(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106303
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】鍵盤楽器用学習教材、鍵盤楽器用学習プログラム及び鍵盤楽器用学習方法
(51)【国際特許分類】
G10G 1/02 20060101AFI20240731BHJP
G09B 15/00 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
G10G1/02
G09B15/00 B
G09B15/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023143681
(22)【出願日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】P 2023010289
(32)【優先日】2023-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522442630
【氏名又は名称】藤澤 達矢
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 達矢
【テーマコード(参考)】
5D182
【Fターム(参考)】
5D182AA01
5D182AA13
5D182AB01
5D182AB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ピアノロール部における音符の識別性を向上させた鍵盤楽器用学習教材を提供する。
【解決手段】所定の楽曲の楽曲情報に基づく楽曲表示画面Sを表示する楽譜表示部a1は、縦軸方向が楽曲の時間経過に対応したピアノロール部a1-bと、各鍵盤に対応する固有の色情報を、横軸方向に整列表示する鍵盤識別部a1-hと、を含み、鍵盤識別部は、オクターブ毎に異なる色を割り当てて表示するオクターブ識別部a1-h-1と、オクターブ識別部に対して縦軸方向に隣接配置され、各オクターブに含まれる音高毎に異なる色を割り当てて表示する音高識別部a1-h-2と、を含み、ピアノロール部に対して、上方に隣接配置され、押鍵対象となる鍵盤の押鍵長さを表示する音価情報は、ピアノロール部において、押鍵対象となる鍵盤に対応する音高識別部における色と同一の色が付された、下方に延びる略長方形として表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の楽曲の楽曲情報に基づく楽曲表示画面を表示する表示部を備え、
前記楽曲表示画面は、楽譜表示部を有し、
前記楽譜表示部は、縦軸方向が前記楽曲の時間経過に対応し、横軸方向が鍵盤の並びに対応する白鍵と黒鍵を配置した二次元平面上に、前記楽曲に従って、押鍵対象となる前記鍵盤を示す位置情報、押鍵タイミングを示すタイミング情報及び押鍵長さを表示する音価情報を含む音符を表示するピアノロール部と、前記各鍵盤に対応する固有の色情報を、前記横軸方向に整列表示する鍵盤識別部と、を含み、
前記鍵盤識別部は、オクターブ毎に異なる色を割り当てて表示するオクターブ識別部と、前記オクターブ識別部に対して前記縦軸方向に隣接配置され、前記各オクターブに含まれる音高毎に異なる色を割り当てて表示する音高識別部と、を含み、前記ピアノロール部に対して、上方に隣接配置され、
前記音価情報は、前記ピアノロール部において、押鍵対象となる前記鍵盤に対応する前記音高識別部における色と同一の色が付された、下方に延びる略長方形として表示される、鍵盤楽器用学習教材。
【請求項2】
前記表示部は、前記楽曲表示画面に対するタッチ操作を認識することで、前記ピアノロール部のタッチした位置に対応した音を発音可能に構成される、請求項1に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項3】
所定の鍵盤楽器における鍵盤の上又は各鍵盤の近傍に設けられる色見本を備え、
前記色見本は、前記鍵盤楽器の鍵盤全体として、前記鍵盤識別部と同一の配色となるように、前記各鍵盤に前記固有の色情報を表示する、請求項1に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項4】
前記楽曲表示画面は、前記楽譜表示部を前記色見本の作成を補助する印刷用表示部に切替える切替部を有し、
前記印刷用表示部は、前記色見本を印刷するための印刷用画像と、前記色見本が設けられた前記鍵盤楽器の模式図と、を含む、請求項3に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項5】
前記位置情報及び前記タイミング情報は、所定の図形として表示され、この図形には、前記楽曲情報におけるチャンネル毎に異なる色が付されている、請求項1に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項6】
前記楽曲表示画面は、前記楽譜表示部の表示内容を変化させる操作部を有し、
前記操作部は、演奏部を含み、
前記演奏部は、自動演奏、及び前記ピアノロール部の更新と発音位置の移動動作の開始及び中断を実行する演奏開始ボタン及び演奏中断ボタンを含む、請求項1~5の何れかに記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項7】
前記操作部は、小節指定部を含み、
前記小節指定部は、指定した小節番号の情報、前記楽譜表示部に表示する、請求項6に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項8】
前記操作部は、無音移動部を含み、
前記無音移動部は、無音状態で前記ピアノロール部を更新して発音位置が移動する、請求項6に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項9】
前記操作部は、拡大縮小部を含み、
前記拡大縮小部は、前記ピアノロール部に表示される小節数を可変する、請求項6に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項10】
前記操作部は、移調部を含み、
前記移調部は、前記ピアノロール部に表示される前記音符を、前記ピアノロール部上で所定の音程分スライドさせる、請求項6に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項11】
前記操作部は、表示チャンネル選択部を含み、
前記表示チャンネル選択部は、前記ピアノロール部に表示される前記音符の内、所定のチャンネルに含まれる前記音符のみを表示する、請求項6に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項12】
前記操作部は、表示音域切替部を含み、
前記表示音域切替部は、前記ピアノロール部に表示される前記音符の内、所定の音域に含まれる前記音符のみを表示する、請求項6に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項13】
前記操作部は、音名情報表示部を含み、
前記音名情報表示部は、前記ピアノロール部に表示された前記各音符の近傍に、前記各音符における位置情報を特定するための音名情報を表示する、請求項6に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項14】
前記操作部は、演奏補助情報表示部を含み、
