(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106471
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】集魚灯
(51)【国際特許分類】
A01K 79/00 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
A01K79/00 H
A01K79/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010737
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000230630
【氏名又は名称】株式会社ルミカ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】池田 紫郎
(72)【発明者】
【氏名】日原 剛
【テーマコード(参考)】
2B105
【Fターム(参考)】
2B105LA07
2B105LA12
2B105LA19
(57)【要約】
【課題】魚等の獲物を集める集魚機能を一層高めることができる集魚灯を提供することを目的とする。
【解決手段】光を発する光発生部3と、音を発する音発生部5と、光発生部3と音発生部5とが収容されている閉空間9を備えており、光発生部3が発した光が透過し、音発生部5が発した音を伝える筐体7とを有する集魚灯1である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する光発生部と、
音を発する音発生部と、
前記光発生部と前記音発生部とが収容されている閉空間を備えており、前記光発生部が発した光が透過し、前記音発生部が発した音を伝える筐体と、
を有する集魚灯。
【請求項2】
前記音発生部は、前記光発生部が発した光を散乱させる1つもしくは複数の粒状体で構成されている請求項1に記載の集魚灯。
【請求項3】
前記筐体は、第1の筐体構成体と第2の筐体構成体とに分離できるように構成されており、前記第1の筐体構成体に前記第2の筐体構成体が設置されていることで前記閉空間が形成されるように構成されており、
前記筐体が、第1の筐体構成体と第2の筐体構成体とに分離されたときに、前記閉空間内に収容されていた前記1つもしくは複数の粒状体を前記筐体から取り出し、また、前記1つもしくは複数の粒状体を前記筐体に入れることができるように構成されている請求項2に記載の集魚灯。
【請求項4】
前記音発生部は、前記光発生部が発した光を散乱させる1つもしくは複数の鈴(57)で構成されている請求項1に記載の集魚灯。
【請求項5】
前記筐体の外面には、前記光発生部が発した光を散乱させるための複数の凹部が設けられている請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の集魚灯。
【請求項6】
光を発する光発生部と、
前記光発生部が発した光を散乱させる1つもしくは複数の粒状体と、
前記光発生部と、前記1つもしくは複数の粒状体とが収容されている閉空間を備えており、前記光発生部が発した光が透過する筐体と、
を有する集魚灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集魚灯に係り、特に、光を発するものに関する。
【背景技術】
【0002】
釣りや漁で使用される集魚灯として、従来より、様々なものが知られている(特許文献1参照)。集魚灯には、この機能を高めるための工夫がされている。特許文献1に記載の集魚灯には、青色系発光ダイオード(LED)と白色系LEDとが設けられている。そして、水中に沈めたときに、青色系LEDによって小魚を集め、白色系LEDによって周囲の状況を水上から視認しやすくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、集魚灯においては、魚等の獲物を集める集魚機能を一層高めたいという要望がある。本発明は、上記要望に鑑みてなされたものであり、魚等の獲物を集める集魚機能を一層高めることができる集魚灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様に係る集魚灯は、光を発する光発生部と、音を発する音発生部と、前記光発生部と前記音発生部とが収容されている閉空間を備えており、前記光発生部が発した光が透過し、前記音発生部が発した音を伝える筐体とを有する集魚灯である。
