(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106432
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】電子辞書装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0482 20130101AFI20240801BHJP
【FI】
G06F3/0482
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010675
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】洪 在賢
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555AA71
5E555BA07
5E555BB07
5E555BC17
5E555BE09
5E555CB33
5E555CB44
5E555CC01
5E555DB04
5E555DB11
5E555DB20
5E555DC11
5E555DC13
5E555DC18
5E555EA06
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザのレベルに応じた処理を行えるようにすること。
【解決手段】電子辞書装置10は、所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときにディスプレイデバイス25に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報111の中からテキスト113の文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された場合に、予めユーザに対して実施されたレベル判定テストでの結果に対応させた処理を実行するCPU21を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときに表示部に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報の中から文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された場合に、予めユーザに対して実施されたレベル判定テストでの結果に対応させた処理を実行する制御手段を備える、
ことを特徴とする電子辞書装置。
【請求項2】
複数の辞書データが登録されている電子辞書装置であって、
前記複数の辞書データのうちの所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときに表示部に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報の中から文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された場合に、予めユーザに対して実施されたレベル判定テストでの結果が第1の結果であったときには第1の処理を実行する一方で第2の結果であったときには第2の処理を実行する制御手段を備え、
前記第1の処理は、前記所定の辞書データに対して前記第1の検索文字列で検索した第1検索結果として前記第1の検索文字列に対応する説明情報を、前記第2の検索文字列に対応する説明情報に代えて前記表示部に表示させる処理であり、
前記第2の処理は、前記第1検索結果と、前記所定の辞書データを除いた前記複数の辞書データのなかで前記第1の検索文字列に対応する見出し語が含まれている辞書データのリストを表示させるための操作ボタンと、を前記表示部に追加表示させる処理である、
ことを特徴とする電子辞書装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記操作ボタンが操作された場合に、前記第1の検索文字列に対応する当該辞書データでの見出し語に当該辞書データの識別情報が対応付けられた前記リストを前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子辞書装置。
【請求項4】
複数の辞書データが登録されている電子辞書装置であって、
前記複数の辞書データのうちの所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときに表示部に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報の中から文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された場合に、予めユーザに対して実施されたレベル判定テストでの結果が第1の結果であったときには第1の処理を実行する一方で第2の結果であったときには第2の処理を実行する制御手段を備え、
前記第1の処理は、前記所定の辞書データに対して前記第1の検索文字列で検索した第1検索結果として前記第1の検索文字列に対応する説明情報を、前記第2の検索文字列に対応する説明情報に代えて前記表示部に表示させる処理であり、
前記第2の処理は、前記第1検索結果と、他の辞書データでの前記第1の検索文字列に対応する説明情報を表示させるための操作ボタンと、を前記表示部に追加表示させる処理である、
ことを特徴とする電子辞書装置。
【請求項5】
複数の辞書データが登録されている電子辞書装置であって、
所定の辞書データに対して第1の検索文字列で検索されることにより表示部に前記第1の検索文字列に対応する説明情報が表示されている状態のときに前記第1の検索文字列がユーザ操作により再検索文字列として指定された場合に、前記再検索文字列に対応する見出し語が含まれている他の辞書データのリストを、前記リストの項目毎に前記他の辞書データの識別情報と前記再検索文字列に対応する前記他の辞書データでの見出し語とを対応付けて前記表示部に表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記リストを表示させる場合に、予め実施されたレベル判定テストでの結果が所定の結果に該当するユーザに対しては、前記複数の辞書データのうち予め定められた辞書データが前記リストから除外されるように、前記リストを表示させる、
ことを特徴とする電子辞書装置。
【請求項6】
複数の辞書データが登録されている電子辞書装置であって、
所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときに表示部に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報の中から文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された後に前記第1の検索文字列がユーザ操作により再検索文字列として指定された場合に、前記再検索文字列に対応する見出し語が含まれている他の辞書データのリストを、前記リストの項目毎に前記他の辞書データの識別情報と前記第1の検索文字列に対応する前記他の辞書データでの見出し語とを対応付けて前記表示部に表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記リストを表示させる場合に、予め実施されたレベル判定テストでの結果が所定の結果に該当するユーザに対しては、前記複数の辞書データのうち予め定められた辞書データが前記リストから除外されるように、前記リストを表示させる、
ことを特徴とする電子辞書装置。
【請求項7】
電子辞書装置の処理部が実行する情報処理方法であって、
前記処理部が、所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときに表示部に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報の中から文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された場合に、予めユーザに対して実施されたレベル判定テストでの結果に対応させた処理を実行する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときに表示部に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報の中から文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された場合に、予めユーザに対して実施されたレベル判定テストでの結果に対応させた処理を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子辞書装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電子辞書装置を開示する。この電子辞書装置は複数の辞書データを記憶し、ユーザはこれらの辞書データの中からメインとサブを電子辞書装置に対して予め設定することができる。この電子辞書装置の使用の際に、ユーザが検索文字列を電子辞書装置に入力する。そうすると、電子辞書装置が、検索文字列と一致又は部分一致する見出し語を設定済みのメインの辞書データから検索した後、それら見出し語の第1リストを表示する。第1リストの表示中に、ユーザが第1リストの中の何れかの見出し語の選択を電子辞書装置に入力する。そうすると、電子辞書装置が、選択された見出し語に対応する説明情報をメインの辞書データから読み出し、その説明情報を表示する。一方、第1リストの表示中に、ユーザがサブ辞書の選択を電子辞書装置に入力する。そうすると、電子辞書装置が、先に入力した検索文字列と一致又は部分一致する見出し語を設定済みのサブの辞書データから検索した後、それら見出し語の第2リストを表示する。第2リストの表示中に、ユーザが第2リストの中の何れかの見出し語の選択を電子辞書装置に入力する。そうすると、電子辞書装置が、選択された見出し語に対応する説明情報をサブの辞書データから読み出し、その説明情報を表示する。
メイン又はサブの辞書データに基づいた説明情報の表示中に、ユーザがその説明情報の中から任意の文字列を指定して、電子辞書装置のジャンプキーを押す。そうすると、電子辞書装置が、その文字列と一致又は部分一致する見出し語をメインの辞書データから検索した後、それら見出し語のリストを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
