IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メドルミクス,エセ.エレ.の特許一覧

特開2024-10651アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法
<>
  • 特開-アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法 図1
  • 特開-アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法 図2A
  • 特開-アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法 図2B
  • 特開-アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法 図3
  • 特開-アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法 図4
  • 特開-アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法 図5A
  • 特開-アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法 図5B
  • 特開-アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法 図6
  • 特開-アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法 図7
  • 特開-アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法 図8
  • 特開-アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法 図9
  • 特開-アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010651
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】アブレーション中のギャップ検出のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/32 20060101AFI20240117BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20240117BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20240117BHJP
   A61B 18/02 20060101ALI20240117BHJP
   A61B 18/24 20060101ALI20240117BHJP
   A61N 5/067 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
A61N1/32
A61B10/00 E
A61B18/12
A61B18/02
A61B18/24
A61N5/067
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023093645
(22)【出願日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】22382554
(32)【優先日】2022-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】513148565
【氏名又は名称】メドルミクス,エセ.エレ.
【氏名又は名称原語表記】MEDLUMICS,S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100145791
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 志麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】サンチョ フアン
(72)【発明者】
【氏名】へランズ デービッド
(72)【発明者】
【氏名】ベイレウル クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】グリーン ジェームズ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アブレーション中に組織に形成された病変間のギャップを検出するシステム、方法を提供する。
【解決手段】システムは、近位セクション102と、遠位セクション104と、近位セクションと遠位セクションとの間に連結されたシャフト106と、を有するカテーテル100を含む。複数の光ファイバが、カテーテル内に配置され、コンピュータデバイスに連結される。コンピュータデバイスは、メモリと、アブレーション中又は後に、組織の一部の光学測定データを光ファイバから受信し、光学測定データを分析することによって組織の一部の1つ又はそれ以上の光学特性を識別し、1つ又はそれ以上の光学特性に基づいて組織の一部内に形成された1つ又はそれ以上の病変間のギャップの存在又は非存在を検出するように構成されるプロセッサと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アブレーション中又は後に、組織の一部内にカテーテルを配置するステップであって、前記カテーテルが、近位セクションと、複数の光学ポートを備える遠位セクションと、前記近位セクションと前記遠位セクションとの間に連結されたシャフトと、を備え、少なくとも1つの光学ポートが、前記組織の一部と接触する、ステップと、
前記組織の一部内のアブレーションラインに沿って前記カテーテルの前記遠位セクションを移動している間に、前記カテーテル内の前記少なくとも1つの光学ポートを使用して光学測定データを取得するステップと、
前記カテーテルに連結されたコンピュータデバイスを使用して前記光学測定データを分析することによって前記組織の一部の1つ又はそれ以上の光学特性を識別するステップと、
前記1つ又はそれ以上の光学特性に基づいて前記組織の一部内の前記アブレーションライン内に形成された1つ又はそれ以上の病変間のギャップの存在又は非存在を検出するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記アブレーションラインが、組織がアブレーションされた前記組織の一部内に複数のアブレーションポイントを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ギャップが、前記組織の一部内に病変を形成していない組織領域を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記光学測定データが、前記組織の一部から取得した光干渉断層撮影法(OCT)信号又は光干渉反射測定法(OCR)信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ又はそれ以上の光学特性が、複屈折、偏光、又はスペクトル情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ギャップの前記存在又は前記非存在を検出する前記ステップが、
前記組織の一部内の複屈折の識別に基づいて、前記アブレーションライン内に形成された前記1つ又はそれ以上の病変間の前記ギャップの前記存在を検出するステップ
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ギャップの前記存在の検出に応答して、前記カテーテルの前記遠位セクションを通して、前記組織の一部内の前記ギャップの組織位置にアブレーションエネルギーを印加するステップ
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ギャップの前記存在又は前記非存在を検出する前記ステップが、
前記組織の一部内の複屈折の非存在の識別に基づいて、前記アブレーションライン内に形成された前記1つ又はそれ以上の病変間の前記ギャップの前記非存在を検出するステップ
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ギャップの前記存在の検出に応答して、前記組織の一部から前記カテーテルを除去するステップ
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記カテーテルによって印加される前記アブレーションエネルギーが、パルス電界、高周波(RF)エネルギー、レーザエネルギー、又は極低温エネルギーのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
近位セクションと、遠位セクションと、前記近位セクションと前記遠位セクションとの間に連結されたシャフトと、を備えるカテーテルと、
前記カテーテル内に配置された複数の光ファイバと、
前記複数の光ファイバに連結されるコンピュータデバイスであって、前記コンピュータデバイスが、メモリと、プロセッサであって、
アブレーション中又は後に、前記光ファイバから、組織の一部の光学測定データを受信し、
前記光学測定データを分析することによって前記組織の一部の1つ又はそれ以上の光学特性を識別し、
前記1つ又はそれ以上の光学特性に基づいて、前記組織の一部内に形成された1つ又はそれ以上の病変間のギャップの存在又は非存在を検出する、
ように構成されるプロセッサと
を備える、コンピュータデバイスと
を備える、システム。
【請求項12】
前記ギャップが、前記組織の一部内に病変を形成していない組織領域を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記光学測定データが、前記組織の一部から取得した光干渉断層撮影法(OCT)信号、又は光干渉反射測定法(OCR)信号を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ又はそれ以上の光学特性が、複屈折、偏光、又はスペクトル情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記カテーテルが前記組織の一部内のアブレーションラインに沿って移動している間に、前記光学測定データを受信するように構成され、前記アブレーションラインが、組織がアブレーションされた前記組織の一部内に複数のアブレーションポイントを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記ギャップの前記存在又は前記非存在を検出するために、前記コンピュータデバイスの前記プロセッサが、
前記組織の一部内の複屈折の識別に基づいて、前記アブレーションライン内に形成された前記1つ又はそれ以上の病変間の前記ギャップの前記存在を検出する
ように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記ギャップの前記存在又は前記非存在を検出するために、前記コンピュータデバイスの前記プロセッサが、
前記組織の一部内の複屈折の非存在の識別に基づいて、前記アブレーションライン内に形成された前記1つ又はそれ以上の病変間の前記ギャップの前記非存在を検出する
ように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記カテーテルによって印加される前記アブレーションエネルギーが、パルス電界、高周波(RF)エネルギー、レーザエネルギー、又は極低温エネルギーのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
メモリと、
前記メモリに連結されたプロセッサであって、前記プロセッサが、
