(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106371
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】飲料提供装置
(51)【国際特許分類】
G07F 13/10 20060101AFI20240801BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20240801BHJP
A47J 31/44 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
G07F13/10 D
B67D1/08 Z
A47J31/44 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010605
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】518276162
【氏名又は名称】株式会社New Innovations
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】中尾 渓人
【テーマコード(参考)】
3E047
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E047AA03
3E047BA01
3E047BA02
3E047CC10
3E047FA01
3E047FA04
3E047GA03
3E082AA02
3E082BB01
3E082FF09
4B104AA30
4B104BA74
4B104EA20
(57)【要約】
【課題】 簡単な構造で容器などの供給を適切に行うことが可能な装置を提供する。
【解決手段】 容器供給部は、第1容器が通る容器通過領域を囲む第1移動体と、第1回転軸周りに移動可能な状態で、第1移動体を保持する移動体保持部と、第2移動体と、を有する容器保持領域を備える。第1移動体と移動体保持部とが、第2回転軸周りに回転可能な状態で、第2移動体を保持する。第2移動体は、前記容器が通る方向から見て、容器通過領域を挟むように2以上設けられる。第2移動体は、第1保持領域と、第1保持領域よりも下方に設けられた第2保持領域とを有する。第1移動体の移動に伴って、第2移動体が回転し、第2移動体の第2保持領域が、第1容器を保持する第1状態と、第2保持領域による第1容器の保持を解除し、第2移動体の第1保持領域が、第1容器の上に配置された第2容器を保持する第2状態とが切り替えられる。
【選択図】
図29
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1容器が通る容器通過領域を囲む第1移動体と、前記容器が通る方向に平行な第1回転軸周りに移動可能な状態で、前記第1移動体を保持する移動体保持部と、第2移動体と、を有する容器保持領域を備えた容器供給部であって、
前記第1移動体と前記移動体保持部とが、前記第1回転軸と平行な第2回転軸周りに回転可能な状態で、前記第2移動体を保持し、
前記第2移動体は、前記前記容器が通る方向から見て、前記容器通過領域を挟むように2以上設けられ、
前記2以上の前記第2移動体のそれぞれは、第1保持領域と、前記第1保持領域よりも下方に設けられた第2保持領域とを有し、
前記第1移動体の移動に伴って、前記2以上の前記第2移動体が回転し、前記2以上の前記第2移動体のそれぞれの第2保持領域が、前記第1容器を保持する第1状態と、前記第2保持領域による前記第1容器の保持を解除し、前記2以上の前記第2移動体の前記第1保持領域が、前記第1容器の上に配置された第2容器を保持する第2状態とが切り替えられる、容器供給部。
【請求項2】
前記第1状態では、前記第2保持領域の上面で、前記第1容器を保持し、
前記第2状態では、前記第1保持領域の斜面で、前記第1容器を落下させ、前記第1保持領域の上面で、前記第2容器を保持する、請求項1に記載の容器供給部。
【請求項3】
前記第1移動体は、囲繞形状を有し、
前記第1状態から前記第2状態への切り替えは、電磁石の磁力によって行われ、
前記第2状態から前記第1状態への切り替えは、弾性部材の付勢力によって行われる、請求項1または請求項2に記載の容器供給部。
【請求項4】
前記容器保持領域とは別の容器保持領域を更に備え、
前記別の容器保持領域は、前記容器保持領域が保持する容器とは別の容器を保持するものであり、
前記別の容器保持領域の第1移動体は、前記容器保持領域が有する前記第1移動体と同じ形状を有し、
前記別の容器保持領域の移動体保持部は、前記容器保持領域が有する前記移動体保持部と同じ形状を有し、
前記別の容器保持領域の第2移動体は、前記容器保持領域が有する前記第2移動体と異なる形状を有する、請求項1に記載の容器供給部。
【請求項5】
請求項1に記載の容器供給部と、
前記容器供給部から供給された前記容器に飲料を供給する飲料供給部と、
前記飲料供給部に材料を供給する材料供給部と、
第1移動部を有する供給部移動装置と、を備えた飲料提供装置であって、
前記材料供給部は、前記飲料供給部の上に配置され、
前記第1移動部は、前後方向と上下方向に移動可能な状態で、前記材料供給部を保持する、飲料提供装置。
【請求項6】
前記供給部移動装置は、第2移動部を有し、
前記第2移動部は、前記前後方向に移動可能な状態で、前記飲料供給部を保持し、
前記第1移動部は、第1抑止機構を含み、
前記第2移動部は、第2抑止機構を含み、
前記第1抑止機構のロック状態を解除した時に、前記材料供給部が移動可能な状態にされ、
前記第2抑止機構のロック状態を解除した時に、前記飲料供給部が移動可能な状態にされる、請求項5に記載の飲料提供装置。
【請求項7】
前記材料供給部は、材料タンクと、材料移動装置と、傾斜壁と、を含み、
前記材料移動装置は、前記材料タンクから排出された材料を移動させ、
前記傾斜壁は、前記材料移動装置の側部の上方及び後端部の上方に設けられる、請求項5または請求項6に記載の飲料提供装置。
【請求項8】
前記材料供給部は、前記材料移動装置の下面と平行な屑取りプレートを含む、請求項7に記載の飲料提供装置。
【請求項9】
前記屑取りプレートには、スロット若しくはスリットが形成され、
前記材料は、前記材料移動装置の先端部から落下し、前記飲料供給部に供給され、
前記材料のうち、前記材料移動装置に付着した材料は、前記屑取りプレートに当たって落下する、若しくは、前記材料移動装置の下面と前記屑取りプレートの隙間を通り、前記スロット若しくは前記スリットを通って落下し、前記飲料供給部に供給される、請求項8に記載の飲料提供装置。
【請求項10】
前記材料供給部は、底面部を含み、
前記底面部には、前記材料移動装置の先端部から落下した前記材料が通る孔が形成され、
前記材料は、前記孔を介して、前記飲料供給部に供給され、
前記底面部は、ローレットつまみを介して、前記材料供給部の側面部に取り付けられる、請求項7に記載の飲料提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、飲料提供装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第107424313号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、飲料を入れる容器や、飲料の元となる材料を供給する装置の具体的な構造は明確でない。
【0005】
したがって本発明の目的は、簡単な構造で容器などの供給を適切に行うことが可能な装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る容器供給部は、第1容器が通る容器通過領域を囲む第1移動体と、前記容器が通る方向に平行な第1回転軸周りに移動可能な状態で、前記第1移動体を保持する移動体保持部と、第2移動体と、を有する容器保持領域を備える。
前記第1移動体と前記移動体保持部とが、前記第1回転軸と平行な第2回転軸周りに回転可能な状態で、前記第2移動体を保持する。
前記第2移動体は、前記前記容器が通る方向から見て、前記容器通過領域を挟むように2以上設けられる。
前記2以上の前記第2移動体のそれぞれは、第1保持領域と、前記第1保持領域よりも下方に設けられた第2保持領域とを有する。
前記第1移動体の移動に伴って、前記2以上の前記第2移動体が回転し、前記2以上の前記第2移動体のそれぞれの第2保持領域が、前記第1容器を保持する第1状態と、前記第2保持領域による前記第1容器の保持を解除し、前記2以上の前記第2移動体の前記第1保持領域が、前記第1容器の上に配置された第2容器を保持する第2状態とが切り替えられる。
【0007】
2つの移動体(第1移動体、第2移動体)により、複数箇所での容器の保持(第1状態)及び保持状態の解除(第2状態)を、タイミングをずらさずに行うことが出来、簡単な構造で容器の供給を適切に行うことが可能になる。
【0008】
好ましくは、前記第1状態では、前記第2保持領域の上面で、前記第1容器を保持する。
前記第2状態では、前記第1保持領域の斜面で、前記第1容器を落下させ、前記第1保持領域の上面で、前記第2容器を保持する。
【0009】
第1保持領域の斜面で容器を押し下げて、静電気などで上層にある容器から外れにくい状態にある容器を落下させることが出来る。
【0010】
さらに好ましくは、前記第1移動体は、囲繞形状を有する。
前記第1状態から前記第2状態への切り替えは、電磁石の磁力によって行われる。
前記第2状態から前記第1状態への切り替えは、弾性部材の付勢力によって行われる。
【0011】
電磁石をオフ状態にして、バネなどの弾性部材の付勢力が電磁石の磁力を上回る場合に、第1状態(容器が第2保持領域に保持される状態)を維持出来る。
また、第2状態(最下層の容器が落下し、他の容器が第1保持領域に保持される状態)にするときだけ、電磁石をオン状態にして、電磁石の磁力が弾性部材の付勢力を上回らせる。
これにより、消費電力が少ない状態で、且つ簡単な構造で容器の供給を適切に行うことが可能になる。
【0012】
また、好ましくは、容器供給部は、前記容器保持領域とは別の容器保持領域を更に備える。
