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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106546
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】物品管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20240801BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20240801BHJP
   E05B 19/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
G06K7/10 244
G06K19/077 220
G06K19/077 252
E05B19/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010852
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】512026422
【氏名又は名称】セコム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】三浦 寿哉
(72)【発明者】
【氏名】島田 和也
(57)【要約】
【課題】管理対象の物品の保管前、保管中、物品取り出し後の3つ状態を確認できる。
【解決手段】物品管理具3は、本体部11と結束部12を有し、管理対象の鍵2と予め1対1で対応付けされる。物品管理具3の本体部11には、第1の回路18と第2の回路19のパターンが形成され、鍵2を結束部12に取り付けた状態で結束部12の先端を固定するためのロック部13が設けられる。結束部12は、基端側が本体部11に対して分離可能である。RFリーダ4は、送信信号に対する物品管理具3からの状態信号を受信する。外部機器5は、RFリーダ4が受信した物品管理具3の状態信号に基づいて管理対象の鍵2と物品管理具3の状態を紐付けて管理する。RFリーダ4の送信信号に対する第1の回路18からの状態信号と第2の回路19からの状態信号、外部機器5の履歴情報に基づいて鍵2の保管前の状態、保管中の状態、鍵2が取り出された状態を識別する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのRFICチップの少なくとも一方が管理対象の物品の着脱に伴って回路の開閉状態が切り替わるように配線された物品管理具を用い、
外部のRFリーダの信号に対する前記RFICチップの応答の有無と、前記物品管理具の履歴情報に基づいて前記物品管理具による前記物品の保管前、前記物品の保管中、前記物品の取り出し後の3つの状態を管理することを特徴とする物品管理システム。
【請求項2】
本体部と結束部を有し、管理対象の物品と予め対応付けされる物品管理具と、
送信信号に対する前記物品管理具からの状態信号を受信するRFリーダと、
前記RFリーダが受信した前記物品管理具の状態信号に基づいて該物品管理具による前記管理対象の物品の管理状態を示す物品管理データの履歴情報を管理する外部機器と、を備えた物品管理システムであって、
前記物品管理具は、前記本体部に前記結束部の基端が予め固定設置され、該結束部の自由端側を前記本体部に固定するためのロック部と、
前記本体部及び前記結束部に形成され、前記ロック部に前記結束部がロックされると閉回路を形成し、前記ロック部に前記結束部がロックされないと開回路となる配線が第1のRFICチップに接続されている第1の回路と、
前記本体部に形成され、前記結束部が引き剥がされると切断される配線が第2のRFICチップに接続されている第2の回路と、を備えたことを特徴とする物品管理システム。
【請求項3】
本体部と結束部を有し、管理対象の物品と予め対応付けされる物品管理具と、
送信信号に対する前記物品管理具からの状態信号を受信するRFリーダと、
前記RFリーダが受信した前記物品管理具の状態信号に基づいて該物品管理具による前記管理対象の物品の管理状態を示す物品管理データの履歴情報を管理する外部機器と、を備えた物品管理システムであって、
前記物品管理具は、前記本体部に前記結束部の基端が予め固定設置され、該結束部の自由端側を前記本体部に固定するためのロック部と、
前記本体部及び前記結束部に形成され、前記ロック部に前記結束部がロックされると閉回路を形成し、前記ロック部に前記結束部がロックされないと開回路となる配線が第1のRFICチップに接続されている第1の回路と、
前記本体部に形成され、前記結束部が引き剥がされても切断されない配線が第2のRFICチップに接続されている第2の回路と、を備えたことを特徴とする物品管理システム。
【請求項4】
前記第1のRFICチップ、第2のRFICチップは、接続されている回路が閉回路を形成されていると、前記RFリーダからの信号に応答して、信号を返信することを特徴とする請求項2または3に記載の物品管理システム。
【請求項5】