【0006】
また、本発明の態様に係る集魚灯では、前記音発生部が、前記光発生部が発した光を散乱させる1つもしくは複数の粒状体で構成されている。
【0007】
また、本発明の態様に係る集魚灯では、前記筐体が、第1の筐体構成体と第2の筐体構成体とに分離できるように構成されており、前記第1の筐体構成体に前記第2の筐体構成体が設置されていることで前記閉空間が形成されるように構成されており、前記筐体が、第1の筐体構成体と第2の筐体構成体とに分離されたときに、前記閉空間内に収容されていた前記1つもしくは複数の粒状体を前記筐体から取り出し、また、前記1つもしくは複数の粒状体を前記筐体に入れることができるように構成されている。
【0008】
また、本発明の態様に係る集魚灯では、前記音発生部が、前記光発生部が発した光を散乱させる1つもしくは複数の鈴で構成されている。
【0009】
また、本発明の態様に係る集魚灯では、筐体の外面に、前記光発生部が発した光を散乱させるための複数の凹部が設けられている。
【0010】
また、本発明の態様に係る集魚灯は、光を発する光発生部と、前記光発生部が発した光を散乱させる1つもしくは複数の粒状体と、前記光発生部と、前記1つもしくは複数の粒状体とが収容されている閉空間を備えており、前記光発生部が発した光が透過する筐体とを有する集魚灯である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、魚等の獲物を集める集魚機能を一層高めることができる集魚灯を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る集魚灯を示す図であり、(b)は(a)におけるIB矢視図であり、(c)は(a)におけるIC矢視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る集魚灯の分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る集魚灯の概略構成を示す図であり、(b)は(a)におけるIIIB矢視図であり、(c)は(a)におけるIIIC矢視図であり、(d)は(a)におけるIIID-IIID断面を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る集魚灯を構成する鈴を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係る集魚灯(集魚ライト)1は、水中に沈めて使用するものである。このように使用される集魚灯1を水中集魚灯と呼んでもよい。集魚灯がたとえば夜の暗い海の中で光を放つとプランクトンやエビなどが照らされ、それらを餌とする魚等の獲物が集まってくる。なお、集魚灯を水面に浮かせて使用してもよい。この場合、集魚灯はウキとして使用されていると言える。
【0014】
ここで、説明の便宜のために、集魚灯1における所定の一方向を上下方向とする。集魚灯1は、
図1から
図3で示すように、光発生部3と音発生部5と筐体7とを備えて構成されている。
【0015】
光発生部3は、光(たとえば可視光)を発するようなっている。光発生部3は、たとえばLED45によって光を発するようになっている。音発生部5は、音を発するようになっている。
【0016】
筐体7は、筐体7の外部から、水が入らないように隔たっている閉空間9を備えており、光発生部3と音発生部5とは、閉空間9内に収容されている。そして、光発生部3が発した光が筐体7を透過し、筐体7の肉部を通った光が筐体7の外部に出てくるようになっている。また、音発生部5が発した音を筐体7が伝え、筐体7の肉部を通った音が筐体7の外部に出てくるようになっている。
【0017】
筐体7は、透明もしくは半透明の合成樹脂で構成されている。なお、上記透明は無色透明であるが、上記透明が有色透明であってもよい。また、上記半透明は無色半透明であるが、上記透明が有色半透明であってもよい。なお、筐体7が透明もしくは半透明のガラス等の合成樹脂以外の材料で構成されていてもよい。
【0018】
光発生部3が発した光が筐体7の肉部(合成樹脂)を透過することで、筐体7の外面が発光するようになっている。音発生部5が発した音が筐体7の肉部を通ることで、音発生部5が発した音を筐体7の外部で聞くことができるようになっている。
【0019】
音発生部5は、光発生部3が発した光を散乱させる複数の粒状体11を備えて構成されている。なお、音発生部5が、光発生部3が発した光を散乱させる1つの粒状体11で構成されていれもよい。
