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特開2024-106490トイレ用部材及びトイレ用部材の設置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106490
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】トイレ用部材及びトイレ用部材の設置方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/00 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
A47K17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010769
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 浩和
(72)【発明者】
【氏名】中村 さおり
【テーマコード(参考)】
2D037
【Fターム(参考)】
2D037EA00
2D037EA04
(57)【要約】
【課題】トイレ室の奥まで容易に掃除できるトイレ用部材及びトイレ用部材の設置方法を提供する。
【解決手段】トイレ室100において便器110の周辺に設置されるトイレ用部材10であって、少なくとも前記便器110の後端より前側に配置され、前記トイレ室100の床面102側から上方に立つ第1前面部21と、前記第1前面部21より後側に配置され、前記トイレ室100の床面102の上方を覆う第1上面部22と、を有する第1部材20を備え、前記第1部材20は、前記第1前面部21の後方及び前記第1上面部22の下方に、前記トイレ室100の壁面101及び床面102のいずれかに設けられて前記便器110に接続される便器接続部材103を収容する空間12が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ室において便器の周辺に設置されるトイレ用部材であって、
少なくとも前記便器の後端より前側に配置され、前記トイレ室の床面側から上方に立つ第1前面部と、前記第1前面部より後側に配置され、前記トイレ室の床面の上方を覆う第1上面部と、を有する第1部材を備え、
前記第1部材は、前記第1前面部の後方及び前記第1上面部の下方に、前記トイレ室の壁面及び床面のいずれかに設けられて前記便器に接続される便器接続部材を収容する空間が形成されている、トイレ用部材。
【請求項2】
前記第1部材は、前記便器の外周縁に沿った形状を有している、請求項1に記載のトイレ用部材。
【請求項3】
前記第1前面部の下部は、前記第1前面部の上部に比べて後方に位置している、請求項1から請求項2までの何れか一項に記載のトイレ用部材。
【請求項4】
前記第1部材と前記便器の前端部との間に充填部材が挟まれている、請求項1から請求項2までの何れか一項に記載のトイレ用部材。
【請求項5】
前記第1部材は、左右に分割された分割部材によって構成されている、請求項1から請求項2までの何れか一項に記載のトイレ用部材。
【請求項6】
前記第1部材と、
前記第1部材と前記トイレ室の壁面との間の隙間を覆う第2部材と、を備えている請求項1から請求項2までの何れか一項に記載のトイレ用部材。
【請求項7】
前記第2部材は、前記第1前面部と前後方向に重なる部分を有する第2前面部と、前記第1上面部と上下方向に重なる部分を有する第2上面部と、を有し、
前記第2前面部は、前記第1前面部と前記トイレ室の側壁面との間の隙間を覆い、
前記第2上面部は、前記第1上面部と前記トイレ室の側壁面との間の隙間を覆う、請求項6に記載のトイレ用部材。
【請求項8】
前記第2部材は、収納部を有している請求項6に記載のトイレ用部材。
【請求項9】
前記収納部は、収納物を上側から出し入れ自在な上面収納部を有している、請求項8に記載のトイレ用部材。
【請求項10】
前記収納部は、収納物を前側から出し入れ自在な前面収納部を有している、請求項8に記載のトイレ用部材。
【請求項11】
前記収納部は、トイレットペーパを引き出すスリットが形成されている、請求項8に記載のトイレ用部材。
【請求項12】
請求項7に記載のトイレ用部材をトイレ室に設置する方法であって、
前記トイレ室に前記第1部材を設置し、
前記第1部材と前記トイレ室の側壁面との間の隙間をなくすように前記第2部材を設置する、トイレ用部材の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレ用部材及びトイレ用部材の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレ室の壁面や床面には、便器を設置するための電気コンセントや給水管が設けられている。電気コンセントは、電気コードによって暖房便座等の電気機器に接続される。給水管は、配管によってタンクに接続される。例えば下記特許文献1には、電気コンセント及び給水管等をケースによって隠蔽する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-248605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トイレ室の便器の左右両側には、トイレ室の奥端まで狭い空間が形成されている。