前記演奏補助情報表示部は、前記ピアノロール部に表示された前記各音符の近傍又は前記楽譜表示部の左右に、演奏を補助するための文字情報を表示する、請求項6に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項15】
前記楽曲表示画面は、楽曲情報に含まれる補足情報を表示する、補足情報表示部を有する、請求項6に記載の鍵盤楽器用学習教材。
【請求項16】
鍵盤楽器用学習プログラムであって、
所定の楽曲の楽曲情報に基づく楽曲表示画面を表示する処理を、コンピュータに実行させ、
前記楽曲表示画面は、楽譜表示部を有し、
前記楽譜表示部は、縦軸方向が前記楽曲の時間経過に対応し、横軸方向が鍵盤の並びに対応する白鍵と黒鍵を配置した二次元平面上に、前記楽曲に従って、押鍵対象となる前記鍵盤を示す位置情報、押鍵タイミングを示すタイミング情報及び押鍵長さを表示する音価情報を含む音符を表示するピアノロール部と、前記各鍵盤に対応する固有の色情報を、前記横軸方向に整列表示する鍵盤識別部と、を含み、
前記鍵盤識別部は、オクターブ毎に異なる色を割り当てて表示するオクターブ識別部と、前記オクターブ識別部に対して前記縦軸方向に隣接配置され、前記各オクターブに含まれる音高毎に異なる色を割り当てて表示する音高識別部と、を含み、前記ピアノロール部に対して、上方に隣接配置され、
前記音価情報は、前記ピアノロール部において、押鍵対象となる前記鍵盤に対応する前記音高識別部における色と同一の色が付された、下方に延びる略長方形として表示される、鍵盤楽器用学習プログラム。
【請求項17】
表示部を用いた鍵盤楽器用学習方法であって、
前記表示部は、所定の楽曲の楽曲情報に基づく楽曲表示画面を表示する処理を実行し、
前記楽曲表示画面は、楽譜表示部を有し、
前記楽譜表示部は、縦軸方向が前記楽曲の時間経過に対応し、横軸方向が鍵盤の並びに対応する白鍵と黒鍵を配置した二次元平面上に、前記楽曲に従って、押鍵対象となる前記鍵盤を示す位置情報、押鍵タイミングを示すタイミング情報及び押鍵長さを表示する音価情報を含む音符を表示するピアノロール部と、前記各鍵盤に対応する固有の色情報を、前記横軸方向に整列表示する鍵盤識別部と、を含み、
前記鍵盤識別部は、オクターブ毎に異なる色を割り当てて表示するオクターブ識別部と、前記オクターブ識別部に対して前記縦軸方向に隣接配置され、前記各オクターブに含まれる音高毎に異なる色を割り当てて表示する音高識別部と、を含み、前記ピアノロール部に対して、上方に隣接配置され、
前記音価情報は、前記ピアノロール部において、押鍵対象となる前記鍵盤に対応する前記音高識別部における色と同一の色が付された、下方に延びる略長方形として表示される、鍵盤楽器用学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の楽曲を鍵盤楽器にて演奏するにあたって、その習得を補助するための、鍵盤楽器用学習教材、鍵盤楽器用学習プログラム及び鍵盤楽器用学習方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、鍵盤楽器に限らず、楽器を用いて楽曲を演奏する場合、五線譜を用いて、音符と楽器との対応を把握する作業が必要となる。しかし、五線譜と鍵盤は、形状が異なり識別情報に乏しいため、この作業は容易ではない。
【0003】
この問題点を解決するために、特許文献1には、ピアノロールの譜面と鍵盤との位置関係を把握しながら、実際の楽譜を用いた演奏に近いプロセスで練習を行うことのできる曲データ表示装置に関する発明が記載されている。
【0004】
この曲データ表示装置は、鍵盤楽器と別体に構成されたPCである。
また、この曲データ表示装置は、読み込まれた曲データに基づき、ピアノロール画面を生成して表示部に表示するピアノロール表示処理部と、ピアノロール画面上の各位置の音高に対応させた画像を有するカーソルを表示すると共に、曲データの再生に同期させてカーソルを現在の再生位置と対応する位置に移動させて表示させるカーソル表示処理部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、近年では、タブレット端末やスマートフォンにおいて、所定の楽曲に合わせてスクロールするピアノロール部を表示する、楽曲習得補助のための専用のアプリケーションが、複数リリースされている。
【0007】
しかしながら、これらのアプリケーションは、ピアノロール部上に流れる音符の配色が2、3色程度と限定的であり、音高毎の音符の識別性に乏しい。
このため、流れてくる音符を視覚的に識別することが容易ではない、という問題があった。
【0008】
本発明は上記のような実状に鑑みてなされたものであり、五線譜を用いずに、簡易な構成でもってピアノロール部における音符の識別性を向上させる、鍵盤楽器用学習教材、鍵盤楽器用学習プログラム及び鍵盤楽器用学習方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、所定の楽曲の楽曲情報に基づく楽曲表示画面を表示する表示部を備え、
前記楽曲表示画面は、楽譜表示部を有し、
前記楽譜表示部は、縦軸方向が前記楽曲の時間経過に対応し、横軸方向が鍵盤の並びに対応する白鍵と黒鍵を配置した二次元平面上に、前記楽曲に従って、押鍵対象となる前記鍵盤を示す位置情報、押鍵タイミングを示すタイミング情報及び押鍵長さを表示する音価情報を含む音符を表示するピアノロール部と、前記各鍵盤に対応する固有の色情報を、前記横軸方向に整列表示する鍵盤識別部と、を含み、
前記鍵盤識別部は、オクターブ毎に異なる色を割り当てて表示するオクターブ識別部と、前記オクターブ識別部に対して前記縦軸方向に隣接配置され、前記各オクターブに含まれる音高毎に異なる色を割り当てて表示する音高識別部と、を含み、前記ピアノロール部に対して、その上方に隣接配置され、
前記音価情報は、前記ピアノロール部において、押鍵対象となる前記鍵盤に対応する前記音高識別部における色と同一の色が付された、下方に延びる略長方形として表示される。
【0010】
本発明によれば、使用者は、楽譜表示部に表示される、白鍵及び黒鍵と、音符の音価情報と、鍵盤識別部と、により、ピアノロール部に表示される音符を、各鍵盤に対応した2色の組み合わせでもって、視覚的に識別することができる。
【0011】
また、本発明の好ましい形態では、前記表示部は、前記楽曲表示画面に対するタッチ操作を認識することで、前記ピアノロール部のタッチした位置に対応した音を発音可能に構成される。
これにより、使用者は、ピアノロール部に表示される音符に対応する背景の鍵盤を、直接タッチすることで、聴覚的に識別でき、上から順にトレースしてタッチして演奏することができる。
【0012】
また、本発明の好ましい形態では、所定の鍵盤楽器における鍵盤の上又は各鍵盤の近傍に設けられる色見本を備え、前記色見本は、前記鍵盤楽器の鍵盤全体として、前記鍵盤識別部と同一の配色となるように、前記各鍵盤に前記固有の色情報を表示する。
これにより、表示部を、実際の鍵盤上に載置される色見本と併用することで、各音符と各鍵盤とを色でもってリンクさせ、押鍵すべき実際の鍵盤の識別性も向上させることができる。
【0013】
また、本発明の好ましい形態では、前記楽曲表示画面は、前記楽譜表示部を前記色見本の作成を補助する印刷用表示部に切替える切替部を有し、前記印刷用表示部は、前記色見本を印刷するための印刷用画像と、前記色見本が設けられた前記鍵盤楽器の模式図と、を含む。
これにより、表示部を利用して色見本を作成することができ、本学習用教材の利便性が向上する。
【0014】
また、本発明の好ましい形態では、前記位置情報及び前記タイミング情報は、所定の図形として表示され、この図形には、前記楽曲情報におけるチャンネル毎に異なる色が付されている。
