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特開2024-106458爪曲面の曲率測定が可能な爪測定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106458
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】爪曲面の曲率測定が可能な爪測定システム
(51)【国際特許分類】
   A45D 29/00 20060101AFI20240801BHJP
   A45D 31/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A45D29/00
A45D31/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010718
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】523030681
【氏名又は名称】ビューティーアイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】パク・サンオン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、爪の断面の長さだけではなく、爪の屈曲した形態を考慮して爪の曲面の曲率を計算することで、使用者個人別に異なる爪の形態を正確に測定することができる爪測定システムを提供する。
【解決手段】本発明は、爪に対して撮影された爪イメージであって、鳥瞰図、側面図又は正面図イメージを受信する受信部と、複数の前記爪イメージにおいて個別爪を認識する客体認識部と、前記鳥瞰図イメージで爪断面の寸法を測定するサイズ測定部と、前記正面図イメージ及び前記側面図イメージを用いて爪の曲面に対する曲率を計算する曲率計算部と、前記サイズ測定部及び前記曲率計算部の算出結果を総合して曲がった爪に対する3D爪イメージを生成するイメージ生成部と、を含み、使用者個人に最適化されたオーダーメイド型爪測定が可能であることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪に対して撮影された爪イメージであって、鳥瞰図、側面図又は正面図イメージを受信する受信部と、
複数の前記爪イメージで個別爪を認識する客体認識部と、
前記鳥瞰図イメージで爪断面の寸法を測定するサイズ測定部と、
前記正面図イメージ及び前記側面図イメージを用いて爪の曲面に対する曲率を計算する曲率計算部と、
前記サイズ測定部及び前記曲率計算部の算出結果を総合して曲がった爪に対する3D爪イメージを生成するイメージ生成部と、を含み、
爪曲面の曲率測定が可能な爪測定システム。
【請求項2】
前記爪イメージには、
爪のサイズ測定のための基準長さが表示された背景カードと爪がともに撮影され、
前記サイズ測定部で爪の寸法測定時、前記背景カードが用いられることを特徴とする請求項1に記載の爪測定システム。
【請求項3】
前記爪イメージが撮影された撮影角度を分析する撮影角度分析部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の爪測定システム。
【請求項4】
前記撮影角度分析部は、
前記鳥瞰図イメージに対して、爪が位置した指面の垂直方向を基準で前記鳥瞰図イメージが撮影された撮影角度を分析し、
前記側面図イメージに対して、爪体(nail body)の中央部を基準で前記側面図イメージが撮影された撮影角度を分析することを特徴とする請求項3に記載の爪測定システム。
【請求項5】
前記曲率計算部は、
前記正面図イメージで爪の両側面が曲がった屈曲値を測定する正面測定部と、
前記側面図で爪体が長さ方向に曲がった屈曲値又は爪体の中央部と側面部との間の高さを測定する側面測定部を含み、爪の曲面に対する曲率を計算することを特徴とする請求項1に記載の爪測定システム。
【請求項6】
前記サイズ測定部は、
前記鳥瞰図イメージで2次元爪断面の幅(width)、縦(高さ)又は爪の境界線の弧の長さを測定し、
前記曲率計算部の計算結果を前記サイズ測定部で測定された前記寸法に反映して前記寸法を補正することで、爪曲面の長さを算出する長さ補正部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の爪測定システム。
【請求項7】
前記イメージ生成部で生成された前記3Dイメージを使用者又は各爪によって区分して保存する保存部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の爪測定システム。
【請求項8】