トイレ室の奥端にはほこりが溜まりやすい。トイレ室の奥端まで掃除しようとすると、床に膝をついて狭い空間の奥まで手を延ばす必要があり容易ではなかった。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、トイレ室の奥まで容易に掃除できるトイレ用部材及びトイレ用部材の設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のトイレ用部材は、トイレ室において便器の周辺に設置されるトイレ用部材であって、少なくとも前記便器の後端より前側に配置され、前記トイレ室の床面側から上方に立つ第1前面部と、前記第1前面部より後側に配置され、前記トイレ室の床面の上方を覆う第1上面部と、を有する第1部材を備え、前記第1部材は、前記第1前面部の後方及び前記第1上面部の下方に、前記トイレ室の壁面及び床面のいずれかに設けられて前記便器に接続される便器接続部材を収容する空間が形成されているものである。
【0007】
本開示のトイレ用部材の設置方法は、前記第1部材と、前記第1部材と前記トイレ室の壁面との間の隙間を覆う第2部材と、を備え、前記第2部材は、前記第1前面部と前後方向に重なる部分を有する第2前面部と、前記第1上面部と上下方向に重なる部分を有する第2上面部と、を有し、前記第2前面部は、前記第1前面部と前記トイレ室の側壁面との間の隙間を覆い、前記第2上面部は、前記第1上面部と前記トイレ室の側壁面との間の隙間を覆うトイレ用部材をトイレ室に設置する方法であって、前記トイレ室に前記第1部材を設置し、前記第1部材と前記トイレ室の側壁面との間の隙間をなくすように前記第2部材を設置する方法である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1におけるトイレ用部材をトイレ室に設置した状態を示す斜視図
図2】トイレ室に設置した状態のトイレ用部材を示す平面図
図3】トイレ室に設置した状態のトイレ用部材を示す断面図であって、図2のA-A位置における断面に相当する断面図
図4】トイレ室に設置した状態のトイレ用部材を示す断面図であって、図2のB-B位置における断面に相当する断面図
図5】トイレ室に設置した状態のトイレ用部材を示す断面図であって、図2のC-C位置における断面に相当する断面図
図6】トイレ室に設置した状態のトイレ用部材を示す底面図
図7】トイレ室に設置した状態のトイレ用部材を示す背面図
図8】トイレ室に設置した状態のトイレ用部材を示す断面図であって、図2のD-D位置における断面に相当する断面図
図9】第1部材をトイレ室に設置する様子を示す図
図10】第2部材をトイレ室に設置する様子を示す図
図11】実施形態2におけるトイレ用部材をトイレ室に設置した状態を示す斜視図
図12】トイレ室に設置した状態のトイレ用部材を示す底面図
図13】トイレ室に設置した状態のトイレ用部材を示す断面図
図14】実施形態3におけるトイレ用部材をトイレ室に設置した状態を示す斜視図
図15】便器及びトイレ用部材を示す分解斜視図
図16】トイレ室に設置した状態のトイレ用部材を示す底面図
図17】実施形態4におけるトイレ用部材をトイレ室に設置した状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。下記の複数の実施形態を矛盾を生じない範囲で任意に組み合わせたものも発明を実施するための形態に含まれる。
[1]本開示のトイレ用部材は、トイレ室において便器の周辺に設置されるトイレ用部材であって、少なくとも前記便器の後端より前側に配置され、前記トイレ室の床面側から上方に立つ第1前面部と、前記第1前面部より後側に配置され、前記トイレ室の床面の上方を覆う第1上面部と、を有する第1部材を備え、前記第1部材は、前記第1前面部の後方及び前記第1上面部の下方に、前記トイレ室の壁面及び床面のいずれかに設けられて前記便器に接続される便器接続部材を収容する空間が形成されている。
[2]上記[1]に記載のトイレ用部材において、前記第1上面部は、前記便器の外縁に沿った形状を有している。
[3]上記[1]から[2]までの何れかに記載のトイレ用部材において、前記第1前面部の下部は、前記第1前面部の上部に比べて後方に位置している。
[4]上記[1]から[3]までの何れかに記載のトイレ用部材において、前記第1部材と前記便器の前端部との間に充填部材が挟まれている。
[5]上記[1]から[4]までの何れかに記載のトイレ用部材において、前記第1部材は、左右に分割された分割部材によって構成されている。
[6]上記[1]から[5]までの何れかに記載のトイレ用部材において、前記第1部材と、前記第1部材と前記トイレ室の壁面との間の隙間を覆う第2部材と、を備えている。
[7]上記[6]に記載のトイレ用部材において、前記第2部材は、前記第1前面部と前後方向に重なる部分を有する第2前面部と、前記第1上面部と上下方向に重なる部分を有する第2上面部と、を有し、前記第2前面部は、前記第1前面部と前記トイレ室の側壁面との間の隙間を覆い、前記第2上面部は、前記第1上面部と前記トイレ室の側壁面との間の隙間を覆う。
[8]上記[6]から[7]までの何れかに記載のトイレ用部材において、前記第2部材は、収納部を有している。
[9]上記[8]に記載のトイレ用部材において、前記収納部は、収納物を上側から出し入れ自在な上面収納部を有している。
