(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010634
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】地上据え置き型核シェルター
(51)【国際特許分類】
E04H 9/14 20060101AFI20240117BHJP
E04B 1/76 20060101ALI20240117BHJP
E04B 1/16 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
E04H9/14 E
E04B1/76 300
E04B1/16 C
E04H9/14 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022122218
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】522303157
【氏名又は名称】大村 諭美
(72)【発明者】
【氏名】大村 広司
【テーマコード(参考)】
2E001
2E139
【Fターム(参考)】
2E001DD04
2E001EA02
2E001FA04
2E001FA16
2E001HA04
2E001HA14
2E139AA05
2E139AA23
2E139AA25
2E139AA30
2E139AB22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】核爆弾の着弾による被害を防ぐを提供する。
【解決手段】核爆弾の着弾によるΓ線・中性子、放射熱・爆風、及び大気中の放射能による内部被ばくを防ぐ設備を安価に建設するため、鋼板型枠1-4を型枠にし、鉄筋1-2と接合したユニットを使った建造物を二重構造にし中空構造とする。中空部には注水した。鋼板の型枠はΓ線を遮断し、鉄筋1-2との接合により建築物の強度を上げた。鋼板型枠1-4はそのまま壁材として使用するため、型枠を撤去する必要がなく、ユニットは工場で生産できるためコスト削減につながる、鋼板型枠1-4に覆われたコンクリート層は割れやヒビ等を抑えることが出来る。中空部に注水したことにより、周辺火災の熱を防ぎ、注水した水を散水できる事は、建造物の防熱につながる。尚、コンクリートはΓ線・中性子線の遮断に、水は中性子線に特に遮断効果が高い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
型枠に耐熱セラミックタイルを接着した鋼板を使用し、型枠と鉄筋を接合一体型とした鉄筋コンクリート造の核シェルター
【請求項2】
請求項1の建造物を二重構造にし、中空部を防水処理し注水できる核シェルター
【請求項3】
建造物内部から地下水をポンプにて中空部上部に注水できる構造の核シェルター
【請求項4】
建造物の屋根部分に放水孔を設け、建造物の高温下、中空部の水が建造物裸体に流動し、建造物の裸体を気化熱により温度低下させる構造の核シェルター
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板型枠と鉄筋を一体化し二重構造を持った鉄筋コンクリート核シェルター
【背景技術】
【0002】
現在、核シェルターは地上型と地中型の大きく二つに分かれる。
被害を防ぐためには、幾つもの問題を解決しなければならないが、爆風・閃光・ガンマー線遮断にはコンクリート若しくは鉄、中性子線遮断には水が効果的である、しかし、これらの資材を使用した核シェルターは大規模となり高額となる、特に地中型は建設費に膨大な費用がかかる
先ず、鉄筋コンクリート造のシェルター建築では、柱用の鉄筋組み立てからなる骨組を設置する骨組設置工程と、骨組の周囲に木製の型枠板を配置して柱用の型枠を組み立て、組み立てられた型枠を複数の支保工を用いて支える型枠設置工程と、前記型枠の内側にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、コンクリートの硬化後、前記型枠を分解し撤去する型枠撤去工程が行なわれる。また、壁・屋根を覆う水槽については、実用化はほとんどされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
核爆弾の着弾に備えた核シェルターに於いて、Γ線・中性子、放射熱・爆風、及び大気中の放射能による内部被ばくを防ぐ設備は、従来大変高額であり、また、比較的安い核シェルターも、上記問題の一部しか対処できず、安価で高性能な核シェルター開発を課題とする
【課題を解決するための手段】
【0005】
耐熱セラミックを貼った鋼板を鉄筋と溶接等で接合した組み立て式型枠を
工場で予め製造し、施工場で組み立てる事により、工程の簡略化によるコスト削減が図れる、鋼板と鉄筋の接合は、コンクリートを打つ時、鉄筋の強度により鋼板の歪みを抑え、鋼板の型枠は支保も簡易的でよい、剥がれ強度が上がり、工場での耐熱セラミック接着は品質が均一化され、閃光耐熱・爆風に効果的であり、まして、コンクリートの脱落を防ぎ、強度補強となる
完成時も取り付けたままの型枠鋼材はΓ線遮断効果が高く、コンクリートは中性子・ガンマー線の遮断にも有効である。この技術を使った建築物を二重構造とすることにより、できた中空構造の中に注水する事ができ、中性子遮断及び熱による室内の温度上昇を抑える。そして構造物の下に設けた井戸から、給水は容易であり、絶えず構造物上部から水を散水し、周辺火災による温度上昇を抑える。
これらの相互作用を生み出す鋼板・鉄筋一体型工法は、施工現場ではコンクリート打ちが主であり、Γ線・熱波・閃光・中性子線の遮断全てを満たした安価構造物を可能とした
【発明の効果】
【0006】
鋼材・コンクリート・水の層の厚みを自由に低コストで可能となり、水層の放水による耐熱も大幅に向上し、構造上の強度も増した
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
型枠に耐熱セラミックタイルを接着した鋼板を使用し、型枠と鉄筋を接合一体型とした鉄筋コンクリート造の説明を
図1(二重構造内部の建造物A横断面図)を参照して説明する。
1-1耐熱セラミックと1-2鉄筋と1-3コンクリートと1-4鋼板型枠一体を1-5鋼板型枠と鉄筋接合部の溶接部等で実施する、尚、鉄筋は実施部の一部を記載した。
【0009】
建造物を二重構造にし、中空部を防水処理し注水できる核シェルターを
図2(構造物完成図)を参照して説明する
建造物は2-1建造物Aを内側に2-2建造物Bを外側とした中空構造を形成している、2-2建造物Bを外側から中空部を通り2-1建造物Aへの吸排気を行う2-3給排気孔を設けた、同様に2-1建造物A出入口の為2-9耐爆ドアを設けた
【00010】
建築物中空部に注水する仕組みを
図2(構造物完成図)を参照して説明する。中空部には2-6地下井戸から2-5給水ポンプを使用し2-4給水パイプを通って2-1建造物A天井部から中空部へ注水される。
【00011】
建築物中空部の水を散水する仕組みを
図2(構造物完成図)を参照して説明する。
2-2建造Bの天井下部から上部への2-7散水孔を設け、建造物の温度により散水される、同様に、中空部の水を冷やす目的の水交換の為2-8排水ドレーンを設ける、このドレーンは、2-1建造物Aの破損により中空部水が入ってきた場合、内部の水を抜く為にも使われる。
【符号の説明】
【00012】
1-1耐熱セラミック
1-2鉄筋
1-3コンクリート
1-4鋼板型枠
1-5鋼板型枠と鉄筋接合部の溶接部等
2-1建造物A
2-2建造物B
2-3給排気孔
2-4給水パイプ
2-5給水ポンプ
2-6地下井戸
2-7散水孔
2-8排水ドレーン
2-9耐爆ドア