(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106330
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】運搬用タブを備えた支持パネル
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20240731BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
G06F1/16 313A
G06F1/16 312G
H05K5/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024008642
(22)【出願日】2024-01-24
(31)【優先権主張番号】18/101,876
(32)【優先日】2023-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516265159
【氏名又は名称】ビーニアス,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】BEANIUS, L.L.C.
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライアン エイチ. ベルージ
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AC01
4E360AC12
4E360AC13
4E360AC24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】携帯電話やタブレットコンピュータのような電子機器を支持するために用いることができる、運搬用タブを備えた支持パネルを提供する。
【解決手段】物体を支持するための可動固定具10は、左側縁20aと右側縁20bとを有する後面20cを有する平面支持パネルと、運搬用タブ50a、50bと、を含む。平面支持パネルは、水平面に載置されたときに平面支持パネルを視野角に配置するための左右の後脚30a、30bを有する。運搬用タブは、平面支持パネルの側縁の1つとそれぞれの後脚とで縁取られた隙間から手が届く位置で、後面から外方に延びている。運搬用タブは、人間工学に基づいて物体とパネルとを掴んで固定して移動させるよう、ユーザの手を適切に配置する。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を支持するための可動固定具であって、
平面支持パネルであって、(i)後面、(ii)前記後面から離間した指部、並びに(iii)左側縁および右側縁であって、左側縁および右側縁のそれぞれから延びて水平面上に載置されたときに前記平面支持パネルを視野角に位置決めする左後脚および右後脚を備えた、左側縁および右側縁、を備える、平面支持パネルと、
運搬用タブであって、前記側縁の1つと前記後脚のそれぞれとで縁取られた隙間を通して手が届く位置において前記後面から外方に延びる、運搬用タブと、
を備え、
前記運搬用タブは、前記運搬用タブと前記後面との間の梯子の横木を捉えるようになされたグリップ角度に方向付けられ、前記梯子を前記指部内に係合させて前記平面支持パネルを作業スペース内に吊り下げる、固定具。
【請求項2】
前記平面支持パネルは、前面と、下縁と、前記下縁の少なくとも一部に沿って前記平面支持パネルから外方に延びて前記前面と約45~90度の間の角度を形成する物体保持リップと、を有する、請求項1に記載の固定具。
【請求項3】
前記平面支持パネルは、左前脚および右前脚をさらに含み、
前記後脚は、前記前脚の約2~8倍の長さであり、前記運搬用タブには、その一方の側の前記前脚と前記後脚の間の隙間を通して手が届く、請求項2に記載の固定具。
【請求項4】
前記平面支持パネルは、上縁、およびハンドル、を有し、前記ハンドルは、前記側縁付近の2箇所で前記上縁に周辺接続された2つの折り返しと、前記上縁の中央部分から離間した前記指部を備えるグリップと、を備えて前記運搬用タブよりも長いスロットを形成し、前記ハンドルは、平面支持パネルの後面と約110~160度の間のハンドル角度を形成し、前記左後脚および前記右後脚は、互いに距離Dだけ離間して配置され、前記スロットは、距離Dよりも短い長さを有する、請求項3に記載の固定具。