これにより、右手で演奏すべき音符と左手で演奏すべき音符の識別性が向上する。
【0015】
また、本発明の好ましい形態では、前記楽曲表示画面は、前記楽譜表示部の表示内容を変化させる操作部を有し、前記操作部は、演奏部を含み、前記演奏部は、自動演奏、及び前記ピアノロール部上の発音位置の移動動作の開始及び中断を実行する演奏開始ボタン及び演奏中断ボタンを含む。
これにより、使用者は、対象の楽曲情報を自動演奏させることができる。
【0016】
また、本発明の好ましい形態では、前記操作部は、小節指定部を含み、前記小節指定部は、指定した小節番号の情報を、前記楽譜表示部に表示する。
これにより、使用者は、表示したい小節を容易に楽譜表示部に表示することができる。
【0017】
また、本発明の好ましい形態では、前記操作部は、無音移動部を含み、前記無音移動部は、無音状態で前記ピアノロール部を更新して発音位置が移動する。
これにより、使用者は、自分の演奏の音だけを聞きながら、楽譜データを更新して発音位置を自動的に移動させて演奏でき、楽曲の習得に資する。
【0018】
また、本発明の好ましい形態では、前記操作部は、拡大縮小部を含み、前記拡大縮小部は、前記ピアノロール部に表示される小節数を可変する。
これにより、使用者は、ピアノロール部を見やすい大きさに調整することができる。
【0019】
また、本発明の好ましい形態では、前記操作部は、移調部を含み、前記移調部は、前記ピアノロール部に表示される前記音符を、前記ピアノロール部上で所定の音程分スライドさせる。
これにより、使用者は、楽曲データを演奏しやすい音符の配列(調)に変更することができる。
【0020】
また、本発明の好ましい形態では、前記操作部は、表示チャンネル選択部を含み、前記表示チャンネル選択部は、前記ピアノロール部に表示される前記音符の内、所定のチャンネルに含まれる音符のみを表示する。
これにより、楽曲データにピアノの片手のパートのチャンネルがある場合に、使用者は、片手のパートのチャンネルを表示させて、片手の練習に役立てることができる他、全ての楽器のパートから、自分の担当する楽器のパートを選択することができる。
【0021】
また、本発明の好ましい形態では、前記操作部は、表示音域切替部を含み、前記表示音域切替部は、前記ピアノロール部に表示される前記音符の内、所定の音域に含まれる音符のみを表示する。
これにより、楽曲データにピアノの片手のパートのチャンネルがない場合に、使用者は、片手に対応する部分を表示させて、片手の練習に役立てることができる。
【0022】
また、本発明の好ましい形態では、前記操作部は、音名情報表示部を含み、前記音名情報表示部は、前記ピアノロール部に表示された前記各押鍵情報の近傍に、前記各音符における位置情報を特定するための音名情報を表示する。
これにより、使用者は、音名に基づいて、音符の識別を容易に行うことができる。
【0023】
また、本発明の好ましい形態では、前記操作部は、演奏補助情報表示部を含み、前記演奏補助情報表示部は、前記ピアノロール部に表示された前記各音符の近傍又は前記楽譜表示部の左右に、演奏を補助するための補助情報を表示する。
これにより、使用者は、ピアノロール部に表示される音符と共に、所定の補助情報を参照しながら楽曲を演奏することができ、楽曲の習得に資する。
【0024】
また、本発明の好ましい形態では、前記楽曲表示画面は、楽曲情報に含まれる補足情報を表示する、補足情報表示部を有する。
これにより、使用者は、演奏時に必要な補足情報(チャンネル総数、拍子記号、演奏時間、進捗率等)を、楽曲表示画面を介して認識することができる。
【0025】
また、本発明は、鍵盤楽器用学習プログラムであって、
所定の楽曲の楽曲情報に基づく楽曲表示画面を表示する処理を、コンピュータに実行させ、
前記楽曲表示画面は、楽譜表示部を有し、
前記楽譜表示部は、縦軸方向が前記楽曲の時間経過に対応し、横軸方向が前記鍵盤の並びに対応する白鍵と黒鍵を配置した二次元平面上に、前記楽曲に従って、押鍵対象となる前記鍵盤を示す位置情報、押鍵タイミングを示すタイミング情報及び押鍵長さを表示する音価情報を含む音符を表示するピアノロール部と、前記各鍵盤に対応する固有の色情報を、前記横軸方向に整列表示する鍵盤識別部と、を含み、
前記鍵盤識別部は、オクターブ毎に異なる色を割り当てて表示するオクターブ識別部と、前記オクターブ識別部に対して前記縦軸方向に隣接配置され、前記各オクターブに含まれる音高毎に異なる色を割り当てて表示する音高識別部と、を含み、前記ピアノロール部に対して、上方に隣接配置され、
前記音価情報は、前記ピアノロール部において、押鍵対象となる前記鍵盤に対応する前記音高識別部における色と同一の色が付された、下方に延びる略長方形として表示される。
【0026】
また、本発明は、表示部を用いた鍵盤楽器用学習方法であって、
前記表示部は、所定の楽曲の楽曲情報に基づく楽曲表示画面を表示する処理を実行し、
前記楽曲表示画面は、楽譜表示部を有し、
前記楽譜表示部は、縦軸方向が前記楽曲の時間経過に対応し、横軸方向が前記鍵盤の並びに対応する白鍵と黒鍵を配置した二次元平面上に、前記楽曲に従って、押鍵対象となる前記鍵盤を示す位置情報、押鍵タイミングを示すタイミング情報及び押鍵長さを表示する音価情報を含む音符を表示するピアノロール部と、前記各鍵盤に対応する固有の色情報を、前記横軸方向に整列表示する鍵盤識別部と、を含み、
前記鍵盤識別部は、オクターブ毎に異なる色を割り当てて表示するオクターブ識別部と、前記オクターブ識別部に対して前記縦軸方向に隣接配置され、前記各オクターブに含まれる音高毎に異なる色を割り当てて表示する音高識別部と、を含み、前記ピアノロール部に対して、上方に隣接配置され、
前記音価情報は、前記ピアノロール部において、押鍵対象となる前記鍵盤に対応する前記音高識別部における色と同一の色が付された、下方に延びる略長方形として表示される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、五線譜を用いずに、簡易な構成でもってピアノロール部の音符の識別性を向上させる鍵盤楽器用学習教材、鍵盤楽器用学習プログラム及び鍵盤楽器用学習方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施形態に係る楽曲表示画面であって、(a)楽曲表示画面の全体図、(b)鍵盤識別部の拡大図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る操作部の拡大図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る操作部の機能を説明するための画面表示例である。
【
図4】本発明の実施形態に係る操作部の機能を説明するための画面表示例である。
【
図5】本発明の実施形態に係る操作部の機能を説明するための画面表示例である。
【
図6】本発明の実施形態に係る操作部の機能を説明するための画面表示例である。
【
図7】本発明の実施形態に係る操作部の機能を説明するための画面表示例である。
【
図8】本発明の実施形態に係る操作部の機能を説明するための画面表示例である。
【
図9】本発明の実施形態に係る操作部の機能を説明するための画面表示例である。
【
図10】本発明の実施形態に係る楽譜表示部を印刷用表示部に切替えた際の画面表示例である。
【
図11】本発明の実施形態に係る色見本を各鍵盤上に載置する流れを示す平面図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る変更例を示す画面表示例である。
