(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010638
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】海水の蒸溜装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/04 20230101AFI20240117BHJP
B01D 1/22 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
C02F1/04 A
B01D1/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022132116
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】592237840
【氏名又は名称】山口 憲章
(72)【発明者】
【氏名】山口 憲章
【テーマコード(参考)】
4D034
4D076
【Fターム(参考)】
4D034AA01
4D034BA03
4D034CA12
4D076BA12
4D076CA19
4D076CB02
4D076CB06
4D076CD22
4D076DA01
4D076DA22
4D076HA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】効率的な海水淡水化のための蒸留装置を提供する。
【解決手段】コンクリート製土管1を直立させ、その内部に布を巻いたアルミ製ダクト用ドラム4を収め、ドラムは中空の耐熱ガラスを回転軸として回転し、耐熱ガラスの中の熱源16として電熱ヒータを中空の耐熱ガラス内部に設置し、最上部総塩水供給容器7から海水を入替用ホース14を通じてコンクリート製土管内部に供給し、回転ドラムに巻かれた布は海水で濡れた状態を保ちつつ、減圧用ファン15により、総覆垂れ布13を内部に設置したコンクリート製土管内を減圧し、さらに耐熱ガラス内部のヒータで布に濡れ浸みた海水を加熱蒸発させることで、結露した淡水を直立土管の内壁に設置するところの結露淡水取出溝8で回収し、濃縮塩水を濃縮塩水受容器9に回収することを特徴とする電熱使用蒸溜装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直立円筒コンクリート製土管の中に、耐熱ガラスに入った温熱を布巻き回転ドラムが渡し架けられた受け容器数個を間隔をあけて上に数個積み上げて、このドラムに巻いた布を上からの滴下塩水を受けて濡らしたところに該耐熱ガラスの温熱を当てて蒸発を促すのであるが、更にこれらの段重ねした受け容器の全体を覆うところの上が塞がった円筒形の布を垂らし、この布にも上部容器からの塩水の滴下で濡らし、ともども耐熱ガラスに入った温熱源で塩水で濡れた布から水蒸気を蒸発させ、その水蒸気をコンクリート土管の内壁に結露させることで、淡水と濃縮塩水の分離させるところの電熱による温熱蒸溜装置。
【請求項2】
直立円筒コンクリート製土管とこの総覆い垂れ布との間は減圧するところの請求項1の電熱による温熱蒸溜装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
海水の淡水化装置には、
▲1▼多重効用蒸発法
▲2▼多段フラッシュ蒸発法
▲3▼自己蒸気圧縮法 などがある。
産油国の多大な原油をふんだんに使って、日産産出量が2万~10万m3に及ぶ膨大な量の淡水化を行っている。
【背景技術】
【0002】
現行の淡水化は、砂漠や狭小な島で行われている、その効率的なものは上記に示したようなものである
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献】
【特許文献】海水淡水化装置 特開 2012-217963 特開 2005-193083 特開 2003-236301 C02F 1/04 B01D 1/14 B01D 5/00
【0004】
【非特許文献】
【非特許文献】『おもしろ話で理解する熱力学入門』久保田浪之介著・日刊工業新聞社 『トコトンやさしい蒸溜の本』大江修造著・日刊工業新聞社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に水1kgを蒸発させる熱料は540kcalとされている。
又水の蒸発は水素と酸素の結び付の特異さから蒸発しにくいとされている。気圧の低い富士山頂などでは沸点は低い。
又、塩を入れると沸点は上昇し103℃とされている。