前記本体部は板形状であり、前記第1の回路、前記第2の回路は印刷により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の物品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鍵などの物品の管理状態をRFリーダにて読み出して物品の管理状態を外部機器(PC)等にて管理できる物品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、警備会社では、緊急事態発生時に、警備員が警備対象の住宅に入る必要がある。このため、警備会社は住宅の鍵を預かることが通例となっている。この預かった鍵を保管ボックスに保管し、その保管状態を管理するために物品管理具が使用される。物品管理具は、管理対象の鍵と保管ボックスとを結束し、鍵の使用時に物品管理具による結束を切って、鍵を保管ボックスから取り出し鍵を使用可能な状態とする。
【0003】
この際、物品管理具により保管ボックスに鍵が結束された状態は、鍵が使用されていないことを示し、物品管理具が切られて保管ボックスと鍵が結束されていない状態は、鍵が使用された状態を示す。そして、物品管理具は、結束された状態から一度切られると、元に戻せない構造とされており、鍵の使用後には新しい物品管理具にて保管ボックスに結束させることになる。ここで、物品管理具と鍵とは、予め対応つけているので、使用済の物品管理具を点検することにより鍵の使用を確認できる。また、新たに鍵を保管ボックスに結束する際は、使用する物品管理具と鍵とを対応つけて管理する。この対応つけて管理するのは、コンピュータを用いて行っておき、鍵の識別コードと物品管理具の識別コードにて対応付けすることになる。物品管理具の使用順を決めておくなどにより、時系列に管理状況を行うことができる。これにより、顧客から預かっている大切な鍵使用の厳格な管理が可能となる。
【0004】
従来の物品管理具としては、例えば下記特許文献1に開示されるように、結束バンドとRFIDタグを一体化し、結束バンドが切断されるとRFIDタグから開封状態を出力する結束バンド付きICタグが知られている。この結束バンド付きICタグでは、結束バンド内に配置された回路がICチップに接続されており、結束バンドが切断により回路が切断されることにより、開封状態を検出する。ICチップは、RFリーダとアンテナを介して例えばPCなどの外部機器と無線通信することにより、物品管理具の状態を管理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-112132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、警備会社は多数の鍵を保管ボックスにて保管管理しなければならない。このため、多数の物品管理具を用いて、鍵ごとに管理している。
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に開示される従来の物品管理具では、物品の結束が解除されたか否かを検出することにより、物品管理具の使用前の状態と使用後の状態を管理することができる。しかし、物品管理具を物品と結束前と結束中である物品の管理前の状態と管理中の状態との区別ができない。例えば、物品管理具を用いて保管ボックスに多数の鍵を結束して管理している場合、結束前の物品管理具と結束中の物品管理具が保管ボックス内又は周辺に混在すると、RFリーダは、鍵を結束していない結束前の物品管理具からの信号と鍵を結束している使用中の物品管理具からの信号の両方の信号を区別できずに受信することになる。このため、結束前の物品管理具の保管に注意を払う必要があり、誤って結束前の物品管理具を保管ボックスの近辺に置いてしまうと、結束されている鍵を管理する上で、外部機器での物品管理具及び鍵の存在管理が煩雑となるという課題があった。
【0008】
また、従来、物品管理具に対し、二次元のバーコード等を印字しておき、物品管理具の結束が解除されると二次元バーコードが読取不能化することにより、物品の結束を解除するとともに状態を管理するものがある。この物品管理具による管理は、物品の新規保管や物品の使用時に、その都度、使用者が目視により物品管理具と物品の存在確認、二次元バーコードをバーコードリーダにて1物品(一物品管理具)毎に読み取り、結束及び存在を管理している。このため、使用者は、保管や使用の際における確認・管理作業に時間がかかってしまうという課題があった。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、管理対象の物品の保管前、保管中、物品取り出し後の3つ状態を確認できる物品管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するために、本発明に係る物品管理システムは、2つのRFICチップの少なくとも一方が管理対象の物品の着脱に伴って回路の開閉状態が切り替わるように配線された物品管理具を用い、
外部のRFリーダの信号に対する前記RFICチップの応答の有無と、前記物品管理具の履歴情報に基づいて前記物品管理具による前記物品の保管前、前記物品の保管中、前記物品の取り出し後の3つの状態を管理することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る物品管理システムは、本体部と結束部を有し、管理対象の物品と予め対応付けされる物品管理具と、