【0020】
粒状体11は、筐体7の閉空間9内に収容されている。粒状体11は、たとえば、透明もしくは半透明な合成樹脂で構成されている。なお、筐体7と同様に、上記透明は無色透明であるが、上記透明が有色透明であってもよい。また、上記半透明は無色半透明であるが、上記透明が有色半透明であってもよい。さらに、粒状体11がガラス、金属等の他の材料で構成されていてもよい。
【0021】
粒状体11は、光発生部3が発した光を粒状体11の外面で反射し、光発生部3が発した光を屈折させて粒状体11の内部(肉部)を透過させる等することで、光発生部3が発した光を散乱させるようになっている。なお、粒状体11が金属で構成されている場合にあっては、光発生部3が発した光を、もっぱら粒状体11の外面で反射することで、光発生部3が発した光を散乱させるようになっている。
【0022】
1つの粒状体11が閉空間9内に収容されている態様では、1つの粒状体11が筐体7の中で筐体7に対して動けるようになっている。そして、筐体7(集魚灯1)を振る等して、筐体7に加速度が加わったときに、1つの粒状体11が筐体7にぶつかることで、音が出るようになっている。
【0023】
複数の粒状体11が閉空間9内に収容されている態様では、複数の粒状体11のそれぞれは、筐体7の中で筐体7に対して動けるようになっている。そして、筐体7を振る等して、筐体7に加速度が加わったときに、複数の粒状体11が互いにぶつかり、また、粒状体11が筐体7にぶつかることで、音が出るようになっている。
【0024】
また、粒状体11が蛍光物質を含んでいてもよい。そして、光発生部3が発した光の波長とは異なる波長の光を粒状体11が発するようになっていてもよい。たとえば、光発生部3が可視光ではなく紫外線を発し、この紫外線を受けて粒状体11が可視光を発するようになっていてもよい。また、光発生部3が青色の光を発し、この青色の光を受けて粒状体11が赤色の光を発するようになっていてもよい。
【0025】
さらに、粒状体11が様々な蛍光物質を含んでおり、光発生部3が発した光により、複数の粒状体11が異なった色を発するようになっていてもよい。たとえば、第1群の粒状体11が青色を発し、第2の群の粒状体11が赤色を発するようになっていてもよい。さらに、粒状体11と同様に筐体7が蛍光物質を含んでいてもよい。
【0026】
筐体7は、第1の筐体構成体(下側筐体構成体)13と第2の筐体構成体(上側筐体構成体)15とに分離できるように構成されている。第2の筐体構成体15は、第1の筐体構成体13に対して容易に着脱できるようになっている。
【0027】
第1の筐体構成体13に第2の筐体構成体15が設置されていることで、第1の筐体構成体13と第2の筐体構成体15とが互いに一体化し、閉空間9が形成されるように構成されている。
【0028】
また、筐体7が、第1の筐体構成体13と第2の筐体構成体15とに分離されたときに、第1の筐体構成体13に開口部(第1の開口部)17が現れ、第2の筐体構成体15に開口部(第2の開口部)19が現れるようになっている。
【0029】
集魚灯1では、第1の開口部17を通して、閉空間9内に収容されていた1つもしくは複数の粒状体11を筐体7から取り出すことができるように構成されている。また、集魚灯1では、第1の開口部17を通して、1つもしくは複数の粒状体11を筐体7に入れることができるように構成されている。
【0030】
これにより、集魚灯1では、筐体7の閉空間9内に収容されている1つもしくは複数の粒状体11を、他の形態の1つもしくは複数の粒状体11に交換することができるようになっている。また、筐体7の閉空間9内に収容されている粒状体11の個数を変更することができるようになっている。
【0031】
筐体7の外面には、
図1、
図2で示すように、光発生部3が発した光を散乱させるための複数の凹部21が設けられている。なお、
図3では、凹部23の表示を省略している。
【0032】
ここで、集魚灯1についてさらに詳しく説明する。筐体7の外形形状は、上下方向に長い紡錘形状になっている。筐体7の肉部の厚さは概ね一定になっている。閉空間9の形状は、上下方向に長く、筐体7の外形よりも僅かに小さい紡錘形状になっている。
【0033】
