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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106539
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】改装建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
E06B1/56 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010840
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大東 正樹
(72)【発明者】
【氏名】筒井 淳司
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011JA02
2E011KA06
2E011KB03
2E011KB04
2E011KB05
2E011KC02
2E011KC03
2E011KC04
2E011KD14
2E011KE04
(57)【要約】
【課題】既設下枠の形状が異なっている場合においても、新設下枠の加重を受けることが可能な改装建具を提供すること。
【解決手段】改装建具1は、建物躯体100の開口部11に設けられる既設枠2と、既設枠2の内周側に配置される新設枠3と、を備え、開口部11の下方において既設枠2及び新設枠3の間に配置されるアタッチメント4を備え、アタッチメント4は、室内外方向に延びるアタッチメント室内外方向延在板421と、アタッチメント室内外方向延在板421の室外側において下方に延びるアタッチメント下方延出板424と、を有し、アタッチメント4と別体で構成され、新設枠3の加重を受けることが可能な加重受け部材425であって、アタッチメント下方延出板424の室外側の面に取り付けられ新設枠3の下面に下方側から当接可能な加重受け部材425を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、を備える改装建具であって、
前記開口部の下方において前記既設枠及び前記新設枠の間に配置されるアタッチメントを備え、
前記アタッチメントは、室内外方向に延びるアタッチメント室内外方向延在板と、前記アタッチメント室内外方向延在板の室外側において下方に延びるアタッチメント下方延出板と、を有し、
前記アタッチメントと別体で構成され、前記新設枠の加重を受けることが可能な加重受け部材であって、前記アタッチメント下方延出板の室外側の面に取り付けられ前記新設枠の下面に下方側から当接可能な加重受け部材を備える、改装建具。
【請求項2】
前記アタッチメントは、前記アタッチメント室内外方向延在板と前記アタッチメント下方延出板との間に配置されるアタッチメント段部を有し、
前記アタッチメント段部は、前記アタッチメント室内外方向延在板よりも低い位置において室内外方向に延びるアタッチメント下段板を有し、
前記加重受け部材は、前記アタッチメント下段板の室外側において前記アタッチメント下段板の上面と同じ高さの位置において室内外方向に延びる加重受け上面を有する、請求項1に記載の改装建具。
【請求項3】
前記加重受け部材は、前記アタッチメント下方延出板の室外側の面に固定される固定板と、前記固定板の上端部から室外側に延びる加重受け板と、を有する、請求項1又は2に記載の改装建具。
【請求項4】
前記新設枠の下面は、室内外方向に延びる室内外方向延在下面を有し段差状に形成される段差下面部を備え、
前記加重受け部材は、前記室内外方向延在下面に下方側から当接する、請求項1又は2に記載の改装建具。
【請求項5】
前記アタッチメント室内外方向延在板は、前記新設枠にネジ固定され、
前記アタッチメント下方延出板は、前記既設枠にネジ固定される、請求項1又は2に記載の改装建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改装建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物躯体の開口部をリフォーム等で改装する方法として開口部に新たな建具を設置するカバー工法が採用されている。カバー工法において、建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、既設枠の内周側に配置される新設枠と、開口部の下方において既設下枠及び新設下枠の間に配置される下枠アタッチメントと、を備える改装建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の改装建具において、新設枠の室外側のレールの下部において、下枠アタッチメントの室外側段差部の上面に新設下枠の下面が配置されることで、下枠アタッチメントは、新設下枠の加重を受けるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-134489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の下枠アタッチメントは、既設下枠に固定されており、既設下枠の形状によっては、下枠アタッチメントの室内外方向(見込方向)の位置がずれてしまって、下枠アタッチメントの室外側段差部の上面に新設下枠の下面が配置されないことがある。そのため、既設下枠の形状が異なっている場合においても、新設下枠の加重を受けることが可能であることが望まれている。
