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  • 特開-改装建具及びその施工方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106537
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】改装建具及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20240801BHJP
   E06B 1/14 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
E06B1/56 A
E06B1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010838
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大東 正樹
(72)【発明者】
【氏名】筒井 淳司
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011JA02
2E011KA06
2E011KB03
2E011KB04
2E011KB05
2E011KC02
2E011KC03
2E011KC04
2E011KC09
2E011KD14
2E011KH01
(57)【要約】
【課題】アタッチメントをネジ固定する際に、斜めに傾けたネジにより容易に固定することができる改装建具及び改装建具の施工方法を提供すること。
【解決手段】改装建具1は、建物躯体100の開口部11に設けられる既設枠2と、既設枠2の内周側に配置される新設枠3と、を備え、既設枠2及び新設枠3の間に配置されるアタッチメント4を備え、アタッチメント4は、室内側の端部に配置され室内外方向に延びる室内側延出部412、422,432を有し、室内側延出部412、422,432は、室内側延出部が延びる方向に直交する方向に対して傾いて配置されたネジ114、122,134が貫通した状態で、ネジ114、122,134により、既設枠2及び新設枠3の少なくともいずれかに固定され、ネジ114、122,134を貫通させる際にネジの先端を引っ掛け可能な引っ掛け部415,425,435を有する。
【選択図】図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、を備える改装建具であって、
前記既設枠及び前記新設枠の間に配置されるアタッチメントを備え、
前記アタッチメントは、室内側の端部に配置され室内外方向に延びる室内側延出部を有し、
前記室内側延出部は、前記室内側延出部が延びる方向に直交する方向に対して傾いて配置されたネジが貫通した状態で、前記ネジにより、前記既設枠及び前記新設枠の少なくともいずれかに固定され、前記ネジを貫通させる際に前記ネジの先端を引っ掛け可能な引っ掛け部を有する、改装建具。
【請求項2】
前記室内側延出部は、前記室内側延出部及び前記新設枠に前記ネジが貫通した状態で、前記新設枠に固定される、請求項1に記載の改装建具。
【請求項3】
前記新設枠は、前記新設枠の内周側において前記室内側に設けられる新設枠アングル部を有し、
前記ネジは、前記新設枠アングル部を避けてネジ固定可能なように、前記室内側延出部が延びる方向に直交する方向に対して傾いて配置される、請求項1又は2に記載の改装建具。
【請求項4】
前記引っ掛け部は、溝、孔及び段差のいずれかにより構成される、請求項1又は2に記載の改装建具。
【請求項5】
建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、を備える改装建具の施工方法であって、
前記既設枠及び前記新設枠の間に配置され室内外方向に延びる室内側延出部を有するアタッチメントを備え、
前記既設枠に、前記アタッチメントを固定するアタッチメント固定工程と、
前記室内側延出部が延びる方向に直交する方向に対して傾いて配置されたネジの先端を前記室内側延出部の引っ掛け部に引っ掛けながら貫通させて、前記アタッチメントを、前記既設枠及び前記新設枠の少なくともいずれかに、前記ネジにより固定するネジ固定工程と、を含む、改装建具の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改装建具及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物躯体の開口部をリフォーム等で改装する方法として開口部に新たな建具を設置するカバー工法が採用されている。カバー工法において、建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、既設枠の内周側に配置される新設枠と、既設枠と新設枠との間に配置されるアタッチメントと、を備える改装建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のアタッチメントは、室内側において建物躯体と固定する固定部を有している。固定部の室内側に突出する長さが長くなると、室内側の部分を覆うカバー材を取り付けることも想定され、省スペース化が阻害される。そのため、アタッチメントの固定部の室内側に突出する長さを短くして、ネジを、アタッチメントの固定部が延びる方向に垂直な方向に対して傾いて配置された状態で貫通させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-36127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術においては、アタッチメントに対して斜めにネジを貫通させるため、アタッチメントにネジを貫通させる際に、斜めに傾けたネジの先端が滑ってしまって、アタッチメントにネジを貫通させる作業が難しいことがある。
【0006】
本開示は、アタッチメントをネジ固定する際に、斜めに傾けたネジにより容易に固定することができる改装建具及び改装建具の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、を備える改装建具であって、前記既設枠及び前記新設枠の間に配置されるアタッチメントを備え、前記アタッチメントは、室内側の端部に配置され室内外方向に延びる室内側延出部を有し、前記室内側延出部は、前記室内側延出部が延びる方向に直交する方向に対して傾いて配置されたネジが貫通した状態で、前記ネジにより、前記既設枠及び前記新設枠の少なくともいずれかに固定され、前記ネジを貫通させる際に前記ネジの先端を引っ掛け可能な引っ掛け部を有する、改装建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態の改装建具の正面図である。
図2図1のA-A線断面図であって、本実施形態の改装建具の上方側の部分の縦断面図である。
図3A】アタッチメント上枠及び新設上枠にネジを傾けて挿入する前の状態を示す図である。
図3B】アタッチメント上枠及び新設上枠にネジを傾けて挿入した途中の状態を示す図である。
図3C】アタッチメント上枠及び新設上枠にネジを傾けて挿入して固定した後に、室内側化粧カバーを取り付ける状態を示す図である。
図4図1のB-B線断面図であって、本実施形態の改装建具の下方側の部分の縦断面図である。
図5図1のC-C線断面図であって、本実施形態の改装建具の左右方向の端部の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態の改装建具1は、例えば、マンション等のビルなどの建物躯体100の開口部11に設けられる。図1は、改装建具1を室内側から見た様子を示している。改装建具1は、すでに設置されている既設枠2に、新設枠3を取り付ける改修を行って形成される。
【0010】
本明細書において、「見付方向」とは、建物躯体100の壁に形成された開口部11に納められた改装建具1における障子12の面材の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記面材の厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、改装建具1における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、改装建具1において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、改装建具1の見込方向の室外側を室外側X1とし、改装建具1の見込方向の室内側を室内側X2とする。改装建具1の見付方向における横方向を左右方向とする。