前記別の容器保持領域は、前記容器保持領域が保持する容器とは別の容器を保持する。
前記別の容器保持領域の第1移動体は、前記容器保持領域が有する前記第1移動体と同じ形状を有する。
前記別の容器保持領域の移動体保持部は、前記容器保持領域が有する前記移動体保持部と同じ形状を有する。
前記別の容器保持領域の第2移動体は、前記容器保持領域が有する前記第2移動体と異なる形状を有する。
【0013】
第1移動体、移動体保持部を共用し、異なる形状の第2移動体を複数種類設けるだけで、様々な形状の容器に対応して、簡単な構造で容器の供給を適切に行うことが可能になる。
【0014】
また、好ましくは、飲料提供装置は、前記容器供給部と、前記容器供給部から供給された前記容器に飲料を供給する飲料供給部と、前記飲料供給部に材料を供給する材料供給部と、第1移動部を有する供給部移動装置と、を備える。
前記材料供給部は、前記飲料供給部の上に配置される。
前記第1移動部は、前後方向と上下方向に移動可能な状態で、前記材料供給部を保持する。
【0015】
第1移動部を使って、飲料供給部よりも高い位置にある材料供給部を移動させて、材料の補充など、材料供給部のメンテナンスを容易に出来る。これにより、簡単な構造で、材料の材料供給部への供給を適切に行うことが可能になる。
【0016】
さらに好ましくは、前記供給部移動装置は、第2移動部を有する。
前記第2移動部は、前記前後方向に移動可能な状態で、前記飲料供給部を保持する。
前記第1移動部は、第1抑止機構を含む。
前記第2移動部は、第2抑止機構を含む。
前記第1抑止機構のロック状態を解除した時に、前記材料供給部が移動可能な状態にされる。
前記第2抑止機構のロック状態を解除した時に、前記飲料供給部が移動可能な状態にされる。
【0017】
第2移動部を使って、飲料供給部を移動させて、飲料供給部のメンテナンスを容易に出来る。
第1抑止機構と第2抑止機構により、材料供給部と飲料供給部の物理的な干渉が生じることを避けやすく出来る。
【0018】
さらに好ましくは、前記材料供給部は、材料タンクと、材料移動装置と、傾斜壁と、を含む。
前記材料移動装置は、前記材料タンクから排出された材料を移動させる。
前記傾斜壁は、前記材料移動装置の側部の上方及び後端部の上方に設けられる。
【0019】
材料移動装置によって、複数箇所から排出された材料をまとめて、飲料供給部に供給出来る。
傾斜壁によって、材料移動装置の側部や後端部から落下するのを防止出来る。
【0020】
さらに好ましくは、前記材料供給部は、前記材料移動装置の下面と平行な屑取りプレートを含む。
【0021】
材料移動装置に付着した材料を、材料移動装置から離して、飲料供給部に供給出来る。
【0022】
さらに好ましくは、前記屑取りプレートには、スロット若しくはスリットが形成される。
前記材料は、前記材料移動装置の先端部から落下し、前記飲料供給部に供給される。
前記材料のうち、前記材料移動装置に付着した材料は、前記屑取りプレートに当たって落下する、若しくは、前記材料移動装置の下面と前記屑取りプレートの隙間を通り、前記スロット若しくは前記スリットを通って落下し、前記飲料供給部に供給される。
【0023】
材料移動装置と屑取りプレートの間に入った材料を、材料移動装置から離して、飲料供給部に供給出来る。
【0024】
また、好ましくは、前記材料供給部は、底面部を含む。
前記底面部には、前記材料移動装置の先端部から落下した前記材料が通る孔が形成され、
前記材料は、前記孔を介して、前記飲料供給部に供給される。
前記底面部は、ローレットつまみを介して、前記材料供給部の側面部に取り付けられる。
【0025】
ローレットつまみの脱着により、簡単に底面部の開閉を行うことが出来る。
【発明の効果】
【0026】
以上のように本発明によれば、簡単な構造で容器などの供給を適切に行うことが可能な装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1実施形態と第2実施形態における飲料提供装置の各部材を示す構成図である。
【
図3】飲料提供装置の斜視図で、外壁部を省略したものである。
【
図5】第1筐体における材料供給部と飲料供給部がある領域の斜視図である。
【
図6】材料供給部と飲料供給部を下から見た斜視図である。
【
図7】材料供給部と飲料供給部を上から見た斜視図である。
【
図8】材料タンクの一部と、材料移動装置と、傾斜壁と、誘導部と、屑取りプレートと、底面部と、側面部の一部の斜視図である。
【
図9】材料移動装置の一部と、第1シュートプレートと、屑取りプレートの側面図である。
【
図10】材料移動装置と、傾斜壁と、第1シュートプレートと、屑取りプレートの斜視図である。
【
図11】容器保持部が移動部側ターンテーブルに収納された状態の第3移動部の斜視図である。
【
図12】容器保持部が移動部側ターンテーブルから突出した状態の第3移動部の斜視図である。
【
図13】第4移動部の容器を把持する部分の斜視図である。
【
図14】底面部が開いた状態の材料供給部を下から見た斜視図である。
【
図15】第1実施形態の容器供給部を下から見た斜視図である。
【
図16】第1実施形態の温かいコーヒー用の容器保持領域を下から見た斜視図である。
【
図17】第1実施形態の温かいコーヒー用の容器保持領域を上から見た斜視図である。
【
図18】第1実施形態の電磁石と、弾性部材と、第1移動体と、移動体保持部と、アームと、第2移動体を下から見た斜視図である。
【
図19】第1実施形態の電磁石と、弾性部材と、第1移動体と、第1固定リングを除く移動体保持部と、アームと、第2移動体の上面図である。
【
図20】第1実施形態の電磁石と、弾性部材と、第1移動体と、第1固定リングを除く移動体保持部と、アームと、第2移動体の一部分解斜視図である。
【
図21】第1状態の第1容器~第4容器の断面図と、第2移動体の側面図である。
【
図22】第2状態の第1容器~第4葉気の断面図と、第2移動体の側面図である。
【
図23】
図22の状態から、第1状態に戻った第2容器~第4容器の断面図と、第2移動体の側面図である。
【
図24】前側開閉扉がある領域を前側から見た斜視図である。
【
図25】第2実施形態の容器供給部の斜視図である。
【
図26】第2実施形態の冷たいコーヒー用の容器保持領域を上から見た斜視図である。
【
図27】第2実施形態の電磁石と、第1移動体と、移動体保持部と、アームと、第2移動体と、第2カバーを下から見た斜視図である。
【
図28】第2実施形態の電磁石と、弾性部材と、第1移動体と、第1固定リングを除く移動体保持部と、アームと、第2移動体の上面図である。
【
図29】第2実施形態の電磁石と、弾性部材と、第1移動体と、移動体保持部と、アームと、第2移動体と、第2カバーの一部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、第1実施形態について、図を用いて説明する(
図1~
図24参照)。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0029】
第1実施形態における飲料提供装置1は、筐体3、飲料生成部10、容器移動部30、収納部50、廃棄部60、提供部70、制御部90、サーバー100を備える(
図1参照)。
【0030】
方向を説明するために、水平方向(左右方向)をx方向とし、x方向に垂直な別の水平方向(前後方向)をy方向、x方向及びy方向に対して垂直な方向(上下方向)をz方向として説明する。
図2において、xyz軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ右方向、前方向、上方向と定義する。
また、筐体3の内部の構造を説明するため、
図3~
図5は、外壁部を省略し、さらにフレームの一部を省略している。
【0031】
また、材料供給部20の内部構造を説明するため、
図8は、幾つかの材料の図示を省略している。
また、容器供給部33は、z方向に平行な軸周りに回転するため、容器供給部33の各部材のx方向とy方向の位置は一定しない。
このため、
図15~
図18で示すx方向、y方向は、ある瞬間の容器供給部33を構成する部材の方向を示す。
また、
図17~
図20では、容器供給部33の容器保持領域34の弾性部材34cを簡易的に棒状で示している。
また、
図18では、内部構造を示すため、第2固定リングを透過可能な部材で且つ点線で示している。
【0032】
(筐体3)
筐体3は、飲料生成部10、容器移動部30、収納部50、廃棄部60、提供部70(の少なくとも一部)、制御部90を収納する。
第1実施形態における筐体3の前面3f1は、背面3f4に近い第1前面3f1aと、第1前面3f1aよりも背面3f4から離れた(第1前面3f1aよりもy方向前方に突出した)第2前面3f1bを有する。
すなわち、第1実施形態における筐体3は、略直方体形状から、第1前面3f1aがある部分が凹んだ形状を有する。
筐体3のうち、飲料生成部10を保持する部分(第1筐体3g1)、第3移動部31と容器供給部33と制御部90を保持する部分(第2筐体3g2)、第4移動部32と収納部50を保持する部分(第3筐体3g3)は、別体で構成され、下部にキャスター3hが設けられる。
筐体3の第2前面3f1bであって、飲料生成部10がある領域には、開閉扉を含む搬入搬出口3aが設けられる。
飲料提供装置1で使用するコーヒー豆などの材料及び容器の搬入及び廃棄物の搬出は、搬入搬出口3aの開閉扉を開け、飲料生成部10を保持する第1筐体3g1をy方向前側に取り出した状態で、行われる。ただし、後述する供給部移動装置22を使って、材料供給部20若しくは飲料供給部21だけをy方向前側に取り出した状態で、行われてもよい。
提供部70の取り出し口71は、筐体3の第1前面3f1aに設けられる。
第1実施形態における表示窓3bは、提供部70の前側開閉扉77に設けられる。
【0033】
筐体3の飲料生成部10が設けられる左側領域(第1筐体3g1)と、第3移動部31と容器供給部33と制御部90が設けられる中間領域(第2筐体3g2)と、第4移動部32と収納部50が設けられる右側領域(第3筐体3g3)は、分割可能な状態で組み立てられる。
【0034】