[10]上記[8]から[9]までの何れかに記載のトイレ用部材において、前記収納部は、収納物を前側から出し入れ自在な前面収納部を有している。
[11]上記[8]から[10]までの何れかに記載のトイレ用部材において、前記収納部は、トイレットペーパを引き出すスリットが形成されている。
[12]本開示のトイレ用部材の設置方法は、上記[7]に記載のトイレ用部材をトイレ室に設置する方法であって、前記トイレ室に前記第1部材を設置し、前記第1部材と前記トイレ室の側壁面との間の隙間をなくすように前記第2部材を設置する。
【0010】
<実施形態1>
トイレ用部材10は、図1に示すように、トイレ室100において便器110の左右両側に設置される。トイレ室100の壁面101及び床面102には、便器110に接続される便器接続部材103が設けられている(図6参照)。便器接続部材103は、例えば電気コンセントや給水管等である。トイレ室100の壁面101は、便器110の後方に位置する後壁面101Uと、便器110の左方に位置する左側壁面101Lと、便器110の右方に位置する右側壁面101Rとを有している。トイレ室100の前面側は出入口である。
【0011】
以下、各構成部材において、トイレ室100の床面102側を下側、その反対側を上側、トイレ室100の後壁面101U側を後側、その反対側を前側、トイレ室100の右側壁面101R側を右側、トイレ室100の左側壁面101L側を左側として説明する。各図において、X軸の正方向側は左側、X軸の負方向側は右側、Y軸の正方向側は上側、Y軸の負方向側は下側、Z軸の正方向側は前側、Z軸の負方向側は後側を示す。Y軸は、鉛直方向に延びている。
【0012】
便器110は、図9に示すように、便器下部111及び便器上部112を備えている。便器下部111はトイレ室100の床面102に設置される。便器上部112は、便器下部111の上方に取り付けられている。
【0013】
便器下部111は、便器本体113及びサイドカバー114を有している。便器本体113は、陶器製である。サイドカバー114は、便器本体113の後部の左右両側に取り付けられている。便器上部112は、便座115、便蓋116及び便座装置117を備えている。便座115及び便蓋116は、それぞれ後端部の回転軸を中心に回転自在である。便座115は、便器本体113の上面に沿った状態において使用者に着座される。便蓋116は、便器下部111の上面111Uに沿った状態において便器本体113の上面の開口を覆う。便座装置117は、便器本体113の後端部に固定されている。便座装置117は、局部洗浄装置及び給水装置等を有している。洗浄水は、給水管から供給される。
【0014】
便器本体113の外周縁113Sは、図2に示すように、上方から見た平面視において、便器本体113の前後方向中心より前側において湾曲している。上方から見た平面視において、便蓋116の外周縁は、便器本体113の外周縁113Sに沿って湾曲している。便器本体113の外周縁113Sは、便器本体113の上面の外周側の縁である。
【0015】
トイレ用部材10は、既設のトイレ室100に設置される。既設のトイレ室100には、既に便器110が設置されている。便器110の後端は、図2に示すように、トイレ室100の後壁面101Uに近接している。便器110は、トイレ室100における左右方向の中心に配置されている。
【0016】
トイレ用部材10は、図1に示すように、第1部材20、第2部材30及び充填部材11を備えている。第1部材20及び第2部材30はいずれも合板などを用いて製造されている。第1部材20は、トイレ用部材10の左右方向中央部を構成している。第1部材20は、便器110に接して設けられている。
【0017】
第2部材30は、トイレ用部材10の左端部及び右端部を構成している。第2部材30は、第1部材20の左右両側に配置されている。右側の第2部材30を右側第2部材30R、左側の第2部材30を左側第2部材30Lと称する。右側第2部材30Rは、第1部材20の右端部と重なり合っている。左側第2部材30Lは、第1部材20の左端部と重なり合っている。第1部材20と第2部材30との重複の程度を変更することによって、トイレ用部材10の全幅を調整できる。これによって、トイレ用部材10の全幅は、トイレ室100の間口750mm以上、950mm以下に対応できる。トイレ用部材10は、戸建て住宅のトイレ室100の約73%、集合住宅のトイレ室100の約84%に対応できる。
【0018】
第1部材20は、図1に示すように、第1前面部21、第1上面部22及び第1支持部23を備えている。第1部材20には、第1前面部21、第1上面部22及び第1支持部23によって第1空間12Fが形成されている。第1前面部21は、トイレ室100の床面102側から上方に立っている。第1前面部21の下端と床面102との間には、隙間が設けられている。例えば、隙間の上下方向の寸法は、3mm以上である。隙間により、便器本体113から漏水が発生した場合にも、漏水が床面102を伝って前に流れ出て、使用者が気づくように配慮されている。第1部材20は、便器110の外形に沿った形状を有している。
【0019】