さらに説明すると、筐体7は、円錐台状の下側部位25と、円柱状の中間部位27と、下側部位25と同様な円錐台状の上側部位29とで、上下方向に長い紡錘形状になっている。筐体7は、中間部位27のところで、第1の筐体構成体13と第2の筐体構成体15とに分離されるようになっている。分離された第1の筐体構成体13の上端には、円形の第1の開口部17が形成されており、分離された第2の筐体構成体15の下端には、円形の第2の開口部19が形成されている。
【0034】
第1の筐体構成体13の円筒状部位(中間部位27の上側の部位)の内面には、メスネジ31が設けられている。第2の筐体構成体15の円筒状部位(中間部位27の下側の部位)の外面には、オスネジ33が設けられている。第1の筐体構成体13のメスネジ31に第2の筐体構成体15のオスネジ33が螺合することで、第1の筐体構成体13と第2の筐体構成体15とが一体化し、筐体7が得られるようになっている。
【0035】
第1の筐体構成体13と第2の筐体構成体15との接合部には、閉空間9の気密性を確保するためのシール材(たとえばOリング)35が設けられている。
【0036】
第1の筐体構成体13の凹部23は、第1の筐体構成体13の下側部位25の外面と、第2の筐体構成体15の上側部位29の外面とに設けられている。第1の筐体構成体13の下側部位25に設けられている凹部23は、第1の筐体構成体13の外面から第1の筐体構成体13の中心側に凹んでいるとともに、上下方向に長く延びている。
【0037】
第1の筐体構成体13の凹部23の断面形状(凹部23の長手方向に対して直交する平面による断面の形状)は、弓形状になっている。第1の筐体構成体13の凹部23の幅寸法の値は、上側から下側に向かうにしたがって僅かずつ次第に小さくなっている。また、第1の筐体構成体13の凹部23は、複数設けられており、第1の筐体構成体13の下側部位25の円周を当分配する位置に配置されている。
【0038】
第2の筐体構成体15の凹部23は、第1の筐体構成体13と同様になって設けられている。すなわち、第2の筐体構成体15の上側部位29に設けられている凹部23は、第2の筐体構成体15の外面から第2の筐体構成体15の中心側に凹んでいるとともに、上下方向に長く延びている。第2の筐体構成体15の凹部23の幅寸法の値は、下側から上側に向かうにしたがって僅かずつ次第に小さくなっている。また、第2の筐体構成体15の凹部23は、複数設けられており、第2の筐体構成体15の上側部位29の円周を当分配する位置に配置されている。
【0039】
筐体7(第1の筐体構成体13)の下端から下側には、ラインアイ37が突出している。ラインアイ37は金属で構成されており、固定体37と回動体39とを備えて構成されている。固定体37は、第1の筐体構成体13に一体的に設けられている。回動体39は、固定体37の下側で固定体37に支持されており、上下方向に延びている固定体37と回動体39との中心軸を回動中心にして、固定体37に対して回動するようになっている。回動体39には、道糸等を通すための貫通孔43が形成されている。筐体7(第2の筐体構成体15)の上端から上側にも、第1の筐体構成体13と同様に、ラインアイ37が突出している。
【0040】
粒状体11として、たとえば、ブリリアンカットされたような形状のものが、採用されている。なお、粒状体11として、正4面体、正6面体、正8面体、正12面体、正20面体や、その他の多面体状のもの、球状、回転楕円体状のもの、背の低い筒状のものを採用してもよい。また、粒状体11として、ビーズを採用してもよい。
【0041】
複数の粒状体11が設けられている場合、複数の粒状体11の形状、大きさ、色は、互いが一致しているが、複数の粒状体11の形状、大きさ、色が、互いに異なっていてもよい。
【0042】
閉空間9には、LED45用の回路等が設けられている基板(回路基板)47が設けられている。基板47はたとえば円板状に形成されている。基板47は、厚さ方向が上下方向になっているとともに、上下方向で筐体7の閉空間9の中央部に配置されている。また、基板47は、上下方向で第1の筐体構成体13と第2の筐体構成体15とによって挟まれており、筐体7と一体化している。
【0043】
基板47を間にして、閉空間9が、下側空間49と上側空間51とに分かれている。LED45は、基板47の下面に設けられており、下側空間49内に位置している。粒状体11は、下側空間49内に入っている。なお、粒状体11によって基板47の回路が傷つくことを防止するために、回路を基板47の下面に設けないようにしてもよい。また、粒状体11によってLED45が傷つくことを防止するために、LED45を透明カバー等で覆ってもよい。
【0044】
