(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106581
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】アンモニア分解装置
(51)【国際特許分類】
C01B 3/04 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
C01B3/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010920
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】磯谷 康平
(72)【発明者】
【氏名】寺谷 悟
(72)【発明者】
【氏名】桜井 幹也
(72)【発明者】
【氏名】速水 翔平
(57)【要約】
【課題】アンモニアの分解が行われる反応器にアンモニアを供給するための配管の窒化を抑制できるアンモニア分解装置を提供する。
【解決手段】アンモニア分解装置は、原料であるアンモニアを水素と窒素とに分解する分解反応の触媒が充填された反応器と、触媒よりも上流側で反応器内に設けられたバーナであって、水素を燃焼させるためのバーナと、触媒よりも上流側で反応器内にアンモニアを供給するためのアンモニア供給ラインとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料であるアンモニアを水素と窒素とに分解する分解反応の触媒が充填された反応器と、
前記触媒よりも上流側で前記反応器内に設けられたバーナであって、水素を燃焼させるためのバーナと、
前記触媒よりも上流側で前記反応器内にアンモニアを供給するためのアンモニア供給ラインと
を備えるアンモニア分解装置。
【請求項2】
水素を含む水素含有ガスを前記バーナに供給するための水素供給ラインと、
前記反応器においてアンモニアが分解することにより生成した水素及び窒素を含む流出ガスが前記反応器から流出した後に流通する流出ガスラインと
を備え、
前記水素供給ラインは前記流出ガスラインから分岐する、請求項1に記載のアンモニア分解装置。
【請求項3】
前記流出ガスラインを流通する前記流出ガスと前記水素供給ラインを流通する前記水素含有ガスとが熱交換する第1熱交換器と、
前記第1熱交換器において前記水素含有ガスと熱交換した後の前記流出ガスと前記アンモニア供給ラインを流通するアンモニアを含むアンモニア含有ガスとが熱交換する第2熱交換器と
を備える、請求項2に記載のアンモニア分解装置。
【請求項4】
酸素を含む酸素含有ガスを前記バーナに供給するための酸素供給ラインと、
前記酸素供給ラインを流通する前記酸素含有ガスと前記第1熱交換器において前記水素含有ガスと熱交換した後の前記流出ガスとが熱交換する第3熱交換器と
を備え、
前記第3熱交換器において前記酸素含有ガスと熱交換した後の前記流出ガスと前記アンモニア供給ラインを流通する前記アンモニア含有ガスとが前記第2熱交換器において熱交換するように構成されている、請求項3に記載のアンモニア分解装置。
【請求項5】
前記流出ガスラインに設けられ、前記流出ガスからアンモニアを回収するアンモニア回収装置を備え、
前記水素供給ラインは、前記アンモニア回収装置よりも下流側で前記流出ガスラインから分岐する、請求項2~4のいずれか一項に記載のアンモニア分解装置。
【請求項6】
前記流出ガスラインに設けられ、前記流出ガスからアンモニアを回収するアンモニア回収装置を備え、
前記水素供給ラインは、前記アンモニア回収装置よりも上流側で前記流出ガスラインから分岐する、請求項2~4のいずれか一項に記載のアンモニア分解装置。
【請求項7】
前記水素供給ラインに設けられ、該水素供給ラインを流通する前記水素含有ガスから窒素を除去する窒素除去装置を備える、請求項2~4のいずれか一項に記載のアンモニア分解装置。
【請求項8】
原料であるアンモニアを水素と窒素とに分解する分解反応の触媒が充填された反応器と、
前記触媒よりも上流側で前記反応器内に設けられたバーナであって、前記原料のアンモニアの一部を燃焼させるためのバーナと、
前記原料であるアンモニアを含むアンモニア含有ガスを前記バーナに供給するためのアンモニア供給ラインと、
前記反応器においてアンモニアが分解することにより生成した水素及び窒素を含む流出ガスが前記反応器から流出した後に流通する流出ガスラインと、
前記アンモニア供給ラインを流通する前記アンモニア含有ガスを加熱するための第1加熱器であって、前記アンモニア含有ガスと前記流出ガスラインを流通する前記流出ガスとが熱交換する第1加熱器と、
前記第1加熱器よりも上流側で、前記アンモニア供給ラインを流通する前記アンモニア含有ガスに水素を含む水素含有ガスを供給する水素供給ラインと
を備えるアンモニア分解装置。
【請求項9】
前記水素供給ラインは、前記第1加熱器よりも下流側で前記流出ガスラインから分岐する、請求項8に記載のアンモニア分解装置。
【請求項10】
酸素を含む酸素含有ガスを前記バーナに供給するための酸素供給ラインと、
前記酸素供給ラインから分岐し、前記酸素含有ガスの一部を前記触媒内に供給するための酸素分岐ラインと
を備える、請求項8または9に記載のアンモニア分解装置。
【請求項11】
前記触媒は、前記バーナから前記流出ガスラインに向かう方向に少なくとも2段に分割されて配置され、
前記酸素分岐ラインは、隣り合う前記段間に形成された少なくとも1つの空間に連通するように構成されている、請求項10に記載のアンモニア分解装置。
【請求項12】
前記触媒内に設けられた少なくとも1つの配管部材を備え、
前記少なくとも1つの配管部材にはそれぞれ、該配管部材の内部と外部とを連通するように少なくとも1つの孔が形成され、