習熟度の高いユーザであれば、メイン及びサブの辞書データのみならず、多くの辞書データを参照して見出し語及び説明情報を検索したいであろう。一方、習熟度の低いユーザであれば、多くの辞書データを参照して見出し語及び説明情報を検索すると、情報量の多さのために混乱を来すであろう。特許文献1に開示の電子辞書装置は、ユーザの習熟度に応じた検索を行えない。
【0005】
本発明は、前記のような課題に考慮してなされたもので、ユーザのレベルに応じた処理を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときに表示部に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報の中から文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された場合に、予めユーザに対して実施されたレベル判定テストでの結果に対応させた処理を実行する制御手段を備える、ことを特徴とする電子辞書装置が提供される。
【0007】
本発明の一態様によれば、複数の辞書データが登録されている電子辞書装置であって、前記複数の辞書データのうちの所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときに表示部に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報の中から文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された場合に、予めユーザに対して実施されたレベル判定テストでの結果が第1の結果であったときには第1の処理を実行する一方で第2の結果であったときには第2の処理を実行する制御手段を備え、前記第1の処理は、前記所定の辞書データに対して前記第1の検索文字列で検索した第1検索結果として前記第1の検索文字列に対応する説明情報を、前記第2の検索文字列に対応する説明情報に代えて前記表示部に表示させる処理であり、前記第2の処理は、前記第1検索結果と、前記所定の辞書データを除いた前記複数の辞書データのなかで前記第1の検索文字列に対応する見出し語が含まれている辞書データのリストを表示させるための操作ボタンと、を前記表示部に追加表示させる処理である、ことを特徴とする電子辞書装置が提供される。
【0008】
本発明の一態様によれば、複数の辞書データが登録されている電子辞書装置であって、
前記複数の辞書データのうちの所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときに表示部に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報の中から文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された場合に、予めユーザに対して実施されたレベル判定テストでの結果が第1の結果であったときには第1の処理を実行する一方で第2の結果であったときには第2の処理を実行する制御手段を備え、前記第1の処理は、前記所定の辞書データに対して前記第1の検索文字列で検索した第1検索結果として前記第1の検索文字列に対応する説明情報を、前記第2の検索文字列に対応する説明情報に代えて前記表示部に表示させる処理であり、前記第2の処理は、前記第1検索結果と、他の辞書データでの前記第1の検索文字列に対応する説明情報を表示させるための操作ボタンと、を前記表示部に追加表示させる処理である、ことを特徴とする電子辞書装置が提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、複数の辞書データが登録されている電子辞書装置であって、所定の辞書データに対して第1の検索文字列で検索されることにより表示部に前記第1の検索文字列に対応する説明情報が表示されている状態のときに前記第1の検索文字列がユーザ操作により再検索文字列として指定された場合に、前記再検索文字列に対応する見出し語が含まれている他の辞書データのリストを、前記リストの項目毎に前記他の辞書データの識別情報と前記再検索文字列に対応する前記他の辞書データでの見出し語とを対応付けて前記表示部に表示させる表示制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記リストを表示させる場合に、予め実施されたレベル判定テストでの結果が所定の結果に該当するユーザに対しては、前記複数の辞書データのうち予め定められた辞書データが前記リストから除外されるように、前記リストを表示させる、ことを特徴とする電子辞書装置が提供される。
【0010】
本発明の一態様によれば、複数の辞書データが登録されている電子辞書装置であって、所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときに表示部に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報の中から文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された後に前記第1の検索文字列がユーザ操作により再検索文字列として指定された場合に、前記再検索文字列に対応する見出し語が含まれている他の辞書データのリストを、前記リストの項目毎に前記他の辞書データの識別情報と前記第1の検索文字列に対応する前記他の辞書データでの見出し語とを対応付けて前記表示部に表示させる表示制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記リストを表示させる場合に、予め実施されたレベル判定テストでの結果が所定の結果に該当するユーザに対しては、前記複数の辞書データのうち予め定められた辞書データが前記リストから除外されるように、前記リストを表示させる、ことを特徴とする電子辞書装置が提供される。
【0011】
本発明の一態様によれば、電子辞書装置の処理部が実行する情報処理方法であって、
前記処理部が、所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときに表示部に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報の中から文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された場合に、予めユーザに対して実施されたレベル判定テストでの結果に対応させた処理を実行する、ことを特徴とする情報処理方法が提供される。
【0012】
本発明の一態様によれば、コンピュータに、所定の辞書データに対して第2の検索文字列で検索したときに表示部に表示される前記第2の検索文字列に対応する説明情報の中から文字列がユーザ操作により第1の検索文字列として指定された場合に、予めユーザに対して実施されたレベル判定テストでの結果に対応させた処理を実行させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザのレベルに応じた処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】前記電子辞書装置の電子回路の構成を示すブロック図。
【
図3】前記電子辞書装置のディスプレイデバイスに表示されるメニュー画面の一例を示す図。
【
図4】CPUがレベル判定テストプログラムに従って実行する処理の流れを示すフローチャート。
【
図5】前記電子辞書装置のディスプレイデバイスに表示される問題提示画面の一例を示す図。
【
図6】前記電子辞書装置のディスプレイデバイスに表示される結果表示画面の一例を示す図。
【
図7】CPUが辞書プログラムに従って実行する処理の流れを示すフローチャート。
【
図8】CPUが辞書プログラムに従って実行する処理の流れを示すフローチャート。
【
図9】CPUが辞書プログラムに従って実行する処理の流れを示すフローチャート。
【
図10】CPUが辞書プログラムに従って実行する処理の流れを示すフローチャート。
【
図11】前記ディスプレイデバイスに表示される説明提示画面の一例を示す図。
【
図12】第1の処理において前記ディスプレイデバイスに表示される説明提示画面の一例を示す図。
【
図13】第2の処理において前記ディスプレイデバイスに表示される重畳表示画面の一例を示す図。
【
図14】
図13の画面において見出し語ジャンプボタンが選択されたときに前記ディスプレイデバイスに表示されるリスト提示画面の一例を示す図。
【
図15】
図13の画面においてリストの中のアイテムが選択されたときに前記ディスプレイデバイスに表示される説明提示画面の一例を示す図。
【
図16A】ユーザのレベルが高い場合に、
図13の画面において見出し語ジャンプボタンが選択されたときに前記ディスプレイデバイスに表示される画面の一例を示す図。
【
図16B】ユーザのレベルが低い場合に、
図13の画面において見出し語ジャンプボタンが選択されたときに前記ディスプレイデバイスに表示される画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。実施形態の特徴及び技術的な効果は、以下の詳細な説明及び図面から理解される。ただし、本発明の範囲は、以下に開示された実施形態に限定されない。図面は例示のみのために提供されるため、本発明の範囲は図面の例示に限定されない。
【0016】
「第1」及び「第2」などのような序数が共通の名称に付されている場合、序数はそれが付された対象を識別する目的でのみ用いられる。そのため、序数はそれが付された対象を特定の対象に限定しない上、序数はそれが付された対象の順番、順位、順序、階級、優先及び劣後等を特定しない。
【0017】
==第1実施形態==
<1. 電子辞書装置の構成要素>
図1は、電子辞書装置10の外観を示す正面図である。
図2は、電子辞書装置10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0018】