【
図13】本発明の実施形態に係る変更例を示す画面表示例である。
【
図14】本発明の実施形態に係る変更例を示す画面表示例である。
【
図15】本発明の実施形態に係る変更例を示す画面表示例である。
【
図16】本発明の実施形態に係る変更例を示す画面表示例である。
【
図17】本発明の実施形態に係る変更例を示す画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る鍵盤楽器用学習教材について説明する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、これらの図において、符号Oは、本実施形態に係る鍵盤楽器用学習教材を示す。
【0030】
鍵盤楽器用学習教材は、所定の楽曲の楽曲情報に基づく楽曲表示画面Sを表示する表示部(以下、入出力装置O1)と、鍵盤楽器Pの各鍵盤K上又は各鍵盤Kの近傍に設けられる色見本O2と、を備えている。
【0031】
なお、入出力装置O1は、本実施形態においては、楽曲表示画面Sに対するタッチ操作を認識するタブレット端末を想定しているが、これに限られず、例えば、鍵盤楽器Pの譜面台上、又は使用者にとって視認し易い場所に配置される、見やすい大きさのディスプレイに接続したスマートフォンやPC等の端末、又は、入出力装置O1でなく、シンプルな表示物としての印刷物であっても良い。
また、色見本O2は、鍵盤楽器Pの各鍵盤K上又は各鍵盤Kの近傍に設けられる。
【0032】
なお、色見本O2は、本実施形態においては、個別の鍵に貼付するシールを想定しているが、これに限られず、色見本として識別できるものであれば良い。
また、色見本O2は、本実施形態においては、印刷用表示部a2の画像をカラープリンターで印刷して作成することとしているが、これに限られず、別の方法で作成、提供されたものであっても良い。
また、鍵盤楽器Pは、本実施形態においては、グランドピアノを想定しているが、これに限られず、アップライトピアノや電子ピアノ等であっても良く、種々の鍵盤楽器、又は入出力装置O1のタッチパネルを鍵盤の代替として使用する場合や、鍵盤楽器P及び入出力装置O1と、又は、鍵盤楽器P、入出力装置O1及び色見本O2が一体となった電子楽器の場合にも、本鍵盤楽器用学習教材、鍵盤楽器用学習プログラム及び鍵盤楽器用学習方法を適用することができる。
【0033】
ここで、上記した楽曲表示画面Sを表示するための専用のプログラム(以下、単にアプリケーションと称する)は、使用者と異なる管理者のクラウドサーバに保存されていて、使用者は、ネットワークを介して、特定のid及びパスワードにより、このクラウドサーバにアクセスし、所定のブラウザ上にてアプリケーションを使用することを想定しているが、これに限られず、使用者のローカルドライブ、その他の記憶媒体に保存されていても良い。
以下、
図1~
図10を用いて、楽曲表示画面Sの構成及び機能について説明する。
なお、各図において、楽曲表示画面Sに表示される各構成については、仮想的に点線の枠で区切って示している。
【0034】
まず、使用者が、入出力装置O1を介してアプリケーションを起動すると、上部の操作部c1、切替部c2が表示される。
次に、使用者が、操作部c1におけるファイル選択ボタンb1を操作し、所定の楽曲情報を選択することで、この楽曲情報がアプリケーションに読み込まれ、
図1に示すように、操作部c1の下方に楽譜表示部a1が表示される。
このとき、入出力装置O1は、楽曲情報より、最高と最低の音高を取得して、対象の楽曲の音域に対応する範囲について、楽譜表示部a1に表示する。
【0035】
なお、所定の楽曲情報は、例えば、アプリケーションとは別に、入出力装置O1のローカルドライブ、その他の記憶媒体に保存されている電子楽譜データファイルである。電子楽譜データファイルは、MIDI(登録商標)を想定しているが、これに限られず、例えば、MusicXML、その他のフォーマットであっても良い。
また、所定の楽曲情報は、例えば、所定のクラウドサーバに蓄積されていても良く、使用者が、ネットワークを介して、このクラウドサーバから、習得したい所望の楽曲情報を入出力装置O1にダウンロードすることで、アプリケーションへの読み込み及び選択を可能とする構成としても良い。
【0036】
<楽譜表示部a1>
楽譜表示部a1は、縦軸方向(以下、y軸方向)が楽曲情報の時間経過に対応し、横軸方向(以下、x軸方向)が鍵盤Kの並びに対応する二次元平面上に、音符nを表示するピアノロール部a1-bと、各鍵盤Kに対応する固有の色情報を、x軸方向に整列表示する鍵盤識別部a1-hと、を含む。
【0037】
ここで、本実施形態においては、ピアノロール部a1-b上の発音位置hの移動方向は、
図1(a)における上方から下方、又は下方から上方に向かう方向(即ち、y軸の矢印が示す方向、またはこれと逆方向)とする。
また、設定により、ピアノロール部a1-bを下方から上方、又は上方から下方にスクロールすることも選択できる。
【0038】
ピアノロール部a1-bには、白鍵及び黒鍵からなる鍵盤Kの並びを示し、等幅で配置された白地及びグレー地の背景に対して、選択した楽曲情報に対応した小節毎の区切り線l1や拍毎の区切り線l2、小節番号が表示されている。
なお、ピアノロール部a1-bには、白鍵において半音を形成するミとファ及びシとドを区切る区切り線l3、l4が、鍵盤識別部a1-hまで延びて表示されている。
また、区切り線l1と区切り線l2は、識別性の観点から、異なる色で表示されることが好ましく、区切り線l3と区切り線l4についても同様に構成することが好ましい。
【0039】
鍵盤識別部a1-hは、ピアノロール部a1-bに対して、その上方に隣接配置されている。
また、鍵盤識別部a1-hには、各音符nに対応する固有の色情報が、x軸方向に整列表示されている。
【0040】
さらに、鍵盤識別部a1-hは、特に
図1(b)に示すように、オクターブ毎に異なる色を割り当てて表示するオクターブ識別部a1-h-1と、オクターブ識別部a1-h-1に対してy軸方向下方に隣接配置され、各オクターブに含まれる音高毎に異なる色を割り当てて表示する音高識別部a1-h-2と、を含む。
なお、音高識別部a1-h-2には、視認性の高い12色を割り当てることが好ましい。
また、オクターブ識別部a1-h-1には、視認性が高く、かつ、隣接するオクターブの色との識別が容易な9色を割り当てることが好ましい。
【0041】
このように、オクターブ識別部a1-h-1での色の割り当てに9色用い、音高識別部a1-h-2での色の割り当てに12色用いることで、9×12=108通りの、独立した2色の組み合わせが生成されることとなる。
そして、通常の鍵盤楽器の鍵盤数は88鍵であるため、上記組み合わせにより、88鍵全てに対して独立した2色の組み合わせを割り当てることが可能となる。
【0042】
音符nは、押鍵対象となる鍵盤Kを示す位置情報と、押鍵タイミングを示すタイミング情報と、押鍵対象となる鍵盤Kの押鍵長さを表示する音価情報と、を含んでいる。
そして、複数の音符nが、選択した楽曲情報に対応して、楽曲が適切に再生されるように、それぞれピアノロール部a1-bの適切な位置に配置される。
【0043】
音符nについてさらに詳述すれば、位置情報及びタイミング情報は、ピアノロール部a1-b上において、円形図形として表示される。
また、音価情報は、ピアノロール部a1-b上において、位置情報及びタイミング情報を示す円形図形からy軸方向に延びる略長方形として表示される。
そして、音価情報には、押鍵対象となる鍵盤(即ち、その音価情報を含む音符nにおける位置情報)に対応する音高識別部a1-h-2における色と同一の色が付されている。