カテーテルが組織の一部内のアブレーションラインに沿って移動している間に、前記カテーテルから前記組織の一部の光学測定データを受信し、
前記光学測定データを分析することによって前記組織の一部の1つ又はそれ以上の光学特性を識別し、
前記1つ又はそれ以上の光学特性に基づいて、前記組織の一部内に形成された1つ又はそれ以上の病変間のギャップの存在又は非存在を検出する
ように構成されるプロセッサと
を備える、コンピュータデバイス。
【請求項20】
前記光学測定データが、前記組織の一部から取得した光干渉断層撮影法(OCT)信号、又は光干渉反射測定法(OCR)信号を含み、前記1つ又はそれ以上の光学特性が、複屈折、偏光、又はスペクトル情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載のコンピュータデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、カテーテルによるアブレーション中に組織に形成された病変間のギャップを検出するシステム、方法、及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
アブレーションは、組織壊死を生じさせるための医療技術である。これは、とりわけ、癌、バレット食道、又は心不整脈を含む様々な病状の治療に役立たせるために使用される。心房細動(AF)は、一般的なタイプの心不整脈であり、2010年に世界中で推定3350万人がこの症状を患っている。AFは、脳卒中のリスクを5倍増加させ、先進国では主要な健康管理上の問題である。AF患者の心調律を制御するために一般的に使用されている利用可能な薬物療法は、有効性に関して重大な欠点を有している可能性があり、重篤な副作用を引き起こし、患者の生活の質の低下をもたらす可能性がある。
【0003】
心臓カテーテルアブレーション治療は、心房細動(AF)を含む心調律異常を治療するために、エネルギーを使用して心臓組織に病変を形成する薄い操縦可能な治療用カテーテルを使用する低侵襲性処置であり得る。治療の成否は、心臓壁を完全に貫通して、AF再発の機会となり得るアブレーションポイント間のギャップを失うことなく組織をアブレーションする臨床医の能力に依存する。現在、臨床医は、リアルタイムで実施されるカテーテル接触の質、収縮安定性、伝達するエネルギー、又はアブレーションの質を決定し得ない。
【0004】
場合によっては、低温アブレーションのための極低温冷却、高周波(RF)アブレーション、電気穿孔アブレーションのためのパルス電界の使用、マイクロ波、レーザ、光音響/超音波などを含む、様々なエネルギー源をアブレーションに利用してもよい。従来のRF心臓アブレーションは、穿孔、又は隣接する構造への意図しない熱損傷に関連する重大な合併症をもたらす可能性があり、そのようなアブレーションは熱手段により病変を形成する。その限りにおいて、パルス・フィールド・アブレーション(PFA)は、アブレーション処理中に非熱的病変を生成するために電磁パルスを使用する。PFAは、電極を使用して、細胞中に細胞の不可逆的な電気穿孔を引き起こし、最終的に細胞死をもたらし得る。この技術は、熱損傷に関連する合併症を減少させるが、熱損傷に起因する限定的又は最小限の壊死のみが電極の表面の組織に存在し得る。現在の技術は、選択されたパラメータでPFAエネルギーによって形成された病変が不可逆的な電気穿孔及びその後の永続的な病変をもたらすか否かについて、臨床医に提示するには限界がある。そのような情報の欠如は、かなりのレベルで心不整脈の再発をもたらし得る。フォトニクスの使用を通して病変形成を直接評価する能力を有することにより、臨床医は、AFを治療するために、安全に、耐久性があり、連続的な病変を形成し、非貫壁性であり、又は治療領域のギャップである、形成が原因のその再発を減少させることが可能になる。
【発明の概要】
【0005】
したがって、組織アブレーション中に組織に形成された病変間のギャップを検出するためのリアルタイム、又はほぼリアルタイムの視覚表現のための新規の方法、デバイス、及びシステムを提供する必要があり得る。本明細書に提示される実施形態では、光学システム、コンソール又は処理デバイス、及びカテーテルは、アブレーション中に組織に形成された病変内の1つ又はそれ以上のギャップの存在又は非存在を検出するために、光学特性、例えば、組織の組織異方性及び複屈折を理解するための光学測定値を提供し得る。本明細書に記載のシステム、方法、及びデバイスは、組織を光学的に監視し、複屈折に関する光学特性を分析することによって、不整脈の再発率を大幅に低減し、アブレーションの成功率を改善するために、アブレーション処置中にアブレーションラインのギャップを識別し得る。
【0006】
一実施形態では、例示的な方法を説明する。本方法は、アブレーション中又は後に、組織の一部内にカテーテルを配置することを含む。カテーテルは、近位セクションと、複数の光学ポートを備える遠位セクションと、近位セクションと遠位セクションとの間に連結されたシャフトと、を含み、少なくとも1つの光学ポートは、組織の一部と接触する。方法は、組織の一部内のアブレーションラインに沿ってカテーテルの遠位セクションを移動している間に、カテーテル内の少なくとも1つの光学ポートを使用して光学測定データを取得することと、カテーテルに連結されたコンピュータデバイスを使用して光学測定データを分析することによって組織の一部の1つ又はそれ以上の光学特性を識別することと、1つ又はそれ以上の光学特性に基づいて組織の一部内のアブレーションライン内に形成された1つ又はそれ以上の病変間のギャップの存在又は非存在を検出することと、を更に含む。
【0007】
別の実施形態では、システムは、近位セクションと、遠位セクションと、近位セクションと遠位セクションとの間に連結されるシャフトと、を有するカテーテルを含む。システムは、カテーテル内に配置された複数の光ファイバと、複数の光ファイバに連結されたコンピュータデバイスと、を更に含む。コンピュータデバイスは、メモリと、アブレーション中又は後に、光ファイバから組織の一部の光学測定データを受信するように構成されるプロセッサと、を含む。コンピュータデバイスのプロセッサは、光学測定データを分析することによって組織の一部の1つ又はそれ以上の光学特性を識別し、1つ又はそれ以上の光学特性に基づいて組織の一部内に形成された1つ又はそれ以上の病変間のギャップの存在又は非存在を検出するように更に構成される。
【0008】
別の実施形態では、メモリと、メモリに連結されたプロセッサと、を含むコンピュータデバイスを説明する。コンピュータデバイスのプロセッサは、カテーテルが組織の一部内のアブレーションラインに沿って移動している間に、カテーテルから組織の一部の光学測定データを受信し、光学測定データを分析することによって組織の一部の1つ又はそれ以上の光学特性を識別し、1つ又はそれ以上の光学特性に基づいて組織の一部内に形成された1つ又はそれ以上の病変間のギャップの存在又は非存在を検出するように構成される。
【0009】
更なる機構及び利点、並びに様々な実施形態の構造及び動作は、添付の図面を参照して以下で詳細に説明する。本明細書に記載の特定の実施形態は、限定を意図しないことに留意されたい。そのような実施形態は、例示のみを目的として本明細書に提示する。更なる実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づいて、当業者には明らかであろう。
【0010】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、説明と共に、本開示の原理を説明し、当業者が本開示を作成及び使用することを可能にするために更に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態による、カテーテルの例示的な図を示す。
【0012】
図2A】本開示の実施形態による、カテーテルの断面を示す。
図2B】本開示の実施形態による、カテーテルの断面を示す。
【0013】
図3】本開示の実施形態による、アブレーション及びギャップ検出のためのシステムの例示的な図を示す。
【0014】
図4】本開示の実施形態による、制御されたアブレーションに使用され得るカテーテルの例示的な構成要素の図を示す。
【0015】
図5A】本開示の実施形態による、カテーテルの遠位セグメントの例示的な軸方向断面図を示す。
【0016】
図5B】本開示の実施形態による、カテーテルの遠位セグメントの例示的な径方向断面図を示す。
【0017】
図6】本開示の実施形態による、試料を撮像する光学システムの例示的な図を示す。
【0018】
図7】本開示の実施形態による、複屈折に基づくギャップ検出の視覚表現を示す例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を示す。
【0019】
図8】本開示の実施形態による、組織の光学測定からの例示的な結果を示す例示的な図を示す。
【0020】
図9】本開示の実施形態による、アブレーション中に組織内に形成された1つ又はそれ以上の病変間のギャップを検出する例示的な方法を示す。
【0021】
図10】本開示の実施形態による、コンピュータシステムの例示的な構成要素のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
特定の構成及び配置について説明するが、これは例示のみを目的としていることを理解されたい。当業者は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の構成及び配置を使用し得ることを認識するであろう。本開示が様々な他の用途にも使用し得ることは、当業者には明らかであろう。
【0024】
本明細書における「1つの実施形態、」、「一実施形態、」、「例示的な実施形態、」などへの言及は、記載した実施形態が、特定の機構、構造、又は特徴を含み得ることを示すが、すべての実施形態が、必ずしも特定の機構、構造、又は特徴を含むとは限らないことに留意されたい。更に、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の機構、構造、又は特徴を一実施形態に関連して記載しているとき、明示的に記載しているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような機構、構造、又は特徴に影響を及ぼすことは当業者の知識の範囲内である。
【0025】
本出願は、特に心臓アブレーションに言及しているが、本明細書に記載の実施形態は、極低温、高周波(RF)、マイクロ波、レーザ、超音波、及びパルス電界を含むがこれらに限定されない、アブレーションのための追加のエネルギー源と共に、他の病状も対象とし得ることに留意されたい。他の病状を治療するためにエネルギーを使用する原理は同様であり、したがって、エネルギーを印加するために使用される技術は同様である。
【0026】
本明細書では、「電磁放射」、「光」、及び「放射ビーム」という用語はすべて、様々な記載された要素及びシステムを通して伝播する同じ電磁信号を説明するために使用される。
【0027】
例示的なカテーテルの実施形態
【0028】
図1は、本開示の実施形態によるカテーテル100を示す。カテーテル100は、近位セクション102と、遠位セクション104と、近位セクション102と遠位セクション104との間に連結されるシャフト106と、を含む。一実施形態では、シャフト106は、ナビゲーションの目的のための1つ又はそれ以上の放射不透過性マーカを含む。一実施形態では、カテーテル100は、カテーテル100と処理デバイス108との間の通信インターフェース110を含む。通信インターフェース110は、処理デバイス108とカテーテル100との間の1つ又はそれ以上の光ファイバ及びコネクタを含み得る。他の例では、通信インターフェース110は、無線通信、例えば、Bluetooth、WiFi、セルラーなどが、カテーテル100、又はカテーテルシステム内の他の処理構成要素と通信し得るインターフェース構成要素を含んでもよい。
