(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106441
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】多目的自動洗浄機
(51)【国際特許分類】
B08B 3/02 20060101AFI20240801BHJP
B08B 5/02 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
B08B3/02 D
B08B5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010690
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】591043695
【氏名又は名称】アタム技研株式会社
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 平
(72)【発明者】
【氏名】福田 強
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB03
3B116BB23
3B116BB43
3B116BB62
3B116CC01
3B116CD24
3B201AA46
3B201AB03
3B201BB23
3B201BB43
3B201BB62
3B201CB12
3B201CC01
3B201CD24
(57)【要約】
【課題】
洗浄機により洗浄された被洗浄物は、洗浄工程終了後、洗浄機から取り出すが、その前に、被洗浄物に付着している洗浄水の水滴を取り除くため、エアーガン等を用いて水滴を吹き飛ばしている。その際に天井の壁に付着した水滴が、エアーガンの風等によって被洗浄物に滴下し、被洗浄物の水滴を吹き飛ばした作業が無駄になっいた。さらに、被洗浄物を人が洗浄室内に入り洗浄機から取り出す際に、天井に付着した洗浄液の水滴が、作業者に降りかかり、不快な思いをしていた。
【解決手段】
洗浄機は、洗浄室内で洗浄水やすすぎ水が噴射されるので、洗浄室内の天井の壁にも水滴が付着する。これら天井の壁に付着した水滴を取り除くため、水滴除去手段である、ワイパーによる清掃、または風により吹き飛ばす、またはその両方を、洗浄工程やすすぎ工程終了後に実施し、天井に付着した水滴を効果的に除去する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板・周囲の壁・天井の壁からなり、周囲の壁には、工場用台車や、建築現場用台車及びロールボックスと称するカゴ台車に収容されたベッドフレームや車いすなどの福祉用具等の被洗浄物を出し入れできる開口部を設け、被洗浄物を洗浄するために被洗浄物を収容できる洗浄室と、当該洗浄室内に、洗浄液やすすぎ水の通るパイプを有し、当該パイプに取り付けた洗浄液やすすぎ水を噴射する複数の洗浄用ノズルからなる洗浄・すすぎ手段と、前記洗浄室内に設けた洗浄室の天井の壁に付着した水滴を除去する水滴除去手段と、前記パイプへ洗浄液やすすぎ水を圧送する圧送ポンプを有し、パイプへの洗浄液やすすぎ水の供給を司ると共に、水滴除去手段を駆動させる制御手段を備え、水滴除去手段を洗浄工程やすすぎ工程終了後に、実施することを特徴とする多目的洗浄機。
【請求項2】
水滴除去手段として、洗浄室天井の中央部を軸に、回転するワイパーを構成したことを特徴とする請求項1に示す多目的洗浄機。
【請求項3】
水滴除去手段として、洗浄室天井に、風を吹き付けることにより水滴を除去することを特徴とする請求項1に示す多目的洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工場用台車や、建築現場用台車及びロールボックスと称するカゴ台車に収容されたベッドを分解したベッドフレームや車いすなどの福祉用具を洗浄する洗浄機について、洗浄やすすぎ工程後に、洗浄室の天井の壁に付着する水滴の清掃に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工場で使用されている台車や、建築現場で使用されている台車、さらには主に高齢者が使用する車いすやベッドなどはレンタルされているものが多い。レンタル業者は、これらを、洗浄・乾燥・メンテナンス・整備を行い顧客に貸し出している。これらを洗浄する機器は提案されており一部利用されている。
【0003】
これらの洗浄機は、人が洗浄室内に入り被洗浄物を設置し、洗浄液を洗浄用ノズルから噴射し、被洗浄物に吹き付けることで、洗浄している。また、すすぎ水を洗浄用ノズルから噴射し、被洗浄物に吹き付けることで、すすぎをしている。
【0004】