前記酸素分岐ラインは、前記少なくとも1つの配管部材に連通するように構成されている、請求項10に記載のアンモニア分解装置。
【請求項13】
前記アンモニア供給ラインから分岐し、該アンモニア供給ラインを流通する前記アンモニア含有ガスの一部を前記触媒内に供給するためのアンモニア分岐ラインを備える、請求項10に記載のアンモニア分解装置。
【請求項14】
前記触媒は、前記バーナから前記流出ガスラインに向かう方向に少なくとも2段に分割されて配置され、
前記アンモニア分岐ラインは、隣り合う前記段間に形成された少なくとも1つの空間のうちの少なくとも1つに連通し、前記酸素分岐ラインは、前記少なくとも1つの空間のうちの少なくとも1つに連通するように構成されている、請求項13に記載のアンモニア分解装置。
【請求項15】
前記触媒内に設けられた少なくとも1つの配管部材を備え、
前記少なくとも1つの配管部材にはそれぞれ、該配管部材の内部と外部とを連通するように少なくとも1つの孔が形成され、
前記アンモニア分岐ラインは、前記少なくとも1つの配管部材のうちの少なくとも1つに連通し、前記酸素分岐ラインは、前記少なくとも1つの配管部材のうちの少なくとも1つに連通するように構成されている、請求項10に記載のアンモニア分解装置。
【請求項16】
前記水素供給ラインに設けられ、該水素供給ラインを流通する前記水素含有ガスから窒素を除去する窒素除去装置を備える、請求項8または9に記載のアンモニア分解装置。
【請求項17】
酸素を含む酸素含有ガスを前記バーナに供給するための酸素供給ラインと、
前記酸素供給ラインを流通する前記酸素含有ガスと前記反応器から流出した前記流出ガスとが熱交換する第2加熱器を備え、
前記第2加熱器において前記酸素含有ガスと熱交換した後の前記流出ガスと前記アンモニア供給ラインを流通する前記アンモニア含有ガスとが前記第1加熱器において熱交換するように構成されている、請求項8または9に記載のアンモニア分解装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンモニア分解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アンモニアを水素と窒素とに分解するアンモニア分解装置が記載されている。このアンモニア分解装置には、アンモニアの分解反応の触媒が充填された反応器内において触媒よりも上流側に、アンモニアを燃焼させるバーナが設けられている。バーナによるアンモニアの燃焼熱を、吸熱反応であるアンモニアの分解反応を生じさせるための熱として使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バーナでアンモニアを安定燃焼させるためには、アンモニアがバーナに供給されるまでの間にアンモニアを昇温させる必要がある。そうすると、バーナにアンモニアを供給するための配管に高温のアンモニアが流通することになるので、アンモニアと配管の金属材料とが反応して金属材料が窒化し、機械的強度の低下、ひいては配管の破断につながるおそれがある。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも1つの実施形態は、アンモニアの分解が行われる反応器にアンモニアを供給するための配管の窒化を抑制できるアンモニア分解装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係るアンモニア分解装置は、原料であるアンモニアを水素と窒素とに分解する分解反応の触媒が充填された反応器と、前記触媒よりも上流側で前記反応器内に設けられたバーナであって、水素を燃焼させるためのバーナと、前記触媒よりも上流側で前記反応器内にアンモニアを供給するためのアンモニア供給ラインとを備える。
【0007】
また、本開示に係る別のアンモニア分解装置は、原料であるアンモニアを水素と窒素とに分解する分解反応の触媒が充填された反応器と、前記触媒よりも上流側で前記反応器内に設けられたバーナであって、前記原料のアンモニアの一部を燃焼させるためのバーナと、前記原料であるアンモニアを含むアンモニア含有ガスを前記バーナに供給するためのアンモニア供給ラインと、前記反応器においてアンモニアが分解することにより生成した水素及び窒素を含む流出ガスが前記反応器から流出した後に流通する流出ガスラインと、前記アンモニア供給ラインを流通する前記アンモニア含有ガスを加熱するための加熱器であって、前記アンモニア含有ガスと前記流出ガスラインを流通する前記流出ガスとが熱交換する第1加熱器と、前記第1加熱器よりも上流側で、前記アンモニア供給ラインを流通する前記アンモニア含有ガスに水素を含む水素含有ガスを供給する水素供給ラインとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示のアンモニア分解装置によれば、バーナによる水素の燃焼熱を、吸熱反応であるアンモニアの分解反応を生じさせるための熱として使用することにより、アンモニア供給ラインを流通するアンモニアを昇温させる必要がなくなるか、又は、アンモニアの昇温の程度を抑制できるので、アンモニア供給ラインを流通する高温のアンモニアとアンモニア供給ラインの金属材料とが反応してアンモニア供給ラインが窒化することを抑制できる。
【0009】
本開示の別のアンモニア分解装置によれば、バーナにアンモニア含有ガスを供給するためのアンモニア供給ラインに設けられた第1加熱器においてアンモニア含有ガスが加熱されるので、第1加熱器よりも下流においてアンモニアとアンモニア供給ラインの金属材料とが反応してアンモニア供給ラインが窒化するおそれがあるが、第1加熱器よりも上流側でアンモニア含有ガスに水素含有ガスを供給することにより、アンモニア含有ガス中のアンモニアの濃度が低下するので、第1加熱器よりも下流においてアンモニア供給ラインが窒化することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態1に係るアンモニア分解装置の構成模式図である。