外壁部には、ガムシロップなど飲料に関する添加物などを購入者に提供する領域、及びゴミ箱などが設けられてもよい。
【0035】
飲料生成部10と容器移動部30と収納部50と廃棄部60は、筐体3の内側、すなわち、筐体3の第2前面3f1bと、筐体3の側面(筐体3の右側面3f2と左側面3f3の一方)と、第2前面3f1bと平行な面(例えば、筐体3の背面3f4)と、当該側面と平行な面(例えば、筐体3の右側面3f2と左側面3f3の他方)に囲まれた領域に配置される。
飲料生成部10の少なくとも一部と容器移動部30と収納部50と廃棄部60は、筐体3の第1前面3f1aと、筐体3の側面(筐体3の右側面3f2と左側面3f3の一方)と、第1前面3f1aと平行な面(例えば、筐体3の背面3f4)と、当該側面と平行な面(例えば、筐体3の右側面3f2と左側面3f3の他方)に囲まれた領域に配置される。
【0036】
第1実施形態では、筐体3の外形が、第1前面3f1aと第2前面3f1bの間の斜面と、第1前面3f1aと、第2前面3f1bと、右側面3f2と、左側面3f3と、背面3f4と、上面3f5と、下面3f6の略八面体で構成される例を示す。しかしながら、少なくとも第1前面3f1aと第2前面3f1bと側面(右側面3f2と左側面3f3の一方)を含む外壁部があればよく、飲料提供装置1を設置した場所に固定された壁、床などが、側面(右側面3f2と左側面3f3の他方)、背面3f4若しくは下面3f6として機能してもよい。
また、筐体3の上面3f5が省略される形態であってもよい。
【0037】
(飲料生成部10)
飲料生成部10は、筐体3の内部であって、x方向左側に設けられる(
図3、
図4参照)。
すなわち、飲料生成部10は、収納部50と比べて筐体3の左右方向に離れて配置される。
飲料生成部10は、浄水器11、軟水器13、給水タンク15、排水タンク17、ポンプ19、材料供給部20、飲料供給部(コーヒーメーカー)21、ミルクタンク23、製氷機25を有する。
【0038】
第1実施形態では、購入者が購入対象の飲料を含む容器を受け取るまでの待ち時間を少なくできる効果を説明するため、飲料供給部21から供給される飲料が、抽出に比較的時間がかかる飲料であるコーヒーである例を説明する。
ただし、飲料供給部21が他の飲料を供給する装置であってもよい。
【0039】
(浄水器11)
浄水器11は、給水タンク15から供給された水の溶存物質を減少させる浄化工程を実行する水処理器具である。
【0040】
(軟水器13)
軟水器13は、浄水器11から供給された水の中のカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンをナトリウムイオンに置き換える軟水化工程を実行する水処理器具である。
浄水器11の浄化工程と軟水器13の軟水化工程を経た水を使って、飲料供給部21によるコーヒーの抽出、製氷機25による氷の生成、飲料供給部21の洗浄、ミルクタンク23の洗浄、製氷機25の洗浄などが行われる。
ただし、飲料供給部21、ミルクタンク23、製氷機25の洗浄に用いる水は、浄水器11及び軟水器13で処理される前段階のものであってもよい。
【0041】
浄水器11と軟水器13は、一体で構成されてもよいし、別体で構成されてもよい。
【0042】
(給水タンク15、排水タンク17)
給水タンク15は、浄水器11に供給する水を貯蔵する。
排水タンク17は、飲料供給部21における洗浄後の排水及び製氷機25における排水を貯蔵する。
【0043】
(ポンプ19)
ポンプ19は、給水タンク15から水を吸い上げて、浄水器11へ送り込む。
また、ポンプ19は、浄水器11から軟水器13へ水を送り込む。
また、ポンプ19は、軟水器13から飲料供給部21及び製氷機25へ水を送り込む。
【0044】
なお、水道水の蛇口と、浄水器11とを連通させ、水道水の水圧を使って、蛇口から浄水器11への水の送り込み、浄水器11から軟水器13への水の送り込み、軟水器13から飲料供給部21及び製氷機25への水の送り込みが行われる形態であってもよい。
この場合、給水タンク15とポンプ19が省略されてもよい。
【0045】
(材料供給部20)
材料供給部20は、材料(コーヒー豆)を保持し、飲料供給部21に当該材料を供給する。
材料供給部20は、使用時に飲料供給部21のz方向上側に位置する。
ただし、メンテナンス時には、材料供給部20は、第1移動部22aを介して、飲料供給部21のy方向前側に位置する。
【0046】
材料供給部20は、材料タンク20a、材料移動装置20b、傾斜壁20c、誘導部20d、屑取りプレート20e、底面部20fを有する(
図5~
図11参照)。
【0047】
材料タンク20aは、材料(コーヒー豆)を保持する。
材料タンク20aは、複数のタンクで構成される。
材料タンク20aの複数のタンクのそれぞれは、保持した材料を材料移動装置20bがある領域に排出する排出機構を含む。
材料タンク20aの複数のタンクのそれぞれには、異なる種類の材料が投入されてもよいし、同じ種類の材料が投入されてもよい。
【0048】
材料移動装置20bは、ベルトコンベアなどで構成され、材料タンク20aから供給された材料を略水平方向(第1実施形態では、x方向右側)に移動させる。
【0049】
材料移動装置20bの側部には、材料が材料移動装置20bの側部や後端部から落下するのを防止するガイドとして機能する傾斜壁20cが設けられる。
当該ガイドは、材料移動装置20bの側部(y方向端部)の上方だけでなく、後端部(x方向左側の端部)の上方に設けられる。
【0050】
誘導部20dは、第1シュートプレート20d1と第2シュートプレート20d2を有し、材料移動装置20bの前部から底面部20fの材料排出部20f1に材料を誘導する。
第1シュートプレート20d1は、材料移動装置20bの先端部から前方向で且つ下方向(x方向右斜め下)に傾斜する。
第2シュートプレート20d2は、材料移動装置20bの先端部から横方向で且つ舌方向(y方向後ろ斜め下)に傾斜する。
【0051】
第1シュートプレート20d1の上端部には、材料移動装置20bの下面と平行な屑取りプレート20eが形成される。
第1シュートプレート20d1と屑取りプレート20eは、一体的に構成される。
屑取りプレート20eと材料移動装置20bの下面との間には、数mmの隙間20e1が設けられる。
また、屑取りプレート20eにはスロット若しくはスリット20e2が設けられる。
第1シュートプレート20d1の斜面には、第2シュートプレート20d2を差し込む為の連結部20d1aが形成される。
【0052】
材料タンク20aから材料移動装置20bの上面に供給された材料の殆どは、材料移動装置20bの先端部から落下する。
しかしながら、材料の一部は、静電気などにより材料移動装置20bから離れずに材料移動装置20bに付着した状態が維持される。
材料移動装置20bに付着した材料は、屑取りプレート20eに当たって落下する、若しくは、材料移動装置20bの下面と屑取りプレート20eの隙間20e1を通り、スロット若しくはスリット20e2を通って落下する。
落下した材料は、他の材料とともに、誘導部20dを介して、材料排出部20f1に移動する。
【0053】
底面部20fは、材料供給部20の底面を構成する。
底面部20fには、材料移動装置20bの先端部から落下した材料が通る孔(材料排出部20f1)が形成される。
底面部20fは、材料供給部20の側面部20gに着脱可能な状態で取り付けられる。
具体的には、底面部20fのx方向左側の端部はヒンジ20f2を介して側面部20gに取り付けられ、底面部20fのx方向右側の端部は、ローレットつまみ20f3を介して側面部20gに取り付けられる。
ローレットつまみ20f3を取り外すことにより、底面部20fのx方向右側の端部が側面部20gから外れ、底面部20fは、ヒンジ20f2を介して、側面部20gにぶら下がった状態になる(
図14参照)。
【0054】
(飲料供給部21)
飲料供給部21は、焙煎工程と粉砕工程と抽出工程を実行し、材料供給部20から供給されたコーヒー豆と軟水器13から供給された水(浄化工程と軟水化工程を経た水)とでコーヒーを抽出し、飲料供給部21内の所定位置s0に設置された容器にコーヒーを供給する。
飲料供給部21は、複数種類のコーヒーを抽出することが可能であり、飲料供給部21には、複数種類のコーヒーを選択するための選択ボタン21aが設けられる。
選択ボタン21aの前側(x方向右側)には、選択ボタン21aを押下して飲料供給部21から抽出させるコーヒーを選択するための選択ボタン操作装置(不図示)が設けられる。
【0055】
選択ボタン操作装置は、制御部90からの指示信号に基づいて動作する。
選択ボタン操作装置は、後述する製氷機25で出来た氷を排出させるための(不図示)ボタンの操作も行う。
なお、選択ボタン操作装置を省略し、制御部90からの指示信号に基づいて、飲料供給部21が動作してもよい。
【0056】
第1実施形態では、少なくとも4種類のコーヒー(ミルク入り有りの温かいコーヒーと、ミルク無しの温かいコーヒーと、ミルク入りの冷たいコーヒーと、ミルク無しの冷たいコーヒー)などを選択するための選択ボタン21aと選択ボタン操作装置が飲料供給部21に設けられる例を示す。
【0057】
飲料供給部21は、上面に材料受け部21bを有し、下面に材料廃棄部21cを有する。
材料受け部21bは、材料供給部20の材料排出部20f1とz方向で対向し、材料供給部20からの材料の供給を受ける。
第1実施形態では、3種類の材料の供給を受けるため、3つの材料受け部21bを有する例を示す。
ただし、材料受け部21bの数は3つに限るものではない。
材料廃棄部21cは、飲料供給部21で残ったコーヒーかす(抽出後のコーヒーの粉)などの材料の廃棄分を保持する。
【0058】
(供給部移動装置22)
供給部移動装置22は、第1移動部22a、第2移動部22bを有する(
図5参照)。
【0059】
第1移動部22aは、y方向及びz方向に移動可能な状態で、材料供給部20を保持する。
第1移動部22aは、第1抑止機構22a1、取っ手22a2を含む。
材料供給部20が飲料供給部21の上方で、飲料供給部21が所定位置にあり、且つ材料供給部20の材料排出部20f1と飲料供給部21の材料受け部21bとがz方向で対向する位置関係にある時に、第1抑止機構22a1はロック状態(材料供給部20が移動不能な状態)になり得る。