送信信号に対する前記物品管理具からの状態信号を受信するRFリーダと、
前記RFリーダが受信した前記物品管理具の状態信号に基づいて該物品管理具による前記管理対象の物品の管理状態を示す物品管理データの履歴情報を管理する外部機器と、を備えた物品管理システムであって、
前記物品管理具は、前記本体部に前記結束部の基端が予め固定設置され、該結束部の自由端側を前記本体部に固定するためのロック部と、
前記本体部及び前記結束部に形成され、前記ロック部に前記結束部がロックされると閉回路を形成し、前記ロック部に前記結束部がロックされないと開回路となる配線が第1のRFICチップに接続されている第1の回路と、
前記本体部に形成され、前記結束部が引き剥がされると切断される配線が第2のRFICチップに接続されている第2の回路と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る物品管理システムは、本体部と結束部を有し、管理対象の物品と予め対応付けされる物品管理具と、
送信信号に対する前記物品管理具からの状態信号を受信するRFリーダと、
前記RFリーダが受信した前記物品管理具の状態信号に基づいて該物品管理具による前記管理対象の物品の管理状態を示す物品管理データの履歴情報を管理する外部機器と、を備えた物品管理システムであって、
前記物品管理具は、前記本体部に前記結束部の基端が予め固定設置され、該結束部の自由端側を前記本体部に固定するためのロック部と、
前記本体部及び前記結束部に形成され、前記ロック部に前記結束部がロックされると閉回路を形成し、前記ロック部に前記結束部がロックされないと開回路となる配線が第1のRFICチップに接続されている第1の回路と、
前記本体部に形成され、前記結束部が引き剥がされても切断されない配線が第2のRFICチップに接続されている第2の回路と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
更に、前記第1のRFICチップ、第2のRFICチップは、接続されている回路が閉回路を形成されていると、前記RFリーダからの信号に応答して、信号を返信することを特徴とする。
【0014】
更に、前記本体部は板形状であり、前記第1の回路、前記第2の回路は印刷により形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、物品管理具の状態信号と履歴情報により、管理対象の物品の保管前、保管中、取り出し後の3つの状態を容易に確認・管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)本発明に係る物品管理システムに使用される第1実施形態の物品管理具の正面図、(b)同物品管理具の背面図、(c)同物品管理システムに使用される第2実施形態の物品管理具の正面図である。
図2】(a)第1実施形態の物品管理具を用いた物品管理システムにおける管理対象の鍵の保管前の状態を示す図、(b)第2実施形態の物品管理具を用いた物品管理システムにおける管理対象の鍵の保管前の状態を示す図である。
図3】(a),(b)第1実施形態の物品管理具を用いた物品管理システムにおける管理対象の鍵の保管中の状態を示す図である。
図4】(a),(b)第2実施形態の物品管理具を用いた物品管理システムにおける管理対象の鍵の保管中の状態を示す図である。
図5】(a),(b)第1実施形態の物品管理具を用いた物品管理システムにおける管理対象の鍵を取り出し後の状態を示す図である。
図6】(a),(b)第2実施形態の物品管理具を用いた物品管理システムにおける管理対象の鍵を取り出し後の状態を示す図である。
図7】物品管理具のロック状態を示す部分拡大断面図である。
図8】本発明に係る物品管理システムの処理手順を示すフローチャートである。
図9】本発明に係る物品管理システムにより管理される鍵管理データの履歴情報の一部を示す図である。
図10】(a)本発明に係る物品管理具の他の構成例を示す斜視図であって、ロック前の状態を示す図、(b)ロック後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
本発明に係る物品管理具は、独立した2回路の少なくとも一方が管理対象の物品の着脱に伴って回路の開閉状態が切り替わるように配線されたもので、RFリーダからの送信信号(RF信号)に対し、物品の管理状態を状態信号(ショート状態)として送信し、例えばPCやモバイル端末などの外部機器で管理する際に使用されるものである。以下、管理対象の物品として鍵を例にとって説明する。
【0019】
図2(a),(b)に示すように、物品管理システム1は、物品管理具3(第1実施形態の物品管理具3Aまたは第2実施形態の物品管理具3B)、RFリーダ4、外部機器5を備えて概略構成され、RFリーダ4の信号に対する物品管理具3の後述するRFICチップ18a,19aの応答の有無と、物品管理具3の履歴情報(物品管理データの履歴情報)に基づいて物品管理具3による鍵2の状態(保管前、保管中、物品の取り出し後の3つの状態)を管理している。
【0020】