【
図2】本開示の実施形態1に係るアンモニア分解装置の変形例の構成模式図である。
【
図3】本開示の実施形態1に係るアンモニア分解装置の別の変形例の構成模式図である。
【
図4】本開示の実施形態1に係るアンモニア分解装置のさらに別の変形例の構成模式図である。
【
図5】本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置の構成模式図である。
【
図6】本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置の変形例の構成模式図である。
【
図7】本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置の別の変形例の構成模式図である。
【
図8】本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置のさらに別の変形例の反応器の構成模式図である。
【
図9】本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置のさらに別の変形例の反応器の構成模式図である。
【
図10】本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置のさらに別の変形例の反応器の構成模式図である。
【
図11】
図10に示された反応器に設けられる配管部材の斜視図である。
【
図12】本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置のさらに別の変形例の反応器の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態によるアンモニア分解装置について、図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0012】
(実施形態1)
<本開示の実施形態1に係るアンモニア分解装置の構成>
図1に示されるように、本開示の実施形態1に係るアンモニア分解装置1は、原料であるアンモニアを、下記反応式(1)で示される反応によって水素と窒素とに分解する装置である。アンモニア分解装置1は、反応式(1)で示されるアンモニアの分解反応の触媒3が充填された反応器2を備えている。
2NH
3→N
2+3H
2 ・・・(1)
【0013】
反応器2内は、触媒3の上流側及び下流側のそれぞれに、上流空間2a及び下流空間2bが構成されている。反応器2には触媒3よりも上流側に、水素を燃焼させるためのバーナ4が設けられている。反応器2には、アンモニアを含むアンモニア含有ガスを、触媒よりも上流側に、すなわち上流空間2aに供給するためのアンモニア供給ライン5が接続されている。バーナ4には、水素を含む水素含有ガス(具体例は後述する)をバーナ4に供給するための水素供給ライン6と、酸素を含む酸素含有ガス(例えば空気)をバーナ4に供給するための酸素供給ライン7とが接続されている。
【0014】
反応器2には、反応器2から流出した流出ガスが流通する流出ガスライン8の一端が下流空間2bに連通するように接続されている。流出ガスは、反応式(1)によれば、窒素と水素とを含んでいる。このため、流出ガスライン8の他端は、窒素と水素とを含む流出ガスを消費又は貯蔵するための消費/貯蔵設備10に接続されている。また、流出ガスは、未反応のアンモニアを含む場合がある。このため、流出ガスライン8には、流出ガスからアンモニアを除去するためのアンモニア回収装置9を設けてもよい。アンモニア回収装置9で流出ガスから除去されたアンモニアをアンモニア供給ライン5に戻すために、アンモニア回収装置9とアンモニア供給ライン5とを接続する回収アンモニアライン14を設けてもよい。アンモニア回収装置9の構成は特に限定するものではなく、例えば水スクラバーや圧力変動吸着(PSA)装置等であってもよい。尚、反応器2におけるアンモニアの分解率が高く、流出ガスに含まれる未反応のアンモニアが少ない場合には、アンモニア回収装置9を設けなくてもよい。
【0015】
水素供給ライン6は、アンモニア分解装置1の内部又は外部に設けられた水素貯蔵設備や水素製造装置等に接続されて、これらから水素含有ガスを供給するように構成することができるし、あるいは、水素供給ライン6を流出ガスライン8から分岐するように構成することができる。後者の構成では、水素供給ライン6には、流出ガスすなわち水素含有ガスを昇圧するための圧縮機11が設けられる。流出ガスライン8にアンモニア回収装置9が設けられている場合は、水素供給ライン6をアンモニア回収装置9よりも下流側で流出ガスライン8から分岐するように構成してもよいし、アンモニア回収装置9よりも上流側で流出ガスライン8から分岐するように構成してもよい。
【0016】
水素供給ライン6には(水素供給ライン6に圧縮機11が設けられる場合は圧縮機11の下流側に)、水素含有ガスを加熱するための第1熱交換器12を設けてもよい。第1熱交換器12において水素含有ガスは、反応器2から流出した流出ガスと熱交換することにより加熱されるようにするために、流出ガスライン8が第1熱交換器12を通過するように構成されている。また、アンモニア供給ライン5には、アンモニア含有ガスを加熱するための第2熱交換器13を設けてもよい。第2熱交換器13においてアンモニア含有ガスは、第1熱交換器12において水素含有ガスと熱交換した後の流出ガスと熱交換することにより加熱されるようにするために、流出ガスライン8が第2熱交換器13を通過するように構成されている。