以下に説明する電子辞書装置10は、電子辞書に特化した機能を有した専用コンピュータシステムから構成される。ただし、電子辞書を実現するためのプログラムがインストールされた汎用コンピュータシステムが、以下に説明する電子辞書装置10と同等の機能を有してもよい。汎用コンピュータシステムとは、Windows(登録商標)、Android(登録商標)、iOS(登録商標)、macOS(登録商標)、Linux(登録商標)及びUnix(登録商標)などのような汎用OS(Operating System)がインストールされた例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピューター、ラップトップ型コンピューター及びデスクトップ型コンピューター等のようなコンピューターシステムのことをいう。電子辞書を実現するためのプログラムとは、後述のプログラム45と同等な、且つ、汎用OS上で汎用コンピュータシステムが実行可能なプログラムをいう。
【0019】
図1に示すように、電子辞書装置10は、本体ケース11、蓋体ケース12、ヒンジ部13及びタッチペン14を備える。蓋体ケース12は、ヒンジ部13を介して本体ケース11に折り畳み可能且つ展開可能に連結されている。タッチペン14は、本体ケース11の側部に形成された収納部14aに対して着脱可能である。
【0020】
図2に示すように、電子辞書装置10は、メインボード20、CPU(Central Processing Unit)21、メモリ22、記録媒体読取部23、ディスプレイデバイス25、タッチパネル26、キー入力部27、音声出力部28及び通信部29を備える。メインボード20、CPU21、メモリ22、記録媒体読取部23、音声出力部28及び通信部29は、
図1に図示の本体ケース11の内側に収容されている。キー入力部27は、その一部が本体ケース11の表面に露出されるようにして、本体ケース11に収容されている。タッチパネル26がディスプレイデバイス25に重ねられて、タッチパネル26及びディスプレイデバイス25が
図1に図示の蓋体ケース12に取り付けられている。
【0021】
メインボード20は、バスコントローラー、バス及びインターフェース回路などを有する。メインボード20は、CPU21、メモリ22、記録媒体読取部23、ディスプレイデバイス25、タッチパネル26、キー入力部27、音声出力部28及び通信部29に接続されているとともに、これらの間の信号及び情報の転送を行う。
【0022】
記録媒体読取部23は、CPU21の指示に従って情報を記録媒体24に記録したり、記録媒体24から情報を読み取ったりする。CPU21は、記録媒体読取部23によって読み取られた情報の内容を取得したり、メモリ22に記録したりする。記録媒体24は例えば半導体メモリである。記録媒体24は記録媒体読取部23に対して着脱可能である。
【0023】
ディスプレイデバイス25は、例えば液晶ディスプレイデバイス又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイデバイスから構成された表示部である。ディスプレイデバイス25は、CPU21の指示に従った映像を表示する。
【0024】
タッチパネル26は、タッチペン30及び指などのような接触物によるタップ、マルチタップ、ロングタッチ、フリック及びスワイプなどのような操作に応じた操作信号をメインボード20に出力する。CPU21は、タッチパネル26からメインボード20に入力される操作信号に応じた指令又は入力情報を認識して、取得する。
【0025】
キー入力部27は、ユーザがキー入力部27に対して行った短押し及び長押しなどのような操作の内容に応じた操作信号をメインボード20に出力する。CPU21は、キー入力部27からメインボード20に入力される操作信号に応じた指令又は入力情報を認識して、取得する。
【0026】
図1に示すように、キー入力部27は、文字入力キー27a、辞書選択キー27b、決定キー27c、リターンキー27d、カーソルキー27e、電源ボタン27f及び各種の機能キー27gなどを有する。文字入力キー27aが押下されると、文字入力キー27aに応じた文字の入力がCPU21によって認識される。辞書選択キー27bが押下されると、辞書選択キー27bに応じた各種辞書或いは各種機能がCPU21によって選択される。決定キー16cが押下されると、決定指令がCPU21によって認識される。リターンキー27dが押下されると、キャンセル又は戻りの指令がCPU21によって認識される。カーソルキー27eが押下されると、カーソルキー27eに応じた方向へのカーソルの移動の指令がCPU21によって認識される。電源ボタン27fが押下されると、電子辞書装置10の電源がオン又はオフされる。機能キー27gが押下されると、機能キー27gに応じた指令がCPU21によって認識される。
【0027】
音声出力部28は、スピーカ及び音響回路などを有する。音声出力部28は、CPU21の指示に従って音声を出力する。
【0028】
通信部29は、携帯電話回線通信モジュール、ネットワークカード及びWiFi(登録商標)子機などのような通信器により構成される。通信部29は、CPU21の指示に従って、インターネットなどのようなネットワーク80に接続する。CPU21は、通信部29を介して、ネットワーク80を通じてサーバー81と通信する。
【0029】
メモリ22は例えば半導体メモリにより構成されている。
メモリ22は、複数の問題データ41を記憶する。各問題データ41は、問題文データ及び正答データを含む。問題文データは、例えば英語又は国語に関する問題文とその問題文に対する複数の解答候補とをテキスト又は音声などにより表したものである。解答候補は、番号付けされた選択肢である。正答データは、複数の解答候補の中で正解の解答候補に付けられた番号により構成されている。
【0030】
問題データ41は、メモリ22に予め記録されていてもよいし、記録媒体24から記録媒体読取部23及びメインボード20を介してメモリ22に書き込まれてもよいし、サーバー81からネットワーク80を通じて通信部29及びメインボード20を介してメモリ22にダウンロードされてもよい。
【0031】
メモリ22は、英語系辞書データ及び国語系辞書データなどのような複数の辞書データ42を記憶する。英語系辞書データとしては、例えば、和英辞書データ、英和辞書データ、英英辞書データ及び英語類語辞典データなどがあり、これら例示された辞書データは1種類又は複数種類あってもよい。国語系辞書データとしては、例えば、国語辞典データ、類語辞典データ、反対語辞典データ及び古語辞典データなどがあり、これら例示された辞書データは1種類又は複数種類あってもよい。
【0032】
各辞書データ42は、複数の見出し語と、これら見出し語にそれぞれ対応付けられた複数の説明情報と、を含む。説明情報は、それに対応付けられた見出し語を説明する情報である。例えば、説明情報は、見出し語の語義、意味、品詞又は発音に関する情報であったり、見出し語を用いた例文、成句又は用法に関する情報であったりする。
【0033】
辞書データ42は、メモリ22に予め記録されていてもよいし、記録媒体24から記録媒体読取部23及びメインボード20を介してメモリ22に書き込まれてもよいし、サーバー81からネットワーク80を通じて通信部29及びメインボード20を介してメモリ22にダウンロードされてもよい。
【0034】
メモリ22は、処理部としてのCPU21にとって実行可能なプログラム45を記憶する。これにより、プログラム45が電子辞書装置10にインストールされている。プログラム45は、基本プログラム46及び応用プログラム47から構成されている。基本プログラム46は、メモリ22に予め記録されていてもよいし、記録媒体24から記録媒体読取部23及びメインボード20を介してメモリ22に書き込まれてもよいし、サーバー81からネットワーク80を通じて通信部29及びメインボード20を介してメモリ22にダウンロードされてもよい。応用プログラム47についても同様である。
【0035】
CPU21は、基本プログラム46の実行により、電子辞書装置10全体の動作を司る。つまり、CPU21は、基本プログラム46に従って、メインボード20、メモリ22、記録媒体読取部23、ディスプレイデバイス25、タッチパネル26、キー入力部27、音声出力部28及び通信部29に指示を出して、これらを制御する。これにより、CPU21は、記録媒体読取部23を介して記録媒体24から情報を取得したり、記録媒体24に情報を記録したり、メモリ22から情報を取得したり、メモリ22に情報を記録したり、ディスプレイデバイス25に各種の画面を表示させたり、タッチパネル26に対する操作に応じた指令又は入力情報を取得したり、キー入力部27に対する操作に応じた指令又は入力情報を取得したり、音声出力部28に音声を出力させたり、通信部29によりネットワーク80にアクセスしたりする。
【0036】
応用プログラム47としては、レベル判定テストプログラム47a及び辞書プログラム47bがある。
【0037】
レベル判定テストプログラム47aは、ユーザのレベルを判定するためのテストを実施するためのプログラムである。レベル判定テストプログラム47aは、選択処理、問題提示処理及び解答受付処理を1回又は複数回CPU21に実行させる。選択処理は、複数の問題データ41の中から何れかの問題データ41を選択する処理である。問題提示処理は、選択された問題データ41に従って、ユーザに対して問題文及び複数の解答候補を提示する処理である。解答受付処理は、複数の解答候補の中から解答をユーザから受け付ける処理である。
【0038】
レベル判定テストプログラム47aは、判定処理、記録処理及び結果表示処理をCPU21に実行させる。判定処理は、ユーザーの解答に基づいて、ユーザのレベルを定める処理である。記録処理は、判定処理により定めされたユーザのレベルをメモリ22に記録する処理である。結果表示処理は、判定処理により定められたユーザーのレベルなどを表示する処理である。
なお、選択処理、問題提示処理、解答受付処理、判定処理及び記録処理の詳細については、後述する。
【0039】
辞書プログラム47bは、電子辞書機能を実現するプログラムである。辞書プログラム47bは、CPU21を、電子辞書機能の一部としての制御手段又は表示制御手段に機能させる。CPU21が辞書プログラム47bに従って実行する処理の流れについては、後述する。
【0040】
<2. レベル判定テストプログラムに基づく動作>
