IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイトモグラフィー コーポレーションの特許一覧 ▶ ザ ユニバーシティ オブ セントラル フロリダ リサーチ ファウンデーション, インコーポレーテッドの特許一覧 ▶ 東芝メディカルシステムズ株式会社の特許一覧

特開2024-106340心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置
<>
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図1
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図2
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図3
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図4
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図5
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図6
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図7
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図8
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図9
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図10
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図11A
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図11B
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図12
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図13
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図14
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図15
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図16
  • 特開-心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106340
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
A61B6/03 550L
A61B6/03 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024010263
(22)【出願日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】63/481,721
(32)【優先日】2023-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VERILOG
2.SOLARIS
3.Linux
(71)【出願人】
【識別番号】524036491
【氏名又は名称】アイトモグラフィー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】iTOMOGRAPHY CORPORATION
【住所又は居所原語表記】Texas Medical Center Innovation Institute 2450 Holcombe Boulevard, Suite X+120 Houston, Texas 77021 USA
(71)【出願人】
【識別番号】524036505
【氏名又は名称】ザ ユニバーシティ オブ セントラル フロリダ リサーチ ファウンデーション, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF CENTRAL FLORIDA RESEARCH FOUNDATION, Inc.
【住所又は居所原語表記】Office of Technology Transfer, University of Central Florida, 12201 Research Parkway, Suite 201, Orlando, FL 32826 Houston, Texas 77021 USA
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソンジン ユン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー カツェヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル フレンケル
(72)【発明者】
【氏名】チュウリン タン
(72)【発明者】
【氏名】カイ リャン
(72)【発明者】
【氏名】ジエン ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ユウ
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093BA15
4C093CA13
4C093DA02
4C093FA35
4C093FD03
4C093FE03
4C093FE13
4C093FF16
4C093FF23
4C093FF24
(57)【要約】
【課題】CTシステムにおける動き推定のための方法を提供すること。
【解決手段】CTシステムにおける動き推定のための方法が提供される。方法は、CTシステムを使用して心臓をスキャンすることによって取得された投影データを複数の部分角度再構成(PAR)ビンに分割することと、PARビンに分割された投影データから複数のPARボリュームを再構成することと、複数の再構成されたPARボリュームに基づいて、いくつかのショートスキャンボリュームを取得することと、取得されたいくつかのショートスキャンボリュームに基づいて、心臓全体にわたって複数のノードを決定することと、決定された複数のノードの各々について、動きモデルの複数のモデルパラメータを推定することと、複数のノードの各々について推定された複数のモデルパラメータに基づいて、心臓のボリュームの各ボクセルにおける大域的動きモデルのパラメータを生成することと、を含む。方法は、心臓のボリュームの各ボクセルにおける大域的動きモデルの生成された動きパラメータに基づいて、動き補償されたショートスキャンボリュームを再構成することをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CTシステムにおける動き推定のための方法であって、
前記CTシステムを使用して心臓をスキャンすることによって取得された投影データを複数の部分角度再構成(PAR:partial-angle-reconstruction)ビンに分割することと、
前記PARビンに分割された投影データから複数のPARボリュームを再構成することと、
前記複数の再構成されたPARボリュームに基づいて、いくつかのショートスキャンボリュームを取得することと、
前記取得されたいくつかのショートスキャンボリュームに基づいて、前記心臓全体にわたって複数のノードを決定することと、
前記決定された複数のノードの各々について、動きモデルの複数のモデルパラメータを推定することと、
前記複数のノードの各々について推定された前記複数のモデルパラメータに基づいて、前記心臓のボリュームの各ボクセルにおける大域的動きモデルのパラメータを生成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記心臓の前記ボリュームの各ボクセルにおける前記大域的動きモデルの前記生成された動きパラメータに基づいて、動き補償されたショートスキャンボリュームを再構成することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定するステップが、
