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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106425
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】生成装置及び生成方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 1/12 20060101AFI20240801BHJP
   C07C 9/04 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
C07C1/12
C07C9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010663
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】越後 拓海
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 裕之
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AA04
4H006AB84
4H006AC29
4H006BE20
4H006BE41
(57)【要約】
【課題】反応塔で生成される製品ガス中の未反応ガスの残存量を低減する。
【解決手段】生成装置は、二酸化炭素と水素との触媒反応により製品ガスを生成する反応塔に供給される少なくとも二酸化炭素ガスを含む第1原料ガスの密度、第1原料ガスの流量の第1計測値及び第1原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出し、反応塔に供給される少なくとも水素ガスを含む第2原料ガスの密度、第2原料ガスの流量の第2計測値及び第2原料ガス中の水素濃度に基づいて、第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出し、第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量及び第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量に基づいて、第1原料ガスの流量及び第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素と水素との触媒反応により製品ガスを生成する反応塔と、
前記反応塔に供給される少なくとも二酸化炭素ガスを含む第1原料ガスの密度を取得する第1取得部と、
前記第1原料ガスの流量を計測して第1計測値を出力する第1計測部と、
前記第1原料ガス中の二酸化炭素濃度を取得し、前記第1原料ガスの密度、前記第1計測値及び前記第1原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出する第1算出部と、
前記反応塔に供給される少なくとも水素ガスを含む第2原料ガスの密度を取得する第2取得部と、
前記第2原料ガスの流量を計測して第2計測値を出力する第2計測部と、
前記第2原料ガス中の水素濃度を取得し、前記第2原料ガスの密度、前記第2計測値及び前記第2原料ガス中の水素濃度に基づいて、前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出する第2算出部と、
前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量及び前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量に基づいて、前記第1原料ガスの流量及び前記第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する制御部と、
を備える生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量との比が所定比となるように、前記第1原料ガスの流量及び前記第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する、
請求項1に記載の生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量、前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量及び前記所定比に基づいて、前記第1原料ガスの流量の第1制御値を決定し、前記第1制御値に基づいて、前記第1原料ガスの流量を制御する、
請求項2に記載の生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量、前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量及び前記所定比に基づいて、前記第2原料ガスの流量の第2制御値を決定し、前記第2制御値に基づいて、前記第2原料ガスの流量を制御する、
請求項2又は3に記載の生成装置。
【請求項5】
前記第1原料ガスは、少なくとも二酸化炭素ガス及び水素ガスを含み、
前記第1算出部は、更に、前記第1原料ガス中の水素濃度を取得し、前記第1原料ガスの密度、前記第1計測値及び前記第1原料ガス中の水素濃度に基づいて、前記第1原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出し、
前記制御部は、更に、前記第1原料ガスに含まれる水素ガスの流量と前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量とを合計した第1合計流量を算出し、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と前記第1合計流量との比が所定比となるように、前記第1原料ガスの流量及び前記第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する、
請求項1に記載の生成装置。
【請求項6】
前記第2原料ガスは、少なくとも水素ガス及び二酸化炭素ガスを含み、
前記第2算出部は、更に、前記第2原料ガス中の二酸化炭素濃度を取得し、前記第2原料ガスの密度、前記第2計測値及び前記第2原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、前記第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出し、
前記制御部は、更に、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と前記第2原
料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量とを合計した第2合計流量を算出し、前記第2合計流量と前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量との比が所定比となるように、前記第1原料ガスの流量及び前記第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する、
請求項1に記載の生成装置。
【請求項7】
前記第1原料ガスは、少なくとも二酸化炭素ガス及び水素ガスを含み、
前記第2原料ガスは、少なくとも水素ガス及び二酸化炭素ガスを含み、
前記第1算出部は、更に、前記第1原料ガス中の水素濃度を取得し、前記第1原料ガスの密度、前記第1計測値及び前記第1原料ガス中の水素濃度に基づいて、前記第1原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出し、
前記第2算出部は、更に、前記第2原料ガス中の二酸化炭素濃度を取得し、前記第2原料ガスの密度、前記第2計測値及び前記第2原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、前記第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出し、
前記制御部は、更に、前記第1原料ガスに含まれる水素ガスの流量と前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量とを合計した第1合計流量を算出し、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と前記第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量とを合計した第2合計流量を算出し、前記第1合計流量と前記第1合計流量との比が所定比となるように、前記第1原料ガスの流量及び前記第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する、
請求項1に記載の生成装置。
【請求項8】
前記製品ガスは、メタンガス及び水素ガスを含み、
前記製品ガスに含まれる水素ガスを酸素と反応させて水を生成することで前記製品ガスから水素ガスを除去する除去部を備える、
請求項1に記載の生成装置。
【請求項9】
前記製品ガスは、メタンガス及び二酸化炭素ガスを含み、
前記製品ガスに含まれる二酸化炭素ガスを吸蔵することで前記製品ガスから二酸化炭素ガスを除去する除去部を備える、
請求項1に記載の生成装置。
【請求項10】
前記除去部にパージガスを供給して前記除去部に吸蔵された二酸化炭素ガスをパージするパージ部を備える、
請求項9に記載の生成装置。
【請求項11】
二酸化炭素と水素との触媒反応により製品ガスを生成する反応塔を備える生成装置における製品ガスの生成方法であって、
前記反応塔に供給される少なくとも二酸化炭素ガスを含む第1原料ガスの密度を取得する工程と、
前記第1原料ガスの流量を計測して第1計測値を出力する工程と、
前記第1原料ガス中の二酸化炭素濃度を取得し、前記第1原料ガスの密度、前記第1計測値及び前記第1原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出する工程と、
前記反応塔に供給される少なくとも水素ガスを含む第2原料ガスの密度を取得する工程と、
前記第2原料ガスの流量を計測して第2計測値を出力する工程と、
前記第2原料ガス中の水素濃度を取得し、前記第2原料ガスの密度、前記第2計測値及び前記第2原料ガス中の水素濃度に基づいて、前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出する工程と、
前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量及び前記第2原料ガスに含まれる水
素ガスの流量に基づいて、前記第1原料ガスの流量及び前記第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する工程と、
を含む生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成装置及び生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、気体状態の反応物の発熱反応によって、製品ガスを生成させる生成装置及び生成方法に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6984098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