CPU21が基本プログラム46及びレベル判定テストプログラム47aを実行することに伴う電子辞書装置10の動作について説明する。併せて、電子辞書装置10を用いた情報処理方法について説明する。
【0041】
ユーザが電源ボタン27fをオン操作すると、CPU21が基本プログラム46を実行して、メニュー画面をディスプレイデバイス25に表示させる。メニュー画面では、ユーザが辞書の選択とレベル判定の開始を行える。
【0042】
図3は、メニュー画面300の一例を示す。メニュー画面300には、ボタン301~308が配置されている。ボタン301は、レベルの判定の開始を指示するためのボタンである。ボタン302~307は、辞書データ42にそれぞれ対応付けられている。ボタン302~307は、辞書データ42の選択を指示するためのボタンである。ボタン308は、メニュー画面300から設定画面への遷移を指示するためのボタンである。設定画面では、各種の設定が行える。
【0043】
ユーザが、タッチパネル26又はキー入力部27に対して操作することによって、レベル判定の開始を指令する。例えば、ユーザが、タッチパネル26の操作により、ボタン301~307の中からボタン301を選択する。
そうすると、CPU21は、その指令を受け付けて、基本プログラム46上でレベル判定テストプログラム47aを実行する。CPU21は、レベル判定テストプログラム47aに従って以下の処理を実行することによって、ユーザに対してレベル判定テストを実施する。以下、
図4を参照して、CPU21がレベル判定テストプログラム47aに従って実行する処理の流れについて説明する。
【0044】
(1) 選択処理
まず、CPU21は、複数の問題データ41の中から何れかの問題データ41をランダム処理等により選択して、その問題データ41を読み込む(ステップS11)。
【0045】
(2) 問題提示処理
次に、例えば
図5に示すように、CPU21は、問題提示画面200をディスプレイデバイス25に表示させる。つまり、CPU21は、選択された問題データ41の問題文データに従って、問題文201、複数の解答候補202及び複数の選択ボタン203をディスプレイデバイス25に表示させる(ステップS12)。CPU21は、その問題文データに従って、問題文及び複数の解答候補の音声を音声出力部28に出力させてもよい。
【0046】
図5に示すように、問題文201はテキストで表示され、解答候補202は番号付けされてテキストで表示されて、選択ボタン203は番号とともに表示されている。
図5に示す問題提示画面200がディスプレイデバイス25に表示されることによって、問題文201及び解答候補202がユーザに提示される。
【0047】
(3) 解答受付処理
その後、ユーザが、タッチパネル26又はキー入力部27に対して操作することによって、複数の選択ボタン203の中から何れか1つの選択ボタン203を選択する。これにより、ユーザが、複数の解答候補202の中から、選択した選択ボタン203の番号と同じ番号を付けられた解答候補の番号を解答として選択する。そうすると、CPU21は、ユーザによって選択された解答を受け付ける(ステップS13:YES)。
【0048】
(4) 繰り返し処理
以後、CPU21は、所定の数の問題データ41を選択するまで、上述のような選択処理、問題提示処理及び解答受付処理からなる一連の処理を複数回繰り返して実行する(ステップS15:NO)。一連の処理が複数回繰り返されたら、CPU21の処理が判定処理に移行する(ステップS15:YES)。なお、上述の選択処理、問題提示処理及び解答受付処理からなる一連の処理の回数が1回であってもよい。
【0049】
(5) 判定処理
一連の処理が複数回繰り返されたら、CPU21は、選択した問題データ41ごとに、正解データとユーザの解答とを比較して、ユーザの解答の正誤を判定する(ステップS16)。そして、CPU21は、正誤の判定の結果に基づいて、ユーザの段階的なレベルを定める(ステップS16)。具体的には、正答との結果の数が所定数以上であれば、CPU21がユーザのレベルを上級(高レベル)と定め、正答との結果の数が所定数未満であれば、CPU21がユーザのレベルを初級(低レベル)と定める。従って、ユーザのレベルは上級と初級の2段階で表される。前記所定数とは、提示された問題の数の半分である。
【0050】
なお、CPU21が正答との結果の数に応じてユーザのレベルを段階的に定めてもよい。例えば、正答との結果の数が多いほど、CPU21はユーザのレベルを高く定める。この場合、ユーザのレベルは3以上の段階で表される。
【0051】
また、一連の処理が1回である場合、つまり提示された問題の数が1である場合、正誤の判定が正答との結果であれば、CPU21がユーザのレベルを上級(高レベル)と定め、正誤の判定が誤答との結果であれば、CPU21がユーザのレベルを初級(低レベル)と定めてもよい。この場合、ユーザのレベルは上級と初級の2段階で表される。
【0052】
(6) 記録処理
次に、CPU21は、判定処理により定めされたユーザのレベルをテスト結果データ43(
図2参照)としてメモリ22に記録する(ステップS17)。ここで、本レベル判定テストが初めて実施された場合には、テスト結果データ43は新規に記録される。本レベル判定テストが2回目以降であれば、テスト結果データ43が更新記録される。
【0053】
(7) 結果表示処理
CPU21は、記録処理と合わせて、結果表示処理を実行する(ステップS18)。結果表示処理とは、選択した問題データ41ごとの正誤の判定の結果と、ユーザのレベルとをディスプレイデバイス25に表示させる処理である。
図6は、そのような表示の画面210の一例である。
図6に示すように、結果表示画面210は表示領域211,212,213を有し、表示領域212が表示領域211の右に配置され、表示領域213が表示領域211,212の下に配置されている。表示領域213には、問題データ41ごとの正誤の判定の結果がマル印又はバツ印により表示されている。表示領域212には、ユーザのレベルが表示されている。表示領域211には、問題データ41ごとの正誤の判定の結果に基づく点数が表示されている。
【0054】
結果表示処理の後、CPU21は、レベル判定テストプログラム47aの実行を終了して、基本プログラム46に従ってメニュー画面300をディスプレイデバイス25に表示させる。
【0055】
<3. 辞書プログラムに基づく動作>
CPU21が基本プログラム46及び辞書プログラム47bを実行することに伴う電子辞書装置10の動作について説明する。
【0056】
(1) 辞書データの特定処理
前述のメニュー画面300において、ユーザが、タッチパネル26又はキー入力部27に対して操作することによって、複数の辞書の中から何れかの辞書を選択する。例えば、ユーザが、タッチパネル26の操作により、ボタン302~307の中から何れかを選択する。そうすると、CPU21は、ユーザによる選択を受け付けるとともに、基本プログラム46上で辞書プログラム47bを実行する。
図7~
図10は、CPU21が辞書プログラム47bに従って実行する処理の流れを示すフローチャートである。
辞書プログラム47bが実行されると、CPU21は、ボタン302~307の中からの選択に従って、複数の辞書データ42の中から何れか1つの辞書データ42を特定する(ステップS31)。このように特定された辞書データ42を特定辞書データ42aといい、特定されていない他の辞書データ42のことを非特定辞書データ42bという。
【0057】
(2) 検索画面の表示処理
次に、CPU21は、検索画面をディスプレイデバイス25に表示させる(ステップS32)。その検索画面には、検索文字列を入力するためのテキストボックスと、検索処理の実行を指示するための検索開始ボタンとが配置されている。
【0058】
(3) 検索文字列の取得処理
検索画面の表示中に、ユーザがキー入力部27の文字入力キー27aの操作をする。或いは、ユーザがタッチパネル26を操作することによって手書き文字入力をする。そうすると、CPU21は、ユーザーによる操作を認識して(ステップS33:YES)、キー入力部27の文字入力キー27a又はタッチパネル26の操作に従った検索文字列を認識する(ステップS34)。そして、CPU21は、認識した検索文字列を検索画面のテキストボックスに配置するようにディスプレイデバイス25に表示させる(ステップS34)。以下、この検索文字列を第2検索文字列という。
【0059】
その後、ユーザが、決定キー27cを押下することによって検索実行の指示をする。或いは、ユーザが、タッチパネル26を操作して検索画面中の検索開始ボタンを選択決定することによって、検索実行の指示をする。そうすると、CPU21は、その指示を認識する(ステップS35:YES)。そして、CPU21は、検索画面のテキストボックスに表示された第2検索文字列を確定して、その第2検索文字列を取得する(ステップS36)。
【0060】
(4) 検索処理(A)
次に、CPU21は、特定辞書データ42aを参照して、取得した第2検索文字列に相当する見出し語又はその第2検索文字列を含む見出し語を特定辞書データ42aから検索するとともに、その見出し語に対応する説明情報を特定辞書データ42aから検索する(ステップS37)。なお、検索された見出し語の数が2以上である場合、ユーザがキー入力部27又はタッチパネル26を操作することによって何れか1つの見出し語を選択し、CPU21がその選択を受け付け、CPU21が選択された見出し語に対応する説明情報を特定辞書データ42aから検索する。
【0061】
(5) 説明情報の表示処理
次に、CPU21は、検索処理(A)において検索した説明情報をテキストでディスプレイデバイス25に表示させる(ステップS38)。
図11は、そのような表示の画面110の一例である。
図11に示すように、説明情報111が説明提示画面110のほぼ全域に配置され、特定辞書データ42aに採用される辞書の名称112が説明提示画面110の上部に配置されている。名称112は、辞書の商標又は登録商標であってもよい。
図11に示す例では、第2検索文字列としての見出し語は「like」である。つまり、
図11は、第2検索文字列「like」での検索結果の画面である。
【0062】
説明情報111の表示中、ユーザがタッチパネル26に対して上下方向にスワイプした場合、或いは、ユーザが上下のカーソルキー27eを押下した場合、CPU21は、その旨を認識する(ステップ39:YES)。そうすると、CPU21は、説明情報111を上下にスクロールさせるようにディスプレイデバイス25に表示させる(ステップS40)。