第1抑止機構22a1のロック状態を解除した時に、取っ手22a2を使って、材料供給部20がy方向前側に手動で引き出し可能な状態になる。
材料供給部20がy方向前側に引き出しされた時に、取っ手22a2を使って、材料供給部20がz方向下側に手動で引き出し可能な状態になる。
【0060】
第2移動部22bは、y方向に移動可能な状態で、飲料供給部21を保持する。
第2移動部22bは、第2抑止機構22b1を含む。
飲料供給部21が所定位置にある時に、第2抑止機構22b1はロック状態(飲料供給部21が移動不能な状態)になり得る。
第2抑止機構22b1のロック状態を解除した時に、飲料供給部21がy方向前側に手動で引き出し可能な状態になる。
【0061】
材料供給部20がy方向前側で且つz方向下側に引き出された状態で、コーヒー豆の材料供給部20への補充など、材料供給部20のメンテナンスが行われる。
飲料供給部21がy方向前側に引き出された状態で、材料廃棄部21cに貯まったコーヒーかす(抽出後のコーヒーの粉)の廃棄など、飲料供給部21のメンテナンスが行われる。
【0062】
第1抑止機構22a1と第2抑止機構22b1とは、一方のロック状態が解除されている時に、他方のロック状態が維持される(解除されない)。
これにより、材料供給部20と飲料供給部21の両方が動いて、物理的な干渉が生じることを回避出来る。
【0063】
第1移動部22aは、手動でのy方向及びz方向の移動可能な状態での材料供給部20の保持だけでなく、電動でのy方向の移動可能な状態で材料供給部20を保持する。
具体的には、所定の材料を飲料供給部21に供給する際に、当該所定の材料に対応する材料受け部21bのz方向上側に材料排出部20f1が位置するように、第1移動部22aは、材料供給部20をy方向に移動させる。
ただし、材料排出部20f1と材料受け部21bの位置合わせのための移動は、第1移動部22aによるものであってもよいが、第2移動部22bによるものであってもよい。
この場合、第2移動部22bは、手動でのy方向の移動可能な状態での飲料供給部21の保持だけでなく、電動でのy方向の移動可能な状態で飲料供給部21を保持する。
具体的には、所定の材料を飲料供給部21に供給する際に、当該所定の材料に対応する材料受け部21bのz方向上側に材料排出部20f1が位置するように、第2移動部22bは、飲料供給部21をy方向に移動させる。
【0064】
材料供給部20、供給部移動装置22は、制御部90からの指示信号に基づいて動作する。
制御部90から所定の材料を飲料供給部21に供給する旨の指示信号を受けると、供給部移動装置22の第1移動部22aは、当該所定の材料に対応する材料受け部21bのz方向上側に材料排出部20f1が位置するように、材料供給部20を移動させる。
当該所定の材料に対応する材料タンク20aは、材料移動装置20bに当該所定の材料を所定量だけ排出させる。
材料移動装置20bは、当該所定の材料を先端部に移動させ、材料排出部20f1を介して、当該所定の材料に対応する材料受け部21bに供給する。
【0065】
(ミルクタンク23)
ミルクタンク23は、コーヒーを含む容器に供給するミルクを貯蔵する(
図1、
図3参照)。
ミルクタンク23は、飲料供給部21の近傍に設置され、飲料供給部21と連通し、飲料供給部21にミルクを供給する。
飲料供給部21が供給するコーヒーの種類として、ミルク入りのコーヒーが選択された場合には、飲料供給部21はコーヒーとともにミルクタンク23からのミルクを容器に供給する。
ただし、ミルクタンク23のミルクは、飲料供給部21を介さずに直接ミルクタンク23から自動的に容器に供給される形態であってもよい。
飲料供給部21とミルクタンク23の一方は、ミルクを泡立てる泡立て器を備え、泡立てた状態のミルクが容器に供給されても良い。
また、ミルクタンク23は、飲料供給部21に内臓されてもよい。
【0066】
(製氷機25)
製氷機25は、軟水器13から供給された水(浄化工程と軟水化工程を経た水)を使って、氷を生成する。
製氷機25には、製氷機25で出来た氷を飲料供給部21に配置された容器に誘導する導管25a(
図3~
図5参照)が設けられる。
製氷機25で出来た氷は、導管25aを通って、飲料供給部21における飲料が排出される領域に誘導される。
第1実施形態における、製氷機25から氷を排出させる操作は、選択ボタン操作装置若しくは飲料供給部21によって行われる。
【0067】
(選択ボタン操作装置の動作例1)
制御部90が、ミルク無しの冷たいコーヒーを飲料供給部21から抽出させる指示信号を発信した場合には、選択ボタン操作装置は、選択ボタン21aにおける「ミルク無しの冷たいコーヒー」に対応するボタンと、製氷機25の氷を排出させるためのボタンを押下する。これにより、容器供給部33における「ミルク無しの冷たいコーヒー」に対応する容器を含む容器保持領域34から容器が供給され、飲料供給部21からは、冷たいコーヒーが抽出され、製氷機25からは氷が排出され、これらが、飲料供給部21の所定位置s0に配置された容器に供給される。
【0068】
(選択ボタン操作装置の動作例2)
制御部90が、ミルク有りの温かいコーヒーを飲料供給部21から抽出させる指示信号を発信した場合には、選択ボタン操作装置は、選択ボタン21aにおける「ミルク有りの温かいコーヒー」に対応するボタンを押下する。これにより、容器供給部33における「温かいコーヒー」に対応する容器を含む容器保持領域34から容器が供給され、飲料供給部21からは、温かいコーヒーが抽出され、ミルクタンク23からは、ミルクが抽出され、これらが、飲料供給部21の所定位置s0に配置された容器に供給される。
【0069】
容器供給部33の構成、容器保持領域34の動作の詳細については後述する。
【0070】
(自動操作)
飲料供給部21内の所定位置s0への容器の移動、飲料供給部21の選択ボタン21aの操作、製氷機25で出来た氷の容器への投入、抽出された飲料を含む容器の飲料供給部21の所定位置s0から第3移動部31の移動開始位置s1への移動は、制御部90による動作制御に基づいて、選択ボタン操作装置と第3移動部31が自動で行う。
【0071】
(容器移動部30)
容器移動部30は、飲料供給部21から供給された飲料を含む容器を、飲料供給部21と収納部50と廃棄部60のいずれかに移動させる。
容器移動部30は、第3移動部31、第4移動部32、容器供給部33を有する。
【0072】
(第3移動部31)
第3移動部31は、容器を保持し、保持した容器を主にx方向に移動させる移動装置である(
図1、
図3、
図4、
図12、
図13参照)。
第3移動部31への容器の供給は、第3移動部31のz方向上側に配置された容器供給部33によって行われる。
第3移動部31は、移動部側ターンテーブル31aと、容器保持部31bを有する。
移動部側ターンテーブル31aは、z方向に平行な軸周りに回転する。
容器保持部31bは、移動部側ターンテーブル31aの上に設けられ、移動部側ターンテーブル31aの回転軸の中心から半径方向に伸縮する。
容器保持部31bの下部(第1容器載置部31b1)には、後述する第4移動部32の爪部32aが挿入される第1凹み部31b2が設けられる。
【0073】
具体的には、第3移動部31の容器保持部31bは、容器供給部33から供給された容器を保持し、移動部側ターンテーブル31aは、当該容器と容器保持部31bを移動開始位置s1に回転移動させる(第1回転移動)。
ただし、容器保持部31bが移動開始位置s1にいる状態で、容器保持部31bが容器供給部33から容器の供給を受けた場合には、第1回転移動は行われない。
第3移動部31の容器保持部31bは、x方向左側に伸び、当該容器を移動開始位置s1から飲料供給部21内の所定位置s0に移動させる(第1伸張移動)。
容器が所定位置s0に配置された状態で、飲料供給部21からコーヒーの抽出が行われ、その後、第3移動部31の容器保持部31bは、x方向右側に縮み、飲料供給部21で抽出されたコーヒーを含む当該容器を飲料供給部21内の所定位置s0から移動開始位置s1に移動させる(第1収縮移動)。
第3移動部31の移動部側ターンテーブル31aは、回転して、当該容器を保持する容器保持部31bを移動開始位置s1から中継点P1の近傍の第2位置s2まで移動させる(第2回転移動)。
第3移動部31の容器保持部31bは、x方向右側に伸び、当該容器を保持する容器保持部31bを第2位置s2から中継点P1まで移動させる(第2伸張移動)。
後述する第4移動部32が、中継点P1に配置された容器を把持し、移動させる。
その後、第3移動部31の容器保持部31bは、x方向左側に縮み、容器を保持しない容器保持部31bを中継点P1から第2位置s2まで移動させる(第2収縮移動)。
【0074】
容器保持部31bは、複数設けられるのが望ましい。
第1実施形態では、容器保持部31bは、移動部側ターンテーブル31aの回転中心を挟む位置関係で、2つの容器保持部31bが設けられる例を示す。
複数の容器保持部31bが設けられることにより、容器供給部33から飲料供給部21への容器の運搬と、飲料供給部21から中継点P1への容器の運搬とを同時に行うことが出来る。
【0075】
(第4移動部32)
第4移動部32は、容器を把持し、把持した容器を主にx方向とz方向に移動させる移動装置である。
具体的には、第4移動部32は、中継点P1に運ばれたコーヒーを含む容器を、x方向左側の廃棄部60に移動させたり、収納部50に移動させたりする。
第4移動部32は、収納部50における所定の位置に移動させるため、把持した容器をx方向だけでなくz方向にも移動させる。
また、容器の把持及び把持した容器の載置のために、第4移動部32は、把持した容器をy方向にも移動させることが可能である。
【0076】
第4移動部32の容器を把持する部分は、爪部32aと腕部32bを有する(
図14参照)。
爪部32aは、把持対象の容器の底部を保持し、腕部32bは、把持対象の容器の側部を保持する。
爪部32aは、容器保持部31bの第1凹み部31b2、収納筒部55のそれぞれに設けられた第2凹み部56a1などに挿入される。