なお、位置情報及びタイミング情報を示す図形は、四角形等であっても良く、円形に限られない。
【0044】
<操作部c1>
操作部c1は、演奏部g1を含む。
演奏部g1は、演奏開始ボタンb2及び演奏中断ボタンb3を含む。
なお、操作方法は、上記に限られず、例えばファイルを選択して開くと同時に演奏を開始するもの、あるいは画面上の別のレイヤーに操作部c1を配置するものとしても良い。
【0045】
使用者は、演奏開始ボタンb2及び演奏中断ボタンb3の操作により、自動演奏と各音符nを含めたピアノロール部a1-b上の発音位置hの移動を開始及び中断することができる。
入力窓t1には発音時点のbpmが、入力窓t3には発音時点の小節番号が、それぞれ表示される。
【0046】
ここで、発音位置hの水平線は、ピアノロール部a1-bの最上部より出発して、上方から下方に移動し、発音位置hが各音符nの位置情報及びタイミング情報を示す円形図形に到達した際に、入出力装置O1から、各音符nの位置情報に対応した音程の音が発音される。
また、発音位置hの水平線は、ピアノロール部a1-bの最下部まで移動した後、再度ピアノロール部a1-bの最上部に戻り、上方から下方に移動する、という動作を繰り返す。
【0047】
さらに、ピアノロール部a1-bの楽曲情報の描画は、発音終了後には消去され、ピアノロール部a1-bには、次に演奏するための楽曲情報が、順次描画される、という動作を繰り返す。
なお、音符の図形、色、音名、補助情報等の楽曲情報は、表示する小節数に応じて、ピアノロール部a1-bの所定の位置に固定的に表示される。
これにより、画面上の楽曲情報が固定的に表示、更新されるので、使用者は、容易に楽曲情報を読み取ることができる。
【0048】
以下、ファイル選択ボタンb1や演奏開始ボタンb2、演奏中断ボタンb3の他に、操作部c1に含まれるボタンや入力窓等について、それらを用いた際に実行される機能と共に説明する。
【0049】
操作部c1は、小節指定部g2を含む。
小節指定部g2は、先頭ジャンプボタンb4、4小節戻しボタンb5、1小節戻しボタンb6、1小節送りボタンb7、4小節送りボタンb8、末尾ジャンプボタンb9、入力窓t3、指定小節ジャンプボタンb13を含む。
【0050】
使用者は、先頭ジャンプボタンb4を操作することで、楽曲情報の最初の小節の情報を表示することができる。
また、使用者は、末尾ジャンプボタンb9を操作することで、楽曲情報の末尾の小節の情報を表示することができる。
【0051】
使用者は、4小節戻しボタンb5を操作する毎に、ピアノロール部a1-bを4小節単位で時間的に前の情報を表示させることができる。
また、使用者は、4小節送りボタンb8を操作する毎に、ピアノロール部a1-bを4小節単位で時間的に後の情報を表示させることができる。
なお、4小節戻しボタンb5や4小節送りボタンb8は一例であり、ピアノロール部a1-bに表示されている小節数だけスクロールさせる、即ち一画面単位で時間的に前後の情報を表示させる構成(一画面戻しボタン、或いは一画面送りボタン)としても良い。
【0052】
使用者は、1小節戻しボタンb6を操作する毎に、ピアノロール部a1-bを1小節単位で時間的に前の情報を表示させることができる。
また、使用者は、1小節送りボタンb7を操作する毎に、ピアノロール部a1-bを1小節単位で時間的に後の情報を表示させることができる。
【0053】
使用者は、小節指定部g2における入力窓t3に所望の数値(小節番号)を入力し、指定小節ジャンプボタンb13を操作することで、入力した小節番号の情報を表示することができる。
入力窓t3には、初期値として、最初の小節番号が表示される。最初の小節の最初の音が第一拍にない弱起の場合には0、最初の小節の最初の音が第一拍にある強起の場合には1となる。
また、この入力窓t3は、自動演奏中や無音移動中に変化する小節番号に対応して、その時点の小節番号が表示される。
【0054】
操作部c1は、無音移動部g3を含む。
無音移動部g3は、入力窓t1、指定bpm無音移動ボタンb10、原曲bpm無音移動ボタンb11、演奏中断ボタンb3を含む。
【0055】
使用者は、入力窓t1に所望の1分間の四分音符の数であるbpmを入力し、指定bpm無音移動ボタンb10を操作することで、上記所望のbpmでもって、発音位置hが各音符nに到達しても発音されない、無音移動を実行することができる。
即ち、無音移動では、ピアノロール部a1-bの更新と発音位置hの移動動作のみが実行される。
なお、指定bpmにより、自動演奏を行う設定としても良い。
また、使用者は、原曲bpm無音移動ボタンb11を操作することで、楽曲情報に予め含まれているbpm情報に基づくbpmでもって、無音移動を実行することができる。
【0056】
なお、原曲bpm無音移動ボタンb11の操作による移動動作について、楽曲情報に予め含まれているbpm情報が一定ではなく、途中で変化する場合には、これに追従して移動動作の速度が変化する。
入力窓t1には発音時点のbpmが、入力窓t3には発音時点の小節番号が、それぞれ表示される。
また、演奏中断ボタンb3の操作により、無音移動を中断する。
【0057】
操作部c1は、拡大縮小部g4を含む。
拡大縮小部g4は、入力窓t2、拡大縮小ボタンb12、拡大縮小スライダーs1、を含む。
【0058】
使用者は、拡大縮小部g4を操作することで、ピアノロール部a1-bに表示される小節数を可変する(即ち、拡大・縮小する)ことができる。
即ち、使用者は、拡大縮小部g4において、入力窓t2へ所望の表示する小節数の数値を入力し、拡大縮小ボタンb12を操作する、又は拡大縮小スライダーs1をスライド操作することにより、ピアノロール部a1-bの表示領域に収まる小節数を可変させることができる。
なお、表示する小節数は、1小節に満たない弱起の場合も含む数となっている。
また、
図3は、拡大縮小部g4により、ピアノロール部a1-bの表示領域に収まる小節数を1小節とした画面表示例である(即ち、
図1に比して拡大表示されている)。
【0059】
操作部c1は、移調部g5を含む。
移調部g5は、入力窓t4、移調ボタンb14、を含む。
【0060】
使用者は、移調部g5における入力窓t4に所望の数値を入力し、移調ボタンb14を操作することで、入力した数値分、全ての音符nを、y軸方向にスライドさせることができる。
即ち、例えば、使用者が入力窓t4に「-7」と入力した場合、全ての音符nが左側に7鍵盤分スライドする。
これにより、楽曲全体が完全五度下に移調され、
図4に示すように、音価情報の色についても、それぞれの位置情報に対応する音高識別部a1-h-2の色に変更される。
なお、使用者が入力窓t4にプラス値を入力すれば、全ての音符nが右側にスライドする(高音側に移調される)。
【0061】
操作部c1は、表示チャンネル選択部g6を含む。
表示チャンネル選択部g6は、入力窓t4、入力窓t5、移調ボタンb14、表示チャンネル選択ボタンb15、を含む。
【0062】
使用者は、表示チャンネル選択部g6の操作により、ピアノロール部a1-bに表示された各音符nの内、所定のチャンネルに含まれる音符nのみを表示することができる。
即ち、例えば、右手で演奏する各音符nにはチャンネル1、左手で演奏する各音符nにはチャンネル2が割り当てられている。
そして、使用者が入力窓t5に所望のチャンネル数を入力し、表示チャンネル選択ボタンb15を操作することで、
図5に示すように、入力したチャンネル数に応じた各音符nのみが表示される。