【0017】
アンモニア分解装置1にアンモニア回収装置9が設けられる場合、アンモニア回収装置9で流出ガスから除去されたアンモニアも第2熱交換器13で加熱されるようにするために、回収アンモニアライン14を、第2熱交換器13よりも上流側でアンモニア供給ライン5に接続されるように構成することが好ましい。
【0018】
必須の構成ではないが、反応器2の内面2cは耐火材2dで覆われてもよい。耐火材2dを設ける場合、耐火材2dに対して内面2cと反対側に触媒3が充填されている。耐火材2dとしては例えば、煉瓦、耐火煉瓦、耐火セメント等を使用することができる。
【0019】
<本開示の実施形態1に係るアンモニア分解装置の動作>
次に、本開示の実施形態1に係るアンモニア分解装置1の動作について説明する。アンモニア含有ガスがアンモニア供給ライン5を介して反応器2内の上流空間2aに流入する。また、バーナ4に、水素供給ライン6を介して水素含有ガスが供給され、酸素供給ライン7を介して酸素含有ガスが供給され、バーナ4において水素が燃焼される。バーナ4から、水素の燃焼による燃焼熱を含む燃焼ガスが上流空間2aに排出され、上流空間2a内でアンモニア含有ガスと燃焼ガスとが混合することにより、アンモニア含有ガスが昇温される。
【0020】
アンモニア含有ガスは水素の燃焼ガスにより加熱されるので、アンモニア供給ライン5を流通する際にアンモニア含有ガスを、アンモニアの分解反応に必要な温度にまで加熱したり、当該温度に加熱したアンモニア含有ガスをアンモニア供給ライン5を介して上流空間2aに供給したりすることは必ずしも必要ではない。このため、アンモニア供給ライン5を流通するアンモニア含有ガスの温度を、アンモニアとアンモニア供給ラインの金属材料とが反応する温度未満にすることができるので、アンモニア供給ライン5が窒化することを抑制できる。また、バーナ4において燃焼されるのは水素であり、アンモニアをバーナ4において直接燃焼させないため、窒素酸化物(NOx)の生成を抑制することもできる。
【0021】
上流空間2a内で昇温されたアンモニア含有ガスと燃焼排ガスとの混合ガスは触媒3を通過する。混合ガスが触媒3を通過する際に、混合ガス中のアンモニアの少なくとも一部は、触媒3による触媒作用によって反応式(1)で示されるアンモニアの分解反応が生じることで水素及び窒素に分解され、水素及び窒素と未反応のアンモニアとを含む流出ガスが下流空間2bから流出し、流出ガスライン8を流通する。流出ガスに含まれる未反応のアンモニアが少ない場合には、下流空間2bから流出した流出ガスは、流出ガスライン8を介して消費/貯蔵設備10に供給される。
【0022】
このように、バーナ4による水素の燃焼熱を、吸熱反応であるアンモニアの分解反応を生じさせるための熱として使用することにより、アンモニア供給ライン5を流通するアンモニア含有ガスを昇温させる必要がなくなるか、又は、アンモニアの昇温の程度を抑制できるので、アンモニア供給ライン5を流通する高温のアンモニアとアンモニア供給ライン5の金属材料とが反応してアンモニア供給ライン5が窒化することを抑制できる。
【0023】
アンモニア分解装置1に第1熱交換器12及び第2熱交換器13が設けられている場合は、水素供給ライン6を流通する水素含有ガスは、第1熱交換器12において、反応器2から流出した流出ガスと熱交換することにより加熱されてバーナ4に供給される。また、アンモニア供給ライン5を流通するアンモニア含有ガスは、第2熱交換器13において、第1熱交換器12において水素含有ガスと熱交換した後の流出ガスと熱交換することにより加熱されて上流空間2aに流入する。アンモニア分解装置1に第1熱交換器12及び第2熱交換器13を設けることにより、アンモニア含有ガス及び水素含有ガスの昇温ができるので、アンモニア分解装置における熱回収量を向上することができる。
【0024】
一方で、反応器2から流出したばかりの流出ガスとアンモニア含有ガスとが熱交換すると、流出ガスの温度が高過ぎてアンモニア含有ガスの温度が高くなり過ぎ、アンモニア供給ライン5が窒化するおそれがある。これに対し、アンモニア分解装置1に第1熱交換器12及び第2熱交換器13を設ける構成では、反応器2から流出した流出ガスと水素含有ガスとが熱交換して、反応器2から流出したときの温度よりも温度が低下した流出ガスとアンモニア含有ガスとが熱交換することにより、アンモニア供給ライン5が窒化しない程度にアンモニア含有ガスの温度を昇温することができるので、アンモニア供給ライン5が窒化することを抑制できる。
【0025】
上述したように、流出ガスに含まれる未反応のアンモニアを無視できない場合は、流出ガスライン8に(第1熱交換器12及び第2熱交換器13を設ける場合は第2熱交換器13よりも下流に)アンモニア回収装置9を設けることができる。この場合、アンモニア回収装置9において、流出ガスからアンモニアが回収され、水素と窒素と回収されなかった微量のアンモニアとを含むようになった流出ガスは、その一部が水素含有ガスとして水素供給ライン6を介してバーナ4に供給され、残りが消費/貯蔵設備10に供給される。回収されたアンモニアは、回収アンモニアライン14を介してアンモニア供給ライン5に供給され、原料のアンモニアの一部として反応器2に供給される。これにより、アンモニアの分解率を向上させることができる。
【0026】