【0029】
一実施形態では、シャフト106及び遠位セクション104は使い捨てである。したがって、近位セクション102は、新規の処置が実行されるたびに、新規のシャフト106及び遠位セクション104を取り付けることによって再使用され得る。別の実施形態では、近位セクション102も使い捨てである。
【0030】
近位セクション102は、カテーテル100の操作に使用される様々な電気及び光学構成要素を収容し得る。光学評価のための放射源ビームを生成するために、第1の光源が近位セクション102内に含まれ得る。第1の光源は、1つ又はそれ以上のレーザダイオード又は発光ダイオード(LED)を含んでもよい。光源によって生成された放射ビームは、赤外線範囲内の波長を有してもよい。一例では、放射ビームは、1.3μmの中心波長を有する。光源は、単一の波長のみで放射ビームを出力するように設計されてもよく、又は掃引光源であり、異なる波長の範囲を出力するように設計されてもよい。生成された放射ビームは、シャフト106内の近位セクション102と遠位セクション104との間に接続された光学伝送媒体を介して、遠位セクション104に向かってガイドされ得る。光学伝送媒体のいくつかの例は、シングルモード光ファイバ及び/又はマルチモード光ファイバを含む。一実施形態では、電気伝送媒体及び光学伝送媒体は、電気信号と光学信号との両方の伝播を可能にする同じハイブリッド媒体によって提供される。
【0031】
いくつかの実施形態では、近位セクション102は、組織アブレーションのために遠位セクション104に適用されるレーザエネルギーを生成するために、第2の光源、例えば、レーザエネルギー源を含んでもよい。いくつかの実施形態では、レーザエネルギー源は、980nmの波長、又は1060nmの波長でレーザエネルギーのアブレーションビームを放射してもよい。近位セクション102内の供給源からのレーザエネルギーは、シャフト106内の近位セクション102と遠位セクション104との間に接続された光学伝送媒体を介してカテーテル100を下方に伝播し、レーザエネルギーは、カテーテル100の遠位セクション104から標的組織に出力され得る。例えば、供給源からのレーザエネルギーは、標的組織に20~30秒間印加される5W~12Wの光出力を生成し、心臓組織に貫壁性病変を生成する。別の例では、供給源からのレーザエネルギーは、標的組織に60~90秒間印加される30W~70Wの光出力を生成してもよい。いくつかの実施形態では、処理デバイス108は、1つ又はそれ以上の構成要素、例えば、検出器、電子機器、及び/又は本明細書に記載の光回路/システムの他の構成要素を含んでもよい。他の実施形態では、これらの1つ又はそれ以上の構成要素、例えば、検出器、電子機器、及び/又は光回路/システムの他の構成要素は、近位セクション102に含まれてもよい。
【0032】
一実施形態では、近位セクション102は、第2の光源から生成された光を使用して、低コヒーレンス干渉法(LCI)を実行するために、干渉計の1つ又はそれ以上の構成要素を含む。干渉データ分析の性質により、一実施形態では、光を遠位セクション104に、及び遠位セクション104からガイドするために使用される光学伝送媒体は、光偏光の状態及び程度に影響を及ぼさない。別の実施形態では、光学伝送媒体は、一定で、可逆的に、偏光に影響を及ぼす。
【0033】
近位セクション102は、カテーテル100のユーザがカテーテル100の動作を制御し得る更なるインターフェース要素を含んでもよい。例えば、近位セクション102は、遠位セクション104の偏向角度を制御する偏向制御機構を含んでもよい。偏向制御機構は、近位セクション102上の要素の機械的移動を必要とし得るか、又は偏向制御機構は、遠位セクション104の移動を制御するために電気接続を使用し得る。レーザエネルギーが遠位セクション104に印加されるとき、又は放射ビームが遠位セクション104から送出されるとき、ユーザが制御し、光学データの取得をし得る様々なボタン又はスイッチを、近位セクション102は含んでもよい。いくつかの実施形態では、近位セクション102は、遠位セクション104に連結された1つ又はそれ以上のプルワイヤを制御するための偏向制御機構を含んでもよい。いくつかの実施形態では、偏向制御機構及び1つ又はそれ以上のプルワイヤは、アブレーションのために特定の組織領域内を操作し、特定の組織領域を標的とするために、カテーテル100の遠位セクションの操縦を可能にする。
【0034】
遠位セクション104は、複数の光学観察ポートを含む。いくつかの実施形態では、複数の光学観察ポートは、本明細書ではカテーテルチップ内のオリフィスと呼ばれることがある。一実施形態では、光学観察ポートのうちの1つ又はそれ以上は、遠位セクション104の外側本体内で機械加工される。光学観察ポートは、遠位セクション104の外側にわたって配置され、複数の別個の視野方向をもたらす。いくつかの実施形態では、光学観察ポートは、遠位セクション104から様々な角度で光(例えば、光学信号)を送出し、集めてもよい。光学観察ポートにより、レーザエネルギーは、1つ又はそれ以上の光学観察ポートを通して組織アブレーションのために複数の方向(例えば、ビーム方向)に向けられ得る。一実施形態では、複数の視野方向の各々は、実質的に非同一平面上にある。光学観察ポートはまた、アブレーション中に遠位セクション104及び周囲組織を冷却するための灌注機能を有するように設計されてもよい。
【0035】
図2A及び図2Bは、本開示の実施形態による、シャフト106の断面図を示している。シャフト106は、近位セクション102を遠位セクション104と相互接続する要素のすべてを含み得る。シャフト106aは、灌注チャネル202、偏向機構206、電気接続部208、及び光学伝送媒体210を収容する実施形態を示す。図2Aは、電気接続部208と光学伝送媒体210との両方の周りに巻き付けられた保護カバー212を示している。電気接続部208は、遠位セクション104に位置する光変調構成要素に信号を提供するために使用され得る。他の実施形態では、光学伝送媒体210及び構成要素は、電気接続部208が収容される保護カバー212とは別個の保護カバー内に配置されてもよい。1つ又はそれ以上の光学伝送媒体210は、光源(曝露光)から生成された光を遠位セクション104に向かってガイドする一方で、光学伝送媒体210の別のサブセットは、遠位セクション104から戻ってくる光(散乱光又は反射光)を近位セクション102にガイドする。別の例では、同じ1つ又はそれ以上の光学伝送媒体210は、両方向に光をガイドする。いくつかの実施形態では、光学伝送媒体210は、1つ又はそれ以上のシングルモード光ファイバ及び/又はマルチモード光ファイバを備える。
【0036】
灌注チャネル202は、冷却流体を遠位セクション104に向かってガイドするために使用される中空管であってもよい。灌注チャネル202は、流体の温度に影響を及ぼすようにチャネルに沿って配置される加熱及び/又は冷却要素を含んでもよい。別の実施形態では、灌注チャネル202はまた、遠位セクション104を囲む流体を近位セクション102に引き戻すための通り道として使用されてもよい。
【0037】
偏向機構206は、遠位セクション104の偏向角を変更するために、遠位セクション104に信号を供給するように設計された電気的又は機械的要素を含んでもよい。偏向システムは、一実施形態によれば、近位セクション102に配置された機械的制御部を作動させることによって、遠位セクション104のガイドを可能にする。このシステムは、近位セクション102の偏向機構制御部を、遠位セクション104のカテーテルチップに接続するワイヤと組み合わせて、遠位セクション104の一方向の偏向をもたらすことを目的としたシャフト106内の一連の整列し、均一に離隔した切り欠きに基づき得る。このようにして、近位セクションの特定の動きは、遠位セクションに投影され得る。カテーテルチップに取り付けられたいくつかの制御ワイヤの組合せを含む他の実施形態は、異なる方向に沿ったカテーテルチップの偏向を可能にする。
【0038】
図2Bは、シャフト106bの断面を示している。シャフト106bは、電気接続部208がないことを除いて、図2Aのシャフト106aとほとんど同じ要素を有する実施形態を示す。生成された放射ビームの変調(例えば、多重化)が近位セクション102において実施される状況において、シャフト106bは使用され得る。いくつかの実施形態では、シャフト106bは、レーザ又は極低温アブレーションに使用される診断用カテーテルに実装されてもよい。
【0039】
例示的なシステム、コンソール、及びカテーテルの実施形態
【0040】
いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテル及びコンソールシステムは、光干渉断層撮影法(OCT)及び/又は光干渉反射測定法(OCR)、屈折率測定法、あるいは他の方法を使用して、組織のアブレーションを実行し、アブレーションされた組織とアブレーションされていない組織との間のギャップをリアルタイムに検出して、組織内の瘢痕パターンを直接観察することによって、病変形成を評価してもよい。本明細書に記載の方法、デバイス、及びシステムは、組織から反射/屈折した光を光学的に取得し、反射光の光学特性を(例えば、強度及び偏光を測定し、測定値に基づいて組織の位相遅延及び/又は複屈折を計算することによって)決定し、組織のリアルタイムの評価及び視覚表現を提供する。光学測定データの視覚表現を提示することによって、アブレーションカテーテル及びコンソールシステムは、健常組織と比較して組織が瘢痕化したとき、これらの光学特性が変化する可能性があるため、変化を監視する場合がある。組織の光学特性の変化を識別することによって、アブレーションされた組織の1つ又はそれ以上の病変間のギャップを検出し得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイス及びシステムは、線維症、病変形成などの組織の特徴付けを実行するために使用され、脂肪組織、薄い組織、瘢痕組織、毛細血管、静脈、血管、血液、血栓、(例えば、除神経に関する)神経、導電性組織などを含む様々な組織を評価してもよい。
【0042】
図3は、本開示の実施形態による、アブレーション及びギャップ検出を実行するためのシステム300の例示的な図を示している。システム300は、カテーテル302と、コンソール310と、信号発生器320と、ディスプレイ325と、灌注ポンプ330と、を含む。カテーテル302、コンソール310、信号発生器320、ディスプレイ325、及び灌注ポンプ330は、有線及び/又は無線接続を介して共に通信可能に連結され得る。いくつかの実施形態では、カテーテル302は、図1に示すカテーテル100の例示的な実施形態を表してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル302の遠位セクションは、患者304の組織の一部に配置される。いくつかの実施形態では、カテーテル302の遠位セクションの1つ又はそれ以上の光学ポートは、患者304の組織の一部と接触するように配置されてもよい。本明細書に記載の実施形態は、インビボ及び/又はインビトロで使用され得ることが理解される。
【0043】
いくつかの実施形態では、カテーテル302は、信号発生器320によって生成されたエネルギーを使用して、アブレーションを受ける組織の一部に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、信号発生器320は、アブレーションのための高周波(RF)、極低温、又は電気穿孔(例えば、パルス電界)信号を生成するように構成される電子デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、信号発生器320は、本明細書ではアブレーションエネルギー源と呼ばれることがある。信号発生器320は、直接又はコンソール310を介してカテーテル302に連結されてもよく、選択された組織部位で組織の一部をアブレーションするためにカテーテル302にエネルギーを送ってもよい。いくつかの実施形態では、組織の一部は、心筋組織、心臓の筋組織、骨格組織などを備えてもよい。エネルギーは、カテーテル302の遠位セクションの光学観察ポートを通して組織の一部に印加され得る。エネルギーを印加した後、カテーテル302の1つ又はそれ以上の光学観察ポートを介して光学信号を取得することによって、組織の構造変化を観察し得る。