洗浄やすすぎ工程時、主に被洗浄物に向け噴射される洗浄液やすすぎ水は、洗浄室内で噴射されるので、洗浄室の周囲の壁や天井の壁にも付着する。洗浄工程やすすぎ工程の終了後、被洗浄物を洗浄機から取り出すのであるが、その前に、被洗浄物に付着している洗浄水やすすぎ水の水滴を取り除くため、洗浄機の扉を開け、被洗浄物を洗浄室内に置いたまま、エアーガン等を用いて水滴を吹き飛ばしていることが多い。その際に天井の壁に付着した水滴が、エアーガンの風や振動によって被洗浄物に滴下し、せっかく被洗浄物の水滴を吹き飛ばした作業が無駄になっいた。さらに、被洗浄物を人が洗浄室内に入り洗浄機から取り出す際に、天井に付着した洗浄液やすすぎ水の水滴が、振動等により滴下し、作業者に降りかかり、不快な思いをしていた。この様なことに関しては、今までほとんど考慮されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-100467号公報
【特許文献2】特開2014-69111号公報
【特許文献3】特開2011-67722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、従来の技術においては、洗浄工程やすすぎ工程が終了し、洗浄機から被洗浄物を取り出すのであるが、その前に、被洗浄物に付着している洗浄水やすすぎ水の水滴を取り除くため、ほとんどの場合、洗浄室内でエアーガン等を用い吹き飛ばしている。その際に天井の壁に付着した水滴が、エアーガンの風や振動によって被洗浄物に滴下し、せっかく被洗浄物の水滴を吹き飛ばした作業が無駄になったり、被洗浄物を人が洗浄室内に入り取り出す際に、天井の壁に付着した洗浄液やすすぎ水の水滴が振動等により滴下し、作業者に降りかかり、不快な思いをすることを、解決するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、底板・周囲の壁・天井の壁からなり、周囲の壁には、工場用台車や、建築現場用台車及びロールボックスと称するカゴ台車に収容されたベッドを分解したベッドフレームや、車いすなどの福祉用具等の被洗浄物を出し入れできる開口部を設け、被洗浄物を洗浄するために被洗浄物を収容できる洗浄室と、当該洗浄室内に、洗浄液やすすぎ水の通るパイプを有し、当該パイプに取り付けた洗浄液やすすぎ水を噴射する複数の洗浄用ノズルからなる洗浄・すすぎ手段と、前記洗浄室内に設けた洗浄室の天井の壁に付着した水滴を除去する水滴除去手段と、前記パイプへ洗浄液やすすぎ水を圧送する圧送ポンプを有し、パイプへの洗浄液やすすぎ水の供給を司ると共に、水滴除去手段を駆動させる制御手段を備え、水滴除去手段を洗浄工程やすすぎ工程終了後に、実施する制御手段を備えている。
【0008】
洗浄室下部には、洗浄タンクが設けられており、洗浄用ノズルから噴射された洗浄液や、すすぎ水をためることができる構造となっており、洗浄タンクには圧送用ポンプをのぞませ、洗浄タンク内の洗浄液や、すすぎ水を先に述べたパイプに圧送し、パイプに取り付けた複数の洗浄用ノズルから、噴射し、被洗浄物の洗浄やすすぎを行っている。
【0009】
洗浄液や、すすぎ水は洗浄室内に噴射されるので、洗浄室の周囲の壁や天井の壁にも付着する。天井の壁に付着した液体を取り除く水滴除去装置を装備すると共に、前記圧送用ポンプの駆動、さらには水滴除去手段を実施させる制御手段を有し、水滴除去手段を洗浄工程やすすぎ工程終了後に、実施することを特徴とした多目的洗浄機に関するものである。
【0010】
請求項2の発明は、洗浄室天井の壁に付着した水滴を除去する手段として、洗浄室天井の中央部に軸を設け、回転するワイパーを構成したことを特徴とする請求項1に示す多目的洗浄機に関するものである。
【0011】
請求項3の発明は、洗浄室天井の壁に付着した水滴を除去する手段として、洗浄室天井に、風を吹き付けることにより水滴を除去することを特徴とする請求項1に示す多目的洗浄機に関するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上記のような構成であるため、次のような効果を発揮する。
工場用台車や、建築現場用台車及びロールボックスと称するカゴ台車に収容されたベッドを分解したベッドフレームや車いすなどの福祉用具を洗浄すると、被洗浄物や洗浄室の周囲の壁や天井の壁にも水滴が付着している。洗浄工程やすすぎ工程の終了後に水滴除去手段を実施しているので、被洗浄物に付着している洗浄水やすすぎ水の水滴を取り除くため、洗浄室内でエアーガン等を用い吹き飛ばす場合や、被洗浄物を人が洗浄室内に入り取り出す際にも、洗浄室の天井の壁からの水滴の落下はなく、作業の無駄や不快感がない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】この発明の断面を示す正面である。(実施例1)
【
図2】この発明の断面を示す側面図である。(実施例1)
【
図3】この発明の水滴除去手段を示す図である。(実施例1)
【
図4】この発明の断面を示す正面である。(実施例2)
【
図5】この発明の実施例2の断面を示す側面図である。(実施例2)
【
図6】この発明の水滴除去手段を示す図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【実施例0014】
図1・
図2及び