第1前面部21は、便器下部111の全体の前方を覆っている。第1前面部21は、前方から見た正面視において、上下方向よりも左右方向に長い横長の長方形状をなしている。第1前面部21の左右方向の寸法は、便器下部111の左右方向の寸法よりも大きい。第1前面部21は、図2に示すように、便器下部111の前端111Mより前方に位置している。便器下部111の前端111Mは、図3に示すように、便器本体113の上面における前端である。第1前面部21の上端21Uは、便器下部111の上面111Uより少し低い高さに位置している。
【0020】
第1上面部22は、図2に示すように、第1前面部21より後側に配置されている。第1上面部22は、第1前面部21の上端21Uから後側に延出している。第1上面部22は、トイレ室100の床面102の上方を覆っている。第1上面部22の上面は、平坦である。第1上面部22の上面は、棚として利用できる。
【0021】
第1上面部22の内周縁22Uは、図2に示すように、上方から見た平面視において、便器本体113の外周縁113Sに沿って湾曲している。第1上面部22の内周縁22Uは、第1上面部22の後縁から前方に延びている。第1上面部22の内周縁22Uは、便器110を嵌め込むための切欠き24を形成している(図9参照)。切欠き24は、第1上面部22の左右方向中央部に設けられている。切欠き24は、上方から見た平面視において、便器下部111の形状をなしている。切欠き24は、後方に開放されている。
【0022】
図4に示すように、第1上面部22の前端は、第1前面部21の上端21Uと連結されている。第1上面部22と第1前面部21とは、直交している。第1上面部22は、トイレ室100の床面102と平行である。第1上面部22の上面は、便器本体113の上面よりわずかに低い高さに位置している。便座115は、便器本体113の上面に沿った状態において、第1上面部22の上面よりも上側に配置されている。
【0023】
第1支持部23は、図4に示すように、第1前面部21及び第1上面部22を支持している。第1支持部23は、第1前面部21より後側、かつ第1上面部22より下側に設けられている。第1支持部23は、第1上面部22の下面から下方に垂下している。第1支持部23の下端は、トイレ室100の床面102に接している。第1支持部23は、第1上面部22に作用する下向きの力に対し、転倒することなく耐え得る支持力を有している。
【0024】
第1支持部23は、図6に示すように、便器110の左右に一対設けられている。左右の第1支持部23は同形状をなしている。左右の第1支持部23は、第1上面部22において便器110に近い位置に固定されている。左右の第1支持部23は、第1部材20の左右方向中心を基準に対称である。
【0025】
第1支持部23は、図6に示すように、角筒状をなしている。第1支持部23の軸線は上下方向に延びている。第1支持部23は、下方から見た底面視において、左右方向よりも前後方向に長い長方形状をなしている。第1支持部23の前面23Mは、第1前面部21の後面に接した状態で固定されている。第1支持部23の後面23Uは、便器110の前後方向中心よりも後側であって、便器110の後端よりも前側に位置している。
【0026】
第1支持部23の左右の側面23L,23Rは、第1上面部22の左縁及び右縁よりも便器110側に位置している。第1支持部23の右側面23Rは、右側の第1支持部23の右側の面である。第1支持部23の左側面23Lは、左側の第1支持部23の左側の面である。第1前面部21及び第1上面部22は、第1支持部23の左右の側面23L,23Rよりも左右両側に張り出している。
【0027】
第1空間12Fは、図6及び図7に示すように、第1前面部21の後方及び第1上面部22の下方に形成されている。第1空間12Fは、便器110の左右両側に形成されている。第1空間12Fは、第1部材20の左右方向中心を基準に対称である。第1空間12Fは、第1支持部23の後面23Uの後方、第1支持部23の左側面23Lの左方及び第1支持部23の右側面23Rの右方に形成されている。
【0028】
第2部材30は、図1に示すように、第2前面部31及び第2上面部32を備えている。第2部材30には、第2空間12Sが形成されている。第2前面部31は、トイレ室100の床面102から上方に立っている。第2前面部31の下端は床面102に接している。第2前面部31は、前方から見た正面視において、左右方向よりも上下方向に長い縦長の長方形状をなしている。右側第2部材30Rの左右方向の寸法及び左側第2部材30Lの左右方向の寸法はいずれも、第1部材20の左右方向の寸法よりも小さい。
【0029】
左側第2部材30Lの第2上面部32の上面は平坦である。左側第2部材30Lの第2上面部32の上面は、棚として利用できる。右側第2部材30Rは、収納部33を有している。収納部33は、トイレ室100の左右の側壁面101L,101Rのうちリモコンを設置する側とは反対側の側壁面に設けると良い。収納部33についての詳細は後述する。
【0030】
第2前面部31は、図4に示すように、第1前面部21より前側に位置している。第2前面部31の後面は、第1前面部21の前面と面接触するか、第1前面部21の前面に近接して平行に配置されている。
【0031】
第2前面部31は、図6に示すように、第1前面部21と前後方向に重なる部分を有している。第2前面部31は、トイレ室100の左右の側壁面101L,101Rと第1前面部21の左右の側縁との間に延びている。
【0032】