【請求項5】
前記作業スペース内の視認可能な位置に吊り下げられる横木を備えた梯子をさらに含み、前記梯子は前記スロットを通って延び、前記運搬用タブと前記後面との間で選択的に横木を捉えることができる、請求項4に記載の固定具。
【請求項6】
前記スロットは、前記平面支持パネルが前記梯子の周りを旋回し、前記運搬用タブが横木の傍を通過した後に前記運搬用タブが選択された横木を捉えると前記梯子が前記後面に対してフラットになることが可能となるような、寸法および構成とされている、請求項5に記載の固定具。
【請求項7】
前記ハンドルの第1平面では、前記スロットは前記梯子の3~5倍の幅であり、前記後面の第2平面では、前記スロットは前記梯子よりも数ミリメートル広い幅を有する、請求項6に記載の固定具。
【請求項8】
梯子を様々な位置に柔軟に吊り下げるためのブラケットをさらに含み、前記ブラケットは、異なる位置、複数の回転方向、様々な角度、およびそれらの組み合わせ、からなる群から選択される様々な位置に柔軟に梯子を吊り下げる、請求項6に記載の固定具。
【請求項9】
前記運搬用タブは、前記左側縁から約1~4インチ内に配置された左運搬用タブと、前記右側縁から約1~4インチ内に配置された右運搬用タブと、を含み、前記左運搬用タブの左側部から前記右運搬用タブの右側部までの距離は、前記スロットの長さよりも小さい、請求項4に記載の固定具。
【請求項10】
前記固定具は、単一の硬質シート材料であって、スロットを形成するために除去された矩形セクションを有し、運搬用タブを形成するために除去されたU字型セクションを有する、硬質シート材料からなる、請求項4に記載の固定具。
【請求項11】
前記ハンドルは、前面から後面の方向に向かって折り曲げられた前記シート材料のC字型部分からなり、前記C字型部分は前記後脚よりも細い、請求項10に記載の固定具。
【請求項12】
前記運搬用タブは、除去された前記U字型セクション内で前記前面から後側部の方向に折り曲げられた前記シート材料の矩形部分からなり、前記運搬用タブは、前記平面支持パネルが水平面上に載置されているときに鉛直方向下方に延びる、請求項11に記載の固定具。
【請求項13】
側縁から後脚と同じ方向に平面支持面に概ね垂直に延びるスカートをさらに含む、請求項3に記載の固定具。
【請求項14】
運搬用タブにアクセスする際にユーザの手を案内し支持するようになされた架台を側縁にさらに含み、前記スカートが滑らかな曲線を描いて脚と一体化して前記架台を形成する、請求項13に記載の固定具。
【請求項15】
前記運搬用タブは、上縁と下縁との間で前記平面支持パネルの重心に位置している、請求項4に記載の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限定されるものではないが携帯電話やタブレットコンピュータのような電子機器や書籍などの物体を支持するために用いることができる、運搬用タブを備えた支持パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やタブレットコンピュータのような電子機器や書籍を含むメディアへの柔軟で人間工学に基づいたアクセスが、多くの作業環境において必要とされている。これは特にキッチンに当てはまり、そこでは、食材、調理プロセス、電化製品、キッチンツールなどに関連する多数の情報入力や物理的入力によって、非常に多様な単純なタスクや複雑なタスクが影響を受ける可能性がある。キッチンにおいて、ユーザは、準備エリア、シンク、コンロなどを含む、いくつかの異なる場所で作業を行うことができる。そのため、タブレットコンピュータのような大型の情報インターフェースを作業面上で簡単に移動させ、人間工学的に再配置できるように設計された器具が、大変望ましいであろう。
【0003】