水素供給ライン6を流出ガスライン8から分岐させる構成とすることにより、流出ガスの一部を水素含有ガスとしてバーナ4に供給することができる。このような構成により、アンモニア分解装置1の外部から水素を供給する必要がなくなるので、アンモニア分解装置1をアンモニア分解装置1の外部の装置に依存させずに独立して運転することができる。また、上述したように、流出ガスには水素だけでなく窒素も含まれている。水素を燃焼するバーナ4は一般的な炭化水素バーナに比べて燃焼ガスの温度が高温であるため、バーナ4の本体及びバーナ4の周辺機器の設計に影響があり得る。これに対し、窒素を含む流出ガスを水素含有ガスとすることにより、純粋な水素を燃焼する場合に比べて燃焼ガスの温度を低下させることができるので、このような影響を低減することができる。
【0027】
流出ガスライン8にアンモニア回収装置9が設けられている場合において、
図1に示されるように水素供給ライン6をアンモニア回収装置9よりも下流側で流出ガスライン8から分岐するように構成すると、アンモニア回収装置9において流出ガスからアンモニアを除去した後の流出ガスが水素含有ガスとしてバーナ4に供給されるので、未反応のアンモニアの一部をバーナ4による燃焼で消費することを抑制できる。
【0028】
ただし、反応器2におけるアンモニアの分解率が高く、流出ガスに含まれる未反応のアンモニアが少ない場合には、
図2に示されるように水素供給ライン6をアンモニア回収装置9よりも上流側で流出ガスライン8から分岐するように構成することができる。この構成の場合、アンモニア回収装置9における圧力損失及びアンモニア回収装置9における冷却による熱損失なしに流出ガスの一部を水素含有ガスとしてバーナ4に供給できるので、アンモニア分解装置1全体のエネルギー効率が向上する。しかしながら、この構成を採用する限り、水素供給ライン6をアンモニア回収装置9よりも下流側で流出ガスライン8から分岐した場合に比べて、アンモニア濃度の高い水素含有ガスがバーナ4に供給されることになるので、バーナ4での燃焼による温度によってアンモニア由来のNOxが生じ得る。ただし、生成したNOxは、例えば下記反応式(2)で表される反応により、NOxの少なくとも一部を窒素と水とに変換可能であることから、反応器2よりも下流側の設備に対する影響を低減可能である。
6NO
2+8NH
3→7N
2+12H
2O ・・・(2)
【0029】
<本開示の実施形態1に係るアンモニア分解装置の変形例>
図3に示されるように、水素含有ガスが流出ガスの一部である場合、水素供給ライン6を流通する水素含有ガスから窒素を除去する窒素除去装置20を水素供給ライン6に設けてもよい。窒素除去装置20の構成は特に限定しないが、例えば、水素と窒素とを分離可能な分離膜を含む膜分離装置を使用することができる。水素供給ライン6に第1熱交換器12が設けられている場合は、第1熱交換器12よりも上流側に窒素除去装置20を設けることが好ましく、圧縮機11よりも上流側に窒素除去装置20を設けることが好ましい。また、窒素除去装置20が膜分離装置である場合、窒素除去装置20へのアンモニアの同伴は好ましくないので、アンモニア回収装置9よりも下流側で流出ガスライン8から分岐した水素供給ライン6に窒素除去装置20を設けることが好ましい。
【0030】
図3に記載された構成のアンモニア分解装置1では、窒素除去装置20において、水素含有ガスから窒素が分離され、系外にパージされる。その結果、
図1又は2の構成のアンモニア分解装置1に比べて、水素濃度の高い水素含有ガスがバーナ4に供給される。上述したように、水素含有ガス中の水素濃度が高くなるほど燃焼ガスの温度が高くなる問題があるが、バーナ4の仕様の適切な選択と、反応器2の耐火施工の適切な設計とにより、水素供給ライン6に窒素除去装置20を設けることができる。窒素除去装置20を設けることにより、バーナ4に供給する水素含有ガスの体積流量を小さくすることができるので、水素供給ライン6のサイズ、及び、水素含有ガスを昇圧する圧縮機11を水素供給ライン6に設ける場合には圧縮機11のサイズを小さくすることができ、その結果、アンモニア分解装置1をコンパクトにすることができる。
【0031】
図4に示されるように、第1熱交換器12及び第2熱交換器13を設ける構成に加えて、酸素供給ライン7を流通する酸素含有ガスと第1熱交換器12において水素含有ガスと熱交換した後の流出ガスとが熱交換する第3熱交換器30をさらに設けてもよい。この構成では、酸素含有ガスが第3熱交換器30において流出ガスと熱交換することにより加熱されてバーナ4に供給される。また、第2熱交換器13においてアンモニア含有ガスと熱交換する流出ガスは、第1熱交換器12における水素含有ガスとの熱交換と、第3熱交換器30における酸素含有ガスとの熱交換とを経た流出ガスである。
【0032】
この構成では、反応器2から流出した流出ガスと水素含有ガスとが熱交換した後に、さらに流出ガスと酸素含有ガスとが熱交換して、反応器2から流出したときの温度よりも温度が低下した流出ガスとアンモニア含有ガスとが熱交換することにより、アンモニア供給ライン5が窒化しない程度にアンモニア含有ガスの温度を昇温することができるので、アンモニア供給ライン5が窒化することを抑制できる。また、アンモニア含有ガス及び水素含有ガスの昇温もできるので、アンモニア分解装置1における熱回収量を向上することができる。さらに、熱回収量が上昇することで、バーナ4における燃焼で消費される水素及び酸素の量を低減できるので、アンモニア分解装置1の構成をコンパクトにすることもできる。
【0033】
(実施形態2)
次に、本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置について説明する。実施形態2に係るアンモニア分解装置は、実施形態1に対して、反応器2に設けられるバーナの構成を変更したものである。尚、実施形態2において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0034】