管理対象の鍵2は、図3(a),(b)や図4(a),(b)に示すように、鍵2ごとに、鍵2を特定する識別コード(例えばバーコード、QRコード(登録商標)、製造番号、通し番号など)が付与されたプレート6と一緒にリング7に取り付けられている。
【0021】
プレート6の識別コードは、予め読み取られ、そのプレート6と一緒にリング7に取り付けられた鍵2と、その鍵2に使用される物品管理具3の識別コードとを1対1で対応付けられている。この対応付けされた情報は、物品管理データ(鍵管理データ)として外部機器5で管理される。
【0022】
なお、図示の例では、鍵2と、識別コードが付与されたプレート6とを一緒にリング7に取り付けているが、この構成に限定されるものではない。例えば鍵2のみをリング7を介して物品管理具3に取り付ける構成、鍵2を直接物品管理具3に取り付ける構成であってもよい。この場合、鍵2に刻印される製造番号を、鍵2を特定する識別コードとして予め読み取り、読み取った識別コードを、その鍵2に使用される物品管理具3と1対1で対応付けされ、鍵管理データ(物品管理データ)として外部機器5で管理することができる。
【0023】
物品管理具3(3A,3B)は、例えば絶縁性の樹脂などで構成され、図1図6に示すように、例えば板状の本体部11と、管理対象の鍵2とプレート6を取り付けたリング7が着脱される所定長さの結束部12を有する。
【0024】
以下、第1実施形態の物品管理具3Aの構成について図1図3図5図7を参照しながら説明する。
【0025】
図1図3図5に示すように、第1実施形態の物品管理具3Aの本体部11には、例えば円形穴からなるロック部13が形成されている。ロック部13には、図3(b)に示すように、結束部12に管理対象の鍵2とプレート6を取り付けたリング7を挿通し、さらに保管ボックスのL字状の固定具14の取付穴14aに挿通した状態で、結束部12の先端側(自由端側)に設けられる例えば円形状のフック部12aが圧入される。これにより、図7に示すように、結束部12のフック部12aがロック部13に固定され、管理対象の鍵2を取り付けた物品管理具3が保管ボックスに保管された状態となる。このとき、後述する第1の回路18は、フック部12aに形成されるパターン18bとロック部13に形成されるパターン18bとが導通して閉回路を形成する。また、図7に示すように、フック部12aには、抜け止め部18cが突出形成される。抜け止め部18cは、フック部12aをロック部13に固定した後、フック部12aをロック部13から引き抜こうとしたときに、本体部11の裏側に当接してフック部12aがロック部13から抜けるのを防いでいる。
【0026】
なお、保管ボックスは、所定間隔で複数の取付穴14aが形成されたL字状の固定具14を複数段備えており、管理対象の鍵2とプレート6を取り付けたリング7が挿通された物品管理具3を一つずつ取付穴14aに取り付けることにより複数の鍵2を一括管理するものである。
【0027】
図1(a)に示すように、物品管理具3Aの本体部11には、本体部11に埋設配置された結束部12の基端側の延長線上の上端部が下向きコ字状に欠切され、結束部12を本体部11から分離する際の取手15が形成されている。
【0028】
図1(b)に示すように、物品管理具3Aの本体部11の背面側における結束部12の基端側(本体部11との境目部分)と取手15との間(図1(a)の点線で示す部分)は、結束部12の延長部12bを形成している。結束部12の延長部12bの両側には、薄肉部による2本の長溝16が平行に形成されている。これにより、取手15を持ち、図1(a)の点線に沿って取手15を結束部12の基端側に向かって引っ張ると、取手15と結束部12の基端側との間の延長部12bが2本の長溝16に沿って引き裂かれ、結束部12を本体部11から容易に分離することができる。
【0029】
このように、結束部12は、取手15を持って結束部12の基端側に向かって引っ張った際に、取手15と結束部12の基端側との間の延長部12bが2本の長溝16に沿って引き裂かれ、基端側が本体部11に対して分離可能に設けられている。
【0030】
物品管理具3Aの結束部12の延長部12bは、後述する第1の回路18に設けられる第1のRFICチップ18a、後述する第2の回路19に設けられる第2のRFICチップ19aそれぞれに近接した位置で本体部11から分離可能となっている。これにより、RFリーダ4からの送信信号に対し、パターンの一部が切除された第1の回路18の第1のRFICチップ18aと第2の回路19の第2のRFICチップ19aが応答するのを防ぐことができる。なお、取手15を結束部12の基端側に向かって引っ張ったときに、第1の回路18の第1のRFICチップ18aと第2の回路19の第2のRFICチップ19aを含めてパターン18b,19bの一部が切除される構成とすれば、RFリーダ4からの送信信号に対する応答を確実に防ぐことができる。
【0031】
物品管理具3Aの本体部11の表面には、アンテナフィルム17が貼付されている。このアンテナフィルム17上には、RF回路として、第1の回路18、第2の回路19による独立した2つの回路が形成されている。
【0032】