【0011】
改装建具1は、図1に示すように、建物躯体100の開口部11に設置された既設枠2の内周側に、アタッチメント4(図2図4及び図5参照)を介して、新設枠3を取り付けることで構成される。改装建具1は、既設枠2と、新設枠3と、アタッチメント4(図2図4及び図5参照)と、を有する。新設枠3の内側には、障子12,12が開閉可能に納められる。
【0012】
既設枠2は、窓枠10と一体若しくは別体で構成され、開口部11に設けられる枠体である。既設枠2は、矩形の枠状に形成される。既設枠2は、アルミニウム製、アルミ樹脂複合製又は樹脂製の形材により構成される。既設枠2は、既設上枠21と、既設下枠22と、左右一対の既設縦枠23と、を有する。
【0013】
既設上枠21は、開口部11の上方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。既設下枠22は、開口部11の下方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。一対の既設縦枠23は、開口部11の左右方向の両端部で上下方向に延びる長尺の部材である。
【0014】
新設枠3は、アタッチメント4(図2図4及び図5参照)を介して、既設枠2の内周側に配置される。新設枠3は、矩形の枠状に形成される。新設枠3は、アルミニウム製の形材により構成される。新設枠3は、新設上枠31と、新設下枠32と、左右一対の新設縦枠33と、を有する。
【0015】
新設上枠31は、開口部11の上方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。新設下枠32は、開口部11の下方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。一対の新設縦枠33は、開口部11の左右方向の両端部で上下方向に延びる長尺の部材である。
【0016】
図2図4及び図5に示すように、アタッチメント4は、既設枠2と新設枠3の間に配置され、新設枠3を既設枠2に固定するための部材である。アタッチメント4は、アタッチメント上枠41(図2参照)と、アタッチメント下枠42(図4参照)と、左右一対のアタッチメント縦枠43(図5参照)と、を有する。アタッチメント上枠41、アタッチメント下枠42及び左右一対のアタッチメント縦枠43は、それぞれ、例えば、アルミニウム製の形材により構成される。
【0017】
アタッチメント上枠41、アタッチメント下枠42、左右一対のアタッチメント縦枠43は、それぞれ、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向に沿って配置される。アタッチメント上枠41、アタッチメント下枠42、左右一対のアタッチメント縦枠43は、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向において、間隔を空けて複数配置されてもよいし、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向に延びる1部材により構成されていてもよい。
【0018】
図2により、既設上枠21、新設上枠31及びアタッチメント上枠41の固定構造について説明する。
【0019】
既設上枠21は、図1に示すように、建物躯体100の開口部11の上部側に取り付けられている。既設上枠21は、図2に示すように、室内外方向に延びる室内外方向延在板211と、室内外方向延在板211の室外側X1の端部から下方に突出する室外側突出板212(室外側突出板)と、室内外方向延在板211の室内側X2の端部から下方に突出する室内側突出板213(室内側突出板)と、室内外方向延在板211の室内外方向の途中から下方に向けて立設される既設障子用のガイドレール214、215と、室内外方向延在板211の室外側X1の端部から上方に突出する室外側L字片216と、室内外方向延在板211の室内側X2の端部から上方に突出する室内側L字片217と、室内側X2の端部に設けられるL字接続部材218と、を有する。ガイドレール214が室外側X1に設けられ、ガイドレール215が室内側X2に設けられる。
【0020】
既設上枠21は、開口部11の上方において、室内側X2の端部が、L字状のL字接続部材218を介して、建物躯体100の額縁部材101に固定されていると共に、室外側L字片216及び室内側L字片217において、建物躯体100に固定されている。なお、本実施形態では、既設上枠21の室内側X2の端部に別体のL字接続部材218を接続したが、これに限定されない。L字接続部材218を設けずに、既設上枠21と一体で既設上枠21から突出するリブを設けてもよい。
【0021】
アタッチメント上枠41は、既設上枠21と新設上枠31とを接続する。アタッチメント上枠41は、図2に示すように、開口部11の上方において、既設上枠21及び新設上枠31の間に配置され、左右方向に延びる長尺の部材である。アタッチメント上枠41は、既設上枠21の内周側に接続される。アタッチメント上枠41は、既設上枠21の下方に配置され、既設上枠21に固定される。
【0022】
アタッチメント上枠41は、室内外方向に延びる。アタッチメント上枠41は、室内外方向に延びる室内外方向延在板411と、室内外方向延在板411の室内側X2の端部に配置され室内外方向に延びる室内側端部延出部412(室内側延出部)と、室内外方向延在板411の室内外方向の室外側X1の端部寄りに形成され上方に突出する突出片413と、室内外方向延在板411の室内外方向の室外側X1の端部に形成され下方に突出する突起414と、を有する。
【0023】
室内外方向延在板411は、室内外方向の途中において、ネジ111により、既設上枠21の室内外方向延在板211及び建物躯体100に固定される。
【0024】
室内外方向延在板411の上面には、室外側X1において既設上枠21の室外側突出板212の下端部212a(先端部)が当接し、室内側X2において既設上枠21の室内側突出板213の下端部213a(先端部)が当接する。
【0025】
既設上枠21のガイドレール214、215の下端部214a,215aは、室内外方向延在板411の上面に当接する。既設上枠21のガイドレール214、215の下端部214a,215aは、室内外方向延在板411の上面に当接せずに、室内外方向延在板411の上面から上方に離れて配置されていてもよい。
【0026】
突出片413は、既設上枠21の室外側突出板212の室内側X2の面に沿って、室内外方向延在板411から上方に突出する。突起414は、室内外方向延在板411の室外側X1の端部から下方に突出して形成され、既設上枠21の室外側突出板212の下方に配置される。
【0027】
室内外方向延在板411の室外側X1の端部には、上枠カバー部51が固定される。上枠カバー部51は、室内側X2の端部に形成され室内外方向に延びる室内外方向延在板511と、室外側X1の端部に配置されるL字カバー部513(室外側部分)と、を有する。
【0028】
室内外方向延在板511は、アタッチメント上枠41の室内外方向延在板411の室外側X1の端部の下面に沿って配置される。室内外方向延在板511は、段差状に形成され、室内側上段板部511aと、室外側下段板部511cと、段差511bと、を有する。
【0029】
室内側上段板部511aは、室内側X2の端部において室内外方向に延びる板状に形成される。室内側上段板部511aは、アタッチメント上枠41の室内外方向延在板411の室外側X1において下面に形成される下方開放凹部411aに配置される。室内側上段板部511aは、ネジ112により、アタッチメント上枠41の室内外方向延在板411の室外側X1の部分において下面に固定される。
【0030】
室外側下段板部511cは、室内側上段板部511aの室外側X1に段差511bを介して接続され、室内側板部515aよりも室外側X1において、室内側上段板部511aよりも下方において室内外方向に延びる板状に形成される。室外側下段板部511cの上面には、室外側下段板部511cの室外側X1に形成され上方に突出する気密材取付突出部512と、気密材取付突出部512よりも室内側X2の位置において上方に突出する位置規制突起514と、が形成される。