反応塔内に二酸化炭素及び水素を含む原料ガスを供給し、原料ガスの発熱反応によって原料ガスから製品ガスが生成される。例えば、混合ガスやガス組成が変動するガスを原料ガスとする場合、原料ガスの流量を正確に測定できないため、原料ガスに含まれる二酸化炭素と水素との比率の調整が難しい。その結果、反応塔で生成される製品ガス中に未反応ガスが残ってしまう場合がある。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、反応塔で生成される製品ガス中の未反応ガスの残存量を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための本発明は、二酸化炭素と水素との触媒反応により製品ガスを生成する反応塔と、前記反応塔に供給される少なくとも二酸化炭素ガスを含む第1原料ガスの密度を取得する第1取得部と、前記第1原料ガスの流量を計測して第1計測値を出力する第1計測部と、前記第1原料ガス中の二酸化炭素濃度を取得し、前記第1原料ガスの密度、前記第1計測値及び前記第1原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出する第1算出部と、前記反応塔に供給される少なくとも水素ガスを含む第2原料ガスの密度を取得する第2取得部と、前記第2原料ガスの流量を計測して第2計測値を出力する第2計測部と、前記第2原料ガス中の水素濃度を取得し、前記第2原料ガスの密度、前記第2計測値及び前記第2原料ガス中の水素濃度に基づいて、前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出する第2算出部と、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量及び前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量に基づいて、前記第1原料ガスの流量及び前記第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する制御部と、を備える生成装置である。
【0007】
上記生成装置によれば、第1原料ガスの密度、第1計測値及び第1原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出し、第2原料ガスの密度、第2計測値及び第2原料ガス中の水素濃度に基づいて、第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出する。第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と、第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量とをそれぞれ算出することで、反応塔に供給される二酸化炭素ガスと水素ガスとの比率を精度よく調整することができる。上記生成装置によれば、反応塔に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量及び反応塔に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量に基づいて、反応塔に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する。これにより、反応塔で生成される製品ガス中の未反応ガスの残存量を低減することができる
【0008】
前記制御部は、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量との比が所定比となるように、前記第1原料ガスの流量及び前記第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。これにより、反応塔で生成される製品ガス中に未反応ガスである二酸化炭素ガス及び水素ガスが残ることが抑止される。所定比は、例えば1.0:4.0であるが、この比に限定されず、所定比は、1.0:4.0と近似する値であってもよい。反応塔に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と反応塔に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量との比が1.0:4.0に近似するほど、反応塔で生成される製品ガス中の二酸化炭素ガスの残存量及び水素ガスの残存量がより低減される。
【0009】
前記制御部は、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量、前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量及び前記所定比に基づいて、前記第1原料ガスの流量の第1制御値を決定し、前記第1制御値に基づいて、前記第1原料ガスの流量を制御してもよい。制御部は、反応塔に供給される第2原料ガスの流量を成り行き又は設定流量としてもよい。このような制御は、例えば、再生可能エネルギーで発生した水素ガスを可能な限り有効利用するシステムに向いている。
【0010】
前記制御部は、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量、前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量及び前記所定比に基づいて、前記第2原料ガスの流量の第2制御値を決定し、前記第2制御値に基づいて、前記第2原料ガスの流量を制御してもよい。制御部は、反応塔に供給される第1原料ガスの流量を成り行き又は設定流量としてもよい。このような制御は、例えば、分離回収した二酸化炭素ガスを可能な限り有効利用するシステムに向いている。
【0011】
前記第1原料ガスは、少なくとも二酸化炭素ガス及び水素ガスを含み、前記第1算出部は、更に、前記第1原料ガス中の水素濃度を取得し、前記第1原料ガスの密度、前記第1計測値及び前記第1原料ガス中の水素濃度に基づいて、前記第1原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出し、前記制御部は、更に、前記第1原料ガスに含まれる水素ガスの流量と前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量とを合計した第1合計流量を算出し、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と前記第1合計流量との比が所定比となるように、前記第1原料ガスの流量及び前記第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。反応塔に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と第1合計流量との比が1.0:4.0に近似するほど、反応塔で生成される製品ガス中の二酸化炭素ガスの残存量及び水素ガスの残存量がより低減される。
【0012】
前記第2原料ガスは、少なくとも水素ガス及び二酸化炭素ガスを含み、前記第2算出部は、更に、前記第2原料ガス中の二酸化炭素濃度を取得し、前記第2原料ガスの密度、前記第2計測値及び前記第2原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、前記第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出し、前記制御部は、更に、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と前記第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量とを合計した第2合計流量を算出し、前記第2合計流量と前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量との比が所定比となるように、前記第1原料ガスの流量及び前記第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。第2合計流量と反応塔に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量との比が1.0:4.0に近似するほど、反応塔で生成される製品ガス中の二酸化炭素ガスの残存量及び水素ガスの残存量がより低減される。
【0013】
前記第1原料ガスは、少なくとも二酸化炭素ガス及び水素ガスを含み、前記第2原料ガスは、少なくとも水素ガス及び二酸化炭素ガスを含み、前記第1算出部は、更に、前記第
1原料ガス中の水素濃度を取得し、前記第1原料ガスの密度、前記第1計測値及び前記第1原料ガス中の水素濃度に基づいて、前記第1原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出し、前記第2算出部は、更に、前記第2原料ガス中の二酸化炭素濃度を取得し、前記第2原料ガスの密度、前記第2計測値及び前記第2原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、前記第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出し、前記制御部は、更に、前記第1原料ガスに含まれる水素ガスの流量と前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量とを合計した第1合計流量を算出し、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と前記第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量とを合計した第2合計流量を算出し、前記第1合計流量と前記第1合計流量との比が所定比となるように、前記第1原料ガスの流量及び前記第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。第1合計流量と第2合計流量との比が1.0:4.0に近似するほど、反応塔で生成される製品ガス中の二酸化炭素ガスの残存量及び水素ガスの残存量がより低減される。
【0014】
前記製品ガスは、メタンガス及び水素ガスを含み、上記生成装置は、前記製品ガスに含まれる水素ガスを酸素と反応させて水を生成することで前記製品ガスから水素ガスを除去する除去部を備えてもよい。除去部により製品ガスから水素ガスを除去することで、高濃度のメタンガスを含む製品ガスを得ることが可能となる。
【0015】
前記製品ガスは、メタンガス及び二酸化炭素ガスを含み、上記生成装置は、前記製品ガスに含まれる二酸化炭素ガスを吸蔵することで前記製品ガスから二酸化炭素ガスを除去する除去部を備えてもよい。除去部により製品ガスから二酸化炭素ガスが除去されることで、高濃度のメタンガスを含む製品ガスを得ることが可能となる。
【0016】
上記生成装置は、前記除去部にパージガスを供給して前記除去部に吸蔵された二酸化炭素ガスをパージするパージ部を備えてもよい。除去部に吸蔵された二酸化炭素ガスをパージすることで、除去部の吸蔵機能を回復することが可能となる。
【0017】