第1の回路18は、本体部11及び結束部12に形成され、ロック部13に結束部12がロックされると閉回路を形成し、ロック部13に結束部12がロックされないと開回路となる配線が第1のRFTCチップ18aに接続されている構成である。さらに説明すると、第1の回路18は、第1のRFICチップ18aが接続された状態で結束部12の先端のフック部12aと本体部11のロック部13との間に形成されるアンテナフィルム17上のパターン18bからなる。第1の回路18は、結束部12のフック部12aがロック部13に固定されて閉回路を形成しているときに、第1のRFICチップ18aが外部のRFリーダ4からの送信信号に応答して信号を返信する。第1の回路18は、本体部11から結束部12が分離されたときに、本体部11のアンテナフィルム17上に第1のRFICチップ18aを残した状態でパターンの一部が切除されて開回路を形成する。
【0033】
第2の回路19は、本体部11に形成され、結束部12が引き剥がされると切断される配線が第2のRFICチップ19aに接続されている構成である。さらに説明すると、第2の回路19は、第2のRFICチップ19aが接続された状態で本体部11に形成される独立した閉回路によるアンテナフィルム17上のパターン19bからなる。第2の回路19は、閉回路を形成しているときに、外部のRFリーダ4からの送信信号に応答して信号を返信する。第2の回路19は、本体部11から結束部12が分離されたときに、本体部11のアンテナフィルム17上に第2のRFICチップ19aを残した状態でパターンの一部が切除されて開回路を形成する。
【0034】
そして、上述した第1実施形態の物品管理具3Aによれば、管理対象の鍵2がプレート6と一緒にリング7を介して結束部12に取り付けられる保管前の状態のときは、RFリーダ4からの送信信号に対し、第2のRFICチップ19aが接続された第2の回路19からショートの状態信号の出力が可能となる。この場合、外部のRFリーダ4からの送信信号に対し、第2のRFICチップ19aのみからショートの状態信号が応答信号として返信されるので、管理対象の鍵2が物品管理具3Aに取り付けられていない保管前の状態であることを認識することができる。
【0035】
また、管理対象の鍵2がプレート6と一緒にリング7を介して結束部12に取り付けられた保管中の状態のときは、RFリーダ4からの送信信号に対し、第1のRFICチップ18aが接続された第1の回路18と、第2のRFICチップ19aが接続された第2の回路19の両方の回路からショートの状態信号の出力が可能となる。この場合、外部のRFリーダ4からの送信信号に対し、第1のRFICチップ18aと第2のRFICチップ19aの両方からショートの状態信号が応答信号として返信されるので、管理対象の鍵2が物品管理具3Aを用いて保管中の状態であることを認識することができる。
【0036】
さらに、結束部12が本体部11から分離され、管理対象の鍵2とプレート6が取り付けられたリング7が結束部12から取り外された状態のときは、第1のRFICチップ18aが接続された第1の回路18と、第2のRFICチップ19aが接続された第2の回路19の両方の回路がオープンの状態となる。この場合、外部のRFリーダ4からの送信信号に対し、第1のRFICチップ18aと第2のRFICチップ19aの両方から応答がないので、外部機器5が管理する鍵管理データの履歴情報として、外部のRFリーダ4からの送信信号に対し、同じ識別コードの物品管理具3Aの第1のRFICチップ18aと第2のRFICチップ19aの両方からショートの状態信号が応答信号として返信された履歴がそれ以前に確認できれば、管理対象の鍵2が物品管理具3Aから取り外された状態であることを認識することができる。
【0037】
ところで、物品管理具3としては、上述した第1実施形態の物品管理具3Aに代えて、図1(c)、図2(b)、図4図6に示す第2実施形態の物品管理具3Bを用いることもできる。なお、各図において、第1実施形態の物品管理具3Aと同一の構成要素には同一番号を付し、その説明を省略している。
【0038】
第2実施形態の物品管理具3Bは、本体部11のアンテナフィルム17上に形成される第2の回路19の位置とパターン形状のみが異なっており、その他については同一構成である。
【0039】
第2実施形態の物品管理具3Bは、結束部12が本体部11から分離されたときに、第1実施形態の物品管理具3Aと同様に、第1の回路18の第1のRFICチップ18aを本体部11のアンテナフィルム17上に残した状態でパターン18bの一部が切除される。
【0040】
しかし、第2実施形態の物品管理具3Bでは、結束部12が本体部11から分離されたときに、第1実施形態の物品管理具3Aのように、第2の回路19のパターン19bの一部が切除されることなく、第2の回路19が独立した閉回路を形成したパターンのままとなっている。
【0041】
すなわち、第1実施形態の物品管理具3Aと第2実施形態の物品管理具3Bは、管理対象の鍵2を管理する前において、第2の回路19のパターン19bが独立した閉回路を形成しているが、結束部12が本体部11から分離されたときに、第1実施形態の物品管理具3Aの第2の回路19のパターンの一部が切除されてオープン状態となるのに対し、第2実施形態の物品管理具3Bの第2の回路19のパターンは切除されずに独立した閉回路を維持している。
【0042】