【0031】
気密材取付突出部512は、既設上枠21の室外側突出板212の室外側X1の面に対向して配置される。気密材取付突出部512の室内側X2の面には、気密材517が取り付けられる。気密材517は、気密材取付突出部512と既設上枠21の室外側突出板212の室外側X1の面との間に配置される。気密材517は、気密材取付突出部512の室内側X2の面に取り付けられる取付部517aと、取付部517aの室内側X2に設けられ既設上枠21の室外側突出板212の室外側X1の面に押し当てられる気密部517bと、取付部517aから上方に突出するヒレ部517cと、を有する。
【0032】
位置規制突起514は、段差511bの室外側X1において、室内外方向延在板511の室外側下段板部511cから上方に突出する。段差511bと位置規制突起514との間には、上方に向けて開放する上方開放凹部516が形成される。上方開放凹部516には、アタッチメント上枠41の室内外方向延在板411の室外側X1の端部に形成される突起414が配置される。
【0033】
位置規制突起514は、室内側X2の側面が、アタッチメント上枠41の突起414の室外側X1の端面に対向して配置される。そのため、位置規制突起514は、上枠カバー部51が室内側X2に移動しようとしても、アタッチメント上枠41の突起414の室外側X1の端面よりも室内側X2に移動できないため、上枠カバー部51の室内側X2への移動を規制する。本実施形態においては、位置規制突起514は、アタッチメント上枠41の突起414の室外側X1の端面に当接している。これにより、気密材取付突出部512に取り付けられた気密材517が、気密材取付突出部512と既設上枠21の室外側突出板212の室外側X1の面との間に挟まれた状態において、位置規制突起514が室内側X2への移動を規制することにより、気密性能が確保された範囲で気密材517が過度に押しつぶされないように規制される。
【0034】
L字カバー部513は、上枠カバー部51の室外側X1の端部に配置される。L字カバー部513は、既設上枠21よりも室外側X1に突出して配置され、室内側X2及び下方側に向けて開放するL字状に形成される。L字カバー部513は、新設上枠31の室外側X1に配置される。L字カバー部513は、新設上枠31の室外側X1の端部の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0035】
新設上枠31は、図2に示すように、アタッチメント上枠41の内周側(アタッチメント上枠41の下方)に、スペーサ部材611を介して、取り付けられる。新設上枠31は、アタッチメント上枠41の室内外方向延在板411の下面との間に、板状のスペーサ部材611を挟んだ状態で、スペーサ部材611の下面に配置される。
【0036】
スペーサ部材611は、1枚以上のシートによって構成される。スペーサ部材611を構成するシートの厚み及びシートの積層数は、アタッチメント上枠41と新設上枠31との間の隙間の大きさ等に応じて適宜設定される。また、アタッチメント上枠41と新設上枠31との間の隙間の大きさによっては、スペーサ部材611を設けなくてもよい。
【0037】
新設上枠31は、新設上枠室外側中空部311と、新設上枠室内側中空部312と、横樋構造部313と、室外側上下方向延出板部314と、室内側端部延出板315と、室外側気密材取付部316と、ガイドレール317,318と、を有する。
【0038】
新設上枠室外側中空部311及び新設上枠室内側中空部312は、いずれも室内外方向に延びる細長い長方形状の中空状に形成され、室内外方向に並んで配置される。新設上枠室外側中空部311が室外側X1に配置され、新設上枠室内側中空部312が室内側X2に配置されている。
【0039】
新設上枠室外側中空部311は、新設上枠31の室内外方向の中央付近において、ネジ113により、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内外方向延在板411に固定される。
【0040】
ネジ113は、下方から上方に向けて順に、新設上枠室外側中空部311の上面板311a、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内外方向延在板411を貫通する。これにより、ネジ113は、新設上枠室外側中空部311、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内外方向延在板411を共締めにより固定することで、新設上枠室外側中空部311をアタッチメント上枠41に固定する。新設上枠室外側中空部311の下面板311bには、ネジ113を通すための貫通孔311cが設けられ、ネジ113が貫通孔311cを通されて、ネジ113により、新設上枠室外側中空部311、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内外方向延在板411が固定される。ネジ113が通された後に、貫通孔311cには、キャップ311dが取り付けられる。
【0041】
室内側端部延出板315は、新設上枠室内側中空部312の室内側X2の端部から室内側X2に延びる。室内側端部延出板315は、新設上枠31の室内側X2の端部側において、ネジ114により、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412に固定される。
【0042】
ネジ114は、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412が延びる方向に直交する方向(図2における上下方向)に対して傾いて配置される。ネジ114は、先端114aが上方側に配置され、頭部114bが下方側に配置された状態で、下方から上方に向かうに従って、室内側X2から室外側X1に向かうように傾いて配置される。ネジ114は、後述する室内側化粧カバー613が取り付けられるアングル部材612を避けてネジ114を移動させて室内側端部延出部412にネジ固定可能なように、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412が延びる方向に直交する方向(図2における上下方向)に対して傾いて配置される。
【0043】
斜めに傾けたネジ114は、傾いた状態で下方側から上方側に移動されることで打ち込まれ、下方から上方に向けて順に、室内側端部延出板315、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412を貫通して、室内側端部延出板315、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412を固定する。これにより、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412は、室内側端部延出部412及び新設上枠31の室内側端部延出板315にネジ114が貫通した状態で、新設上枠31に固定される。アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412の下面には、ネジ114を傾いた状態で貫通させやすいように、斜めに傾けたネジ114をネジ込んで貫通させる際にネジ114の先端114aを引っ掛けることが可能な引っ掛け凹溝部415(引っ掛け部)が予め設けられている。
【0044】
このようにして、傾いた状態のネジ114により、新設上枠31の室内側端部延出板315、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412を共締めして固定することで、新設上枠31の室内側端部延出板315を、アタッチメント上枠41に固定する。なお、ネジ114により、新設上枠31の室内側端部延出板315、スペーサ部材611及びアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412に加えて、さらに建物躯体100を共締めすることで固定してもよい。新設上枠31及びアタッチメント上枠41を、室内側X2の端部側において、ネジ114により固定する構造の詳細については後述する。
