(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106542
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】電気コネクタおよび電池制御基板モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/569 20210101AFI20240801BHJP
H01M 50/51 20210101ALI20240801BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20240801BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20240801BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20240801BHJP
H01R 12/79 20110101ALI20240801BHJP
【FI】
H01M50/569
H01M50/51
H01M50/284
H01M50/296
H01M50/298
H01R12/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010848
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138140
【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 努
(72)【発明者】
【氏名】田代 勲
(72)【発明者】
【氏名】長嶺 昭
【テーマコード(参考)】
5E223
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E223AA28
5E223AC19
5E223AC50
5E223BA04
5E223BA07
5E223BA08
5E223BB01
5E223CC15
5E223DA02
5E223DB11
5E223EC07
5H040AA03
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY08
5H040DD03
5H040DD13
5H043AA19
(57)【要約】
【課題】電池ユニットと電池ECUとの接続系統に設けられる電気コネクタの数を最小限に留め、製造コストの増大を良好に抑制できる電気コネクタおよび電池制御基板モジュールを提供する。
【解決手段】電池ユニット3の複数の電池セル31を直列に接続するバスバーと、バスバーに接続される平型導体5と、電池ECU7と通信可能な電池制御基板61で電池ユニット3の状態を監視する電池制御基板モジュール6とを有する電池接続モジュール4に設けられており、平型導体5に接続され、平型導体5と電池制御基板61とを中継する電気コネクタ62において、電気コネクタ62は、電池制御基板61の端部に設けられた端接続部に接続されるカードエッジコネクタとして構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池ユニットのそれぞれと前記複数の電池ユニットの状態を制御する電池ECUとを中継する電池接続モジュールに設けられる電気コネクタであって、
前記電池ユニットの複数の電池セルを直列に接続するバスバーと、前記バスバーに接続される平型導体と、前記電池ECUと通信可能な電池制御基板で前記電池ユニットの状態を監視する電池制御基板モジュールとを有する前記電池接続モジュールに設けられており、
前記平型導体に接続され、前記平型導体と前記電池制御基板とを中継する電気コネクタにおいて、
前記電池制御基板の端部に設けられた端接続部に接続されるカードエッジコネクタとして構成されていることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
複数の電池ユニットのそれぞれと前記複数の電池ユニットの状態を制御する電池ECUとを中継する電池接続モジュールに設けられる電気コネクタであって、
前記電池ユニットの複数の電池セルを直列に接続するバスバーと、前記電池ECUと通信可能な電池制御基板で前記電池ユニットの状態を監視する電池制御基板モジュールと、前記バスバーと前記電池制御基板モジュールを中継する平型導体とを有する前記電池接続モジュールに設けられており、
前記電池ECUとの通信のためのワイヤケーブルに接続され、前記ワイヤケーブルと前記電池制御基板とを中継する電気コネクタにおいて、