<本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置の構成>
図5に示されるように、本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置40の反応器2には、触媒3よりも上流側に、原料のアンモニアの一部を燃焼させるためのバーナ44が設けられている。バーナ44には、アンモニアを含むアンモニア含有ガスが流通するアンモニア供給ライン5と、酸素を含む酸素含有ガス(例えば空気)をバーナ44に供給するための酸素供給ライン7とが接続されている。アンモニア供給ライン5には、アンモニア含有ガスを加熱するための第1加熱器43が設けられている。第1加熱器43においてアンモニア含有ガスは、反応器2から流出した流出ガスと熱交換することにより加熱されるようにするために、流出ガスライン8が第1加熱器43を通過するように構成されている。第1加熱器43よりも上流側で、アンモニア供給ライン5を流通するアンモニア含有ガスに水素を含む水素含有ガスを供給する水素供給ライン46が設けられている。
【0035】
水素供給ライン46は、アンモニア分解装置40の内部又は外部に設けられた水素貯蔵設備や水素製造装置等に接続されて、これらから水素含有ガスを供給するように構成することができるし、あるいは、水素供給ライン46を流出ガスライン8から分岐するように構成することができる。流出ガスライン8にアンモニア回収装置9を設ける場合には、水素供給ライン46はアンモニア回収装置9よりも上流側又は下流側のいずれから分岐するように構成してもよい(
図5には例示的に、アンモニア回収装置9よりも上流側から水素供給ライン46が分岐する構成を示している)。水素供給ライン46が流出ガスライン8から分岐する構成では、水素供給ライン46には、水素含有ガスである流出ガスを昇圧するための圧縮機11を設けてもよい。反応器2の構成と、アンモニア回収装置9の構成とについては実施形態1と同じである。
【0036】
<本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置の動作>
次に、本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置40の動作について説明する。バーナ44に、アンモニア供給ライン5を介してアンモニア含有ガスが供給され、酸素供給ライン7を介して酸素含有ガスが供給され、バーナ44において原料のアンモニアの一部が燃焼される。バーナ44においてアンモニア含有ガス中のアンモニアの一部を燃焼させるため、アンモニア含有ガスは第1加熱器43において、バーナ44における燃焼に適した温度にまで加熱される。ただし、第1加熱器43における加熱で温度が高くなり過ぎると、第1加熱器43からバーナ44までの間でアンモニア供給ライン5の金属材料とアンモニアとが反応してアンモニア供給ライン5が窒化してしまう。
【0037】
これに対し、実施形態2では、アンモニア供給ライン5を流通するアンモニア含有ガスが第1加熱器43において加熱される前に、水素供給ライン46を介してアンモニア含有ガスに水素含有ガスが供給される。これにより、アンモニア含有ガス中のアンモニア濃度が低下する。水素含有ガスが供給されてアンモニア濃度が低下したアンモニア含有ガスは、第1加熱器43において加熱されて高温になっても、水素含有ガスが供給されないアンモニア含有ガスに場合に比べて、アンモニア供給ライン5の金属材料とアンモニアとが反応しにくくなる。これにより、アンモニア供給ライン5が窒化することを抑制できる。
【0038】
バーナ44においてアンモニアの一部が燃焼することにより発生した燃焼熱でアンモニア含有ガスが昇温され、昇温されたアンモニア含有ガスとアンモニアの燃焼ガスとが上流空間2aに流入する。上流空間2a内のアンモニア含有ガスと燃焼排ガスとの混合ガスは、実施形態1と同じ動作で触媒3を通過し、流出ガスとなって下流空間2bから流出し、流出ガスライン8を流通する。流出ガスライン8を流通する流出ガスは、第1加熱器43においてアンモニア含有ガスと熱交換することにより、アンモニア含有ガスを加熱する一方で流出ガスは冷却される。第1加熱器43において冷却された流出ガスは、流出ガスに含まれる未反応のアンモニアが少ない場合には、流出ガスライン8を介して消費/貯蔵設備10に供給され、流出ガスに含まれる未反応のアンモニアが無視できないためにアンモニア回収装置9が設けられる場合には、アンモニア回収装置9において流出ガスからアンモニアが回収された後で消費/貯蔵設備10に供給される。
【0039】
このように、第1加熱器43よりも上流側でアンモニア含有ガスに水素含有ガスを供給することにより、アンモニア含有ガス中のアンモニアの濃度が低下するので、第1加熱器43よりも下流においてアンモニア供給ライン5が窒化することを抑制できる。
【0040】
また、実施形態1と同様に、水素供給ライン46を流出ガスライン8から分岐させる構成とすることにより、流出ガスの一部を水素含有ガスとしてバーナ44に供給することができる。このような構成により、アンモニア分解装置40の外部から水素を供給する必要がなくなるので、アンモニア分解装置40をアンモニア分解装置40の外部の装置に依存させずに独立して運転することができる。
【0041】
アンモニア回収装置9として水洗式の装置を使用する場合、熱効率の観点から、流出ガスがアンモニア回収装置9に流入する前に、流出ガスから可能な限り熱回収をすることが好ましい。これに対し、実施形態2では、流出ガスはアンモニア回収装置9に流入する前に、第1加熱器43におけるアンモニア含有ガスとの熱交換で冷却されることにより、アンモニア回収装置9における流出ガスからの放熱量(熱損失に相当する)を低下できるので、アンモニア分解装置40の熱効率の悪化を抑制できる。