【0045】
ガイドレール317,318は、新設上枠室外側中空部311及び新設上枠室内側中空部312から、下方に向けて立設される。ガイドレール317,318は、障子12,12(図1参照)の上部をガイドする。ガイドレール317が室外側X1に設けられ、ガイドレール318が室内側X2に設けられる。
【0046】
ガイドレール317とガイドレール318との間において、新設上枠室外側中空部311及び新設上枠室内側中空部312の下面には、新設上枠室外側中空部311及び新設上枠室内側中空部312のアルミニウムが露出された部分を覆うように、樹脂カバー材319が取り付けられている。樹脂カバー材319は、新設上枠室外側中空部311及び新設上枠室内側中空部312の下面において、ガイドレール317とガイドレール318との間のレール間を覆うカバーである。
【0047】
横樋構造部313は、新設上枠室外側中空部311の室外側X1に形成される。横樋構造部313は、下方に凹む凹状に形成されることで、上方に向けて開放する。これにより、横樋構造部313は、水を貯留して流すことができ、樋の機能を有する。横樋構造部313に浸入した水は、新設上枠31の長手方向の両端部に流れる。これにより、横樋構造部313を設けることにより、排水性能を向上できる。
【0048】
室外側上下方向延出板部314は、横樋構造部313の室外側X1の端部から下方に延出する板状に形成される。
【0049】
室外側気密材取付部316は、新設上枠31の室外側X1の端部において、室外側X1に向けて開放して形成される。室外側気密材取付部316には、気密材配置部材316aが取り付けられる。気密材配置部材316aの室外側X1には、気密材316bが取り付けられる。気密材316bは、新設上枠31の室外側X1の端部の室外側X1の面と、上枠カバー部51のL字カバー部513の下方(見付方向の内側)に突出する突出板513aの室内側X2の面との間に配置される。これにより、室外側X1において、上枠カバー部51のL字カバー部513と新設上枠31との間には、気密材316bが配置される。
【0050】
新設上枠31の新設上枠室内側中空部312の室内側X2の下部には、樹脂製のアングル部材612(新設枠アングル部)が取り付けられる。アングル部材612は、新設上枠31の内周側において室内側X2に設けられる。アングル部材612には、室内側化粧カバー613(カバー材)が取り付けられる。室内側化粧カバー613は、室外側X1及び上方側が開放されたL字状に形成され、アタッチメント上枠41の室内側X2の端部側及び新設上枠31の室内側X2の端部側を覆うように配置される。
【0051】
新設上枠31及びアタッチメント上枠41を、室内側X2の端部側において、ネジ114により固定する構造の詳細について説明する。
【0052】
本実施形態においては、図2に示すように、アタッチメント上枠41の室内側X2の端部に室内側端部延出部412を設け、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412と新設上枠31の室内側X2の端部に形成される室内側端部延出板315とを、ネジ114により固定するように構成している。この場合、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412が室内側X2に突出する長さが長いと、省スペース化が阻害される。一方、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412が室内側X2に突出する長さが短いと、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412が延びる方向に直交する方向にネジを貫通させて固定する場合に、ネジ114やネジ114を固定するためのドライバーを移動させる際に、ネジ114やネジ114を固定するためのドライバーが他の部材に当たってしまうことがある。
【0053】
これに対して、本実施形態においては、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412が室内側X2に突出する長さを短く形成して、ネジ114を、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412が延びる方向に直交する方向に対して傾いて配置することで、ネジやネジを固定するためのドライバーを移動させる際に、ネジやネジを固定するためのドライバーが他の部材に当たってしまうことがないように構成される。
【0054】
例えば、本実施形態においては、図3Aに示すように、ネジ114を、先端114aを上方側に配置すると共に頭部114bを下方側に配置した状態で、頭部114bが先端114aよりも室内側X2に位置するように斜めに傾けた状態で、下方側から上方側に移動することで打ち込む。ネジ114を、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412が延びる方向に直交する方向に対して傾けて挿入することで、新設上枠31の室内側X2の端部に設けられるアングル部材612に室内側化粧カバー613(図2参照)を取り付ける前において、下方に配置される新設上枠31のアングル部材612を避けて、ネジ114を傾けた状態で移動させることが可能である。これにより、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412が室内側X2に突出する長さを短く形成して、斜めに傾けたネジ114により、新設上枠31の室内側端部延出板315及びアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412を共締めして固定することができる。
【0055】
ここで、斜めに傾けたネジ114を、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412にネジ込む場合に、ネジ114の先端114aが滑ってしまって、ネジ114をアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412にネジ込むことが難しいことがある。
【0056】
これに対して、図3Aに示すように、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412の下面には、溝状の引っ掛け凹溝部415が予め設けられている。引っ掛け凹溝部415は、例えば、所定幅を有して下面から凹む凹溝により形成され、斜めに傾けたネジ113の先端113aが室内側端部延出部412の下面に当たった場合において滑り出す方向の奥側の部分に段差415aが形成される。
【0057】
引っ掛け凹溝部415の段差415aには、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412に対して斜めにネジ114を斜めにネジ込む際に、ネジ114の先端114aが引っ掛かる。
【0058】
新設上枠31の室内側端部延出板315及びアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412をネジ114により固定する場合には、まず、図3Aに示すように、既設上枠21に固定されたアタッチメント上枠41の下面にスペーサ部材611を配置した状態で、室内外方向の中央付近において、ネジ113により、アタッチメント上枠41を既設上枠21に固定する(アタッチメント固定工程)。
【0059】
ネジ113により室内外方向の中央付近においてアタッチメント上枠41を既設上枠21に固定した状態で、室内側X2において、ネジ114を、新設上枠31の室内側端部延出板315及びアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412の室内側X2の斜め下方側から、新設上枠31の室内側端部延出板315の貫通孔315aに向けて、下方から上方に向かうに従って、室内側X2から室外側X1に向かうように傾けた状態で、斜め下方から、斜め上方に向けて移動させる。なお、新設上枠31の室内側端部延出板315には、引っ掛け凹溝部415よりも室内側X2において、上下方向に貫通する貫通孔315aが予め設けられている。
【0060】
