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特開2024-106333半導体物体を処理するための処理装置及び方法
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  • 特開-半導体物体を処理するための処理装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106333
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】半導体物体を処理するための処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240731BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20240731BHJP
   B08B 3/08 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
H01L21/304 648K
B08B3/02 A
B08B3/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024009210
(22)【出願日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】A50043/2023
(32)【優先日】2023-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(71)【出願人】
【識別番号】524033641
【氏名又は名称】シコネックス カスタマイズド ソリューションズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】モーリッツ ミッターマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト ハンメル
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ウンターベルガー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ショーン
【テーマコード(参考)】
3B201
5F157
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201AB03
3B201BB22
3B201BB62
3B201BB82
3B201BB94
3B201BB95
3B201CC01
5F157AA62
5F157AB02
5F157AB89
5F157AC01
5F157AC25
5F157BB22
5F157BB66
5F157BC53
5F157BD35
5F157BE12
5F157BE23
5F157BE43
5F157BE46
5F157CB03
5F157CD33
5F157CE32
5F157CF14
5F157CF34
5F157CF99
5F157DB02
5F157DB57
5F157DC86
(57)【要約】
【課題】半導体物体(2)を水性処理液で処理するための処理装置(1)並びに方法を提供する。
【解決手段】本発明の処理装置(1)は、処理チャンバ(3)、並びに処理チャンバ(3)に水性処理液を供給するための供給装置(7)を有している。供給装置(7)は、少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)を備えた化学物質供給ユニット(8)と、給水ユニット(19)とを含む。給水ユニット(19)の少なくとも1つの水管路(20,21,22)、及び化学物質供給ユニット(8)の化学物質輸送管路(13,14,15)が、直接又は間接に、単一の処理液送達管路(24)に接続されている。単一の処理液送達管路(24)が、処理チャンバ(3)内に配置された分配手段(5)と管路接続されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体物体(2)を水性処理液で処理するように形成された処理装置(1)であって、
前記半導体物体(2)を保持するための、処理チャンバ(3)の内部に配置された保持手段(4)と、前記水性処理液を前記処理チャンバ(3)内に保持された前記半導体物体(2)上へ分配するための、前記処理チャンバ(3)内に配置された分配手段(5)とを備えた処理チャンバ(3)と、
前記処理チャンバ(3)内の前記分配手段(5)に、前記水性処理液を送るための供給装置(7)であって、前記供給装置(7)が、
少なくとも2種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を貯えるように形成された、少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)を備えた化学物質供給ユニット(8)を含み、
前記化学物質容器(9,10,11)のそれぞれが、下流側で、前記処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を取り出すためのそれぞれ1つの化学物質輸送管路(13,14,15)及びそれぞれ1つの化学物質搬送装置(16,17,18)が割り当てられている、
供給装置(7)と、
水、特に、脱イオン水を提供するための給水ユニット(19)であって、水を案内するための少なくとも1つの水管路(20,21,22)を有している、給水ユニット(19)と、
を有している前記処理装置(1)において、
前記給水ユニット(19)の前記少なくとも1つの水管路(20,21,22)、及び前記化学物質供給ユニット(8)の前記化学物質輸送管路(13,14,15)が、直接又は間接に、且つ/又は少なくとも1つの開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段(25,26,27)を介して、単一の処理液送達管路(24)に接続されており、これにより混合ユニット(28)が形成されており、前記単一の処理液送達管路(24)が、前記処理チャンバ(3)内に配置された前記分配手段(5)と管路接続されている
ことを特徴とする、処理装置(1)。
【請求項2】
前記給水ユニット(19)が、前記混合ユニット(28)に接続された少なくとも2つの水管路(20,21,22)を有しており、前記単一の処理液送達管路(24)との接続部の上流側で、前記水管路(20,21,22)のそれぞれが少なくとも1つの前記化学物質輸送管路(13,14,15)と接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の処理装置(1)。
【請求項3】
前記化学物質供給ユニット(8)が少なくとも3つの前記化学物質容器(9,10,11)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の処理装置(1)。
【請求項4】
第1化学物質容器(9)が濃硫酸を貯えるために形成されており、第2化学物質容器(10)が過酸化水素の水溶液を貯えるために形成されており、そして第3化学物質容器(11)が希フッ化水素酸を貯えるために形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の処理装置(1)。
【請求項5】
前記混合ユニット(28)内で、前記混合ユニット(28)に接続された前記水管路(20,21,22)がそれぞれ、開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段(25,26,27)内へ開口しており、前記遮断手段(25,26,27)が遮断手段群(29)を形成するように前記遮断手段(25,26,27)が下流側で互いに管路接続されており、前記単一の処理液送達管路(24)が前記遮断手段群(29)と管路接続されていることを特徴とする、請求項2から4のいずれか1項に記載の処理装置(1)。
【請求項6】
前記混合ユニット(28)に接続された前記水管路(20,21,22)の数が、前記混合ユニット(28)に接続された前記化学物質輸送管路(13,14,15)の数に相当し、前記混合ユニット(28)内で、それぞれ1つの前記化学物質輸送管路(13,14,15)のみが、前記混合ユニット(28)に接続された前記水管路(20,21,22)のうちの1つの水管路内へ正確に開口していることを特徴とする、請求項2から5のいずれか1項に記載の処理装置(1)。
【請求項7】
前記供給装置(7)が、前記混合ユニット(28)に通じる少なくとも1つの水管路(20,21,22,33)内へ二酸化炭素ガスを計量して導入するための計量ユニット(39)をさらに含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の処理装置(1)。
【請求項8】
前記給水ユニット(19)が、水、特に、脱イオン水を加熱するための加熱装置(47)を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の処理装置(1)。
【請求項9】
前記少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)が、それぞれ1つの3方向切り換え装置(30)を有し、それぞれに割り当てられた前記化学物質容器(9,10,11)へ戻るバイパス管路(31)をそれぞれ備えていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の処理装置(1)。
【請求項10】
半導体物体(2)を水性処理液で処理するための方法であって、
少なくとも2種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を、化学物質供給ユニット(8)の対応して形成された少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)内に貯えること、
水、特に、脱イオン水を給水ユニット(19)によって提供し、
前記給水ユニット(19)の少なくとも1つの水管路(20,21,22)が、供給装置(7)の混合ユニット(28)に接続されており、前記水が前記混合ユニット(28)に、前記混合ユニットに接続された前記少なくとも1つの水管路(20,21,22)によって供給されること、
前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を前記少なくとも2種の化学物質容器(9,10,11)から取り出し、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を、少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)及び少なくとも2つの化学物質搬送装置(16,17,18)によって、前記混合ユニット(28)内へ供給し、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)が、前記少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)に下流側でそれぞれ割り当てられ、そして前記少なくとも2つの化学物質搬送装置が前記少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)にそれぞれ割り当てられていること、
前記混合ユニット(28)内で、前記給水ユニット(19)の前記少なくとも1つの水管路(20,21,22)、及び前記化学物質供給ユニット(8)の前記少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)が、直接又は間接に、且つ/又は少なくとも1つの開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段(25)を介して、単一の処理液送達管路(24)と接続されていることにより、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液と、水とを前記混合ユニット(28)内で混合することによって前記水性処理液を形成すること、
前記水性処理液を、処理チャンバ(3)内に配置された分配手段(5)へ前記単一の処理液送達管路(24)によって送達することにより、前記水性処理液を前記処理チャンバ(3)内へ供給し、
前記水性処理液が、前記処理チャンバ(3)内に配置された分配手段(5)によって、前記処理チャンバ(3)の内部に保持手段(4)によって保持された半導体物体(2)上へ分配されること
を有する、半導体物体(2)を水性処理液で処理するための方法。
【請求項11】
前記給水ユニット(19)の、前記混合ユニット(28)に接続された少なくとも2つの水管路(20,21,22)によって、前記混合ユニット(28)に水を供給し、前記単一の処理液送達管路(24)との接続部の上流側で、前記水管路(20,21,22)のそれぞれへ、少なくとも1種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が導入されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも3種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を、前記化学物質供給ユニット(8)の対応する少なくとも3つの化学物質容器(9,10,11)内に貯えることを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