【0006】
本開示は、既設下枠の形状が異なっている場合においても、新設下枠の加重を受けることが可能な改装建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、を備える改装建具であって、前記開口部の下方において前記既設枠及び前記新設枠の間に配置されるアタッチメントを備え、前記アタッチメントは、室内外方向に延びるアタッチメント室内外方向延在板と、前記アタッチメント室内外方向延在板の室外側において下方に延びるアタッチメント下方延出板と、を有し、前記アタッチメントと別体で構成され、前記新設枠の加重を受けることが可能な加重受け部材であって、前記アタッチメント下方延出板の室外側の面に取り付けられ前記新設枠の下面に下方側から当接可能な加重受け部材を備える、改装建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態の改装建具の正面図である。
図2図1のA-A線断面図であって、下枠アタッチメントに取り付けられた加重受け部材が新設下枠の加重を受けている状態を示す縦断面図である。
図3】下枠アタッチメントに加重受け部材が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図4】下枠アタッチメントに加重受け部材が取り付けられていない状態において下枠アタッチメントが新設下枠の加重を受けている状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態の改装建具1は、例えば、マンション等のビルなどの建物躯体100の開口部11に設けられる。図1は、改装建具1を室内側から見た様子を示している。改装建具1は、すでに設置されている既設枠2に、新設枠3を取り付ける改修を行って形成される。
【0010】
本明細書において、「見付方向」とは、建物躯体100の壁に形成された開口部11に納められた改装建具1における障子12の面材の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記面材の厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、改装建具1における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、改装建具1において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、改装建具1の見込方向の室外側を室外側X1とし、改装建具1の見込方向の室内側を室内側X2とする。改装建具1の見付方向における横方向を左右方向とする。
【0011】
改装建具1は、図1に示すように、建物躯体100の開口部11に設置された既設枠2の内周側に、アタッチメント4(図2参照)を介して、新設枠3を取り付けることで構成される。改装建具1は、既設枠2と、新設枠3と、アタッチメント4(図2参照)と、を有する。新設枠3の内側には、障子12,12が開閉可能に納められる。
【0012】
既設枠2は、窓枠10と一体若しくは別体で構成され、開口部11に設けられる枠体である。既設枠2は、矩形の枠状に形成される。既設枠2は、アルミニウム製、アルミ樹脂複合製又は樹脂製の形材により構成される。既設枠2は、既設上枠21と、既設下枠22と、左右一対の既設縦枠23と、を有する。
【0013】
既設上枠21は、開口部11の上方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。既設下枠22は、開口部11の下方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。一対の既設縦枠23は、開口部11の左右方向の両端部で上下方向に延びる長尺の部材である。
【0014】
新設枠3は、アタッチメント4(図2参照)を介して、既設枠2の内周側に配置される。新設枠3は、矩形の枠状に形成される。新設枠3は、アルミニウム製の形材により構成される。新設枠3は、新設上枠31と、新設下枠32と、左右一対の新設縦枠33と、を有する。
【0015】
新設上枠31は、開口部11の上方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。新設下枠32は、開口部11の下方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。一対の新設縦枠33は、開口部11の左右方向の両端部で上下方向に延びる長尺の部材である。
【0016】