【0044】
コンソール310は、カテーテル302から光学信号を取得し、光学信号を分析して、組織の光学特性の変化を検出するように構成されるコンピュータデバイスを備え得る。いくつかの実施形態では、コンソール310は、本明細書に記載するように、光学信号の分析及びギャップ検出を実行するためのハードウェア(例えば、回路)、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コンソール310は、瘢痕の進行、組織とカテーテル302との間の接触、及び組織の他の特徴を監視するために、コンソール310それ自体内の光回路、及びカテーテル302を通して、組織内に光を送ってもよい。いくつかの実施形態では、コンソール310は、本明細書では、制御コンソール、コンピュータデバイス、処理デバイス、及び/又はコントローラと呼ばれることがある。コンソール310は、リアルタイム又はほぼリアルタイムで組織から取得された光学信号の視覚表現を、ユーザに提供し得るディスプレイ325に連結され得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ325は、光学信号分析及びギャップ検出からの結果を提示し、ユーザが、カテーテル302、コンソール310、信号発生器320、及び/又は灌注ポンプ330の動作に関連するパラメータを、選択/表示し、修正し、及び/又は制御することを可能にする。いくつかの実施形態では、ディスプレイ325は、本明細書ではユーザインターフェースと呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、ディスプレイ325は、聴覚、視覚、及び/又は触覚データをユーザに送信して、アブレーションエネルギーが送られる前、その最中、及び/又はその後に、組織試料の特徴、及びアブレーションシステムの状態、及び治療変数を、ユーザに知らせてもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ325によって提供されるデータは、アブレーション治療について良好な情報に基づいた決定を行うために臨床医によって使用されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、灌注ポンプ330は、チューブを介してカテーテル302に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、灌注ポンプ330は、流体がチューブを通して圧送され、カテーテル302を通して組織部位で(例えば、光学観察ポートを通して、又はカテーテル302の遠位セクションの別個の灌注スリットを通して)放出されることを可能にしてもよい。灌注ポンプ330からの流体は、アブレーション中にカテーテル302の遠位セクション、及び周囲組織を冷却し、アブレーション中及び/又は後に、任意の破片を洗い流し得る。いくつかの実施形態では、灌注ポンプ330は、本明細書では冷却源と呼ばれることがある。
【0046】
いくつかの実施形態では、カテーテル302は、1つ又はそれ以上の光学接続部312及び1つ又はそれ以上の電気接続部314を介してコンソール310に連結されてもよい。光学接続部312は、更なる分析のために、カテーテル302及びコンソール310に、並びにカテーテル302及びコンソール310からの光学信号の取得及び/又は伝送を可能にするシングルモード光ファイバ及び/又はマルチモード光ファイバを含み得る。電気接続部314は、アブレーションのために信号発生器320からカテーテル302に電力及びエネルギーを供給するために使用される配線、ピン、及び/又は構成要素を含み得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、光学接続部312及び電気接続部314は、通信インターフェース316を介してコンソール310に接続されてもよい。通信インターフェース316は、カテーテル302とコンソール310との間の様々な信号(例えば、光学信号及び電気信号)の伝送を可能にする。いくつかの実施形態では、通信インターフェース316は、カテーテル302とコンソール310との間の光ファイバの適切な整列を容易にするコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ設計は、電気延長ラインと光延長ラインとの両方を含んでもよい。
【0048】
図4は、本開示の実施形態による、カテーテル400の例示的な図を示している。カテーテル400は、図1及び図3それぞれに示すカテーテル100及びカテーテル302の例示的な実施形態を表す。カテーテル400は、近位セクション410と、遠位セクション420と、近位セクション410と遠位セクション420との間に連結されたシャフト430と、を含む。いくつかの実施形態では、近位セクション410は、臨床ユーザとインターフェースするためのハンドルを含む。ハンドルは、カテーテルシャフト430及び遠位セクション420の機械的及び機能的制御を可能にする1つ又はそれ以上のボタン、スライダ、レバー、照明、ダイヤル、及び他の要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルの近位セクション410はまた、配線404と、1つ又はそれ以上のコネクタ405と、を含んでもよい。配線404は、ワイヤハーネス又はグループ化されたケーブル、並びに光ファイバ及び/又は導波管を含んでもよい。1つ又はそれ以上のコネクタ405は、カテーテル400のインターフェースとして機能し、信号発生器320、光源、コンソール310、及び/又はディスプレイ325を含むアブレーションシステムの他の要素にカテーテル400を直接的又は間接的に接続してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルの近位セクション410はまた、灌注ポンプ330に接続するためのポートを有してもよい。いくつかの実施形態では、配線404、ワイヤリングハーネス要素、及び1つ又はそれ以上のコネクタ405は、近位セクション内のハンドルから取り外し可能であってもよい。他の実施形態では、カテーテル400とアブレーションシステムの他の要素との間の通信は、技術、例えば、Bluetooth、WiFi、セルラーなどを使用した無線であってもよい。
【0049】
カテーテル400のユーザが、カテーテル400の動作を制御し得る更なるインターフェース要素を、近位セクション410は含んでもよい。例えば、近位セクション410は、遠位セクション420の偏向角度を制御する偏向制御機構を含んでもよい。偏向制御機構は、近位セクション410上の要素の機械的運動を使用してもよく、又は偏向制御機構は、遠位セクション420の運動を制御するために電気接続を使用してもよい。近位セクション410は、RFエネルギーが遠位セクション420に印加されるとき、あるいは放射ビーム及び/又は光が遠位セクション420から送出されたとき、ユーザが制御し、光学データを取得し得る様々なボタン又はスイッチを含んでもよい。いくつかの実施形態では、これらのボタン又はスイッチは、処理デバイス又はハンドル自体に連結された別個のユーザインターフェースに配置されてもよい。
【0050】
偏向制御機構は、遠位セクション420の偏向角を変更するために、遠位セクション420に信号を供給するように設計された電気的要素又は機械的要素を含んでもよい。偏向システムは、一実施形態によれば、近位セクション410に配置された機械的制御部を作動させることによって、遠位セクション420のガイドを可能にする。この偏向システムは、近位セクション410の偏向機構制御部を、遠位セクション420のカテーテルチップ414に接続するワイヤと組み合わせて、遠位セクション420の一方向又は多方向の偏向をもたらすことを目的としたカテーテルシャフト430内の一連の整列し、均一に離隔した切り欠きに基づき得る。このようにして、近位セクション410の特定の動きは、遠位セクション420に投影され得る。いくつかの実施形態では、カテーテルチップに取り付けられたいくつかの制御ワイヤの組合せは、異なる方向に沿ったカテーテルチップの偏向を可能にする。
【0051】
図4は、カテーテルチップ414を示す拡大図で遠位セクション420の要素を更に示している。一実施形態では、カテーテルのシャフト430及び遠位セグメントは、ナビゲーションの目的のための1つ又はそれ以上の放射不透過性マーカ415を含んでもよい。いくつかの実施形態による、遠位セクション420は、アブレーションのための1つ又はそれ以上の外部電極413を含んでもよい。電極413は、カテーテルの遠位セクション420のセグメントにわたって配置されてもよく、又は遠位セクション420の遠位端のカテーテルチップ414上に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、冷却が必要な場合、カテーテル400の遠位セクション420はまた、1つ又はそれ以上の灌注オリフィス416を含んでもよい。いくつかの実施形態では、灌注ポンプ330によって供給される(例えば、圧縮性及び/又は非圧縮性)冷却流体は、カテーテル400のシャフト430を少なくとも部分的に通るチャネルを通って移動し、次いで灌注オリフィス416を通って外部に出る。これらの灌注オリフィス416は、カテーテルシャフト430、電極413、又はカテーテルチップ414の任意のセグメントに配置され得る。
【0052】
図5A及び図5Bは、本開示の実施形態による、カテーテル400の遠位セグメントの例示的な軸方向断面図及び径方向断面図をそれぞれ示している。図5A及び図5Bは、カテーテルチップ内の電極、観察ポート、及びレンズ・ファイバ・アセンブリの異なる構成を示している。
【0053】
図5A図5Bに示すように、カテーテル及びシャフト430の遠位セクション420は、アブレーションエネルギーを送るための単一の電極又は複数の電極413を有してもよい。いくつかの実施形態では、PFAエネルギーが使用されてもよく、電極413の構成は、単相パルス印加又は二相パルス印加を送るように構成されてもよい。冷却が実装されるいくつかの実施形態では、中央冷却チャネル506及び冷却連通路507は、冷却流体を、シャフト430を通って遠位セクション420にガイドし、次いで、そのような流体は、周囲の組織又は血液を冷却するために灌注オリフィス416を通って外部に出されてもよい。
【0054】
遠位セクション420はまた、遠位セクション420から様々な角度で光を送出/集めるための複数の光学観察ポート508を含み得る。いくつかの実施形態では、光学観察ポート508は、遠位セクション420の外側にわたって配置されてもよく、複数の別個の観察方向をもたらし、いくつかの実施形態では、複数の観察方向の各々は、実質的に同一平面上にない。
【0055】