次に、上記のように構成される物品管理具3を用いて管理対象の鍵2を管理する場合の動作について図2図4を参照しながら説明する。ここでは、物品管理具3として、第1実施形態の物品管理具3Aを用いた場合について説明する。
【0043】
[保管前]
図2(a)は物品管理具3Aを用いた物品管理システム1における管理対象の鍵2の保管前の状態を示す図である。
【0044】
管理対象の鍵2を保管する前において、物品管理具3Aの第1の回路18は、結束部12のフック部12aが本体部11のロック部13に固定されずに開いているので、第1のRFICチップ18aが接続されたパターンがオープン状態となっている。また、物品管理具3Aの第2の回路19は、独立した閉回路を形成しており、第2のRFICチップ19aが接続されたパターンがショート状態となっている。
【0045】
この状態で、外部機器5は、RFリーダ4が送信信号に対して物品管理具3Aからの状態信号を受信すると、物品管理具3Aの第1の回路18がオープン状態を示し、第2の回路19からショート状態の状態信号を受信するので、管理対象の鍵2が物品管理具3Aに取り付けられていない保管前であることを認識する。
【0046】
[保管中]
図3(a),(b)は物品管理具3Aを用いた物品管理システム1における管理対象の鍵2の保管中の状態を示す図である。
【0047】
保管ボックスに鍵2を保管する際は、物品管理具3Aの結束部12を鍵2の穴、プレート6の穴、保管ボックスの固定具14の取付穴14aにそれぞれ挿通し、ロック部13にフック部12aを挿入して固定する。これにより、物品管理具3Aの第1の回路18のパターンがループ状に繋がり、第1のRFICチップ18aが接続された第1の回路18がショート状態となる。
【0048】
なお、物品管理具3Aの第2の回路19は、上述した保管前と同様に、ショート状態を維持している。
【0049】
この状態で、外部機器5は、RFリーダ4が送信信号に対して物品管理具3Aからの状態信号を受信すると、物品管理具3Aの第1の回路18と第2の回路19の両方の回路からショート状態の状態信号を受信するので、管理対象の鍵2が保管中であることを認識する。
【0050】
[鍵取り出し後]
図5(a),(b)は物品管理具3Aを用いた物品管理システム1における管理対象の鍵2の取り出し後の状態を示す図である。
【0051】
保管ボックスから鍵2を取り出す際は、物品管理具3Aの取手15を結束部12の基端側に引っ張ると、取手15と結束部12の基端側との間の延長部12bが2本の長溝16に沿って引き裂かれ、物品管理具3Aが破断する。これにより、保管ボックスの固定具14の取付穴14aと物品管理具1の結束が外れ、利用者は物品管理具3Aから鍵5とプレート6が取り付けられたリング7を抜き取り、鍵2を取り出すことができる。このとき、第1の回路18は、本体部11のアンテナフィルム17上に第1のRFICチップ18aを残した状態でパターンの一部が切除される。同様に、第2の回路19は、本体部11のアンテナフィルム17上に第2のRFICチップ19aを残した状態でパターンの一部が切除される。
【0052】
この状態で、外部機器5は、RFリーダ4が送信信号に対して物品管理具3Aからの状態信号を受信すると、物品管理具3Aの第1の回路18と第2の回路19の両方の回路がオープン状態を示すので、外部機器5の鍵管理データの履歴情報から物品管理具3Aを使用して鍵2が保管中であったことが確認できれば、鍵2が取り出し後の状態であることを認識する。すなわち、外部機器5が管理する鍵管理データの履歴情報として、外部のRFリーダ4からの送信信号に対し、同じ識別コードの物品管理具3Aの第1のRFICチップ18aと第2のRFICチップ19aの両方からショートの状態信号が応答信号として返信された履歴がそれ以前に確認できれば、管理対象の鍵2が物品管理具3Aから取り外され、鍵2が取り出し後の状態であることを認識することができる。
【0053】
このように、第1実施形態の物品管理具3Aを用いた構成では、RFリーダ4が送信信号に対して物品管理具3Aから受信した第1の回路と第2の回路の状態信号、外部機器5の鍵管理データの履歴情報に基づいて鍵2の3つの状態(保管前、保管中、鍵取り出し後の状態)を認識することができる。
【0054】
次に、物品管理具3として、第2実施形態の物品管理具3Bを用いた場合について説明する。なお、[保管前](図2(b)の状態)と[保管中](図4(a),(b)の状態)は、上述した第1実施形態の物品管理具3Aを用いた場合と同じなので、その説明を省略し、[鍵取り出し後](図6(a),(b)の状態)についてのみ説明する。
【0055】
[鍵取り出し後]
図6(a),(b)は物品管理具3Bを用いた物品管理システム1における管理対象の鍵2の取り出し後の状態を示す図である。
【0056】
保管ボックスから鍵2を取り出す際は、物品管理具3Bの取手15を結束部12の基端側に引っ張ると、取手15と結束部12の基端側との間の延長部12bが2本の長溝16に沿って引き裂かれ、物品管理具3Bが破断する。これにより、保管ボックスの固定具14の取付穴14aと物品管理具1の結束が外れ、利用者は物品管理具3Bから鍵5とプレート6が取り付けられたリング7を抜き取り、鍵2を取り出すことができる。このとき、第1の回路18の第1のRFICチップ18aを本体部11のアンテナフィルム17上に残した状態でパターンの一部が切除されるが、第2の回路19のパターンは切除されず独立した閉回路を形成したままとなる。