図2に示すように、アタッチメント4は、既設枠2と新設枠3の間に配置され、新設枠3を既設枠2に固定するための部材である。アタッチメント4は、アタッチメント上枠(図示せず)と、アタッチメント下枠42(図2参照)と、左右一対のアタッチメント縦枠(図示せず)と、複数の加重受け部材425と、を有する。アタッチメント上枠、アタッチメント下枠42及び左右一対のアタッチメント縦枠は、それぞれ、例えば、アルミニウム製の形材により構成される。
【0017】
アタッチメント上枠、アタッチメント下枠42、左右一対のアタッチメント縦枠は、それぞれ、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向に沿って配置される。アタッチメント上枠、アタッチメント下枠42、左右一対のアタッチメント縦枠は、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向において、間隔を空けて複数配置されてもよいし、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向に延びる1部材により構成されていてもよい。
【0018】
図2により、既設下枠22、新設下枠32及びアタッチメント下枠42の固定構造について説明する。
【0019】
既設下枠22は、図1に示すように、建物躯体100の開口部11の下部側に取り付けられている。既設下枠22は、図2に示すように、段差状に形成される。既設下枠22は、室内側X2に設けられる上段部221と、室外側X1に設けられる下段部222と、上段部221と下段部222との間に設けられる中段部223と、上段部221の室内側X2の端部から上方に延びる室内側上下方向延出板224と、下段部222の室外側X1の端部から上方に突出する室外側突出板225と、上方に向けて立設される既設障子用のガイドレール226、227と、上段部221の室内側X2の端部から下方に突出する室内側下方突出板22aと、下段部222の下面から下方に突出する室外側下方突出板22bと、室内側X2の端部に設けられるL字接続部材228と、を有する。ガイドレール226は、上段部221と中段部223との境に設けられる。ガイドレール227は、中段部223と下段部222との境に設けられる。
【0020】
既設下枠22は、開口部11の下方において、L字状のL字接続部材228を介して、建物躯体100の額縁部材102に固定されていると共に、室内側下方突出板22a及び室外側下方突出板22bが、建物躯体100に固定されている。なお、本実施形態では、既設下枠22の室内側X2の端部に別体のL字接続部材228を接続したが、これに限定されない。L字接続部材228を設けずに、既設下枠22と一体で既設下枠22から突出するリブを設けてもよい。
【0021】
アタッチメント下枠42は、既設下枠22と新設下枠32とを接続する。アタッチメント下枠42は、開口部11の下方において、既設下枠22及び新設下枠32の間に配置され、左右方向に延びる長尺の部材である。アタッチメント下枠42は、既設下枠22の内周側に接続される。アタッチメント下枠42は、既設下枠22の上方に配置され、既設下枠22に固定される。
【0022】
アタッチメント下枠42は、室内外方向に延びる室内外方向延在板421(アタッチメント室内外方向延在板)と、室内外方向延在板421の室内側X2の端部に配置され室内外方向に延びる室内側端部延出部422(室内側延出部)と、室内外方向延在板421の室外側X1の端部に配置される段差角部423(アタッチメント段部)と、室外側X1において下方に延びる下方延出板424(アタッチメント下方延出板)と、を有する。
【0023】
室内側端部延出部422は、室内外方向延在板421の室内側X2の端部に形成され、室内外方向に延びる。室内側端部延出部422の上方には、室内側端部延出部422を覆うように、後述する新設下枠32の室内側端部延出板323が配置されている。後述する新設下枠32の室内側端部延出板323は、ネジ121により、室内側端部延出部422及び額縁部材102に固定される。
【0024】
段差角部423は、室内外方向延在板421の室外側X1の端部の角部において段差状に形成される。段差角部423は、室内外方向延在板421の室外側X1の端部と下方延出板424の上端部との間に配置される。段差角部423は、室内外方向延在板421の室外側X1の端部から下方に所定長さ延びる段差板4231と、段差板4231の下端部から室外側X1に所定長さ延びる下段部4232(アタッチメント下段板)と、を有する。下段部4232は、室内外方向延在板421よりも低い位置において室内外方向に延びる。
【0025】
下方延出板424は、段差角部423の下段部4232の室外側X1の端部から下方に所定長さ延びる。下方延出板424の下端部は、ガイドレール227の室外側X1の面に沿って配置され、ネジ122により、既設下枠22のガイドレール227に固定される。
【0026】
複数の加重受け部材425は、アタッチメント下枠42と別体で構成される。加重受け部材425は、アタッチメント下枠42に着脱可能である。複数の加重受け部材425は、図2及び図3に示すように、下方延出板424の上部の室外側X1の面にネジ123により固定されて取り付けられる。複数の加重受け部材425は、アタッチメント下枠42の長手方向に間隔を空けて並んで配置される。複数の加重受け部材425は、新設下枠32の下面に下方側から当接可能に構成され、新設下枠32の室外側X1の加重を受けることが可能である。