また、本発明は、二酸化炭素と水素との触媒反応により製品ガスを生成する反応塔を備える生成装置における製品ガスの生成方法であって、前記反応塔に供給される少なくとも二酸化炭素ガスを含む第1原料ガスの密度を取得する工程と、前記第1原料ガスの流量を計測して第1計測値を出力する工程と、前記第1原料ガス中の二酸化炭素濃度を取得し、前記第1原料ガスの密度、前記第1計測値及び前記第1原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出する工程と、前記反応塔に供給される少なくとも水素ガスを含む第2原料ガスの密度を取得する工程と、前記第2原料ガスの流量を計測して第2計測値を出力する工程と、前記第2原料ガス中の水素濃度を取得し、前記第2原料ガスの密度、前記第2計測値及び前記第2原料ガス中の水素濃度に基づいて、前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出する工程と、前記第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量及び前記第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量に基づいて、前記第1原料ガスの流量及び前記第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する工程と、を含む生成方法であってもよい。
【0018】
上記生成方法によれば、第1原料ガスの密度、第1計測値及び第1原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出し、第2原料ガスの密度、第2計測値及び第2原料ガス中の水素濃度に基づいて、第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出する。第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と、第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量とをそれぞれ算出することで、反応塔に供給される二酸化炭素ガスと水素ガスとの比率を精度よく調整することができる。上記生成方法によれば、反応塔に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量及び反応塔に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量に基づいて、反応塔に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する。こ
れにより、反応塔で生成される製品ガス中の未反応ガスの残存量を低減することができる。
【発明の効果】
【0019】
反応塔で生成される製品ガス中の未反応ガスの残存量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施形態に係る生成装置の構成図である。
図2図2は、制御装置の一例を示す図である。
図3図3は、生成装置の運転手順の流れを示すフロー図である。
図4図4は、除去部の第1の構成を示す構成図である。
図5図5は、二酸化炭素ガスの流量に対する水素ガスの流量の比及び製品ガスの組成比を示す表である。
図6図6は、除去部の第2の構成を示す構成図である。
図7図7は、二酸化炭素ガスの流量に対する水素ガスの流量の比及び製品ガスの組成比を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
【0022】
図1は、実施形態に係る生成装置100の構成図である。図1に示す生成装置100は、例えば、原料ガス(反応ガス)である気体状態の水素と二酸化炭素の発熱反応によって、製品ガスであるメタンガスと、水とを生成する。また、上記の化学反応は可逆反応でもある。上記の発熱反応を化学反応式で表すと下記の通りである。
【0023】
CO+4H⇔CH+2HO ・・・(1)
生成装置100は、一段目の反応塔(反応器)1と、一段目のガス冷却用熱交換器2と、二段目の反応塔(反応器)3と、二段目のガス冷却用熱交換器4と、熱媒体ヒーター5と、熱媒体用熱交換器6と、気液分離器7、8と、除去部9と、貯留タンク10とを備える。
【0024】
反応塔1は、触媒における原料ガスの発熱反応によって製品ガスを生成する。原料ガスは、例えば、二酸化炭素(CO)及び水素(H)を含む。反応塔1は、二酸化炭素と水素との触媒反応により製品ガスを生成する。製品ガスは、例えば、メタンガスである。原料ガスが反応塔1内に供給される。また、反応塔1は、触媒における原料ガスの発熱反応によって生成水を生成する。反応塔1とガス冷却用熱交換器2とが接続されている。反応塔1とガス冷却用熱交換器2とを接続する経路には、配管やバルブなどが設けられている。
【0025】
ガス冷却用熱交換器2は、反応塔1において生成された生成水(水蒸気)を凝縮する。ガス冷却用熱交換器2と気液分離器7とが接続されている。ガス冷却用熱交換器2と気液分離器7とを接続する経路には、配管やバルブなどが設けられている。気液分離器7は、製品ガス及び未反応の原料ガスから生成水(液体)を分離する。
【0026】
反応塔3と気液分離器7とが接続されている。反応塔3と気液分離器7とを接続する経路には、配管やバルブなどが設けられている。反応塔1で生成された製品ガス及び未反応の原料ガスは、ガス冷却用熱交換器2及び気液分離器7を経由して反応塔3へ送られる。反応塔3は、触媒における原料ガスの発熱反応によって製品ガス及び生成水を生成する。反応塔3において未反応の原料ガスから製品ガスが生成されることで、生成装置100は
、高濃度の製品ガスを生成することが可能となる。
【0027】
反応塔3とガス冷却用熱交換器4とが接続されている。反応塔3とガス冷却用熱交換器4とを接続する経路には、配管やバルブなどが設けられている。ガス冷却用熱交換器4は、反応塔3において生成された生成水(水蒸気)を凝縮する。ガス冷却用熱交換器4と気液分離器8とが接続されている。ガス冷却用熱交換器4と気液分離器8とを接続する経路には、配管やバルブなどが設けられている。気液分離器8は、製品ガス及び未反応の原料ガスから生成水(液体)を分離する。
【0028】
気液分離器8から除去部9に製品ガスが送られる。除去部9は、製品ガスに含まれる未反応の原料ガスを製品ガスから除去する。除去部9から貯留タンク10に製品ガスが送られる。貯留タンク10は、製品ガスを貯留する。気液分離器7及び8には、生成水を排出するための水抜き弁11が設けられている。水抜き弁11は、ドレントラップのような浮き具の浮力を用いて弁を開閉させるものでもよいし、あるいは電気的に水位を探知して電磁弁を開閉するものでもよい。水抜き弁11により、気液分離器7及び8から生成水が排出される。
【0029】
反応塔1及び3には、予め触媒が充填されている。触媒は、反応式(1)を促進する触媒ではあれば何でもよく、例えば、安定化元素が固溶し、正方晶系、及び、又は、立方晶系の結晶構造を有する安定化ジルコニア担体と、安定化ジルコニア担体に担持されるNiと、を備え、安定化元素は、Mn、Fe及びCoからなる群から選択される少なくとも1種の遷移元素からなる触媒が挙げられる。
【0030】
また、反応塔1及び3はジャケット構造になっており、ジャケット部分(シェル)には発熱反応が生じる反応塔内の発熱部分と熱交換する熱媒体が流出入可能となっている。熱媒体には、例えば熱媒油を用いる。熱媒体ヒーター5と反応塔1のジャケット部分とが、熱媒体が流れる配管によって接続されている。また、反応塔1のジャケット部分と反応塔3のジャケット部分とが、熱媒体が流れる配管によって接続されている。熱媒体が流れる配管には、バルブなどが設けられている。熱媒体ヒーター5は、熱媒体を加熱する加熱器である。熱媒体ヒーター5によって加熱された熱媒体は、反応塔1を通った後、反応塔3を通る。
【0031】
反応塔3のジャケット部分と熱媒体用熱交換器6とが、熱媒体が流れる配管によって接続されている。熱媒体用熱交換器6は、反応塔1及び3を通った熱媒体を冷却する。熱媒体ヒーター5と熱媒体用熱交換器6とが、熱媒体が流れる配管によって接続されている。熱媒体ヒーター5と熱媒体用熱交換器6とを接続する配管には、熱媒体用熱交換器6によって冷却された熱媒体を熱媒体ヒーター5へ送る熱媒体循環ポンプ12が設けられている。また、熱媒体が流れる配管には調節弁13及び14が設けられている。調節弁13及び14を開閉することにより、反応塔1及び3を通った熱媒体を、熱媒体用熱交換器6を経由して熱媒体ヒーター5に送ったり、熱媒体用熱交換器6を経由せずに熱媒体ヒーター5に送ったりすることができる。熱媒体用熱交換器6、熱媒体循環ポンプ12、調節弁13及び14の配置を変更すると共に、熱媒体ヒーター5によって加熱された熱媒体が、反応塔3を通った後、反応塔1を通るようにしてもよい。この場合、反応塔1と熱媒体ヒーター5とを接続する経路に熱媒体用熱交換器6、熱媒体循環ポンプ12、調節弁13及び14が配置される。
【0032】
生成装置100は、冷却塔15及び冷却水循環ポンプ16を備える。冷却塔15は、熱媒体用熱交換器6において熱媒体と熱交換する冷却水を冷却する。例えば、系外から冷却塔15に供給される水道水を冷却水として用いてもよい。冷却水循環ポンプ16は、冷却塔15内に供給された冷却水を、熱媒体用熱交換器6と冷却塔15との間で循環させる。
【0033】
生成装置100は、冷却塔17を備える。冷却塔17は、ガス冷却用熱交換器2及び4において生成水を凝縮させるための冷却水(冷媒)を冷却する。ガス冷却用熱交換器2、4及び冷却塔17は、冷却水が流れる配管によって相互に接続されている。冷却塔17によって冷却された冷却水は、ガス冷却用熱交換器2及び4を経由して冷却塔17に戻る。冷却塔17に替えて、チラーを用いてもよい。
【0034】
生成装置100は、第1供給装置21と、第2供給装置22とを備える。反応塔1と第1供給装置21とが配管によって接続されており、少なくとも二酸化炭素ガスを含む第1原料ガスが第1供給装置21から反応塔1内に供給される。反応塔1と第2供給装置22とが配管によって接続されており、少なくとも水素ガスを含む第2原料ガスが第2供給装置22から反応塔1内に供給される。第1原料ガスは、排ガスから分離回収した二酸化炭素ガスと、二酸化炭素ガス以外のガスとを含む混合ガスであってもよい。第1原料ガスは、ガス組成が変動するガスを含んでもよい。第2原料ガスは、排ガスから分離回収した水素ガスと、水素ガス以外のガスとを含む混合ガスであってもよい。第2原料ガスは、ガス組成が変動するガスを含んでもよい。
【0035】
生成装置100は、第1計測装置23と、第2計測装置24と、制御装置25とを備える。生成装置100は、第1原料ガスが流れる配管31と、第2原料ガスが流れる配管32と、第1原料ガス及び第2原料ガスが流れる配管33とを備える。第1計測装置23は、配管31を流れる第1原料ガスの流量を計測することにより、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を計測する。第1計測装置23は、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を計測して第1計測値を出力する。第1計測装置23は、第1計測部の一例である。第2計測装置24は、配管32を流れる第2原料ガスの流量を計測することにより、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を計測する。第2計測装置24は、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を計測して第2計測値を出力する。第2計測装置24は、第2計測部の一例である。第1計測値及び第2計測値は、制御装置25に送られる。第1計測装置23及び第2計測装置24は、面積式流量計であるが、これに限定されず、差圧式流量計、コリオリ流量計等の他の流量計であってもよい。