前記取得したいくつかのショートスキャンボリュームおよび追加情報に基づいて、前記心臓全体にわたって前記複数のノードを決定することを含み、
前記追加情報が、セグメント化された冠動脈ツリーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記決定するステップが、
前記取得したいくつかのショートスキャンボリュームおよび前記追加情報に基づいて、前記心臓全体にわたって複数の動脈ノード、開始ノード、および複数の他の領域ノードを決定することを更に含み、
前記複数の動脈ノードが、前記セグメント化された冠動脈ツリーに沿って分布され、
前記開始ノードが、閾値未満の動きを有することが知られている解剖学的領域内に位置すると決定され、
前記複数の他の領域ノードが、前記いくつかのショートスキャンボリュームの比較に基づいて分布される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記決定するステップが、
前記複数の動脈ノード、前記開始ノード、および前記複数の他の領域ノードを含むノードシーケンスを、前記開始ノードを前記ノードシーケンスの第1のスロットに配置し、前記ノードシーケンス内の連続するノードが空間的に互いに近づくように前記複数の他の領域ノードをソートすることによって、作成することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記追加情報が、前記複数のノードが前記心臓の内側にのみあると決定されるように、心臓マスクをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記いくつかのショートスキャンボリュームが、第1のショートスキャンボリューム、第2のショートスキャンボリューム、および基準ショートスキャンボリュームを含み、
前記基準ショートスキャンボリュームが、動きが最小であると想定される基準位相に中心が位置し、
前記第1のショートスキャンボリュームと前記第2のショートスキャンボリュームの両方が、中心が前記基準位相から離れて位置し、
前記推定するステップが、前記複数のノードの各々について、前記動きモデルで補正した前記第1のショートスキャンボリュームと前記動きモデルで補正した前記第2のショートスキャンボリュームとの間の類似性を含むコスト関数を最大化するように、前記動きモデルの前記複数のモデルパラメータを決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コスト関数が、陥凹ハウンズフィールド単位値が前記基準ショートスキャンボリュームの鮮鋭度測定値に寄与すると識別されたかどうかに基づいて調整される鮮鋭度正則化項をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記推定するステップが、前記複数のノードの各々について、前記ノードの周りのローカルボリュームを解析することによって決定される前記動きモデルの前記複数のモデルパラメータを推定することをさらに含み、
前記ローカルボリュームのサイズが、前記ノードが位置する血管の向きに基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記推定するステップが、前記複数のノードの各々について、
前記ノードの周りのローカルボリュームを解析することによって決定された前記動きモデルの前記複数のモデルパラメータを推定することと、
前記ノードの近傍で、前記ノードよりも鮮鋭度測定値が大きい特徴を検出すると、前記ノードを前記検出された特徴の位置に移動させ、前記初期ノードの周りの元の前記ローカルボリュームと前記検出された特徴の周りのローカルボリュームの両方をカバーするように、前記ローカルボリュームを更新することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記分割するステップが、
前記投影データを、等しいサイズを有する前記複数のPARビンに分割することであって、隣接するPARビンのすべての対が、単位量分割重みによって表されるオーバーラップを有する、分割することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
CTシステムにおける動き推定のための装置であって、前記CTシステムを使用して心臓をスキャンすることによって取得された投影データを複数の部分角度再構成(PAR:partial-angle-reconstruction)ビンに分割し、
前記PARビンに分割された投影データから複数のPARボリュームを再構成し、
前記複数の再構成されたPARボリュームに基づいて、いくつかのショートスキャンボリュームを取得し、
前記取得されたいくつかのショートスキャンボリュームに基づいて、前記心臓全体にわたって複数のノードを決定し、
前記決定された複数のノードの各々について、動きモデルの複数のモデルパラメータを推定し、
前記複数のノードの各々について推定された前記複数のモデルパラメータに基づいて、前記心臓のボリュームの各ボクセルにおける大域的動きモデルのパラメータを生成するように構成された処理回路を含む、
装置。
【請求項13】
前記処理回路が、前記心臓の前記ボリュームの各ボクセルにおける前記大域的動きモデルの前記生成された動きパラメータに基づいて、動き補償されたショートスキャンボリュームを再構成するようにさらに構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
処理回路によって実行されると、前記処理回路にCTシステムにおける動き推定のための方法を実行させるプログラムを記憶している非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法が、
前記CTシステムを使用して心臓をスキャンすることによって取得された投影データを複数の部分角度再構成(PAR)ビンに分割することと、
前記PARビンに分割された投影データから複数のPARボリュームを再構成することと、
前記複数の再構成されたPARボリュームに基づいて、いくつかのショートスキャンボリュームを取得することと、
前記取得されたいくつかのショートスキャンボリュームに基づいて、前記心臓全体にわたって複数のノードを決定することと、
前記決定された複数のノードの各々について、動きモデルの複数のモデルパラメータを推定することと、
前記複数のノードの各々について推定された前記複数のモデルパラメータに基づいて、前記心臓のボリュームの各ボクセルにおける大域的動きモデルのパラメータを生成することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記方法が、前記心臓の前記ボリュームの各ボクセルにおける前記大域的動きモデルの前記生成された動きパラメータに基づいて、動き補償されたショートスキャンボリュームを再構成することをさらに含む、
請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、心臓CTイメージングにおけるノードベースの動き推定のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影(CT)イメージングは、心血管疾患の早期検出のための有望な非侵襲的技術である。しかしながら、心臓のCTスキャンにおける画像品質は、心臓の動き、特に速い心拍の影響を受ける。いくつかの高度なスキャナは、中程度の心拍数で良好な画質を達成することができるが、例えば、心拍数が60bpmを超える心臓スキャンでは、モーションアーチファクトがしばしば発生する。
【0003】