【0063】
説明情報111の表示中、ユーザがキー入力部27のリターンキー27dの押下などのようにキー入力部27に対して操作することによって検索画面への戻りを指令すると、CPU21がその旨を認識する(ステップS41:YES)。そうすると、CPU21の処理検索画面の表示処理(ステップS32)に戻る。
説明情報111の表示中、ユーザがタッチパネル26又はキー入力部27を操作することによってメニュー画面300への戻りを指令すると、CPU21はその旨を認識する(ステップS42:YES)。そうすると、CPU21は、辞書プログラム47bの実行を終了して、基本プログラム46に従ってメニュー画面300をディスプレイデバイス25に表示させる。
【0064】
説明情報111の表示中、ユーザが説明情報111の表示領域内でタッチパネル26に対して左右方向にスワイプした場合、CPU21はそのスワイプを認識する(ステップS43:YES)。そうすると、CPU21は、そのスワイプにより指定された領域のテキストを修飾的な表示に切り替えるようディスプレイデバイス25に表示させる(ステップS44)。テキストの修飾的な表示とは、例えば、テキストの背景色変更、テキストの囲み、テキストの網がけ、テキストの色変更又はテキストの強調をいう。また、CPU21は、左右のスワイプにより指定された領域のテキストを第1検索文字列として取得する(ステップS45)。
図11に示す例では、「better」というテキスト113が修飾的に表示され、そのテキスト113が第1検索文字列として取得される。
【0065】
(6) レベルの認識処理
第1検索文字列の取得後、CPU21は、テスト結果データ43を読み込んで、テスト結果データ43に基づいてユーザのレベルを認識する(ステップS46)。以後、CPU21は、ユーザのレベルに応じた処理を実行する。つまり、CPU21は、ユーザのレベルに基づいて、後述の第1の処理と後述の第2の処理のどちらを実行するかを判定する(ステップS47)。具体的には、ユーザのレベルが2段階で表される場合、ユーザのレベルが初級であれば、CPU21が後述の第1の処理の実行を決定し(ステップS48)、ユーザのレベルが上級であれば、CPU21が後述の第2の処理の実行を決定する(ステップS49)。ユーザのレベルが3以上の段階で表される場合、ユーザのレベルが所定段階以下であれば、CPU21が第1の処理の実行を決定し(ステップS48)、ユーザのレベルが所定段階を超えれば、CPU21が第2の処理の実行を決定する(ステップS49)。
なお、このような認識処理は、辞書データの特定処理から後述の第1及び第2の処理の前までの間であれば、いつ実行されてもよい。
【0066】
(7) 第1の処理
「(6) レベルの認識処理」においてCPU21がユーザのレベルを所定段階以下又は初級と判定した場合、CPU21が以下のような処理を実行する。
【0067】
(7-1) 検索処理(B)
CPU21は、特定辞書データ42aを参照して、取得した第1検索文字列に相当する見出し語を特定辞書データ42aから検索するとともに、その見出し語に対応する説明情報を特定辞書データ42aから検索する(ステップS51)。
【0068】
(7-2) 画面遷移処理
次に、CPU21は、説明情報111が表示された説明提示画面110に代えて、検索処理(B)において検索した説明情報をテキストでディスプレイデバイス25に表示させる(ステップS52)。
図12は、そのような表示の画面120の一例である。
図12に示すように、説明情報121が説明提示画面120のほぼ全域に配置され、特定辞書データ42aに採用される辞書の名称122が説明提示画面120の上部に配置され、見出し語123が名称122の下に配置されている。名称122は、辞書の商標又は登録商標であってもよい。
図12に示す例では、第1検索文字列としての見出し語123は「better」である。
【0069】
説明情報121の表示中、ユーザがタッチパネル26に対して上下方向にスワイプした場合、或いは、ユーザが上下のカーソルキー27eを押下した場合、CPU21がその旨を認識して(ステップS53:YES)、説明情報121を上下にスクロールさせる(ステップS54)。
【0070】
説明情報121の表示中、ユーザがキー入力部27のリターンキー27dの押下などのようにキー入力部27に対して操作することによって検索画面への戻りを指令すると、CPU21がその旨を認識する(ステップS54:YES)。そうすると、CPU21の処理が検索画面の表示処理(ステップS32)に戻る。
また、説明情報121の表示中、ユーザがタッチパネル26又はキー入力部27を操作することによってメニュー画面300への戻りを指令すると、CPU21がその旨を認識する(ステップS55:YES)。そうすると、CPU21は、辞書プログラム47bの実行を終了して、基本プログラム46に従ってメニュー画面300をディスプレイデバイス25に表示させる。
【0071】
説明情報121の表示中、ユーザが説明情報121の表示領域内でタッチパネル26に対して左右方向にスワイプした場合、CPU21がそのスワイプを認識する(ステップS56:YES)。そうすると、CPU21は、そのスワイプにより指定された領域のテキストを修飾的な表示に切り替えた(ステップS57)上で、そのテキストを検索文字列として取得して(ステップS58)、第1の処理を再び行う。
【0072】
(8) 第2の処理
「(6) レベルの認識処理」においてCPU21がユーザのレベルを所定段階を超え又は上級と判定した場合、CPU21が以下のような処理を実行する。
【0073】
(8-1) 検索処理(C)
CPU21は、特定辞書データ42aを参照して、取得した第1検索文字列に相当する見出し語を特定辞書データ42aから検索するとともに、その見出し語に対応する説明情報を特定辞書データ42aから検索する(ステップS61)。
【0074】
(8-2) 重畳表示処理
次に、CPU21は、説明情報111が表示された説明提示画面110の一部に、検索処理(C)における第1検索結果と再検索ボタンとを重ねるようにして、その第1検索結果と再検索ボタンを追加的にディスプレイデバイス25にポップアップ表示させる(ステップS62)。
図13は、そのような表示の画面130の一例である。
図13に示すように、この重畳表示画面130では、ポップアップ表示131が元の説明提示画面110の下部に追加的に重ねられて配置されている。ポップアップ表示131には、検索処理(C)における第1検索結果132と操作ボタン133~138が左から右に配列されている。
【0075】
第1検索結果132は、検索処理(C)において検索された見出し語132aと、その見出し語132aに対応する説明情報132bとにより構成されている。なお、重畳表示画面130の表示中に、ユーザが説明情報111の表示領域内でタッチパネル26に対して左右方向に再びスワイプした場合、CPU21は、第1検索文字列を、そのスワイプにより指定された領域のテキストに更新した上で、検索処理(C)を再度実行する。そうすると、CPU21は、第1検索結果132を再度の検索処理(C)の検索結果に更新して、ディスプレイデバイス25に表示させる。
【0076】
操作ボタン133~138のうちの再検索ボタン133~135は、特定辞書データ42aとは異なる非特定辞書データ42bを参照して、第1検索文字列に関する検索を実行して、検索結果を表示する画面に遷移する処理を指示するためのボタンである。
再検索ボタン133は見出し語ジャンプボタン133ともいう。見出し語ジャンプボタン133は、非特定辞書データ42bを参照して、第1検索文字列を含む見出し語を検索する処理の実行を指示するためのボタンである。再検索ボタン134は例文ジャンプボタン134ともいう。例文ジャンプボタン134は、非特定辞書データ42bを参照して、第1検索文字列に対応する説明情報が例文であるその説明情報を検索する処理の実行を指示するためのボタンである。再検索ボタン135は成句ジャンプボタン135ともいう。成句ジャンプボタン135は、非特定辞書データ42bを参照して、第1検索文字列に対応する説明情報が成句であるその説明情報を検索する処理の実行を指示するためのボタンである。
【0077】
操作ボタン133~138のうちの音声ボタン136は、説明情報111において選択された第1検索文字列を音声で読み上げる処理を指示するためのボタンである。
操作ボタン133~138のうちのマーカーボタン137は、説明情報111において選択された第1検索文字列の背景を特定に色によりマーキングする処理を指示するためのボタンである。
操作ボタン133~138のうちのクローズボタン138は、ポップアップ表示131を消去して元の説明提示画面110に戻す処理を指示するためのボタンである。
【0078】
重畳表示画面130の表示中、ユーザがタッチパネル26の操作により操作ボタン133~138の何れかを選択することによって、選択した操作ボタンに応じた指示をする。そうすると、CPU21は、その指示を受け付けて(ステップS63:YES、又は、ステップS64:YES)、その指示に従った処理を実行する(ステップS65又はステップS66)。例えば、見出し語ジャンプボタン133がユーザによって選択された場合(ステップS63:YES)、CPU21が以下のような検索処理(D)を実行する(ステップS66)。なお、操作ボタン134~135がユーザによって選択された場合にCPU21が実行する処理(ステップS65)の説明は省略する。
【0079】
(8-3) 検索処理(D)
見出し語ジャンプボタン133がユーザによって選択された場合(ステップS63:YES)、CPU21は、非特定辞書データ42bを参照して、第1検索文字列を含む1又は複数の見出し語を非特定辞書データ42bから検索するとともに、見出し語に対応する説明情報を非特定辞書データ42bから検索する(ステップS66)。
なお、テスト結果データ43におけるユーザのレベルが3以上の段階で表される場合、検索の際に参照される非特定辞書データ42bがユーザのレベルに応じて絞り込まれてもよい。つまり、CPU21が、全ての非特定辞書データ42bの中から、ユーザのレベルに応じた数の非特定辞書データ42bを除外して、除外していない非特定辞書データ42bを参照して、第1検索文字列を含む1又は複数の見出し語と、見出し語に対応する説明情報を検索してもよい。この場合、ユーザのレベルが低いほど、CPU21がより多くの非特定辞書データ42bを除外する。非特定辞書データ42bの除外の詳細は、後述の「第2実施形態」において説明されている。