使用者の爪が地上、側面又は正面で撮影された爪イメージであって、鳥瞰図、側面図又は正面図イメージを受信するイメージ受信部と、
前記爪イメージを通じて使用者の爪に対する3D爪イメージを生成する分析部と、
使用者によって既選択された装飾イメージを前記3D爪イメージに結合して3Dネイルイメージを生成するネイルイメージ生成部と、を含み、
前記分析部は、
前記鳥瞰図、側面図又は正面図イメージで個別爪を認識する客体認識部と、
前記鳥瞰図イメージで爪断面の寸法を測定するサイズ測定部と、
前記正面図イメージ及び前記側面図イメージを用いて爪曲面に対する曲率を計算する曲率計算部と、
前記サイズ測定部及び前記曲率計算部の算出結果を総合して曲がった爪に対する3D爪イメージを生成するイメージ生成部と、を含み、
使用者オーダーメイド型ネイルイメージ生成が可能な爪装飾物の生成システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪の3次元形状を測定することができる爪測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネイルアート(Nail art)は、手又は足の爪を飾るものであって、様々な形態で開発されて来た。従来には、マニキュア、ジェルネイルなど爪に直接塗る形態が殆どだった。マニキュア、ジェルネイルなどは合成樹脂又は紫外線硬化樹脂で製造され、長期間爪に直接触れる場合、爪が損傷し、弱くなって割れるなどの問題があった。また、これらを爪から落とす時アセトンを使うが、頻繁な使用は爪を弱くして問題になる。また、ジェルネイルは紫外線に反応して硬化される性質がある。そのため、ジェルネイルは紫外線又はLEDライトを通じる硬化過程を経らなければならない。この過程で強い紫外線に露出され、強い紫外線は急速な老化を引き起こして肌にしわができてしまうか皮膚癌を発生させることがある。また、ジェルネイルを落とす過程でも爪及び肌に刺激を与えて爪が損傷することがある。
【0003】
よって、最近にはシール状で手又は足の爪に付着するネイルシールが開発されて利用されている。ネイルシールは爪への付着又は除去過程が容易であり、付着過程又は除去過程で爪又は肌に刺激を与えない。また、合成樹脂又は紫外線硬化樹脂などの化合物が肌に直接触れないので、マニキュアなどを直接塗る場合より肌に及ぼす影響が少ない。
【0004】
一方、従来のマニキュアなどは使用者が自分の爪の形状に合うように直接塗るから、塗る過程で自動的に爪のサイズと形に合うように適用されるので、別途の使用者の最適化過程が不要であった。しかし、ネイルシールの場合には製造段階から決まったサイズで製作されて販売される。そのため、全ての使用者それぞれの爪のサイズに最適化できない限界を持つ。
【0005】
ネイルシールは、一般的な爪のサイズで製作されるが、販売されるネイルシールより爪のサイズが小さい使用者は爪の両側と上側を切らなければならない。このような煩わしい過程は簡単に爪を飾ることができるというネイルシールのメリットを反感させる原因となる。その反面、製作されたネイルシールより使用者の爪が大きい場合には、ネイルシールが爪体を全部カバーできないので使用が不可能な場合があり、より問題になる。
【0006】
よって、最近には使用者の爪に合う個人別ネイルシールを提供する技術が開示された。関連従来技術韓国登録特許第10-1669994号(以下、「先行特許」と略称する)は、ネイル装飾付着物を生産するにおいて、映像で使用者の爪イメージに背景イメージを重畳させることで、使用者所望の背景イメージが実際爪に付着した時のイメージを予め確認し、確認後使用者の選択によってネイル装飾付着物を生成及び提供する方法を開示する。特に、先行特許は爪の屈曲した形状に対応するように歪曲させることで、断面背景イメージと実際爪に屈曲して付着され歪曲された背景イメージとの差を確認することができると開示する。
【0007】
しかしながら、先行特許は爪の屈曲した形状に対応するように背景イメージを歪曲させることができると開示しながらも、実質的に爪の曲面の屈曲した程度を測定する具体的な方法を説明していない。先行特許は「背景イメージが両側面に一定曲率で屈曲するように変形されて」と開示しているだけである。
【0008】
爪は実質的に曲がった曲面を形成するので、2次元断面の横長さ又は縦長さだけではなく、曲面の曲率も考慮しなければならない。即ち、断面的には横幅が同一であっても、爪がどの程度屈曲したか(曲がったか)によって、横長さ(両側の間の弧の長さ)が異なることがある。このような理由で爪の横幅が同一で同じネイルシールを使用する場合にも爪の屈曲が異なって両側の足りない場合が発生する問題があり得る。しかし、先行特許はこのような爪の具体的な3次元曲面形状を反映していない。