4次元画像ベースの動き推定および動き補償を開発して、モーションアーチファクトを低減することができる。例えば、A.A.Isola、M.Grass、およびW.J.Niessenによる「Fully Automatic Nonrigid Registration-Based Local Motion Estimation for Motion-Corrected Iterative Cardiac CT Reconstruction」、医学物理学会誌、第37巻第3号第1093~1109頁、2010年2月を参照されたい。また、Q.Tang、J.Cammin、S.Srivastava、およびK.Taguchiによる「A fully four-Dimensional,Iterative Motion Estimation and Compensation Method for Cardiac CT」、医学物理学会誌、第39巻第7号第4291~4305頁、2012年6月も参照されたい。しかしながら、時間分解能は、動き推定に使用される画像によって制限される。
【0004】
部分画像ベースの動き推定および動き補償を使用して、時間分解能を改善することもできる。例えば、S.Kim、Y.Chang、およびJ.B.Raによる「Cardiac Motion Correction Based on Partial Angle Reconstructed Images in X-Ray CT」、医学物理学会誌、第42巻第5号第2560~2571頁、2015年4月を参照されたい。このタイプの方法の制限は、部分画像における部分再構成アーチファクトによって動き推定が劣化する可能性があることである。
【0005】
投影ベースの完全反復動き推定および動き補償を開発して、時間分解能および部分角度アーチファクトの問題に対処することもできるが、これは非常に時間がかかる。例えば、C.Rohkohl、H.Bruder、K.Stierstorfer、およびT.Flohrによる「Improving Best-Phase Image Quality in Cardiac CT by Motion Correction with MAM Optimization」、医学物理学会誌、第40巻第3号第031~901頁、2013年3月を参照されたい。また、Q.Tang、J.Cammin、およびK.Taguchiによる「Four-Dimensional Projection-Based Motion Estimation and Compensation for Cardiac X-Ray Computed Tomography」、第12回放射線医学における完全三次元画像再構成に関する国際会議議事録、核医学会機関誌、第46~49頁、2013年6月を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、モーションアーチファクトの問題を軽減し、心臓CTイメージングの画質を向上させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願の一実施形態は、CTシステムにおける動き推定のための方法に関する。方法は、CTシステムを使用して心臓をスキャンすることによって取得された投影データを複数の部分角度再構成(PAR)ビンに分割することと、PARビンに分割された投影データから複数のPARボリュームを再構成することと、複数の再構成されたPARボリュームに基づいて、いくつかのショートスキャンボリュームを取得することと、取得されたいくつかのショートスキャンボリュームに基づいて、心臓全体にわたって複数のノードを決定することと、決定された複数のノードの各々について、動きモデルの複数のモデルパラメータを推定することと、複数のノードの各々について推定された複数のモデルパラメータに基づいて、心臓のボリュームの各ボクセルにおける大域的動きモデルのパラメータを生成することと、を含む。
【0008】
本出願の別の実施形態は、CTシステムにおける動き推定のための装置に関する。装置は、CTシステムを使用して心臓をスキャンすることによって取得された投影データを複数の部分角度再構成(PAR)ビンに分割し、PARビンに分割された投影データから複数のPARボリュームを再構成し、複数の再構成されたPARボリュームに基づいて、いくつかのショートスキャンボリュームを取得し、取得されたいくつかのショートスキャンボリュームに基づいて、心臓全体にわたって複数のノードを決定し、決定された複数のノードの各々について、動きモデルの複数のモデルパラメータを推定し、複数のノードの各々について推定された複数のモデルパラメータに基づいて、心臓のボリュームの各ボクセルにおける大域的動きモデルのパラメータを生成するように構成された処理回路を含む。
【0009】
本出願のさらなる実施形態は、処理回路によって実行されると、処理回路にCTシステムにおける動き推定のための方法を実行させるプログラムを記憶している非一時的コンピュータ可読媒体に関する。方法は、CTシステムを使用して心臓をスキャンすることによって取得された投影データを複数の部分角度再構成(PAR)ビンに分割することと、PARビン化された投影データから複数のPARボリュームを再構成することと、複数の再構成されたPARボリュームに基づいて、いくつかのショートスキャンボリュームを取得することと、取得されたいくつかのショートスキャンボリュームに基づいて、心臓全体にわたって複数のノードを決定することと、複数のノードの各々について、動きモデルの複数のモデルパラメータを推定することと、複数のノードの各々について推定された複数のモデルパラメータに基づいて、心臓のボリュームの各ボクセルにおける大域的動きモデルのパラメータを生成することと、を含む。
【0010】
本出願は、添付の図面を伴う非限定的に与えられている説明を考慮するとよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本出願の一実施形態による動き推定および動き補償方法100のフローチャートの非限定的な例を示す。
図2図2は、PARボリューム間の遷移を平滑化するために使用される例示的な等脚台形の単位量分割重みを示す。
図3図3は、16個の等しいサイズのPARビンがある例示的な分割を示す。
図4図4は、PARビンの境界まで拡大されたショートスキャン角度範囲を示す。
図5図5は、スキャンデータの範囲内の再構成可能なゾーンを示す。
図6図6は、ショートスキャン範囲SS-0、SS-1、SS-2の中心の一例を示す。
図7図7は、ショートスキャン範囲SS-0、SS-1、SS-2の一例を示す。
図8図8は、2セグメント区分線形関数を用いて動きノードにおける動きを記述するための7つのパラメータを有する動きモデルを示す。
図9図9は、基準位相における位置に対して評価された各PARビンの中心における相対変位を示す。
図10図10は、平滑化ステップ関数G(t)の例示的なグラフを示す。
図11A図11Aは、動き補償なしの画像を示す。
図11B図11Bは、動き補償ありの画像を示す。
図12図12は、エッジプリング効果を特徴付けるために使用される変位ベクトルmとmとの間の小さな角度を示す。
図13図13は、i番目のノードおよび(i-1)番目のノードにおける動きパラメータを示す。
図14図14は、ノードタイプベースの可変パッチサイズスキームを示す。
図15図15は、オリジナルパッチと最適シフトパッチの両方をカバーする拡張パッチを示す。
図16図16は、距離d(xi ,yk)の台形関数である例示的な軟化子Wmollを示す。
図17図17は、CTシステムの実装形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記の課題を克服するために、本出願は、動き推定および動き補償の方法および装置を提供する。方法は、部分画像再構成の概念を利用して時間分解能を改善するが、部分角度アーチファクトの問題を回避する。他の心臓全体動き推定方法と比較して、本出願の方法は、より正確でより効率的な動き推定を提供することができる。
【0013】
本出願の一実施形態によれば、動き推定方法は、複数のノードの近くの動きを見出すことに基づく。ノードの位置は、解剖学的に合理的な方法で決定することができる。有利な点として、方法は、心臓マスクおよびセグメント化された冠動脈ツリーを含むがこれらに限定されない追加情報を利用することができる。心臓マスクを使用すると、ノードを心臓内にのみ分布させることができる。例えば、ノードは、動きを示す強力なランドマークに配置し、およびセグメンテーションされた冠動脈ツリーに沿って配置することができる。さらに、動脈が局所的に弱く、近くにより強力な特徴(例えば、心臓壁)がある場合、ノードをシフトさせることができる。