前記電池制御基板の端部に設けられた端接続部に接続されるカードエッジコネクタとして構成されていることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項3】
電池ユニットに接続される電池接続モジュールと複数の前記電池ユニットの状態を制御する電池ECUとを中継する電池制御基板モジュールに設けられる電気コネクタであって、
前記電池ユニットの複数の電池セルを直列に接続するバスバーと、前記バスバーと前記電池制御基板モジュールを中継する平型導体とを有する前記電池接続モジュールに接続され、前記電池ECUと通信可能な電池制御基板で前記電池ユニットの状態を監視する前記電池制御基板モジュールに設けられており、
前記平型導体と前記電池制御基板とを中継する電気コネクタにおいて、
前記電池制御基板の端部に設けられた端接続部に接続されるカードエッジコネクタとして構成されていることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項4】
電池ユニットに接続される電池接続モジュールと複数の前記電池ユニットの状態を制御する電池ECUとを中継する電池制御基板モジュールに設けられる電気コネクタであって、
前記電池ユニットの複数の電池セルを直列に接続するバスバーと、前記バスバーと前記電池制御基板モジュールを中継する平型導体とを有する前記電池接続モジュールに接続され、前記電池ECUと通信可能な電池制御基板で前記電池ユニットの状態を監視する前記電池制御基板モジュールに設けられており、
前記電池ECUとの通信のためのワイヤケーブルに接続され、前記ワイヤケーブルと前記電池制御基板とを中継する電気コネクタにおいて、
前記電池制御基板の端部に設けられた端接続部に接続されるカードエッジコネクタとして構成されていることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項5】
請求項1に記載の電気コネクタと、
請求項2に記載の電気コネクタと、
両方の電気コネクタが接続される電池制御基板とを有し、
前記電池制御基板は、端部に2つの端接続部を有し、
それぞれの電気コネクタは、互いに異なる端接続部に接続されることを特徴とする電池制御基板モジュール。
【請求項6】
請求項3に記載の電気コネクタと、
請求項4に記載の電気コネクタと、
両方の電気コネクタが接続される電池制御基板とを有し、
前記電池制御基板は、端部に2つの端接続部を有し、
それぞれの電気コネクタは、互いに異なる端接続部に接続されることを特徴とする電池制御基板モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池ユニットと該電池ユニットの状態を制御する電池ECUとの中継のための電気コネクタおよび該電気コネクタを有する電池制御基板モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の電池セルを有する電池ユニットと、該電池ユニットが取り付けられている装置の主回路系とを接続する電池接続モジュールが開示されている。特許文献1の電池接続モジュールは、電池ユニットの上部に設けられており、電池ユニットの上面に配置される搬送トレイと、該搬送トレイに取り付けられたバスバー、フレキシブル回路基板および電池管理システム(BMS)とを有している。
【0003】
バスバーは複数の電池セルを直列に接続している。フレキシブル回路基板は、バスバーに接続されているとともに、一部が切り起こされていて、電池管理システムとの接続のためのフレキシブル嵌合部として形成されている。電池管理システムは、電池管理基板と、該電池管理基板の下面に設けられたフレキシブル回路基板コネクタおよび主回路コネクタとを有している。フレキシブル回路基板コネクタは、電池管理基板の一端側に設けられており、フレキシブル回路基板のフレキシブル嵌合部と接続される。主回路コネクタは、電池管理基板の他端側に設けられており、電池ユニットが取り付けられている装置の主回路系側に設けられた相手コネクタに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において、電池ユニットと上記主回路系との接続系統には、電池管理システムのフレキシブル回路基板コネクタおよび主回路コネクタと、主回路系側で主回路コネクタに接続される相手コネクタとが必要となる。したがって、コネクタの数が多い分、電池パックを構成するため部品点数が増え、それに伴って製造コストが嵩んでしまう。このように、特許文献1においては、部品点数および製造コストの抑制という点において改善の余地がある。