図5A図5Bに示すいくつかの実施形態では、光は、光ファイバ505によってシャフト430及び遠位セクション420を通って伝播する。このような光ファイバ505は、被覆されてもよいし、被覆されなくてもよい。いくつかの実施形態では、光ファイバ505は、保護、絶縁、及び構造的完全性のためにポリマー被覆される。いくつかの実施形態では、光ファイバ505は、レンズ500に取り付けられて、その後組織に入る光を集束する。いくつかの実施形態では、ファイバは、のり又は接着剤505により機械的又は化学的に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、のり又は接着剤505は、機械的強度、及び更に光学的屈折率整合をもたらすように選択されてもよい。図5Bに示すように、いくつかの実施形態では、レンズ500及びファイバ505を定位置にローカライズし、方向付けるために、レンズ500及び/又はファイバ505を内部支持構造504によって支持してもよい。他の実施形態では、レンズ500は、シャフト430、電極413、及びカテーテルチップ414の構成によってローカライズ及び/又は方向付けされてもよい。いくつかの実施形態では、レンズ500は、ファイバ505の外部要素ではなく、ファイバ505の遠位端及びファイバコアに直接製造(例えば、エッチング、機械加工、レーザ切断、又は化学的に形成)された曲率によって作成されてもよい。いくつかの実施形態では、遠位セクション420は、光を、複数の光学観察ポート508の各々に、複数の光学観察ポート508の各々からガイドするためのパターン導波路及び光学集束又は誘導要素(例えば、レンズ、ミラーなど)を有する基板を含んでもよい。基板は、材料、例えば、ポリイミド、ポリエチレングリコール、パリレン、又はポリジメチルシロキサン(PDMS)から作製された可撓性、又は部分的に可撓性の基板であってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、図5Aに示すように、レンズ500を、光ファイバに接続し、カテーテルの凹部503内に配置してもよい。いくつかの実施形態では、レンズは、カテーテル表面(例えば、シャフト、電極、又は先端部)と同一平面501であってもよく、又はカテーテルシャフト430の表面502、電極413、又はチップ414を越えて延在してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル表面と同一平面501にあるか、又は表面502を越えて延在するレンズは、外部組織との接触点であってもよい。冷却が実装されるいくつかの実施形態では、カテーテル内に陥入され、光の通過を可能にするために観察ポート508を使用するレンズはまた、灌注オリフィス416としてこれらの同じ観察ポート508を使用してもよい。いくつかの実施形態では、観察ポート508及び灌注オリフィス416は、明確に別個の要素であってもよい。
【0057】
例示的な光学システムの実施形態
【0058】
図6は、本開示の実施形態による、試料620を撮像するための例示的な光学システム601の図を示している。いくつかの実施形態では、光学システム601の構成要素は、カテーテル100、302又は400を使用して試料620の光学測定値を取得するために、コンソール310に実装されてもよい。いくつかの実施形態では、光学システム601は、本明細書では光回路と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、試料620は、患者の体内の組織表面であってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、光学システム601は、低コヒーレンス干渉法(LCI)、光干渉断層撮影法(OCT)、及び/又は光コヒーレンス屈折法、あるいは他の光学モダリティを利用して撮像を実行してもよい。光学システム601は、光源602と、偏光スプリッタ603と、連結/分割要素604と、試料アーム606と、偏光スイッチ607と、基準アーム608と、光学スイッチ609と、出力ファイバ610と、遅延ユニット612と、検出器614と、を含み得る。光学システム601は、明確にするために図示していない任意の数の他の光学要素を含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、光学システム601は、試料アーム606又は基準アーム608の経路に沿って、ミラー、レンズ、格子、スプリッタ、微小機械要素などを含んでもよい。
【0060】
光源602は、1つ又はそれ以上のレーザダイオード又は発光ダイオード(LED)を含んでもよい。例えば、LEDは、時間領域及び/又はスペクトル領域分析を実行するときに使用されてもよく、波長可変レーザが、任意の範囲の波長にわたって光の波長を掃引するために使用されてもよい。光源602によって生成された放射ビームは、赤外範囲(例えば、750nm~1mm)内の波長を有し、他の光源602は、可視範囲(例えば、400nm~750nm)、又は紫外範囲(例えば、400nm~10nm)内で動作してもよい。一例では、放射ビームは、1000nm~1600nmの間の中心波長を有する。光源602は、単一の波長のみで放射ビームを出力するように設計されてもよく、又は掃引光源であり、異なる波長の範囲を出力するように設計されてもよい。波長の範囲は、近赤外又は中赤外スペクトル範囲に見られる任意の波長を含んでもよい。生成された放射ビームは、シャフト430内の近位セクション410と遠位セクション420との間に接続された光学伝送媒体を介して遠位セクション420に向かってガイドされ得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、光学システム601は、光源602から生成された光を使用してLCIを実行するために、干渉計の1つ又はそれ以上の構成要素を含む。いくつかの実施形態では、LCIを実行する際に、光学システム601は、干渉データを分析してもよい。干渉データ分析は、組織によって反射又は散乱された光の偏光状態の変化を理解することと関連付け、これにより、組織の複屈折の変化の評価を可能にする。いくつかの実施形態では、光を、遠位セクション420に、及び遠位セクション420からガイドするために使用される光学伝送媒体は、光偏光の状態及び程度に影響を及ぼさない場合がある(例えば、シングルモード光ファイバ)。他の実施形態では、そのようなLCI回路の場合、光学伝送媒体は、一定で、可逆的に偏光に影響を及ぼす場合がある。光学システム601の更なる実施形態では、組織によって反射又は散乱された光の光学分析は、組織分光法に関連する方法を含んでもよい。組織分光法では、光を、遠位セクション420に、及び遠位セクション420からガイドするために使用される光学伝送媒体は、複数のモードの光、例えば、マルチモード光ファイバを可能にする。光学システム601の更なる実施形態では、シングルモードファイバとマルチモードファイバとの両方を使用して、1つ又はそれ以上の光源から遠位セクション420及び後方への異なる経路を決定し、それにより、LCI方法と分光法との両方をシステムによって使用して、アブレーション処置を好適に制御してもよい。
【0062】
本開示の様々な実施形態は、医療デバイス、例えば、試料620(例えば、アブレーション組織部位で)の光学的調査のためのカテーテル400内に組み込まれたLCIシステムを含む。いくつかの実施形態では、LCIシステムは、光学システム601によって実装されてもよく、光学システム601は、本明細書ではLCIシステムと呼ばれることがある。
【0063】
いくつかの実施形態では、光源602は、1つ又はそれ以上のファイバを介して連結/分割要素604に連結される放射源ビームを生成してもよい。連結/分割要素604は、光源602から受け取った光を、試料アーム606と基準アーム608との両方に向けるために使用される。連結/分割要素604は、例えば、連結要素(例えば、双方向連結部)、光学スプリッタ、調整可能分割比連結部、又は単一の光ビームを2つ以上の光ビームに変換する任意の他の変調光学デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、光源602からの光はまた、光減衰器を通過してもよい。
【0064】
試料アーム606を下方に進む光は、最終的に、偏光スイッチ607及び光学スイッチ609を通って進むことによって試料620に衝突する。いくつかの実施形態では、偏光スイッチ607は、試料アーム606に含まれてもよいが、LCIシステムの入力(例えば、連結/分割要素604の前)にあってもよい。いくつかの実施形態では、偏光スイッチ607を通過した後、光学スイッチ609は、光を、複数の出力ファイバ610のうちの1つ又はそれ以上に向けてもよい。いくつかの実施形態では、複数の出力ファイバ610は、コネクタを介してカテーテル302のファイバに連結されるコンソール310のファイバを表す。
【0065】
いくつかの実施形態では、試料620は、撮像される任意の適切な試料、例えば、組織であってもよい。光は、試料620内の様々な深度から戻って散乱し、反射し、散乱/反射した放射は、試料アーム606に戻って集められる。走査深度は、遅延ユニット612内の光に課される遅延を介して選択され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、遅延ユニット612は、様々な光変調要素を含んでもよい。これらの変調要素は、光における望ましくない光学効果に対抗するために、更に撮像される試料620の1つ又はそれ以上の深度を選択するために、位相及び/又は周波数変調を実施し得る。いくつかの実施形態では、遅延ユニット612はまた、基準アームの光偏光を制御し、偏光を変調してもよい。いくつかの実施形態では、基準アーム608上の変調方式は、基準アーム内のスイッチング要素の必要性を単純化し、時間多重化から周波数/位相/コード/偏波多重化へのシフトを可能にし得る。「光」という用語の使用は、電磁スペクトルの任意の範囲を指し得る。一実施形態では、「光」という用語は、約1.3μmの波長の赤外線を指す。
【0067】
図示の実施形態では、遅延ユニット612は、基準アーム608内に配置される。しかしながら、遅延ユニット612は代わりに、試料アーム606内に配置されてもよいことを理解されたい。あるいは、遅延ユニット612の様々な要素は、試料アーム606と基準アーム608との両方に存在してもよい。例えば、可変遅延を光に導入する遅延ユニット612の要素が、試料アーム606内に配置されてもよい一方で、光の異なる偏光モードを変調する要素は、基準アーム608内に配置されてもよい。別の例では、光の異なる偏光モードを変調する遅延ユニット612の要素が、試料アーム606内に配置されてもよい一方で、光に可変遅延を導入する要素は、基準アーム608内に配置されてもよい。一例では、試料アーム606及び基準アーム608は、光ファイバである。例えば、光ファイバシステム、自由空間光学システム、フォトニック集積回路などの他の実装態様も考えられ得る。
【0068】
一実施形態では、光は、光源602から1つ又はそれ以上のファイバを介して連結/分割要素604に連結されてもよく、光は、連結/分割要素604から、偏光スプリッタ603に、1つ又はそれ以上のファイバを介して、又は直接自由空間連結によって、検出器614に連結されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、光学スイッチ609は、複数の出力ファイバ610を通る1つ又はそれ以上のビームの選択を可能にする。いくつかの実施形態では、試料620から戻ってくる信号が基準アーム608と組み合わされ、次いで、偏光スプリッタ603を使用して検出器614内の異なるチャネルに分割され得るように、1つのビームが、一度に動作状態であってもよい。いくつかの実施形態では、これにより、組織の複屈折及び他の光学特性を一度に1つのチャネルから測定してもよい。他の実施形態では、いくつかのビームが同時に動作状態であり、マルチプレクサ又は他のタイプのビームスプリッタによって分割されてもよく、各経路からの各ビームは、それらの周波数、波長、振幅、又はビームの光の他の光学特徴によって識別される。
【0070】