【0042】
<本開示の実施形態2に係るアンモニア分解装置の変形例>
図6に示されるように、水素含有ガスが流出ガスの一部である場合、水素供給ライン46を流通する水素含有ガスから窒素を除去する窒素除去装置20を水素供給ライン46に設けてもよい。尚、窒素除去装置20の構成については実施形態1と同じである。水素供給ライン46に窒素除去装置20を設けることにより、アンモニア供給ライン5を流通するアンモニア含有ガスに供給する水素含有ガスの体積流量を小さくすることができるので、水素供給ライン46及びアンモニア供給ライン5のサイズを小さくすることができ、その結果、アンモニア分解装置40をコンパクトにすることができる。
【0043】
図7に示されるように、酸素供給ライン7を流通する酸素含有ガスと反応器2から流出した流出ガスとが熱交換する第2加熱器45をさらに設けてもよい。この構成では、酸素含有ガスが第2加熱器45において流出ガスと熱交換することにより加熱されてバーナ44に供給される。また、第1加熱器43においてアンモニア含有ガスと熱交換する流出ガスは、第2加熱器45における酸素含有ガスとの熱交換を経た流出ガスである。この構成では、酸素含有ガスの昇温ができるので、アンモニア分解装置における熱回収量を向上することができる。また、熱回収量が上昇することで、バーナ44における燃焼で消費されるアンモニア及び酸素の量を低減できるので、アンモニア分解装置40の構成をコンパクトにすることもできる。
【0044】
実施形態2では、アンモニア供給ライン5を流通するアンモニア含有ガスの全量がバーナ44に供給されていたが、この形態に限定するものではない。酸素供給ライン7から酸素分岐ラインを分岐させ、酸素分岐ラインを触媒3の内部に連通するように反応器2に接続させてもよい。この形態では、酸素供給ライン7を流通する酸素含有ガスの一部が触媒3内に供給される。酸素分岐ラインを触媒3の内部に連通させる場合には、アンモニア供給ライン5からアンモニア分岐ラインを分岐させ、アンモニア分岐ラインを触媒3の内部に連通するように反応器2に接続させてもよい。この形態では、アンモニア供給ライン5を流通するアンモニア含有ガスの一部も触媒3内に供給される。このような形態のいくつかの具体的かつ例示的な構成を以下に説明する。
【0045】
図8に示されるように、反応器2内において触媒3は、バーナ44から流出ガスライン8に向かう方向に少なくとも2段に分割されて配置されている。
図8は、触媒3が3段3a,3b,3cに分割されて配置されている構成を例示している。酸素供給ライン7から分岐する酸素分岐ライン52は、隣り合う段3a,3b間及び段3b,3c間のそれぞれに形成された2つの空間50a及び50bのそれぞれに連通するように構成されている。
【0046】
図8の構成では、酸素分岐ライン52を介して空間50a及び50bのそれぞれに流入した酸素含有ガスは触媒3の段3a~3cに移動し、上流空間2aから触媒3に流入した混合ガスと触媒3内で混合される。これにより、触媒3内においてアンモニアの一部を酸化させることができる。すなわち、触媒3内では、反応式(1)で示されるアンモニアの分解反応と、アンモニアの酸化反応とが生じることになる。アンモニアが酸化する際に発生する熱を、吸熱反応であるアンモニアの分解反応を生じさせるための熱として使用することができる。これにより、アンモニアの分解反応に適切な温度を維持して、アンモニアの分解反応を持続させることができる。
【0047】
アンモニアを酸化させる際に、アンモニア含有ガスと酸素含有ガスとを反応器2の外部で混合して、その混合ガスを触媒3に供給するようにすると、アンモニア含有ガスと酸素含有ガスとを混合する際に爆発が生じるおそれがある。ただし、このような現象は、配管内という狭い領域で酸素とアンモニアとが混合しない限りは発生しない。
図8の構成では、空間50a及び50bに流入した酸素含有ガスは触媒3内を拡散して十分希釈されて酸素濃度が十分に下がり、爆発領域を下回るため、そのような爆発が生じる可能性は低い。
【0048】
図9は、
図8の構成に対して酸素含有ガスだけではなくアンモニア含有ガスの一部も触媒3内に供給する構成を例示している。
図9の例示的な構成において触媒3は、5段3a,3b,3c,3d,3eに分割されて配置されている。アンモニア供給ライン5から分岐するアンモニア分岐ライン51は、隣り合う段3a,3b間及び段3c,3d間のそれぞれに形成された2つの空間50a及び50cのそれぞれに連通し、酸素供給ライン7から分岐する酸素分岐ライン52は、アンモニア分岐ライン51と連通していない空間、すなわち、隣り合う段3b,3c間及び段3d,3e間のそれぞれに形成された2つの空間50b及び50dのそれぞれに連通するように構成されている。
【0049】
尚、
図9では、アンモニア分岐ライン51と酸素分岐ライン52とはそれぞれ異なる空間に連通しているが、すなわち、1つの空間にアンモニア分岐ライン51及び酸素分岐ライン52の両方が連通しないように構成されているが、アンモニア分岐ライン51及び酸素分岐ライン52の両方が連通した空間が存在する構成であってもよい。
【0050】
図9の構成では、アンモニア含有ガスと酸素含有ガスとはそれぞれ別々の空間に供給されるので、両者は混合しない状態で別々に触媒3内に供給され、両者は触媒3内で混合される。これにより、アンモニア含有ガスと酸素含有ガスとを混合する際に爆発が生じるおそれをさらに低減することができる。ただし、上述したように、触媒3内の空間に流入した酸素含有ガスは触媒3内を拡散して十分希釈されることからそのような爆発が生じる可能性は低いので、1つの空間にアンモニア含有ガス及び酸素含有ガスが供給される構成であっても、そのような爆発が生じる可能性は低い。