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑み、電池ユニットと電池ECUとの接続系統に設けられる電気コネクタの数を最小限に留め、製造コストの増大を良好に抑制できる電気コネクタおよび電池制御基板モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係る電気コネクタは、複数の電池ユニットのそれぞれと前記複数の電池ユニットの状態を制御する電池ECUとを中継する電池接続モジュールに設けられる電気コネクタであって、前記電池ユニットの複数の電池セルを直列に接続するバスバーと、前記バスバーに接続される平型導体と、前記電池ECUと通信可能な電池制御基板で前記電池ユニットの状態を監視する電池制御基板モジュールとを有する前記電池接続モジュールに設けられており、前記平型導体に接続され、前記平型導体と前記電池制御基板とを中継する。
【0008】
かかる電気コネクタにおいて、本発明では、電気コネクタは、前記電池制御基板の端部に設けられた端接続部に接続されるカードエッジコネクタとして構成されていることを特徴としている。
【0009】
(2) (1)の発明とは異なる本発明に係る電気コネクタは、複数の電池ユニットのそれぞれと前記複数の電池ユニットの状態を制御する電池ECUとを中継する電池接続モジュールに設けられる電気コネクタであって、前記電池ユニットの複数の電池セルを直列に接続するバスバーと、前記電池ECUと通信可能な電池制御基板で前記電池ユニットの状態を監視する電池制御基板モジュールと、前記バスバーと前記電池制御基板モジュールを中継する平型導体とを有する前記電池接続モジュールに設けられており、前記電池ECUとの通信のためのワイヤケーブルに接続され、前記ワイヤケーブルと前記電池制御基板とを中継する。
【0010】
かかる電気コネクタにおいて、本発明では、電気コネクタは、前記電池制御基板の端部に設けられた端接続部に接続されるカードエッジコネクタとして構成されていることを特徴としている。
【0011】
(3) (1)および(2)の発明とは異なる本発明に係る電気コネクタは、電池ユニットに接続される電池接続モジュールと複数の前記電池ユニットの状態を制御する電池ECUとを中継する電池制御基板モジュールに設けられる電気コネクタであって、前記電池ユニットの複数の電池セルを直列に接続するバスバーと、前記バスバーと前記電池制御基板モジュールを中継する平型導体とを有する前記電池接続モジュールに接続され、前記電池ECUと通信可能な電池制御基板で前記電池ユニットの状態を監視する前記電池制御基板モジュールに設けられており、前記平型導体と前記電池制御基板とを中継する。
【0012】
かかる電気コネクタにおいて、本発明では、電気コネクタは、前記電池制御基板の端部に設けられた端接続部に接続されるカードエッジコネクタとして構成されていることを特徴としている。
【0013】
(4) (1)ないし(3)の発明とは異なる本発明に係る電気コネクタは、電池ユニットに接続される電池接続モジュールと複数の前記電池ユニットの状態を制御する電池ECUとを中継する電池制御基板モジュールに設けられる電気コネクタであって、前記電池ユニットの複数の電池セルを直列に接続するバスバーと、前記バスバーと前記電池制御基板モジュールを中継する平型導体とを有する前記電池接続モジュールに接続され、前記電池ECUと通信可能な電池制御基板で前記電池ユニットの状態を監視する前記電池制御基板モジュールに設けられており、前記電池ECUとの通信のためのワイヤケーブルに接続され、前記ワイヤケーブルと前記電池制御基板とを中継する。
【0014】
かかる電気コネクタにおいて、本発明では、電気コネクタは、前記電池制御基板の端部に設けられた端接続部に接続されるカードエッジコネクタとして構成されていることを特徴としている。
【0015】
(1)ないし(4)の発明では、電気コネクタは、カードエッジコネクタとして構成されており、電池制御基板の端接続部に接続されるようになっている。したがって、電池ユニットと電池ECUとの接続系統において、上記電気コネクタに接続するための相手コネクタを電池制御基板に設ける必要がなくなるので、上記接続系統に設けられる電気コネクタの数を最小限に留めることができる。
【0016】
(5) 本発明に係る電池制御基板モジュールは、(1)の発明の電気コネクタと、(2)の発明の電気コネクタと、両方の電気コネクタが接続される電池制御基板とを有し、前記電池制御基板は、端部に2つの端接続部を有し、それぞれの電気コネクタは、互いに異なる端接続部に接続されることを特徴としている。