いくつかの実施形態では、試料アーム606及び基準アーム608内の光は、連結/分割要素604によって(又は異なる光学連結要素によって)再結合され、次いで、検出器614で受光される前に偏光スプリッタ603によって分割される。いくつかの実施形態では、光は、連結/分割要素604による連結の前に偏光されてもよい。他の実施形態では、光は、基準アーム608内で分割されてもよい。検出器614は、受光した光を電気信号に変換するために、任意の数のフォトダイオード、電荷結合デバイス、及び/又はCMOS構造を含んでもよい。電気信号は、試料620に関連する深度分解光学データを含み、更なる分析及び信号処理手順のために処理デバイスによって受信され得る。本明細書で使用される場合、「深度分解」という用語は、撮像された試料の特定の深度に関連するデータの1つ又はそれ以上の部分を識別し得るデータを定義する。いくつかの実施形態では、処理デバイスは、インターフェースを有し、インターフェースは、そのような電気信号をデジタルデータに変換し、その後、標準的な処理ユニット、例えば、コンピュータ、データプロセッサ、リプログラマブルハードウェア、ASIC、又は任意の他のタイプのデジタルデータ処理回路若しくはシステムによって処理され、分析されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、光源602、検出器614、及び遅延ユニット612は、カテーテル400の近位セクション410内に配置される。いくつかの実施形態では、光源602、検出器614、及び遅延ユニット612は、処理デバイス108内に配置される。連結/分割要素604、偏光スプリッタ603、偏光スイッチ607、光学スイッチ609、並びに試料アーム606及び基準アーム608の一方又は両方の少なくとも一部は、処理デバイス108内、又はカテーテル100の近位セクション102若しくは遠位セクション104のいずれかに配置され得る。いくつかの実施形態では、光学システム601の要素のいずれかは、図3に示すカテーテルシステム300の処理デバイス108又はコンソール310に配置される。いくつかの実施形態では、検出器614は、カテーテル100のハンドル内に配置されてもよい一方で、供給源602は、処理デバイス108内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、光学システム601の構成要素のいずれかは、カテーテル100又はカテーテル302の外部、例えば処理デバイス108内、又はコンソール310内に配置される。いくつかの実施形態では、光学システム601は、マイケルソン干渉計と同様の干渉計設計として示している。しかしながら、マッハツェンダ又はミロー干渉計設計を含む他の干渉計設計も可能である。いくつかの実施形態では、光学システム601内の構成要素を、スペクトル領域OCT構成に適合させてもよい。例えば、光源602は、スーパー・ルミネッセント・ダイオード(SLED)又は発光ダイオード(LED)であってもよく、検出器614は、組織の光学分光法を行うための分光計であってもよい。
【0072】
例示的なギャップ検出実施形態
【0073】
本明細書に記載のカテーテル及びコンソールシステムは、アブレーションされた組織とアブレーションされていない組織との間のギャップ検出を可能にして、適切な病変形成を評価する。いくつかの実施形態では、臨床医又はユーザは、心臓組織内のアブレーションラインに沿ってカテーテル(例えば、カテーテル400)を使用して心臓アブレーションを実行してもよい。いくつかの実施形態では、アブレーションエネルギーがカテーテルによって組織に印加された組織の一部内の複数のアブレーションポイントを、アブレーションラインは含んでもよい。いくつかの実施形態では、左心房の異なるセグメントを分離し、肺静脈を電気的に絶縁するために、カテーテルによってアブレーションラインを形成してもよい。例えば、これらのラインは、右上肺静脈と左上肺静脈との間の左心房天井に沿って、僧帽弁から左下肺静脈まで形成されてもよい。最初の処置でアブレーションラインを使用して肺静脈を分離することは、心房細動の治療に有益であり得るが、アブレーション後の心房細動の再発が一般的であり得る。最初の処置中に分離された肺静脈が分離されたままでない場合、再発が起こり、その結果、再発性不整脈の主な原因となり得る伝導の復帰が起こる。場合によっては、アブレーションラインを横切る伝導の復帰は、アブレーションライン内のギャップの結果として起こり得る。ギャップは、アブレーションエネルギーが印加された後、病変を形成していないか、又は十分に大きな病変を形成していない組織領域であり得る。例えば、組織の一部内のアブレーションライン内に形成された1つ又はそれ以上の病変間にギャップが存在し得る。ギャップは、不連続なアブレーションラインをもたらし、これは伝導を引き起こし、次いで不整脈の再発をもたらす場合がある。
【0074】
したがって、アブレーションを実行するユーザが、アブレーション処置中に病変形成をチェックし、任意のギャップを評価する能力を有することが有益であろう。特に、ユーザが、アブレーションを実行している間にギャップを識別し、再アブレーションする必要があり得る組織内の位置を識別するために、ユーザが、カテーテル及びコンソールシステム(例えば、システム300内のカテーテル302及びコンソール310)にギャップ検出機能を有することが有益であり得る。したがって、本明細書に記載のシステム、方法、及びデバイスは、病変形成を評価し、ギャップをチェックするために、調査された組織の複屈折の変化によって監視され得る組織の光学的読み出し及び視覚表現をもたらし得る。本明細書に記載のシステムは、アブレーション病変をリアルタイムに観察し、ギャップ検出のためにアブレーションされた領域を特徴付け又は評価するために、ディスプレイ(例えば、ディスプレイ325)上に示すユーザインターフェース上に提示する視覚表現を生成し得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、臨床医又はユーザは、アブレーションを実行するために、直接又はアクセスシースを通して、カテーテルデバイス(例えば、カテーテル100、302、又は400)をヒト血管系に導入してもよい。カテーテルの遠位セクション420は、ガイドワイヤ、アクセスシース、操縦可能シース、又はカテーテル400自体の偏向を使用して、アブレーションの部位に移動される。アブレーション部位(例えば、心房、心室、動脈、静脈など)では、カテーテル遠位セクション420の表面上の少なくとも1つ又はそれ以上の電極413が、アブレーション部位の組織と直接接触して配置される。PM光学伝送媒体を少なくとも部分的に通ってカテーテル400の遠位セクション420に進む、光源によって放射された光又は他の形態の放射を使用して、遠位セクション420と組織アブレーション部位との間に接触又は接触安定性を確立し得る。接触又は接触安定性が確立された後、PFAパルス列が組織に送出されてもよく、パルス列の特徴(例えば、周波数、振幅、強度、又は持続時間)は、ユーザによって決定される。
【0076】
アブレーションパルス列の送出中及び/又は後、調査した組織の複屈折の変化は、カテーテルを通して組織内に送られる反射/散乱光信号の偏光状態及び位相遅延の変化の評価を通して、コンソール310及びディスプレイ325によって監視され得る。複屈折は、光の偏光及び伝播方向に関連する材料の光学特性である。ほとんどの生存可能なヒト軟組織(例えば、心筋、腎臓、脳組織など)は、複屈折であると一般に見なされる。この複屈折は、それらの内部構成要素及び構造の構成及び幾何学的形状に由来する。最も注目すべきことに、タンパク質の構成及び幾何学的形状、並びに/又は組織内の細胞の構成及び整列は、組織複屈折の重要な決定要因である。タンパク質自体の幾何学的形状及びマトリックス内でのそれらの配置が変化するにつれて、その内部タンパク質の一部がそれらの正常状態から変性状態に移行すると、組織の光学複屈折が変化する。コラーゲン、エラスチン及びフィブリンは、変性したときに組織の複屈折特性に影響を及ぼし得る細胞外マトリックスタンパク質であり、そのような細胞外マトリックスから反射又は散乱された光は、これらのタンパク質が正常な状態にあるときに受信される光学信号と比較したとき、異なる偏光状態(例えば、偏光及び位相遅延)を有し得る。更に、変性したときの細胞膜及び細胞内細胞骨格中の他のタンパク質もまた、変性したとき、又は細胞膜若しくは細胞骨格の幾何学的形状が変化したとき、光の偏光状態に変化を生じ、組織の異方性に影響を及ぼし得る。
【0077】
本明細書に記載のLCIシステムを使用した(例えば、コンソール310及び光学システム601を使用した)実験は、熱損傷がない場合のPFAエネルギー列の適用に関連する組織の複屈折の変化に影響され易いことを示している。したがって、本明細書に記載のカテーテルシステムは、偏光感受性LCIを使用して、アブレーションされた試料の光学的状態を調査し、反射及び散乱光の信号、並びにその偏光状態、位相遅延、及び複屈折を分析することによって、組織のリアルタイムで直接的な視覚表現を可能にする。カテーテル及びコンソールシステムは、アブレーションされていない組織領域、及び心調律電気伝導性を有さない恒久的にアブレーションされた組織領域の検出と共に、組織内の病変の直接的な視覚表現をユーザにもたらし得る。病変の幾何学的形状を決定し、視覚化することにより、臨床医は、病変が組織壁を完全に貫通したか否か、又はアブレーション部位で所望の構造に到達したか否か、及びアブレーションライン内にギャップがあるか否か、を評価し得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、カテーテル及びコンソールシステムは、組織の一部の光学測定データを分析することから取得された複屈折信号を使用して、カテーテルと組織との接触及び/又は接触安定性を決定してもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの光学観察ポートがアブレーションされていない組織と接触しているときに複屈折信号を受信すると、カテーテルと組織との接触又は接触安定性を確立してもよい。したがって、カテーテル内の光学観察ポート(例えば、観察ポート508)を介した複屈折信号の受信は、カテーテルの遠位セクションがアブレーションされる組織の一部と接触していることを示し得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、カテーテル及びコンソールシステムは、光学測定データを分析することによって、及び/又はアブレーションエネルギーレベルを評価する(例えば、送られた電流と戻り電流とを比較する)ことによって、ギャップ検出を実行してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル及びコンソールシステムは、組織の一部に送出された第1のレベルのアブレーションエネルギーを、システムに反射又は別の方法で戻された第2のレベルのエネルギーと比較してもよい。使用されるアブレーションエネルギーのタイプ(例えば、RF、PFAなど)にかかわらず、恒久的にアブレーションされた(すなわち、死んでいる)組織が示す複屈折のレベルは、生きている又は部分的にアブレーションされた組織が示すxc複屈折のレベルとは異なる。特に、アブレーションされた組織は、複屈折をほとんど又は全く示さない場合がある。生きている複屈折又は部分的にアブレーションされた複屈折は、複屈折のレベルの増加を示し得る。
【0080】