これにより、図3Bに示すように、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412が延びる方向に直交する方向に対して傾いて配置されたネジ114を、新設上枠31の室内側端部延出板315の貫通孔315aに貫通させて、ネジ114の先端114aを、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412の下面の引っ掛け凹溝部415の室外側X1の段差415aに引っ掛けながらネジ込んで、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412を貫通させる。このようにして、新設上枠31の室内側端部延出板315をアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412に固定する(ネジ固定工程)。
【0061】
ネジ114により新設上枠31の室内側端部延出板315をアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412に固定した後、図3Cに示すように、新設上枠31の新設上枠室内側中空部312の室内側X2の下部に取り付けられたアングル部材612に、室内側化粧カバー613を取り付ける。
【0062】
以上のように、ネジ114の先端114aを、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412の下面の引っ掛け凹溝部415の室外側X1の段差415aに引っ掛けながらネジ込むことで、アタッチメント上枠41の室内側端部延出部412を貫通させることができるため、新設上枠31の室内側端部延出板315をアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412に容易に固定できる。
【0063】
次に、図4により、既設下枠22、新設下枠32及びアタッチメント下枠42の固定構造について説明する。
【0064】
既設下枠22は、図1に示すように、建物躯体100の開口部11の下部側に取り付けられている。既設下枠22は、図4に示すように、段差状に形成される。既設下枠22は、室内側X2に設けられる上段部221と、室外側X1に設けられる下段部222と、上段部221と下段部222との間に設けられる中段部223と、上段部221の室内側X2の端部から上方に延びる室内側上下方向延出板224と、下段部222の室外側X1の端部から上方に突出する室外側突出板225と、上方に向けて立設される既設障子用のガイドレール226、227と、上段部221の室内側X2の端部から下方に突出する室内側下方突出板22aと、下段部222の下面から下方に突出する室外側下方突出板22bと、室内側X2の端部に設けられるL字接続部材228と、を有する。ガイドレール226は、上段部221と中段部223との境に設けられる。ガイドレール227は、中段部223と下段部222との境に設けられる。
【0065】
既設下枠22は、開口部11の下方において、L字状のL字接続部材228を介して、建物躯体100の下縁部材102に固定されていると共に、室内側下方突出板22a及び室外側下方突出板22bが、建物躯体100の下部材103に固定されている。なお、本実施形態では、既設下枠22の室内側X2の端部に別体のL字接続部材228を接続したが、これに限定されない。L字接続部材228を設けずに、既設下枠22と一体で既設下枠22から突出するリブを設けてもよい。
【0066】
アタッチメント下枠42は、既設下枠22と新設下枠32とを接続する。アタッチメント下枠42は、開口部11の下方において、既設下枠22及び新設下枠32の間に配置され、左右方向に延びる長尺の部材である。アタッチメント下枠42は、既設下枠22の内周側に接続される。アタッチメント下枠42は、既設下枠22の上方に配置され、既設下枠22に固定される。
【0067】
アタッチメント下枠42は、室内外方向に延びる室内外方向延在板421と、室内外方向延在板421の室内側X2の端部に配置され室内外方向に延びる室内側端部延出部422(室内側延出部)と、室内外方向延在板421の室外側X1の端部に配置される高さ調整機構423と、加重受け部材424と、を有する。
【0068】
室内外方向延在板421は、段差状に形成され、室外側X1に配置され室内外方向に延びる板状の上段部421aと、上段部421aの室内側X2に段差421bを介して接続され上段部421aよりも下方において室内外方向に延びる板状の下段部421cと、下段部421cの室内側X2の端部から上方に突出する突出部421dと、を有する。
【0069】
室内側端部延出部422は、室内外方向延在板421の室内側X2の端部に形成され、室内外方向に延びる。室内側端部延出部422は、ネジ121により、既設上枠21のL字接続部材228の水平板部228aに固定される。室内側端部延出部422の上方には、室内側端部延出部422及びネジ121を覆うように、後述する新設下枠32の室内側端部延出板324が配置されている。後述する新設下枠32の室内側端部延出板324は、ネジ122により、室内側端部延出部422、既設下枠22のL字接続部材228の水平板部228a及び下縁部材102に固定される。
【0070】
高さ調整機構423は、室内外方向延在板421の室外側X1の端部において、既設下枠22に対するアタッチメント下枠42の上下方向の位置を調整することが可能である。高さ調整機構423は、下方開放枠部4231と、下方開放枠部4231の内部に配置される高さ調整ネジ4232と、高さ調整ネジ4232の下端部に螺合して配置される高さ移動部材4233と、を有する。
【0071】
高さ調整機構423により、アタッチメント下枠42の上下方向の位置調整を行う場合、下方開放枠部4231の上面に形成される貫通孔4231aを介して、上方に向けて露出する高さ調整ネジ4232の頭部を、ドライバーにより回転操作する。これにより、高さ移動部材4233を上下方向に移動させて高さを調整した状態で、高さ移動部材4233の下端部を、ネジ123により、既設下枠22のガイドレール227に固定する。これにより、高さ調整機構423により、既設下枠22に対するアタッチメント下枠42の上下方向の位置を調整できる。
【0072】
加重受け部材424は、高さ調整機構423の下方開放枠部423aの室外側X1の面にネジ124により固定される。加重受け部材424は、上下方向に延びると共に高さ調整機構423の下方開放枠部423aの室外側X1の面にネジ124により固定される取付板4241と、取付板4241の上端部から室外側X1に延びる上面板4242と、を有する。上面板4242の上面には、後述する新設下枠32の室外側中空部322に形成される段差部3221の中段部3222の下面3222aが載置されている。これにより、加重受け部材424は、新設下枠32の室外側X1に掛かる加重を、室外側中空部322の段差部3221の中段部3222の下面3222aにおいて受けている。
【0073】
新設下枠32は、アタッチメント下枠42の内周側(アタッチメント下枠42の上方)に取り付けられる。新設下枠32は、高さ調整機構423により、アタッチメント下枠42の上下方向の位置が調整された状態で、アタッチメント下枠42の上方に配置される。
【0074】
新設下枠32は、室内側X2に配置される室内側中空部321と、室内側中空部321の室外側X1に配置される室外側中空部322と、室内側中空部321と室外側中空部322の上面同士を接続する水平接続板323と、室内側端部延出板324と、室外側ヒレ部材326と、ガイドレール327,328と、を有する。
【0075】
室内側中空部321は、室内外方向に延びる長方形状の中空状に形成される。室外側中空部322は、室内側X2から室外側X1に向けて中空の面積が大きくなる中空状に形成される。室内側中空部321と室外側中空部322の上面同士を接続する水平接続板323は、ネジ125により、アタッチメント下枠42の室内外方向延在板421の室外側X1の端部に固定される。
【0076】
室内側中空部321及び室外側中空部322の室内側X2の端部の下面には、アタッチメント下枠42の室内外方向延在板421が配置されている。室内側中空部321の下面と室内外方向延在板421の下段部421cとの間には、空間Sが形成される。これにより、アタッチメント下枠42の室内外方向延在板421の上面に水が浸入しても、室内側中空部321及び室外側中空部322の下面と室内外方向延在板421の下段部421cとの間の空間Sに水を流すことで、アタッチメント下枠42の室内外方向延在板421の上面の水が室内側X2に流れて行かないように抑制できる。