【0017】
(6) (5)の発明とは異なる本発明に係る電池制御基板モジュールは、(3)の発明の電気コネクタと、(4)の発明の電気コネクタと、両方の電気コネクタが接続される電池制御基板とを有し、前記電池制御基板は、端部に2つの端接続部を有し、それぞれの電気コネクタは、互いに異なる端接続部に接続されることを特徴としている。
【0018】
本発明では、2つの電気コネクタは、いずれもカードエッジコネクタとして構成されており、一方のコネクタが電池制御基板の一方の端接続部に接続され、他方のコネクタが電池制御基板の他方の端接続部に接続されるようになっている。したがって、電池ユニットと電池ECUとの接続系統には2つの電気コネクタを設ければよい。つまり、これらの電気コネクタのそれぞれに接続するための相手コネクタを電池制御基板に設ける必要がなくなるので、上記接続系統に設けられるコネクタの数を最小限に留めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、電池ユニットと電池ECUとの接続系統に設けられる電気コネクタの数を最小限に留め、製造コストの増大を良好に抑制できる電気コネクタおよび電池制御基板モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第一実施形態の電池パックを示した概略図である。
【
図2】第一実施形態の電池制御基板モジュールを示す斜視図である。
【
図3】
図2の電池制御基板モジュールの各部品を分離して示した斜視図である。
【
図4】第二実施形態の電池制御基板モジュールを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施形態を説明する。
【0022】
<第一実施形態>
図1は、本実施形態の電池パック1を示した概略図である。本実施形態の電池パック1は、電気自動車やハイブリッド車等の電動車両に搭載されている。電池パック1は、複数の電池モジュール2と、それぞれの電池モジュール2に接続されるワイヤケーブル8と、該ワイヤケーブル8を介して電池モジュール2と通信可能に接続される電池ECU7とを有している。電池モジュール2は、複数の電池ユニット3と、電池ユニット3に接続される電池接続モジュール4とを有している。電池パック1では、電池ECU7が複数の電池ユニット3の状態、具体的には、蓄電状態や、電圧、電流、温度等の各種の状態を監視して制御する。
【0023】
電池ユニット3は、一列に並べられた複数の電池セル31を有している。電池接続モジュール4は、各電池ユニット3の複数の電池セル31を直列に接続する金属製のバスバー(図示せず)と、バスバーに接続される平型導体5と、電池ユニット3の状態を監視するための電池制御基板モジュール6とを有している。
【0024】
バスバーは、電池ユニット3の上面に複数設けられ、隣接する2つの電池セル31の電極を接続しており、電池ユニット3における全ての電池セル31を直列に接続している。平型導体5は、可撓なフラットケーブル(例えばFPC等)により構成されており、隣接する2つの電池ユニット3に跨るようにして電池ユニット3の上面に配置され、バスバーに接続されている。平型導体5の一端部からは幅狭の延出片51が延出しており、該延出片51の先端部に電池制御基板モジュール6の後述の第一コネクタ62が接続されている。つまり、平型導体5はバスバーと電池制御基板モジュール6とを中継している。
【0025】
電池制御基板モジュール6は、電池制御基板61と、平型導体5が接続される第一コネクタ62と、電池ECU7との通信のためのワイヤケーブル8が接続される第二コネクタ63とを有している。電池制御基板61は、電池ユニット3の状態の監視および制御のためのICチップ等の電子部品(図示せず)が実装された回路基板であり、後述のケース64(
図2参照)に収容された状態で平型導体5の上面に配置されている。電池制御基板61の一端部には第一コネクタ62が接続され、他端部には第二コネクタ63が接続されるようになっている。なお、
図1では、ケース64の図示は省略されており、また、電池制御基板61に第一コネクタ62および第二コネクタ63が接続される前の状態が示されている。
【0026】
図2は、本実施形態の電池制御基板モジュール6を示す斜視図である。
図3は、
図2の電池制御基板モジュール6の各部品を分離して示した斜視図である。