理想的には、タブレットコンピュータを簡単に移動させて人間工学的に再配置するためのこの器具は、簡単にしっかりとつかんで動かせる一方、この器具を動かす間、器具に置いた手でタブレットを所定の位置にクランプするための操作アクセスを提供するであろう。さらに、器具は、作業面の上方または他の場所に配置された横木(rung)を備えた調整可能なブラケットのような手段を流動的に係合可能であって、作業面上のスペースを占有することなく操作や視認のためにタブレットに人間工学的にアクセスできることが、非常に望ましい。キッチンの作業場所は、作業エリアにこぼれたり飛び散ったりした食材で汚れる可能性があるため、器具はまた、簡単に掃除ができ、最小限の可動部品を備え、こぼれたものに曝され易い作業面に載置されたときの作業面との接触面積が最小限であることも望ましいであろう。
【0004】
米国特許第3,991,967号(Sack)、米国特許第6,860,458号(Pagano)、米国特許第4,991,812号(MacEwan)、および特許出願2017/0223862号は、手を差し入れて支持面をつかむことを可能にする三角形の開口を備えた角度付支持面を示している。ただし、いずれの場合も、支持面下方の支持構造によって、横木を備えたあらゆるタイプのブラケットとの係合は妨げられる。また、これらの器具は、特に指でつかむことを目的とする寸法の運搬用タブを示すものではない。さらに、これらの器具の一部は静止していることによって角度調整され、手で持ち上げると倒れたり外れたりし得る。また、これらの器具の多くは、複数の可動部品を有しており、作業面との接触領域も大きいため、汚れに対して脆弱で、掃除し難いものとなっている。
【0005】
米国特許第10,420,418号(Behroozi)は、タブを使用して吊り下げブラケットを係合できる支持面を示しているが、タブは、手で容易につかめるようなサイズとされておらず、位置決めされておらず、また方向付けられてもいない。さらに、同じブラケットを支持面用の調理台スタンドとして使用できるが、それには再構成手順を必要とする。そのため、吊り下げブラケットと調理台との間で支持面を流動的に運搬するための手段はない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一目的は、水平面に載置されたときに物体を快適な視野角で表示するための、平面支持体を提供することである。
【0007】
さらなる一目的は、本発明が、物体を固定して別の場所に運ぶためにその物体が置かれる平面支持パネルと、物体と、をまとめてつかむための、遮るもののない1つの長い運搬用タブまたは遮るもののない2つの短い運搬用タブを含むことである。
【0008】
別の目的は、運搬用タブも、梯子(ladder)配置の横木をしっかりと係合できるよう、十分に遮るものなく配置され、様々な位置や向きに配置できる梯子配置によって、支持されている物体への利便性の高い人間工学に基づいた視認性と操作アクセスを提供することである。
【0009】
これらおよび関連する他の目的は、平面支持パネルと運搬用タブとを有する、物体を支持するための可動固定具の一実施形態によって、達成される。平面支持パネルは、後面と、後面から離間した指部と、左右の側縁であって、左右の側縁のそれぞれから延びて水平面上に載置されたときに平面支持パネルを視野角に位置決めする左右の後脚を備えた、左右の側縁と、を有する。運搬用タブは、側縁の1つと後脚のそれぞれとで縁取られた隙間を通して手が届く位置において、後面から外方に延びている。運搬用タブは、運搬用タブと後面の間の横木を捉えるようになされたグリップ角度に方向付けられ、梯子を指部内に係合させて平面支持パネルを作業スペース内に吊り下げる。
【0010】
平面支持パネルは、前面、下縁、および物体保持リップを有しており、物体保持リップは、下縁の少なくとも一部に沿って前記平面支持パネルから外方に延びて前面と約45~90度の間の角度を形成する。平面支持パネルは、左右の前脚をさらに含み、後脚は、前脚よりも約2~8倍の長さである。運搬用タブには、その一方の側の前脚と後脚との間の隙間を通して手が届く。平面支持パネルは、上縁、およびハンドルを有しており、ハンドルは、側縁付近の2箇所で上縁に周辺接続された2つの折り返し(return)を備えた指部と、上縁の中央部分から離間して運搬用タブよりも長いスロットを形成するグリップと、を備える。ハンドルは、平面支持パネルの後面と約110~160度の間のハンドル角度を形成する。