第1化学物質容器(9)内に濃硫酸を貯え、第2化学物質容器(10)内に過酸化水素の水溶液を貯え、第3化学物質容器(11)内に希フッ化水素酸を貯えることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記混合ユニット(28)に接続された前記少なくとも2つの水管路(20,21,22)によって、前記少なくとも2つの水管路(20,21,22)にそれぞれ割り当てられた、開放された遮断手段(25,26,27)を介して、前記混合ユニット(28)に前記水が供給され、前記遮断手段(25,26,27)によって遮断手段群(29)が形成されるように前記遮断手段(25,26,27)が下流側で互いに管路接続されており、前記混合ユニット(28)内に形成された処理液が、前記遮断手段群(29)から前記単一の処理液送達管路(24)内へ放出されることを特徴とする、請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記混合ユニット(28)内で、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)のうちのそれぞれ1つから、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液のうちのそれぞれ1種のみが、前記遮断手段群(29)の上流側で、前記混合ユニット(28)に接続された前記少なくとも2つの水管路(20,21,22)のうちのそれぞれの1つの水管路内へ正確に導入されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記混合ユニットに通じる少なくとも1つの水管路(20,21,22,33)内の水の中に、計量ユニット(39)によって二酸化炭素ガスが計量されて導入されることを特徴とする、請求項10から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記混合ユニット(28)へ供給された前記水の少なくとも一部の量が、前記混合ユニット(28)内への供給前に、加熱装置(47)によって加熱されることを特徴とする、請求項10から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が、前記処理チャンバ(3)内で前記半導体物体(2)を処理するための使用の前に、少なくとも2つの前記化学物質容器(9,10,11)のそれぞれに割り当てられた3方向切り換え装置(30)と、それぞれ関連する前記化学物質容器(9,10,11)内へそれぞれ戻るバイパス管路(31)とを介して循環式に、それぞれ関連する前記化学物質容器(9,10,11)内へポンピングされ、且つ、前記処理チャンバ(3)内で前記半導体物体(2)の処理に使用される前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が、前記3方向切り換え装置(31)を切り換えることにより、前記少なくとも2つの化学物質搬送装置(16,17,18)によって、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)を介して前記混合ユニット(28)に供給されることを特徴とする、請求項10から17のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体物体、特に半導体ウエハーを水性処理液で処理するための処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の半導体産業において、半導体部品が、大抵の場合、半導体基板、又はウエハー上に大量に製造されることは、よく知られている。このような半導体素子を製造するためには、ウエハー表面が多数の作業工程で構造化されるように加工される。極めて頻繁に用いられる半導体技術の処理工程は、例えば(ネガ又はポジ)フォトレジストもしくはフォトラック(Photolacke)、及びこれらの構造化露光処理(リソグラフィもしくはフォトリソグラフィ)、析出又はエッチングプロセス、ドープを施すことであり、そしてまた、機械的加工工程、例えば研磨などでもある。半導体部品を製造するための半導体技術の処理工程は、基本的には、半導体ウエハーに限定されるのではなく、他の半導体素子もしくは半導体物体の処理にも使用することができる。
【0003】
もちろん、このような半導体技術の処理工程の少なくともいくつか、例えば機械的な研磨又はエッチング工程は、半導体基板もしくは半導体物体の表面に望まれない汚染物もしくは残留物の形成を伴う。また、例えば架橋されたフォトレジストも、エッチング工程又は添加剤の分離工程後に半導体物体の表面に残留する。半導体物体における後続の作業工程を実施するためには、極めて小さな寸法の精度に対する要求が極めて高いことにも起因して、このような残留物の除去は不可避である。
【0004】
加工に起因するこのようなこのような汚染物もしくは残留物は、種々異なる性質を有することがあり、もしくはこのような残留物は、種々異なる物質を含み得る。多くの場合、このような残留物は「ポリマー」残留物又は単純に「ポリマー」と呼ばれる。それというのは、これらはしばしばポリマー特性もしくは少なくともオリゴマー特性を有するからである。
【0005】
大抵の場合、このような残留物、すなわち「ポリマー」残留物を除去するために、付加的な洗浄用の化学薬品を使用しながら、半導体基板もしくは半導体物体をすすぐことが必要となる。それというのは、半導体の処理工程に由来するこのような残留物は一般的には純水中に難溶であり、ないしは全く溶解しないからである。この場合には複数の化学薬品を使用することが適切であることが多く、これらの化学薬品は、半導体物体を洗浄して問題となる残留物を除去するために、連続的に使用することも、特に同時に使用することもできる。除去されるべき残留物の特殊な要件もしくは特殊な性質により、極めて強力な化学薬品、例えば強酸又は強酸化剤が必要となることも多い。
【0006】
今日では、半導体技術の処理工程間に半導体物体を処理する場合、調合済みの処理用化学溶液を容器内に準備し、このような溶液を必要に応じて半導体物体を洗浄するために使用することが、日常的に実践されている。しかし、このような処置はいくつかの観点において、問題をはらむことがある。
【0007】
例えば、予め調製された化学薬品を含む洗浄溶液の使用は、洗浄工程の時間または持続時間に関しても、使用可能な化学薬品及び化学薬品の濃度に関しても、限定的である。具体的には、複数の化学薬品を同時に使用するときには、このような化学薬品もしくは処理用の化学薬品がすでに、予め調製された噴霧溶液中もしくは洗浄溶液中で化学的に高い反応性を有するという問題も存在する。このことにより、このような洗浄用の化学薬品の有効濃度が短い時間スケールで急激に低下するので、このような化学薬品の混合物は極めて短い時間にわたってしか安定に貯蔵できなくなる。そしてこのことにより、もはや使用できない、望まれない大量の化学薬品の廃棄物が発生し、この廃棄物を高いコストで廃棄しなければならなくなるおそれがある。
【0008】
半導体物体を処理するため、もしくは洗浄するための一般的な処理装置及び方法が、例えば特許文献1に開示されている。例えば特許文献1には、物体を洗浄するための洗浄装置、並びに、このような洗浄装置に化学的液体を供給するための装置が開示されている。具体的には、特許文献1には、濃縮した化学薬品溶液を調製し、これらの濃縮した化学薬品溶液を、洗浄装置内への導入前に、脱イオン水で希釈してフラッシング溶液にすることが教示されている。より正確には、特許文献1には、それぞれ1種の濃縮した化学薬品溶液を1つの容器から2つの流れに分割し、両方の流れを脱イオン水で希釈し、そして希釈済みフラッシング溶液を、相異なる分配器もしくは噴霧ノズルを介して、洗浄装置内へ導入することが開示されている。極めて類似の装置もしくは極めて類似の方法が、例えば特許文献2にも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第11,358,253号明細書
【特許文献2】韓国公開特許第2004-0036288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、従来技術の今なお存在する欠点を克服し、そして改善された適応性及び持続可能性を持って、しかし高度な複雑さ及び多大な手間なしに、半導体物体を高効率で処理もしくは洗浄し得る装置及び方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような課題は、特許請求の範囲に記載の装置及び方法によって解決される。
【0012】
本発明の処理装置は、半導体物体を水性処理液で処理もしくは洗浄するように形成されている。
【0013】
装置は、処理チャンバと、当該処理チャンバの内部に配置され、半導体物体を保持するための保持手段と、当該処理チャンバ内に保持された前記半導体物体上へ水性処理液を分配するための、当該処理チャンバ内に配置された分配手段と、を備えた処理チャンバを備える。
【0014】
さらに、処理装置は前記処理チャンバ内の前記分配手段に、前記水性処理液を送るための供給装置を含む。
【0015】
このような供給装置は、少なくとも2種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を貯蔵するために形成された、少なくとも2つの化学薬品容器を備えた化学薬品供給ユニットを備える。前記少なくとも2つの化学薬品容器のそれぞれに、もしくは前記少なくとも2つの化学薬品容器には、下流の化学薬品輸送管路が、前記処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を取り出すための化学薬品搬送装置とともに配置されている。
【0016】
さらに、前記供給装置が、水、特に脱イオン水を提供するための給水ユニットを含み、前記給水ユニットが、水を案内するための少なくとも1つの水管路を有している。
【0017】
前記給水ユニットのこのような少なくとも1つの水管路、及び前記化学薬品供給ユニットの前記化学薬品輸送管路、もしくは前記少なくとも2つの化学薬品輸送管路は、直接又は間接に、且つ/又は少なくとも1つの開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段を介して、単一の処理液送達管路に接続されており、これにより混合ユニットが形成されている。前記単一の処理液送達管路は、前記水性処理液を前記処理チャンバ内へ導入するために、前記処理チャンバ内に配置された前記分配手段と管路接続されている。
【発明の効果】
【0018】
「管路接続される(leitungsverbunden)」という用語は、ここではそして以下では、例えば直接的に互いに導き入れること、又は別個の接続管路を介した間接的な接続等、構成要素のあらゆる直接又は間接の管路接続を意味すると理解される。
【0019】
このような構成の特徴によって、具体的には使用可能な化学薬品に関して改善された効率、持続可能性、及び順応性をもって処理装置を運転することができる。水性処理液の組成、もしくはその処理用化学薬品もしくは洗浄用の化学薬品の含量は、処理工程もしくはすすぎ工程に対するその都度の要件に柔軟に適合させることができる。処理工程もしくはすすぎ工程のために水性処理液のその都度の化学薬品の組成を自由に選択でき、同時に処理用の化学薬品もしくは処理用の化学薬品の水溶液を、依然として長期にわたって安定に貯蔵し、もしくは貯え得るので有利である。さらに、所定の水性処理液に対する汚染のリスクを効果的に阻止することもできる。それというのは所定の化学組成を有する水性処理液は、一回だけしか使用されないからである。
【0020】
さらに、処理工程は改善された時間効率で行うことができる。それというのは、複数の化学薬品もしくは処理用の化学薬品を所定の処理工程のために同時に使用することができ、そして複数の、連続した処理工程もしくはすすぎ工程を回避し得るからである。これにより、1バッチの半導体物体、例えばウエハーの処理もしくは洗浄のための時間全体を有利に短く保つことができる。他方において、すすぎ工程もしくは処理工程のためのプロセス時間を自由に選択することができる。それというのは、化学物質容器内に貯えられた処理用の化学薬品又は化学物質の水溶液を任意に取り出すことができ、そして水性処理液の形成のために使用できるからである。
【0021】
しかしさらに、水性処理液中に含有される処理用の化学薬品が、処理チャンバ内への導入もしくは分配の前に良好且つ均質に混合されるので、処理チャンバ内に保持されたすべての半導体物体が化学的に同様に処理もしくは洗浄されることも保証し得る。個々の半導体物体の処理における不均一性をこれにより防止することができるので、一方では、処理強度が低いことに起因して個々の半導体物体が廃棄されるリスクを防止することができ、しかし他方では、処理チャンバ内のすべての半導体物体に対して十分な処理もしくは洗浄強度を保証する目的で、処理工程の時間を長くすることも防止し得る。
【0022】
処理チャンバは、その都度の構成が半導体物体の保持及び処理を可能にする限り、基本的には任意に構成されていてよい。半導体物体が例えばウエハーとして形成されているときには、処理チャンバは、それ自体通常そうであるように、回転軸線を中心として回転可能なロータとして形成することにより、半導体物体もしくはウエハー上への水性処理液のできる限り均一な分配を達成し得る。保持手段は、やはり周知のように、例えば半導体物体もしくはウエハーを保持するための溝を備えた保持レールによって形成されていてよい。分配手段は、例えば管路接続された複数の噴霧ノズルもしくはスプリンクラーによって形成されていてよく、噴霧ノズルもしくはスプリンクラーには、単一の共通の処理液送達管路を介して、その都度の水性処理液を供給することができる。この場合、管路接続された複数のこのような噴霧ノズルが、例えば噴霧ノズル列の形態を成して、分配手段として処理チャンバ内に配置されることが、十分に可能である。そして、このような分配手段は、各分配手段に処理液を供給することができるように、それぞれ個別の送達管路を介して、単一の共通の処理液送達管路と管路接続することができる。
【0023】