【0080】
(8-4) リスト表示処理
検索処理(D)の後、CPU21は、重畳表示画面130に代えて、検索処理(D)により検索された1又は複数の見出し語とそのような見出し語が含まれる辞書データとを並べて一覧するリストをディスプレイデバイス25に表示させる(ステップS67)。
図14は、そのような表示の画面140の一例である。リスト142がリスト提示画面140の左の領域141に配置されている。リスト142は、縦に並んだアイテム143から構成されている。アイテム143は項目ともいう。各アイテム143はアイコン143aと見出し語143bから構成されている。アイテム143ごとに、アイコン143aが見出し語143bに対応付けられて、見出し語143bがアイコン143aの右に配置されている。アイコン143aは、それに対応する見出し語143bが載った辞書データ42に一意な識別情報である。従って、アイコン143aは、それに対応する見出し語143bが検索する際に参照される非特定辞書データ42bを特定する。見出し語143bは、テキストなどによって表されている。
図14に示す例では、アイテム143の数が複数であるが、アイテム143の数が1のこともある。なお、アイコン143aに代えて辞書の名称又は略称が見出し語143bに対応付けられてもよい。辞書の名称又は略称は、それに対応する見出し語143bが載った辞書データ42に一意な識別情報である。
【0081】
リスト142の表示中、ユーザがタッチパネル26又は上下のカーソルキー27eを操作することによってリスト142の中から何れかのアイテム143を選択する。そうすると、CPU21は、その選択を受け付けて(ステップS68:YES)、選択されたアイテム143を修飾的な表示に切り替えるようディスプレイデバイス25に表示させる。更に、CPU21は、選択されたアイテム143の見出し語143bに対応する説明情報145をリスト提示画面140の右の領域144にリスト142と一緒にディスプレイデバイス25に表示させる(ステップS69)。領域144には、選択されたアイテム143の見出し語143bと同一の見出し語146が説明情報145の上に配置されている。
なお、ユーザによるタッチパネル26又は上下のカーソルキー27eの操作が行われていないデフォルト状態では、最上のアイテム143が選択され、最上のアイテム143の見出し語143bに対応する説明情報145がリスト提示画面140の右の領域144に表示されてもよい。リスト142のアイテム143の数が1の場合でも、そのアイテム143がデフォルトで選択され、そのアイテム143の見出し語143bに対応する説明情報145がリスト提示画面140の右の領域144に表示されてもよい。
【0082】
上述のように
図13の重畳表示画面130の表示中にユーザがタッチパネル26の操作により見出し語ジャンプボタン133を選択したら、CPU21が検索処理(D)を実行した上で、
図13の重畳表示画面130から
図14のリスト提示画面140に遷移させる。そのため、見出し語ジャンプボタン133は、
図13の重畳表示画面130から
図14のリスト提示画面140に遷移することを指示するための操作ボタンである。
【0083】
なお、検索処理(D)において参照される非特定辞書データ42bが除外された場合と、そうでない場合とでは、リスト142の中のアイテム143の数が異なることがある。その詳細は、後述の「第2実施形態」において説明されている。
【0084】
(8-5) 画面遷移処理
アイテム143の選択中、ユーザがタッチパネル26又は決定キー27cを操作することによって、選択されたアイテム143の決定を指示する。そうすると、CPU21は、その旨を認識する(ステップ70:YES)。そして、CPU21は、リスト142が表示されたリスト提示画面140に代えて、決定されたアイテム143の見出し語143bに対応する説明情報をテキストでディスプレイデバイス25に表示させる(ステップS71)。
図15は、そのような表示の画面150の一例である。
図15に示すように、説明情報151が説明提示画面150のほぼ全域に配置され、非特定辞書データ42bに採用される辞書の名称152が説明提示画面150の上部に配置され、見出し語153が名称152の下に配置されている。名称152は、辞書の商標又は登録商標であってもよい。
図15に示す例では、第1検索文字列としての見出し語153は「better」である。
【0085】
説明情報151の表示中、ユーザがタッチパネル26に対して上下方向にスワイプした場合、或いは、ユーザが上下のカーソルキー27eを押下した場合、CPU21がその旨を認識して(ステップS72)、説明情報151を上下にスクロールさせる(ステップS73)。
【0086】
説明情報151の表示中、ユーザがキー入力部27のリターンキー27dの押下などのようにキー入力部27に対して操作することによって検索画面への戻りを指令すると、CPU21がその旨を認識する(ステップS74:YES)。そうすると、CPU21の処理が検索画面の表示処理(ステップS32)に戻る。
また、説明情報151の表示中、ユーザがタッチパネル26又はキー入力部27を操作することによってメニュー画面300への戻りを指令すると、CPU21がその旨を認識する(ステップS75:YES)。そうすると、CPU21は、辞書プログラム47bの実行を終了して、基本プログラム46に従ってメニュー画面300をディスプレイデバイス25に表示させる。
【0087】
説明情報151の表示中、ユーザが説明情報151の表示領域内でタッチパネル26に対して左右方向にスワイプした場合、CPU21がそのスワイプを認識する(ステップS76:YES)。そうすると、CPU21は、そのスワイプにより指定された領域のテキストを修飾的な表示に切り替えた(ステップS77)上で、そのテキストを検索文字列として取得して(ステップS78)、第2の処理を再び行う。なお、このとき、説明情報151に対応する辞書データが新たな特定辞書データ42aとして再設定されることが好ましい。
【0088】
なお、非特定辞書データ42bの数が1である場合、又は、検索処理(D)により検索された見出し語が1つである場合、CPU21が、リスト142が配置されたリスト提示画面140(
図14参照)を表示することなく、重畳表示画面130(
図13参照)に代えて、
図15に示すように、検索処理(D)により検索された見出し語153に対応する説明情報151をディスプレイデバイス25に表示させてもよい。つまり、重畳表示画面130の表示中、ユーザがタッチパネル26の操作により見出し語ジャンプボタン133を選択したら、CPU21は、検索処理(D)の実行の後に、
図13の重畳表示画面130から
図15の説明提示画面150に遷移させる。そのため、見出し語ジャンプボタン133は、
図13の重畳表示画面130から
図15の説明提示画面150に遷移することを指示するための操作ボタンである。ディスプレイデバイス25の表示が
図13の重畳表示画面130から
図15の説明提示画面150に遷移することによって、ユーザは複数のアイテム143の中から何れかを選択する煩わしさが解消される。
【0089】
<4. 変形例>
電子辞書装置10の動作の変形例について説明する。以下では、上述の電子辞書装置10の動作から変更した点について説明する。
【0090】
(1) 上述の説明では、CPU21は、レベル判定テストプログラム47aの実行により記録されたテスト結果データ43に基づいて、第1の処理と第2の処理のどちらを実行するかを決める。ユーザがこのようなCPU21の決定機能を有効化及び無効化してもよい。この場合、例えば、メニュー画面300から遷移した設定画面において、ユーザがタッチパネル26又はキー入力部27の操作をすることによって、決定機能の有効又は無効を入力すると、その入力を受け付けたCPU21が、決定機能の有効又は無効の旨を設定データ44(
図2参照)としてメモリ22に記録する。そして、例えば、「(1) 辞書データの特定処理」の後であって「(2) 検索画面の表示処理」の前に、CPU21が、メモリ22から設定データ44を読み込んで、設定データ44に基づいて決定機能の有効及び無効を判定する。決定機能が有効であれば、CPU21は、上述のような「(2) 検索画面の表示処理」から「(6) レベルの認識処理」までの一連の処理を実行した上で、テスト結果データ43のユーザレベルに応じた処理(つまり、第1の処理又は第2の処理)を実行する。一方、決定機能が無効であれば、CPU21は、上述のような「(2) 検索画面の表示処理」から「(5) 説明情報の表示処理」までの一連の処理を実行した上で、第2の処理を実行する。
【0091】
(2) テスト結果データ43は、ユーザによって更新されてもよい。この場合、テスト結果データ43は、例えば、メニュー画面300から遷移したレベル設定画面において予め更新記録されたものでもよい。ユーザがレベル設定画面においてタッチパネル26又はキー入力部27の操作をすることによって、自身のレベルを入力すると、その入力を受け付けたCPU21が、テスト結果データ43を、その入力に従ったレベルに更新してメモリ22に記録する。
【0092】
(3) 上述の説明では、CPU21は、レベル判定テストプログラム47aの実行により記録されたテスト結果データ43に基づいて、第1の処理と第2の処理のどちらを実行するかを決める。それに対して、CPU21は、ユーザによって予め設定された設定データ44(
図2参照)に基づいて、第1の処理と第2の処理のどちらかを実行するかを決めてもよい。ここで、設定データ44は、例えば、メニュー画面300から遷移した設定画面において予め記録されたものでもよい。ユーザが設定画面においてタッチパネル26又はキー入力部27の操作をすることによって、第1の処理と第2の処理のうち優先させる方を指定すると、その指定を受け付けたCPU21が、第1の処理と第2の処理のうち優先させる方を定める設定データ44をメモリ22に記録する。
【0093】