【0011】
この固定具には、横木を備えた梯子がさらに含まれており、作業スペース内の視認可能な位置に吊り下げられる。梯子はスロットを通って延び、運搬用タブと後面との間で横木を選択的に捉えることができる。スロットは、平面支持パネルが梯子の周りを旋回し、運搬用タブが横木の傍を通過した後に運搬用タブが選択された横木を捉えると梯子が後面に対してフラットになることが可能となるような、寸法および構成とされる。ハンドルの第1平面では、スロットは梯子の3~5倍の幅である。後面の第2平面では、スロットは梯子よりも数ミリメートル広い幅を有する。固定具は、梯子を様々な位置に柔軟に吊り下げるためのブラケットをさらに含む。ブラケットは、異なる位置、複数の回転方向、様々な角度、およびそれらの組み合わせ、からなる群から選択される様々な位置に、柔軟に梯子を吊り下げる。
【0012】
左右の後脚は、互いに距離Dだけ離間し、スロットは、距離Dよりも短い長さを有する。運搬用タブは、左側縁から約1~4インチ以内に配置された左運搬用タブと、右側縁から約1~4インチ以内に配置された右運搬用タブと、を含む。左運搬用タブの左側部から右運搬用タブの右側部までの距離は、スロットの長さより小さい。
【0013】
固定具は、単一の硬質シート材料であって、スロットを形成するために除去された矩形セクションを有し、運搬用タブを形成するために除去されたU字型セクションを有する、単一の硬質シート材料から製造される。ハンドルは、前面から後面の方向に向かって折り曲げられたシート材料のC字型部分からなる。C字型部分は、後脚よりも細い。運搬用タブは、除去されたU字型セクション内で前面から後側部の方向に折り曲げられたシート材料の矩形部分からなり、運搬用タブは、平面支持パネルが水平面に載置されているときに鉛直方向下方に延びる。
【0014】
固定具は、側縁から後脚と同じ方向に平面支持面に概ね垂直に延びるスカート(skirt)をさらに含む。固定具はまた、運搬用タブにアクセスする際にユーザの手を案内して支持するようになされた架台(cradle)を側縁に含む。スカートは、滑らかな曲線を描いて脚と一体化して架台を形成する。運搬用タブは、上縁と下縁の間で平面支持パネルの重心に位置している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の利点、性質、および様々な付加的特徴は、添付の図面と関連してここで詳細に説明される例示的な実施形態を検討することにより、より完全に認められるであろう。図面において、同様の参照番号は、図全体にわたって類似した構成要素を指す。
【0016】
【
図1A】
図1Aは、本発明による可動固定具の一実施形態の、上前右側斜視図である。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【
図4】
図4A、および
図4Bは、様々な度数の移動のためにブラケットを介して梯子が取り付けられる、さらなる一実施形態を示す一連の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで図面、特に
図1A、
図1B、および
図1Cを詳細に参照すると、携帯電話やタブレットのような電子機器や書籍などの物体12を支持する可動固定具10が示されている。固定具は、水平面14に載置されているときに快適な視野角16で物体を表示する平面支持パネル20を提供する。固定具は、物体を固定して別の場所に運ぶための平面支持パネル20と、物体と、をまとめてつかむための、1つの長い運搬用タブ50または2つの短い運搬用タブ50a,50bを含む。
【0023】
平面支持面20は、左側縁20aと右側縁20bとを有する後面20cを有する。左側縁20aからは左後脚30aが延び、右側縁20bからは右後脚30bが延びている。後脚30は、後面20cと90~100度の角度を形成している。平面支持面20は、下縁20eを備えた前面20dを有する。物体保持リップ60が、下縁20eの少なくとも一部に沿って外方に延びている。物体保持リップ60は、前面20dと約45~90度の間のリップ角60aを形成する。一実施形態において、下縁20eは、都合のよい視野角16aを形成するために、代替水平面14a上に置かれる。