本願は、コンクリート製の土管を直立に積み上げて、その中に鶏の給水給餌器というところの上部の密閉槽と下部の開放容器をホースで繋いで、下部の開放容器内の塩水が蒸発することで水位が下がり繋いだホースの切り口が空気中に現われた時点でこの切り口から空気が侵入し、その侵入した空気の容積と同じ容積の塩水が上部の密閉槽からこのホースの中を降りてくるというところの現象を多用した。
この下部開放容器は、コンクリート土管の中で棚を造るとその棚に30cm位の間隔をあけて上方に積み上げることができる。
既製の土管も、密閉容器も、開放容器も機種は色々と既製のものがあるので本願の規模は大きくすることはできる。
使用する熱源は温風を吐出する乾燥器もあるが例えはヘアードライヤー650wh・布団乾燥器、500~540wh、それに減圧用ファン30whである。本願で使用する熱源は耐熱ガラスの中に収まった熱源である。
温熱風の上昇現象をいかんなく発輝させ、採取量をいかに多くするかは、今日即乾布なども多種あるので相当期待できるものとなると思われる。
又性能が優れた揚水ポンプも審判中なので、多少電力量がかかっても、問題は採取量がいかほどになるかなのであり、その用具も今日既製品があるので製作費用もそれほどかからない。
垂れ布には目が荒い麻が望ましい。
今日では即乾性のシヤツの布なとも回転ドラムの布には好ましいかも知れないが、やはり薄手の綿が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
▲1▼回転容器を収める下部容器(長方形)にはプラスチック容機が望ましい。又横長の左右のエッヂに回転容器の芯軸をサドル
とし中に電熱線のための被覆電線をとおし芯軸から2cm位い離して耐熱ガラスで覆われた電熱ヒーター(100V・450w)を固定して動かぬようにするのであるが該ヒーター(長さ50cmくらい)と芯軸との間にはステンレス製の照射板を取り付けて濡らさないようにする。
熱ヒーターが50cmの長さなので容器の長さは60cm×30cm×30cm(横、縦、高さ)とする。
▲2▼この受け容器数個を収める棚は個間30cm位の間隔をとって縦一列に並べる。
▲3▼これら数個の縦一列に30cm位の間隔をもって積み上げられた受け容器の全体を覆うように円筒形の目の荒い麻布入垂れ布を吊り下げ、この垂れ布にも上に置かれた密閉容器から布、或いは細いパイプを該容器のエッヂを股いで下方に降し、その先の部分を垂れ布に固定して容器の塩水が常に該布を濡らしつづける。
縦一列に積み上げられて数個の受け容器の回転ドラムを暖めた熱の余熱は該垂れ布の上部に集まる。よって垂れ布の上部からの蒸発もわずかであるが認められる。
この垂れ布の目は荒いのでそのスキ間から縦一列の各段受け容器からの蒸気はスリ抜けて垂れ布の外に出る。
該垂れ布と外壁である土管の間は、土管の外に設けた数本のパイプの上に設けたフアンの下降風によって減圧されているので土管への結露も早いということは塩水の淡水化が促進されることとなる。
▲4▼この外壁土管は一応密閉構造となっており、結露淡水はその内壁面を伝い降りて一個処に集められる
▲5▼水の蒸発は水素と酸素の結び付きの特異さから蒸発しにくいとされるが一般に水1kgを蒸発させる熱量は540kcalとされる。
毎秒1ジュールの仕事をするのが1ワットであり
1ワット時は3600ジュールである。又1ジュール=0.239カロリーということから
1kgの水を蒸発させるには627.6whの電力量が必要である
従って本願の場合受け容器4段重ねの電力は1800whあるから
2.86kgの塩水を蒸発させることができることとなる
この2.86kgには受け容器4段の余熱が上昇して集中する熱量が垂れ布に及ぼす蒸発を得る塩水量は微少と思われるが含まれていない、出来てきた2.86kgの淡水の3%は塩である、
又気圧の低い富士山頂での沸点は低く、塩水の沸点は高くなる(103℃)。
よって本願の蒸溜には水1kgの蒸発量より僅かに高くなる。
▲6▼勿論本願では回転ドラムを覆う薄い綿布に滴下水を引き伸ばすなど、そして、熱源電熱ヒーターをこの薄い綿布にできるだけ近づけるなど蒸発促進要素を取り入れている。
他にも温熱ヒータ・或いは、風呂用温度維持ヒーターなど供給塩水を事前に暖めるなどの蒸発促進要素もあるが肝心なことは、その際に金をかけない天然の温度上昇システムを導入することである。
産油国の金に糸目をつけない熱量の投入は我国では認められないのである。
【発明の効果】
【0007】
そして現行の公務員約300万人の退職金、賞与、給与、他諸手当は、工業立国態勢からの現実を直視しない、ところの根なし草、浮き草の生産態勢(つまり造っては壊すというサイクル)からの税収からまかなわれている。自動車産業の造っては壊すサイクルは殊更に形のよい、優れたフォルムで若者の心をつかんでいるがその実態は価格に相当しない使用頻度で大半が壊されていることは、そのサイクルを繰返せば繰り返すほどジリ貧となり国の財政を圧迫した結果が、今日世界恐慌の大きな一員となっている。