【0036】
配管31が、第1供給装置21に接続され、配管32が、第2供給装置22に接続されている。配管31及び配管32が、配管33に接続され、配管33が、反応塔1に接続されている。第1原料ガスが配管31を流れ、第2原料ガスが配管32を流れ、第1原料ガス及び第2原料ガスが配管33で合流する。第1原料ガス及び第2原料ガスが配管33を介して反応塔1に供給される。生成装置100は、配管31に設けられた流量調節弁34と、配管32に設けられた流量調節弁35と、を備える。
【0037】
図1に示す構成例では、第1原料ガス及び第2原料ガスが配管33で合流して反応塔1に供給されているが、この構成例に限定されない。配管31が反応塔1に接続されてもよく、第1原料ガスが配管31を介して反応塔1に供給されてもよい。配管32が反応塔1に接続されてもよく、第2原料ガスが配管32を介して反応塔1に供給されてもよい。
【0038】
制御装置25は、生成装置100の動作全体を制御するコントローラである。また、制御装置25は、生成装置100の一部の動作を制御してもよい。制御装置25は、PLC(Programmable Logic Controller)等のシーケンサであってもよい。制御装置25は、
専用の機器により構成してもよいし、汎用のコンピュータにより構成してもよい。制御装置25は、プロセッサ(CPU)、メモリ、ストレージ、通信I/Fなどのハードウェア資源を備えている。メモリは、RAMであってもよい。ストレージは、不揮発性の記憶装置(例えばROM、フラッシュメモリなど)であってもよい。制御装置25の機能は、ストレージに格納されたプログラムをメモリに展開しプロセッサによって実行することによ
り実現される。なお、制御装置25の構成はこれらに限られない。例えば、制御装置25の機能の全部又は一部をASICやFPGAなどの回路で構成してもよいし、あるいは、制御装置25の機能の全部又は一部をクラウドサーバや他の装置で実行してもよい。
【0039】
図2は、制御装置25の一例を示す図である。制御装置25は、第1取得部41と、第2取得部42と、第1算出部43と、第2算出部44と、記憶部45と、流量制御部46とを備える。第1取得部41は、反応塔1に供給される第1原料ガスの密度を取得する。第2取得部42は、反応塔1に供給される第2原料ガスの密度を取得する。第1算出部43は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出する。第2算出部44は、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出する。記憶部45は、種々のデータを記憶する。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する。流量制御部46は、制御部の一例である。
【0040】
第1取得部41は、赤外線式等の第1ガス分析計の分析データを用いて、反応塔1に供給される第1原料ガスの密度を取得してもよい。第1ガス分析計は、配管31を流れる第1原料ガスのガス組成を連続計測する。第1ガス分析計は、配管31を流れる第1原料ガスを分析し、配管31を流れる第1原料ガスに含まれる少なくとも1種類のガスの濃度(体積%)を測定する。記憶部45には、種々のガスの分子量に関する分子量データが記憶されている。第1取得部41は、第1ガス分析計の分析データと、記憶部45に記憶された分子量データとに基づいて、配管31を流れる第1原料ガスの密度を算出する。これにより、第1取得部41は、反応塔1に供給される第1原料ガスの密度を取得する。生成装置100が、第1ガス分析計を備えてもよい。第1計測装置23が、第1ガス分析計を有してもよいし、制御装置25が、第1ガス分析計を有してもよい。第1ガス分析計の分析データが制御装置25に送られてもよい。反応塔1に供給される第1原料ガスの密度、及び、第1ガス分析計の分析データを、記憶部45に記憶してもよい。
【0041】
第1取得部41は、第1ガス密度計の測定データを用いて、反応塔1に供給される第1原料ガスの密度を取得してもよい。第1ガス密度計は、配管31を流れる第1原料ガスの密度を測定する。生成装置100が、第1ガス密度計を備えてもよい。第1計測装置23が、第1ガス密度計を有してもよいし、制御装置25が、第1ガス密度計を有してもよい。第1ガス密度計の測定データが制御装置25に送られてもよい。第1ガス密度計の測定データを、記憶部45に記憶してもよい。
【0042】
第2取得部42は、赤外線式等の第2ガス分析計の分析データを用いて、反応塔1に供給される第2原料ガスの密度を取得してもよい。第2ガス分析計は、配管32を流れる第2原料ガスのガス組成を連続計測する。第2ガス分析計は、配管32を流れる第2原料ガスを分析し、配管32を流れる第2原料ガスに含まれる少なくとも1種類のガスの濃度(体積%)を測定する。記憶部45には、種々のガスの分子量に関する分子量データが記憶されている。第2取得部42は、第2ガス分析計の分析データと、記憶部45に記憶された分子量データとに基づいて、配管32を流れる第2原料ガスの密度を算出する。これにより、第2取得部42は、反応塔1に供給される第2原料ガスの密度を取得する。生成装置100が、第2ガス分析計を備えてもよい。第2計測装置24が、第2ガス分析計を有してもよいし、制御装置25が、第2ガス分析計を有してもよい。第2ガス分析計の分析データが制御装置25に送られてもよい。反応塔1に供給される第2原料ガスの密度、及び、第2ガス分析計の分析データを、記憶部45に記憶してもよい。
【0043】
第2取得部42は、第2ガス密度計の測定データを用いて、反応塔1に供給される第2原料ガスの密度を取得してもよい。第2ガス密度計は、配管32を流れる第2原料ガスの密度を測定する。生成装置100が、第2ガス密度計を備えてもよい。第2計測装置24
が、第2ガス密度計を有してもよいし、制御装置25が、第2ガス密度計を有してもよい。第2ガス密度計の測定データが制御装置25に送られてもよい。第2ガス密度計の測定データを、記憶部45に記憶してもよい。
【0044】
第1算出部43は、反応塔1に供給される第1原料ガス中の二酸化炭素濃度を取得する。第1算出部43における二酸化炭素濃度の取得方法は、特に限定されない。ガスクロマトフィー装置等の分析計が、配管31を流れる第1原料ガス中の二酸化炭素濃度を計測し、第1算出部43は、計測データを取得してもよい。第1算出部43は、第1ガス分析計の分析データを用いて、反応塔1に供給される第1原料ガス中の二酸化炭素濃度を算出することで二酸化炭素濃度を取得してもよい。第1算出部43は、反応塔1に供給される第1原料ガスの密度、第1計測値、及び、反応塔1に供給される第1原料ガス中の二酸化炭素濃度、に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出する。
【0045】
第2算出部44は、反応塔1に供給される第2原料ガス中の水素濃度を取得する。第2算出部44における水素濃度の取得方法は、特に限定されない。ガスクロマトフィー装置等の分析計が、配管32を流れる第2原料ガス中の水素濃度を計測し、第2算出部44は、計測データを取得してもよい。第2算出部44は、第2ガス分析計の分析データを用いて、反応塔1に供給される第2原料ガス中の水素濃度を算出することで水素濃度を取得してもよい。第2算出部44は、反応塔1に供給される第2原料ガスの密度、第2計測値、及び、反応塔1に供給される第2原料ガス中の水素濃度に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出する。
【0046】
反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量とをそれぞれ算出することで、反応塔1に供給される二酸化炭素ガスと水素ガスとの比率を精度よく調整することができる。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量、及び、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量、に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量、及び、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する。これにより、反応塔1で生成される製品ガス中の二酸化炭素ガスの残存量及び水素ガスの残存量を低減することができる。したがって、反応塔1で生成される製品ガス中の未反応ガスの残存量を低減することができ、高濃度のメタンガスを生成することができる。
【0047】
生成装置100によれば、第1原料ガスが、二酸化炭素ガスを含む混合ガスである場合やガス組成が変動するガスである場合でも、反応塔1で生成される製品ガス中の未反応ガスの残存量を低減することが可能であるため、高濃度のメタンガスを生成することができる。また、生成装置100によれば、第2原料ガスが、水素ガスを含む混合ガスである場合やガス組成が変動するガスである場合でも、反応塔1で生成される製品ガス中の未反応ガスの残存量を低減することが可能であるため、高濃度のメタンガスを生成することができる。
【0048】
流量制御部46は、流量調節弁34を制御することにより、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を制御する。流量調節弁34は、配管31を流れる第1原料ガスの流量を制御する。流量制御部46は、流量調節弁35を制御することにより、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を制御する。流量調節弁35は、配管32を流れる第2原料ガスの流量を制御する。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を制御し、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を成り行きとしてもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を制御し、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を設定流量としてもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第2原料
ガスの流量を制御し、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を成り行きとしてもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を制御し、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を設定流量としてもよい。
【0049】
<運転手順>