さらに、処理チャンバはさらなる付加的な分配手段を有することができ、これらのさらなる分配手段は、給水ユニットによって提供された水、特に脱イオン水を導入するための別個の水送達管路と接続されていてよい。これは、1種又は2種以上の水性処理液を用いた1つ又は2つ以上の処理の間又は処理の後に、純水、特に脱イオンを用いた半導体物体のフラッシングを可能にする。さらに、処理チャンバは通常通り、半導体物体への作用後に処理チャンバから液体を流出させるための1つ又は2つ以上の流出部を含むことができる。
【0024】
前記少なくとも2つの化学物質容器は、それぞれの処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を導入するための供給管路を有するように構成されていてよく、これらの供給管路は、化学物質もしくは処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液のための外部提供装置と接続されていてよい。
【0025】
同様に、給水ユニットも高純水、特に脱イオン水用の外部給水装置と接続されていてよい。水を水管路内に水をくみ上げるための給水ユニットは水ポンプを設けることができる。しかし、この代わりに、外部給水装置は、例えば外部の水ポンプによって供給される水を加圧状態に保つこともできるので、必要に応じて処理装置の給水ユニット用の水ポンプを省略することができる。
【0026】
それぞれ1つの化学物質容器に割り当てられた化学物質搬送装置は、主として化学物質ポンプとして形成されていてよい。しかしながら、基本的には、化学物質搬送装置の他の種類の構成、例えばベンチュリ・ノズルのようなものも考えられる。処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を輸送するために、化学物質容器を例えばガス等で加圧加圧することも、原理的に可能であるので、化学物質搬送装置は、対応する圧力負荷手段によって形成することもできる。最終的には、化学物質搬送装置によって、化学物質輸送管路を通した処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液の輸送もしくは搬送できなければならない。
【0027】
さらに、少なくとも2つの化学物質輸送管路並びに少なくとも1つの水管路内には、流量調節手段と流量監視手段もしくは流量センサとを配置することができる。例えば、化学物質供給ユニットの少なくとも2つの化学物質搬送装置は、流量調節可能な、例えば速度調節可能な化学物質ポンプとして形成されていてよい。あるいは、少なくとも2つの化学物質輸送管路及び/又は少なくとも1つの水管路内に、専用の流量調節手段、例えば流量調節弁を配置することができる。処理チャンバ内へ導入される水性処理液のそれぞれの混合比もしくは化学物質濃度を、導入前に個別に設定することができる。それぞれの媒体流量、すなわち、処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液及び水の流量だけでなく、単一の処理液送達管路を通る水性処理液の流量も、このように自由に選択可能なパラメータであり、状況に応じて、もしくは洗浄要件に応じて選択することができる。
【0028】
存在するすべての電子制御可能な制御手段及びプロセス監視手段、例えば処理装置のポンプ、弁、及びセンサはもちろん、信号を使用して電子制御装置と技術的に接続できるので、処理装置の自動制御が可能になる。
【0029】
処理装置のさらなる構成では、前記給水ユニットが、前記混合ユニットに接続された少なくとも2つの水管路を有しており、前記単一の処理液送達管路との接続部の上流側で、前記水管路のそれぞれが少なくとも1つの化学物質輸送管路と接続されていてよい。
【0030】
処理装置の操作時、このような特徴は、このような水溶液を組み合わせて水性処理液を形成する前に、処理用の化学薬品の別々の希釈溶液を製造することを可能にする。これにより、処理チャンバ内への導入前に、処理用の化学薬品の急激な動力学的反応を、有利には少なくとも抑制することができる。
【0031】
処理装置のさらなる構成では、前記化学物質供給ユニットが少なくとも3つの化学物質容器を備えることができる。
【0032】
これにより、具体的には、半導体物体の処理のために提供される化学物質もしくは処理用の化学薬品の数を増大させ、ひいては処理装置の操作時の順応性をさらに高めることができる。
【0033】
例えば、作業工程間の半導体物体の特定の処理のためには、第1化学物質容器が濃硫酸を貯蔵するために構成されており、第2化学物質容器が過酸化水素の水溶液を貯蔵するために構成されており、そして第3化学物質容器が希フッ化水素酸を貯蔵するために構成されていると好都合である。
【0034】
このような処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液の貯蔵はしたがって有意義である。それというのは、このような処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液、及びこれらの相互の組み合わせによって、例えばエッチング工程等の作業工程後の多数の処理工程もしくはすすぎ工程をカバーできるからである。例えば、過酸化水素と硫酸との組み合わせを含む水性処理液の使用が多くの処理工程もしくはすすぎ工程に効率的であることが判っている。
【0035】
有利には、前記混合ユニット内で、前記混合ユニットに接続されたそれぞれの水管路、もしくは前記混合ユニットに接続された前記少なくとも2つの水管路がそれぞれ、開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段内へ開口しており、前記遮断手段によって遮断手段群が形成されるように前記遮断手段が下流側で互いに管路接続されており、前記単一の処理液送達管路が前記遮断手段群と管路接続されている、処理装置の実施形態が設けられていてもよい。
【0036】
この場合の利点は、一方では、希釈された水溶液を混合ユニット内へ迅速且つ正確に送達し得ることである。さらに、混合ユニット内もしくはその遮断手段群内へ供給された希釈溶液は、対流により渦流付与され、予備混合もしくは均質化され得る。これにより、処理チャンバ内のすべての半導体物体を、均質に混合された処理用の化学薬品を含む水性処理液によって均一に処理することが保証される。化学物質供給ユニットの少なくとも2つの化学物質輸送管路は、例えば、それぞれが、遮断手段の1つに通じることもできる。
【0037】
しかし。この文脈では、前記混合ユニットに接続された水管路の数が、前記混合ユニットに接続された化学物質輸送管路の数に対応し、前記混合ユニット内の単一の化学物質輸送管路だけが、前記混合ユニットに接続された水管路のうち正確に1つの水管路内へ開口していても有利であり得る。
【0038】
換言すれば、前記単一の処理液送達管路との接続部の上流側で、化学物質輸送管路のうちの1つの化学物質輸送管路が、2つ以上の化学物質輸送管路が同一の水管路内に開口しないように、水管路のうちの1つの水管路内へ正確に開口していてよい。このような特徴により、とりわけ、処理チャンバ内の半導体物体を処理するための水性処理液を、さらに改善された、正確に制御された製造を行うことが可能になる。それぞれの化学物質輸送管路は、この場合、上述の遮断手段群の上流側で、水管路のうちの1つの水管路内へ正確に開口することができる。
【0039】
処理装置のさらなる構成では、前記供給装置が、前記混合ユニットに通じる少なくとも1つの水管路内へ二酸化炭素ガスを計量導入するための計量ユニットをさらに含んでいてよい。
【0040】
このことが処理装置の操作時にもたらす利点は、特に、発生する炭酸によって、水と水性処理液とを低腐食性にすることができ、ひいてはウエハーに対して少なくともある程度の腐食防止作用を与えられることである。さらに、これにより、処理装置のメンテナンスの必要なしに、できる限り長い耐用年数を確保することができ、もしくはメンテナンス間隔を長くすることができる。
【0041】
さらに、前記給水ユニットが、水、特に脱イオン水を加熱するための加熱装置を備える、処理装置のさらなる構成が有利であり得る。
【0042】
これにより、水性処理液に、そしてまた例えば処理チャンバ内へ別個に導入されるフラッシング水、特に脱イオンされたフラッシング水も、所望される使用温度にすることができる。ここでの利点は例えば、高められた温度によって洗浄工程を促進することができ、これにより、より処理工程もしくはすすぎ工程を短縮することができ、ひいては処理時間の短縮が可能になることである。加熱装置は例えば、給水ユニットの、主水管路に対して並列に延びるバイパス管路内に配置することができ、主水管路内には3方向切り換え手段、もしくは3方向切り換え弁、又は3方向調節手段もしくは3方向調節弁を配置することができ、これにより、供給される水、特に脱イオン水を加熱するために、加熱装置を介して目標とする分流させることができる。あるいは、3方向形態の代わりに、それぞれ2つの2方向切り換え手段、具体的には2方向調節手段の組み合わせを使用することももちろん可能である。調節手段もしくは調節弁を配置する場合、処理装置の操作時に、給水ユニットへ供給される水の一部の量だけを、バイパス管路内に配置された加熱装置によって加熱することもできる。
【0043】
処理装置のさらなる有利な構成では、前記少なくとも2つの化学物質容器に、それぞれ1つの3方向切り換え装置と、それぞれの化学物質容器内へ戻るもしくは戻り開口するバイパス管路とが割り当てられる。
【0044】
処理装置のこのような構成の特徴は、主として処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を混合ユニット内へ極めて迅速に、もしくは迅速に制御可能に供給し得ることである。これにより、処理装置の操作時、続いて水性処理液の製造のために処理用の化学薬品を極めて迅速に提供することができ、したがって水性処理液の組成物を、別の組成もしくは別の処理用の化学薬品を含む処理液に極めて迅速に交換することもできる。それというのは、個々の処理用の化学薬品もしくは処理用の化学薬品の水溶液はすでに流れの中にあり、最初に流れにセットする必要はないからである。3方向切り換え装置は、例えば3方向切り換え手段もしくは3方向切り換え弁、又は2つの2方向切り換え手段もしくは2方向切り換え弁、化学物質輸送管路内の1つの2方向切り換え手段と、化学物質容器内へ戻り開口するバイパス管路内の1つの2方向切り換え手段の組み合わせによって実現することができる。具体的には、3方向切り換え装置は、例えば3方向調節弁、又はそれぞれ2つの2方向調節弁の組み合わせによって形成されていてよく、これにより、それぞれ化学物質輸送管路を介して混合ユニットへ供給される流れ、もしくは供給される量を制御することができる。
【0045】
本発明の課題は、半導体物体を水性処理液で処理するための方法によっても解決される。
【0046】
方法は下記工程を有する:
少なくとも2種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を、化学物質供給ユニットのこのために形成された少なくとも2つの化学物質容器内に貯えること。
【0047】
さらに、水、特に脱イオン水を給水ユニットによって提供する。前記給水ユニットの少なくとも1つの水管路が、前記供給装置の混合ユニットに接続されており、そして前記水が前記混合ユニットに、もしくは前記混合ユニット内へ、前記混合ユニットに接続された前記少なくとも1つの水管路によって供給されること。
【0048】
具体的には水を混合ユニットへ供給するのと同時に実施されるさらなる方法工程は、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を前記少なくとも2種の化学物質容器から取り出し、そして前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を、少なくとも2つの化学物質輸送管路及び少なくとも2つの化学物質搬送装置によって、前記混合ユニット内へ供給し、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路が、前記少なくとも2つの化学物質容器に下流側でそれぞれ割り当てられ、そして前記少なくとも2つの化学物質搬送装置が前記少なくとも2つの化学物質容器にそれぞれ割り当てられていること、である。
【0049】
さらに、もしくは水と前記少なくとも2種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液とを供給することによって、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液と、水とを前記混合ユニット内で混合することによって前記水性処理液を形成することであって、この際、前記混合ユニット内で、前記給水ユニットの前記少なくとも1つの水管路、及び前記化学物質供給ユニットの前記少なくとも2つの化学物質輸送管路が、直接又は間接に、且つ/又は少なくとも1つの開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段を介して、単一の処理液送達管路に接続される。
【0050】
さらに、前記水性処理液を、前記処理チャンバ内に配置された分配手段へ前記単一の処理液送達管路によって送達することにより、前記水性処理液を処理チャンバ内へ供給することであって、前記水性処理液が、前記処理チャンバ内に配置された分配手段によって、前記処理チャンバの内部に保持手段によって保持された半導体物体上へ分配される。
【0051】