【0009】
そこで、本出願人は使用者の爪を測定するにおいて、個人別で異なる爪の曲面の屈曲した程度を測定することができる具体的な方法に関する研究開発を進行した。したがって、本発明は使用者の爪の特徴を3次元的に測定することができ、これを通じて爪装飾物を生成することで、上記先行特許で生成されるネイル装飾付着物よりもさらに使用者オーダーメイド型製品を提供することができるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1669994号
【発明の概要】
【解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、爪の断面の長さだけではなく、爪の屈曲した形態を考慮して爪の曲面の曲率を計算することで、使用者個人別に異なる爪の形態を正確に測定することができる爪測定システムを提供することを課題とする。
【0012】
また、本発明は爪装飾を生成するにおいて、個別使用者の爪の形態を測定して使用者オーダーメイド型爪装飾物を生成することができる爪装飾物の生成システムを提供することを課題とする。
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されない。本発明の他の課題及びメリットは、以下の説明によってさらに明確に理解される。
【課題の解決するための手段】
【0014】
上記課題を達成するために本発明は、爪に対して撮影された爪イメージであって、鳥瞰図、側面図又は正面図イメージを受信する受信部と、複数の前記爪イメージで個別爪を認識する客体認識部と、前記鳥瞰図イメージで爪断面の寸法を測定するサイズ測定部と、前記正面図イメージ及び前記側面図イメージを用いて爪の曲面に対する曲率を計算する曲率計算部と、前記サイズ測定部及び前記曲率計算部の算出結果を総合して曲がった爪に対する3D爪イメージを生成するイメージ生成部と、を含み、爪曲面の曲率測定が可能なことを特徴とする。
【0015】
好適に、前記爪イメージには、爪のサイズ測定のための基準長さが表示された背景カードと爪がともに撮影され、前記サイズ測定部で爪の寸法測定時、前記背景カードが用いられることができる。
【0016】
好適に、前記爪イメージが撮影された撮影角度を分析する撮影角度分析部をさらに含むことができる。
【0017】
好適に、前記撮影角度分析部は、前記鳥瞰図イメージに対して、爪が位置した指面の垂直方向を基準で前記鳥瞰図イメージが撮影された撮影角度を分析し、前記側面図イメージに対して、爪体(nail body)の中央部を基準で前記側面図イメージが撮影された撮影角度を分析することができる。
【0018】
好適に、前記曲率計算部は、前記正面図イメージで爪の両側面が曲がった屈曲値を測定する正面測定部と、前記側面図で爪体が長さ方向に曲がった屈曲値又は爪体の中央部と側面部との間の高さを測定する側面測定部を含み、爪の曲面に対する曲率を計算することができる。
【0019】
好適に、前記サイズ測定部は、前記鳥瞰図イメージで2次元爪断面の幅(width)、縦(高さ)又は爪の境界線の弧の長さを測定し、前記曲率計算部の計算結果を前記サイズ測定部で測定された前記寸法に反映して前記寸法を補正することで、爪曲面の長さを算出する長さ補正部をさらに含むことできる。
【0020】
好適に、前記イメージ生成部で生成された前記3Dイメージを使用者又は各爪によって区分して保存する保存部をさらに含むことができる。
【0021】
また、上記目的を達成するために本発明は、使用者の爪が地上、側面又は正面で撮影された爪イメージであって、鳥瞰図、側面図又は正面図イメージを受信するイメージ受信部と、前記爪イメージを通じて使用者の爪に対する3D爪イメージを生成する分析部と、使用者によって既選択された装飾イメージを前記3D爪イメージに結合して3Dネイルイメージを生成するネイルイメージ生成部と、を含み、前記分析部は、前記鳥瞰図、側面図又は正面図イメージで個別爪を認識する客体認識部と、前記鳥瞰図イメージで爪断面の寸法を測定するサイズ測定部と、前記正面図イメージ及び前記側面図イメージを用いて爪曲面に対する曲率を計算する曲率計算部と、前記サイズ測定部及び前記曲率計算部の算出結果を総合して曲がった爪に対する3D爪イメージを生成するイメージ生成部と、を含み、使用者オーダーメイド型ネイルイメージ生成が可能なことを他の特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、使用者の爪を測定するにおいて、各使用者によって異なる爪のサイズ、形態だけではなく、爪の屈曲した曲面を考慮して曲面の曲率を計算することで、3次元的に爪を測定することが可能である。これを通じて各使用者の爪を正確に測定することができる。