【0024】
運搬用タブ50は、側縁の1つと後脚のそれぞれとで縁取られた隙間18を通して手が届く位置において、後面20cから外方に延びている。
図1Bに示すように、隙間18は概ね三角形の形状であって、上左は右側縁20bによって縁取られ、上右は右後脚30bによって縁取られ、下は代替水平面14aによって縁取られている。
図1Cに見られるように、右運搬用タブ50bは右側縁20bから約1インチ離間しており、これについては以下でさらに議論されるであろう。1インチの間隔の向こう側で、右運搬用タブ50bは、右側縁20bから2~4インチの間延びている。同様に、左運搬用タブ50aは左側縁20aから約1インチ離間しており、これについても以下でさらに議論されるであろう。1インチの間隔の向こう側で、左運搬用タブ50aは、左側縁20aから2~4インチの間延びている。運搬用タブが単一の場合、左右の運搬用タブはそれぞれ後面中央に向かって延ばされ一体化される。脚30,40と運搬用タブ50a,50bとは、これらの下自由端にカバー(boot)を装着して描かれている。カバーは、例えばゴムや軟質プラスチックのソフトタッチ材料製である。脚のカバーは、脚の下が配置された水平面を傷つけるのを防ぐ。運搬用タブのカバーは、あらゆる鋭利な縁からユーザの指を護る。加えて、例えば台所の調理台等の表面や指には、脚と運搬用タブとが最も接触するところ、カバーは簡単に掃除または交換できる。
【0025】
さらなる一実施形態では、左前脚40aが左側縁20aから延び、右前脚40bが右側縁20bから延びている。後脚30は、前脚40の約2~8倍の長さである。個々の長さは、水平面14に対する所望の視野角16を実現するように、平面支持パネルの寸法に基づいて選択される。前脚がある場合、その一方の側の前脚と後脚との間の隙間から、運搬用タブに手が届く。運搬用タブ50は、可動固定具が水平面に載置されているとき、概ね鉛直方向に、または鉛直方向から10度以内に延びる。運搬用タブ50は、後面20cに対して、例えば鋭角、より詳細には約20~70度の間のグリップ角度50cに方向付けられる。
【0026】
平面支持パネルは、上縁20fと、上縁20fの周縁セクションに接続された2つの折り返し70aを有するハンドル70と、を有する。グリップ70bが、折り返し70の間を接続しており、上縁20fの中央部分から離間してスロット70dを形成する。スロット70dは、ハンドルの平面内にスロット長70eと、第1スロット幅70fと、を有する。スロット長70eは、運搬用タブの端から端までの最大距離よりも長い。スロット長70eは、後脚の間の距離よりも短い。ハンドル70、またはC字型部分70cは、後面20cと約110~160度の間のハンドル角度70gを形成する。
【0027】
ここで
図2Aを参照すると、固定具10に対して方向付けられた物体12が示されており、続いて
図2B、
図2C、および
図2Dには、平面支持面20上に置かれ、その底が保持リップ60に支持された物体12の様々な図が例示されている。先に述べたように、運搬用タブ50は、側縁20bから指の長さ内で届く。他の特徴により、運搬中に物体を所定の位置に固定しながら、固定具10を都合よく移動させることが可能になる。
図2Bは、右後脚30bから上方かつ上縁20fから離れるように延び、右側縁20bに滑らかに遷移して架台30dを形成する、支柱30cを示している。架台は、グリップ位置の上部分を形成する。グリップ位置は、運搬用タブ50を含み、平面支持面の中間セクション20g内にある。中間セクション20gには、多種多様なタブレットを支持する際の重心が含まれる。ユーザの人差指34bと中指34bが、架台30dに案内されて隙間18を通り、間に運搬用タブを挟み込むように置かれる。次いで、人間工学的にユーザの親指34aが物体12上に載せられる。架台の別の特徴は、側縁20bから下方に延びる、リムまたはスカート30eである。スカート30eは、梯子の厚さよりも大きい高さを有する。梯子が存在する場合(