このような方法手段によって、改善された処理効率、処理の持続可能性、及び処理の順応性を有する、半導体物体を処理する方法を提供できる。具体的には、半導体物体は複数の処理用の化学薬品によって同時に処理することができる。これにより、水性処理液の組成は、処理工程もしくはすすぎ工程に対する要件に、柔軟に且つ目的に合わせて適合させることができる。複数の処理用の化学薬品を同時に利用するにもかかわらず、このような処理用の化学薬品又はその水溶液は、長期にわたって安定に貯蔵し、もしくは備蓄することができる。さらに、特定の化学組成を有する水性処理液は、一度しか使用されないため、特定の水性処理液に対する汚染のリスクを効果的に阻止することもできる。
【0052】
さらに、複数の化学物質もしくは処理用の化学薬品を所定の処理工程のために同時に使用することができ、そして複数の、連続した処理工程もしくはすすぎ工程を回避できるので、記載された工程によって、改善された時間効率を有する方法が提供される。そしてさらに、水性処理液中に含有される処理用の化学薬品が、処理チャンバ内への導入もしくは分配の前に良好且つ均質に混合されるも保証されるので、処理チャンバ内に保持されたすべての半導体物体が同様方法で化学的に処理もしくは洗浄される。
【0053】
具体的には、記載の方法は、上記のような、そして図1に基づき以下に説明するような処理装置を運転するように提供されていてよい。
【0054】
処理チャンバは、それ自体は通常そうであるように、ロータとして構成されていてよく、そして処理工程中には回転軸線を中心として回転することができる。分配手段は、例えば管路接続された複数の噴霧ノズルもしくはスプリンクラーによって形成することができ、噴霧ノズルもしくはスプリンクラーには、処理工程中に、単一の共通の処理液送達管路を介して、それぞれの水性処理液を供給することができる。この場合、管路接続された複数のこのような噴霧ノズルが、例えば噴霧ノズル列の形態を成して、分配手段として処理チャンバ内に配置されることが十分に可能である。このような分配手段は次いでそれぞれ別個の送達管路を介して、単一の共通の処理液送達管路と管路接続することが可能であり、このようにして、処理チャンバ内の分配手段のそれぞれに処理液を供給することができる。
【0055】
さらに、処理チャンバは付加的な分配手段を有することが可能であり、これらのさらなる分配手段は、給水ユニットによって供給された水、特に脱イオン水を導入するための別個の水送達管路と接続することができる。これにより、水性処理液を用いた処理工程後に、半導体物体は純水、具体的に脱イオンを用いてすすぐことができる。それぞれの処理液は、処理工程後に、処理チャンバの流出部を介して排出することができる。
【0056】
少なくとも2つの化学物質容器には、供給管路を介して、それぞれの処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を外部提供装置から供給することができる。
【0057】
給水ユニットには、外部給水装置によって高純水、特に脱イオン水を供給することも可能である。水管路内の水は水ポンプによって、給水ユニットに搬送することができる。しかしながらこの代わりに、外部給水装置は、例えば外部の水ポンプによって供給される水を予備加圧状態に保つこともでき、これにより水ポンプによる給水ユニットへの搬送を場合によっては省略することができる。
【0058】
それぞれ1つの化学物質容器に割り当てられた化学物質搬送装置は、化学物質ポンプによって構成することができる。しかしながら、原理的には、化学物質搬送装置の他の種類の構成、例えばベンチュリ・ノズルとしての構成も考えられる。しかしながら、処理用の化学薬品もしくは処理用の化学薬品の水溶液の搬送を、化学物質容器を例えばガスで圧力負荷することによって行うことも可能である。
【0059】
さらに搬送は、混合ユニット内へ開口する少なくとも2つの化学物質輸送管路並びに少なくとも1つの水管路内で、流量調節手段と流量監視手段とによって実施されてよい。流量調節のために、例えば化学物質供給ユニットの少なくとも2つの化学物質搬送装置は、流量調節可能な、例えば回転数調節可能な化学物質ポンプとして形成されていてよい。あるいは、少なくとも2つの化学物質輸送管路及び/又は少なくとも1つの水管路内に、専用の流量調節手段、例えば流量調節弁を配置することもできる。処理チャンバ内に導入される水性処理液のそれぞれの混合比もしくは化学物質濃度を、導入前に個々に設定することができる。処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液及び水のそれぞれの媒体流量、つまり流量、そしてまた単一の処理液送達管路を通る水性処理液の流量は、このように自由に選択可能なパラメータであり、そして状況に応じて、もしくは洗浄要件に応じて選択することができる。個々の流量は流量センサによって監視することもできる。
【0060】
既存すべての制御手段、例えば処理装置のポンプ、弁、及びセンサはもちろん、電子制御装置に接続可能であり、工程は自動制御式に実施される。
【0061】
方法の1つの構成では、前記給水ユニットの、前記混合ユニットに接続された少なくとも2つの水管路によって、前記混合ユニットに水を供給し、前記単一の処理液送達管路との接続部の上流側で、前記混合ユニット内で前記水管路のそれぞれへ、少なくとも1種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が導入されるようになっていてよい。
【0062】
このような手段は、水性処理液を形成するためにこのような水溶液を組み合わせる前に、処理用の化学薬品の別々の希釈溶液を製造することを可能にする。これにより、処理チャンバ内への導入前に、処理用の化学薬品の相互の急速な速度論的反応を、有利には少なくとも抑制することができる。
【0063】
さらに方法の1つの構成では、少なくとも3種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液が、前記化学物質供給ユニットのこの目的のために設計された少なくとも3つの化学物質容器内に貯蔵される方法の実施形態を提供することができる。
【0064】
これにより、具体的には、半導体物体の処理のために提供される化学物質もしくは処理用の化学薬品の数を増やすことができ、ひいては方法の順応性をさらに高めることができる。
【0065】
ここでは、第1化学物質容器内に濃硫酸を貯蔵し、第2化学物質容器内に過酸化水素の水溶液を貯蔵し、そして第3化学物質容器内に希フッ化水素酸を貯蔵することが特に有用である。
【0066】
このような処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液の貯蔵、及び処理のためにこれらを使用することは、有意義である。それというのは、このような処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液、及びこれらの相互の組み合わせによって、作業工程後、例えばエッチング工程後の多数の処理工程もしくはすすぎ工程をカバーできるからである。例えば、多くのポリマー汚染物の除去のために、過酸化水素と硫酸との組み合わせを含む水性処理液の使用が効率的であることが照明されている。
【0067】
有利には、方法の1つの実施形態では、前記混合ユニットに接続された前記少なくとも2つの水管路によって、前記少なくとも2つの水管路にそれぞれ割り当てられた、開放された遮断手段を介して、前記混合ユニットに水が供給され、前記遮断手段によって遮断手段群が形成されるように、前記遮断手段が下流側で互いに管路接続されており、前記混合ユニット内に形成された処理液が、前記遮断手段群から前記単一の処理液送達管路内へ排出されるようにすることができる。
【0068】
この場合の利点は、一方では、希釈された水溶液を混合ユニット内へ迅速且つ正確に送達し得ることである。さらに、混合ユニット内又はその遮断手段群内へ導入された希釈溶液は、水性処理液の導入前に、対流により流れが与えられ、予備混合もしくは均質化され得る。これにより、処理チャンバ内のすべての半導体物体を、均質に混合された処理用の化学薬品を含む水性処理液によって均一に処理することを確実にする。少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液は、例えば、遮断手段の1つにそれぞれ導入することもできる。
【0069】
しかしながら、この文脈において、この方法の場合、混合ユニット内で、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路のうちのそれぞれ1つのみから、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液のうちのそれぞれ1種だけが、前記遮断手段群の上流側で、前記混合ユニットに接続された前記少なくとも2つの水管路のうちのそれぞれ正確に1つの水管路内へ導入されるようにすることができる。
【0070】
換言すれば、単一の処理液送達管路との接続部の上流側で、もしくは混合ユニット内で、2種以上の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が単一の水管路内に導入されないように、処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液のそれぞれ1種が水管路のうちの正確に1つの水管路内へ導入されるようになっていてよい。とりわけ、このような方法の工程により、処理チャンバ内の半導体物体を処理するための水性処理液の、さらに改善された、正確に制御された製造を可能にする。
【0071】
方法のさらなる構成の場合、前記混合ユニットに通じる少なくとも1つの水管路内の水中に、計量ユニットによって二酸化炭素ガスが計量されて導入されるようになっていてよい。
【0072】
したがってこのような方法手段は有利である。なぜならば、とりわけ、発生する炭酸によって、水もしくは水性処理液の腐食性を低減することができ、ひいてはウエハーのために少なくともある程度の腐食防止作用を提供するからである。
【0073】
有利には1つの方法構成において、前記混合ユニットへ供給された水の少なくとも一部の量が、前記混合ユニットに供給される前に、加熱装置によって加熱されるようになっていてもよい。
【0074】
このような手段により、水性処理液だけでなく、例えば処理チャンバ内へ別個に導入されるフラッシング水、特に、脱イオンされたフラッシング水にも、所望される使用温度を付与することができる。洗浄工程は、高められた温度によって有利に促進することができ、これにより、処理工程もしくはすすぎ工程を短縮し、ひいてはより短い処理時間が可能になる。例えば、加熱のために、給水ユニット内の水は、給水ユニットの、主水管路に対して並列に延びるバイパス管路を介して、加熱装置内へ供給され、そしてその後、主水管路内へ再び戻すことができる。この目的のため、主水管路内には、3方向切り換え手段、もしくは3方向切り換え弁、又は3方向調節手段もしくは3方向調節弁が配置されていてよく、これにより、供給される水、特に脱イオン水の目標分流を、水を加熱するための加熱装置を介して行うことができる。あるいは、3方向形態の代わりに、それぞれ2方向切り換え手段、具体的には2方向調節手段の組み合わせを使用することももちろん可能である。調節手段もしくは調節弁を使用する場合、給水ユニットへ供給される水の一部の量だけを、バイパス管路内に配置された加熱装置を介して加熱することもできる。
【0075】
さらに、方法のさらなる構成において、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が、前記処理チャンバ内で前記半導体物体を処理するために使用する前に、前記少なくとも2つの化学物質容器にそれぞれ割り当てられた3方向切り換え装置と、前記それぞれ割り当てられた化学物質容器内へそれぞれ戻るバイパス管路とを介して、循環式に、前記それぞれ割り当てられた化学物質容器内へ送液され、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が、前記処理チャンバ内で前記半導体物体を処理するために使用するため、前記少なくとも2つの化学物質搬送装置によって、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路を介して、前記3方向切り換え装置を切り換えて前記混合ユニットに供給されると有利であり得る。
【0076】
このような方法工程によって、混合ユニットへの処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液の供給を、極めて迅速に制御可能に供給することができる。その結果、水性処理液を製造するための処理用の化学薬品を極めて迅速に提供することができ、したがって水性処理液の組成物を、別の組成もしくは別の処理用の化学薬品を有する処理液に極めて迅速に交換することもできる。それというのは、個々の処理用の化学薬品もしくは処理用の化学薬品の水溶液は、混合ユニット内への送達前にも、すでに循環して搬送され、最初に搬送を開始させる必要はないからである。3方向切り換え装置は、例えば3方向切り換え手段もしくは3方向切り換え弁、又は、化学物質輸送管路内の1つの2方向切り換え手段と、化学物質容器内へ戻り開口するバイパス管路内の1つの2方向切り換え手段により、2つの2方向切り換え手段もしくは2方向切り換え弁の組み合わせを用いて実現することができる。特に、3方向切り換え装置は、化学物質輸送管路を介して混合ユニットへ供給される流れ、もしくは供給される量を制御するために、3方向調節弁、又は、2つの2方向調節弁の組み合わせによって形成することが可能である。
【0077】
本発明のよりよい理解のために、下記図面に基づき本発明を詳述する。
【0078】
図面はそれぞれ著しく簡略化された概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1図1は、半導体物体を処理もしくは洗浄するための処理装置の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