【0023】
特に、本発明は爪の上に付着して爪を飾る爪装飾物を各使用者に合うサイズで生成することに用いることができる。爪装飾物は爪の全面積に付着され、この時断面の長さが同一の爪であっても曲がった程度によって実際爪の全体長さが異なることがある。そこで、本発明はこのような爪の曲面を考慮して爪装飾物を生成することで、使用者により最適化された爪装飾物を提供することができるというメリットを有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の実施例に係る爪装飾物の生成システムの構成図である。
図2図2は、本発明の実施例に係る爪測定システムの構成図である。
図3A図3Aは、本発明の実施例に係る客体認識部で爪を認識する様子を示す図である。
図3B図3Bは、本発明の実施例に係る客体認識部で爪を認識する様子を示す図である。
図3C図3Cは、本発明の実施例に係る客体認識部で爪を認識する様子を示す図である。
図4A図4Aは、本発明の実施例に係る曲率計算部で爪の曲率を計算する様子を示す図である。
図4B図4Bは、本発明の実施例に係る曲率計算部で爪の曲率を計算する様子を示す図である。
図4C図4Cは、本発明の実施例に係る曲率計算部で爪の曲率を計算する様子を示す図である。
図4D図4Dは、本発明の実施例に係る曲率計算部で爪の曲率を計算する様子を示す図である。
図5図5は、サイズ測定部と曲率計算部で測定及び計算された結果を通じて使用者の爪に合う3D爪イメージを生成して使用者の爪に適用した様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に記載された内容を参照して本発明を詳細に説明する。但し、本発明は例示的実施例によって制限又は限定されるものではない。各図面に提示された同一参照符号は実質的に同一の機能を果たす部材を示す。
【0026】
本発明の目的及び効果は、下記の説明によって自然に理解されるか、より明らかになり、下記の記載に限って本発明の目的及び効果が限定されるものではない。また、本発明を説明するにおいて本発明に係る公知技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を無用にぼかせると判断される場合にはその詳細な説明を省略することにする。
【0027】
図1は、本発明の実施例に係る爪装飾物の生成システム1の構成図を示す。
【0028】
爪装飾物の生成システム1は、ネイルアートと呼ばれる爪の上に付着して爪を飾る装飾物を生成するにおいて、各爪の3次元形状を測定し、測定された爪の形態に合うように爪装飾物を生成することができる。爪装飾物の生成システム1は、爪を測定して爪装飾物を生成することができ、この時爪装飾物は、各爪に対して個別的に生成することができる。また、爪装飾物の生成システム1は、足の爪の測定及び足の爪の装飾物生成にも適用することができる。爪装飾物の生成システム1で生成される爪装飾物は、爪に付着するシールの形態であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0029】
一方、人の爪は平たい断面ではなく屈曲を形成して曲がった形態である。この時、屈曲は大きく横方向と縦方向(長さ方向)に形成されることができる。そのため、本発明の爪装飾物の生成システム1は、このような爪の曲面を考慮して爪の形状を3次元で測定することを技術的特徴とする。以下、図4Aの爪を基準で横方向の屈曲を横屈曲、縦方向の屈曲を縦屈曲といい、以下説明する。
【0030】
爪装飾物の生成システム1は、イメージ受信部10、分析部30及びネイルイメージ生成部50を含む。
【0031】
イメージ受信部10は、使用者の爪が地上、側面又は正面で撮影された爪に対して撮影された爪イメージであって、鳥瞰図、側面図又は正面図イメージを受信することができる。爪イメージは爪の3次元形状を把握するために多角度で測定されることができる。
【0032】
爪の鳥瞰図イメージは、以下図3Aのように、手の甲が上向きになるように置かれた状態で手の甲と連結される爪甲(nail plate)が撮影されたイメージである。鳥瞰図イメージは、爪装飾物の生成システム1で生成される爪装飾物の付着する面が撮影されたものと理解される。鳥瞰図イメージは分析部30のサイズ測定部340で爪の横又は縦のサイズを測定することに用いられる。
【0033】