【0077】
室内側端部延出板324は、室内側中空部321の室内側X2の端部から室内側X2に延びる。室内側端部延出板324は、新設下枠32の室内側X2の端部側において、ネジ122により、アタッチメント下枠42の室内側端部延出部422、既設下枠22のL字接続部材228の水平板部228a及び下縁部材102に固定される。
【0078】
ネジ122は、アタッチメント下枠42の室内側端部延出部422が延びる方向に直交する方向(図4における上下方向)に対して傾いて配置される。ネジ122は、先端122aが下方側に配置され、頭部122bが上方側に配置された状態で、上方から上方に向かうに従って、室内側X2から室外側X1に向かうように傾いて配置される。ネジ122は、後述する室内側化粧カバー623が取り付けられるアングル部材622を避けてネジ122を移動させて室内側端部延出部422にネジ固定可能なように、アタッチメント下枠42の室内側端部延出部422が延びる方向に直交する方向(図3における上下方向)に対して傾いて配置される。
【0079】
斜めに傾けたネジ122は、傾いた状態で上方側から下方側に移動されることで打ち込まれ、上方から下方に向けて順に、新設下枠32の室内側端部延出板324、アタッチメント下枠42の室内側端部延出部422、既設下枠22のL字接続部材228の水平板部228aを貫通して、先端が下縁部材102に固定されることで、新設下枠32の室内側端部延出板324、アタッチメント下枠42の室内側端部延出部422、既設下枠22のL字接続部材228の水平板部228a及び下縁部材102を固定する。これにより、アタッチメント下枠42の室内側端部延出部422は、室内側端部延出部422及び新設下枠32の室内側端部延出板324にネジ122が貫通した状態で、新設下枠32に固定される。アタッチメント下枠42の室内側端部延出部422の上面には、ネジ122を傾いた状態で貫通させやすいように、斜めに傾けたネジ122をネジ込んで貫通させる際にネジ122の先端122aを引っ掛けることが可能な引っ掛け凹溝部425(引っ掛け部)が予め設けられている。
【0080】
このようにして、傾いた状態のネジ122により、新設下枠32の室内側端部延出板324、アタッチメント下枠42の室内側端部延出部422、既設下枠22のL字接続部材228の水平板部228a及び下縁部材102を共締めして固定することで、新設下枠32の室内側端部延出板324を、アタッチメント下枠42に固定する。
【0081】
なお、新設下枠32及びアタッチメント下枠42の室内側X2の端部の室内側端部延出部422に「引っ掛け凹溝部425」を設けてネジ122により固定する構造の詳細については、前述の新設上枠31及びアタッチメント上枠41の室内側X2の端部側の部分をネジ114により固定する構造においてアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412に「引っ掛け凹溝部415」を設けた構造と同様の構造であるため、前述の説明を援用して、その説明を省略する。
【0082】
ガイドレール327,328は、室内側中空部321及び室外側中空部322から、上方に向けて立設される。ガイドレール327,328は、障子12,12(図1参照)の下部をガイドする。室内側X2にガイドレール327が設けられ、室外側X1にガイドレール328が設けられる。ガイドレール327とガイドレール328との間において、室内側中空部321及び室外側中空部322の上面には、室内側中空部321、水平接続板323及び室外側中空部322のアルミニウムが露出された部分を覆うように、樹脂カバー材329が取り付けられている。樹脂カバー材329は、室内側中空部321、水平接続板323及び室外側中空部322の上面において、ガイドレール327とガイドレール328との間のレール間を覆うカバーである。
【0083】
新設下枠32の室内側X2の上部には、樹脂製のアングル部材622(新設枠アングル部)が取り付けられる。アングル部材622は、新設下枠32の内周側において室内側X2に設けられる。アングル部材622には、室内側化粧カバー623(カバー材)が取り付けられる。
【0084】
新設下枠32の室外側X1の端部には、室外側カバー材325がネジ126により固定される。室外側カバー材325の下端には、室外側ヒレ部材326が取り付けられる。
【0085】
次に、図5により、既設縦枠23、新設縦枠33及びアタッチメント縦枠43の固定構造について説明する。
【0086】
既設縦枠23は、図1に示すように、建物躯体100の開口部11の左右方向の両端部に取り付けられている。既設縦枠23は、図5に示すように、室内外方向に延びる室内外方向延在板231と、室内外方向延在板231の室外側X1の端部から左右方向の内側に延びる室外側突出板232と、室内外方向延在板231の室内側X2の端部から左右方向の内側に延びる室内側延出板233と、室内外方向延在板231の室内外方向の途中から左右方向の内側に突出する中間突出板234と、室内外方向延在板231の室外側X1の端部から左右方向の外側に突出する室外側L字片235と、室内外方向延在板231の室内側X2の端部から左右方向の外側に突出する室内側L字片236と、室内側X2の端部に設けられるL字接続部材237と、を有する。
【0087】
既設縦枠23は、開口部11の左右方向の両端部において、室内側X2の端部が、L字状のL字接続部材237を介して、建物躯体100の側縁部材104に固定されていると共に、室外側L字片235及び室内側L字片236において、建物躯体100に固定されている。なお、本実施形態では、既設縦枠23の室内側X2の端部に別体のL字接続部材237を接続したが、これに限定されない。L字接続部材237を設けずに、既設縦枠23と一体で既設縦枠23から突出するリブを設けてもよい。
【0088】
アタッチメント縦枠43は、既設縦枠23と新設縦枠33とを接続する。アタッチメント縦枠43は、図5に示すように、開口部11の左右方向の両端部において、既設縦枠23及び新設縦枠33の間に配置され、上下方向に延びる長尺の部材である。アタッチメント縦枠43は、既設縦枠23の内周側に接続される。アタッチメント縦枠43は、既設縦枠23の左右方向の内側に配置され、既設縦枠23に固定される。
【0089】
アタッチメント縦枠43は、室内外方向に延びる。アタッチメント縦枠43は、室内外方向に延びる室内外方向延在板431と、室内外方向延在板431の室内側X2の端部に配置され室内外方向に延びる室内側端部延出部432(室内側延出部)と、室内外方向延在板431の室内外方向の室外側X1の端部寄りに形成され左右方向の外側に突出する突出片433と、室内外方向延在板411の室内外方向の室外側X1の端部に形成され左右方向の内側に突出する突起434と、を有する。
【0090】
突出片433は、既設縦枠23の室外側突出板232の室内側X2の面に沿って、室内外方向延在板431から左右方向の外側に突出する。突起434は、室内外方向延在板431の室外側X1の端部から下方に突出して形成され、既設縦枠23の室外側突出板232の左右方向の内側に配置される。
【0091】
室内外方向延在板431の室外側X1の端部には、縦枠カバー部53が固定される。縦枠カバー部53は、室内側X2の端部に形成され室内外方向に延びる室内外方向延在板531と、室外側X1の端部に配置されるL字カバー部533(室外側部分)と、を有する。
【0092】
室内外方向延在板531は、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431の室外側X1の端部の左右方向の内側の面に沿って配置される。室内外方向延在板531は、段差状に形成され、室内側外側板部531aと、室外側内側板部531cと、段差531bと、を有する。
【0093】