【0077】
第4移動部32は、1つだけ設けられても良いし、複数設けられても良い。複数設けられた場合には、複数の収納筒部55への容器の移動を同時期に並行して行うことが可能になる。
【0078】
第3移動部31の移動範囲と、第4移動部32の移動範囲とが、中継点P1を含む領域で重複するように、第3移動部31と第4移動部32が配置される。
【0079】
2つの移動部の移動範囲の一部を重複させることにより、第3移動部31の移動範囲と、第4移動部32の移動範囲とが、重複しないように、第3移動部31と第4移動部32が配置される形態に比べて、飲料提供装置1を小さくすることが可能になる。
【0080】
第3移動部31と第4移動部32の移動制御の詳細については、後述する。
【0081】
(容器供給部33)
容器供給部33は、第3移動部31の移動部側ターンテーブル31aのz方向上側に位置し、移動部側ターンテーブル31aに保持された容器保持部31bに、容器を供給する(
図3、
図4、
図15~
図23参照)。
容器供給部33は、複数の容器をz方向に重ねて保持する容器保持領域34、容器保管領域35を1以上有する。
第1実施形態では、容器供給部33が6つの容器保持領域34を有する例を示す。
【0082】
容器供給部33から、容器保持部31bに容器を配置させるために、容器供給部33の容器保持領域34の1つの直下に容器保持部31bを位置させる必要がある。かかる位置合わせのために、第3移動部31の移動部側ターンテーブル31aと、容器供給部33の少なくとも一方は、z方向に平行な軸周りに回転する。
容器供給部33の容器保持領域34のそれぞれには、容器の残量、容器が適切に容器保持部31bに投下されたか否かなどを検知するセンサーが設けられる。
【0083】
(容器保持領域34)
容器保持領域34は、第1カバー34a、電磁石34b、弾性部材34c、第1移動体34d、移動体保持部34e、アーム34f、第2移動体34gを有する。
【0084】
第1カバー34aは、移動体保持部34eの第2固定リング34e2の下部に設けられ、移動体保持部34eから落下した容器をz方向下方に誘導する。
【0085】
電磁石34bは、アーム34fの一方の端部の近傍に位置し、オン状態の時にアーム34fの一方の端部を磁力で引き寄せる。
電磁石34bは、第2固定リング34e2の上に設けられる。
【0086】
バネなどの弾性部材34cの一方の端部が移動体保持部34eの第1掛け止め部34e3に掛け止めされ、弾性部材34cの他方の端部が第1移動体34dの第2掛け止め部34d2に掛け止めされる。弾性部材34cは、アーム34fの他方の端部を、第1掛け止め部34e3に近づくように付勢力で引き寄せる。
ただし、電磁石34bがオン状態の時は、磁力によりアーム34fの他方の端部が第1掛け止め部34e3から離れる方向に移動し、これにより弾性部材34cが伸びた状態になる。
【0087】
第1移動体34dは、リングなどの囲繞形状を有する。
第1移動体34dは、第1固定リング34e1と第2固定リング34e2の間に位置する。
第1移動体34dは、内部に容器が通る容器通過領域34d1が形成される。
すなわち、第1移動体34dは、z方向から見て、容器通過領域34d1を囲む。
第1移動体34dには、弾性部材34cを掛け止めするフック形状の第2掛け止め部34d2が設けられる。
第1移動体34dは、弾性部材34cの付勢力と電磁石34bの磁力により、z方向に平行な軸(第1回転軸z1)周りに回転する。
第1回転軸z1は、容器通過領域34d1の略中心を通る。
第1移動体34dは、第2柱34e5などを介して、第1回転軸z1周りに回転可能な状態で保持される。
【0088】
第1移動体34dは、動力受け部34d3、孔34d4、第1切り欠き34d5を含む。
動力受け部34d3は、アーム34fの他方の端部が通る孔で構成される。
z方向から見て、動力受け部34d3は、アーム34fの他方の端部の動力受け部34d3を通る領域のxy断面よりも大きい。
このため、z方向から見て、アーム34fの他方の端部の動力受け部34d3を通る領域のxy断面は、動力受け部34d3がある領域内部を相対的に移動可能となる。
孔34d4には、移動体保持部34eの第2柱34e5が通る。
z方向から見て、孔34d4は、第2柱34e5の孔34d4を通る領域のxy断面よりも大きい。
このため、z方向から見て、第2柱34e5の孔34d4を通る領域のxy断面は、孔34d4がある領域内部を相対的に移動可能となる。
第1切り欠き34d5には、第2移動体34gの移動レバー34g4が通る。
z方向から見て、第1切り欠き34d5は、移動レバー34g4の第1切り欠き34d5を通る領域のxy断面よりも大きい。
このため、z方向から見て、移動レバー34g4の第1切り欠き34d5を通る領域のxy断面は、第1切り欠き34d5がある領域内部を相対的に移動可能となる。
【0089】
移動体保持部34eは、第1固定リング34e1、第2固定リング34e2、第1掛け止め部34e3、第1柱34e4、第2柱34e5を有する。
第1固定リング34e1は、リングなどの囲繞形状を有し、第1移動体34dのz方向上側に位置する。
第2固定リング34e2は、リングなどの囲繞形状を有し、第1移動体34dのz方向下側に位置する。
第2固定リング34e2は、z方向下側で第1カバー34aを保持する。
第2固定リング34e2は、電磁石34bを保持する。
第2固定リング34e2は、第2移動体34gをz方向に平行な軸(第2回転軸z2)周りに回転可能な状態で保持する。
第2回転軸z2は、第2移動体34gの筒部34g1の略中心を通る。
【0090】
第1掛け止め部34e3は、z方向に延びる柱状部材であり、第1固定リング34e1と第2固定リング34e2によって狭持される。
第1掛け止め部34e3は、弾性部材34cの一方の端部を掛け止めする。
【0091】
第1柱34e4は、z方向に延び、第1固定リング34e1と第2固定リング34e2によって狭持される。
第1柱34e4は、アーム34fをz方向に平行な軸(第3回転軸z3)周りに回転可能な状態で保持する。
【0092】
第2柱34e5は、z方向に延び、第1固定リング34e1と第2固定リング34e2によって狭持される。
第2柱34e5は、孔34d4を通る。
【0093】
移動体保持部34eは、第1回転軸z1周りに移動可能な状態で、第1移動体34dを保持する。なお、第1移動体34dの移動は、第1回転軸z1周りの回転移動であるが、第1回転軸z1周りの略直線的な移動であってもよい。
移動体保持部34eと第1移動体34dは、第2回転軸z2周りに回転可能な状態で、第2移動体34gを保持する。
【0094】
アーム34fは、一方の端部が電磁石34bの近傍に位置し、他方の端部が第1移動体34dの動力受け部34d3に掛け止めされる。
アーム34fの一方の端部と他方の端部の間で、アーム34fは、移動体保持部34eの第1柱34e4によって、第3回転軸z3周りに回転可能な状態で保持される。
【0095】
第2移動体34gは、複数設けられる。
複数の第2移動体34gは、z方向から見て、容器通過領域34d1を挟む。
複数の第2移動体34gのそれぞれは、筒部34g1、第1保持領域34g2、第2保持領域34g3、移動レバー34g4を有する。
筒部34g1は、z方向に延びる略円筒形状を有し、中心軸が第2回転軸z2として回転可能な状態で、第2固定リング34e2に保持される。
筒部34g1の側部のz方向上側には、半径方向外側に突出する突起(第1保持領域34g2)が形成される。
筒部34g1の側部のz方向下側には、半径方向外側に突出する突起(第2保持領域34g3)が形成される。
第1保持領域34g2と第2保持領域34g3はz方向から見て重ならず且つ間に隙間が形成されるように形成される。
【0096】
弾性部材34cの付勢力によってアーム34fの他方の端部を、第1掛け止め部34e3に近づけている時(第1状態)、z方向から見て第2保持領域34g3が容器通過領域34d1と重なる。
このとき、第1保持領域34g2は、z方向から見て、第2保持領域34g3に保持される容器と重ならない。
【0097】
電磁石34bの磁力によってアーム34fの他方の端部を、第1掛け止め部34e3から遠ざけている時(第2状態)、z方向から見て第1保持領域34g2が容器通過領域34d1と重なる。
このとき、第2保持領域34g3は、z方向から見て、第1保持領域34g2に保持される容器と重ならない。
【0098】
第1保持領域34g2は、第2状態の時に、第1保持領域34g2の上面f1が容器のフランジ(上縁部)の下面と接して、当該容器を保持する。
第1保持領域34g2は、第1保持領域34g2の上面f1よりも下方に位置し、且つ第2保持領域34g3の上面f2よりも上方に位置する、斜面f3を有する。
第1保持領域34g2の斜面f3は、第1状態から第2状態に切り替わる時に、第2保持領域34g3に保持されている容器を押し下げる。
【0099】
第2保持領域34g3は、第1状態の時に、上面f2が容器のフランジの下面と接して、当該容器を保持する。
【0100】
第1保持領域34g2の上面f1と第2保持領域34g3の上面f2のz方向の間隔d1が、容器を重ねた時に上方の容器と下方の容器の間隔d2よりも、小さくなるように、第1保持領域34g2と第2保持領域g2が形成される(d2>d1、
図22参照)。
【0101】
筒部34g1のz方向上側で且つ周縁部近傍には、z方向に延びる移動レバー34g4が形成される。
移動レバー34g4は、第1移動体34dの第1切り欠き34d5に挿入される。
第1移動体34dが第1回転軸z1周りに回転すると、第1切り欠き34d5の縁部が移動レバー34g4を移動させる。
移動レバー34g4の移動に伴って、第2移動体34gは第2回転軸z2周りに回転する。
第2移動体34gの回転により、z方向から見て第1保持領域34g2及び第2保持領域34g3と容器通過領域34d1の位置関係が変化する。
【0102】
6つの容器保持領域34のうち、3つが「温かいコーヒー」に対応する容器を保持するための容器保持領域34であり、残る3つが「冷たいコーヒー」に対応する容器を保持するための容器保持領域34であるとして説明する。