【0014】
本出願の一実施形態によれば、方法は、小さな動きを有する領域内のノードから開始して、より大きな動きを有する心臓の領域に徐々に移動する、解剖学的に合理的な方法で動き推定を実行する。動きモデルの連続性を保証するには、逐次的なウォームスタート動き推定を使用することができる。所与のノードにおける動きモデルのパラメータは、前のノードで推定された動きモデルのパラメータに基づいて推定することができる。したがって、たとえ動き推定が局所的であっても、本出願の方法は、算出された動きモデルが空間内で滑らかに変化することを確実にすることができる。
【0015】
動き推定は純粋に局所的であるため、動き推定アルゴリズムに対する必要な調整を自然な方法で組み込むことができる。例えば、動きモデルを解くためのコスト関数は、ノードが位置する血管の向きおよび/またはノードの近傍の画像HU(ハウンズフィールド単位)値に応じて調整することができる。
【0016】
有利な点として、この方法は計算上軽量である。さらに、この方法は、未混合の造影剤および気泡などの問題が患者に存在する場合に十分にロバストである。
【0017】
本出願の様々な態様を実装するための実施形態または例は、以下のセクションに記載のとおりであり得る。本出願を簡略化するために、構成要素および配置の具体例を以下に説明する。もちろん、これらは単なる例であり、限定することを意図するものではない。
【0018】
図1は、本出願の一実施形態による動き推定および動き補償方法100のフローチャートの非限定的な例を示す。ステップ110において、CTシステムによって心臓からスキャンされた投影データが取得される。ステップ120において、複数の部分角度再構成(PAR:partial-angle reconstruction)ボリュームが、複数のPARビンに分割されたスキャンデータから再構成される。ステップ130において、PARボリュームに基づいて、第1のショートスキャンボリューム、第2のショートスキャンボリューム、および基準ショートスキャンボリュームが取得される。ステップ140において、複数の散在したノードが、ショートスキャンボリュームと、心臓マスク、セグメント化された血管ツリーなどの追加情報とに基づいて、心臓全体にわたって分布される。ステップ150において、動きモデルのパラメータが各動きノードに関して推定される。ステップ160において、大域的動きモデルのパラメータが、動きノードに関する推定モデルパラメータに基づいて、心臓ボリューム全体の各ボクセル位置で生成される。ステップ170において、動き補償されたショートスキャンボリュームが、大域的動きモデルに基づいて生成される。
【0019】
本明細書に記載の異なるステップの説明の順序は、明確にするために提示されている。一般に、これらのステップは、任意の適切な順序で実行することができる。さらに、本明細書の異なる特徴、技術、構成などの各々は、本出願の異なる場所で説明することができるが、概念の各々は、互いに独立して、または互いに組み合わせて実行することができることが意図されている。したがって、本出願は、多くの異なる方法で具現化し、様々な視点で捉えることができる。
【0020】
さらに、本明細書で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」などの単語は、特に明記していない限り、一般に「1つまたは複数の(one or more)」の意味を有する。
【0021】
I.部分角度再構成
本出願の一実施形態によれば、動き推定および動き補償プロセスは、逆投影-ワープ-加算(BWA:Backpiont-Warp-Add)法に基づくことができる。動き補償(MC:Motion compensation)は、関連技術における任意の可能な実装手段または方法によって実装することができる。動き推定(ME:Motion Estimation)は、本出願のME-MCプロセスにとって重要である。動き推定フェーズ中に、中間的な動き補償された再構成ボリュームの複数のパッチを作成することができる。
【0022】
BWA再構成方法は、以下のステップによって動き補償された再構成ボリュームを作成する。
ステップ1:複数のビン(本出願では「PARビン」とも呼ばれる)に分割されたスキャンデータを逆投影することによって、複数の部分角度再構成(PAR)ボリュームを作成する。
ステップ2:動きモデルを適用することによって各PARボリュームをワープする。
ステップ3:ショートスキャンビュー範囲に対して識別されたPARボリュームを加算して、完全な動き補償再構成を作成する。
【0023】
本出願の一実施形態によれば、第1に、スキャンデータは複数のデータビンに分割される。次に、逆投影によってデータビン毎にPARボリュームが作成される。当業者に周知のPARボリュームの作成における他の(逆投影の他の)ステップは、ここでは詳述しない。PARボリューム間の遷移を平滑化するには、隣接するビンのすべての対は、単位量分割重みによって表されるいくらかのオーバーラップを有することができる。
【0024】
図2は、例示的な等脚台形の単位量分割重みを示し、形状は、以下の係数によってパラメータ化される。
【0025】
【数1】
【0026】
単位量分割重みは、他の形状を有することができ、関連分野における任意の可能な方法で設計することができることに留意されたい。
【0027】
図3に示す例示的な分割では、スキャン範囲全体が、幅wの16個の等しいサイズのビンと、スキャンデータの開始時と終了時の2つの(単位量分割重みの)ランプ幅rとに細分される。すなわち、r+16w+rはスキャン長に等しい。スキャンデータは、別の数のビンに分割することができる。ビンの数は、利用可能なコンピュータメモリによって決定することができる。有効なスキャンデータの範囲に応じて、各ビンは、例えば、25°~30°の幅とすることができる。
【0028】
PARボリュームは、PARビン化したデータを逆投影することによって再構成される。PAR再構成の逆投影中に、単位量分割重みが各ビューに適用される。次に、再構成されたPARボリュームが各ショートスキャン範囲について加算される。
【0029】
本出願の一実施形態では、ショートスキャンの最小角度範囲は約204°であり、これは8~9個のPARビンに対応する。最小ショートスキャン範囲がPARビンの中央で開始または終了する場合、ショートスキャン角度範囲は、図4に示すように、PARビンの境界までわずかに拡大することができる。これは、以下に説明する動きモデルおよび冗長重みを各PARに対して最も正確に適用できるようにするためである(ただし、いくらかの離散化誤差は避けられない)。
【0030】
図5は、スキャンデータの範囲内の再構成可能なゾーンを示す。再構成可能ゾーンは、ショートスキャン範囲の中心がこの領域内のどこかにある限り、ショートスキャン再構成に十分な投影データがあるスキャン範囲である。
【0031】
本出願の一実施形態では、3つのショートスキャン(SS)再構成ボリューム、SS-0、SS-1、およびSS-2が、BWA法を用いて作成される。SS-2は、動き補償後の最終結果に対応する基準ボリュームである。SS-2のショートスキャン範囲は、動きが最小であると予想される「基準位相」に中心が位置する。
【0032】
SS-0とSS-1の間隔の中心は、基準位相から所定の距離(この距離を図6では「位相間隔」と呼ぶ)離れて配置される。各SS間隔の角度範囲は、データ完全性のための周知の理論的要件に従って決定される:180°+ファン角度。これにより、各SS間隔の開始および終了が決定される。図6に示すように、SS-0およびSS-1中心のいずれかが再構成可能なゾーンの外側にある場合、その中心は再構成可能なゾーンの最も近い境界に移動される。これらの2つのショートスキャン再構成ボリュームは、動き推定中にボリューム類似度を計算するために使用される。
【0033】
図7は、SS-0、SS-1、SS-2の範囲の一例を示す。図7に示すように、SS-0、SS-1、およびSS-2の範囲は、PARビンの境界で正確に開始および終了するように調整することができる。SS-0、SS-1、およびSS-2は、同じ数のビンを有することができる。あるいは、それらは異なる範囲(±1ビン)を有することができ、これは従来技術における任意の可能な方法で冗長性重みによって補償することができる。