生成装置100の運転手順を説明する。図3は、生成装置100の運転手順の流れを示すフロー図である。図3では、第1供給装置21が起動され、第1供給装置21は反応塔1への第1原料ガスの供給を開始しており、第2供給装置22が起動され、第2供給装置22は反応塔1への第2原料ガスの供給を開始している。ステップS101において、第1取得部41は、反応塔1に供給される第1原料ガスの密度を取得する。ステップS102において、第1計測装置23は、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を計測して第1計測値を出力する。ステップS103において、第1算出部43は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出する。
【0050】
ステップS104において、第2取得部42は、反応塔1に供給される第2原料ガスの密度を取得する。ステップS105において、第2計測装置24は、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を計測して第2計測値を出力する。ステップS106において、第2算出部44は、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出する。
【0051】
ステップS107において、流量制御部46は、流量調節弁34及び流量調節弁35の少なくとも一方を制御することにより、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量、及び、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する。流量調節弁34は、第1流量調節弁の一例である。流量調節弁35は、第2流量調節弁の一例である。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量、及び、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量、に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量、及び、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する。流量制御部46は、流量調節弁34を制御するための制御信号を流量調節弁34に送る。流量調節弁34は、流量制御部46からの制御信号に応じて、配管31を流れる第1原料ガスの流量を制御する。流量制御部46は、流量調節弁35を制御するための制御信号を流量調節弁35に送る。流量調節弁35は、流量制御部46からの制御信号に応じて、配管32を流れる第2原料ガスの流量を制御する。ステップS101~S107は、規則的又は不規則的な間隔で繰り返し行われてもよい。ステップS101~S107の順番を変更してもよい。ステップS102が行われた後に、ステップS101が行われてもよい。ステップS105が行われた後に、ステップS104が行われてもよい。ステップS104~S106が行われた後に、ステップS101~S103が行われてもよい。
【0052】
流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量との比が所定比となるように、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。所定比は、例えば1.0:4.0であるが、この比に限定されず、所定比は、1.0:4.0と近似する値であってもよい。所定比は、1.0:4.0以上であってもよい。所定比は、1.0:4.0以上4.2以下であってもよい。所定比は、1.0:4.0以上4.1以下であってもよい。所定比は、1.0:4.0未満であってもよい。所定比は、1.0:3.8以上4.0未満であってもよい。所定比は、1.0:3.9以上4.0未満であってもよい。所定比は、1.0:3.8以上4.2以下であってもよい。所定比は、1.0:3.9以上4.1以下であってもよい。所定比を、実験又はシミュレーションによって予め求めてもよく、記憶部45に記憶してもよい。反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と反
応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量との比が1.0:4.0に近似するほど、反応塔1で生成される製品ガス中の二酸化炭素ガスの残存量及び水素ガスの残存量がより低減される。
【0053】
流量制御部46は、反応塔1に供給される二酸化炭素ガスの流量に対する水素ガスの流量の比が所定値となるように、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。所定値は、例えば4.0であるが、この値に限定されず、所定値は、4.0と近似する値であってもよい。所定値は、4.0以上であってもよい。所定値は、4.0以上4.2以下であってもよい。所定値は、4.0以上4.1以下であってもよい。所定値は、4.0未満であってもよい。所定値は、3.8以上4.0未満であってもよい。所定値は、3.9以上4.0未満であってもよい。所定値は、3.8以上4.2以下であってもよい。所定値は、3.9以上4.1以下であってもよい。所定値を、実験又はシミュレーションによって予め求めてもよく、記憶部45に記憶してもよい。反応塔1に供給される二酸化炭素ガスの流量に対する水素ガスの流量の比が4に近似するほど、反応塔1で生成される製品ガス中の二酸化炭素ガスの残存量及び水素ガスの残存量がより低減される。
【0054】
流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量、及び、所定比、に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量の第1制御値を決定してもよい。流量制御部46は、第1制御値に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を制御してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を成り行き又は設定流量としてもよい。このような制御は、例えば、再生可能エネルギーで発生した水素ガスを可能な限り有効利用するシステムに向いている。
【0055】
流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量、及び、所定比、に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の第2制御値を決定してもよい。流量制御部46は、第2制御値に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を制御してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を成り行き又は設定流量としてもよい。このような制御は、例えば、分離回収した二酸化炭素ガスを可能な限り有効利用するシステムに向いている。また、流量制御部46は、第1制御値に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を制御すると共に、第2制御値に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を制御してもよい。
【0056】
第1供給装置21は、少なくとも二酸化炭素ガス及び水素ガスを含む第1供給ガスを反応塔1内に供給してもよい。この場合、第1算出部43は、反応塔1に供給される第1原料ガス中の水素濃度を取得し、反応塔1に供給される第1原料ガスの密度、第1計測値、及び、反応塔1に供給される第1原料ガス中の水素濃度に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる水素ガスの流量と反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量とを合計した第1合計流量を算出してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と第1合計流量との比が所定比となるように、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と第1合計流量との比が1.0:4.0に近似するほど、反応塔1で生成される製品ガス中の二酸化炭素ガスの残存量及び水素ガスの残存量がより低減される。
【0057】
流量制御部46は、第1合計流量、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸
化炭素ガスの流量、及び、所定比に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量の第1制御値を決定してもよい。流量制御部46は、第1制御値に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を制御してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を成り行き又は設定流量としてもよい。このような制御は、例えば、再生可能エネルギーで発生した水素ガスを可能な限り有効利用するシステムに向いている。
【0058】
流量制御部46は、第1合計流量、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量、及び、所定比に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の第2制御値を決定してもよい。流量制御部46は、第2制御値に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を制御してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を成り行き又は設定流量としてもよい。このような制御は、例えば、分離回収した二酸化炭素ガスを可能な限り有効利用するシステムに向いている。また、流量制御部46は、第1制御値に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を制御すると共に、第2制御値に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を制御してもよい。
【0059】
第2供給装置22は、少なくとも水素ガス及び二酸化炭素ガスを含む第2供給ガスを反応塔1内に供給してもよい。この場合、第2算出部44は、反応塔1に供給される第2原料ガス中の二酸化炭素濃度を取得し、反応塔1に供給される第2原料ガスの密度、第2計測値、及び、反応塔1に供給される第2原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量とを合計した第2合計流量を算出してもよい。流量制御部46は、第2合計流量と反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量との比が所定比となるように、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。第2合計流量と反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量との比が1.0:4.0に近似するほど、反応塔1で生成される製品ガス中の二酸化炭素ガスの残存量及び水素ガスの残存量がより低減される。
【0060】