これまでの工業立国態勢以前は地球、自然の産物で各人の生計をたてて来たのであるが、工業立国態勢というのは人の造り出した生産物で生計をたてる方途である。
自然に仂きかけて作り出すものは決して無駄なく完璧に自然連鎖のサイクルの中に納まっているが、化石燃料等を用いたところの工業製品はどうしてもそこに不完全が介在しその価格に応じた使用頻度に不都合が生じる
つまり人は動物であるからその根本は動いて価値を生産すべきであり、動かずに口先で価値を生産は動物の邪道
かがる不都合が自動車という化石燃料による動きにおけるジリ貧が各国に蔓延して来た結果の争いだと思う。
そして又、人も地上の生物の一員であるから、食物連鎖のサイクルの中に組み入れる時期に来ていると世界人口増加工業立国という無機物生産体勢より有機物の生産体勢とする地上環境保持に重点を置いたほうがよい。
それには地上の津々浦々、避地まで水を送る必要があるが、そのエネルギー源は電力が欠かせない。
それはつまり高所の水タンクに揚水電力である。
又水力そのもののエネルギー創生への道は水圧器などの利用の方途も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】最下部受容器のそれぞれにの受け容器に対応した直立土管上の供給槽
【発明を実施するための形態】
【0009】
我国は起伏の大きい国土で保水力が小さいので、高所に水を揚げることができれば本願の効用は大きい。
本願の装置における使用部品は、土管密閉容器、或いは回転ドラムにしろ、既製のものが今日多々あるので、最初からこれらの新品を作る必要はない
又使用する電器機器も、電勢直管ヘアードライヤー(65wh、)布団乾燥器(500wh)、減圧ファン(30wh)等であり総電力は5kwhである。
これらに加えるに性能が良好な揚水ポンプとして2kwhを必要であり合計7kwhが必要である
これを水の渇望地域に届けるためには、上記電力の供給は不可決である。
淡水の日産産出量は上記の場合2万m
3である。
この産出に要する電力量の供給するためのメドさえつけば本願の規模の伸長は要易である。
0007において記したように電力も水力発電として、水があれは、水圧器の利用によるエネルギーの創出もある。
この回転ドラムの胴を覆う布であるが、今日布には麻、綿、絹、化繊があり、市場においては速乾性の布も出ている。
該布は薄手の綿布が適していると思われる。豆腐製造過程で使われる1m
2の薄手の綿布は熱した豆乳ににがりを混入させて該綿布を敷いた本枠の中にこれを入れて、圧をかけて豆乳と水を分離して固めることで豆腐は出来る。
本願において使う布は薄ければ回転が促かされて速くなる先の[0006]の▲5▼で示した2.86kgの淡水の出来は1時間の時間がかかっているが、薄手の綿布であれば滴下塩水の拡がりも温熱による乾きも促されるので時間は半分位で収まりそれに減圧、全体覆い等の施工もあるので該生成淡水の2.86kgは3倍位にはなる。
更に装置規模の拡大や温塩水の供給なども考えられる
図面では、外郭のコンクリート土管にしろ、中間の全体を覆う垂れ布にしろてっぺんは平らになっているが、これらの形は効率がよくない、温度は上部に集まるので、その形は平らではなく、円錐形として結露や、上部蒸発を回収するための形のほうがよい。
次に回転ドラムであるが両脇に渡しかける芯軸を受け箱の両脇にサドルバンドで固定する前にこの芯軸の外径より少し太い内径のパイプを芯軸にとうして回転するようにした後、この回転パイプの両脇に円盤を固定して、それらの外周に竹ヒゴを渡して円筒形とするのであるが、この回転パイプには、電熱管にステンレスでできた反射盤を持たせかける。
電熱は全てこの円筒の胴から蒸発させる。
この円筒の上半分の左右半分が、蒸発と、滴下塩水を受ける部分に分かれる。下半分は濃縮塩水に浸かっており次第に塩分が濃厚になるので、芯軸の下の水位からこの濃縮塩水を外に抜き取る構造が必要である。
芯軸はパイプとして中に電熱管の電線をとおし、この固定管に、電熱管と反射板の負荷をかけ、その両外側に回転する芯軸に閉塞円板の負荷をかけてこの円周に竹ヒゴを渡す。
【符号の説明】
【0020】
1、外枠(コンクリート製土管)
2、結露
3、最下部受容器の中の濃縮塩水
4、アルミ製ダクト用ドラム(塩水に濡れた布を巻いている)。
6、中間密閉容器(それぞれの最下部受容器に対応する)
7、最上部総塩水供給容器
8、直立土管の内壁に設置するところの結露淡水取出溝
9、濃縮塩水受容器
10、内部減圧用吸引用ファン
11、最終受容器重ね棚
12、止水弁(コルク・)、入替時のため
13、総覆垂れ布
14、入替用ホース
15、減圧用ファン
16、耐熱ガラスの中の熱源(背にステンレス照射板を背負っている)