【0034】
例えば、以下のステップを実行して、ショートスキャン範囲SS-0、SS-1、およびSS-2の各々のボリュームを再構成することができる。
ステップ1:必要なショートスキャン範囲SS-0、SS-1、およびSS-2内にある対応するPARビンを識別する。
ステップ2:動きモデルを使用して、識別されたPARビンのPARボリュームの各々をワープまたはシフトする。
ステップ3:ワープされたPARボリュームの各々にそれ自体の冗長重みを乗算する。
ステップ4:得られたPARボリュームをすべて合算する。
【0035】
各PARボリュームに関してステップ2および3で使用される動きモデルの冗長重みおよびパラメータは、対応するPARビンの中心位相で評価される。動きモデルの定義およびモデルパラメータの推定については、以下のセクションで説明する。リストSS-0、SS-1、SS-2からの任意のPARビンを使用して、1つ、2つ、または3つの異なる動き補償ボリュームを再構成できることに留意されたい。このPARビンが受ける冗長重みは、3つのSS画像のうちのどれが再構成されるかに依存する。例えば、所与のPARビンは、SS-0を再構成するために使用される場合、冗長重み0.11を有し、SS-1を再構成するために使用される場合、冗長重み0.12を有し得る。
【0036】
II.動きモデル
心臓の全体的な動きは、散在する動きノードのセットを用いて記述することができる。図8に示すように、各動きノードは、2セグメント区分線形関数を使用してその位置での動きを記述する7つのパラメータ(s,m , m , mz , m , m , mz )を有することができる。
【0037】
動きヒンジ位相sは、区分的線形動きモデルのヒンジ点である。各動きノードは、推定されるべきパラメータである自身のsを有する。sが有効スキャン領域の終わりに近づきすぎると、動き変位パラメータ推定が不安定になる可能性がある。これを回避するには、sはSS-2の範囲内になるように制約することができる。
【0038】
セクションIで述べたように、基準位相はSS-2の中心である。基準位相では、速度はスキャン持続時間内で最も低いと予想される。本出願のME-MCフレームワークの場合、基準位相は既知で一定である。
【0039】
図9は、(ヒンジ位相sではなく)基準位相における位置に対して評価された各PARビンの中心における相対変位を示す。図9において、垂直実線矢印は、基準位相に対する個々のPAR中心位相に対応する変位を表す。
【0040】
本出願では、2つの異なるタイプの動きモデルを異なるタスクに使用することができる。動き推定には剛体動きモデルが用いられる。このモデルは、各動きノードの周りのパッチと呼ばれるローカルボリューム内に適用される。異なるパッチは、異なる動きモデルを有することができる。動き補償には、弾性動きモデルが用いられる。このモデルは、心臓のボリューム全体に適用される。各ボクセルの動きは、動きノードで算出された動きモデルを補間することによって計算される。言い換えれば、剛体動きモデルは、各ノードにおける動き推定をほぼ相互に独立した方法で行うために使用される。剛体の動きの仮定で取得された動きパラメータが滑らかに補間されると、それによって弾性動きモデルが生成され、これは心臓全体の動き補償に使用することができる。以下のセクションVIは、この補間を実行するための1つの可能な方法を説明する。
【0041】
心臓内の散在動きノードのセットの分布は、以下のセクションで説明する。
【0042】
III.ノード分布
上述したように、心臓全体にわたって散在する動きノードのセットを使用して、心臓の全体の動きを表す。各ノードは、セクションIIで説明したように、7つのパラメータによって決定される動きモデルを有する。これには、解決すべき2つの問題がある。
課題1.動きノードは、最小数のノードを使用して心臓の大域的な動きを正確に表すことができるように、最適な方法で割り当てられるべきである。および
課題2.動きノードは、動き推定をロバストにするのに十分な特徴(例えば、強力なエッジ)がある領域においてのみ割り当てられるべきである。
【0043】
ノード分布の目的のために、動きノードは、動脈ノード、他の領域ノード、および開始ノードの3つのタイプに分類される。各ノードタイプは、異なる方法を用いて分布させることができる。
【0044】
心臓動脈は、心臓CTの主要な関心事である。コントラスト強調の動脈はまた、動きを推定するために必要な特徴を提供する。したがって、動脈ノードは、他の2つのタイプのノードを分布させる前に、最初に分布される。例示的な実施形態では、動脈ノードは、血管ツリー追跡装置によって取得された血管ツリーに沿って固定距離で分布させることができる。追跡される血管は、十分に特徴的であると想定されるため、動きを推定するために使用することができる。したがって、ノード間の距離以外の条件を考慮する必要はない。見出されたノードはすべて、後で決定される開始ノード用の第1のスロットを除いて、空のノードリストに追加することができる。
【0045】
ここでの「他の領域」とは、追跡される血管ツリーに属さない一般的な心臓構造、例えば心房、心臓壁、または血管ツリー追跡装置によって識別されない任意の動脈を意味する。他の領域ノードは、有意な動きが存在する領域にのみ適用される。
【0046】
例えば、有意な動きを検出するには、未補正ショートスキャン再構成SS-0、SS-1、およびSS-2の間のエッジを比較することができる。このようにして、動き推定を実行せずに、スキャン時間中に特徴が移動したかどうかを検出することができる。
【0047】
より具体的には、3つの異なるショートスキャン範囲、SS-0、SS-1、およびSS-2に対して未補正の再構成が実行される。そして、ソーベルエッジ検出を用いて、SS-0、SS-1、SS-2のエッジマップを作成することができる。
【0048】
ここで、結果をそれぞれES、ES、およびESと記す。各データセットは、異なるコントラストレベルを有することができる。エッジ検出カットオフは、各データセットのソーベルフィルタリングされたボリューム振幅の中央値に基づいて決定することができる。ES、ES、およびESに3Dガウシアンフィルタを適用してエッジを広げ、ノイズを低減することができる。ここで、結果をそれぞれGES、GES、およびGESと記す。
【0049】
次に、エッジの差の二乗の和が算出され、GESがより強力な場合にのみ値が収集される。
【0050】
【数2】
【0051】
DGESの値が閾値よりも小さい位置が見出されると、それらは「動きなしピクセルマップ」として保存することができ、これは、複数のローカル動きモデルから単一の大域的動きモデルを作成する段階で外挿の必要性を排除する(したがって、補間のみを使用する)ために使用される。本出願では、「外挿」は、いずれかのノードから遠いデータを取得するための補間として曖昧に定義される。ある点が閾値よりも最も近い動きノードから遠い場合、動き振幅は、例えば図16に示すように徐々に減少される。さらに、あるボクセルが「動きなしピクセルマップ」内にある場合、骨または他の硬組織が動きノードに近づきすぎると歪むのを避けるため、動き補償は適用されない。移動平均をDGESに適用する。結果として得られるボリュームは、動きの方向および強度が分からなくても、動きのおおよその重要性を示す動きヒートマップである。
【0052】
ヒートマップの大域的最大値の位置が見出された後、それにノードを割り当てることができる。次いで、新たに割り当てられたノードから所定の半径内のDGES値を0に設定して、ノード間の最小距離を維持することができる(そうでない場合、ノードは互いに近づきすぎて割り当てられる)。この操作を、大域的最大値が閾値を下回るか、ノード数が所定の最大値に達するまで繰り返す。
【0053】
上記の2つのタイプの動きノードに加えて、小さな動き(例えば、閾値未満)を有することが知られている解剖学的領域内の点を開始ノードとして使用することができる。例えば、右冠動脈(大動脈付近の「RCA」)の開始位置付近の点は、動きが最も小さい点を特定することができる。このノードは、ウォームスタート情報が利用できない逐次的な動き推定の開始として使用される。