図3に示されるように、電池制御基板61の一端部61Aには、第一コネクタ62が接続される第一端接続部61Bが突出して設けさられており、他端部61Cには第二コネクタ63が接続される第二端接続部61Dが突出して設けられている。第一端接続部61Bおよび第二端接続部61Dの上面には、第一コネクタ62または第二コネクタ63に接触可能な回路部が配列形成されている。
【0027】
ケース64は、樹脂製であり、
図2および
図3に示されるように、上方に開放された四角箱状の本体部64Aと、本体部64Aから突出する第一端嵌合部64Cおよび第二端嵌合部64Eとを有している。
図2に示されるように、本体部64Aは上方に開放されており、電池制御基板61における第一端接続部61Bおよび第二端接続部61Dを除いた部分を収容している。第一端嵌合部64Cは、本体部64Aの一端側に位置する壁部64Bに設けられており、第一端接続部61Bを収容している。また、第二端嵌合部64Eは、本体部64Aの他端側に位置する壁部64Dに設けられており、第二端接続部61Dを収容している。
【0028】
第一端嵌合部64Cは、第一コネクタ62に適合した筒状をなして壁部64Bの外面から突出しており、第一コネクタ62を受け入れて該第一コネクタ62と嵌合するようになっている。壁部64Bにはスリット(図示せず)が形成されており、該スリットを介して第一端嵌合部64Cの内部空間と本体部64Aの内部空間とが連通している。ケース64に電池制御基板61が収容された状態では、第一端接続部61Bは上記スリットに挿通され、第一端嵌合部64C内に配置される。第二端嵌合部64Eは、第一端嵌合部64Cと同じ形状をなして壁部64Dの外面から突出しており、第二コネクタ63を受け入れて該第二コネクタ63と嵌合するようになっている。また、ケース64に電池制御基板61が収容された状態にて、第二端接続部61Dは、壁部64Dに形成されたスリット64Fに挿通され、第二端嵌合部64E内に配置される。
【0029】
本実施形態では、第一端嵌合部64Cおよび第二端嵌合部64Eは本体部64Aと一体をなして成形されているが、これに替えて、例えば、第一端嵌合部および第二端嵌合部の少なくとも一方が、本体部と別体をなしていて、本体部に取り付けられるようになっていてもよい。
【0030】
第一コネクタ62は、平型導体5と電池制御基板61とを中継する電気コネクタであり、電池制御基板61の第一端接続部61Bに接続されるカードエッジコネクタとして構成されている。
図3に示されるように、第一コネクタ62は、複数の第一端子62Aと、第一端子62Aを配列して保持する第一ハウジング62Bとを有しており、平型導体5の延出片51の先端部に形成された回路部に実装されている。第一端子62Aは、延出片51の回路部に接続される接続部を一端部に有し、第一端接続部61Bと接触可能な接触部を他端部に有している。
【0031】
第一コネクタ62は、
図2に示されるように、第一端嵌合部64Cに嵌合される。このとき、第一ハウジング62Bは、第一端嵌合部64C内に嵌入されるとともに、スリット状に開口した受入部(図示せず)で第一端接続部61B(
図3参照)を受け入れるようになっている。その結果、第一端接続部61Bの回路部が第一端子62Aの接触部に接触した状態となる。
【0032】
第二コネクタ63は、ワイヤケーブル8と電池制御基板61とを中継する電気コネクタであり、電池制御基板61の第二端接続部61Dに接続されるカードエッジコネクタとして構成されている。
図3に示されるように、第二コネクタ63は、複数の第二端子(図示せず)と、第二端子を配列して保持する第二ハウジング63Bとを有しており、複数のワイヤケーブル8が接続されている。第二端子は、ワイヤケーブル8が接続される接続部を一端部に有し、第二端接続部61Dと接触可能な接触部を他端部に有している。
【0033】
第二コネクタ63は、
図2に示されるように、第二端嵌合部64Eに嵌合される。このとき、第二ハウジング63Bは、第二端嵌合部64E内に嵌入されるとともに、スリット状に開口した受入部で第二端接続部61D(
図3参照)を受け入れるようになっている。また、本実施形態では、第二ハウジング63Bは、第一ハウジング62Bに類似した外形で形成されている。第二コネクタ63と第二端接続部61Dとの接続形態は、既述した第一コネクタ62と第一端接続部61Bとの接続形態と同様である。
【0034】
電池ECU7は、
図1に示されるように、各電池制御基板61と通信可能に接続されており、各電池ユニット3の状態を監視し、統合的に制御している。電池ECU7は、各電池ユニット3の状態の監視および制御のためのICチップ等の電子部品(図示せず)が実装された回路基板を有しており、ワイヤケーブル8を介してそれぞれの電池制御基板61に接続されている。具体的には、