【0027】
加重受け部材425は、上下方向に延びると共に下方延出板424の室外側X1の面にネジ123により固定される固定板4251と、固定板4251の上端部から室外側X1に延びる加重受け上面板4252(加重受け板)と、を有する。
【0028】
加重受け上面板4252は、図2に示すように、アタッチメント下枠42の段差角部423の下段部4232の室外側X1において、アタッチメント下枠42の段差角部423の下段部4232の上面4232aと同じ高さの位置において室内外方向に延びる加重受け上面4252aを有する。
【0029】
加重受け上面板4252の加重受け上面4252aには、新設下枠32の室外側中空部322に下面に形成される段差下面部3220(後述)の中段部3222の中段下面3222a(室内外方向延在下面)が載置されている。これにより、加重受け部材425は、新設下枠32の室外側X1に掛かる加重を、室外側中空部322の下面に形成される段差下面部3220の中段部3222の中段下面3222aにおいて受けている。
【0030】
新設下枠32は、アタッチメント下枠42の内周側(アタッチメント下枠42の上方)に取り付けられる。新設下枠32は、アタッチメント下枠42の上方に配置される。
【0031】
新設下枠32は、室内側X2に配置される室内側中空部321と、室内側中空部321の室外側X1に配置される室外側中空部322と、室内側端部延出板323と、ガイドレール324,325を有する。室内側中空部321は、室内外方向に延びる長方形状の中空状に形成される。室外側中空部322は、全体形状が、室内側X2及び下方側が開放するL字状の中空状に形成される。室外側中空部322の室内側X2の部分は、ネジ124により、アタッチメント下枠42の室内外方向延在板421に固定される。
【0032】
室内側中空部321及び室外側中空部322の下面には、アタッチメント下枠42の室内外方向延在板421が配置されている。
【0033】
室内側端部延出板323は、室内側中空部321の室内側X2の端部から室内側X2に延びる。室内側端部延出板323は、新設下枠32の室内側X2の端部側において、ネジ121により、アタッチメント下枠42の室内側端部延出部422及び額縁部材102に固定される。
【0034】
室外側中空部322の下面は、室外側中空部322の室内側X2の上方側から下方側にかけて、段差状の段差下面部3220が形成される。段差下面部3220は、上段部3221と、中段部3222と、下段部3223と、上段部3221と中段部3222との間に形成される第1段差3224と、中段部3222と下段部3223との間に形成される第2段差3225とを、有する。第2段差3225は、中段部3222の室外側X1の端部から下方に所定長さ延びる垂直段差3225aと、垂直段差3225aの下端部から室外側X1に下り傾斜で延びて下段部3223の室内側X2の端部に接続される傾斜段差3225bと、を有する。
【0035】
段差下面部3220の中段下面3222a(室内外方向延在下面)は、室内外方向に延びる。段差下面部3220の中段下面3222aは、加重受け部材425の加重受け上面板4252の上面に載置されるため、アタッチメント下枠42の下方延出板424に固定された加重受け部材425は、新設下枠32の段差下面部3220の中段下面3222aにおいて、新設下枠32の加重を受けることができる。加重受け部材425は、新設下枠32の段差下面部3220の中段下面3222aに下方側から当接する。
【0036】
ガイドレール324,325は、室内側中空部321及び室外側中空部322から、上方に向けて立設される。ガイドレール324,325は、障子12,12(図1参照)の下部をガイドする。室内側X2にガイドレール324が設けられ、室外側X1にガイドレール325が設けられる。ガイドレール324とガイドレール325との間において、室内側中空部321及び室外側中空部322の上面には、室内側中空部321及び室外側中空部322のアルミニウムが露出された部分を覆うように、樹脂カバー材326が取り付けられている。樹脂カバー材326は、室内側中空部321及び室外側中空部322の上面において、ガイドレール324とガイドレール325との間のレール間を覆うカバーである。
【0037】
室外側中空部322の室外側X1の下端には、室外側ヒレ部材327が取り付けられる。
【0038】
新設下枠32の室内側X2の上部には、樹脂製のアングル部材622が取り付けられる。アングル部材622には、室内側化粧カバー623が取り付けられる。
【0039】