図3Cに示すように)、ユーザの手は、指関節のほぼ下の位置でスカートに載せられる。ユーザの指が運搬用タブに引っ掛けられるとき、スカートによって指が後面から持ち上げられるため、指の付け根は快適に梯子を通過する。よって、ユーザが運搬用タブを介して平面支持パネルを掴むことは、梯子の存在(または不在)によって妨げられない。スカート30eは、脚を創出するために折り畳まれる側部セクションと一体であるため、脚を硬化または安定させるための構造リブとしても機能し得る。
【0028】
固定具10と物体12が持ち上げられると、無意識のうちに親指が押し下げられてアセンブリをしっかりと掴む。これには、物体を平面支持パネル20に自動的にクランプする効果があるため、たとえ濡れていても、滑らかな保護カバーに包まれていても、滑り落ちることはないであろう。架台は、アセンブリの重量下で手が上に滑らないようにする。運搬用タブの両側に人差指と中指が位置することで、下の4本の指と掌が中間セクション20g内の重心に理想的に配置される。驚くことに、物体と固定具のバランスが非常に良く、物体が所定の位置に十分に固定されていると感じられるため、ユーザは手や腕を任意の方向に自由に動かすことができる。
【0029】
さらなる実施形態が
図3A、
図3B、および
図3Cに示されているが、ここで、可動固定具10は、梯子90上で配置調整が可能とされており、梯子90は、例えばキッチンの吊戸棚の下方など、都合のよい視野位置に吊り下げることができる。梯子90は、1つまたは複数の横木、例えば4つの横木90d,90e,90f,90gを含む。各横木は、タブ位置50d,50e,50f,50gにおいて1つまたは2つの運搬用タブを収容するように寸法決めされた幅を有する。梯子の長さ、および存在する横木の数は、可動固定具10を吊り下げできる異なる高さ範囲を提供する。梯子に固定具を吊り下げるときは、梯子を2つの接点で係合させることが望ましい。以下で詳しく説明するように、運搬用タブが1つの接点を表す。最も単純な形態では、後面から離間した指部が第2の接触点を提供する。指部を運搬用タブから離間させると、安定性は向上する。1つの実用的な実施形態では、ハンドルスロットが、梯子のレールを捉えるための1つまたは2つの指部を備える。指部またはハンドルスロットは、バランスが崩れた場合に平面支持パネルが左右にスライドするのを防ぐ。梯子の角度が鉛直方向に近付くと、指部またはハンドルスロットはさらに、平面支持パネルの上部が梯子から離れるように傾くのを防止する。
【0030】
固定具を吊り下げるには、ハンドルを梯子の下縁の下方に配置して、梯子の下縁がハンドル70の上方を通過してスロット70dを通り、平面支持パネル20の後方を通過できるようにする。もちろん、スロットは脚内の寸法とされているため、梯子は脚に妨害されることなく通過できる。梯子がスロットを数インチ通過した後、最下段の横木90gが運搬用タブとの係合範囲に入る。ユーザは、運搬用タブが所望の横木の上方にくるまで可動固定具10を持ち上げ続けることができる。次いで、可動固定具を下後方に旋回させて、選択した横木を運搬用タブと平面支持パネルの後面との間で捉える。
【0031】
図3Bは、運搬用タブの下方に置かれた第2横木90eを示しており、ここで、運搬用タブは、タブ位置50eにある。
図3Cは、ユーザに提示されるであろう前面図を示している。ユーザは、運搬用タブを平面支持パネルから折り曲げて創出された開口を通して見ることで、選択した横木上方の運搬用タブの配置を視覚的に確認できる。可動固定具を上前方に旋回させると、運搬用タブを横木から外すことができる。その時点で、ユーザは、別の横木の別のタブ位置を選択するか、梯子から固定具全体を取り外すことができる。スロット70dは、平面支持パネルが梯子の周りを旋回可能となり、運搬用タブが横木の傍を通過した後に運搬用タブが選択された横木を捉えると梯子が後面に対してフラットになることが可能となるような、寸法および構成とされる。適切なスロットの寸法は、2つの平面で出現する。ハンドルの第1平面では、スロットは梯子の3~5倍の幅であって、スロット幅70fで表される。後面20cの第2面では、スロットは、梯子よりも数ミリメートル広い幅を有しており、第2スロット幅70hで表される。