室内側外側板部531aは、室内側X2の端部において室内外方向に延びる板状に形成される。室内側外側板部531aは、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431の室外側X1において左右方向の内側の面に形成される内側開放凹部431aに配置される。室内側外側板部531aは、ネジ132により、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431の室外側X1の部分において左右方向の内側の面に固定される。
【0094】
室外側内側板部531cは、室内側外側板部531aの室外側X1に段差531bを介して接続され、室内側外側板部531aよりも室外側X1において、室内側外側板部531aよりも左右方向の内側において室内外方向に延びる板状に形成される。室外側内側板部531cの左右方向の外側の面には、室外側内側板部531cの室外側X1に形成され左右方向の外側に突出する気密材取付突出部532と、気密材取付突出部532よりも室内側X2の位置において左右方向の外側に突出する位置規制突起534と、が形成される。
【0095】
気密材取付突出部532は、既設縦枠23の室外側突出板232の室外側X1の面に対向して配置される。気密材取付突出部532の室内側X2の面には、気密材537が取り付けられる。気密材537は、気密材取付突出部532と既設縦枠23の室外側突出板232の室外側X1の面との間に配置される。気密材537は、気密材取付突出部532の室内側X2の面に取り付けられる取付部537aと、取付部537aの室内側X2に設けられ既設縦枠23の室外側突出板232の室外側X1の面に押し当てられる気密部537bと、取付部537aから上方に突出するヒレ部537cと、を有する。
【0096】
位置規制突起534は、段差531bの室外側X1において、室内外方向延在板531の室外側内側板部531cから左右方向の外側に突出する。段差531bと位置規制突起534との間には、左右方向の外側に向けて開放する外側開放凹部536が形成される。外側開放凹部536には、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431の室外側X1の端部に形成される突起434が配置される。
【0097】
位置規制突起534は、室内側X2の側面が、アタッチメント縦枠43の突起434の室外側X1の端面に対向して配置される。そのため、位置規制突起534は、縦枠カバー部53が室内側X2に移動しようとしても、アタッチメント縦枠43の突起434の室外側X1の端面よりも室内側X2に移動できないため、縦枠カバー部53の室内側X2への移動を規制する。本実施形態においては、位置規制突起534の室内側X2の側面は、アタッチメント縦枠43の突起434の室外側X1の端面に当接している。これにより、気密材取付突出部532に取り付けられた気密材537が、気密材取付突出部532と既設縦枠23の室外側突出板232の室外側X1の面との間に挟まれた状態において、位置規制突起534が室内側X2への移動を規制することにより、気密性能が確保された範囲で気密材537が過度に押しつぶされないように規制される。
【0098】
L字カバー部533は、縦枠カバー部53の室外側X1の端部に配置される。L字カバー部533は、既設縦枠23よりも室外側X1に突出して配置され、室内側X2及び下方側に向けて開放するL字状に形成される。L字カバー部533は、新設縦枠33の室外側X1に配置される。L字カバー部533は、新設縦枠33の室外側X1の端部の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0099】
新設縦枠33は、図5に示すように、アタッチメント縦枠43の内周側(アタッチメント縦枠43の左右方向の内側)に、スペーサ部材631を介して、取り付けられる。新設縦枠33は、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431の左右方向の内側の面との間に、板状のスペーサ部材631を挟んだ状態で、スペーサ部材631の左右方向の内側の面に配置される。
【0100】
スペーサ部材631は、1枚以上のシートによって構成される。スペーサ部材631を構成するシートの厚み及びシートの積層数は、アタッチメント縦枠43と新設縦枠33との間の隙間の大きさ等に応じて適宜設定される。また、アタッチメント縦枠43と新設縦枠33との間の隙間の大きさによっては、スペーサ部材631を設けなくてもよい。
【0101】
新設縦枠33は、新設縦枠室外側中空部331と、新設縦枠室内側中空部332と、室内側端部延出板335と、室外側気密材取付部336と、を有する。
【0102】
新設縦枠室外側中空部331及び新設縦枠室内側中空部332は、いずれも室内外方向に延びる細長い長方形状の中空状に形成され、室内外方向に並んで配置される。新設縦枠室外側中空部331が室外側X1に配置され、新設縦枠室内側中空部332が室内側X2に配置されている。
【0103】
新設縦枠室外側中空部331は、新設縦枠33の室内外方向の中央付近において、ネジ133により、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431に固定される。
【0104】
ネジ133は、左右方向の内側から外側に向けて順に、新設縦枠室外側中空部331の左右方向の外側面板331a及びアタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431を貫通する。これにより、ネジ133は、新設縦枠室外側中空部331及びアタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431を共締めにより固定することで、新設縦枠室外側中空部331をアタッチメント縦枠43に固定する。新設縦枠室外側中空部331の左右方向の外側面板331bには、ネジ133を通すための貫通孔331cが設けられ、ネジ133が貫通孔331cを通されて、ネジ133により、新設縦枠室外側中空部331及びアタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431が固定される。ネジ133が通された後に、貫通孔331cには、キャップ331dが取り付けられる。
【0105】
室内側端部延出板335は、新設縦枠室内側中空部332の室内側X2の端部から室内側X2に延びる。室内側端部延出板335は、新設縦枠33の室内側X2の端部側において、ネジ134により、スペーサ部材631及びアタッチメント縦枠43の室内側端部延出部432に固定される。
【0106】
ネジ134は、アタッチメント縦枠43の室内側端部延出部432が延びる方向に直交する方向(図5における左右方向)に対して傾いて配置される。ネジ134は、先端134aが左右方向の外側に配置され、頭部134bが左右方向の内側に配置された状態で、左右方向の内側から外側に向かうに従って、室内側X2から室外側X1に向かうように傾いて配置される。ネジ134は、後述する室内側化粧カバー633が取り付けられるアングル部材632を避けてネジ134を移動させて室内側端部延出部432にネジ固定可能なように、アタッチメント縦枠43の室内側端部延出部432が延びる方向に直交する方向(図5における左右方向)に対して傾いて配置される。
【0107】
斜めに傾けたネジ134は、傾いた状態で左右方向の内側から外側に移動されることで打ち込まれ、左右方向の内側から外側に向けて順に、室内側端部延出板335、スペーサ部材631及びアタッチメント縦枠43の室内側端部延出部432を貫通して、室内側端部延出板335、スペーサ部材631及びアタッチメント縦枠43の室内側端部延出部432を固定する。これにより、アタッチメント縦枠43の室内側端部延出部432は、室内側端部延出部432及び新設縦枠33の室内側端部延出板335にネジ134が貫通した状態で、新設縦枠33に固定される。アタッチメント縦枠43の室内側端部延出部432の左右方向の内側の面には、ネジ134を傾いた状態で貫通させやすいように、斜めに傾けたネジ134をネジ込んで貫通させる際にネジ134の先端134aを引っ掛けることが可能な引っ掛け凹溝部435(引っ掛け部)が予め設けられている。
【0108】
このようにして、傾いた状態のネジ134により、新設縦枠33の室内側端部延出板335、スペーサ部材631及びアタッチメント縦枠43の室内側端部延出部432を共締めして固定することで、新設縦枠33の室内側端部延出板335を、アタッチメント縦枠43に固定する。なお、ネジ134が、新設縦枠33の室内側端部延出板335、スペーサ部材631及びアタッチメント縦枠43の室内側端部延出部432に加えて、さらに建物躯体100を共締めすることで固定してもよい。