爪の側面図イメージは、図4Cのように、爪の両側面で撮影されたイメージであってもよい。したがって、側面図イメージは両側面が撮影されるので、各爪ごとに2枚であってもよい。爪は広い面積の中央部を中心として両側面に屈曲した曲面を形成することができる。但し、この時、両方の屈曲した程度は対称されずに互いに異なることもある。屈曲した程度が爪両方で異なることにより、爪両側を固定する肌(爪壁、nail wall)と触れる爪の側面端部から爪体の中央部までの高さが異なることもある。より詳しくは、爪が横に屈曲していなければ、爪は平たい形態である。これに比べて爪が横に屈曲した程度が大きければ平たい爪に比べて爪の両側面は爪の奥の方へさらにくい込む形状となり、これは側面から見た時、爪の側面と中央の高さの差を生成することになる。そのため、分析部30で爪曲面の曲率を測定するにおいて、爪の両方で撮影された側面図イメージを全部用いることができる。
【0034】
また、爪は縦で屈曲して縦屈曲を形成する。すなわち、爪体で爪根(nail root)又は爪と指がつながる部分のキューティクル位置から爪先(自由縁、free edge)までは平たい直線ではなく、曲がって屈曲を形成する。したがって、側面図イメージは爪の側面で撮影することによって、爪体が上に凸な形状を含むことができ、このような曲線は曲率計算部30で爪の3次元形状を計算することに用いられる。
【0035】
爪の正面図イメージは図4Bのように、爪の端部を正面から見た角度で撮影されたイメージである。正面図イメージは爪曲面の横屈曲の屈曲した程度を測定することに用いられる。側面図イメージと正面図イメージは、曲率計算部3503で爪の横屈曲の曲率を測定するにおいて互いに補完的な資料として用いられる。すなわち、正面図イメージは爪の正面から爪が両側に屈曲した程度を測定することができ、側面図イメージは爪の側面と爪体中央部との高さを測定するので、正面図イメージで測定された爪の横屈曲の曲率に高さの情報を反映して、より正確な曲率を計算することができる。
【0036】
分析部30は鳥瞰図、側面図又は正面図イメージを通じて使用者の爪に対する3D爪イメージを生成することができる。分析部30は鳥瞰図イメージで爪体の寸法を測定し、爪が屈曲した曲率を計算して爪の立体的な形状を分析することができる。ここで寸法は爪のサイズをいい、爪体の横長さ又は縦長さを含む。分析部30は、以下図2で爪測定システム30と類似の機能を行うことができる。分析部30に関する詳しい説明は以下図2で後述する。
【0037】
ネイルイメージ生成部50は使用者によって既選択された装飾イメージを上記3D爪イメージに結合して3Dネイルイメージを生成することができる。図1に示してはいないが、爪装飾物の生成システム1はネイル装飾物に適用される複数の装飾イメージを使用者に提供することができる。使用者は複数の装飾イメージの中で自分の爪装飾物に適用される装飾イメージを選択することができる。使用者によって、予め選択された装飾イメージに関する情報はネイルイメージ生成部50に送られ、分析部30で生成された3D爪イメージに反映されることができる。したがって、爪装飾物の生成システム1はイメージ受信部10で受信された多角度の爪イメージを通じて分析部30で爪の立体的な形状を生成し、ネイルイメージ生成部50で選択された装飾イメージを適用することで、各使用者の個別爪に適合したオーダーメイド型爪装飾物を生成することができる。
【0038】
図2は、本発明の実施例による爪測定システム30の構成図を示す。
【0039】
爪測定システム30は、図1で爪装飾物の生成システム1の分析部30と類似の機能を行うことができる。したがって、本発明の爪測定システム30は、使用者の個別爪を3次元形状に正確に測定することができることを特徴とし、爪測定システム30は使用者オーダーメイド型爪装飾物を生成することに用いられることができると理解される。
【0040】
爪測定システム30は、受信部310、客体認識部320、撮影角度分析部330、サイズ測定部340、曲率計算部350、長さ補正部360、イメージ生成部370及び保存部380を含む。
【0041】
受信部310は、爪に関する鳥瞰図、側面図又は正面図イメージを受信することができる。受信部310は、イメージ受信部10が受信した鳥瞰図、側面図又は正面図イメージを受信することができ、これを3D爪イメージを生成することに用いることができる。
【0042】
受信部310が受信した鳥瞰図、側面図又は正面図イメージは爪を含んだ手を撮影したイメージであり、各爪を個別的に撮影したものでもよく、又は複数の爪をともに撮影したイメージであってもよい。鳥瞰図、側面図又は正面図イメージは爪又は手と色などが異なって区分できる背景で撮影されたものでもよい。
【0043】
また、鳥瞰図、側面図又は正面図イメージには爪とともに背景カードが撮影されてもよい。背景カードは爪のサイズ測定のために基準長さが表示されてもよい。背景カードに表示される基準長さは固定されずに使用者の設定によって単位を異にすることができる。以下図3A乃至図3Cを参考すると、背景カードは矩形状であり、爪又は指の下で爪とともに撮影されることによって、背景カードから外れた範囲のその他の背景と爪を明確に区分させることができる。背景カードはサイズ測定部340で爪の寸法測定時、爪の横幅又は縦長さを測定することに用いられる。