最初に書き留めておくが、下記実施形態において、同一部分には同一参照符号もしくは同一構成部分符号を付す。説明全体に含まれる開示内容は、同一参照符号もしくは同一構成部分符号を有する同一部分に相応して転用することができる。また、説明において選択された位置に関する記述、例えば上、下、上流側、又は下流側などは、直接に説明され図示された図面に関するものであり、そして位置が変化したときには、これらの位置に関する記述は相応して新しい位置に転用することができる。
【0081】
図1には、水性処理液で半導体物体2を処理するための処理装置1の実施例が大まかに概略的に示されており、そしてまた水性処理液で半導体物体2を処理するための方法も示されている。処理装置1は、半導体物体2を処理するように形成されている。具体的には、処理装置1は、水性処理液で半導体物体2を洗浄することにより、先行の処理工程に起因する汚染物もしくは残留物を除去するように設けられていてよい。処理装置1はしたがって、洗浄装置、もしくは半導体物体を水性処理液で洗浄するための装置と呼ぶこともできる。
【0082】
図1から明らかなように、処理装置1は処理チャンバ3を有している。処理チャンバ3の内部には、半導体物体2を保持するための保持手段4が配置されている。さらに、処理チャンバ3内には、処理チャンバ3内に保持された半導体物体2上へ水性処理液を分配するための分配手段5が配置されている。
【0083】
それ自体は知られているように、処理チャンバ3は図1に示されているように、回転軸線を中心として回転可能なロータとして形成されていてよい。このようなロータはさらに回転可能に支承されており、そして図1には示されていない相応の回転駆動装置と接続されていてよい。図1に概略的に示された分配手段5は、例えば管路接続された複数の噴霧ノズルもしくはスプリンクラーによって形成されていてよい。図1にはこのような分配手段5が1つだけ示されている。さらに、処理チャンバ3は、それ自体は通常そうであるように、液体を排出するための1つの流出部6又は2つ以上の流出部6を有することができる。半導体物体2は、図1にも大まかに示されているように、半導体ウエハーによって形成されていてよい。
【0084】
処理装置1は、図1の実施例によれば、処理チャンバ3内の分配手段5に、水性処理液を送るための供給装置7をさらに有している。
【0085】
このような供給装置7は一方では、少なくとも2つの化学物質容器9,10,11を備えた化学物質供給ユニット8を含む。図1に示された実施例では、化学物質供給ユニット8は3つの化学物質容器9,10,11を有してはいるものの、もちろん図示の実施例のものよりも少ない又は多い化学物質容器9,10,11が設けられていてもよい。いずれの場合にも、化学物質容器9,10,11はそれぞれ、少なくとも2種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を貯えるように形成されている。図1に示された実施例の場合、例えば、第1化学物質容器9は、濃硫酸(HSO)、例えば約95%の硫酸を貯えるために形成されていてよい。第2化学物質容器10は、例えば過酸化水素(H)、例えば約30%の過酸化水素溶液を貯えるために形成されていてよい。第3化学物質容器11は図1に示された実施例の場合、最後に希フッ化水素酸(HF)、例えば約1%のフッ化水素酸を貯えるために形成されていてよい。
【0086】
前記少なくとも2つの、もしくは存在するすべての化学物質容器9,10,11は、図1から明らかなように、それぞれの処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を導入するための供給管路12を有するように構成されていてよい。これらの供給管路12は、これを目的として、図1には図示されていない、処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液のための外部提供装置と接続されていてよい。さらに図1に示されているように、化学物質容器9,10,11のそれぞれに、つまり図示の実施例では3つの化学物質容器9,10,11に下流側で、処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を取り出すためのそれぞれ1つの化学物質輸送管路13,14,15並びにそれぞれ1つの化学物質搬送装置16,17,18が割り当てられている。化学物質容器9,10,11にそれぞれ割り当てられた化学物質搬送装置16,17,18は、図1にも概略的に示されているように、化学物質ポンプによって形成されていてよい。しかしながら、基本的には、化学物質搬送装置16,17,18の他の種類の構成、例えばベンチュリ・ノズルや、処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を化学物質輸送管路を通して輸送もしくは搬送するのに適した他の搬送装置とすることも可能である。例えば、化学物質容器9,10,11の例えばガスによる加圧も十分に考えられるので、化学物質搬送装置16,17,18は、対応する加圧手段によって形成することができる。
【0087】
処理装置1の供給装置7はさらに、水、特に脱イオン水を提供するための給水ユニット19を含む。このような給水ユニット19は、水を案内するための少なくとも1つの水管路20,21,22を有している。化学物質容器9,10,11と同様に、給水ユニット19も、例えば図1に示されているように給水管路23を介して、高純度水、特に脱イオン水のための外部給水装置と接続されていてよい。水を水管路20,21,22内に搬送するために、給水ユニット19は基本的には例えば水ポンプを有することができる。しかしながらこの代わりに、外部給水装置は、例えば外部の水ポンプによって給水管路23を介して水を予圧下で提供される状態に保つこともでき、これにより図1にも示唆されているように、給水ユニット19のための水ポンプを場合によっては省略することができる。
【0088】
図1にさらに概略的に示されているように、化学物質供給ユニット8の前記化学物質輸送管路13,14,15は直接又は間接に、単一の処理液送達管路24に接続されている。このような単一の処理液送達管路24は、処理チャンバ3内に配置された分配手段5と管路接続されている。もちろん、処理チャンバ3内には、複数のこのような分配手段5が配置されていてよく、これらの分配手段は、水性処理液を供給する目的で、それぞれ別個の送達管路を介して、単一の共通の処理液送達管路24に管路接続されていてよい。
【0089】
基本的にはこの場合、例えば当然のことながら、少なくとも2つの化学物質輸送管路13,14,15、もしくは化学物質輸送管路13,14,15のすべてもしくはそれぞれ、及び少なくとも1つの水管路20,21,22は、単一の処理液送達管路24と直接に接続されていてよい。供給装置7の単純な実施形態では、例えば、少なくとも2つの化学物質輸送管路13,14,15は先ず少なくとも1つの水管路20,21,22内へ開口し、水管路20,21,22は、下流側で直接に単一の処理液送達管路24内へ開口していてよい。このような場合には、少なくとも2つの化学物質輸送管路13,14,15はつまり、処理液送達管路と間接的に接続されていてよい。しかしながら、化学物質輸送管路13,14,15及び水管路20,21,22と、単一の処理液送達管路24との直接的又は間接的な接続の他の実施形態ももちろん考えられる。
【0090】
化学物質供給ユニット8の少なくとも2つの化学物質輸送管路13,14,15、もしくは化学物質輸送管路13,14,15のすべてもしくはそれぞれ、及び給水ユニット19の少なくとも1つの水管路20,21,22は、図1に示された実施例に当てはまるように、少なくとも1つの開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段25,26,27を介して、単一の処理液送達管路24と接続されていてもよい。いずれの場合にも、化学物質供給ユニット8の少なくとも2つの化学物質輸送管路13,14,15、及び給水ユニット19の少なくとも1つの水管路20,21,22が単一の処理液送達管路24と接続されていることにより、混合ユニット28が形成されている。
【0091】
さらに供給装置7において、給水ユニット19は、混合ユニット28に接続された少なくとも2つの水管路20,21,22を有しており、単一の処理液送達管路24との接続部の上流側で、水管路20,21,22のそれぞれが少なくとも1つの化学物質輸送管路13,14,15と接続されている。
【0092】
図1に示された実施態様では、好ましく且つ特に、前記混合ユニット28に接続されたそれぞれの水管路20,21,22、もしくは少なくとも2つの水管路20,21,22が、それぞれ、開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段25,26,27内へ開口しており、前記遮断手段25,26,27が遮断手段群29を形成するように前記遮断手段25,26,27が下流側で互いに管路接続されており、前記単一の処理液送達管路24が前記遮断手段群29と管路接続されていてよい。
【0093】
さらに、図1に示されているように、混合ユニット28に接続された水管路20,21,22の数は、混合ユニット28に接続された化学物質輸送管路13,14,15の数に相当する。給水装置7において、混合ユニット28内で、それぞれ単一の化学物質輸送管路13,14,15が、混合ユニット28に接続された水管路20,21,22のうちの1つの水管路内へ正確に開口していてよい。
【0094】
図1に示された、処理装置1の好ましい実施例の場合、この場合には混合ユニット28に接続された3つの化学物質輸送管路13,14,15のうちの1つの化学物質輸送管路が、それぞれ、混合ユニット28に接続された3つの水管路20,21,22のうちの1つの水管路内へ正確に開口していてよい。図示の実施例の場合、3つの化学物質輸送管路13,14,15はそれぞれ、やはり図示された遮断手段群29の上流側で、1つのそれぞれの水管路20,21,22内へ開口することができる。
【0095】
図1にさらに示されているように、少なくとも2つの化学物質容器9,10,11、図示の実施例における3つの化学物質容器9,10,11は、それぞれ1つの3方向切り換え装置30と、各場合に、それぞれ関連する化学物質容器9,10,11内へ戻るもしくは戻り開口するバイパス管路31とを割り当てることができる。3方向切り換え装置は、例えば図1に示されているように、3方向切り換え手段もしくは3方向切り換え弁によって形成されていてよい。あるいは、3方向切り換え装置30はもちろん、2つの2方向切り換え手段もしくは2方向切り換え弁の組み合わせ、すなわち化学物質輸送管路内の1つの2方向切り換え手段と、化学物質容器内へ戻り開口するバイパス管路31内の1つの2方向切り換え手段との組み合わせによって構成されていてもよい。
【0096】
大まかに言えば、供給装置内の液状媒体もしくは流体の流量の改善された制御のためには、少なくとも2つの化学物質輸送管路13,14,15並びに少なくとも1つの水管路20,21,22に、流量調節手段が割り当てられていてよく、もしくはこれらの中に配置されていてよい。例えば、図1に示された化学物質搬送装置16,17,18は、流量調節可能な、例えば速度制御可能な化学物質ポンプとして形成されていてよい。この代わりに且つ/又はこれに加えて、この目的のために、図1にも示されるように、3方向切り換え装置30、それぞれの化学物質輸送管路13,14,15内へ導入される単位時間当たりの処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液の量を制御できるように、制御弁若しくは3方向調節弁として形成することもできる。また、これを目的として、それ自体知られている流量調節手段32もしくは流量調節器、例えば流量調節弁を使用することができる。図1に示された処理装置1の実施例の場合、例えばこのような種類の流量調節手段32は、給水ユニット19の主水管路33内に示されている。
【0097】
さらに、流体管路13,14,15,20,21,22,23,24,33内の流量を監視し制御するために、図1にも示されているように、流量センサ34が配置されていてよい。処理装置1の操作時にプロセス監視を継続するために、種々の流体管路13,14,15,20,21,22,23,24,33には、追加的に圧力センサ35及び温度センサ36が割り当てられていてよい。
【0098】
可能なものとして述べられたすべての流量調節手段16,17,18,30,32、並びに上記すべての監視手段34,35,36は、もちろん電子的に制御可能であってよく、そして図1には詳細に示されていない制御装置と信号によって接続されていてよく、これにより、処理装置1の構成部分を部分的又は完全に自動化された状態で電子制御することが可能になる。同じことが、後述の流量調節手段及びセンサにも当てはまる。
【0099】
図1にさらに示されているように、処理装置1の供給装置7はさらに、純水、特に脱イオン水を処理チャンバ3内へ供給するための別個の水送達管路37を含むことができる。半導体物体2を処理チャンバ3内で純水によってすすぐために、処理チャンバ3は、付加的な別個の分配手段38を有することができ、これらの別個の分配手段は、図1に示されているように、例えば前記別個の水送達管路37と接続されていてよい。あるいは、図1に示された別個の水管路37を、処理液送達管路とも接続された同じ分配手段5と接続することももちろん可能である。
【0100】
図1によって明らかなように、混合ユニット28内へ開口するすべての水管路20,21,22は、上記の主水管路33から分岐することができる。図1に付加的に示された水送達管路37も、このような主水管路33から分岐することができる。
【0101】