【0054】
例えば、開始ノードは、以下のように割り当てることができる。
ステップ1:RCA開始位置が位置する横断面内の近傍、例えば所定の2D楕円内のすべてのボクセルを識別する。
ステップ2:ステップ1で識別されたボクセルの中から、閾値よりも高いGES値を有するボクセルを選択する。
ステップ3:ステップ2で識別されたボクセルの中から、最小動きヒートマップ値を有するボクセル位置に開始ノードを割り当てる。
【0055】
すべてのノード位置が識別されると、以下のセクションで説明するように、他の領域ノードをウォームスタート用にソートすることができる。
【0056】
IV.ウォームスタートシーケンス
心臓動き推定は、複数の極小値を有し得る。ほとんどの十分に確立された大域的最適化法は、この動き推定問題の大域的最小値を見出すことができない。網羅的検索方法は成功する可能性があるが、過多な計算リソースを必要とする。勾配降下法はより高速であるが、必ずしも所望の最小値に収束するとは限らない。
【0057】
望ましくない極小値を回避するには、本出願による方法は、勾配降下法をウォームスタートと組み合わせる。ウォームスタートを実現するために、各ノードの動きが1つずつ逐次推定される。逐次的な動き推定では、1つのノードにおける既に推定された動きモデルを、シーケンス内の次のノードにおける動き推定のための初期解として使用することができる。
【0058】
したがって、各動きノードでの動き推定は大きく独立して進行するが、ノードが処理される順序は、勾配降下の適切な開始点を提供するために重要である。本出願の一実施形態では、ウォームスタートシーケンスは、隣接ノード間の最短距離に基づいて作成することができる。ウォームスタートシーケンスの作成は、既存のノードのソートから始まる。例えば、以下のステップ1~5によって、ソート操作は、シーケンス内の連続するノードを可能な限り空間的に近づけることができる。
【0059】
ステップ1において、ノードの2つのリスト、すなわちソート済みノードリスト(SN:soreted node)および未ソートノードリスト(USN:unsorted node)が作成される。ソート済みノードリスト(SN)は、開始ノードおよび動脈ノードを含む。開始ノードは、動き推定がなされる最初のノードでなければならず、動脈ノードは、血管ツリーに従って既にソートされている。未ソートノードリスト(USN)は最初に、前のセクションで説明したノード分布プロセスによって割り当てられたすべての他の領域ノードのリストを含む。これらの他の領域ノードのみをソートする必要がある。
【0060】
ステップ2において、i番目のソート済みノードSNとj番目の未ソートノードUSNとの間の距離Di、jに関して、ソート済みノードリストと未ソートノードリストとの間の最も近いノード対が見出される。
【0061】
【数3】
【0062】
ステップ3において、最も近い未ソートノードUENjは、未ソートノードリストからソート済みノードリストの末尾に移動される。例えば、ソート済みノードリストが現在ノード~ノード100を含む場合、ソート済みノードリスト内のノード50と未ソートノードリスト内のノードXとからなる最も近いノード対を処理するとき、ノードXはノード101としてソート済みノードリストに追加される。
【0063】
ステップ4において、未ソートノードリストが空になるまで、ステップ2および3が繰り返される。ソート操作が完了した後、ステップ5において、任意のノードNについて、現在のリスト上のNの前のノードの中のその最近傍(NN)が所定の最大距離閾値よりも遠い場合、距離を短縮するために追加の動きノードが追加される。新しい動きノードの位置は、ノードNとNNを結ぶ線分の中点に可能な限り近く、閾値よりも大きいGES値を有するボクセルにおいて選択される。ソート済みノードリストでは、この追加の動きノードはNの直前に配置される。このようにして、所与のノードとそのNNとの間の空間距離を最大距離閾値未満に保つことができる。
【0064】
ステップ5は、NN個の動きノード対の間のすべての距離が最大距離閾値未満になるまで繰り返される。NNが最大距離閾値よりも遠い現在のノードNについて、上記の基準を満たす新たなノードを見出すことができない場合、Nをスキップすることができ、その後、プロセスは次のノードNm+1に進むことに留意されたい。これは、ノードNとそのNNとの間の距離の増加よりも好ましくない、特有の特徴のない新しいノードを追加することを回避するためである。
【0065】
V.動き推定
本出願の実施形態によれば、動きモデルパラメータは、ウォームスタート勾配降下法を用いて各ノードで推定される。以下で説明するように、動き推定問題を最適化問題に変換する総コスト関数が使用される。
【0066】
【数4】
【0067】
提案される総コスト関数の構成要素は、ボリューム類似度コスト関数、ボリューム鮮鋭度コスト関数、および動き振幅正則化子、動き鋭角正則化子、動き振幅類似度正則化子、動き角度類似度正則化子などの様々な正則化項を含むことができる。コスト関数および正則化項については後述する。
【0068】
A.ボリューム類似度コスト関数Φ
動きが適切に補償されると、FDK(Feldkamp、DavisおよびKress)近似に起因する誤差およびアーチファクトを除いて、任意の位相におけるショートスキャンFDK再構成ボリュームは同じ結果を返すはずである。例えば、SS-0ボリュームとSS-1ボリュームとを比較して、動きモデル推定の精度を判断することができる。SS-0ボリュームとSS-1ボリュームとの間の類似度のこの尺度は、ボリューム類似度と呼ばれ、その可能な実施形態の1つは、以下の式によって与えられる。
【0069】
【数5】
【0070】
ここで、Fは、以下の式によって与えられるk番目のワープ後のショートスキャン再構成ボリュームである。
【0071】
【数6】
【0072】
ここで、NjはIj内の要素の数であり、Iはj番目の動きノードの動き推定に使用するパッチ内のボクセルのセットであり、iはボリュームボクセルインデックスであり、xはi番目のボクセルの3次元空間座標であり、sj はj番目の動きノードのヒンジ位相、kはショートスキャンインデックスであり0または1となり、pはPARボリュームインデックス、spはp番目のPARビンの中心位相、Pkはk番目のショートスキャンの角度範囲内のPARビンのセット、wkは、k番目のショートスキャンに対応する冗長重み、fpはp番目のPARボリューム、ψは基準時刻での位置に対する変位である。
【0073】
B.ボリューム鮮鋭度コスト関数Φ
多くの場合、X線CTの動きで汚染されたデータから再構成された画像は、スキャン中に動いていなかった(変形しなかった)対象物のX線CTデータから再構成された画像よりも鮮鋭ではない。したがって、画像の鮮鋭度は、動きを感知するための自然なメトリックである。しかしながら、拍動する心臓のCT再構成は、ぼやけた画像だけでなく、画像値が背景値よりもはるかに低い陥凹アーチファクトも生成することができる。この陥凹は鮮鋭性に寄与し、望ましくない局所的最小値を生成する。
【0074】
心臓CT MEに鮮鋭度メトリックを使用するには、陥凹アーチファクトによる鮮鋭度の増加を除去することが望ましい。例えば、最終結果がSS-2であるため、SS-2の鮮鋭度を最大化(または-1を乗算した後に最小化)して動きを推定することができる。ボリューム鮮鋭度コスト関数Φは、以下のように表される。
【0075】
【数7】
【0076】
ここで、G(t)は、画像強度が閾値未満のときに鮮鋭度を下げるための平滑化ステップ関数である。
【0077】
図10は、平滑化ステップ関数G(t)の例示的なグラフを示す。図10において、tlow(x)は、max(Dmin(x)、中央値[陥凹の最小値])を表し、tup(x)は、max(tlow(x)+1、中央値[脂肪])を表す。例えば、Dmax(x)は、中心がxである51×51×3のボクセル円柱における最大値であり、Dmin(x)は、中心がxである51×51×3のボクセル円柱における最小値である。陥凹の最小値および脂肪のボクセル値は、補償されていない再構成ボリューム、例えば、ランダムに選択された10個のデータセットから採取された35個のサンプルから手動で収集することができる。