上側空間51には、電池53が入っている。第1の筐体構成体13に第2の筐体構成体15が設置された状態では、電池53は筐体7と一体化している。電池53は、粒状体11の場合と同様にして、筐体7を第1の筐体構成体13と第2の筐体構成体15とに分離することで交換することができるようになっている。
【0045】
また、上側空間51には、電池53の電力を基板47に供給するための導電体55が設けられている。
図1、
図3で示すように、メスネジ31のオスネジ33に螺合し終え第1の筐体構成体13に第2の筐体構成体15が設置された状態にする。すると、第1の筐体構成体13と第2の筐体構成体15とが互いに一体化するとともに、電池53の電力が基板47に供給される。そして、集魚灯1の電源がオン状態になり、LED45が点灯し、集魚灯1が使用できる状態になる。
【0046】
一方、LED45が発光している状態から、メスネジ31に対してオスネジ33を少しだけ緩める。すると、電池53からの基板47への電力の供給が停止し、LED45が消灯するようになっている。なお、メスネジ31に対してオスネジ33を少しだけ緩めただけでは、第2の筐体構成体15が第1の筐体構成体13から分離されることは無い。
【0047】
ところで、LED45が発した光を、上側空間51に到達しやすくするために、基板47(回路等を除く基板本体)を、透明もしくは半透明は材料で構成してもよいし、厚さ方向で基板47を貫通する貫通孔を基板47に設けてもよい。なお、粒状体11は基板47の貫通孔を通過できないようになっている。
【0048】
また、LED45は、所定に色、所定の明るさで連続して発光するが、LED45が他の発光パターンで発光するようになっていてもよい。たとえば、LED45の発光色が変化し、LED45の発光の明るさが変化し、LED45が点滅するようにしてもよい。さらに、切り替えスイッチを設け、LED45の発光パターンを切り換えられるようにしてもよい。
【0049】
ここで、集魚灯1の動作について説明する。初期状態では、
図1、
図3で示す状態よりも、第2の筐体構成体15が第1の筐体構成体13に対して僅かに緩んでおり、LED45が消灯している。
【0050】
上記初期状態から、第2の筐体構成体15が第1の筐体構成体13に対して回動し、
図1、
図3で示す状態にすることで、閉空間9に水が入らないように、閉空間9が密閉され、LED45が点灯する。そして、LED45が発した光が、筐体7を透過して筐体7の外部に出てくる。また、LED45が発した光が、粒状体11で散乱し、筐体7を透過して筐体7の外部に出てくる。さらに、集魚灯1に加速度が加わると、粒状体11がぶつかり、この音が筐体7の外部に出てくる。
【0051】
集魚灯1では、光発生部3が発した光が筐体7を透過して筐体7の外部に出てくるようになっており、音発生部5が発した音が筐体7を伝わり筐体7の外部に出てくるようになっている。すなわち、集魚灯1は、発光するだけでなく音も出すようになっている。これにより、魚等の獲物が集魚灯1に一層興味を持ち、獲物を集める集魚機能を一層高めることができる。
【0052】
また、集魚灯1では、音発生部5が、光発生部3が発した光を散乱させる1つもしくは複数の粒状体11で構成されている。これにより、粒状体11という簡素な構成で音を発生させることができるとともに、粒状体11による光の散乱で、獲物が集魚灯1にさらに興味を持ち、獲物を集める集魚機能をさらに高めることができる。
【0053】
また、集魚灯1では、筐体7が、第1の筐体構成体13と第2の筐体構成体15とに分離されたときに、閉空間9内に収容されていた粒状体11を筐体7から取り出し、また、粒状体11を筐体7に入れることができるように構成されている。すなわち、集魚灯1では、筐体7の閉空間9内に収容されている粒状体11の個数を変えたり、他の形態の粒状体11に交換することができるようになっている。
【0054】
これにより、獲物の種類に応じて、集魚灯1が発する音、光の散乱の態様等を容易に変えることができ、捕獲対象をしぼって集魚機能をさらに高めることができる。
【0055】
また、集魚灯1では、筐体7の外面21に、光発生部3が発した光を散乱させるための複数の凹部23が設けられている。これにより、筐体7の外面21での発光の態様が多様化するようになっており、獲物が集魚灯にさらに興味を持ち、魚等の獲物を集める集魚機能をさらに高めることができる。
【0056】
ところで、集魚灯1において、音発生部5が、光発生部3が発した光を散乱させる1つもしくは複数の鈴57(