図1に示された流体管路13,14,15,20,21,22,23,24,33は、基本的には剛性の管又は可撓性のホースによって形成することができるが、流体管路13,14,15,20,21,22,23,24,33のための材料は、管路内に含まれるそれぞれの処理用化学薬品を考慮して、これらの薬品に対する、相応の耐化学物質性を確実に有するように選択されるべきである。上述の、もしくは処理装置1内に存在するすべての管路分岐部及び管路開口部は、任意の公知の方法、例えば従来のT継ぎ手等の対応するコネクタによって、構成することができる。
【0102】
図1に示された実施例により明らかなように、供給装置7は、混合ユニット28に通じる少なくとも1つの水管路20,21,22,33内へ二酸化炭素ガス(CO)を計量して導入するための計量ユニット39をさらに含むことができる。計量ユニット39は、ガス遮断弁41を介して二酸化炭素ガス供給管路40を介して、外部二酸化炭素供給装置と接続されていてよい。二酸化炭素ガス送達管路42は、ガス遮断弁41を介して、混合ユニット28に通じる少なくとも1つの水管路20,21,22,33内へ、図1に示された実施例によれば例えば主水管路33内へ開口することができる。二酸化炭素ガスを目的に合わせて計量供給するために、計量ユニット39はさらにガス圧力調節弁43を含むことができ、そして所定の所望の二酸化炭素流量を設定するために、ガス流量調節手段44を含むことができる。これに加えて、計量ユニット39内の二酸化炭素圧力を監視するために、ガス圧力センサ45が設けられていてもよい。二酸化炭素流量を制御する目的で、二酸化炭素ガス送達管路42が開口する、混合ユニット28に通じる少なくとも1つの水管路20,21,22,33内に、導電率センサ46が配置されていてよい。このような導電率センサ46の測定データに基づいて、二酸化炭素ガス流量は、ガス流量調節手段44によって制御することができる。
【0103】
供給装置7の給水ユニット19は、図1から判るように、水、特に脱イオン水を加熱するための加熱装置47をさらに含むことができる。図1から明らかなように、このような加熱装置47は例えば、給水ユニットの、主水管路33に対して並列に延びるバイパス管路48内に配置されていてよい。さらに、主水管路内には、3方向切り換え手段49もしくは3方向切り換え弁、具体的には3方向調節手段もしくは3方向調節弁が配置されていてよい。あるいは、2つの切り換え手段の組み合わせであって、切り換え手段が主水管路33内に、そして水バイパス管路48内にそれぞれ1つずつ位置する組み合わせももちろん考えられる。加熱装置47は周知のように、例えば水、特に脱イオン水を加熱するための電気的に加熱可能な加熱カートリッジを有することができる。
【0104】
さらに、方法の1実施例を以下に説明する。上記処理装置1は、方法を実施するために設けられていてよい。逆に、方法は処理装置1を運転するために提供されていてよい。これに相応して、方法を実施するための手段、構成要素、及び装置は、処理装置1の説明によりすでに上述されており、そしてこの個所での方法の下記説明に関しては、処理装置1の上記説明が参照されもしくは引用される。
【0105】
半導体物体2を水性処理液で処理するための方法は下記方法工程、すなわち、
図1に示されているように、この目的のために形成された化学物質供給ユニット8の少なくとも2つの化学物質容器9,10,11内に、少なくとも2種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を貯えること、を含む。
【0106】
さらに方法は、水、特に脱イオン水を給水ユニットによって提供し、前記給水ユニット19の少なくとも1つの水管路20,21,22が、前記供給装置7の混合ユニット28に接続されており、そして水が混合ユニット28に、もしくは混合ユニット28内へ、混合ユニットに接続されたこのような少なくとも1つの水管路20,21,22によって供給されること、を含む。
【0107】
さらに方法は、少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を少なくとも2種の化学物質容器9,10,11から取り出し、そして少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を、少なくとも2つの化学物質輸送管路13,14,15及び少なくとも2つの化学物質搬送装置16,17,18によって、前記混合ユニット28内へ供給し、少なくとも2つの化学物質輸送管路13,14,15が、少なくとも2つの化学物質容器9,10,11に下流側でそれぞれ割り当てられ、そして少なくとも2つの化学物質搬送装置が少なくとも2つの化学物質容器13,14,15にそれぞれ割り当てられていること、を含む。
【0108】
さらに方法は、少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液と、水とを混合ユニット28内で混合することによって水性処理液を形成することを含む。単純な方法手順では、混合ユニット28内で、給水ユニット19の少なくとも1つの水管路20,21,22、及び化学物質供給ユニット8の少なくとも2つの化学物質輸送管路13,14,15が、直接又は間接に単一の処理液送達管路24と接続されており、例えば少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が、少なくとも1つの水管路20,21,22内で案内される水の中へ容易に導入され、続いてこうして希釈された処理用の化学薬品が単一の処理液送達管路24内へ導入されるように、水性処理液を形成することができる。しかしながらこの代わりに又はこれに加えて、図1から明らかなように、給水ユニット19の少なくとも1つの水管路20,21,22、及び前記化学物質供給ユニット8の前記少なくとも2つの化学物質輸送管路13,14,15が、少なくとも1つの開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段25を介して、単一の処理液送達管路24と接続されていることにより、混合ユニット28内の水性処理液の形成を行うことも可能である。
【0109】
図1に示されているように、この方法において、さらに、単一の処理液送達管路24によって、もしくは単一の処理液送達管路24を介して、水性処理液を、処理チャンバ3内に配置された分配手段5へ送達することにより、水性処理液を処理チャンバ3内へ供給する。水性処理液は、処理チャンバ3の内部に保持手段4によって保持された半導体物体2上へ、処理チャンバ3内に配置された分配手段5を介して分配される。もちろん複数の分配手段5が設けられていてもよく、水性処理液はこのような複数の分配手段5のそれぞれに、単一の処理液送達管路24からそれぞれ別個の送達管路を介して送達されてよく、これらの別個の送達管路を介して、処理液送達管路24は分配手段5と間接に管路接続され得る。
【0110】
この方法は具体的には、水性処理液を用いて、先行の処理工程に起因する汚染物もしくは残留物から、半導体物体2を洗浄するために提供されていてよく、処理方法又は洗浄方法と呼ぶこともできる。
【0111】
この方法において与えられた、もしくは優勢な媒体流もしくはその流れ方向、例えば少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液及び水の流れ方向は、図1において矢印によって概略的に示されている。
【0112】
処理チャンバ3はすでに上述したように、ロータとして形成されていてよく、そしてこのような場合には、混合ユニット28内に形成された水性処理液による半導体物体2の処理中に、回転軸線を中心に回転させることができる。水性処理液は半導体物体2の処理後には、1つ又は2つ以上の流出部6を介して、処理チャンバ3から排出することができる。
【0113】
少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液は、貯えるためにそれぞれ供給管路12を介して、少なくとも2つの化学物質容器9,10,11に供給することができる。水、特に脱イオン水も、外部水源から給水管路23を介して、図1に明らかなように給水ユニット19に提供することができる。
【0114】
1つの方法手順において、前記混合ユニットに接続された給水ユニット19の、少なくとも2つの水管路20,21,22によって、前記混合ユニット28に水を供給するように構成することができる。さらに、図1に示された実施例が当てはまるように、単一の処理液送達管路24との接続部の上流側で、前記水管路20,21,22のそれぞれへ、少なくとも1種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を導入することができる。
【0115】
図1に示された実施例によれば、このために形成された化学物質供給ユニット8の少なくとも3つの化学物質容器9,10,11内に、少なくとも3種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を貯えることができる。
【0116】
例えば、目的に適った方法形態の場合、第1化学物質容器9内に濃硫酸を貯え、第2化学物質容器10内に過酸化水素の水溶液を貯え、そして第3化学物質容器11内に希フッ化水素酸を貯えるようになっていてよい。好都合なことに、このような処理用の化学薬品、もしくは具体的には少なくとも2種のこのような処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液の組み合わせは、水性処理液の形成と、そして最終的には処理チャンバ3内での半導体物体2の処理もしくは洗浄のために使用し得る。
【0117】
有利な方法手順において、少なくとも2つの水管路20,21,22にそれぞれ割り当てられた、開放された遮断手段25,26,27を介して、混合ユニット28に接続された少なくとも2つの水管路20,21,22によって、前記混合ユニット28に水を供給することができる。図1にも示されているように、前記遮断手段25,26,27は下流側で互いに管路接続されて、遮断手段25,26,27によって遮断手段群29を形成することができる。混合ユニット28内に形成された処理液は、次いで遮断手段群29から単一の処理液送達管路24内へ放出することができる。
【0118】
これに関連して、図1に示された方法では、混合ユニット28内で、少なくとも2つの化学物質輸送管路13,14,15のうちのそれぞれ1つのみから、少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液のうちのそれぞれ1種だけが、遮断手段群29の上流側で、混合ユニット28に接続された少なくとも2つの水管路20,21,22のうちの1つの水管路内へそれぞれ正確に導入されるようにすることができる。
【0119】
さらなる有利な方法手順において、図1にも示されているように、少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が、処理チャンバ3内で半導体物体2を処理するための使用の前に、それぞれ少なくとも2つの化学物質容器9,10,11に割り当てられた3方向切り換え装置30と、それぞれ割り当てられた化学物質容器9,10,11内へそれぞれ戻る、もしくは戻り開口するバイパス管路31とを介して循環式に、それぞれの関連する化学物質容器9,10,11内へポンピングされるようにすることも可能である。処理チャンバ3内で半導体物体2を処理もしくは洗浄するための処理工程を開始する場合にのみ、処理チャンバ3内で半導体物体2を処理するための使用する、少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が、前記3方向切り換え装置30を切り換えることにより、前記少なくとも2つの化学物質搬送装置16,17,18によって、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路13,14,15を介して前記混合ユニット28に供給されるようにすることができる。
【0120】
図1にさらに示されているように、例えば水性処理液による処理工程後に、純水によって処理チャンバ3内で半導体物体2をすすぐために、供給装置7の別個の水送達管路37を介して純水が処理チャンバ3に供給され、もしくは処理チャンバ3内へ導入されてよい。水、特に脱イオン水は、別個の水送達管路37に接続された付加的な、もしくは別個の分配手段38を介して、処理チャンバ内へ導入することができる。あるいは、水性処理液が処理チャンバ3内へ導入される際に経由するのと同一の分配手段5を介して、純水を導入することももちろん可能である。
【0121】
さらにこの方法において、混合ユニットに通じる少なくとも1つの水管路20,21,22,33内の水の中に、計量ユニット39によって二酸化炭素ガスを計量して導入することは、好都合な場合がある。計量ユニット39にはこのために、図1に示されているように、外部二酸化炭素供給装置から二酸化炭素供給管路40を介して、二酸化炭素ガスを供給することができる。こうして供給されたガスは、次いで二酸化炭素送達管路42を介して、混合ユニット28へ通じる少なくとも1つの水管路20,21,22,33内へ、図1の実施例では、主水管路33内へ導入することができる。二酸化炭素ガスの計量は、図1に示されたガス流量整手段44によって行うことができる。ここでは、やはり図1に示されているように、混合ユニット28へ通じる、二酸化炭素ガスが導入される少なくとも1つの水管路20,21,22,33内で、水の導電率を導電率センサ46によって検出し、検出された導電率測定データに基づいて、二酸化炭素ガス流量をガス流量調節手段44によって制御することができる。
【0122】
方法のさらなる有利な実施形態の場合、さらに、混合ユニット28へ供給された水の少なくとも一部の量が、前記混合ユニット28内への供給前に、加熱装置47によって加熱されるようになっていてもよい。さらに、図1から判るように、すでに上述した3方向切り換え手段49によって、水全量又は水の一部の量だけを、主水管路33に対して並列に延びる水バイパス管路48を介して加熱装置に供給し、水が混合ユニット28に供給される前に、加熱装置内でもしくは加熱装置によって加熱することができる。