(4) 電子辞書装置10が複数のユーザによって使用されることが想定される場合、テスト結果データ43がユーザID(Identification)に対応付けられてメモリ22に記録されることにより、テスト結果データ43がユーザIDごとに準備されてもよい。この場合、ユーザが電源ボタン27fをオン操作した後、ユーザがログイン画面においてタッチパネル26又はキー入力部27を操作することによって自身の真正なユーザIDでログインすると、そのログインがCPU21によって許可される。そうすると、CPU21は、前述の「(6) レベルの認識処理」において、その真正なユーザIDに対応するテスト結果データ43を読み込む。
【0094】
(5) 上述に挙げられた画面は、ディスプレイデバイス25の表示可能領域の全体に表示されてもよいし、その表示可能領域の一部に表示されてもよい。
【0095】
<5. まとめ>
この電子辞書装置10は、習熟度の低い初級ユーザにとって使いやすい上、習熟度の高い上級ユーザにとって満足のいく検索結果を与える。このようなメリットについて具体的に説明する。
【0096】
上級ユーザの場合、レベル判定テストの結果が良いであろうから、テスト結果データ43におけるレベルが高い。上級ユーザが電子辞書装置10を使用する場合、特定辞書データ42aから検索された説明情報111が
図11の説明提示画面110のように表示されている時に、上級ユーザが、説明情報111の中の任意の文字列、例えばテキスト113に関する情報を調べたいことがある。そうした場合、上級ユーザがそのテキスト113を指定すれば、
図13に示すように第1検索結果132が配置されたポップアップ表示131がポップアップされる。第1検索結果132は、テキスト113からなる第1検索文字列に相当する見出し語132aと、その見出し語132aに対応する説明情報132bとにより構成されている。第1検索結果132は特定辞書データ42aから検索されたものである。第1検索結果132は、テキスト113に関する情報を上級ユーザに提供する。
しかしながら、上級ユーザの習熟度が高いため、第1検索結果132は上級ユーザを満足させないこともある。そのような場合、上級ユーザがポップアップ表示131内の見出し語ジャンプボタン133を選択すれば、ディスプレイデバイス25の表示が
図13の重畳表示画面130から
図14のリスト提示画面140に遷移する。リスト提示画面140の中のリスト142の各アイテム143は、アイコン143aと見出し語143bから構成されている。見出し語143bは、特定辞書データ42aとは別の非特定辞書データ42bから検索されたものである。アイコン143aは、それに対応する見出し語143bが検索する際に参照される非特定辞書データ42bを特定する。上級ユーザは、見出し語143bの検索の際に参照された非特定辞書データ42bをアイコン143aから把握することができる。上級ユーザは、アイコン143aを参考にして、リスト142の中から、利用したい非特定辞書データ42bから検索された見出し語143bのアイテム143を選択する。そうすると、ディスプレイデバイス25の表示が
図14のリスト提示画面140から
図15の説明提示画面150に遷移する。説明提示画面150の中の説明情報151及び見出し語153は、特定辞書データ42aとは別の非特定辞書データ42bから検索されたものである。説明情報151及び見出し語153は、
図13の重畳表示画面130の中の第1検索結果132に不満であった上級ユーザを満足させる。
【0097】
ところが、初級ユーザの場合、初級ユーザは、
図14のリスト提示画面140の中のリスト142の中からどのアイテム143を選択して良いのかの判断に困る。とくに、アイテム143が多いほど、その判断がより困難である。
図13のようなポップアップ表示131内の第1検索結果132の表示領域が狭いため、初級ユーザが第1検索結果132の説明情報132bを見にくい虞もある。ディスプレイデバイス25の表示が順に
図11の説明提示画面110、
図13の重畳表示画面130、
図14のリスト提示画面140及
図15の説明提示画面150に遷移するための操作も煩雑である。この電子辞書装置10は、そのような問題を生じ得ず、初級ユーザにとっても使いやすくなっている。
【0098】
初級ユーザは習熟度が低いため、レベル判定テストの結果が悪いであろうから、テスト結果データ43におけるレベルが低い。初級ユーザが電子辞書装置10を使用する場合、特定辞書データ42aから検索された説明情報111が
図11の説明提示画面110のように表示されている時に、初級ユーザが、説明情報111の中の任意の文字列、例えばテキスト113に関する情報を調べたいことがある。そうした場合、初級ユーザがそのテキスト113を指定すれば、ディスプレイデバイス25の表示が
図11の説明提示画面110から
図12の説明提示画面120に遷移する。
図13及び
図14の画面130,140の表示が省略されていることから、初級ユーザは、
図14のリスト提示画面140の中のリスト142の中からアイテム143を選択するという煩わしさから解放される。
図12の説明提示画面120の中の説明情報121は、テキスト113からなる第1検索文字列に相当する見出し語123に対応する。説明情報121は、
図11の説明提示画面110中の説明情報111の検索の際に参照された特定辞書データ42aから検索されたものである。説明情報121は、テキスト113に関する情報を初級ユーザに提供する。
説明情報121の表示領域は、同じ特定辞書データ42aを参照した
図13の第1検索結果132よりも広い。よって、初級ユーザは、第1検索結果132の説明情報132bよりも説明情報111を見やすい。
ディスプレイデバイス25の表示が順に
図11の説明提示画面110及び
図12の説明提示画面120に遷移するための操作も簡易である。
【0099】
ユーザの習熟度が向上すれば、レベル判定テストが再度実施されると、レベル判定テストの結果が良くなるであろうから、テスト結果データ43のレベルが高く更新記録される。そうした場合、ユーザが電子辞書装置10を利用すると、ディスプレイデバイス25の表示が順に
図11の説明提示画面110、
図13の重畳表示画面130、
図14のリスト提示画面140及
図15の説明提示画面150に遷移する。そのため、ユーザは満足のいく検索結果を得られる。
【0100】
==第2実施形態==
第2実施形態の電子辞書装置は、
図1及び図に示す第1実施形態の電子辞書装置10と同様に構成されている。但し、第2実施形態の電子辞書装置のCPU21が基本プログラム46及び辞書プログラム47bを実行することに伴う電子辞書装置の動作は、第1実施形態の電子辞書装置10のCPU21が基本プログラム46及び辞書プログラム47bを実行することに伴う電子辞書装置10の動作と異なる。その相違について、以下に詳細に説明する。以下に説明する相違以外については、第2実施形態の電子辞書装置の動作と第1実施形態の電子辞書装置10の動作は同様である。
【0101】
<1. 辞書プログラムに基づく動作>
CPU21が基本プログラム46及び辞書プログラム47bを実行することに伴う第2実施形態の電子辞書装置の動作について説明する。併せて、電子辞書装置10を用いた情報処理方法について説明する。
【0102】
メニュー画面300において、ユーザが、タッチパネル26又はキー入力部27に対して操作することによって、複数の辞書の中から何れかの辞書を選択する。そうすると、前述のような「(1) 辞書データの特定処理」、「(2) 検索画面の表示処理」、「(3) 検索文字列の取得処理」、「(4) 検索処理(A)」及び「(5) 説明情報の表示処理」と同様な処理がCPU21によって実行される(
図7及び
図8のステップS31~ステップS45参照)。そのため、
図11に示すような説明提示画面110がディスプレイデバイス25に表示される。
【0103】
説明提示画面110の表示中、ユーザが説明情報111の表示領域内でタッチパネル26に対して左右方向にスワイプした場合、CPU21は、そのスワイプにより指定された領域のテキストを修飾的な表示に切り替えるようディスプレイデバイス25に表示させる(ステップS44)。また、CPU21は、左右のスワイプにより指定された領域のテキストを第1検索文字列として取得する(ステップS45)。そうすると、「(8-1) 検索処理(C)」及び「(8-2) 重畳表示処理」と同様な処理がCPU21によって実行される。そのため、
図13に示すような重畳表示画面130がディスプレイデバイス25に表示される。以上のように、第2実施形態におけるCPU21の処理がステップS46及びステップS47(
図8参照)を経ずに、ステップS45(
図8参照)からステップS61(
図10参照)に移行する点で、第2実施形態と第1実施形態が相違する。
なお、第1検索文字列は、第2検索文字列に基づいた見出し語の説明情報111(
図11参照)以外から指定されてもよい。例えば、ネットワーク80上の文章コンテンツ又はメモリ22中の文章コンテンツがCPU21によってテキストでディスプレイデバイス25に表示されている際に、ユーザが文章コンテンツの表示領域内でタッチパネル26に対して左右方向にスワイプすることによって第1検索文字列を指定した場合、CPU21が、左右のスワイプにより指定された領域のテキストを第1検索文字列として取得してもよい。この場合、「(8-2) 重畳表示処理」では、
図13に示すポップアップ表示131の背景は、説明情報111ではなく、文章コンテンツである。つまり、CPU21が、ポップアップ表示131を文章コンテンツに追加的に重ねて配置するようディスプレイデバイス25に表示させる。
【0104】
図13のような重畳表示画面130の表示中、ユーザがタッチパネル26の操作により見出し語ジャンプボタン133を選択して、第1検索文字列を再検索文字列として指定する。そうすると、CPU21は、テスト結果データ43を読み込んで、テスト結果データ43に基づいてユーザのレベルを認識する。
【0105】
ユーザのレベルが2段階で表される場合、ユーザのレベルが初級であれば、CPU21が全ての非特定辞書データ42bの中から、1つ又は複数の非特定辞書データ42bを除外し、ユーザのレベルが上級であれば、CPU21が何れの非特定辞書データ42bも除外しない。ユーザのレベルが3以上の段階で表される場合、ユーザのレベルが所定段階以下であれば、CPU21が全ての非特定辞書データ42bの中から、1つ又は複数の非特定辞書データ42bを除外し、ユーザのレベルが所定段階を超えれば、CPU21が何れの非特定辞書データ42bも除外しない。ユーザのレベルが3以上の段階で表される場合、CPU21が、全ての非特定辞書データ42bの中から、ユーザのレベルに応じた数の非特定辞書データ42bを除外してもよいが、この場合、ユーザのレベルが高いほど、CPU21が除外する非特定辞書データ42bの数が少ない。