図7は、本開示の実施形態による、光学測定データの視覚表現を示す例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)700を示している。いくつかの実施形態では、GUI700は、光学測定データが光学システム601によって取得され得る、コンソール310に連結されたディスプレイ325上に提示されてもよい。GUI700は、例えば、アブレーションプロセスのためにリアルタイム又はほぼリアルタイムで、コンソール310によって処理されるような光学測定データを提供する。いくつかの実施形態では、GUI700は、異なるセクション、例えば、カテーテルチップの様々な光学観察ポート(例えば、観察ポート508)に対応する複数のタイル708を示す(GUI700の右側に示す)、カテーテルチップの正面図を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、GUI700内の複数のタイル708は、カテーテル内の各光学観察ポートの光学的読み出しを示してもよい。いくつかの実施形態では、複数のタイル708はそれぞれ、カテーテルチップの異なる光学観察ポートに対応してもよい。各タイル708は、カテーテル内のそれぞれの光学観察ポートセクションから取得された光学信号及び/又は光学測定値を、コンソールによって処理することで生じる複屈折信号を表してもよい。いくつかの実施形態では、個々のタイル708は、所与の時間に動作状態である特定の光学観察ポートセクションに基づいて、オン又はオフにスイッチされてもよい(あるいは出現又は消失してもよい)。いくつかの実施形態では、タイル708は、どの光学観察ポートが組織と接触しているか、及び異なる光学観察ポートからのどのビームが動作しているかを示してもよい。いくつかの実施形態では、(タイル708に示すように)1つ又はそれ以上の光学観察ポートからの複屈折信号の存在又は非存在は、カテーテルチップ内の1つ又はそれ以上の光学観察ポートが組織と接触しているか否か(例えば、カテーテルと組織との間の強い接触、中間接触、最小限の接触、又は接触なし)を示してもよい。いくつかの実施形態では、1つ又はそれ以上の光学観察ポートからの複屈折信号の存在又は非存在は、アブレーション中及び/又は後に、組織内のアブレーションライン内に形成された1つ又はそれ以上の病変間に検出されたギャップがあるか否かを示してもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、GUI700は、アブレーションエネルギーデータ(例えば、RF出力)、複屈折データ、位相データ、及び予測病変深度データを示す1つ又はそれ以上のグラフ710を含んでもよい。いくつかの実施形態では、GUI700は、カテーテルチップと組織との間の安定した接触の発生、複屈折の損失、アブレーションエネルギーの状態(例えば、オン/オフ)、及び予測病変深度を示す、1つ又はそれ以上のパネル又はインジケータを含んでもよい。いくつかの実施形態では、GUI700は、アブレーションのために、又はアブレーション中にカテーテルを操作するために、選択されたパラメータのユーザ選択及び/又はカスタマイズを可能にする、1つ又はそれ以上のボタン又はテキストボックスを含んでもよい。
【0083】
図8は、本開示の実施形態による、組織の光学測定からの例示的な結果を示す例示的な図800を示している。図8は、複屈折に関して説明しているが、当業者は、複屈折、例えば、偏光及び/又はスペクトル情報(例えば、組織からの分光情報又は撮像情報)の変化に加えて、又はその代わりに、アブレーションされた組織を検出するために、他の光学測定も使用され得ることを認識するであろう。図8の例では、図800は、ある期間にわたってカテーテル内の光学観察ポート508によって測定された1つ又はそれ以上の光学信号からの組織の複屈折の例示的な光学的読み出しを示している。いくつかの実施形態では、図800は、図7のGUI700のタイル708のうちの1つ、又はグラフ710のうちの1つに示される光学読み出しを表してもよい。
【0084】
図8に示すように、図800は、組織がアブレーションを受けると、組織が複屈折の損失を呈することを示している。いくつかの実施形態では、グラフ800の垂直破線で示すように、組織の複屈折信号は、所定の期間(例えば、アブレーション時間)後に細胞死すると減少する。いくつかの実施形態では、アブレーション中又は後の組織の複屈折変化は、組織へのPFAエネルギー(例えば、パルス列)の送出後、数秒以内(例えば、30秒未満)、又は数分(例えば、最大40分)以内に観察され得る。いくつかの実施形態では、複屈折の変化を検出する時間は、パルス列の強度(例えば、パルスの振幅)、タイプ(単相、二相)、周波数(例えば、パルスの周波数)、及び持続時間(例えば、すべてのパルスが組織に送出される総時間)に依存する可能性がある。いくつかの実施形態では、複屈折の変化又は減少が、所定の時間枠内(例えば、約1秒~約1時間の範囲内)に検出されなかった場合、臨床医は、同じ又は異なる特徴を有するパルス列を使用して組織を再アブレーションしてもよい。
【0085】
複屈折の変化は、組織の一部内に形成された1つ又はそれ以上の病変間にギャップがあるか否かを示し得る。カテーテルが(組織と接触して)アブレーションラインに沿って移動すると、所与の位置の組織から返される信号を処理して、組織がその位置で十分にアブレーションされているか否かを示し得る。例えば、アブレーションされた組織は、複屈折を表さないが、アブレーションされていない組織、又はアブレーションが不十分な組織は、複屈折を表す。いくつかの実施形態では、アブレーションライン内に形成された1つ又はそれ以上の病変間のギャップの存在は、光学観察ポートを通して組織内の複屈折信号を識別することによって検出されてもよい。いくつかの実施形態では、アブレーションライン内に形成された1つ又はそれ以上の病変間のギャップの欠如は、光学観察ポートを通して組織内の複屈折信号の非存在を識別することによって検出されてもよい。例えば、カテーテルがアブレーションラインに沿って移動すると、0(又は他の低い値)から高い値への複屈折信号の変化は、組織が十分にアブレーションされなかったアブレーションライン内にギャップが存在することを示し得る。
【0086】
動作方法の例示的な実施形態
【0087】
本明細書に記載のカテーテル、コンソール、及びシステムは、組織の光学分析及びギャップ検出を実行するために使用され得る。本明細書に記載のギャップ検出方法を利用することによって、本明細書に開示のカテーテルシステム及び光学システム(例えば、カテーテルシステム300及び光学システム601)は、再アブレーションを必要とし得る組織位置に対して高い精度をもたらしつつ、リアルタイム又はほぼリアルタイムで組織内の病変形成のギャップの評価を可能にする。
【0088】
これまでに説明したカテーテル及びシステムの様々な方法及び他の実施形態は、例えば、図1に示すカテーテル100、図3に示すシステム300(カテーテル302及びコンソール310を含む)、図4図5A、及び図5Bに示すカテーテル400、図6に示す光学システム601、並びに図7図8に示す実施形態を使用して、実装され得る。
【0089】
図9は、本開示の実施形態による、アブレーション中に組織内に形成された1つ又はそれ以上の病変間のギャップを検出する例示的な方法900を示している。いくつかの実施形態では、方法900は、明細書に記載の図3のコンソール310、図1図4図5A、及び図5Bのカテーテル100、302又は400、並びに/あるいは図6の光学システム601によって実行されてもよい。
【0090】
ブロック902において、カテーテルが、アブレーション中又は後に、組織の一部内に配置され得る。いくつかの実施形態では、カテーテルは、近位セクションと、複数の光学ポートを含む遠位セクションと、近位セクションと遠位セクションとの間に連結されたシャフトと、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の光学ポートのうちの少なくとも1つの光学ポートは、組織の一部と接触するように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルが印加するエネルギーは、パルス電界、高周波(RF)エネルギー、レーザエネルギー、極低温エネルギー、又は超音波エネルギーのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0091】
ブロック904において、組織の一部内のアブレーションラインに沿ってカテーテルの遠位セクションを移動している間に、光学測定データが、カテーテル内の少なくとも1つの光学ポートを使用して組織の一部から取得され得る。いくつかの実施形態では、光学測定データは、組織の一部から取得した1つ又はそれ以上の光干渉断層撮影法(OCT)信号及び/又は光干渉反射測定法(OCR)信号を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学測定データは、光学システム601によって、及び/又はコンソール310によって取得されてもよい。いくつかの実施形態では、アブレーションラインは、組織がアブレーションされた組織の一部内に複数のアブレーションポイントを含んでもよい。
【0092】
ブロック906において、カテーテルに連結されたコンピュータデバイスを使用して光学測定データを分析することによって、組織の一部の1つ又はそれ以上の光学特性が、識別され得る。いくつかの実施形態では、1つ又はそれ以上の光学特性は、複屈折、偏光、及び/又はスペクトル情報(例えば、組織からの分光情報又は画像情報)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0093】
ブロック908において、ギャップの存在又は非存在が、1つ又はそれ以上の光学特性に基づいて検出され得る。いくつかの実施形態では、ギャップは、組織の一部内のアブレーションライン内に形成された1つ又はそれ以上の病変間にあってもよい。ギャップは、組織の一部内に病変を形成していない組織領域であってもよい。いくつかの実施形態では、組織の一部の1つ又はそれ以上の光学特性は、複屈折であってもよい。いくつかの実施形態では、アブレーションライン内に形成された1つ又はそれ以上の病変間のギャップの存在又は非存在は、組織の一部内に複屈折があるか否かを識別することに基づいて検出されてもよい。一例では、複屈折が組織の一部内で検出された場合、組織の一部内の1つ又はそれ以上の病変間にギャップが存在する。組織の一部内に複屈折がない場合、組織の一部内の1つ又はそれ以上の病変間にギャップはない。いくつかの実施形態では、ディスプレイ325に示されるユーザインターフェースは、カテーテル302による組織のアブレーション中又はアブレーション後に、複屈折の変化の視覚表現をリアルタイムで提示してもよい。
【0094】
1つ又はそれ以上の病変間のギャップの存在が検出された場合、この例の方法900はブロック910に進む。ブロック910において、アブレーションエネルギーは、カテーテルを通して、組織の一部内のギャップの組織位置に印加され得る。いくつかの実施形態では、アブレーションエネルギーは、カテーテルの遠位セクションを通って組織位置に印加されてもよい。
【0095】
1つ又はそれ以上の病変間にギャップの非存在が検出された場合、この例の方法900はブロック912に進む。ブロック912において、カテーテルは、組織の一部から除去され得る。
【0096】
例示的なコンピュータ実施形態
【0097】
図10は、コンピュータシステム1000の例示的な構成要素のブロック図である。例えば、本明細書で記載する実施形態のいずれか、並びにそれらの組合せ及び部分的組合せを実装するために、1つ又はそれ以上のコンピュータシステム1000を使用してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で記載するように、図9に示す方法900、及び/又はコンソール310、信号発生器320、及びディスプレイ325を実装するために、1つ又はそれ以上のコンピュータシステム1000を使用してもよい。コンピュータシステム1000は、1つ又はそれ以上のプロセッサ(中央処理装置又はCPUとも呼ばれる)、例えば、プロセッサ1004を含んでもよい。プロセッサ1004は、通信インフラストラクチャ又はバス1006に接続され得る。
【0098】
コンピュータシステム1000はまた、ユーザ入出力インターフェース1002、例えば、モニタ、キーボード、ポインティングデバイスなどを含み、これらは、ユーザ入出力デバイス1003を通して通信インフラストラクチャ1006と通信し得る。