流量制御部46は、第2合計流量、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量、及び、所定比に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量の第1制御値を決定してもよい。流量制御部46は、第1制御値に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を制御してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を成り行き又は設定流量としてもよい。このような制御は、例えば、再生可能エネルギーで発生した水素ガスを可能な限り有効利用するシステムに向いている。
【0061】
流量制御部46は、第2合計流量、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量、及び、所定比に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の第2制御値を決定してもよい。流量制御部46は、第2制御値に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を制御してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を成り行き又は設定流量としてもよい。このような制御は、例えば、分離回収した二酸化炭素ガスを可能な限り有効利用するシステムに向いている。また、流量制御部46は、第1制御値に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を制御すると共に、第2制御値に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を制御してもよい。
【0062】
第1供給装置21は、少なくとも二酸化炭素ガス及び水素ガスを含む第1供給ガスを反応塔1内に供給してもよく、第2供給装置22は、少なくとも水素ガス及び二酸化炭素ガ
スを含む第2供給ガスを反応塔1内に供給してもよい。この場合、第1算出部43は、反応塔1に供給される第1原料ガス中の水素濃度を取得し、反応塔1に供給される第1原料ガスの密度、第1計測値、及び、反応塔1に供給される第1原料ガス中の水素濃度に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる水素ガスの流量を算出してもよい。第2算出部44は、反応塔1に供給される第2原料ガス中の二酸化炭素濃度を取得し、反応塔1に供給される第2原料ガスの密度、第2計測値、及び、反応塔1に供給される第2原料ガス中の二酸化炭素濃度に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出してもよい。
【0063】
流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる水素ガスの流量と反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量とを合計した第1合計流量を算出してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量と反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量とを合計した第2合計流量を算出してもよい。流量制御部46は、第1合計流量と第2合計流量との比が所定比となるように、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。第1合計流量と第2合計流量との比が1.0:4.0に近似するほど、反応塔1で生成される製品ガス中の二酸化炭素ガスの残存量及び水素ガスの残存量がより低減される。
【0064】
流量制御部46は、第1合計流量、第2合計流量、及び、所定比に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量の第1制御値を決定してもよい。流量制御部46は、第1制御値に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を制御してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を成り行き又は設定流量としてもよい。このような制御は、例えば、再生可能エネルギーで発生した水素ガスを可能な限り有効利用するシステムに向いている。
【0065】
流量制御部46は、第1合計流量、第2合計流量、及び、所定比に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の第2制御値を決定してもよい。流量制御部46は、第2制御値に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を制御してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を成り行き又は設定流量としてもよい。このような制御は、例えば、分離回収した二酸化炭素ガスを可能な限り有効利用するシステムに向いている。
【0066】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。実施例における条件は一例であり、本発明は、下記の条件に限定されない。
<実施例>
実施例では、二酸化炭素ガス(COガス)及び窒素ガス(Nガス)を含む第1原料ガスが第1供給装置21から反応塔1内に供給され、水素ガス(Hガス)及び二酸化炭素ガス(COガス)を含む第2原料ガスが第2供給装置22から反応塔1内に供給される。第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの濃度は80%であり、第1原料ガスに含まれる窒素ガスの濃度は20%である。第2原料ガスに含まれる水素ガスの濃度は95%であり、第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの濃度は5%である。第1原料ガスは、COリッチガスであり、第2原料ガスは、Hリッチガスである。
【0067】
第1取得部41は、反応塔1に供給される第1原料ガスの密度を取得する。COの分子量は44であり、Nの分子量は28であるので、第1原料ガスの分子量は44×0.8+28×0.2=40.8(g/mol)である。標準状態(0℃、1atm)では、理想気体1molの体積は22.4Lである。標準状態での第1原料ガスの密度は、40.8g/22.4L=1.82g/L(=1820g/m)である。
【0068】
第1計測装置23は、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を計測して第1計測値を出力する。第1計測装置23は、設計条件のガス密度で第1原料ガスの流量(体積流量)を計測する。設計条件のガス密度は、第1原料ガス中の二酸化炭素濃度が100%である場合の第1原料ガスの密度(1964g/m)である。例えば、第1計測値=100Nm/hである。
【0069】
第1算出部43は、反応塔1に供給される第1原料ガス中の二酸化炭素濃度(80%)を取得する。第1算出部43は、反応塔1に供給される第1原料ガスの密度(1820g/m)、第1計測値(100Nm/h)、及び、反応塔1に供給される第1原料ガス中の二酸化炭素濃度(80%)、に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出する。
【0070】
第1計測装置23は、設定条件のガス密度(第1原料ガス中の二酸化炭素濃度が100%である場合の第1原料ガスの密度=1964g/m)を元に、第1計測値(100Nm/h)を出力する。しかし、反応塔1に供給される第1原料ガス中の二酸化炭素濃度は100%ではないので、第1計測値(100Nm/h)を補正する必要がある。そのため、第1算出部43は、設計条件のガス密度及び第1原料ガスの密度を用いて、第1計測値(100Nm/h)を補正する。補正後の第1計測値は、100Nm/h×(1964/1820)^0.5=103.8Nm/hである。第1算出部43は、補正後の第1計測値(103.8Nm/h)に反応塔1に供給される第1原料ガス中の二酸化炭素濃度(80%)を掛けて、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量(83Nm/h)を算出する。
【0071】
第2取得部42は、反応塔1に供給される第2原料ガスの密度を取得する。Hの分子量は2であり、COの分子量は44であるので、第2原料ガスの分子量は2×0.95+44×0.05=4.1(g/mol)である。標準状態での第2原料ガスの密度は、4.1g/22.4L=0.183g/L(=183g/m)である。
【0072】
第2計測装置24は、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を計測して第2計測値を出力する。第2計測装置24は、設計条件のガス密度で第2原料ガスの流量(体積流量)を計測する。設計条件のガス密度は、第2原料ガス中の水素濃度が100%である場合の第2原料ガスの密度(89.3g/m)である。例えば、第2計測値=400Nm/hである。
【0073】
第2算出部44は、反応塔1に供給される第2原料ガス中の水素濃度(95%)を取得する。第2算出部44は、反応塔1に供給される第2原料ガスの密度(183g/m)、第2計測値(400Nm/h)、及び、反応塔1に供給される第2原料ガス中の水素濃度(95%)、に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素炭素ガスの流量を算出する。第2計測装置24は、設定条件のガス密度(第2原料ガス中の水素濃度が100%である場合の第2原料ガスの密度=89.3g/m)を元に、第2計測値(400Nm/h)を出力する。しかし、反応塔1に供給される第2原料ガス中の水素濃度は100%ではないので、第2計測値(400Nm/h)を補正する必要がある。そのため、第2算出部44は、設計条件のガス密度及び第2原料ガスの密度を用いて、第2計測値(400Nm/h)を補正する。補正後の第2計測値は、400Nm/h×(89.3/183)^0.5=279Nm/hである。第2算出部44は、補正後の第2計測値(279Nm/h)に反応塔1に供給される第2原料ガス中の水素濃度(95%)を掛けて、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量(265Nm/h)を算出する。
【0074】
第2算出部44は、反応塔1に供給される第2原料ガス中の二酸化炭素濃度(5%)を
取得する。第2算出部44は、反応塔1に供給される第2原料ガスの密度(183g/m)、第2計測値(400Nm/h)、及び、反応塔1に供給される第2原料ガス中の二酸化炭素濃度(5%)、に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量を算出する。第2算出部44は、設計条件のガス密度及び第2原料ガスの密度を用いて、第2計測値(400Nm/h)を補正する。補正後の第2計測値は、400Nm/h×(89.3/183)^0.5=279Nm/hである。第2算出部44は、補正後の第2計測値(279Nm/h)に反応塔1に供給される第2原料ガス中の二酸化炭素濃度(5%)を掛けて、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量(14Nm/h)を算出する。第2算出部44は、補正後の第2計測値(279Nm/h)に反応塔1に供給される第2原料ガス中の二酸化炭素濃度(5%)を掛けて、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量(14Nm/h)を算出する。