第2上面部32は、図4に示すように、第2前面部31より後側に配置されている。第2上面部32の前端と第2前面部31の上端とは連結されている。第2上面部32と第2前面部31とは直交している。第2上面部32は、第2前面部31の上端から後側に延出している。第2上面部32の後端は、トイレ室100の後壁面101Uに接している。第2上面部32は、トイレ室100の床面102の上方を覆っている。第2上面部32は、トイレ室100の床面102と平行である。第2上面部32は、第1上面部22より上側に位置している。第2上面部32は、上方から見た平面視において左右方向よりも前後方向に長い長方形状をなしている(図2参照)。
【0033】
第2上面部32は、図8に示すように、第1上面部22と上下方向に重なる部分を有している。第2上面部32は、トイレ室100の左右の側壁面101L,101Rと第1上面部22の左右の外縁との間に延びている。第2上面部32の下面は、第1上面部22の上面と接触している。
【0034】
第2空間12Sは、図6に示すように、第1空間12Fと連続して形成されている。第2空間12Sは、第2前面部31の後方及び第2上面部32の下方に形成されている。
【0035】
第1空間12F及び第2空間12Sを有する空間12は、便器接続部材103を収容する大きさである。空間12は、便器110の左右両側に形成されている。空間12は、トイレ室100の後壁面101U、左側壁面101L及び右側壁面101Rに沿って形成されている。空間12は、第1支持部23の後面23Uとトイレ室100の後壁面101Uとの間、第1前面部21とトイレ室100の後壁面101Uとの間、及び第2前面部31とトイレ室100の後壁面101Uとの間、第1支持部23の左側面23Lとトイレ室100の左側壁面101Lとの間、第1支持部23の右側面23Rとトイレ室100の右側壁面101Rとの間に形成されている。
【0036】
収納部33は、図1に示すように、上面収納部34及び前面収納部35を有している。上面収納部34は、図5に示すように、第2上面部32に設けられている。上面収納部34は、第1上面部22よりも上側に配置されている。上面収納部34は、収納物を上側から出し入れ自在である。上面収納部34は、上面収納部34の上面を塞ぐ上蓋部36を有している。上面収納部34は、上蓋部36の回動によって開閉される。上面収納部34は、隔壁37によって前後に分かれている。例えば上面収納部34のうち隔壁37より前側に複数個のトイレットペーパを収納し、隔壁37より後側に複数個の生理用品を収納すると良い。
【0037】
前面収納部35は、図5に示すように、第2前面部31に設けられている。前面収納部35は、第1前面部21よりも前側に配置されている。前面収納部35は、収納物を前側から出し入れ自在である。前面収納部35は、前面収納部35の前面を塞ぐ前蓋部38を有している。前面収納部35は、縦長の収納スペースを有している。前面収納部35は、掃除用ブラシや洗剤等、縦長の掃除用具を立てて収納できる。前面収納部35は、複数個のトイレットペーパを上下方向に積んで収納できる。前面収納部35は、収納支持部39を有している。収納支持部39は、前面収納部35の下方に設けられている。収納支持部39は、図6に示すように、下方から見た底面視において方形状をなしている。
【0038】
トイレ用部材10の前面の下部には、図1に示すように、蹴込13が設けられている。蹴込13は、第1前面部21の下端部、左側の第2前面部31の下端部、及び右側の前面収納部35の下方に設けられている。蹴込13は、トイレ用部材10の下端から段差14までの間である。段差14は、トイレ用部材10の左端から右端まで連続して形成されている。蹴込13は、トイレ用部材10の段差14より上側の部分に比べて後方に引っ込んでいる。
【0039】
充填部材11は、図3に示すように、第1上面部22の内周縁22Uと便器本体113の外周縁113Sとの間に挟まれている。充填部材11は、弾性を有する材料によって形成されている。充填部材11は、例えば水密などの目的のために挟まれるパッキンである。充填部材11は、便器本体113の外周縁113Sに沿って湾曲した形状をなしている。充填部材11は、少なくとも便器下部111の前端111Mを覆っている。
【0040】
トイレ用部材10をトイレ室100に設置する作業の一例を説明する。トイレ用部材10は、工具を使わずに設置できる。トイレ用部材10は、様々な間口のトイレ室100の後部空間に隙間なく設置できる。トイレ用部材10は、トイレ室100の床面102及び壁面101に設けられた便器接続部材103を避けて配置できる。トイレ用部材10の設置方設は、第1部材20を設置する第1部材設置工程と、第2部材30を設置する第2部材設置工程と、を経る。
【0041】
まず、図9に示すように、第1部材設置工程を行う。第1部材20の左右両端部を両手で把持し、トイレ室100の出入口からトイレ室100内に搬入する。この際、第1部材20の第1上面部22の左右両端部を把持すると良い。第1部材20をトイレ室100の床面102に設置し、便器110の前方から後方へ向かってスライドさせる。このとき、便器下部111と第1部材20との間に充填部材11を挟みつつ、第1部材20の切欠き24を便器下部111に嵌め合わせる。第1上面部22の内周縁22Uは、充填部材11を保持し、便器本体113の外周縁113Sに沿った状態になる。トイレ室100の床面102や左右の側壁面101L,101Rの便器接続部材103は、第1空間12Fに収容される。これによって、第1部材20は、トイレ室100に設置される。このとき、第1部材20の左右両縁とトイレ室100の左右の側壁面101L,101Rとの間に隙間が空いている。