【0099】
プロセッサ1004のうちの1つ又はそれ以上は、グラフィックス処理ユニット(GPU)であってもよい。一実施形態では、GPUは、数学的に集中的なアプリケーションを処理するように設計された専用の電子回路であるプロセッサであってもよい。GPUは、データの大きなブロック、例えば、コンピュータ・グラフィックス・アプリケーション、画像、ビデオなどに共通の数学的に集中したデータの並列処理に効率的な並列構造を有し得る。
【0100】
コンピュータシステム1000はまた、メイン又は一次メモリ1008、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)を含み得る。メインメモリ1008は、1つ又はそれ以上のレベルのキャッシュを含み得る。メインメモリ1008は、制御ロジック(すなわち、コンピュータソフトウェア)及び/又はデータを記憶し得る。いくつかの実施形態では、メインメモリ1008は、カテーテルが組織から取得した光学測定値の分析を実行し、ギャップ病変を検出するように構成される光学ロジックを含んでもよい。
【0101】
コンピュータシステム1000はまた、1つ又はそれ以上の二次記憶デバイス又はメモリ1010を含み得る。二次メモリ1010は、例えば、ハード・ディスク・ドライブ1012及び/又はリムーバブル記憶ドライブ1014を含んでもよい。
【0102】
リムーバブル記憶ドライブ1014は、リムーバブル記憶ユニット1018と相互作用し得る。リムーバブル記憶ユニット1018は、コンピュータソフトウェア(制御ロジック)及び/又はデータを記憶しているコンピュータ使用可能又は可読記憶デバイスを含み得る。リムーバブル記憶ユニット1018は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオ・ゲーム・デバイスに見られるものなど)、リムーバブル・メモリ・チップ(EPROM又はPROMなど)及び関連するソケット、メモリスティック及びUSBポート、メモリカード及び関連するメモリ・カード・スロット、並びに/又は任意の他のリムーバブル記憶ユニット及び関連するインターフェースであってもよい。リムーバブル記憶ドライブ1014は、リムーバブル記憶ユニット1018から読み出し、リムーバブル記憶ユニット1018に書き込みし得る。
【0103】
二次メモリ1010は、コンピュータプログラム及び/又は他の命令及び/又はデータがコンピュータシステム1000によってアクセスされることを可能にするための他の手段、デバイス、構成要素、機器、又は他の手法を含んでもよい。そのような手段、デバイス、構成要素、機器、又は他の手法は、例えば、リムーバブル記憶ユニット1022及びインターフェース1020を含んでもよい。リムーバブル記憶ユニット1022及びインターフェース1020の例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオ・ゲーム・デバイスに見られるものなど)、リムーバブル・メモリ・チップ(EPROM又はPROMなど)及び関連するソケット、メモリスティック及びUSBポート、メモリカード及び関連するメモリ・カード・スロット、並びに/又は任意の他のリムーバブル記憶ユニット及び関連するインターフェースを含んでもよい。
【0104】
コンピュータシステム1000は、通信又はネットワークインターフェース1024を更に含み得る。通信インターフェース1024により、コンピュータシステム1000は、外部デバイス、外部ネットワーク、外部エンティティなど(個別で、集合的に参照番号1028で参照される)の任意の組合せと通信し、相互作用することを可能にする。例えば、通信インターフェース1024により、コンピュータシステム1000は、有線及び/又は無線(又はそれらの組合せ)であり、LAN、WAN、インターネットなどの任意の組合せを含み得る通信経路1026を介して、外部又はリモートデバイス1028と通信可能であってもよい。制御ロジック及び/又はデータは、通信経路1026を介してコンピュータシステム1000に、及びコンピュータシステム1000から送出され得る。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム1000は、光ファイバ及び電気配線、ピン、並びに/又は構成要素を含む、通信インターフェース1024におけるコネクタ並びに光接続及び電気接続を介して、カテーテルに連結されてもよい。
【0105】
コンピュータシステム1000はまた、いくつかの非限定的な例を挙げると、携帯情報端末(PDA)、デスクトップワークステーション、ラップトップ若しくはノートブックコンピュータ、ネットブック、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチ若しくは他のウェアラブル、機器、モノのインターネットの一部、及び/又は組込みシステム、あるいはそれらの任意の組合せのいずれかであってもよい。
【0106】
コンピュータシステム1000は、リモート又は分散型クラウド・コンピュータ・ソリューションを含むがこれに限定されない任意の配信パラダイムを通して、任意のアプリケーション及び/又はデータにアクセス又はホスティングするクライアント又はサーバ、ローカル又はオン・プレミス・ソフトウェア(「オンプレミス」クラウドベースのソリューション)、「サービスとして」モデル(例えば、サービスとしてのコンテンツ(CaaS)、サービスとしてのデジタルコンテンツ(DCaaS)、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、サービスとしての管理ソフトウェア(MSaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、サービスとしてのデスクトップ(DaaS)、サービスとしてのフレームワーク(FaaS)、サービスとしてのバックエンド(BaaS)、サービスとしてのモバイルバックエンド(MBaaS)、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)など)、並びに/あるいは前述の例又は他のサービス若しくは配信パラダイムの任意の組合せを含むハイブリッドモデル、であってもよい。
【0107】
コンピュータシステム1000内の任意の適用可能なデータ構造、ファイルフォーマット、及びスキーマは、JavaScript Object Notation(JSON)、Extensible Markup Language(XML)、Yet Another Markup Language(YAML)、Extensible Hypertext Markup Language(XHTML)、Wireless Markup Language(WML)、MessagePack、XML User Interface Language(XUL)、又は任意の他の機能的に同様の表現を単独で、又は組み合わせて含む標準から導出されてもよいが、これらに限定されない。あるいは、独自のデータ構造、フォーマット、又はスキーマを、排他的に、又は公知若しくはオープン規格と組み合わせて使用してもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、記憶された制御ロジック(ソフトウェア)を有する有形の非一時的コンピュータ使用可能又は可読媒体を備える、製造物の有形の非一時的装置又は製品は、本明細書ではコンピュータプログラム製品又はプログラム記憶デバイスとも呼ばれ得る。これには、コンピュータシステム1000、メインメモリ1008、二次メモリ1010、並びにリムーバブル記憶ユニット1018及び1022、並びにこれらの任意の組合せを具現化する製造物の有形の製品を含むが、これらに限定されない。そのような制御ロジックは、(コンピュータシステム1000など)1つ又はそれ以上のデータ処理デバイスによって実行されると、そのようなデータ処理デバイスを本明細書に記載するように動作させ得る。
【0109】
発明の概要及び要約の項ではなく、発明を実施するための形態の項は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。発明の概要及び要約の項は、発明者によって企図される本開示のすべてではないが1つ又はそれ以上の例示的な実施形態を記載しており、したがって、本開示及び添付の特許請求の範囲を決して限定することを意図しない。
【0110】
本開示の実施形態は、指定した機能及びその関係の実装を示す機能的構成要素を用いて上述している。これらの機能的構成要素の境界は、説明の便宜上、本明細書では任意に定義される。指定した機能及びそれらの関係が適切に実行される限り、代替の境界を定義し得る。
【0111】
特定の実施形態の前述の説明は、本開示の一般的な性質を十分に明らかにするので、他者は、当業者の技術の範囲内で知識を適用することによって、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、過度の実験を行うことなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させ得る。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書に提示した教示及びガイダンスに基づいて、開示した実施形態の均等物の意味及び範囲内にあることを意図している。本明細書の表現又は用語は、本明細書の用語又は表現が教示及びガイダンスに照らして当業者によって解釈されるように、限定ではなく説明を目的とするものであることを理解されたい。
【0112】
本開示の幅及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。
【符号の説明】
【0113】
100 カテーテル
102 近位セクション
104 遠位セクション
106 シャフト
106a シャフト
106b シャフト
108 処理デバイス
110 通信インターフェース
202 灌注チャネル
206 偏向機構
208 電気接続部
210 光学伝送媒体
212 保護カバー
300 システム
302 カテーテル
304 患者
310 コンソール
312 光学接続部
314 電気接続部
316 通信インターフェース
320 信号発生器
325 ディスプレイ
330 灌注ポンプ
400 カテーテル
404 配線
405 コネクタ
410 近位セクション
413 外部電極
414 カテーテルチップ
415 放射線不透過性マーカ
416 灌注オリフィス
420 遠位セクション
430 シャフト
500 レンズ
501 同一平面
502 表面
503 凹部
504 内部支持構造
505 光ファイバ
505 のり又は接着剤
506 中央冷却チャネル
507 冷却連通路
508 光学観察ポート
601 光学システム
602 光源
603 偏光スプリッタ
604 連結/分割要素
606 試料アーム
607 偏光スイッチ
608 基準アーム
609 光学スイッチ
610 出力ファイバ
612 遅延ユニット
614 検出器
620 試料
700 グラフィカル・ユーザ・インターフェース
708 タイル
710 グラフ
800 図
1000 コンピュータシステム
1002 ユーザ入出力インターフェース
1003 ユーザ入出力デバイス
1004 プロセッサ
1006 通信インフラストラクチャ又はバス
1008 メイン又は一次メモリ
1010 二次記憶デバイス又はメモリ
1012 ハード・ディスク・ドライブ
1014 リムーバブル記憶ドライブ
1018 リムーバブル記憶ユニット
1020 インターフェース
1022 リムーバブル記憶ユニット
1024 通信又はネットワークインターフェース
1026 通信経路
1028 外部又はリモートデバイス
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】