図4参照)で構成されていてもよい。
【0057】
鈴57は、球殻状に形成され裂け目61が設けられている殻状体59と、この殻状体59の内部に入っている球状体(図示せず)とを備えて構成されている。殻状体59や球状体はたとえば金属で構成されており、殻状体59の外面の光の反射率は高くなっており、光発生部3が発した光は殻状体59の外面で反射されるようになっている。
【0058】
球殻状とは、所定の第1の半径の第1の球から、上記第1の半径よりも僅かに小さい所定の第2の半径であって中心が上記第1の球の中心と一致する第2の球を取り除いた立体形状である。殻状体59は、球殻状に形成されていているので、殻状体59の外面、殻状体59の内面は、球面状になっている。すなわち、殻状体59の外面、殻状体59の内面が球面に近似した形状になっている。なお、殻状体59の外面、殻状体59の内面が完全な球面になっていてもよい。
【0059】
さらに、球殻状59の外面や内面が、回転楕円体、正多面体(たとえば正12面体や正20面体)等の他の立体の外面の形状になっていてもよい。
【0060】
裂け目61は、球殻状の殻状体59の肉部をこの厚さ方向で貫通しているとともに、所定の狭い幅で、殻状体59の所定の第1の箇所から殻状体59の所定の第2の箇所(第1の箇所から離れている第2の箇所)まで延びている。
【0061】
第1の箇所は殻状体59の一方の極点の近傍に位置しており、第2の箇所は殻状体59の他方の極点の近傍に位置している。上記他方の極点は、殻状体59の中心を間にして、上記一方の極点の反対側に位置している。
【0062】
すなわち、裂け目61は、殻状体59のほぼ半周にわたって形成されている。裂け目61の幅の値は、球状体の外径の値よりも小さくなっている。これにより、殻状体59の内部に入っている球状体が、殻状体59の外部に出てくることはない。
【0063】
1つの鈴57が閉空間9内に収容されている態様では、1つの鈴57が筐体7の中で筐体7に対して動けるようになっている。そして、筐体7(集魚灯1)を振る等して、筐体7に加速度が加わったときに、鈴57の殻状体59が筐体7にぶつかり音が出て、また、鈴57の球状体が鈴の殻状体59にぶつかり音が出るようになっている。
【0064】
複数の鈴57が閉空間9内に収容されている態様では、複数の鈴57のそれぞれは、筐体7の中で筐体7に対して動けるようになっている。そして、筐体7(集魚灯1)を振る等して、筐体7に加速度が加わったときに、鈴57の殻状体59が筐体7にぶつかり音が出て、複数の鈴57の殻状体59が互いにぶつかり音が出て、鈴57の球状体が鈴の殻状体59にぶつかり音が出るようになっている。
【0065】
このような集魚灯1では、光発生部3が鈴57で構成されているので、音色の異なった音を発生させることができる。たとえば、鈴57の殻状体59が筐体7にぶつかることでやや鈍い音色の音が発生し、鈴57の球状体が鈴の殻状体59にぶつかることでやや鋭い音色の音(たとえば周波数の高い音)が発生する。これにより、獲物が集魚灯にさらに興味を持ち、獲物を集める集魚機能をさらに高めることができる。
【0066】
なお、鈴57を用いた集魚灯1において、鈴57とともに、粒状体11を下側空間49内に入れてもよい。すなわち、
図3等で示した粒状体11に加えて、鈴57を下側空間49内に入れてもよい。
【0067】
また、上述した集魚灯1を、光を発する光発生部と、前記光発生部が発した光を散乱させる1つもしくは複数の粒状体と、前記光発生部と、前記1つもしくは複数の粒状体とが収容されている閉空間を備えており、前記光発生部が発した光が透過する筐体とを有する集魚灯として把握してもよい。
【0068】
このような集魚灯1では、光発生部が発した光が筐体を透過して筐体の外部に出てくるようになっており、また、光発生部が発した光が粒状態で散乱し筐体を透過して筐体の外部に出てくるようになっている。これにより、獲物が集魚灯に興味を持ち、獲物を集める集魚機能をさらに高めることができる。
【0069】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。たとえば、音発生部5が、内部空間9内に設けられたスピーカ等によって音を発するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 集魚灯
3 光発生部
5 音発生部
7 筐体
9 閉空間
11 粒状体
13 第1の筐体構成体
15 第2の筐体構成体
21 外面
57 鈴