【0075】
流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量(83Nm/h)、及び、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量(296.2Nm/h)、に基づいて、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量、及び、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御する。
【0076】
流量制御部46が、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を制御する場合の一例について説明する。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量(83Nm/h)と反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる二酸化炭素ガスの流量(14Nm/h)とを合計した第1合計流量(97Nm/h)を算出する。
【0077】
流量制御部46は、第1合計流量と反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量との比が所定比(1.0:4.0)となるように、反応塔1に供給される第2原料ガスの流量を制御する。なお、第1合計流量が97Nm/hであり、反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量が265Nm/hである場合、第1合計流量と反応塔1に供給される第2原料ガスに含まれる水素ガスの流量との比は、1.0:2.7である。
【0078】
流量制御部46は、下記式(2)に基づいて、反応塔1に供給される第2原料ガスの目標流量を算出する。
(83+14)×(A/279):265×(A/279)=1.0:4.0 ・・・(2)
流量制御部46は、反応塔1に供給される第2原料ガスの目標流量として、A=443(Nm/h)を算出する。
【0079】
流量制御部46は、第2計測値が目標計測値となるように、第2原料ガスの流量を制御する。流量制御部46は、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量を成り行き又は設定流量とする。流量制御部46は、下記式(3)に基づいて、目標計測値を算出する。
目標計測値=443/(89.3/183)^0.5=634(Nm/h) ・・・(3)
【0080】
上記では、標準状態での第1原料ガスの密度及び標準状態での第2原料ガスの密度を用いているが、これに限定されない。圧力及び温度を計測して、計測した圧力及び温度に基づいて、第1原料ガスの密度及び第2原料ガスの密度を補正してもよい。
【0081】
次いで、除去部9について説明する。除去部9は、気液分離器8から除去部9に送られた製品ガスから未反応の原料ガスを除去する。図4は、除去部9の第1の構成を示す構成
図である。図4では、第1の構成を有する除去部9を除去部9Aと示す。除去部9Aは、タンク61と、タンク61に接続された配管62、63、64と、ガス分析計65と、酸素ガス供給部66と、二酸化炭素ガス供給部67と、制御部68と、温度センサ69とを備える。除去部9Aは、メタンガス及び水素ガスを含む製品ガスから水素ガスを除去する。
【0082】
図5は、反応塔1に供給される二酸化炭素ガスの流量に対する水素ガスの流量の比(H/CO比)、及び、反応塔3から送出される製品ガスの組成比(%)を示す表である。図5のN.D.は、検出不能を意味する。図5に示すように、H/CO比が4.05以上である場合、反応塔3から送出される製品ガスにはメタンガス及び水素ガスが含まれているが、反応塔3から送出される製品ガスには二酸化炭素ガスが含まれていない。H/CO比を4.05以上にすることで、反応塔3から送出される製品ガスが二酸化炭素ガスを含まないようにすることが可能である。
【0083】
流量制御部46は、反応塔1に供給される二酸化炭素ガスの流量に対する水素ガスの流量の比が4.0以上となるように、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される二酸化炭素ガスの流量に対する水素ガスの流量の比が4.0以上4.2以下(好ましくは4.0以上4.1以下)となるように、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。このような制御により、反応塔3から送出される製品ガス中の二酸化炭素ガスの残存量が低減されると共に、反応塔3から送出される製品ガスがメタンガス及び水素ガスを含むことになる。
【0084】
タンク61内には、充填剤が収容されている。タンク61は、2つ以上のガス供給ポート及びノズル等を有する。メタンガス及び水素ガスを含む製品ガスが気液分離器8からタンク61内に供給される。製品ガスは、配管62内を流れてタンク61内に送られる。ガス分析計65は、配管62内を流れる製品ガスを分析し、製品ガス中の水素ガスの濃度を算出する。
【0085】
酸素ガス供給部66からタンク61内に酸素ガスが供給される。酸素ガス供給部66は、酸素ガスを供給可能な固体高分子型水電解装置、アルカリ水電解装置等であってもよいし、酸素ガスを貯留可能なガスボンベ、貯留タンク等であってもよい。酸素ガスは、配管63内を流れてタンク61内に送られる。配管63は、配管63A~63Dに分岐しており、複数の箇所からタンク61内に酸素ガスが送られる。配管63Aは、タンク61における製品ガスの供給口に最も近い位置に配置され、配管63Dは、タンク61における製品ガスの供給口から最も遠い位置に配置されている。
【0086】
配管63A~63Dに調節弁71A~71Dが設けられている。制御部68は、酸素ガス供給部66を制御することにより、タンク61への酸素ガスの供給の開始及び停止を制御する。制御部68は、調節弁71A~71Dを制御することにより、タンク61内に供給される酸素ガスの流量を制御する。調節弁71Aは、配管63Aを流れる酸素ガスの流量を制御する。調節弁71Bは、配管63Bを流れる酸素ガスの流量を制御する。調節弁71Cは、配管63Cを流れる酸素ガスの流量を制御する。調節弁71Dは、配管63Dを流れる酸素ガスの流量を制御する。制御部68は、調節弁71A~71Dの開閉を制御することにより、タンク61への酸素ガスの供給の開始及び停止を制御してもよい。
【0087】
二酸化炭素ガス供給部67からタンク61内に二酸化炭素ガスが供給される。二酸化炭素ガス供給部67は、二酸化炭素ガスを貯留可能なガスボンベ、貯留タンク等であってもよい。第1供給装置21から二酸化炭素ガスをタンク61内に供給してもよい。二酸化炭
素ガスは、配管64内を流れてタンク61内に送られる。配管64に調節弁72が設けられている。制御部68は、二酸化炭素ガス供給部67又は第1供給装置21を制御することにより、タンク61への二酸化炭素ガスの供給の開始及び停止を制御する。制御部68は、調節弁72を制御することにより、タンク61内に供給される二酸化炭素ガスの流量を制御する。調節弁72は、配管64を流れる二酸化炭素ガスの流量を制御する。制御部68は、調節弁72の開閉を制御することにより、タンク61への二酸化炭素ガスの供給の開始及び停止を制御してもよい。
【0088】
タンク61内に供給された製品ガスに含まれる水素ガスと、タンク61内に供給された酸素ガスとを反応させることにより生成水(水蒸気)が生成され、製品ガスから水素ガスが除去される。除去部9Aは、タンク61内を加熱するヒーター(加熱部)を備えてもよい。除去部9Aは、タンク61内で水素ガスと酸素ガスとを反応させて生成水を生成する際、タンク61内を加熱してもよい。制御部68は、製品ガス中の水素濃度に応じて、タンク61内に供給される酸素ガスの流量を制御する。製品ガス中の水素濃度が比較的高い場合、タンク61における製品ガスの供給口に近いポートから供給される酸素濃度は、爆発限界を超えない程度に制御される。配管63A~63Dを流れる酸素ガスの流量が配管63Aから配管63Dに向かって増加するように、制御部68は、調節弁71A~71Dを制御して、配管63A~63Dを流れる酸素ガスの流量を制御する。
【0089】
除去部9Aは、熱交換器(コンデンサー)73及び気液分離器74を備える。タンク61から製品ガス及び水蒸気が熱交換器73に送られる。熱交換器73は、タンク61で生成された生成水を凝縮する。熱交換器73と気液分離器74とが接続されている。熱交換器73と気液分離器74とを接続する経路には、配管やバルブなどが設けられている。気液分離器74は、製品ガスから生成水(液体)を分離する。気液分離器74には、生成水を排出するための水抜き弁75が設けられている。水抜き弁75は、ドレントラップのような浮き具の浮力を用いて弁を開閉させるものでもよいし、あるいは電気的に水位を探知して電磁弁を開閉するものでもよい。水抜き弁75により、気液分離器74から生成水が排出される。
【0090】
製品ガスから生成水を分離した後の製品ガスにはメタンガス及び水蒸気が含まれている。固体高分子型水電解装置、アルカリ水電解装置、ガスボンベ、貯留タンク等から供給されるDry-Hガスを製品ガスに通すことで、製品ガスを乾燥させてもよい。Dry-Hガスは、製品ガスに通した後にWet-Hガスになる。Wet-Hガスは、第2原料ガスとして利用してもよい。Wet-Hガスは、反応塔1及び反応塔3の少なくとも一方に供給されてもよい。気液分離器74から貯留タンク10に水素ガスが除去された製品ガスが送られる。
【0091】
除去部9Aにより製品ガスから水素ガスを分離及び除去することで、製品ガス中の水素ガスの残存量が低減され、高濃度のメタンガスを含む製品ガスを得ることが可能となる。製品ガスから分離した水素ガスを第2原料ガスとして利用したり、製品ガスから分離した水素ガスを反応塔1及び反応塔3の少なくとも一方に供給したりすることで、エネルギーの損失を抑えることが可能となる。
【0092】
図6は、除去部9の第2の構成を示す構成図である。図6では、第2の構成を有する除去部9を除去部9Bと示す。除去部9Bは、タンク81、82と、タンク81、82に接続された配管83~86と、制御部87とを備える。除去部9Bは、メタンガス及び二酸化炭素ガスを含む製品ガスから二酸化炭素ガスを除去する。図6に示す除去部9Aは、2つのタンクを備えているが、これに限定されず、除去部9Aは、3つ以上のタンクを備えてもよい。
【0093】
図7は、反応塔1に供給される二酸化炭素ガスの流量に対する水素ガスの流量の比(H/CO比)、及び、反応塔3から送出される製品ガスの組成比(%)を示す表である。図7に示すように、H/CO比が4.0未満である場合、反応塔3から送出される製品ガスに含まれる水素ガスと比べて、反応塔3から送出される製品ガスに含まれる二酸化炭素ガスが多い。
【0094】
流量制御部46は、反応塔1に供給される二酸化炭素ガスの流量に対する水素ガスの流量の比が4.0未満となるように、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。流量制御部46は、反応塔1に供給される二酸化炭素ガスの流量に対する水素ガスの流量の比が3.5以上4.0未満となるように、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御してもよい。このような制御により、反応塔3から送出される製品ガス中の水素ガスの残存量が低減されると共に、反応塔3から送出される製品ガスがメタンガス及び二酸化炭素ガスを含むことになる。