【0078】
別の例として、深層学習によって、ノードの近傍の陥凹アーチファクト(動きで汚染されたデータにより「陥凹」した再構成HU値)を検出することができ、コスト関数のパラメータは、ノードの近傍のHU値に基づくことができる。図11Aおよび図11Bは、それぞれ補正なしで再構成された画像およびモーションアーチファクトが補正されて再構成された画像を示す。図11Aの円はアーチファクトを示し、図11Bの円はこれらのアーチファクトの除去を示す。
【0079】
C.動き振幅正則化Φamp
データがその限られた量の情報のために、(例えば、水平血管について)固有の動きモデルを指定していない場合、固有の解決策は、大きな動きの振幅にペナルティを課すことによって選択される。
【0080】
【数8】
【0081】
この例では、Lノルムは、大きな動き振幅にペナルティを課すために使用される。
【0082】
D.動き鋭角正則化Φθ
ボリューム鮮鋭度メトリックは、パッチがエッジと交差する場合、パッチの中心に向かって強力で連続したエッジを引き付ける傾向がある。このエッジプリング効果は、図12に示すように、変位ベクトルm-とm+との間の小さな角度によって特徴付けることができる。
【0083】
ペナルティを総コスト関数に追加して、m-とm+との間の過小な角度を抑制することができる。
【0084】
【数9】
【0085】
ここで、<・,・>は内積を表す。
【0086】
E.動き類似性規則化ΦsimaおよびΦsimp
図13に示すように、i番目のノードの動きパラメータは、(i-1)番目のノードの動きパラメータに近いはずである。したがって、動き振幅類似度正則化子および動き角度類似度正則化子が総コスト関数に導入される。
【0087】
【数10】
【0088】
F.血管の向きによる調整
CTデータでは水平血管のエッジが見える方向が少ないため、水平血管の動きの推定ははるかに困難であることが観察される。この問題に対処するために、本出願の一実施形態では、動脈ノードは、各ノードにおける血管の傾きに応じてさらに分割される。この分割によって、3つのカテゴリ、すなわち(1)垂直動脈ノード、(2)中間動脈ノード、および(3)水平動脈ノードを得ることができる。異なるカテゴリには、動き推定のための異なる設定が適用される。
【0089】
水平動脈における動き推定の不安定性に対処するために、ノードタイプベースの可変パッチサイズスキームを開発することができる。このスキームでは、血管ツリー情報に基づいて、血管の傾きを推定することができる。推定された傾きに応じて、パッチサイズを段階的に大きくすることができる。すなわち、小さな特徴(例えば、垂直動脈)が十分な動き情報を提供する場合、動き推定により小さなパッチを使用することができる。対照的に、水平動脈または他の領域の場合、より大きなパッチを使用すると、より多くの特徴を考慮することによって動き推定のロバスト性を改善することができる。例えば、図14に示すように、垂直動脈には24×24×16のパッチサイズ、水平動脈には53×53×26のパッチサイズ、その他の領域(例えば、心臓壁)のノードには64×64×32のパッチサイズを使用することができる。
【0090】
さらに、水平動脈の動き推定は垂直動脈の動き推定よりも安定性が低い可能性があるため、動き推定をよりロバストにするにはより強力な正則化が必要である。しかしながら、正則化強度は、動きの過小評価を引き起こすため、大域的に大きくすることはできない。
【0091】
本出願の一実施形態によれば、動き推定不安定性に対する各ノードタイプの脆弱性に応じて正則化強度を制御するために、追加の係数γregが導入される。以下の表に示すように、異なるノードタイプに異なるγregを適用することができる。
【0092】
【表1】
【0093】
G.ノード位置の最適化
上述の動き鋭角正則化は、エッジプリングを低減するのに役立つが、エッジプリング効果を完全に排除することはでき得ない。エッジプリングをさらに回避するために、動き推定を実行する前に、ノード位置を、鮮鋭度メトリックが極大値を達成する近くの位置にシフトすることができる。
【0094】
新しいパッチ中心は、動脈を失わず、または元のノード位置から離れた動きを導入しないように、元の中心から離れすぎてはならない。重要な特徴は失われないように、パッチサイズもそれに応じて大きくなる。そして、最適化されたパッチに基づいて動き推定が実行される。パッチは最初に最大鮮鋭度メトリックを有するように最適化されるので、動き推定中に他のエッジが引き付けられることはない。
【0095】
例えば、ノード(パッチの中心)は、パッチ内で未補正画像のボリューム鮮鋭度が大きくなる方向に移動させることができる。本出願の一実施形態では、パターン探索と座標降下とを組み合わせることができる。各ステップにおいて、未補正SS-2の鮮鋭度コスト関数は、パッチをx軸、y軸、およびz軸に沿って±1個のボクセルだけシフトした後に比較される。鮮鋭度メトリックが最大(または負の符号の場合は最小)になる方向に従う。このような操作は、鮮鋭度メトリックがいずれの方向にも著しく(例えば、5%超)増加しなくなるまで、または所定の反復回数(例えば、5回の反復)を実行した後に繰り返される。
【0096】
一例では、ノードの移動は、任意の方向に5個のボクセル以下に制限される。最適なノード位置が見出されると、図15に示すように、元のパッチと最適にシフトされたパッチの両方を含むようにパッチサイズを大きくすることができる。拡張パッチサイズでは、元のパッチの特徴が失われることはない。
【0097】
VI.大域的動きモデル
すべての動きノードにおけるすべての動きパラメータが推定されると、それらの値を使用して、ボリュームのすべてのボクセル位置における動きを推定することができる。
【0098】
動きノードが心臓全体にわたって不規則に分布するので、散在データに補間法が適用される。本出願の一実施形態では、その単純さのために、改良シェパード逆距離加重法を採用することができる。他にも多くの補間法が利用可能であるため、これに限定的ではないことに留意されたい。
【0099】
改良シェパード逆距離法は、近傍のデータ、すなわちクエリ点から距離Rmax以内(例えば、75個のボクセル以内)のデータを使用し、それを重みWで平均化する。例えば、重みWは、隣接データ点ykとクエリ点xiとの間のユークリッド距離d(xi,yk)の関数とすることができる。
【0100】
【数11】
【0101】
【数12】
【0102】
ここで、tkは、k番目の動きノードの任意の動きパラメータ(mj -,mj ,sj 0)を表し、ハット記号が付されたtiは、クエリ点xiにおける補間値である。
【0103】
動きがRmax半径の球の境界で不連続になることは望ましくない。動きを滑らかに減衰させるために、補間された動きの値に軟化子Wmollが乗算される。例えば、軟化子Wmollは、距離d(xi,y)の台形関数であり得る。例示的な軟化子を図16に示す。
【0104】
VII.動き補償
補間された動きパラメータに基づいて取得された大域的動きモデルは、各PARボリュームの各ボクセルに適用される。これらの値を合算して、基準位相に中心が位置する動き補償SS-2を再構成する。
【0105】
あるいは、BWA法の代わりに、MC-FDK手法を推定された大域的動きモデルと併用して、最終的な再構成の時間分解能を向上させることができる。これは、わずかに長い計算時間でより良好な画質をもたらすことができる。
【0106】
図17は、CTシステムまたはスキャナの実装形態を示す。図17に示すように、放射線撮影ガントリ850は、側面視で示されており、X線管851と、環状フレーム852と、多列型または二次元アレイ型のX線検出器853とをさらに含む。X線管851とX線検出器853は、回転軸RAを中心に回転可能に支持された環状フレーム852上に、対象物OBJを挟んで直径方向に取り付けられている。回転部857は、対象物OBJを軸RAに沿って図示の頁の内外に移動させながら、環状フレーム852を0.4秒/回転等の高速で回転させる。
【0107】