【0044】
客体認識部320は、鳥瞰図、側面図又は正面図イメージで個別爪を認識することができる。客体認識部320は背景カードもともに撮影された鳥瞰図、側面図又は正面図イメージで1次的に背景カードを認識して認識範囲を狭く設定することができる。その後、客体認識部320は2次的に背景カードの境界範囲内で個別爪を認識することができる。この時、客体認識部320は爪の形状に対するディープラーニング客体認識学習が予め行われ、学習結果を保存することができる。客体認識部320は既学習された客体認識技術を爪認識に適用し、これを通じて爪領域を認識することができる。
【0045】
撮影角度分析部330は、爪イメージが撮影された撮影角度を分析することができる。爪イメージは撮影方向によって爪が異なるように撮影されることがあり、特に本発明は爪曲面の曲率を計算して爪の立体形状を把握するが、この時爪は立体的な形状であるため見る方向によってサイズが異なるように認識されることがあり、特に爪の曲面は見る方向によって曲率が異なることがある。より詳細に、爪の鳥瞰図イメージで爪が指の長さ方向を軸に左又は右に回転された場合には、爪が指面に触れて指面と水平に位置する場合よりも爪の横幅の長さが短く測定されることがある。そのため、撮影角度分析部330は鳥瞰図イメージに対して、爪が位置した指面の垂直方向を基準として鳥瞰図イメージが撮影された撮影角度を分析することができる。
【0046】
また、爪の側面図イメージで爪が指の長さ方向を軸に上又は下に回転された場合を仮定してみると、爪又は爪を含む指は、指の長さ方向を軸とする回転のみ可能であるが、見る方向によって左右(鳥瞰図又は正面図)又は上下(側面図)に回転されると理解される。爪が側面方向から上方に回転される場合には下方に回転される場合よりも爪側面における高さが短く測定されることがある。そのため、撮影角度分析部330は側面図イメージに対して、爪体(nail body)の中央部を基準として側面図イメージが撮影された撮影角度を分析することができる。
【0047】
撮影角度分析部330は爪イメージが撮影された撮影角度を分析して、鳥瞰図、側面図又は正面図イメージを元の撮影基準線に補正するか、又は分析結果をサイズ測定部340又は曲率計算部350に伝送して、サイズ測定部340又は曲率計算部350でサイズを測定するか曲率を計算時補正資料として用いることができる。
【0048】
サイズ測定部340は鳥瞰図イメージで爪断面の寸法を測定することができ、より詳細には2次元爪断面の幅(width)又は縦(高さ)を測定することができる。爪は立体的な形状である点を考慮し、サイズ測定部340はまず2次元爪断面の寸法を測定し、以後曲率計算部350で爪の曲率を測定して爪断面寸法を補正することで、より正確な立体形状を把握することができる。
【0049】
断面の鳥瞰図イメージは爪体全般に対して撮影されたイメージであるため、爪の全体的な形状とサイズを把握することに用いることができる。但し、この時、サイズ測定部340で測定される幅(width)又は縦(高さ)の長さは鳥瞰図イメージ上における直線距離であってもよい。すなわち、鳥瞰図イメージは爪が左右又は上下に曲がったことが反映されないので、サイズ測定部340は曲がることによって長さが短くなることは考慮せずに爪断面における直線距離のみを測定することになる。ここで、爪の横方向に対して断面における直線距離と屈曲を考慮した横の長さを区分するために、サイズ測定部340が測定する長さは「幅」といい、以後計算された曲率を反映して長さ補正部360で算出する長さは「弧の長さ」という。
【0050】
一方、爪は一般的に横方向には爪根部分の幅が狭く、爪根から爪の端部に行くほど幅が広くなって自由縁(free edge)のすぐ前の下爪皮(自由縁の下部分の突出された肌)の近くで幅が最も広い。そのため、サイズ測定部340はこのような爪の特性を考慮し、爪根の幅と自由縁の境界部分の幅を測定することができる。
【0051】
また、爪は一般的に端部が凸な弧の形態であって、縦方向では中心部が最も長い。よって、サイズ測定部340は爪長さが最も長い中心部を測定することができる。
【0052】
サイズ測定部340は、鳥瞰図イメージで爪とともに撮影された背景カードを用いて爪の寸法を測定することができる。サイズ測定部340は鳥瞰図イメージで爪の境界の弧の長さを測定することができる。爪の境界は爪の外郭を決めるもので、指の肌と連結された爪の領域を区分する境界となる線を意味する。爪の境界線の弧とは、爪先の部分である自由縁(free edge)、爪根の部分又は爪根の部分と両側面がつながる角部分が丸い形態を意味する。爪の境界線の弧の長さを測定する方法は以下図4A及び図4Dで詳細に説明する。