しかしながら、「温かいコーヒー」に対応する容器を保持するための容器保持領域34の数と、「冷たいコーヒー」に対応する容器を保持するための容器保持領域34の数は、上述のものに限定されない。
【0103】
「温かいコーヒー」に対応する容器を保持するための容器保持領域34と、「冷たいコーヒー」に対応する容器を保持するための容器保持領域34とで、第2移動体34g以外の部材は同じものが用いられる。
【0104】
具体的には、「温かいコーヒー」に対応する容器を保持するための容器保持領域34の第1移動体34dは、「冷たいコーヒー」に対応する容器を保持するための容器保持領域34が有する第1移動体34dと同じ形状を有する。
「温かいコーヒー」に対応する容器を保持するための容器保持領域34の移動体保持部34eは、「冷たいコーヒー」に対応する容器を保持するための容器保持領域34が有する移動体保持部34eと同じ形状を有する。
「温かいコーヒー」に対応する容器を保持するための容器保持領域34の第2移動体34gは、「冷たいコーヒー」に対応する容器を保持するための容器保持領域34が有する第2移動体34gと異なる形状を有する。
【0105】
(容器保持領域34の動作制御)
容器保持領域34の動作制御について説明する。
容器を第3移動部31の容器保持部31bに落下させる時を除くと、容器保持領域34は第1状態で維持される(
図16~
図21、
図23参照)。
第1状態では、電磁石34bはオフ状態にされ、磁力は発生しない。
弾性部材34cは、付勢力で縮んだ状態となり、アーム34fの他方の端部を移動体保持部34eの第1掛け止め部34e3に近づける。
z方向から見て、第2移動体34gの第2保持領域34g3が容器通過領域34d1に位置し、第2保持領域34g3の上面f2に容器が保持される。
図21では、第1状態で、第1容器c1が第2保持領域34g3に保持され、第2容器c2と第3容器c3と第4容器c4が第1容器c1の上に積み重ねられた状態を示す。
【0106】
制御部90が電磁石34bをオン状態にする。
電磁石34bの磁力で、アーム34fの一方の端部を引き寄せる。
これにより、アーム34fが、移動体保持部34eの第1柱34e4によって、第3回転軸z3周りに回転し、アーム34fの他方の端部が移動し、アーム34fの他方の端部が第1掛け止め部34e3から遠ざかる。
アーム34fの他方の端部の移動によって、動力受け部34d3が移動する。
動力受け部34d3の移動によって、第1移動体34dが第1回転軸z1周りに回転する。
また、第2掛け止め部34d2が移動し、弾性部材34cが伸びる。
第1移動体34dの回転によって、移動レバー34g4が移動する。
移動レバー34g4の移動によって、第2移動体34gが第2回転軸z2周りに回転する。
第2保持領域34g3がz方向から見て容器通過領域34d1の外側に移動し、第2保持領域34g3の上面f2が第1容器c1を保持する状態が解除される。
自重により、第1容器c1~第4容器c4がz方向下側に移動する。
z方向から見て、第1保持領域34g2が容器通過領域34d1と重なり、第1保持領域34g2の上面f1が第2容器c2を保持する。
また、第1保持領域34g2の斜面f3が第1容器c1を押し下げ、落下させる(第3回転移動、第2状態、
図22参照)。
【0107】
制御部90が電磁石をオフ状態にする。
弾性部材34cの付勢力で、アーム34fの他方の端部を第1掛け止め部34e3に近づける。
第1移動体34d及び第2移動体34gが、第1状態から第2状態になるときと逆方向に回転する。
第1保持領域34g2がz方向から見て容器通過領域34d1の外側に移動し、第1保持領域34g2の上面f1が第2容器c2を保持する状態が解除される。
自重により、第2容器c2~第4容器c4がz方向下側に移動する。
z方向から見て、第2保持領域34g3が容器通過領域34d1と重なり、第2保持領域34g3の上面f2が第2容器c2を保持する(第4回転移動、第1状態、
図23参照)。
【0108】
すなわち、第1移動体34dの回転に伴って、2以上の第2移動体34gが回転し、2以上の第2移動体34gのそれぞれの第2保持領域34g3が、第1容器c1を保持する第1状態と、第2保持領域34g3による第1容器c1の保持を解除し、2以上の第2移動体34gの第1保持領域34g2が、第1容器c1の上に配置された第2容器c2を保持する第2状態とが切り替えられる。
【0109】
(容器保管領域35)
容器保管領域35は、容器保持領域34のz方向上側に設けられる。
容器の補充は、容器保管領域35の扉を介して行われる。
【0110】
(収納部50)
収納部50は、飲料供給部21から供給されたコーヒーを含む容器を、2以上保持する領域を有する。
第1実施形態における収納部50は、3つ以上の収納筒部(収納領域)55と、3つ以上の後側開閉扉57を有する。
第1実施形態では、複数の収納筒部55として、20個の収納筒部55が設けられ、20個の収納筒部55のそれぞれのy方向後側に、後側開閉扉57が設けられた例を示す。
【0111】
複数の収納筒部55のそれぞれは、y方向の前側と後側が開口し、z方向に垂直な上面と下面、及びx方向に垂直な右側面と左側面が設けられ、当該上面、当該下面、当該右側面、当該左側面が略四角柱の筒を形成する。
複数の後側開閉扉57のぞれぞれは、対応する収納筒部55の後側開口に設けられる。
複数の後側開閉扉57のぞれぞれは、第4移動部32の容器を把持する部分がy方向後方から侵入することにより開き、第4移動部32の容器を把持する部分が退出することにより閉じる。
すなわち、第4移動部32は、飲料供給部21から供給された飲料を含む容器を、後側開閉扉57を介して、収納筒部55に移動させる。
【0112】
複数の収納筒部55のそれぞれの前側開口には、取り出し口71が形成され、前側開閉扉77が取り付けられる。
すなわち、前側開閉扉77と後側開閉扉57は、収納筒部55をy方向で挟む位置関係にある。
【0113】
複数の収納筒部55のそれぞれの内部には、第4移動部32によって運搬された容器を載置する領域(第2容器載置部56a)が設けられる(
図24参照)。
第2容器載置部56aには、第4移動部32の爪部32aが挿入される第2凹み部56a1が設けられる。
【0114】
(廃棄部60)
廃棄部60は、コーヒーを含む容器であって、収納部50に保持されているもののうち、飲料供給部21から供給されてからの経過時間、若しくは、収納部50に保持されてからの経過時間が、第1時間t1(例えば、t1=20分)を経過したものが廃棄されるゴミ箱である(
図1、
図3、
図4参照)。
廃棄部60は、収納部50の下方に設けられる。
収納部50から、廃棄部60への容器の移動は、第4移動部32によって行われる。
【0115】
(提供部70)
提供部70は、購入者が購入対象のコーヒーを含む容器を受け取りする領域であり、取り出し口71と前側開閉扉77を有する。
第1実施形態では、提供部70は収納部50とy方向で隣接し、一体的に構成される。
【0116】
収納部50と提供部70は、y方向に並べられる。
すなわち、収納部50は、提供部70の近傍に設けられる。
取り出し口71は、筐体3の第1前面3f1aに設けられた開口である。
飲料供給部21から供給された飲料を含む容器は、取り出し口71を介して、筐体3の第1前面3f1aにおける飲料生成部10と容器移動部30と収納部50がある側と反対側(筐体3の外側)から受け取り可能な状態にされる。
前側開閉扉77には、外部から収納筒部55の内側が見えるように、表示窓3bが設けられる。
【0117】
前側開閉扉77は、制御部90によって開閉制御が行われる。
【0118】
(制御部90)
制御部90は、後述するような第3移動部31の移動制御など、飲料提供装置1の各部を制御する。
【0119】
(飲料供給部21などのコーヒー抽出制御)
制御部90は、選択ボタン操作装置、第3移動部31に、容器を所定位置s0に移動させる指示(第1作業指示)に関する情報を送信する。
具体的には、制御部90は、次に、飲料供給部21に供給させる飲料の種類を、第1作業指示に関する情報として、選択ボタン操作装置、第3移動部31、第4移動部32に送信する。
【0120】
例えば、飲料供給部21に供給させるコーヒーが、「ミルク入りの冷たいコーヒー」である場合に、制御部90は、第3移動部31の容器供給部33に、「冷たいコーヒー」に対応する容器の第1容器載置部31b1の1つへの投下に関する指示信号を、第3移動部31に送信し、容器供給部33における「冷たいコーヒー」に対応する容器を含む容器保持領域34を動作させる。
また、制御部90は、当該「冷たいコーヒー」に対応する容器の第1容器載置部31b1への投下完了後に、当該容器を保持する第1容器載置部31b1の移動開始位置s1への移動に関する指示信号を、第3移動部31に送信し、移動部側ターンテーブル31aを回転動作させる(第1回転移動)。
また、制御部90は、当該第1容器載置部31b1の移動開始位置s1への移動完了後に、当該第1容器載置部31b1の所定位置s0への移動に関する指示信号を、第3移動部31に送信し、容器保持部31bを伸張動作させる(第1伸張移動)。
また、制御部90は、当該第1容器載置部31b1の所定位置s0への移動完了後に、「ミルク入りの冷たいコーヒー」に対応する選択ボタン21aへの押下に関する指示信号を、選択ボタン操作装置に送信し、選択ボタン操作装置を動作させる。
また、制御部90は、選択ボタン操作装置の押下に基づく、飲料供給部21の当該容器への「ミルク入りの冷たいコーヒー」の抽出完了後に、当該第1容器載置部31b1の移動開始位置s1への移動に関する指示信号を、第3移動部31に送信し、容器保持部31bを収縮動作させる(第1収縮移動)。
【0121】
抽出されたコーヒーを含む容器の所定位置s0から移動開始位置s1への移動が完了した場合には、第3移動部31若しくは第3移動部31を含む領域を監視するセンサー(不図示)が、これらの作業が完了した旨を示す第1完了報告情報を、制御部90に送信する。制御部90は、次に第1作業指示を行う時期の計算を行う。
また、後述する第3移動部31の移動制御が開始される。
【0122】
(材料供給部20への材料補充指示制御など)