【0042】
次に、図10に示すように、第2部材設置工程を行う。右側第2部材30R及び左側第2部材30Lをそれぞれトイレ室100の出入口からトイレ室100内に搬入する。右側第2部材30R及び左側第2部材30Lの第2上面部32を第1上面部22の上方に重ね合わせて、それぞれ後方にスライドさせる。右側第2部材30R及び左側第2部材30Lの第2前面部31を、それぞれ第1前面部21の前方に重ね合わせる。第2上面部32の後端はトイレ室100の後壁面101Uに接する。第2前面部31の後面は第1前面部21の前面に接する。右側第2部材30Rを右側にスライドさせてトイレ室100の右側壁面101Rに接触させる。左側第2部材30Lを左側にスライドさせてトイレ室100の左側壁面101Lに接触させる。これによって、第1部材20の左右両縁とトイレ室100の左右の側壁面101L,101Rとの間の隙間は塞がれる。以上により、トイレ室100にトイレ用部材10を設置する作業は完了する。
【0043】
トイレ用部材10を設置した状態では、立ったままの姿勢でトイレ用部材10の後端まで手が届くから、楽な姿勢でトイレ室100の後端まで掃除できる。トイレ用部材10の上面収納部34にトイレットペーパや生理用品を収納した場合、座ったままの楽な姿勢でトイレットペーパを補充したり、生理用品を取り出したりできるから使い勝手がよい。高齢者や障碍者は、トイレ用部材10を利用することによって、便座115への移乗を容易にできる。
【0044】
上記のように構成された実施形態によれば、以下の効果を奏する。トイレ用部材10は、トイレ室100において便器110の周辺に設置される。トイレ用部材10は第1部材20を備えている。第1部材20は、第1上面部22と、第1前面部21と、を有している。第1前面部21は、少なくとも便器110の後端より前側に配置され、トイレ室100の床面102側から上方に立つ。第1上面部22は、第1前面部21より後側に配置され、トイレ室100の床面102の上方を覆う。第1部材20は、第1前面部21の後方及び第1上面部22の下方に、便器接続部材103を収容する空間12が形成されている。便器接続部材103は、トイレ室100の壁面101及び102のいずれかに設けられて便器110に接続される。この構成によれば、トイレ用部材10は、便器接続部材103を収容した状態で、トイレ室100の奥に設置される。トイレ用部材10の第1上面部22は床面102より高い位置に配置されるから、立ったままトイレ室100の奥まで容易に掃除できる。
【0045】
第1上面部22は、便器110の外周縁113Sに沿った内周縁22Uを有している。この構成によれば、トイレ用部材10と便器110とを隙間なく配置できるから、トイレ室100の掃除を容易にできる。
【0046】
第1前面部21の下部は、第1前面部21の上部に比べて後方に位置している。この構成によれば、便器110に向かって立つ人のつま先や座る人のかかとを前面部の下部にあたりにくくできる。したがって、立ち小便や、図14に示すような、トイレタンクを有する場合は、トイレタンクの上面での手洗いをしやすくできる。
【0047】
第1部材20と便器110の前端部との間に充填部材11が挟まれている。この構成によれば、充填部材11は、便器110の前端部と第1前面部21との間と、上面111Uと便座115との間の隙間を埋めるから、便器110から前方に飛ぶ尿を、第1前面部21と便器110との間の隙間に入らないようにできる。
【0048】
トイレ用部材10は、第1部材20と、第2部材30と、を備えている。第2部材30は、第1部材20とトイレ室100の壁面101との間の隙間を覆う。この構成によれば、第2部材30によって、トイレ用部材10の幅をトイレ室100に合わせることができる。したがって、様々な間口のトイレ室100にトイレ用部材10を設置できる。
【0049】
第2部材30は、第2前面部31と、第2上面部32とを有している。第2前面部31は、第1前面部21と前後方向に重なる部分を有している。第2上面部32は、第1上面部22と上下方向に重なる部分を有している。第2前面部31は、第1前面部21とトイレ室100の側壁面101との間の隙間を覆う。第2上面部32は、第1上面部22とトイレ室100の側壁面101との間の隙間を覆う。この構成によれば、第2部材30を左右に移動することによって、トイレ用部材10の幅寸法をトイレ室100の間口に合わせることができる。したがって、様々な間口のトイレ室100にトイレ用部材10を設置できる。
【0050】
第2部材30は、収納部33を有している。この構成によれば、トイレ室100に収納部33を増やすことができるから、使い勝手を良くできる。
【0051】
収納部33は、収納物を上側から出し入れ自在な上面収納部34を有している。この構成によれば、上面収納部34の収納物は、便器110に座ったままで取り出せるから、使い勝手を良くできる。
【0052】
収納部33は、収納物を前側から出し入れ自在な前面収納部35を有している。この構成によれば、前面収納部35の収納物は、便器110の前側から容易に取り出せるから、使い勝手を良くできる。
【0053】