【0057】
この状態で、外部機器5は、RFリーダ4が送信信号に対して物品管理具3Bからの状態信号を受信すると、物品管理具3Bの第1の回路18がオープン状態を示し、物品管理具3Bの第2の回路19からショート状態の状態信号を受信し、[保管前]と同じ状態を示すので、外部機器5の鍵管理データの履歴情報から物品管理具3Bを使用して鍵2が保管中であったことが確認できれば、鍵2が取り出し後の状態であることを認識する。すなわち、外部機器5が管理する鍵管理データの履歴情報として、外部のRFリーダ4からの送信信号に対し、同じ識別コードの物品管理具3Bの第1のRFICチップ18aと第2のRFICチップ19aの両方からショートの状態信号が応答信号として返信された履歴がそれ以前に確認できれば、管理対象の鍵2が物品管理具3Bから取り外され、鍵2が取り出し後の状態であることを認識することができる。
【0058】
このように、第2実施形態の物品管理具3Bを用いた構成においても、第1実施形態の物品管理具3Aを用いた構成と同様に、RFリーダ4が送信信号に対して物品管理具3Bから受信した第1の回路18と第2の回路19の状態信号、外部機器5の鍵管理データの履歴情報に基づいて鍵2の3つの状態(保管前、保管中、鍵取り出し後の状態)を認識することができる。
【0059】
次に、管理対象の鍵2を管理する際の外部機器5の処理について図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0060】
外部機器5の処理にあたっては、物品管理具3(3Aまたは3B)を用いて保管ボックスに保管された管理対象の全ての鍵2に対し、RFリーダ4による状態信号の読み取りを開始する(ST1)。外部機器5は、RFリーダ4による管理対象の全ての鍵2の状態信号の読み取りが完了すると(ST2-Yes)、RFリーダ4で読み取った管理対象の鍵2の状態信号を鍵管理データと突き合わせる突合処理を実行する(ST3)。そして、外部機器5は、突合処理を実行した結果を、例えば図9に示す表示形式で表示画面上に表示処理する(ST4)。その後、突合処理を実行した担当者とは別の担当者が突合処理の結果の修正確認を行い(ST5)、突合処理の結果に修正が有る場合には修正処理を施し、外部機器5の鍵管理データを更新する。そして、突合処理の結果の修正確認が完了すると、外部機器5による処理を終了する。
【0061】
次に、外部機器5によって管理される鍵管理データの具体例について図9を参照しながら説明する。鍵管理データは、物品管理具3による鍵2の管理状態を示すデータであり、図9に示すように、物品管理具3からの状態信号に基づいて物品管理具3の識別コード、鍵2の識別コード、鍵2の管理状態、最終確認日時、確認担当者を紐付けたものである。図9は第2実施形態の物品管理具3Bを使用し、2022年8月22日8時30分に保管ボックスを点検した後の鍵管理データの履歴情報の一部を示している。
【0062】
図9の鍵管理データによれば、2022年8月22日8時30分に識別コード:[000001]の物品管理具3Bにて識別コード:[0002]の鍵2が封緘され、識別コード:[00088]の物品管理具3Bにて識別コード:[0101]の鍵2が封緘され、識別コード:[050024]の物品管理具3Bにて識別コード:[0526]の鍵2が封緘されたことを確認担当者aが確認したことが判る。また、その後、2022年8月22日11時5分に識別コード:[000001」の物品管理具3Bを開封して識別コード:[0002]の鍵2を使用し、使用後の16:10に識別コード:[000200]の新規の物品管理具3Bを用い、この物品管理具3Bにて16:37に識別コード:[0002]の鍵2を封緘し、その他の識別コード:[000088]の物品管理具3Bと識別コード:[050024]の物品管理具3Bの状態には変化がなかったことを確認担当者bが確認したことが判る。
【0063】
ところで、上述した実施の形態では、本体部11の形状として長方形の板状のものを図示して説明したが、この形状に限定されるものではない。円筒状や角筒状などの他の形状で本体部11を形成することもできる。
【0064】
また、本体部11の2つの回路(第1の回路18、第2の回路19)と結束部12(フック部12a、延長部12b)の第1の回路18のパターン18bは、印刷、成形回路部品(MID:Molded Interconnect Device)、電極フィルムのインサート成形などの工法により形成することができる。
【0065】
図10(a),(b)は物品管理具の他の構成例を示している。なお、図10(a),(b)において、図1の物品管理具3と同等に機能する構成要素には同一番号を付して説明する。
【0066】
図10(a),(b)に示す物品管理具21は、図1の物品管理具3と同様に、本体部11と結束部12で構成される。本体部11は、有底円筒状で形成され、一方の面側に開口穴からなるロック部13を有する。本体部11の一方の面側の外周の一部には、本体部11の長手方向と直交する方向に突出して取手15が設けられる。取手15から本体部11の他方の面側寄りの位置には、結束部12をロック部13に固定した際に、後述する爪部23を係止するための係止穴16が形成される。本体部11における取手15の基端部の両側には、本体部11の長手方向に沿って所定長さの2本の長溝17が平行に形成されている。取手15を持ち、図10(b)の点線で示すように、本体部11の他方の面側に向かって長手方向に引っ張ると、本体部11の一部が2本の長溝17に沿って長手方向の中途位置まで引き裂かれる。