制御部90は、飲料供給部21から供給されたコーヒーの量、作業時間などに基づいて、材料(コーヒー豆)の飲料供給部21への補充指示を第2作業指示に関する情報として、材料供給部20及び供給部移動装置22に送信し、抽出工程後のコーヒー粉の廃棄指示を、第3作業指示に関する情報として、飲料供給部21に送信する。
【0123】
第2作業指示に関する情報を受信すると、第1移動部22aは、補充する材料に対応する材料受け部21bのz方向上側に材料排出部20f1が位置するように、材料供給部20を移動させる。また、材料供給部20は、当該第2作業指示に対応する材料を飲料供給部21に供給する。具体的には、当該第2作業指示に対応する材料を含む材料タンク20aから当該材料が排出され、材料移動装置20b、材料排出部20f1を介して、飲料供給部21の材料受け部21bに供給される。
材料の飲料供給部21への供給が完了した場合には、材料供給部20若しくは飲料供給部21を含む領域を監視するセンサー(不図示)が、かかる作業が完了した旨を示す第2完了報告情報を、制御部90に送信する。制御部90は、次に第2作業指示を行う時期の計算を行う。
【0124】
第3作業指示に関する情報を受信すると、飲料供給部21は、コーヒーかすを材料廃棄部21cに排出する。
コーヒーかすの材料廃棄部21cへの排出が完了した場合には、飲料供給部21を含む領域を監視するセンサー(不図示)が、かかる作業が完了した旨を示す第3完了報告情報を、制御部90に送信する。制御部90は、次に第3作業指示を行う時期の計算を行う。
【0125】
(サーバー100などへのコーヒー豆補充指示制御など)
制御部90は、材料供給部20から飲料供給部21に供給されたコーヒー豆の量、コーヒーかすの材料廃棄部21cへの排出の量、作業時間などに基づいて、材料(コーヒー豆)の材料供給部20への補充指示、材料廃棄部21cに貯まったコーヒーかすの廃棄指示、飲料供給部21の清掃指示を、第4作業指示に関する情報として、サーバー100に送信する。
サーバー100は、第4作業指示に関する情報を作業者の端末(作業者端末)などに送信する。なお、第4作業指示に関する情報は、サーバー100を介さずに、直接、作業者端末などに送信される形態であってもよい。
【0126】
(サーバー100などへのミルク補充指示制御など)
制御部90は、飲料供給部21から供給されたミルク入りコーヒーの量、ミルクタンク23から飲料供給部21に供給されたミルクの量などに基づいて、ミルクの消費量を算出し、ミルクの補充指示若しくはミルクの入替指示を、第5作業指示に関する情報として、サーバー100に送信する。
サーバー100は、第5作業指示に関する情報を作業者端末などに送信する。なお、第5作業指示に関する情報は、サーバー100を介さずに、直接、作業者端末などに送信される形態であってもよい。
【0127】
(サーバー100などへの製氷機清掃指示制御)
制御部90は、飲料供給部21から供給された冷たいコーヒーの量などに基づいて、製氷機25の清掃指示を、第6作業指示に関する情報として、サーバー100に送信する。
サーバー100は、第6作業指示に関する情報を作業者端末などに送信する。なお、第6作業指示に関する情報は、サーバー100を介さずに、直接、作業者端末などに送信される形態であってもよい。
【0128】
(サーバー100などへの廃棄指示制御)
制御部90は、収納部50から廃棄部60に向けて廃棄した容器の数などに基づいて、廃棄部60の清掃指示(廃棄部60に貯まったゴミの廃棄指示)を、第7作業指示に関する情報として、サーバー100に送信する。
サーバー100は、第7作業指示に関する情報を作業者端末などに送信する。なお、第7作業指示に関する情報は、サーバー100を介さずに、直接、作業者端末などに送信される形態であってもよい。
【0129】
(第3移動部31の移動制御)
制御部90は、第1作業指示に基づく動作の完了後に、第3移動部31の移動制御を行う。
具体的には、制御部90は、飲料供給部21から供給されたコーヒーを含む容器が所定の移動開始位置s1に配置された場合に、第3移動部31に、かかる容器を中継点P1に運ばせる。
すなわち、制御部90は、第1作業指示に基づく動作の完了後に、コーヒーを含む容器を保持する第1容器載置部31b1の第2位置s2への移動に関する指示信号を、第3移動部31に送信し、移動部側ターンテーブル31aを回転動作させる(第2回転移動)。
また、制御部90は、当該第1容器載置部31b1の第2位置s2への移動完了後に、当該第1容器載置部31b1の中継点P1への移動に関する指示信号を、第3移動部31に送信し、容器保持部31bを伸張動作させる(第2伸張移動)。
中継点P1に運んだ容器が第4移動部32によって把持された後、制御部90は、当該容器を保持しない状態となった第1容器載置部31b1の第2位置s2への移動に関する指示信号を、第3移動部31に送信し、容器保持部31bを収縮動作させる(第2収縮移動)。
【0130】
(第4移動部32の移動制御(収納筒部55への配置、収納筒部55からの廃棄))
制御部90は、第4移動部32の移動制御を行う。
具体的には、制御部90は、中継点P1にコーヒーを含む容器が配置された場合に、第4移動部32に、当該容器を把持して、収納部50に運ばせる。
制御部90は、収納部50に運ばせた容器に含まれるコーヒーの種類(ミルク入り/ミルク無し、冷たい/温かい)に関する情報と、収納部50における載置場所に関する情報(どの収納筒部55に収納されたかに関する情報)と、経過時間に関する情報を記録する。
ここでいう経過時間は、飲料供給部21から飲料が容器に供給されてからの経過時間、若しくは収納部50に載置されてからの経過時間である。
【0131】
また、制御部90は、第4移動部32に、収納部50に載置された容器のうち、飲料供給部21から飲料が容器に供給されてからの経過時間、若しくは収納部50に載置されてからの経過時間が、第1時間t1以上のものを、廃棄部60に運ばせる。
【0132】
(後側開閉扉57の開閉制御)
制御部90は、収納部50の後側開閉扉57について、開閉が出来ないロック状態にする。
ただし、制御部90は、後側開閉扉57のうち、第4移動部32によって容器が出し入れされるものについて、当該容器の出し入れが行われる期間だけ、対応する開閉抑制機構58を介して、当該ロック状態を解除する。
なお、制御部90が、後側開閉扉57のうち、前側開閉扉77が開けられた状態の収納筒部55に対応するものについて、ロック状態にし、前側開閉扉77が閉じられた状態の収納筒部55に対応するものについて、ロック状態を解除する形態であってもよい。
【0133】
また、これにより、購入者などが、後側開閉扉57を開けて、後側開閉扉57よりもy方向後側に手若しくは物が侵入するのを防止出来る。
【0134】
(前側開閉扉77の開閉制御)
制御部90は、提供部70の前側開閉扉77について、開閉が出来ないロック状態にする。
ただし、制御部90は、前側開閉扉77のうち、購入対象のコーヒーを含む容器が収納された収納筒部55に対応するものについて、購入者端末が飲料提供装置1と飲料提供装置1と所定距離d3(例えば、d3=3m)の範囲内にいて、且つ当該購入者端末を介して受け取りに関する情報送信が行われた場合に、当該ロック状態を解除する。
ロック状態が解除された前側開閉扉77が閉じられると、当該前側開閉扉77は、再びロック状態にされる。
【0135】
(作業指示通りにコーヒーを供給出来たか否かの監視制御)
制御部90は、飲料供給部21に供給させたコーヒーが、第1作業指示に対応するものであるか否か、すなわち、第1作業指示に対応して正しい種類のコーヒーが供給されたか否かについて、判断する。
具体的には、第3移動部31で保持される前の容器、第3移動部31で保持された容器、若しくは第4移動部32で把持された容器について、非接触で容器に含まれるコーヒーの種類を判別するセンサー90aが、設けられ、センサー90aからの情報に基づいて、制御部90は、第1作業指示に対応して正しい種類のコーヒーが生成されたか否かについて、判断する。
【0136】
センサー90aは、例えばコーヒーを含む容器の温度を測る温度センサー、容器に含まれるコーヒーの成分(水分、脂肪分、脂分)を測定する赤外線センサーなどが考えられる。
また、容器に投入するコーヒーの量について種類を問わず一定にし、容器の重さを温かいコーヒー用のものと冷たいコーヒー用のもので重さを異なるものにした場合には、コーヒーを含む重量センサーをセンサー90aとして用いることが出来る。
すなわち、「温かいコーヒー」に対応する容器と「冷たいコーヒー」に対応する容器の重量差、及びミルクの有無による重量差に基づいて、第3移動部31が保持した容器若しくは第4移動部32が把持した容器に含まれるコーヒーの種類を特定することが出来る。
【0137】
センサー90aは、第3移動部31から離れた場所に設けられてもよいが、第3移動部31に内蔵されてもよい。
また、センサー90aは、容器に含まれるコーヒーの種類の判別に使用されるだけでなく、容器を保持または把持できたか否かの判別に使用されてもよい。
また、コーヒーの種類の判別及び/若しくは容器を保持または把持出来たかの判別に使用されるセンサー90aは、第4移動部32に内蔵されてもよい。
【0138】
(サーバー100)
サーバー100は、飲料提供装置1の外部に設けられた制御装置であり、通信部(不図示)を介して、制御部90と通信を行う。
制御部90は、飲料提供装置1におけるコーヒーの販売実績及び廃棄実績に関する情報、材料(コーヒー豆)、容器などの材料に関する在庫状況、第4作業指示~第7作業指示に関する情報などを、飲料提供装置1に設けられた記録部(不図示)、及びサーバー100に送信する。
サーバー100は、第4作業指示~第7作業指示に関する情報を、作業者端末などに送信する。
サーバー100は、他の飲料提供装置1の販売実績及び廃棄実績、天候に関する情報、気温、飲料提供装置1に周囲で行われるイベント、飲料提供装置1の周囲の人の数などの情報を制御部90に送信する。
サーバー100、若しくは各飲料提供装置1の制御部90は、サーバー100に集められた情報(販売実績、廃棄実績など)に基づいて、第1作業指示の内容、収納部50に予め運んでおく容器に含まれる飲料の種類などを算出する。