トイレ用部材10をトイレ室100に設置する方法は、トイレ室100に第1部材20を設置する。第1部材20とトイレ室100の側壁面101との間の隙間をなくすように第2部材30を設置する。この方法によれば、第2部材30を設置することによって、トイレ用部材10の幅寸法をトイレ室100の間口に合わせることができる。したがって、様々な間口のトイレ室100にトイレ用部材10を設置できる。
【0054】
<実施形態2>
本開示を具体化した実施形態2に係るトイレ用部材50を図11図13によって説明する。本実施形態のトイレ用部材50は、主に、蹴込13のかわりにトイレ用部材50の前面に傾斜51を設けた点、収納部33にトイレットペーパを引き出すスリット52を形成した点、及び第1支持部23を前後に分割して設けた点で、実施形態1とは相違する。なお、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。トイレ用部材50は、実施形態1と同様、第1部材20、第2部材30及び充填部材11を備えている。図11図13において充填部材11の図示は省略する。
【0055】
第1部材20は、実施例1と同様、第1前面部21、第1上面部22及び第1支持部23を備えている。第1支持部23は、図12に示すように、前支持部53、中支持部54及び後支持部55を有している。前支持部53の後面56は、便器110の前後方向中心よりも前側に位置している。前支持部53の左右の側面57は、第1上面部22の左右の外縁と揃っている。中支持部54は、前支持部53の便器110側の側面から後方に延びた壁状をなしている。中支持部54の後端は、便器110の前後方向中心よりも後側であって、便器110の後端よりも前側に位置している。後支持部55は、第1上面部22の後端の左右両角部に設けられている。後支持部55は、下方から見た底面視において、第1上面部22の外縁に沿ってL字状に屈曲している。
【0056】
トイレ用部材50の前面には、図13に示すように、傾斜51が設けられている。傾斜51によって、トイレ用部材50の前面は、上端側よりも下端側において後方に引っ込んでいる。傾斜51は、第1前面部21自身を傾斜させることによって形成されている。第1前面部21の下端は、後方に延びた設置部58を有している。設置部58は、トイレ室100の床面102に接して第1部材20を支持する。
【0057】
第2部材30は、第1部材20の右側のみに配置されている。第2部材30は、実施形態1と同様、第2前面部31、第2上面部32及び収納部33を有している。収納部33は、第2上面部32に設けられている。収納部33は、収納部33の上面を塞ぐ蓋部59を有している。蓋部59には、スリット52が形成されている。収納部33に収容されたトイレットペーパは、スリット52から直接取り出し、スリット52の縁によって適宜切断できる。
【0058】
以上のように本実施形態においては、実施形態1と同様、第1前面部21と、第1上面部22と、を有する第1部材20を備え、第1部材20は、第1前面部21の後方及び第1上面部22の下方に、便器接続部材103を収容する空間12が形成されている。この構成によれば、実施形態1と同様、トイレ用部材50は、便器接続部材103を収容した状態で、トイレ室100の奥に設置される。トイレ用部材50の上面部は床面102より高い位置に配置されるから、立ったままトイレ室100の奥まで容易に掃除できる。
【0059】
実施形態1と同様、第1前面部21の下部は、第1前面部21の上部に比べて後方に位置している。この構成によれば、実施形態1と同様、便器110に向かって立つ人のつま先や座る人のかかとを前面部の下部にあたりにくくできる。
【0060】
収納部33は、トイレットペーパを引き出すスリット52が形成されている。この構成によれば、トイレ室100の壁面101にペーパーホルダを設けなくて良いから、トイレ室100をすっきりできる。
【0061】
<実施形態3>
本開示を具体化した実施形態3に係るトイレ用部材60を図14図16によって説明する。本実施形態のトイレ用部材60は、第1部材20を左右に分割した点で実施形態2とは相違する。なお、実施形態2と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0062】
トイレ用部材60は、実施形態2と同様、第1部材20、第2部材30及び充填部材11を備えている。第1部材20は、実施形態2と同様、第1前面部21、第1上面部22及び第1支持部23を備えている。
【0063】
第1部材20は、左右に分割された分割部材61によって構成されている。分割部材61は、実施形態1の第1部材20を左右方向に2分割した形態である。第1部材20の第1前面部21及び第1上面部22は、左右の分割部材61によって構成されている。
【0064】
第1部材20は、図15に示すように、前板63を有している。前板63は、第1部材20の前面の全体を覆っている。前板63によって、2つの分割部材61の合わせ面は隠されている。
【0065】
第1部材20の側面には、図14及び図15に示すように、取っ手64が設けられている。取っ手64は、左側の分割部材61の左側面、及び右側の分割部材61の右側面に設けられている。取っ手64は、窪みである。取っ手64には、手を引っ掛けることができる。
【0066】