【0095】
タンク81、82内には、酸化カルシウム等の吸蔵材料が収容されている。メタンガス及び二酸化炭素ガスを含む製品ガスが気液分離器8からタンク81内に供給される。製品ガスは、配管83内を流れてタンク81、82内に送られる。タンク81、82内に製品ガスを供給する前に、固体高分子型水電解装置、アルカリ水電解装置、ガスボンベ、貯留タンク等から供給されるDry-Hガスを製品ガスに通すことで、製品ガスを乾燥させてもよい。Dry-Hガスは、製品ガスに通した後にWet-Hガスになる。Wet-Hガスは、第2原料ガスとして利用してもよい。Wet-Hガスは、反応塔1及び反応塔3の少なくとも一方に供給されてもよい。
【0096】
配管83は、配管83A、83Bに分岐している。配管83Aに調節弁91が設けられ、配管83Bに調節弁92が設けられている。制御部87は、調節弁91、92を制御する。調節弁91は、配管83Aにおける製品ガスの流れを制御する。調節弁92は、配管83Bにおける製品ガスの流れを制御する。調節弁91が開かれ、調節弁92が閉じられることで、製品ガスが配管83Aを流れてタンク81内に供給され、タンク82内に製品ガスが供給されない。調節弁91が閉じられ、調節弁92が開かれることで、製品ガスが配管83Bを流れてタンク82内に供給され、タンク81内に製品ガスが供給されない。
【0097】
タンク81内に製品ガスを供給し、タンク81内の吸蔵材料が製品ガスに含まれる二酸化炭素ガスを吸蔵することで製品ガスから二酸化炭素ガスを除去する。酸化カルシウム等の吸蔵材料はメタンガスをほとんど吸着しないため、製品ガスから二酸化炭素ガスのみを除去することができる。したがって、高純度のメタンガスを含む製品ガスを得ることができる。
【0098】
タンク81に配管85が接続されている。配管85は、配管85A、85Bに分岐している。配管85Aに調節弁95が設けられ、配管85Bに調節弁96が設けられている。タンク82に配管86が接続されている。配管86は、配管86A、86Bに分岐している。配管86Aは、配管85Aに接続されている。配管86Bは、配管85Bに接続されている。配管86Aに調節弁97が設けられ、配管86Bに調節弁98が設けられている。制御部87は、調節弁95~98を制御する。調節弁95は、配管85Aにおける製品ガスの流れを制御する。調節弁96は、配管85Bにおける製品ガスの流れを制御する。調節弁97は、配管86Aにおける製品ガスの流れを制御する。調節弁98は、配管86Bにおける製品ガスの流れを制御する。調節弁95が開かれ、調節弁96~98が閉じられることで、二酸化炭素ガスが除去された製品ガスが配管85Aを流れて貯留タンク10に送られる。
【0099】
タンク81に充填された吸蔵材料は、許容吸着量以上の二酸化炭素ガスを吸蔵できない。そのため、タンク81に充填された吸蔵材料が所定量の二酸化炭素ガスを吸着した場合、タンク82内に製品ガスを供給する。タンク82内に製品ガスを供給し、タンク82内の吸蔵材料が製品ガスに含まれる二酸化炭素ガスを吸蔵することで製品ガスから二酸化炭素ガスを除去する。酸化カルシウム等の吸蔵材料はメタンガスをほとんど吸着しないため、製品ガスから二酸化炭素ガスのみを除去することができる。したがって、高純度のメタンガスを含む製品ガスを得ることができる。調節弁95、97が開かれ、調節弁96、98が閉じられることで、二酸化炭素ガスが除去された製品ガスが配管85A、86Aを流れて貯留タンク10に送られる。
【0100】
生成装置100は、水素ガス供給部88を備える。二酸化炭素ガスを吸蔵したタンク81、82内に水素ガス供給部88から水素ガスを供給する。水素ガス供給部88は、水素ガスを貯留可能なガスボンベ、貯留タンク等であってもよい。第2供給装置22から水素ガスをタンク81、82内に供給してもよい。水素ガスは、配管84内を流れてタンク81、82内に送られる。配管84は、配管84A、84Bに分岐している。配管84Aに調節弁93が設けられ、配管84Bに調節弁94が設けられている。制御部87は、調節弁93、94を制御する。調節弁93、94が開かれることで、水素ガスが配管84Aを流れてタンク81内に供給されると共に、水素ガスが配管84Bを流れてタンク82内に供給される。調節弁93が開かれ、調節弁94が閉じられることで、水素ガスが配管84Aを流れてタンク81内に供給され、タンク82内に水素ガスが供給されない。調節弁93が閉じられ、調節弁94が開かれることで、水素ガスが配管84Bを流れてタンク82内に供給され、タンク81内に水素ガスが供給されない。
【0101】
生成装置100は、加熱部89を備える。加熱部89は、ヒーターを有してもよい。加熱部89は、ヒーターの発熱を利用してタンク81、82内を加熱してもよい。加熱部89は、反応塔1における反応熱及び反応塔3における反応熱の少なくとも一方を利用してタンク81、82内を加熱してもよい。タンク81、82内への水素ガスの供給を開始した後、加熱部89がタンク81、82内を加熱することにより、タンク81、82内の吸蔵材料から二酸化炭素ガスが離脱する。このように、除去部9Bにパージガスである水素ガスを供給して除去部9Bに吸蔵された二酸化炭素ガスをパージする。水素ガス供給部88及び加熱部89は、パージ部の一例である。タンク81、82内の吸蔵材料から二酸化炭素ガスが離脱することで、タンク81、82内の吸蔵材料の吸蔵機能が回復する。このように、除去部9Bに吸蔵された二酸化炭素ガスをパージすることで、除去部9Bの吸蔵機能を回復することが可能となる。タンク81、82内の吸蔵材料が製品ガスに含まれる二酸化炭素ガスを吸蔵する際、タンク81、82内が低温であることが好ましいため、除去部9Bに吸蔵された二酸化炭素ガスをパージした後は、タンク81、82内の加熱を停止する。
【0102】
調節弁96が開かれ、調節弁95、97、98が閉じられることで、タンク81内に供給された水素ガス及びタンク81内の吸蔵材料から離脱した二酸化炭素ガスが配管85Bを流れる。調節弁96、98が開かれ、調節弁95、97が閉じられることで、タンク82内に供給された水素ガス及びタンク82内の吸蔵材料から離脱した二酸化炭素ガスが配管85Bを流れる。調節弁96、98が開かれ、調節弁95、97が閉じられることで、タンク81、82内に供給された水素ガス及びタンク81、82内の吸蔵材料から離脱した二酸化炭素ガスが配管85Bを流れる。配管85Bを流れる水素ガス及び二酸化炭素ガスは、第1原料ガス又は第2原料ガスとして利用してもよい。配管85Bを流れる水素ガス及び二酸化炭素ガスは、反応塔1及び反応塔3の少なくとも一方に供給されてもよい。配管85Bを流れる水素ガス及び二酸化炭素ガスは、ガスミキサーやバッファタンクに供給されてもよい。
【0103】
水素ガス供給部88に替えて、水素ガスと異なる他ガスをタンク81、82内に供給する供給部を用いてもよい。他ガスは、タンク81、82内の吸蔵材料から二酸化炭素ガスを離脱することが可能なガスであればよい。既知の分離方法により配管85Bを流れる水素ガス及び二酸化炭素ガスから水素ガスを分離して、二酸化炭素ガスを高純度化してもよい。また、既知の分離方法により配管85Bを流れる他ガス及び二酸化炭素ガスから他ガスを分離して、二酸化炭素ガスを高純度化してもよい。高純度化された二酸化炭素ガスは、第1原料ガス又は第2原料ガスとして利用してもよい。高純度化された二酸化炭素ガスは、反応塔1及び反応塔3の少なくとも一方に供給されてもよい。高純度化された二酸化炭素ガスは、ガスミキサーやバッファタンクに供給されてもよい。また、高純度化された二酸化炭素ガスは、例えば、炭酸飲料やドライアイス用原料として利用してもよい。
【0104】
除去部9Bにより製品ガスから二酸化炭素ガスが分離及び除去されることで、製品ガス中の二酸化炭素ガスの残存量が低減され、高濃度のメタンガスを含む製品ガスを得ることが可能となる。製品ガスから分離した二酸化炭素ガスを第2原料ガスとして利用したり、製品ガスから分離した二酸化炭素ガスを反応塔1及び反応塔3の少なくとも一方に供給したりすることで、エネルギーの損失を抑えることが可能となる。
【0105】
制御部68、87は、専用の機器により構成してもよいし、汎用のコンピュータにより構成してもよい。制御部68、87は、プロセッサ(CPU)、メモリ、ストレージ、通信I/Fなどのハードウェア資源を備えている。メモリは、RAMであってもよい。ストレージは、不揮発性の記憶装置(例えばROM、フラッシュメモリなど)であってもよい。制御部68、87の機能は、ストレージに格納されたプログラムをメモリに展開しプロセッサによって実行することにより実現される。なお、制御部68、87の構成はこれらに限られない。例えば、制御部68、87の機能の全部又は一部をASICやFPGAなどの回路で構成してもよいし、あるいは、制御部68、87の機能の全部又は一部をクラウドサーバや他の装置で実行してもよい。また、制御装置25が、制御部68、87の機能の全部又は一部を実行してもよい。
【0106】
除去部9は、除去部9Aの構成及び除去部9Bの構成を有してもよい。除去部9は、気液分離器8から送られる製品ガス中の二酸化炭素濃度及び水素濃度に応じて、製品ガスの供給先を除去部9Aにしてもよいし、製品ガスの供給先を除去部9Bにしてもよい。除去部9は、気液分離器8から送られる製品ガス中の二酸化炭素濃度及び水素濃度に応じて、製品ガスの供給先を除去部9Aから除去部9Bに切り替えてもよい。除去部9は、気液分離器8から送られる製品ガス中の二酸化炭素濃度及び水素濃度に応じて、製品ガスの供給先を除去部9Bから除去部9Aに切り替えてもよい。流量制御部46が、反応塔1に供給される二酸化炭素ガスの流量に対する水素ガスの流量の比が4.0以上となるように、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御した場合、除去部9は、製品ガスの供給先を除去部9Aにしてもよい。流量制御部46が、反応塔1に供給される二酸化炭素ガスの流量に対する水素ガスの流量の比が4.0未満となるように、反応塔1に供給される第1原料ガスの流量及び反応塔1に供給される第2原料ガスの流量の少なくとも一方を制御した場合、除去部9は、製品ガスの供給先を除去部9Bにしてもよい。
【0107】
また、上記で説明した各処理は、生成装置100における製品ガスの生成方法或いは生成装置100の運転方法などとして捉えてもよい。上記で説明した各処理ないし機能の少なくとも一部を有する生成システムや運転システムとして捉えてもよい。なお、上記手段および処理の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
【符号の説明】
【0108】
1,3・・反応塔;2,4・・ガス冷却用熱交換器;5・・熱媒体ヒーター;6・・熱媒
体用熱交換器;7,8・・気液分離器;9,9A,9B・・除去部;10・・貯留タンク;21・・第1供給装置;22・・第2供給装置;23・・第1計測装置;24・・第2計測装置;25・・制御装置;34,35・・流量調節弁;41・・第1取得部;42・・第2取得部;43・・第1算出部;44・・第2算出部;45・・記憶部;46・・流量制御部;100・・生成装置
図1
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図7