以上のように構成される改装建具1においては、既設下枠22の形状によっては、例えば、図4に示すように、アタッチメント下枠42の段差角部423の下段部4232の上面4232aに、新設下枠32の段差下面部3220の中段部3222の中段下面3222aを載置することが可能である。一方、図2に示すように、図4に示す場合よりも、既設下枠22の形状が異なっていることで、アタッチメント下枠42の段差角部423の下段部4232の上面4232aが室内側X2にずれて配置されて、アタッチメント下枠42の段差角部423の下段部4232の上面4232aに、新設下枠32の段差下面部3220の中段部3222の中段下面3222aを載置することができない場合がある。このような場合において、別体で構成される加重受け部材425をアタッチメント下枠42の下方延出板424の室外側X1の面に固定することで、新設下枠32の加重を受けることができる。よって、既設下枠22の形状が異なっている場合において、加重受け部材425を取り付けたり取り外したりすることで、新設下枠32の加重を受けることが可能であり、汎用性を高めることができる。
【0040】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の改装建具1においては、アタッチメント下枠42は、室内外方向に延びる室内外方向延在板421と、室内外方向延在板421の室外側において下方に延びる下方延出板424と、を有し、アタッチメント下枠42と別体で構成され、新設下枠32の加重を受けることが可能な加重受け部材425であって、下方延出板424の室外側X1の面に取り付けられ新設下枠32の下面に下方側から当接可能な加重受け部材425を備える。これにより、既設下枠22の形状が異なっている場合においても、加重受け部材425を取り付けたり取り外したりできるため、新設下枠32の加重を受けることが可能であり、汎用性を高めることができる。
【0041】
本実施形態においては、アタッチメント下枠42は、室内外方向延在板421と下方延出板424との間に配置される段差角部423を有し、段差角部423は、室内外方向延在板421よりも低い位置において室内外方向に延びる下段部4232を有し、加重受け部材425は、段差角部423の下段部4232の室外側X1において段差角部423の下段部4232の上面4232aと同じ高さの位置において室内外方向に延びる加重受け上面4252aを有する。
【0042】
これにより、加重受け部材425の加重受け上面4252aは、アタッチメント下枠42の段差角部423の下段部4232の上面4232aと高さが同じであるため、既設下枠22の形状が異なっていてアタッチメント下枠42の段差角部423の下段部4232の上面4232aが室内外方向の位置がずれた場合において、アタッチメント下枠42の段差角部423の下段部4232の上面4232aにおいて新設下枠32の加重を受けることができない場合であっても、アタッチメント下枠42の室外側X1の位置において、加重受け部材425の延びる加重受け上面4252aにおいて、新設下枠32の加重を受けることができる。よって、加重受け部材425を別部材で構成して後から取り付けることができ、汎用性を高めることができる。
【0043】
本実施形態においては、加重受け部材425は、アタッチメント下枠42の下方延出板424の室外側X1の面に固定される固定板4251と、固定板4251の上端部から室外側X1に延びる加重受け上面板4252と、を有する。これにより、加重受け部材425を簡易な構成にできるため、簡易な構成で、新設下枠32の加重を受けることができる。
【0044】
本実施形態においては、新設下枠32の下面は、室内外方向に延びる中段下面3222aを有し段差状に形成される段差下面部3220を備え、加重受け部材425は、中段下面3222aに下方側から当接する。
【0045】
本実施形態においては、アタッチメント下枠42の室内外方向延在板421は、新設下枠32にネジ固定され、アタッチメント下枠42の下方延出板424は、既設下枠22にネジ固定される。これにより、アタッチメント下枠42は新設下枠32及び既設下枠22の両方に固定されており、安定して固定されている。
【0046】
以上、本開示の好ましい一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、前記実施形態においては、改装建具1を引違い窓タイプの改装サッシに適用した場合について説明した。しかし、これに限定されない。改装建具を、例えば、回転軸を中心に戸体が回転して開閉する開閉式の改装建具や、縦辷り出し式の改装建具に適用してもよい。また、改装建具を、例えば、枠に対して開閉しないで固定してガラスが取り付けられるFIX式の改装建具に適用してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 改装建具、2 既設枠、3 新設枠、4 アタッチメント、11 開口部、22 既設下枠(既設枠)、32 新設下枠(新設枠)、42 アタッチメント下枠(アタッチメント)、100 建物躯体、421 室内外方向延在板(アタッチメント室内外方向延在板)、423 段差角部(アタッチメント段部)、424 下方延出板(アタッチメント下方延出板)、425 加重受け部材、3220 段差下面部、3222a 中段下面(室内外方向延在下面)、4232 下段部(アタッチメント下段板)、4251 固定板、4252 加重受け上面板(加重受け板)、4252a 加重受け上面
図1
図2
図3
図4