図3において、被洗浄物を収容したロールボックスと称するカゴ台車11を収容でき、洗浄を行う洗浄室1内には、洗浄室1の天井中央部に回転軸部4を設けあり、この回転軸部4を中心に、洗浄室底板2のほぼ中央部に設置された被洗浄物の周囲を回るように、門型パイプ9を構成し、当該パイプには複数の洗浄用ノズル17を配し、洗浄用ノズル17から噴射される洗浄液やすすぎ水が被洗浄物の周囲から吹き付けられる。また、同じ回転軸部4を中心に、洗浄室底板のほぼ中央部に設置された被洗浄物の上部を回るように、上部パイプ10を構成し、当該パイプには複数の洗浄用ノズル17’を配し、洗浄用ノズル17’から噴射される洗浄液やすすぎ水が被洗浄物の上部から吹き付けられることとなる。
【0015】
さらに、洗浄室1内の天井の壁に付着した、洗浄液やすすぎ水を清掃するために、水滴除去手段であるワイパー22を設けてある。このワイパー22は、先に述べた、洗浄室1の天井中央部の回転軸部4を中心に、回転するよう構成してあり、洗浄工程やすすぎ工程終了後、このワイパーを駆動させれば、天井の壁の水滴を除去できる。
【0016】
上記門型パイプ9や上部パイプ10及びワイパー22の回転は、回転モーター20が駆動し、回転動力伝達用ベルト5により、伝達され、洗浄室1の天井中央部の回転軸部4を中心に、回転できるように構成されている。このため、門型パイプ9は洗浄室1の中央部に設置された被洗浄物の周囲を回転しながら、上部パイプ10は被洗浄物の上部を回転しながら洗浄液やすすぎ水を噴射するので、ムラなく洗浄や、すすぎができる。
【0017】
洗浄室1の下部には洗浄タンク7が設けられており、洗浄用ノズル17や17’から噴射された洗浄液やすすぎ水をためることができる構造となっている。洗浄タンク7には、圧送ポンプ8をのぞませてあり、洗浄タンク内の洗浄液やすすぎ水を先に述べた門型パイプ9や上部パイプ10に圧送できるように構成してある。各パイプに配してある洗浄ノズル17 17’から洗浄液やすすぎ水を噴射し、被洗浄物を洗浄またはすすぎをするという方式をとっている。
【0018】
また、洗浄室1内の天井の壁に付着した、洗浄液やすすぎ水を清掃するための、ワイパーとは異なる水滴除去手段として、被洗浄物の水滴及び洗浄室天井の壁に付着した水滴を同時に吹き飛ばすための送風機18を設け、送風機18を駆動させると、複数の送風吹き出し口19から風が吹き出し、被洗浄物の水滴除去と同時に、洗浄室天井の壁に付着した水滴を吹き飛ばし除去できる。
【0019】
洗浄室1内の天井の壁に付着した、洗浄液やすすぎ水を清掃するためには、実施例1に示すワイパー22または、送風機18のいずれかを設け、駆動すれば洗浄室1の天井の壁に付着した水滴を除去できる。また、ワイパー22と、送風機18を両方設け、両方駆動させても良い。
【0020】
洗浄工程やすすぎ工程の終了後に、水滴除去手段を実施することにより、被洗浄物に付着している洗浄水やすすぎ水の水滴を取り除くため、洗浄室内でエアーガン等を用い吹き飛ばす場合や、被洗浄物を人が洗浄室内に入り取り出す際にも、洗浄室の天井の壁からの水滴の落下はない。
洗浄室1’の下部には洗浄タンク7’が設けられており、洗浄用ノズル17”から噴射された洗浄液やすすぎ水をためることができる構造となっている。洗浄タンク7’には、圧送ポンプ8’をのぞませてあり、洗浄タンク内の洗浄液やすすぎ水を先に述べた固定のサイドパイプ23と固定の上部パイプ24に圧送できるように構成してある。各パイプに配してある洗浄ノズル17”から洗浄液やすすぎ水を噴射し、被洗浄物を洗浄またはすすぎをするという方式をとっている。
さらに、洗浄室1’内の天井の壁に付着した、洗浄液やすすぎ水を清掃するために、水滴除去手段であるワイパー22’を設けてある。このワイパー22’は、洗浄室1’の天井中央部の回転軸部4’を中心に、回転するよう構成してあり、洗浄工程やすすぎ工程終了後、このワイパーを駆動させれば、天井の壁の水滴を除去できる。
ワイパー22’の回転は、回転モーター20’が駆動し、回転動力伝達用ベルト5’により、伝達され、洗浄室1’の天井中央部の回転軸部4’を中心に、回転できるように構成されている。
また、洗浄室1’内の天井の壁に付着した、洗浄液やすすぎ水を清掃するための異なる水滴除去手段として、被洗浄物の水滴及び洗浄室天井の壁に付着した水滴を同時に吹き飛ばすための送風機18’を設け、送風機18’を駆動させると、複数設けた送風吹き出し口19’から風が吹き出し、被洗浄物の水滴と洗浄室天井の壁に付着した水滴を除去できる。
洗浄室1’内の天井の壁に付着した、洗浄液やすすぎ水を清掃するためには、実施例2に示すワイパー22’または、送風機18’のいずれかを設け、駆動すれば洗浄室1’の天井の壁に付着した水滴を除去できる。また、ワイパー22’と、送風機18’を両方設け、両方駆動させても良い。
洗浄工程やすすぎ工程の終了後に、水滴除去手段を実施することにより、被洗浄物に付着している洗浄水やすすぎ水の水滴を取り除くため、洗浄室内でエアーガン等を用い吹き飛ばす場合や、被洗浄物を人が洗浄室内に入り取り出す際にも、洗浄室の天井の壁からの水滴の落下はない。