なお、複数のチャンネルを表示させる場合には、例えば、入力窓t5にチャンネル番号を、所定の区切り記号(例えば「*」)で区切って入力する。
【0063】
また、使用者が移調ボタンb14を操作することにより、楽曲表示画面Sは、
図1に示す、入力窓t4に入力した数値分移調した後の全チャンネルに含まれる各音符nが表示されている状態に戻る。
なお、
図5は、上記操作により、右手で演奏する各音符nのみを表示した、楽曲表示画面Sの画面表示例である。
【0064】
操作部c1は、表示音域切替部g7を含む。
表示音域切替部g7は、入力窓t4、入力窓t6、移調ボタンb14、表示音域切替ボタンb16、を含む。
【0065】
使用者は、表示音域切替部g7の操作により、ピアノロール部a1-bに表示された各音符nの内、所定の音域に含まれる音符nのみを表示することができる。
即ち、例えば、使用者が入力窓t6に「65」と入力し、表示音域切替ボタンb16を操作した場合、
図6に示すように、ノートナンバー65がピアノロール部a1-bに表示される最低ピッチとなり、これよりも高音域側に含まれる音符nが拡大表示される。
また、使用者が、この状態で表示音域切替ボタンb16を再度操作することで、
図7に示すように、ノートナンバー65がピアノロール部a1-bに表示される最高ピッチとなり、これよりも低音域側に含まれる音符nが拡大表示される。このように、表示音域切替ボタンb16の操作により、高音域側の表示、低音域側の表示を都度切替えることができる。
なお、使用者が移調ボタンb14を操作することにより、楽曲表示画面Sは、
図1に示す、入力窓t4に入力した数値分移調した後の全ての音符nを包含する音域が表示されている状態に戻る。
【0066】
操作部c1は、音名情報表示部d1を含む。
【0067】
使用者は、音名情報表示部d1の操作により、ピアノロール部a1-bに表示された各音符nの近傍に、各音符nにおける位置情報を特定するための音名情報を表示することができる。
即ち、使用者が、ドロップダウンリストである音名情報表示部d1から所望の表示方法を選択することで、
図8に示すように、円形図形に重畳するように音名情報が表示される。
なお、
図8では、音名情報として、#系の所謂トニックソルファ唱法に基づく音名が表示されているが、この他、ドロップダウンリストには、例えば♭系のトニックソルファ唱法に基づく音名、C~Bよりなる米英式音名、C~Hよりなるドイツ式音名、MIDI(登録商標)ノートナンバー等が含まれ、使用者の好みに合わせて選択、切替え可能である。
また、
図2等に示す「No Letters」を選択した場合、音名情報は非表示となる。
【0068】
<切替部c2>
切替部c2は、ドロップダウンリストである。
切替部c2において、「Touch Sound」を選択すると、楽譜表示部a1を表示したままの状態で、入出力装置O1から、ピアノロール部a1-bのタッチした位置に対応した音を発音する状態となる。
また、切替部c2において、「Color Sample」を選択すると、楽譜表示部a1が、色見本O2の作成を補助する印刷用表示部a2に切替わる。
【0069】
また、切替部c2において、「Scroll M」を選択すると、ピアノロール部a1-bの音符nの近傍、またはピアノロール部a1-bの左右の余白部分に、音名情報表示部d1で選択した音名情報、または補助情報を、標準的な大きさのフォントにより、表示した、ピアノロール部a1-bが下方から上方にスクロールする設定となる。
また、切替部c2において、「Scroll L」を選択すると、ピアノロール部a1-bの音符nの近傍、またはピアノロール部a1-bの左右の余白部分に、音名情報表示部d1で選択した音名情報、または補助情報を、比較的大きいフォントにより、表示した、ピアノロール部a1-bが下方から上方にスクロールする設定となる。
利用者は、「Scroll M」により、タブレット等の比較的大きい画面で、「Scroll L」により、スマートフォン等の比較的小さい画面で、音高とタイミングと音名、または補助情報を、同じピアノロール部a1-bの音符nの近傍、または、左右の余白部にて、時系列的に連続した状態で、同時に確認しながら、容易に楽曲の情報を読み取り、ピアノ演奏や歌唱の練習をすることが出来る。
なお、設定方法や名称は一例であり、別の設定方法や名称としてもよい。
【0070】
また、切替部c2において、「Still M」を選択すると、ピアノロール部a1-bの音符nの近傍、またはピアノロール部a1-bの左右の余白部分の所定の位置に、音名情報表示部d1で選択した音名情報、または補助情報を、標準的な大きさのフォントにより固定的に表示して、発音位置hの水平線が、最上部から出発して上方から下方に移動して、音符nの位置に到達すると発音し、最下部に到達すると再度最上部に戻り、ピアノロール部a1-bの楽曲情報の描画は、発音終了後には消去され、次に演奏するための楽曲情報が順次描画される、という動作を繰り返す設定となる。
また、切替部c2において、「Still L」を選択すると、ピアノロール部a1-bの音符nの近傍、またはピアノロール部a1-bの左右の余白部分の所定の位置に、音名情報表示部d1で選択した音名情報、または補助情報を、比較的大きいフォントにより固定的に表示して、発音位置hの水平線が、最上部から出発して上方から下方に移動して、音符nの位置に到達すると発音し、最下部に到達すると再度最上部に戻り、ピアノロール部a1-bの楽曲情報の描画は、発音終了後には消去され、次に演奏するための楽曲情報が順次描画される、という動作を繰り返す設定となる。
利用者は、「Still M」により、タブレット等の比較的大きい画面で、「Still L」により、スマートフォン等の比較的小さい画面で、音高とタイミングと音名、または、補助情報を、同じピアノロール部a1-bの音符nの近傍、または、左右の余白部にて、ピアノロール部a1-bの所定の位置に固定的に表示された状態で、同時に確認しながら、容易に楽曲の情報を読み取り、ピアノ演奏や歌唱の練習をすることが出来る。
なお、設定方法や名称は一例であり、別の設定方法や名称としてもよい。
【0071】
なお、切替部c2において、「Touch Sound」から、
図1等に示すように、「Toy Score」を選択し直すと、ピアノロール部a1-bにタッチしても発音されない状態となる。
また、切替え方法は、上記に限られず、例えば、最初からピアノロール部a1-bのタッチした位置に対応した音を発音する状態となるもの、或いは画面上の別のレイヤーに切替部c2を配置するものとしても良い。
【0072】
<Touch Sound>
図9に示すように、上記の「Touch Sound」を選択した状態で、使用者がピアノロール部a1-bにタッチすると、タッチした場所の鍵盤に対応する音を発音する。即ち、ピアノロール部a1-b全体が鍵盤として機能する。
この結果、使用者は、ピアノロール部a1-bに表示される音符nに対応する背景の鍵盤を、直接タッチして聴覚的に識別でき、上から順に(即ち、楽曲の時系列に沿って)トレースしてタッチすることで、所定の楽曲を容易に演奏することができる。
なお、このトレースしてタッチする操作は、移動動作時は勿論のこと、移動動作を伴わない、一時停止した状態であっても、行うことができる。
【0073】
<印刷用表示部a2>
図10に示すように、印刷用表示部a2の上部には、画像の色見本O2が、鍵盤識別部a1-hと同一の配色となされたx軸方向に延びる略長方形として、オクターブ毎にy軸方向に整列されている。
また、印刷用表示部a2下部には、色見本O2が載置された(貼付けられた)鍵盤Kの例の模式図(上方から見た平面図)が表示されている。
【0074】