【0053】
曲率計算部350は、正面図イメージ及び側面図イメージを用いて爪の曲面に対する曲率を計算することができる。曲率計算部350は正面測定部3501及び側面測定部3503を含んでもよい。
【0054】
正面測定部3501は、正面図イメージで爪の両側面が曲がった屈曲値を測定することができる。正面測定部3501が両側面の屈曲値を測定する方法は以下図4B及び図4Dで詳細に説明する。側面測定部3503は、爪体の中央部と側面部との間の高さを測定することができる。曲率計算部350は正面測定部3501で測定された正面の曲率と側面測定部3503で測定された爪高さを用いて爪の両側面が曲がった程度を測定することができる。また、側面測定部3503は、側面図で爪体が長さ方向に曲がった屈曲値を測定することができる。側面測定部3503の屈曲値を測定する方法は、以下図4C及び図4Dで詳細に説明する。
【0055】
長さ補正部360は、曲率計算部350の計算結果をサイズ測定部340で測定された寸法に反映して寸法を補正することで爪曲面の長さを算出することができる。より詳細に、長さ補正部360は爪の横方向の長さにおいて、サイズ測定部340で測定された横幅に対して曲率計算部350で測定された両側面の屈曲値を反映して、幅長さを確張して横方向の弧の長さに補正することができる。また、長さ補正部360は爪の縦方向の長さにおいて、サイズ測定部340で測定された縦(高さ)長さに対して曲率計算部350で測定された爪体の長さ方向に曲がった屈曲値を反映し、縦長さを確張して縦方向の弧の長さに補正することができる。
【0056】
イメージ生成部370は、サイズ測定部340及び曲率計算部350の算出結果を総合して曲がった爪に対する3D爪イメージを生成することができる。イメージ生成部370は実際の使用者の各爪に対して個別的な3D爪イメージを生成することができ、3D爪イメージは横方向又は縦方向に曲がった曲率が反映されることができる。
【0057】
保存部380は、イメージ生成部370で生成された3Dイメージを使用者又は各爪によって区分して保存することができる。保存部380は個別使用者の各爪に対する3Dイメージをカテゴリー化して保存するので、以前に爪測定システム30を用いて爪を測定した使用者は以後に爪測定をしなくてもよい。但し、爪は時間が経つによって長さが長くなったり、模様を変形させたりする。爪測定システム30は使用者の爪の形態の変化に伴って再測定することで使用者の各爪の形態に関する情報を追加的に更新して活用することができる。
【0058】
図3は、本発明の実施例による客体認識部320で爪を認識する様子を示す。図3Aは、使用者の複数個の爪に対する爪イメージが撮影される様子である。客体認識部320で、より正確な爪の認識のために爪イメージは図3Aのように背景カードの上に手をのせたまま撮影することが勧められる。図3Bは、客体認識部320が爪イメージから背景カードを認識する様子である。本発明の実施例による背景カードは矩形状であってもよく、背景カードを認識することで爪と背景カード以外のその他の背景は除去して認識対象範囲を狭めることができる。図3Cは、客体認識部320が複数個の爪を認識する様子である。客体認識部320は、図3Bで狭められた背景カードの範囲内で指と区分される爪領域を抽出することができる。この時、客体認識部320は個別爪に対して認識可能であり、複数個の爪を一度に認識することができる。
【0059】
図4は、本発明の実施例による曲率計算部350で爪の曲率を計算する様子を示す。図4Aはサイズ測定部340が鳥瞰図イメージで2次元爪断面の幅w、w、縦(高さ)h、h、h又は爪の境界線の弧の長さl乃至lを測定する様子である。前述のように、爪は爪根部分の幅が最も狭く、爪体と自由縁の境界部分の幅が最も広い。したがって、サイズ測定部340は爪根の幅wと爪体と自由縁の境界部分の幅wを測定して爪幅の範囲を測定することができる。
【0060】
サイズ測定部340は縦方向であって、爪体と自由縁の境界部分の幅wを基準として、爪の縦長さを区分することができる。図4Aを参考すると、自由縁の長さhと爪体部分hを区分して爪の全体縦長さhを測定することができる。爪の全体縦長さhを自由縁の長さhと爪体部分hに区分する理由は、爪体部分hは長さが一定である反面、自由縁の長さhは長さ変形が可能であるからである。また、縦方向に曲がった屈曲も爪体部分と自由縁部分が異なる場合もあるので、これを区分して測定することができる。
【0061】