以下、本発明によるX線コンピュータ断層撮影(CT)装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。X線CT装置には、X線管とX線検出器とが検査対象物を中心として一体的に回転する回転/回転型装置や、多数の検出素子がリング状や平面状に配列され、X線管のみが検査対象物を中心として回転する静止/回転型装置など、様々なタイプの装置があることに留意されたい。本発明は、いずれのタイプにも適用することができる。ここでは、現在主流である回転/回転型を例示することにする。
【0108】
また、マルチスライスX線CT装置は、X線管851にX線を発生させるために、スリップリング858を介してX線管851に印加される管電圧を発生する高電圧発生器859をさらに含む。X線は対象物OBJに向かって放射され、その断面積は円で表される。例えば、X線管851は、第2のスキャン中の平均X線エネルギーよりも小さい第1のスキャン中の平均X線エネルギーを有する。したがって、異なるX線エネルギーに対応する2つ以上のスキャンを得ることができる。X線検出器853は、対象物OBJを透過した放射されたX線を検出するために、対象物OBJを挟んでX線管851とは反対側に配置されている。X線検出器853は、個々の検出器要素またはユニットをさらに含む。
【0109】
CT装置は、X線検出器853からの検出信号を処理するための他のデバイスをさらに含む。データ取得回路あるいはデータ取得システム(DAS)854は、X線検出器853がチャンネル毎に出力する信号を電圧信号に変換し、増幅し、さらにその信号をデジタル信号に変換する。X線検出器853およびDAS854は、1回転当たりの所定全投影数(TPPR)を処理するように構成される。
【0110】
上記のデータは、非接触データ送信機855を介して放射線撮影ガントリ850の外側のコンソールに収容されている前処理デバイス856に送信される。前処理デバイス856は、生データに対して感度補正などの特定の補正を実行する。メモリ862が、再構成処理の直前の段階の投影データとも呼ばれる結果データを記憶する。メモリ862は、再構成デバイス864、入力デバイス865、およびディスプレイ866と共に、データ/制御バス861を介してシステムコントローラ860に接続される。システムコントローラ860は、電流を、CTシステムを駆動するのに十分なレベルに制限する電流調整器863を制御する。
【0111】
検出器は、様々な世代のCTスキャナシステムの中で、患者に対して回転されおよび/または固定される。一実装形態では、上述のCTシステムは、第3世代ジオメトリと第4世代ジオメトリとを組み合わせたシステムの一例であり得る。第3世代システムでは、X線管851とX線検出器853は、環状フレーム852に直径方向に取り付けられ、環状フレーム852が回転軸RAを中心に回転することにより、対象物OBJを中心に回転する。第4世代のジオメトリシステムでは、検出器は患者の周りに固定して配置され、X線管は患者の周りを回転する。別の実施形態では、放射線撮影ガントリ850は、Cアームおよびスタンドによって支持されている環状フレーム852上に配置された複数の検出器を有する。
【0112】
メモリ862は、X線検出器853におけるX線の放射照度を表す測定値を記憶することができる。さらに、メモリ862は、本明細書に記載の方法を含む、CT画像再構成、物質分解、ならびに動き推定および動き補償方法を実行するための専用プログラムを記憶することができる。
【0113】
再構成デバイス864は、本明細書に記載の上記の方法を実行することができる。また、再構成デバイス864は、必要に応じて、ボリュームレンダリング処理や画像差分処理などの再構成前処理画像処理を実行することができる。
【0114】
前処理デバイス856によって実行される投影データの再構成前処理は、例えば、検出器較正、検出器非線形性、および極性効果を補正することを含むことができる。
【0115】
また、再構成デバイス864によって実行される再構成後処理は、必要に応じて、画像のフィルタリングおよび平滑化、ボリュームレンダリング処理、ならびに画像差分処理を含むことができる。画像再構成プロセスは、フィルタ逆投影法、反復画像再構成法、または確率的画像再構成法を使用して実行することができる。再構成デバイス864は、メモリを使用して、例えば、投影データ、再構成画像、較正データおよびパラメータ、ならびにコンピュータプログラムを記憶することができる。
【0116】
再構成デバイス864は、ディスクリート論理ゲートとして、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他の複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)として実装することができるCPU(処理回路)を含むことができる。FPGAまたはCPLD実装は、VDHL、Verilog、または任意の他のハードウェア記述言語でコード化されてもよく、コードは、FPGAまたはCPLD内の電子メモリに直接記憶されてもよく、別個の電子メモリとして記憶されてもよい。さらに、メモリ862は、ROM、EPROM、EEPROM、またはフラッシュメモリなどの不揮発性のものであってもよい。メモリ862はまた、スタティックまたはダイナミックRAMなどの揮発性のものであってもよく、電子メモリならびにFPGAまたはCPLDとメモリとの間の相互作用を管理するために、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサなどのプロセッサを設けることができる。
【0117】
あるいは、再構成デバイス864内のCPUは、本明細書に記載の機能を実行するコンピュータ可読命令のセットを含むコンピュータプログラムを実行することができ、プログラムは、上述の非一時的電子メモリおよび/またはハードディスクドライブ、CD、DVD、FLASHドライブ、または任意の他の既知の記憶媒体のいずれかに記憶される。さらに、コンピュータ可読命令は、米国Intel(登録商標)社製のXeonプロセッサまたは米国AMD(登録商標)社製のOpteronプロセッサなどのプロセッサ、ならびにMicrosoft10、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX、Apple、MAC-OS、および当業者に周知の他のオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステムと連携して実行する、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、もしくはオペレーティングシステムのコンポーネント、またはそれらの組合せとして提供され得る。さらに、CPUは、命令を実行するために並列に協調して動作する複数のプロセッサとして実装することができる。
【0118】
一実装形態では、再構成画像をディスプレイ866に表示することができる。ディスプレイ866は、LCDディスプレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLED、LED、または当技術分野で周知の任意の他のディスプレイとすることができる。
【0119】
メモリ862は、ハードディスクドライブ、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、FLASHドライブ、RAM、ROM、または当技術分野で周知の任意の他の電子記憶装置とすることができる。
【0120】
本発明は、上に説明した例に限定されない。特に、図示されていない変形形態において、図示されている例の特徴を互いに組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0121】
850 放射線撮影ガントリ
851 X線管
852 環状フレーム
853 X線検出器
855 非接触データ送信機
856 前処理デバイス
857 回転部
858 スリップリング
859 高電圧発生器
860 システムコントローラ
861 データ/制御バス
862 メモリ
863 電流調整器
864 再構成デバイス
865 入力デバイス
866 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【外国語明細書】