使用者は、印刷用表示部a2の上部に表示されている画像の色見本O2を、カラープリンターでシール用紙に適切な大きさに印刷して、オクターブ識別部a1-h-1と音高識別部a1-h-2の組み合わせにおける2色毎(オクターブと音高毎)に、切断することで、実体の色見本O2を作成する。
【0075】
そして、使用者は、
図11(a)に示すように、音高毎の色見本O2について、シール部分を剥離紙から剥がし、
図11(b)に示すように、各鍵盤K上に貼付ける。
なお、
図11では、例として、3音高分の色見本O2を貼付ける流れを示している。
また、色見本O2を貼付ける箇所は、必ずしも鍵盤上である必要はなく、グランドピアノやアップライトピアノであれば、各鍵盤奥側の鍵盤押さえ等、各鍵盤近傍に貼付けられていても良い。
【0076】
ここで、実体の色見本O2は、必ずしも上記のような、音高毎に切断されたシールである必要はない。
例えば、使用者は、画像の色見本O2をカラープリンターで普通紙に実物大に印刷した後、これをオクターブ毎の長尺体に切断する。
そして、使用者は、各長尺体の右端に設けられた糊代部分で接続することで、一本の長尺体を構成し、これを実体の色見本O2として、鍵盤K上に載置することもできる。
【0077】
<補足情報表示部i>
補足情報表示部iは、楽曲表示画面Sの上部に配置され、楽曲情報に含まれるチャンネル総数(Channel(s))、拍子記号(TimeSignature)、演奏時間(PlayTime)、進捗率(Progress)、が表示されている。
【0078】
「Channel(s)」は、楽曲に含まれるチャンネルの総数である。
「TimeSignature」は、拍子記号である。
「PlayTime」は、楽曲全体の演奏時間を、分と秒の単位で表示する。
「Progress」は、進捗率を、発音位置hのTick単位の数値を、楽曲全体の長さのTick単位の数値で除して、百分率で表示する。
Tickは、楽曲情報において基準となるタイミング情報指数の単位である。なお、TimeSignature、Progressは、自動演奏中や無音移動中の変化を反映する。
【0079】
<効果>
本実施形態によれば、使用者は、白鍵及び黒鍵と、音符nの音価情報と、楽譜表示部a1に表示される鍵盤識別部a1-hにより、ピアノロール部a1-bに表示される音符nを、各鍵盤に対応した2色の組み合わせでもって、視覚的に識別することができる。
【0080】
また、使用者は、ピアノロール部a1-bに表示される音符nに対応する背景の鍵盤を、直接タッチすることで、聴覚的に識別でき、上から順にトレースしてタッチして演奏することができる。
【0081】
また、本実施形態のように、入出力装置O1を、実際の鍵盤上に載置される色見本O2と併用することで、各音符nと各鍵盤Kとを色でもってリンクさせ、押鍵すべき実際の鍵盤Kの識別性も向上させることができる。
【0082】
また、印刷用表示部a2により、入出力装置O1を利用して色見本O2を作成することができ、本学習用教材の利便性が向上する。
【0083】
また、演奏部g1により、使用者は、対象の楽曲情報を自動演奏させることができる。
【0084】
また、小節指定部g2により、使用者は、表示したい小節を容易に楽譜表示部a1に表示することができる。
【0085】
また、無音移動部g3により、使用者は、自分の演奏の音だけを聞きながら、楽譜データを更新して発音位置hを自動的に移動させて演奏でき、楽曲の習得に資する。
【0086】
また、拡大縮小部g4により、使用者は、ピアノロール部a1-bを見やすい大きさに調整することができる。
【0087】
また、移調部g5により、使用者は、楽曲データを演奏しやすい音符nの配列(調)に変更することができる。
【0088】
また、表示チャンネル選択部g6により、楽曲データにピアノの片手のパートのチャンネルがある場合に、使用者は、片手のパートのチャンネルを表示させて、片手の練習に役立てることができる他、全ての楽器のパートから、自分の担当する楽器のパートを選択することができる。
【0089】
また、表示音域切替部g7により、楽曲データにピアノの片手のパートのチャンネルがない場合に、使用者は、片手に対応する部分を表示させて、片手の練習に役立てることができる。
【0090】
また、音名情報表示部d1により、使用者は、音名に基づいて、音符nの識別を容易に行うことができる。特に、トニックソルファ唱法の音名表示により、使用者は、対象の楽曲を歌唱することができ、容易に音高を記憶できる。
【0091】
また、補足情報表示部iにより、使用者は、演奏時に必要な補足情報(チャンネル総数、拍子記号、演奏時間、進捗率等)を、楽曲表示画面Sを介して認識することができる。
【0092】
なお、上記の実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法、色、操作方法、材質、配置場所、色見本O2の作成方法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0093】
<変更例>
例えば、操作部c1について、
図12に示すような構成とし、後述する補助情報ファイルと共に、音符nの識別性の向上や楽曲の習得に資する種々の機能を追加しても良い。
なお、以下、
図12~
図17に示す変更例において、上記の実施形態と基本的に同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0094】
図12に示す操作部c1は、
図1等において示した操作部c1の構成と異なり、ファイル選択ボタンb1が、ファイル選択ボタン楽曲情報用b1-1、及びファイル選択ボタン補助情報用b1-2により構成されている。
また、
図12に示す操作部c1は、bpm指定スライダーs2と、小節指定スライダーs3と、を含む。
さらに、
図12に示す操作部c1は、演奏補助情報表示部d2を含み、演奏補助情報表示部d2は、
図1等において示した操作部c1の音名情報表示部d1や、切替部c3と併合された、ドロップダウンリストである。
【0095】
使用者は、ファイル選択ボタン楽曲情報用b1-1を操作することで、
図1等において示した操作部c1のファイル選択ボタンb1と同様に、所定の楽曲情報を選択し、これをアプリケーションに読み込ませることができる。
【0096】
使用者は、ファイル選択ボタン補助情報用b1-2を操作することで、後述する補助情報ファイルを選択し、これをアプリケーションに読み込ませることができる。
【0097】
使用者は、bpm指定スライダーs2を操作することで、楽曲の最初のbpmの1%から100%の範囲で、bpmを容易に指定することができる。
【0098】
使用者は、小節指定スライダーs3を操作することで、ピアノロール部a1-bに、任意の小節番号の情報を、容易に表示することができる。
また、小節指定スライダーs3は、ピアノロール部a1-bの発音位置hや指定小節ジャンプボタンb13の操作、各送り戻しボタンの操作に対応して自動でスライドし、表示された小節の、楽曲全体における位置を表示する。
【0099】
使用者は、演奏補助情報表示部d2から任意の補助情報を選択することで、この補助情報を、ピアノロール部a1-bに表示することができる。
【0100】
ここで、上記した補助情報は、例えば、アプリケーションや楽曲情報とは別に、入出力装置O1のローカルドライブ、その他の記憶媒体に保存されている電子テキストデータファイル(補助情報ファイル)とすることができる。
【0101】
これにより、使用者は、補助情報を任意に変更(追加・編集)することができる。