左右の分割部材61はそれぞれ、図16に示すように、第1支持部23を有している。第1支持部23は、右側と左側とで異なる形状をなしている。右側の第1支持部23は、床面102に設けられた便器接続部材103を避ける形状をなしている。トイレ用部材60の下端には、トイレ室100の巾木104を避ける逃げ部62が形成されている。
【0067】
以上のように本実施形態においては、実施形態2と同様、第1前面部21と、第1上面部22と、を有する第1部材20を備え、第1前面部21の後方及び第1上面部22の下方に、便器接続部材103を収容する空間12が形成されている。この構成によれば、実施形態1と同様、トイレ用部材60は、便器接続部材103を収容した状態で、トイレ室100の奥に設置される。トイレ用部材60の上面部は床面102より高い位置に配置されるから、立ったままトイレ室100の奥まで容易に掃除できる。
【0068】
第1部材20は、左右に分割された分割部材61によって構成されている。この構成によれば、分割部材61は、トイレ室100の出入り口が狭くてもトイレ室100内に運び入れやすいから、出入り口が狭いトイレ室100の便器110の左右両側にトイレ用部材60を設置できる。
【0069】
<実施形態4>
次に、本開示を具体化した実施形態4に係るトイレ用部材70を図17によって説明する。本実施形態のトイレ用部材70は、便器接続部材103を隠すカバー部71をトイレ用部材70の上面に設けた点で、実施形態3とは相違する。なお、実施形態3と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0070】
トイレ用部材70は、実施形態3と同様、第1部材20、第2部材30及び充填部材11を備えている。第1部材20は、実施形態3と同様、第1前面部21、第1上面部22及び第1支持部23を備えている。第1部材20は、実施形態3と同様、左右に分割された分割部材61によって構成されている。左右の分割部材61の第1前面部21はいずれも、便器下部111の前端111Mより後側に位置している。第1前面部21は、便器110を間にして左右に分かれている。
【0071】
カバー部71は、第1部材20に設けられている。カバー部71は、第1部材20の後端部に設けられている。カバー部71は、第1上面部22から上方に突出している。カバー部71は、上面、前面及び左右両側面を有している。カバー部71の内側は、便器接続部材103を収容する空間12である。カバー部71は、トイレ室100の壁面101に設けられた止水栓やコンセント等の便器接続部材103を内部に収容して覆っている。
【0072】
以上のように本実施形態においては、実施形態3と同様、第1前面部21と、第1上面部22と、を有する第1部材20を備え、第1前面部21の後方及び第1上面部22の下方に、便器接続部材103を収容する空間12が形成されている。この構成によれば、実施形態1と同様、トイレ用部材70は、便器接続部材103を収容した状態で、トイレ室100の奥に設置される。トイレ用部材50の上面部は床面102より高い位置に配置されるから、立ったままトイレ室100の奥まで容易に掃除できる。
【0073】
トイレ用部材70は、カバー部71を有している。この構成によれば、トイレ用部材70は、第1上面部22より高い位置に設けられた便器接続部材103を覆い隠すことができる。
【0074】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態において第1部材20の上部と下部とを別体に形成してもよい。第1部材20の上部は、便器110の形状にあわせて多数の形状のものを設け、第1部材20の下部は共有部材としてもよい。第1部材20の下部を共有部材とすることで部品点数の増加を抑えつつ、便器110の形状のバリエーションに対応できる。
(2)上記実施形態において第2部材30は、第1部材20とトイレ室100の左右の側壁面101L,101Rとの間を覆う。これに限らず、第2部材は、第1部材とトイレ室の後壁面との間の隙間を覆うものであってもよい。
(3)上記実施形態においてトイレ用部材70は第2部材30を備えている。これに限らず、トイレ用部材は第2部材を備えなくてもよい。この場合、トイレ室の間口に適合する幅寸法の第1部材のみを用いてトイレ用部材としてよい。
(4)上記実施形態において第1上面部22及び第2上面部32は、トイレ室100の床面102と平行である。これに限らず、例えば第1上面部及び第2上面部は、後方に向かって上る傾斜をなしてもよい。
(5)上記実施形態において第1前面部21の下端と床面102との間には、隙間が設けられている。これに限らず、第1前面部の下端は床面に接していてもよい。
(6)上記実施形態2においてスリット52は、収納部33の上面を塞ぐ蓋部59に形成されている。これに限らず、スリットは、収納部の側面や前面を塞ぐ壁に形成してもよい。
【符号の説明】
【0075】
10,50,60,70…トイレ用部材、11…充填部材、12…空間、20…第1部材、21…第1前面部、22…第1上面部、30…第2部材、31…第2前面部、32…第2上面部、33…収納部、34…上面収納部、52…スリット、61…分割部材、100…トイレ室、101…トイレ室の壁面、102…床面、110…便器、113S…便器本体の外周縁(便器の外周縁)
図1
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