【0123】
記載の方法工程を制御し監視するために、種々の測定パラメータ、例えば流量、温度、又は圧力をセンサによって検出することができる。目的に適うセンサの使用例は、処理装置1の説明に関してすでに上述しており、この上述の説明がここで参照される。もちろん、制御可能な装置、手段、及びセンサを伴ういかなる方法技術的な態様も、それ自体周知の形式で、図1に図示されていない電子制御装置によって、自動制御式に実施することができる。
【0124】
これらの実施例は、考えられ得る実施変更形を示す。ここで念のため述べておくと、本発明は具体的に示された実施変更形に限定されることはなく、むしろ個々の実施変更形の交互の種々の組み合わせも可能であり、そしてこのような変更は、この技術分野の当業者の能力範囲内で、当該発明による技術的行為のための教示内容に基づいて可能である。
【0125】
保護範囲は請求項によって規定される。しかしながら、明細書及び図面は請求項を解釈するために利用することができる。図示され説明された種々異なる実施例の個々の特徴又は特徴の組み合わせは、それ自体独立した、本発明の解決手段であり得る。本発明の独立した解決手段の根底を成す課題は、明細書から明らかである。
【0126】
当該記述における値範囲に関する全ての数値は、これらの任意の、及び全ての部分範囲を含むことを意味する。例えば、数値1~10は、下限値1及び上限値10から出発する全ての部分範囲が一緒に含まれる、すなわち、全ての部分範囲が下限値1以上で始まり、そして上限値10以下で終わる、例えば1~1.7、又は3.2~8.1、又は5.5~10であることを意味する。
【0127】
なお最後に形式的なことであるが、構造をより良く理解するために、構成要素は部分的に一定の尺度でなく、且つ/又は拡大し、且つ/又は縮小して示したことを指摘しておく。
【符号の説明】
【0128】
1 処理装置
2 半導体物体
3 処理チャンバ
4 保持手段
5 分配手段
6 流出部
7 供給装置
8 化学物質供給ユニット
9 化学物質容器
10 化学物質容器
11 化学物質容器
12 供給管路
13 化学物質輸送管路
14 化学物質輸送管路
15 化学物質輸送管路
16 化学物質搬送装置
17 化学物質搬送装置
18 化学物質搬送装置
19 給水ユニット
20 水管路
21 水管路
22 水管路
23 水供給管路
24 処理液送達管路
25 遮断手段
26 遮断手段
27 遮断手段
28 混合ユニット
29 遮断手段群
30 3方向切り換え装置
31 バイパス管路
32 流量調節手段
33 主水管路
34 流量センサ
35 圧力センサ
36 温度センサ
37 水送達管路
38 分配手段
39 計量ユニット
40 二酸化炭素ガス供給管路
41 ガス遮断弁
42 二酸化炭素ガス送達管路
43 ガス圧力調節弁
45 ガス圧力センサ
46 導電率センサ
47 加熱装置
48 水バイパス管路
49 3方向切り換え手段
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0127】
なお最後に形式的なことであるが、構造をより良く理解するために、構成要素は部分的に一定の尺度でなく、且つ/又は拡大し、且つ/又は縮小して示したことを指摘しておく。
なお、本発明の実施態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
半導体物体(2)を水性処理液で処理するように形成された処理装置(1)であって、
前記半導体物体(2)を保持するための、処理チャンバ(3)の内部に配置された保持手段(4)と、前記水性処理液を前記処理チャンバ(3)内に保持された前記半導体物体(2)上へ分配するための、前記処理チャンバ(3)内に配置された分配手段(5)とを備えた処理チャンバ(3)と、
前記処理チャンバ(3)内の前記分配手段(5)に、前記水性処理液を送るための供給装置(7)であって、前記供給装置(7)が、
少なくとも2種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を貯えるように形成された、少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)を備えた化学物質供給ユニット(8)を含み、
前記化学物質容器(9,10,11)のそれぞれが、下流側で、前記処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を取り出すためのそれぞれ1つの化学物質輸送管路(13,14,15)及びそれぞれ1つの化学物質搬送装置(16,17,18)が割り当てられている、
供給装置(7)と、
水、特に、脱イオン水を提供するための給水ユニット(19)であって、水を案内するための少なくとも1つの水管路(20,21,22)を有している、給水ユニット(19)と、
を有している前記処理装置(1)において、
前記給水ユニット(19)の前記少なくとも1つの水管路(20,21,22)、及び前記化学物質供給ユニット(8)の前記化学物質輸送管路(13,14,15)が、直接又は間接に、且つ/又は少なくとも1つの開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段(25,26,27)を介して、単一の処理液送達管路(24)に接続されており、これにより混合ユニット(28)が形成されており、前記単一の処理液送達管路(24)が、前記処理チャンバ(3)内に配置された前記分配手段(5)と管路接続されている
ことを特徴とする、処理装置(1)。
[態様2]
前記給水ユニット(19)が、前記混合ユニット(28)に接続された少なくとも2つの水管路(20,21,22)を有しており、前記単一の処理液送達管路(24)との接続部の上流側で、前記水管路(20,21,22)のそれぞれが少なくとも1つの前記化学物質輸送管路(13,14,15)と接続されていることを特徴とする、態様1に記載の処理装置(1)。
[態様3]
前記化学物質供給ユニット(8)が少なくとも3つの前記化学物質容器(9,10,11)を含むことを特徴とする、態様1又は2に記載の処理装置(1)。
[態様4]
第1化学物質容器(9)が濃硫酸を貯えるために形成されており、第2化学物質容器(10)が過酸化水素の水溶液を貯えるために形成されており、そして第3化学物質容器(11)が希フッ化水素酸を貯えるために形成されていることを特徴とする、態様3に記載の処理装置(1)。
[態様5]
前記混合ユニット(28)内で、前記混合ユニット(28)に接続された前記水管路(20,21,22)がそれぞれ、開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段(25,26,27)内へ開口しており、前記遮断手段(25,26,27)が遮断手段群(29)を形成するように前記遮断手段(25,26,27)が下流側で互いに管路接続されており、前記単一の処理液送達管路(24)が前記遮断手段群(29)と管路接続されていることを特徴とする、態様2から4のいずれかの態様に記載の処理装置(1)。
[態様6]
前記混合ユニット(28)に接続された前記水管路(20,21,22)の数が、前記混合ユニット(28)に接続された前記化学物質輸送管路(13,14,15)の数に相当し、前記混合ユニット(28)内で、それぞれ1つの前記化学物質輸送管路(13,14,15)のみが、前記混合ユニット(28)に接続された前記水管路(20,21,22)のうちの1つの水管路内へ正確に開口していることを特徴とする、態様2から5のいずれかの態様に記載の処理装置(1)。
[態様7]
前記供給装置(7)が、前記混合ユニット(28)に通じる少なくとも1つの水管路(20,21,22,33)内へ二酸化炭素ガスを計量して導入するための計量ユニット(39)をさらに含むことを特徴とする、態様1から6のいずれかの態様に記載の処理装置(1)。
[態様8]
前記給水ユニット(19)が、水、特に、脱イオン水を加熱するための加熱装置(47)を含むことを特徴とする、態様1から7のいずれかの態様に記載の処理装置(1)。
[態様9]
前記少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)が、それぞれ1つの3方向切り換え装置(30)を有し、それぞれに割り当てられた前記化学物質容器(9,10,11)へ戻るバイパス管路(31)をそれぞれ備えていることを特徴とする、態様1から8のいずれかの態様に記載の処理装置(1)。
[態様10]
半導体物体(2)を水性処理液で処理するための方法であって、
少なくとも2種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を、化学物質供給ユニット(8)の対応して形成された少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)内に貯えること、
水、特に、脱イオン水を給水ユニット(19)によって提供し、
前記給水ユニット(19)の少なくとも1つの水管路(20,21,22)が、供給装置(7)の混合ユニット(28)に接続されており、前記水が前記混合ユニット(28)に、前記混合ユニットに接続された前記少なくとも1つの水管路(20,21,22)によって供給されること、
前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を前記少なくとも2種の化学物質容器(9,10,11)から取り出し、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を、少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)及び少なくとも2つの化学物質搬送装置(16,17,18)によって、前記混合ユニット(28)内へ供給し、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)が、前記少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)に下流側でそれぞれ割り当てられ、そして前記少なくとも2つの化学物質搬送装置が前記少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)にそれぞれ割り当てられていること、
前記混合ユニット(28)内で、前記給水ユニット(19)の前記少なくとも1つの水管路(20,21,22)、及び前記化学物質供給ユニット(8)の前記少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)が、直接又は間接に、且つ/又は少なくとも1つの開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段(25)を介して、単一の処理液送達管路(24)と接続されていることにより、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液と、水とを前記混合ユニット(28)内で混合することによって前記水性処理液を形成すること、
前記水性処理液を、処理チャンバ(3)内に配置された分配手段(5)へ前記単一の処理液送達管路(24)によって送達することにより、前記水性処理液を前記処理チャンバ(3)内へ供給し、
前記水性処理液が、前記処理チャンバ(3)内に配置された分配手段(5)によって、前記処理チャンバ(3)の内部に保持手段(4)によって保持された半導体物体(2)上へ分配されること
を有する、半導体物体(2)を水性処理液で処理するための方法。
[態様11]
前記給水ユニット(19)の、前記混合ユニット(28)に接続された少なくとも2つの水管路(20,21,22)によって、前記混合ユニット(28)に水を供給し、前記単一の処理液送達管路(24)との接続部の上流側で、前記水管路(20,21,22)のそれぞれへ、少なくとも1種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が導入されることを特徴とする、態様10に記載の方法。
[態様12]
少なくとも3種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を、前記化学物質供給ユニット(8)の対応する少なくとも3つの化学物質容器(9,10,11)内に貯えることを特徴とする、態様10又は11に記載の方法。
[態様13]
第1化学物質容器(9)内に濃硫酸を貯え、第2化学物質容器(10)内に過酸化水素の水溶液を貯え、第3化学物質容器(11)内に希フッ化水素酸を貯えることを特徴とする、態様12に記載の方法。
[態様14]
前記混合ユニット(28)に接続された前記少なくとも2つの水管路(20,21,22)によって、前記少なくとも2つの水管路(20,21,22)にそれぞれ割り当てられた、開放された遮断手段(25,26,27)を介して、前記混合ユニット(28)に前記水が供給され、前記遮断手段(25,26,27)によって遮断手段群(29)が形成されるように前記遮断手段(25,26,27)が下流側で互いに管路接続されており、前記混合ユニット(28)内に形成された処理液が、前記遮断手段群(29)から前記単一の処理液送達管路(24)内へ放出されることを特徴とする、態様11から13のいずれかの態様に記載の方法。
[態様15]
前記混合ユニット(28)内で、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)のうちのそれぞれ1つから、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液のうちのそれぞれ1種のみが、前記遮断手段群(29)の上流側で、前記混合ユニット(28)に接続された前記少なくとも2つの水管路(20,21,22)のうちのそれぞれの1つの水管路内へ正確に導入されることを特徴とする、態様14に記載の方法。
[態様16]
