した後に日光を浴びて数時間経過する間に、(B)成分、(C)成分、(D)成分が肌表面や角質層の水分保持性を維持、向上させていると考えられた。
【0052】
塗布性の評価から、本発明の外用組成物は、繰り返し塗布してもべたつきを感じず、皮膚にみずみずしさを与えて良好な塗布性を発揮した。本発明の外用組成物は、1日数回の塗布を快適に繰り返し行うことができるため、1日を通して紫外線を防御するために使用できる外用組成物として優れている。塗布する回数が増えるたびに、みずみずしさをより強く感じたという専門パネルの意見があった。日常生活では汗や衣服の摩擦などで外用組成物が不均一に除去されるため、繰り返し塗布する回数が増えるほど、塗布部位の表面は不均一になることから、本発明の外用組成物は表面を均一にすることができ、肌への密着力が高いため、みずみずしい感覚を与えることができると考えられた。
【0053】
限定はされないが、(B)成分、(C)成分、(D)成分は皮膚表面と表層に相互作用して不均一な表面を均一で滑らかに整えるとともに、外用組成物の塗布膜内において(A)紫外線防御剤が均一に広がるための土台となる役割を果たしているために、本発明の外用組成物は熱感や乾燥感を抑制でき、塗布性に優れると考えられた。限定はされないが、汗や摩擦で外用組成物の付着が不均一になった部位に塗布を繰り返すことによって不均一さが増加する肌に対して、本発明の外用組成物はより一層効果を発揮すると考えられた。