【0032】
梯子実施形態の別の態様は、梯子を、吊り下げられた、または代替する都合のよい位置に取り付けるためのブラケットを提供することである。最も単純な形態では、梯子の上端を吊戸棚の下側に取り付けることができる。中間的な形態では、1自由度、2自由度、または3自由度を備えたブラケットが提供されるであろう。ブラケットで梯子を戸棚に取り付け、梯子を旋回または回転可能にする。
図4A、および
図4Bは、戸棚にレール92aを取り付けたブラケット92の改良形態を示している。梯子90は、直線移動92bのためのレール92aに、例えば左右に摺動可能に取り付けられる。レールは、吊戸棚の全長を延長し、吊戸棚下方の任意の位置に梯子を配置するための直線移動92bを可能にできるであろう。ブラケットの別の部分は、梯子を様々な角度92dで旋回させてユーザが選択した角度で保持することを可能にする、摩擦ヒンジ92cを提供する。ブラケットの他の部分に、梯子を様々な角度方向92fで回転させることを可能にする軸取付具92eが含まれていてもよい。ブラケット機能の具体的な実施例が示されているが、代替のブラケット配置も可能であることを理解されたい。重要なのは、ブラケットが、梯子に1自由度、2自由度、または3自由度、つまり摺動、回転、旋回、またはそれらの任意の組み合わせ、を提供することである。
【0033】
図示し説明した可動固定具の構造的特徴の全ては、単体構造として提供することができる。例えば、固定具は、単一の硬質シート材料から成形できる。実際の実施形態では、金属板を切り抜いた後に折り曲げて固定具を創出できる。切り抜き操作では、固定具の全体寸法を画定し、ハンドルスロット、後脚開口、および運搬用タブのための切り欠きを創出する。硬質シート材料は、約2~4ミリメートルの間の厚さ、例えば3mmの厚さである。切り抜きは、打ち抜きまたはレーザー切断によって達成できる。薄いアルミニウムシート材料は打ち抜きできる一方、厚い鋼シート材料はレーザーカットできる。上縁に沿って、ハンドルが前面から離れるように折り曲げられる。側縁に沿って、後脚、或いは前脚と後脚との組み合わせが、前面から離れるように折り曲げられる。スカート30eは、脚を所定の位置に曲げるために使われるものと同じ折り目で創出され、脚を硬く安定させるための構造リブとしても機能し得る。
【0034】
下縁に沿って、保持リップが下面から離れるように折り曲げられる。運搬用タブが、前面から後面に向けて折り曲げられる。製造後、固定具のバリ取りを行うことができる。シート材料は、ステンレス鋼のような耐水性金属を含んでいてもよい。或いは、耐水や着色のために、完成した固定具を粉体塗装することもできる。
【0035】
(結論および影響)
結論として、本発明は、水平面に載置されているときに、視認やアクセスのために快適な角度で、コンピュータタブレットや書籍を含むがこれらに限定されない物体を表示する平面支持体を提供するものであり、図面および説明によって完全に描写されている。
【0036】
本発明はさらに、物体を固定して別の場所に運ぶためにその物体が置かれる平面支持パネルと、物体と、をまとめてつかむための、遮るもののない1つの長い運搬用タブまたは遮るもののない2つの短い運搬用タブを含む。
【0037】
本発明はさらに、運搬用タブも、梯子配置の横木を捉える二次的手段と協調してしっかりと係合できるよう、十分に遮るものなく配置され、様々な位置および向きに配置できる梯子配置によって、支持されている物体への利便性の高い人間工学的に基づいた視認性と操作アクセスを提供する。
【0038】
上記の説明は、多くの具体的な詳細を含むが、これらは本発明を限定するものではなく、むしろ好ましい実施形態の一例と解釈されるべきである。他にも、多くの変形が可能である。例えば、シートの種類や厚みは、様々な素材から選ぶことができる。固定具の寸法や規模は、物体および都合のよい移動性に応じて様々に視認可能な支持選択肢を提供し続けつつ、変更できる。
【0039】
従って、本発明の範囲は、例示された実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的均等物によって、決定されるべきである。
【外国語明細書】