【0067】
結束部12は、一端が本体部11の他方の面側に固定され、他端(自由端)側に円板状の蓋部22が取り付けられ、さらに他端側の先端にロート状のフック部12aが設けられる。フック部12aの外周の一部には、フック部12aを本体部11のロック部13に圧入して蓋部22が本体部11のロック部13を塞いだ際に本体部11の係止穴16に係止する爪部23が設けられる。
【0068】
本体部11の表面の不図示のアンテナフィルム上には、第1の回路18、第2の回路19、第3の回路20による独立した3つの回路がMIDにより形成される。
【0069】
第1の回路18は、第1のRFICチップ18aが接続された状態で結束部12の先端のフック部12aと本体部11のロック部13との間に形成されるアンテナフィルム上のパターン18bからなる。第1の回路18は、結束部12のフック部12aがロック部13に固定されて閉回路を形成しているときに、第1のRFICチップ18aが外部のRFリーダ4からの送信信号に応答して信号を返信する。第1の回路18は、取手15を引っ張ることで本体部11の一部が引き裂かれたときに、第1のRFICチップ18aを含むパターン18bの一部が切断される。
【0070】
第2の回路19は、第2のRFICチップ19aが接続された状態で本体部11に形成される独立した閉回路によるアンテナフィルム上のパターン19bからなる。第2の回路19は、閉回路を形成しているときに、外部のRFリーダ4からの送信信号に応答して信号を返信する。第2の回路は、取手15を引っ張ることで本体部11の一部が引き裂かれたときに、第2のRFICチップ19aを含むパターン19bの一部が切断される。
【0071】
このように、図10(a),(b)に示す物品管理具21を用いた場合でも、図1の物品管理具3を用いた場合と同様に、RFリーダ4が送信信号に対して物品管理具21の2つの回路(第1の回路18、第2の回路19)から受信したショート状態の状態信号と外部機器5の鍵管理データの履歴情報に基づいて鍵2の3つの状態(保管前、保管中、鍵取り出し後の状態)を認識することができる。
【0072】
なお、図10(a),(b)の物品管理具21では、取手15を引っ張って本体部11の一部が引き裂かれたときに、第1のRFICチップを含むパターン18bの一部とともに第2のRFICチップ19aを含むパターン19bの一部が切断される構成であるが、この構成に限定されるものではない。図6(a),(b)に示す物品管理具3のように、取手15を引っ張って本体部11の一部が引き裂かれても第2のRFICチップ19aを含むパターン19bが切除されず独立した閉回路を形成したままとなるように第2の回路19を本体部11に形成する構成としてもよい。
【0073】
ところで、上述した実施の形態では、管理対象の物品として鍵2を例にとって説明したが、これに限定されるものではない。例えば鍵2としてのカードキーを管理対象の物品としてもよい。その他、在庫及び保管状況を管理したい電化製品や重要書類、設備等を管理対象の物品とすることもできる。
【0074】
このように、本実施の形態では、物品管理具の状態信号と履歴情報により、管理対象の物品の保管前、保管中、取り出し後の3つの状態を容易に確認・管理することができる。これにより、管理対象の物品を管理する際の作業効率が飛躍的に向上し、履歴情報としても有益なデータ管理に寄与する。
【0075】
しかも、物品管理具3の本体部11に対し、2つのRF回路(第1の回路18、第2の回路19)が独立して設けられるので、物品管理具3の製造が容易になる。
【0076】
そして、本実施の形態は、管理対象の物品として上述した鍵2以外にも在庫及び保管状況を管理したい電化製品や重要書類、設備等に使用することができ、さまざまな用途への展開が期待できる。
【0077】
以上、本発明に係る物品管理システムの最良の形態について説明したが、この形態による記述および図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例および運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0078】
1 物品管理システム
2 鍵(管理対象の物品)
3(3A,3B) 物品管理具
4 RFリーダ
5 外部機器
6 プレート
7 リング
11 本体部
12 結束部
12a フック部
12b 延長部
13 ロック部
14 固定具
14a 取付穴
15 取手
16 長溝
17 アンテナフィルム
18 第1の回路
18a 第1のRFICチップ
18b パターン
18c 抜け止め部
19 第2の回路
19a 第2のRFICチップ
19b パターン
21 物品管理具
22 蓋部
23 爪部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10