【0109】
なお、新設縦枠33及びアタッチメント縦枠43の室内側X2の端部の室内側端部延出部432に「引っ掛け凹溝部435」を設けてネジ134により固定する構造の詳細については、前述の新設上枠31及びアタッチメント上枠41の室内側X2の端部側の部分をネジ114により固定する構造においてアタッチメント上枠41の室内側端部延出部412に「引っ掛け凹溝部415」を設けた構造と同様の構造であるため、前述の説明を援用して、その説明を省略する。
【0110】
室外側気密材取付部336は、新設縦枠33の室外側X1の端部において、室外側X1に向けて開放して形成される。室外側気密材取付部336には、気密材配置部材336aが取り付けられる。気密材配置部材336aの室外側X1には、気密材336bが取り付けられる。気密材336bは、新設縦枠33の室外側X1の端部の室外側X1の面と、縦枠カバー部53のL字カバー部533の左右方向の内側(見付方向の内側)に突出する突出板533aの室内側X2の面との間に配置される。これにより、室外側X1において、縦枠カバー部53のL字カバー部533と新設縦枠33との間には、気密材336bが配置される。
【0111】
新設縦枠33の新設縦枠室内側中空部332の室内側X2の端部には、樹脂製のアングル部材632(新設枠アングル部)が取り付けられる。アングル部材632は、新設縦枠33の内周側において室内側X2に設けられる。アングル部材632には、室内側化粧カバー633(カバー材)が取り付けられる。室内側化粧カバー633は、室外側X1及び上方側が開放されたL字状に形成され、アタッチメント縦枠43の室内側X2の端部側及び新設縦枠33の室内側X2の端部側を覆うように配置される。
【0112】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の改装建具1は、建物躯体100の開口部11に設けられる既設枠2と、既設枠2の内周側に配置される新設枠3と、を備え、既設枠2及び新設枠3の間に配置されるアタッチメント4を備え、アタッチメント4は、室内側の端部に配置され室内外方向に延びる室内側端部延出部412,422,432を有し、室内側端部延出部412,422,432は、室内側端部延出部が延びる方向に直交する方向に対して傾いて配置されたネジ114,122,134が貫通した状態で、ネジ114,122,134により、既設枠2及び新設枠3の少なくともいずれかに固定され、ネジ114,122,134を貫通させる際にネジ114,122,134の先端114a、122a,134aを引っ掛け可能な引っ掛け凹溝部415,425,435を有する。
【0113】
これにより、室内側端部延出部412,422,432に引っ掛け凹溝部415,425,435を設けることで、ネジ114,122,134の先端114a、122a,134aを引っ掛けることができるため、アタッチメント4(アタッチメント上枠41、アタッチメント下枠42、アタッチメント縦枠43)の室内側端部延出部412、422,432の下面の引っ掛け凹溝部415,425,435に引っ掛けながらネジ込むことで、アタッチメント4(アタッチメント上枠41、アタッチメント下枠42、アタッチメント縦枠43)の室内側端部延出部412,422,432を貫通させることができる。よって、新設枠3(新設上枠31,新設下枠32,新設縦枠33)をアタッチメント4(アタッチメント上枠41,アタッチメント下枠42,アタッチメント縦枠43)の室内側端部延出部412,422,432に容易に固定できる。
【0114】
本実施形態においては、アタッチメント4(アタッチメント上枠41,アタッチメント下枠42,アタッチメント縦枠43)の室内側端部延出部412,422,432は、室内側端部延出部412,422,432及び新設枠3(新設上枠31,新設下枠32,新設縦枠33)にネジ114,122,134が貫通した状態で、新設枠3(新設上枠31,新設下枠32,新設縦枠33)に固定される。これにより、ネジ114,122,134を容易に貫通させて、アタッチメント4(アタッチメント上枠41,アタッチメント下枠42,アタッチメント縦枠43)に新設枠3(新設上枠31,新設下枠32,新設縦枠33)を容易に固定できる。
【0115】
本実施形態においては、ネジ114,122,134は、室内側化粧カバー613,623,633が取り付けられる前のアングル部材612,622,632を避けてネジ固定可能なように、アタッチメント4(アタッチメント上枠41,アタッチメント下枠42,アタッチメント縦枠43)の室内側端部延出部412,422,432が延びる方向に直交する方向に対して傾いて配置される。これにより、アタッチメント4(アタッチメント上枠41,アタッチメント下枠42,アタッチメント縦枠43)の室内側端部延出部412,422,432の長さを短くしつつ、ネジ114,122,134によりアタッチメント4(アタッチメント上枠41,アタッチメント下枠42,アタッチメント縦枠43)を容易に固定できる。
【0116】
本実施形態の改装建具1の施工方法は、既設枠2に、アタッチメント4を固定するアタッチメント固定工程と、アタッチメント4(アタッチメント上枠41,アタッチメント下枠42,アタッチメント縦枠43)の室内側端部延出部412,422,432が延びる方向に直交する方向に対して傾いて配置されたネジ114,122,134の先端114a、122a,134aを室内側端部延出部412,422,432の引っ掛け凹溝部415,425,435に引っ掛けながら貫通させて、アタッチメント4(アタッチメント上枠41,アタッチメント下枠42,アタッチメント縦枠43)を、新設枠3(新設上枠31,新設下枠32,新設縦枠33)に、ネジ114,122,134により固定するネジ固定工程と、を含む。これにより、アタッチメント4(アタッチメント上枠41、アタッチメント下枠42、アタッチメント縦枠43)の室内側端部延出部412、422,432の下面の引っ掛け凹溝部415,425,435に引っ掛けながらネジ込むことで、アタッチメント4(アタッチメント上枠41、アタッチメント下枠42、アタッチメント縦枠43)の室内側端部延出部412,422,432を貫通させることができる。よって、新設枠3(新設上枠31,新設下枠32,新設縦枠33)をアタッチメント4(アタッチメント上枠41,アタッチメント下枠42,アタッチメント縦枠43)の室内側端部延出部412,422,432に容易に固定できる。
【0117】
以上、本開示の改装建具の一実施形態について説明したが、本開示の改装建具は適宜変更可能である。例えば、本開示の改装建具は、上述した2枚の障子12,12を有するものに制限されず、3枚以上の障子を有するものであってもよいし、1枚だけの障子を有する片引き窓を構成するものであってもよい。さらに、本開示の改装建具は、辷り出し窓やFIX窓、上げ下げ窓、外倒し窓、内倒し窓、あるいは開き窓を構成するものであってもよい。
【0118】
前記実施形態においては、引っ掛け部を、溝状の引っ掛け凹溝部415,425,435の段差415a,425a,435aにより構成したが、これに限定されない。例えば、引っ掛け部は、溝の一部により構成しなくてもよく、ネジの先端が引っ掛かる段差のみで構成してもよい。また、引っ掛け部を、貫通孔や貫通しない孔により構成してもよい。
【符号の説明】
【0119】
1 改装建具、2 既設枠、3 新設枠、4 アタッチメント、11 開口部、21 既設上枠(既設枠)、22 既設下枠(既設枠)、23 既設縦枠(既設枠)、31 新設上枠(新設枠)、32 新設下枠(新設枠)、33 新設縦枠(新設枠)、41 アタッチメント上枠(アタッチメント)、42 アタッチメント下枠(アタッチメント)、43 アタッチメント縦枠(アタッチメント)、100 建物躯体、114、122,134 ネジ、412、422,432 室内側端部延出部(室内側延出部)、415,425,435 引っ掛け凹溝部(引っ掛け部)、612,622,632 アングル部材(新設枠アングル部)、613,623,633 室内側化粧カバー材(カバー部材)
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5