図1に示されるように、ワイヤケーブル8の端部(第二コネクタ63が接続されている端部とは反対側の端部)に設けられた電池ECU側コネクタ9が、電池ECU7の端部に形成された接続部71接続されるようになっている。
図1には、電池ECU側コネクタ9が接続部71に接続される前の状態が示されている。また、
図1では、1つの第二コネクタ63と1つの電池ECU側コネクタ9とが接続するワイヤケーブル8が1本だけ示されているが、実際には、
図2および
図3に示されるように、ワイヤケーブル8は複数本設けられている。
【0035】
本実施形態では、第一コネクタ62および第二コネクタ63は、カードエッジコネクタとして構成されており、第一コネクタ62が電池制御基板61の第一端接続部61Bに接続され、第二コネクタ63が電池制御基板61の第二端接続部61Dに接続されるようになっている。したがって、電池ユニット3と電池ECU7との接続系統には2つのコネクタ、すなわち電池接続モジュール4の第一コネクタ62および第二コネクタ63を設ければよい。つまり、第一コネクタ62および第二コネクタ63のそれぞれに接続するための相手コネクタを電池制御基板61に設ける必要がなくなるので、上記接続系統に設けられるコネクタの数を最小限に留めることができる。その結果、電池接続モジュール、ひいては電池モジュールや電池パックの製造コストの増大を良好に抑制することができる。
【0036】
<第二実施形態>
第一実施形態では、電池制御基板モジュール6は、電池接続モジュール4に設けられている例について説明したが、電池制御基板モジュールが電池接続モジュールに設けられることは必須ではない。第二実施形態では、電池制御基板モジュールが電池接続モジュールには設けられておらず、電池接続モジュールおよび電池ECUとの間に設けられている点で第一実施形態と異なっている。
【0037】
図4は、第二実施形態の電池制御基板モジュール106を示す斜視図である。
図4では、本実施形態の電池制御基板モジュール106において、第一実施形態の電池制御基板モジュール6の各部に対応する部分は、第一実施形態における符号に「100」を加えた符号で示されている。
図4を
図2と比べると分かるように、電池制御基板モジュール106は、電池制御基板161と、第一コネクタ162と、第二コネクタ163と、ケース164を有している点では、第一実施形態と同様であるが、さらに、中継平型導体165および電池ユニット側コネクタ166を有しており、この点で第一実施形態と異なっている。第一コネクタ162、第二コネクタ163およびケース164は、第一実施形態の第一コネクタ62、第二コネクタ63、ケース64と同じ形状で構成されている。
【0038】
本実施形態では、電池ユニット3上に位置する平型導体5(
図1参照)の上面には、電池ユニット3の状態(電流、電圧、温度)等を検知するためセンシング機器の回路基板である検知基板(図示せず)が配置されており、電池制御基板161は、検知基板を制御するための回路基板として構成されている。電池制御基板161の形状自体は、第一実施形態の電池制御基板61の形状と同じである。
【0039】
中継平型導体165は、可撓なフラットケーブル(例えばFPC等)により構成されており、一端側の上面には第一コネクタ162が接続され、他端側の上面には電池ユニット側コネクタ166が接続されている。電池ユニット側コネクタ166は、第一コネクタ162と同じ電気コネクタであり、上記検知基板に接続されるカードエッジコネクタとして構成されている。
【0040】
本実施形態においても、第一実施形態と同様に、第一コネクタ162および第二コネクタ163はカードエッジコネクタであり、これらのコネクタに接続するための相手コネクタを電池制御基板161に設ける必要がないので、電池ユニット3と電池ECU7との接続系統に設けられるコネクタの数を最小限に留めることができる。その結果、電池接続モジュール、ひいては電池モジュールや電池パックの製造コストの増大を良好に抑制することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 電池パック
2 電池モジュール
3 電池ユニット
4 電池接続モジュール
5 平型導体
6 電池制御基板モジュール
7 電池ECU
8 ワイヤケーブル
9 電池ECU側コネクタ
31 電池セル
61 電池制御基板
61A 一端部
61B 第一端接続部
61C 他端部
61D 第二端接続部
62 第一コネクタ
63 第二コネクタ
106 電池制御基板モジュール
161 電池制御基板
162 第一コネクタ
163 第二コネクタ