以下、CPU21によって除外された非特定辞書データ42bを除外辞書データ42cといい、そうでない非特定辞書データ42bを非除外辞書データ42dという。
なお、第2実施形態においてテスト結果データ43の読み込み処理と除外辞書データ42cの除外処理が見出し語ジャンプボタン133の選択の認識処理(
図10中のステップS63:YES参照)と検索処理((
図10中のステップS67)との間に行われる点で、第2実施形態と第1実施形態が相違する。
【0106】
CPU21は、非除外辞書データ42dを参照して、再検索文字列を含む1又は複数の見出し語を非除外辞書データ42dから検索するとともに、見出し語に対応する説明情報を非除外辞書データ42dから検索する。上述のように幾つかの非特定辞書データ42bが除外されたため、この検索の際に参照される非特定辞書データ42bは、ユーザのレベルに応じて絞り込まれた非除外辞書データ42dに限定される。
【0107】
CPU21は、検索された1又は複数の見出し語とそのような見出し語が含まれる辞書データとを並べて一覧するリストをディスプレイデバイス25に表示させる。
図16A及び
図16Bは、そのような表示のリスト提示画面160,170の一例である。
図16Aのリスト提示画面160は、除外辞書データ42cが無い場合の例である。
図16Bのリスト提示画面170は、除外辞書データ42cがある場合の例である。
【0108】
リスト162,172がリスト提示画面140の左の領域161,171に配置されている。リスト162,172の各アイテム163,173はアイコン163a,173aと見出し語163b,173bから構成されている。アイテム163,173ごとに、アイコン163a,173aが見出し語163b,173bに対応付けられて、見出し語163b,173bがアイコン163a,173aの右に配置されている。アイコン163a,173aは、それに対応する見出し語163b,173bが載った辞書データ42に一意な識別情報である。リスト162のアイテム163の数はリスト172のアイテム173の数よりも多い。これは、
図16Aのリスト提示画面160が表示される場合に参照される辞書データ42の数が、
図16Bのリスト提示画面170が表示される場合に参照される辞書データ42の数よりも多いためである。
【0109】
リスト162又は172の表示中、ユーザがタッチパネル26又は上下のカーソルキー27eを操作することによってリスト162又は172の中から何れかのアイテム163又は173を選択する。そうすると、CPU21は、その選択を受け付けて、選択されたアイテム163又は173を修飾的な表示に切り替えるようディスプレイデバイス25に表示させる。更に、CPU21は、選択されたアイテム163又は173の見出し語163b又は173bに対応する説明情報145をリスト提示画面140の右の領域144にリスト162又は172と一緒にディスプレイデバイス25に表示させる。
【0110】
アイテム163又は173の選択中、ユーザがタッチパネル26又は決定キー27cを操作することによって、アイテム163又は173の選択の決定を指示する。決定の指示を受けたCPU21は、リスト162又は172が表示されたリスト提示画面160又は170に代えて、選択されたアイテム163又は173の見出し語163b又は173bに対応する説明情報をテキストでディスプレイデバイス25に表示させる(
図15参照)。
【0111】
図15のような説明情報151の表示中、ユーザがタッチパネル26に対して上下方向にスワイプした場合、或いは、ユーザが上下のカーソルキー27eを押下した場合、説明情報151が上下にスクロールされる。
【0112】
説明情報151の表示中、ユーザが説明情報151の表示領域内でタッチパネル26に対して左右方向にスワイプした場合、そのスワイプにより指定された領域のテキストが修飾的な表示に切り替わった上で、CPU21が、そのテキストを検索文字列として、「(8-1) 検索処理(C)」及び「(8-2) 重畳表示表示」と同様な処理を再び行う。
【0113】
説明情報151の表示中、ユーザがキー入力部27のリターンキー27dの押下などのようにキー入力部27に対して操作することによって検索画面への戻りを指令すると、CPU21の処理が検索画面の表示処理に戻る。また、説明情報151の表示中、ユーザがタッチパネル26又はキー入力部27を操作することによってメニュー画面300への戻りを指令すると、CPU21は、辞書プログラム47bの実行を終了して、基本プログラム46に従ってメニュー画面300をディスプレイデバイス25に表示させる。
【0114】
<2. 変形例>
第2実施形態の電子辞書装置10の動作の変形例について説明する。以下では、上述の電子辞書装置10の動作から変更した点について説明する。
【0115】
(1) 上述の説明では、CPU21は、レベル判定テストプログラム47aの実行により記録されたテスト結果データ43に基づいて、全ての非特定辞書データ42bの中から除外辞書データ42c及び非除外辞書データ42dを決める。ユーザがこのようなCPU21の決定機能を有効化及び無効化してもよい。この場合、例えば、メニュー画面300から遷移した設定画面において、ユーザがタッチパネル26又はキー入力部27の操作をすることによって、決定機能の有効又は無効を入力すると、その入力を受け付けたCPU21が、決定機能の有効又は無効の旨を設定データ44(
図2参照)としてメモリ22に記録する。そして、例えば、「(1) 辞書データの特定処理」の後であって「(2) 検索画面の表示処理」の前に、CPU21が、メモリ22から設定データ44を読み込んで、設定データ44に基づいて決定機能の有効及び無効を判定する。決定機能が有効であれば、CPU21が第2実施形態の「1. 辞書プログラムに基づく動作」で説明した一連の処理を実行する。決定機能が無効であれば、CPU21は、何れの非特定辞書データ42bも除外することなく、第2実施形態の「1. 辞書プログラムに基づく動作」で説明した一連の処理を実行する。
【0116】
(2) テスト結果データ43は、ユーザによって更新されてもよい。この場合、テスト結果データ43は、例えば、メニュー画面300から遷移したレベル設定画面において予め更新記録されたものでもよい。ユーザがレベル設定画面においてタッチパネル26又はキー入力部27の操作をすることによって、自身のレベルを入力すると、その入力を受け付けたCPU21が、テスト結果データ43を、その入力に従ったレベルに更新してメモリ22に記録する。
【0117】
(3) 上述の説明では、CPU21は、レベル判定テストプログラム47aの実行により記録されたテスト結果データ43に基づいて、全ての非特定辞書データ42bの中から非除外辞書データ42dを決める。それに対して、CPU21は、ユーザによって予め設定された設定データ44(
図2参照)に基づいて、全ての非特定辞書データ42bの中から非除外辞書データ42dを決めてもよい。ここで、設定データ44は、例えば、メニュー画面300から遷移した設定画面において予め記録されたものでもよい。ユーザが設定画面においてタッチパネル26又はキー入力部27の操作をすることによって、全ての辞書データ42の中から除外辞書データ42c及び非除外辞書データ42dを指定すると、その指定を受け付けたCPU21が、その指定を設定データ44をメモリ22に記録する。
【0118】
(4) 電子辞書装置10が複数のユーザに使用されることが想定される場合、テスト結果データ43がユーザIDに対応付けられてメモリ22に記録されることによって、テスト結果データ43がユーザIDごとに準備されてもよい。
【0119】
(5) 上述に挙げられた画面は、ディスプレイデバイス25の表示可能領域の全体に表示されてもよいし、その表示可能領域の一部に表示されてもよい。
【0120】
<3. まとめ>
特定辞書データ42aから検索された説明情報111が
図11の説明提示画面110のように表示されている時に、ユーザが、説明情報111の中の任意の文字列、例えばテキスト113に関する情報を調べたいことがある。そうした場合、ユーザがそのテキスト113を指定すれば、
図13に示すように第1検索結果132が配置されたポップアップ表示131がポップアップされる。第1検索結果132は、テキスト113からなる第1検索文字列に相当する見出し語132aと、その見出し語132aに対応する説明情報132bとにより構成されている。第1検索結果132は特定辞書データ42aから検索されたものである。第1検索結果132は、テキスト113に関する情報をユーザに提供する。
【0121】
しかしながら、第1検索結果132はユーザを満足させないこともある。そのような場合、ユーザがポップアップ表示131内の見出し語ジャンプボタン133を選択する。そうすると、テスト結果データ43におけるレベルが高ければ、ディスプレイデバイス25の表示が
図13の重畳表示画面130から
図16Aのリスト提示画面160に遷移する。テスト結果データ43におけるレベルが高ければ、ディスプレイデバイス25の表示が
図13の重畳表示画面130から
図16Bのリスト提示画面170に遷移する。
図16Bのリスト提示画面170の中のリスト172のアイテム173は、
図16Aのリスト提示画面160の中のリスト162のアイテム163よりも少ない。よって、ユーザのレベルが高ければ、ユーザはより多くのアイテム163から何れかを選択することができる。これは、テキスト113に関する多くの情報をユーザに提供することに貢献し、さらには、習熟度の高いユーザにとって満足のいく検索結果をユーザに与えることに貢献する。一方、ユーザのレベルが低ければ、ユーザはより少ないアイテム173から何れかを選択することができる。これは、リスト172の中からどのアイテム173を選択して良いのかの判断を容易にすることに貢献する。
【符号の説明】
【0122】
10 電子辞書装置
21 CPU
22 メモリ
25 ディスプレイデバイス
26 タッチパネル
27 キー入力部
41 問題データ
42 辞書データ
45 プログラム
47a レベル判定テストプログラム
47b 辞書プログラム