【0139】
サーバー100は、購入者端末と通信し、購入者端末で設定された購入条件などに基づいて、決済手続を行ったり、対応する飲料提供装置1に購入条件に関する情報を送信したりする。
【0140】
(2つの移動体の回転を使って容器を保持することの効果)
2つの移動体(第1移動体34d、第2移動体34g)の回転により、複数箇所での容器の保持(第1状態)及び保持状態の解除(第2状態)を、タイミングをずらさずに行うことが出来、簡単な構造で容器の供給を適切に行うことが可能になる。
【0141】
(第2保持領域に斜面を設けることの効果)
第1保持領域34g2の斜面で容器を押し下げて、静電気などで上層にある容器から外れにくい状態にある容器を落下させることが出来る。
【0142】
(磁力と付勢力とで、第1状態と第2状態の切り替えを行うことの効果)
電磁石34bをオフ状態にして、バネなどの弾性部材34cの付勢力が電磁石34bの磁力を上回る場合に、第1状態(容器が第2保持領域34g3に保持される状態)を維持出来る。
また、第2状態(最下層の容器が落下し、他の容器が第1保持領域34g2に保持される状態)にするときだけ、電磁石34bをオン状態にして、電磁石34bの磁力が弾性部材34cの付勢力を上回らせる。
これにより、消費電力が少ない状態で、且つ簡単な構造で容器の供給を適切に行うことが可能になる。
【0143】
(複数種類の第2移動体34gを設けることの効果)
第1移動体34d、移動体保持部34eを共用し、異なる形状の第2移動体34gを複数種類設けるだけで、様々な形状の容器に対応して、簡単な構造で容器の供給を適切に行うことが可能になる。
【0144】
(第1移動部22aを設けることの効果)
第1移動部22aを使って、飲料供給部21よりも高い位置にある材料供給部20を移動させて、材料の補充など、材料供給部20のメンテナンスを容易に出来る。これにより、簡単な構造で、材料の材料供給部20への供給を適切に行うことが可能になる。
【0145】
(第2移動部22bを設けることの効果)
第2移動部22bを使って、飲料供給部21を移動させて、飲料供給部21のメンテナンスを容易に出来る。
第1抑止機構22a1と第2抑止機構22b1により、材料供給部20と飲料供給部21の物理的な干渉が生じることを避けやすく出来る。
【0146】
(材料移動装置20b、傾斜壁20cを設けることの効果)
材料移動装置20bによって、複数箇所(複数の材料タンク20a)から排出された材料をまとめて、飲料供給部21に供給出来る。
傾斜壁20cによって、材料移動装置20bの側部や後端部から落下するのを防止出来る。
【0147】
(屑取りプレート20eを設けることの効果)
材料移動装置20bに付着した材料を、材料移動装置20bから離して、飲料供給部21に供給出来る。
【0148】
(スリットまたはスロット20e2を設けることの効果)
材料移動装置20bと屑取りプレート20eの間に入った材料を、材料移動装置20bから離して、飲料供給部21に供給出来る。
【0149】
(ローレットつまみ20f3を設けることの効果)
ローレットつまみ20f3の脱着により、簡単に底面部20fの開閉を行うことが出来る。
【0150】
(容器供給部33の応用例、第2実施形態)
容器供給部33の構成は、第1実施形態のものに限らず、他の構成であってもよい(
図25~
図29参照。
第2実施形態の容器供給部33を構成する部材であって、第1実施形態の容器供給部33を構成する部材と機能的に共通する部材は、第1実施形態の容器供給部33の部材と同じ番号を付している。
【0151】
図25~
図29で示すx方向、y方向は、ある瞬間の容器供給部33を構成する部材の方向を示す。
また、
図25、
図26、
図28、
図29では、容器供給部33の容器保持領域34の弾性部材34cを簡易的に円柱状で示している。
また、
図27では、内部構造を示すため、第2固定リングを透過可能な部材で且つ点線で示している。
【0152】
(容器保持領域34)
第2実施形態の容器保持領域34は、第1カバー34a、電磁石34b、弾性部材34c、第1移動体34d、移動体保持部34e、アーム34f、第2移動体34g、第2カバー34hを有する。
【0153】
第2実施形態の電磁石34bの配置位置は、第1実施形態の電磁石34bの配置位置と異なる。
第2実施形態の弾性部材34cの掛け止め方法は、第1実施形態の弾性部材34cの掛け止め方法と異なる。
第2実施形態では、容器通過領域34d1の周囲に第2カバー34hが設けられる。
第2実施形態では、第1移動体34dと第1固定リング34e1の間にボールベアリング34iが設けられる。
以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0154】
電磁石34bは、第2固定リング34e2の下に設けられる。
電磁石34bが第2固定リング34e2の上に保持される形態に比べて、縦置き若しくは横置きなど電磁石34bを保持する位置の自由度が高くなる。このため、駆動力が大きい大型の電磁石34bを用いることが容易になる。
【0155】
動力受け部34d3は、アーム34fの移動によって移動可能な状態で、アーム34fの他方の端部が接する。
【0156】
第1掛け止め部34e3は、第1固定リング34e1に設けられる。
第1掛け止め部34e3は、フック形状を有し、弾性部材34cの一方の端部を掛け止めする。
【0157】
第1柱34e4は、z方向に垂直な水平方向に延びる。
第1柱34e4は、アーム34fをz方向に垂直な水平方向に平行な軸(第3回転軸z3)周りに回転可能な状態で保持する。
【0158】
第2柱34e5は、z方向に延び、第1固定リング34e1と第2固定リング34e2によって狭持される。
第2柱34e5は、孔34d4を通る。
【0159】
アーム34fは、一方の端部が電磁石34bの近傍に位置し、他方の端部が第1移動体34dの動力受け部34d3に接する。
アーム34fの一方の端部と他方の端部の間で、アーム34fは、移動体保持部34eの第1柱34e4によって、第3回転軸z3周りに回転可能な状態で保持される。
【0160】
(第2カバー34h)
第2カバー34hは、容器通過領域34d1の周囲に略円筒状に形成される。
ただし、が設けられる。第2移動体34gと物理的に干渉する領域には、第2切り欠き34h1が形成される。第2移動体34gと物理的に干渉する領域には、第2切り欠き34h1の代わりに孔が形成されてもよい。
第2カバー34hを設けることにより、容器通過領域34d1を通過する時に、容器が第1保持領域34g2と第2保持領域34g3以外の部材との接触を抑制出来、排出詰まりが発生しにくく出来る。
【0161】
(ボールベアリング34i)
第1移動体34dと第1固定リング34e1の間にはボールベアリング34iが設けられる。
これにより、第1移動体34dと第1固定リング34e1のz方向の間隔を小さくすることが出来る。
【0162】
(容器保管領域35)
容器保管領域35は、容器保持領域34のz方向上側に設けられる。
容器の補充は、容器保管領域35の扉を介して行われる。
容器保管領域35の扉には、閂などの施錠機構35aが設けられる。
第1移動体34dの回転移動などに基づく振動で、容器保管領域35の扉が開くのを防止出来る。
【0163】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0164】
1 飲料提供装置、3 筐体、3a 搬入搬出口、3b 表示窓、3f1 前面、3f1a 第1前面、3f1b 第2前面、3f2 右側面、3f3 左側面、3f4 背面、3f5 上面、3f6 下面、3g1 第1筐体、3g2 第2筐体、3g3 第3筐体、3h キャスター、10 飲料生成部、11 浄水器、13 軟水器、15 給水タンク、17 排水タンク、19 ポンプ、20 材料供給部、20a 材料タンク、20b 材料移動装置、20c 傾斜壁、20d 誘導部、20d1 第1シュートプレート、20d1a 連結部、20d2 第2シュートプレート、20e 屑取りプレート、20e1 隙間、20e2 スロット若しくはスリット、20f 底面部、20f1 材料排出部、20f2 ヒンジ、20f3 ローレットつまみ、20g 側面部、21 飲料供給部(コーヒーメーカー)、21a 選択ボタン、21b 材料受け部、21c 材料廃棄部、22 供給部移動装置、22a 第1移動部、22a1 第1抑止機構、22a2 取っ手、22b 第2移動部、22b1 第2抑止機構、23 ミルクタンク、25 製氷機(シャトルアイス製造機)、25a 導管、30 容器移動部、31 第3移動部、31a 移動部側ターンテーブル、31b 容器保持部、31b1 第1容器載置部、31b2 第1凹み部、32 第4移動部、32a 爪部、32b 腕部、33 容器供給部、34 容器保持領域、34a 第1カバー、34b 電磁石、34c 弾性部材、34d 第1移動体、34d1 容器通過領域、34d2 第2掛け止め部、34d3 動力受け部、34d4 孔、34d5 第1切り欠き、34e 移動体保持部、34e1 第1固定リング、34e2 第2固定リング、34e3 第1掛け止め部、34e4 第1柱、34e5 第2柱、34f アーム、34g 第2移動体、34g1 筒部、34g2 第1保持領域、34g3 第2保持領域、34g4 移動レバー、34h 第2カバー、34h1 第2切り欠き、34i ボールベアリング、35 容器保管領域、35a 施錠機構、50 収納部、55 収納筒部(収納領域)、56a 第2容器載置部、56a1 第2凹み部、57 後側開閉扉、60 廃棄部、70 提供部、71 取り出し口、77 前側開閉扉、90 制御部、90a センサー、100 サーバー、c1 第1容器、c2 第2容器、c3 第3容器、c4 第4容器、d1 第1保持領域の上面と第2保持領域の上面の間隔、d2 上下の容器の間隔、d3 飲料提供装置との所定距離、f1 第1保持領域の上面、f2 第2保持領域の上面、f3 第1保持領域の斜面、P1 中継点、s0 飲料供給部内の所定位置、s1 第3移動部の移動開始位置、s2 中継点の近傍の第2位置、t1 第1時間(経過時間と比較する時間閾値)、z1 第1回転軸、z2 第2回転軸、z3 第3回転軸