また、サイズ測定部340は爪の境界線の弧の長さl乃至lを測定することができる。爪の境界線の弧は爪先の部分である自由縁l、爪根部分l又は爪根部分と両側面がつながる角部分の丸い形態lを含むことができる。爪の境界線の弧の長さは曲がった部分を全体円の一部分と仮定して、該当弧部分を確張して弧と曲率が同一の円を生成する方法を通じて計算することができる。すなわち、生成された円の半径を測定し、弧の両端との間の角度θを測定することで、爪の境界線がなす弧の長さを計算することができる。
【0062】
より詳しくは、自由縁の弧の長さlは自由縁が形成する弧が円の一部になるように自由縁の弧と同一の曲率を有する円を生成し、その円の半径rを測定する。また、自由縁が形成した両端の角度θを測定することで、自由縁の弧が全体円の中で占める長さlを測定する。すなわち、lは下記数学式1のように算出することができる。
【0063】
【数1】
【0064】
(lは、弧の長さ、rは半径の長さ、θは弧の両端がなす角度を意味する。)
【0065】
この時、自由縁が形成した弧lの両端の角度θは、図4Dを通じて次のように算出されることができる。図4Dは円の三つの点(円の中心C、円の上の二つの点P、Q)を用いてθを算出する様子を示す。図4Dの円をより一般化すると、x+y+Ax+By+c=0と表現することができる。この時、円の中心Cは、(-A/2、-B/2)であり、半径rは、
と表現することができる。
【0066】
ここで、図4Dの円の中心C(-A/2、-B/2)は、図4Aで生成した円の中心であってもよい。図4Dの円の上の二つの点P(x、y)、Q(x、y)は、図4Aの自由縁の両端点であってもよい。したがって、円の中心C、円の上の二つの点P、Qは、既に知っているので、三つの点を用いてθを算出することができる。
【0067】
まず、円の中心C(-A/2、-B/2)と円の上の点P(x、y)で形成される直線
の勾配(m)を算出することができる。m
と表現することができる。同様に、C(-A/2、-B/2)と円の上の点Q(x、y)を通じて直線
の勾配m
を算出することができる。mとmがなす交角に対し、次のような数学式2を通じてθを算出することができる。
【0068】
【数2】
【0069】
爪根部分の弧の長さl、爪根部分と両側面がつながる角部分lも前述したθ及びlを算出した方法と同様の方法で計算することができる。
【0070】
また、サイズ測定部340は弧と円の関係に対する関係式を学習して予め学習された学習結果を通じてlに対する結果を算出することができる。したがって、サイズ測定部340は鳥瞰図イメージで撮影された爪の断面に対する寸法を測定することができる。
【0071】
図4Bは曲率計算部350の正面測定部3501が正面図イメージを通じて爪の両側面が曲がった形態を反映して横方向の弧の長さlを測定する様子である。l図4Aで前述したような方法で計算することができる。すなわち、lを円の一部とする円を生成してrを測定し、これを通じてlを計算することができる。図4Bを参考すると、lはwより長さが長いことを確認することができる。すなわち、lはw+αであってもよく、αは爪の曲がった程度によって異なる。
【0072】
図4Cは曲率計算部350の側面測定部3503が側面図イメージを通じて爪体が曲がった形態を反映して縦方向の弧の長さlを測定する様子である。lを測定する方法は前述した方法と同一である。また、爪の側面図イメージを通じて、爪が縦長さの区分をより明確にすることができる。
【0073】
図5は、サイズ測定部340と曲率計算部350で測定及び計算された結果を通じて使用者の爪に合う3D爪イメージを生成して使用者の爪に適用した様子である。
【0074】
以上のように、代表的な実施例を通じて本発明を詳細に説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は上述した実施例に対して本発明の範疇から逸脱しない限度内で多様な改変が可能であることは容易に理解するはずである。したがって、本発明の権利範囲は説明した実施例に限って決められてはいけなく、後述する特許請求の範囲のみならず、特許請求の範囲と均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態によって決められなければならない。
【符号の説明】
【0075】
1 爪装飾物の生成システム
10 イメージ受信部
30 分析部(爪測定システム)
310 受信部
320 客体認識部
330 撮影角度分析部
340 サイズ測定部
350 曲率計算部
3501 正面測定部
3503 側面測定部
360 長さ補正部
370 イメージ生成部
380 保存部
50 ネイルイメージ生成部

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5