なお、補助情報ファイルのフォーマットとしては、カンマ区切りのテキストファイル(CSVファイル)や、タブ区切りのテキスト、HTML、XML、JSON、表計算、データベース、その他のフォーマットであっても良い。
【0102】
以下、
図13~
図15を用いて、演奏補助情報表示部d2の機能について説明する。
なお、補助情報ファイルは、上記の通り表形式のファイルを想定しており、各補助情報に対応したデータが含まれているものとする。
【0103】
図13(a)に示すように、使用者が、演奏補助情報表示部d2から「NoteIDs」を選択することで、楽曲情報における音符n毎に自動計算された番号が、順次各音符nの近傍に表示される。
使用者は、楽曲表示画面を介して、または、直接に、補助情報ファイルの所定のセルに文字情報を入力する。
楽曲情報に加えて、この補助情報ファイルを読み込むことにより、音符nの近傍、または、ピアノロール部a1-bの左右の余白部分に、楽曲情報に対応する補助情報を表示させることができる。
なお、本実施形態においては、右手で演奏する先頭の音符nから末尾の音符nまで昇順で表示し、続いて左手で演奏する先頭の音符nから末尾の音符nまで昇順で表示する。
【0104】
図13(b)に示すように、使用者が、演奏補助情報表示部d2から「Finger Numbers」を選択することで、補助情報ファイルにおける所定の行のセルに順次入力された、指番号に相当する数値が、順次各音符nの近傍に表示される。
なお、本実施形態においては、左手で演奏する音符nには、指番号の前に*マークを付すことで、右手で演奏する音符nと区別している。
これにより、例えば、チャンネルが1つのみの楽曲情報のため、チャンネル毎の色による左右のパートの識別ができない場合であっても、使用者は、右手と左手の指番号を識別することができる。
【0105】
図14(a)に示すように、使用者が、演奏補助情報表示部d2から「Memos」を選択することで、補助情報ファイルにおける所定の行のセルに順次入力されたテキストが、順次各音符nの近傍に表示される。
例えば、使用者が、各音符nに対応する注意事項等のメモを、補助情報ファイルにそれぞれ入力することで、このメモを楽曲習得の補助とすることができる。
【0106】
図14(b)に示すように、使用者が、演奏補助情報表示部d2から「User‘s Lyrics」を選択することで、補助情報ファイルにおける所定の行のセルに順次入力されたテキスト(歌詞情報)が、順次各音符nの近傍に表示される
例えば、使用者が、各音符nに対応する歌詞を補助情報ファイルにそれぞれ入力することで、音符nの識別性を向上させることができる。
【0107】
図15に示すように、使用者が、演奏補助情報表示部d2から「SMF‘s Lyrics」を選択することで、MIDI(登録商標)ファイルに予め格納された歌詞情報が、順次各音符nの近傍に表示される。
【0108】
ここで、補助情報について、歌詞情報の他、指番号や演奏記号、メモ、その他の補助情報のテキストデータを内容毎に区別して追加し、楽曲の音符データとともに、一つの楽曲情報に記録することができる。
これにより、上記した補助情報ファイルを用いることなく、音高やタイミング、歌詞情報等のテキストをピアノロール部a1-bに表示でき、歌詞情報を表示すれば歌唱の補助となり、指番号、演奏記号、メモを表示すればピアノ演奏の補助となる効果がある。
なお、これらの情報の表示部分は、各音符nの近傍に限られず、ピアノロール部a1-bの左右の余白部分に表示させることができる。
【0109】
図16に示すように、使用者が、演奏補助情報表示部d2から「Notations」を選択することで、補助情報ファイルにおける所定の行のセルに順次入力されたテキストが、ピアノロール部a1-bの左右に表示される。
また、「Notations」を選択しなくても、補助情報ファイルにおける所定の行のセルに順次入力されたテキストがあれば、自動的に、ピアノロール部a1-bの左右に表示することもできる。
【0110】
なお、本実施形態において、演奏補助情報表示部d2の「NoteIDs」、「Finger Numbers」、「Memos」、「User‘s Lyrics」、「SMF‘s Lyrics」は、音名情報表示部d1のドロップダウンリストと併合されている。
また、本実施形態において、演奏補助情報表示部d2の「Notations」は、切替部c2のドロップダウンリストと併合されている。
また、ラベルの名称や含まれるドロップダウンリストはこれに限られず、適宜変更、追加、削除しても良い。
【0111】
ここで、
図12~
図16に示す例においては、各音符nにおける、その位置情報及びタイミング情報を示す円形図形の色が、チャンネル毎に異なる色で表示されている。
【0112】
また、
図17に示すように、使用者が、切替部c2において、「Channel Colors」を選択すると、各チャンネルの色、チャンネル番号及び楽器の対応表を表示することができる。
【0113】
上記のような変更例によれば、使用者は、ピアノロール部a1-bに表示される音符nと共に、補助情報を参照しながら楽曲を演奏することができ、楽曲の習得に資する。
【0114】
また、円形図形の色がチャンネル毎に異なる色で表示されていることで、右手で演奏すべき音符nと左手で演奏すべき音符nの識別性が向上する。
【0115】
また、補助情報ファイルの補助情報が、楽曲情報とは別ファイルであることにより、楽曲情報を改変する必要がないため、楽曲情報の著作権を侵害することなく、補助情報ファイルのみを、一般的な表計算ソフトなどを使用して容易に作成可能であり、楽曲情報に直接記録することが難しい日本語などの言語であっても、容易に記録することができる。
また、補助情報ファイルの補助情報が、任意に変更可能であることで、使用者の楽器の習熟度等に合わせた補助情報を表示でき、本学習教材の利便性が向上する。
また、楽曲情報と補助情報の連携は、楽曲情報の音符nに対して自動計算により付与された通し番号であるNoteIDにより行われるため、使用者は、対象の音符nの音高や発音タイミングを考慮する必要がなく、補助情報を付与する対象の音符nのNoteIDと、これに対応する補助情報を、補助情報ファイルに記録することで、容易に補助情報を作成して、両者を連携させることができる。
【符号の説明】
【0116】
<実体の符号>
K 鍵盤
O1 入出力装置
O2 色見本
P 鍵盤楽器
S 楽曲表示画面
<楽曲表示画面内の符号>
a1 楽譜表示部
a1-h 鍵盤識別部
a1-h-1 オクターブ識別部
a1-h-2 音高識別部
a1-b ピアノロール部
a2 印刷用表示部
b1 ファイル選択ボタン
b1-1 ファイル選択ボタン楽曲情報用
b1-2 ファイル選択ボタン追加情報用
b2 演奏開始ボタン
b3 演奏中断ボタン
b4 先頭ジャンプボタン
b5 4小節戻しボタン
b6 1小節戻しボタン
b7 1小節送りボタン
b8 4小節送りボタン
b9 末尾ジャンプボタン
b10 指定bpm無音移動ボタン
b11 原曲bpm無音移動ボタン
b12 拡大縮小ボタン
b13 指定小節ジャンプボタン
b14 移調ボタン
b15 表示チャンネル選択ボタン
b16 表示音域切替ボタン
c1 操作部
c2 切替部
d1 音名情報表示部
d2 演奏補助情報表示部
g1 演奏部
g2 小節指定部
g3 無音移動部
g4 拡大縮小部
g5 移調部
g6 表示チャンネル選択部
g7 表示音域切替部
h 発音位置
i 補足情報表示部
l1 小節区切り線
l2 拍区切り線
l3 白鍵区切り線(ミとファ)
l4 白鍵区切り線(シとド)
n 音符
s1 拡大縮小スライダー
s2 bpm指定スライダー
s3 小節指定スライダー
t1~t6 入力窓
x 横軸
y 縦軸