前記混合ユニットに通じる少なくとも1つの水管路(20,21,22,33)内の水の中に、計量ユニット(39)によって二酸化炭素ガスが計量されて導入されることを特徴とする、態様10から15のいずれかの態様に記載の方法。
[態様17]
前記混合ユニット(28)へ供給された前記水の少なくとも一部の量が、前記混合ユニット(28)内への供給前に、加熱装置(47)によって加熱されることを特徴とする、態様10から16のいずれかの態様に記載の方法。
[態様18]
前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が、前記処理チャンバ(3)内で前記半導体物体(2)を処理するための使用の前に、少なくとも2つの前記化学物質容器(9,10,11)のそれぞれに割り当てられた3方向切り換え装置(30)と、それぞれ関連する前記化学物質容器(9,10,11)内へそれぞれ戻るバイパス管路(31)とを介して循環式に、それぞれ関連する前記化学物質容器(9,10,11)内へポンピングされ、且つ、前記処理チャンバ(3)内で前記半導体物体(2)の処理に使用される前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が、前記3方向切り換え装置(31)を切り換えることにより、前記少なくとも2つの化学物質搬送装置(16,17,18)によって、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)を介して前記混合ユニット(28)に供給されることを特徴とする、態様10から17のいずれかの態様に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体物体(2)を水性処理液で処理するように形成された処理装置(1)であって、
前記半導体物体(2)を保持するための、処理チャンバ(3)の内部に配置された保持手段(4)と、前記水性処理液を前記処理チャンバ(3)内に保持された前記半導体物体(2)上へ分配するための、前記処理チャンバ(3)内に配置された分配手段(5)とを備えた処理チャンバ(3)と、
前記処理チャンバ(3)内の前記分配手段(5)に、前記水性処理液を送るための供給装置(7)であって、前記供給装置(7)が、
少なくとも2種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を貯えるように形成された、少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)を備えた化学物質供給ユニット(8)を含み、
前記化学物質容器(9,10,11)のそれぞれが、下流側で、前記処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を取り出すためのそれぞれ1つの化学物質輸送管路(13,14,15)及びそれぞれ1つの化学物質搬送装置(16,17,18)が割り当てられている、
供給装置(7)と、
水、特に、脱イオン水を提供するための給水ユニット(19)であって、水を案内するための少なくとも1つの水管路(20,21,22)を有している、給水ユニット(19)と、
を有している前記処理装置(1)において、
前記給水ユニット(19)の前記少なくとも1つの水管路(20,21,22)、及び前記化学物質供給ユニット(8)の前記化学物質輸送管路(13,14,15)が、直接又は間接に、且つ/又は少なくとも1つの開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段(25,26,27)を介して、単一の処理液送達管路(24)に接続されており、これにより混合ユニット(28)が形成されており、前記単一の処理液送達管路(24)が、前記処理チャンバ(3)内に配置された前記分配手段(5)と管路接続されている
ことを特徴とする、処理装置(1)。
【請求項2】
前記給水ユニット(19)が、前記混合ユニット(28)に接続された少なくとも2つの水管路(20,21,22)を有しており、前記単一の処理液送達管路(24)との接続部の上流側で、前記水管路(20,21,22)のそれぞれが少なくとも1つの前記化学物質輸送管路(13,14,15)と接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の処理装置(1)。
【請求項3】
前記化学物質供給ユニット(8)が少なくとも3つの前記化学物質容器(9,10,11)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の処理装置(1)。
【請求項4】
第1化学物質容器(9)が濃硫酸を貯えるために形成されており、第2化学物質容器(10)が過酸化水素の水溶液を貯えるために形成されており、そして第3化学物質容器(11)が希フッ化水素酸を貯えるために形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の処理装置(1)。
【請求項5】
前記混合ユニット(28)内で、前記混合ユニット(28)に接続された前記水管路(20,21,22)がそれぞれ、開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段(25,26,27)内へ開口しており、前記遮断手段(25,26,27)が遮断手段群(29)を形成するように前記遮断手段(25,26,27)が下流側で互いに管路接続されており、前記単一の処理液送達管路(24)が前記遮断手段群(29)と管路接続されていることを特徴とする、請求項に記載の処理装置(1)。
【請求項6】
前記混合ユニット(28)に接続された前記水管路(20,21,22)の数が、前記混合ユニット(28)に接続された前記化学物質輸送管路(13,14,15)の数に相当し、前記混合ユニット(28)内で、それぞれ1つの前記化学物質輸送管路(13,14,15)のみが、前記混合ユニット(28)に接続された前記水管路(20,21,22)のうちの1つの水管路内へ正確に開口していることを特徴とする、請求項に記載の処理装置(1)。
【請求項7】
前記供給装置(7)が、前記混合ユニット(28)に通じる少なくとも1つの水管路(20,21,22,33)内へ二酸化炭素ガスを計量して導入するための計量ユニット(39)をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の処理装置(1)。
【請求項8】
前記給水ユニット(19)が、水、特に、脱イオン水を加熱するための加熱装置(47)を含むことを特徴とする、請求項に記載の処理装置(1)。
【請求項9】
前記少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)が、それぞれ1つの3方向切り換え装置(30)を有し、それぞれに割り当てられた前記化学物質容器(9,10,11)へ戻るバイパス管路(31)をそれぞれ備えていることを特徴とする、請求項に記載の処理装置(1)。
【請求項10】
半導体物体(2)を水性処理液で処理するための方法であって、
少なくとも2種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を、化学物質供給ユニット(8)の対応して形成された少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)内に貯えること、
水、特に、脱イオン水を給水ユニット(19)によって提供し、
前記給水ユニット(19)の少なくとも1つの水管路(20,21,22)が、供給装置(7)の混合ユニット(28)に接続されており、前記水が前記混合ユニット(28)に、前記混合ユニットに接続された前記少なくとも1つの水管路(20,21,22)によって供給されること、
前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を前記少なくとも2種の化学物質容器(9,10,11)から取り出し、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液を、少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)及び少なくとも2つの化学物質搬送装置(16,17,18)によって、前記混合ユニット(28)内へ供給し、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)が、前記少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)に下流側でそれぞれ割り当てられ、そして前記少なくとも2つの化学物質搬送装置が前記少なくとも2つの化学物質容器(9,10,11)にそれぞれ割り当てられていること、
前記混合ユニット(28)内で、前記給水ユニット(19)の前記少なくとも1つの水管路(20,21,22)、及び前記化学物質供給ユニット(8)の前記少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)が、直接又は間接に、且つ/又は少なくとも1つの開放可能且つ閉鎖可能な遮断手段(25)を介して、単一の処理液送達管路(24)と接続されていることにより、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液と、水とを前記混合ユニット(28)内で混合することによって前記水性処理液を形成すること、
前記水性処理液を、処理チャンバ(3)内に配置された分配手段(5)へ前記単一の処理液送達管路(24)によって送達することにより、前記水性処理液を前記処理チャンバ(3)内へ供給し、
前記水性処理液が、前記処理チャンバ(3)内に配置された分配手段(5)によって、前記処理チャンバ(3)の内部に保持手段(4)によって保持された半導体物体(2)上へ分配されること
を有する、半導体物体(2)を水性処理液で処理するための方法。
【請求項11】
前記給水ユニット(19)の、前記混合ユニット(28)に接続された少なくとも2つの水管路(20,21,22)によって、前記混合ユニット(28)に水を供給し、前記単一の処理液送達管路(24)との接続部の上流側で、前記水管路(20,21,22)のそれぞれへ、少なくとも1種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が導入されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも3種の異なる処理用の化学薬品又は異なる処理用の化学薬品の水溶液を、前記化学物質供給ユニット(8)の対応する少なくとも3つの化学物質容器(9,10,11)内に貯えることを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
第1化学物質容器(9)内に濃硫酸を貯え、第2化学物質容器(10)内に過酸化水素の水溶液を貯え、第3化学物質容器(11)内に希フッ化水素酸を貯えることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記混合ユニット(28)に接続された前記少なくとも2つの水管路(20,21,22)によって、前記少なくとも2つの水管路(20,21,22)にそれぞれ割り当てられた、開放された遮断手段(25,26,27)を介して、前記混合ユニット(28)に前記水が供給され、前記遮断手段(25,26,27)によって遮断手段群(29)が形成されるように前記遮断手段(25,26,27)が下流側で互いに管路接続されており、前記混合ユニット(28)内に形成された処理液が、前記遮断手段群(29)から前記単一の処理液送達管路(24)内へ放出されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記混合ユニット(28)内で、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)のうちのそれぞれ1つから、前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液のうちのそれぞれ1種のみが、前記遮断手段群(29)の上流側で、前記混合ユニット(28)に接続された前記少なくとも2つの水管路(20,21,22)のうちのそれぞれの1つの水管路内へ正確に導入されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記混合ユニットに通じる少なくとも1つの水管路(20,21,22,33)内の水の中に、計量ユニット(39)によって二酸化炭素ガスが計量されて導入されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記混合ユニット(28)へ供給された前記水の少なくとも一部の量が、前記混合ユニット(28)内への供給前に、加熱装置(47)によって加熱されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が、前記処理チャンバ(3)内で前記半導体物体(2)を処理するための使用の前に、少なくとも2つの前記化学物質容器(9,10,11)のそれぞれに割り当てられた3方向切り換え装置(30)と、それぞれ関連する前記化学物質容器(9,10,11)内へそれぞれ戻るバイパス管路(31)とを介して循環式に、それぞれ関連する前記化学物質容器(9,10,11)内へポンピングされ、且つ、前記処理チャンバ(3)内で前記半導体物体(2)の処理に使用される前記少なくとも2種の処理用の化学薬品又は処理用の化学薬品の水溶液が、前記3方向切り換え装置(30)を切り換えることにより、前記少なくとも2つの化学物質搬送装置(16,17,18)によって、前記少なくとも2つの化学物質輸送管路(13,14,15)を介して前記混合ユニット(28)に供給されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【外国語明細書】