【0051】
図10に示されるように、反応器2内において触媒3内に、少なくとも1つの配管部材が配置されている。
図10は、触媒3内に2つの配管部材60a及び60bが配置された構成を例示している。
図11に示されるように、配管部材60a及び60bにはそれぞれ、配管部材60a及び60bの内部と外部とを連通するように少なくとも1つの孔61が形成されている。
図10に示されるように、配管部材60a及び60bのそれぞれは、触媒3内においてバーナ44から流出ガスラインに向かう方向に間隔をあけて設けることが好ましい。酸素分岐ライン52は、配管部材60a及び60bのそれぞれに連通している。
【0052】
図10の構成では、酸素分岐ライン52を介して配管部材60a及び60bのそれぞれに流入した酸素含有ガスは、各配管部材に形成された孔61(
図11参照)を介して各配管部材の外部に流出する。各配管部材の外部に流出した酸素含有ガスは、上流空間2aから触媒3に流入した混合ガスと触媒3内で混合される。これにより、触媒3内においてアンモニアの一部を酸化させることができる。
図10の構成でも、アンモニアの分解反応に適切な温度を維持して、アンモニアの分解反応を持続させることができる。
【0053】
また、
図12は、
図10の構成に対して酸素含有ガスだけではなくアンモニア含有ガスの一部も触媒3内に供給する構成を例示している。
図12の例示的な構成において、触媒3内に4つの配管部材60a,60b,60c,60dが配置されている。尚、配管部材60c及び60dの構成は、配管部材60a及び60bの構成と同じである。アンモニア分岐ライン51は、配管部材60a及び60cのそれぞれに連通し、酸素分岐ライン52は、配管部材60b及び60dに連通している。
【0054】
尚、
図12では、アンモニア分岐ライン51と酸素分岐ライン52とはそれぞれ異なる配管部材に連通しているが、すなわち、1つの配管部材にアンモニア分岐ライン51及び酸素分岐ライン52の両方が連通しないように構成されているが、アンモニア分岐ライン51及び酸素分岐ライン52の両方が連通した配管部材が存在する構成であってもよい。
【0055】
図12の構成では、アンモニア含有ガスと酸素含有ガスとはそれぞれ別々の配管部材の内部に供給されて、各配管部材の内部に供給されたアンモニア含有ガス及び酸素含有ガスはそれぞれ、各配管部材に形成された孔61(
図11参照)を介して各配管部材の外部に流出する。各配管部材の外部に流出したアンモニア含有ガスと酸素含有ガスとは触媒3内で混合される。これにより、触媒3内においてアンモニアを酸化させることができ、その結果、アンモニアの分解反応に適切な温度を維持して、アンモニアの分解反応を持続させることができる。尚、1つの配管部材にアンモニア含有ガス及び酸素含有ガスが供給される構成であっても、
図9の構成において上述した理由と同じ理由で、アンモニア含有ガスと酸素含有ガスとが混合する際に爆発が生じる可能性は低い。
【0056】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0057】
[1]一の態様に係るアンモニア分解装置は、
原料であるアンモニアを水素と窒素とに分解する分解反応の触媒(3)が充填された反応器(2)と、
前記触媒(3)よりも上流側で前記反応器(2)内に設けられたバーナ(4)であって、水素を燃焼させるためのバーナ(4)と、
前記触媒(3)よりも上流側で前記反応器(2)内にアンモニアを供給するためのアンモニア供給ライン(5)と
を備える。
【0058】
本開示のアンモニア分解装置によれば、バーナによる水素の燃焼熱を、吸熱反応であるアンモニアの分解反応を生じさせるための熱として使用することにより、アンモニア供給ラインを流通するアンモニアを昇温させる必要がなくなるか、又は、アンモニアの昇温の程度を抑制できるので、アンモニア供給ラインを流通する高温のアンモニアとアンモニア供給ラインの金属材料とが反応してアンモニア供給ラインが窒化することを抑制できる。
【0059】
[2]別の態様に係るアンモニア分解装置は、[1]のアンモニア分解装置であって、
水素を含む水素含有ガスを前記バーナ(4)に供給するための水素供給ライン(6)と、
前記反応器(2)においてアンモニアが分解することにより生成した水素及び窒素を含む流出ガスが前記反応器(2)から流出した後に流通する流出ガスライン(8)と
を備え、
前記水素供給ライン(6)は前記流出ガスライン(8)から分岐する。
【0060】
このような構成によれば、水素を含む流出ガスを水素含有ガスとして使用することにより、アンモニア分解装置の外部から水素を供給する必要がなくなるので、アンモニア分解装置をアンモニア分解装置の外部の装置に依存させずに独立して運転することができる。
【0061】
[3]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[2]のアンモニア分解装置であって、
前記流出ガスライン(8)を流通する前記流出ガスと前記水素供給ライン(6)を流通する前記水素含有ガスとが熱交換する第1熱交換器(12)と、
前記第1熱交換器(12)において前記水素含有ガスと熱交換した後の前記流出ガスと前記アンモニア供給ライン(5)を流通するアンモニアを含むアンモニア含有ガスとが熱交換する第2熱交換器(13)と
を備える。
【0062】
反応器から流出したばかりの流出ガスとアンモニア含有ガスとが熱交換すると、流出ガスの温度が高すぎてアンモニア含有ガスの温度が高くなり過ぎ、アンモニア供給ラインが窒化するおそれがある。これに対し、[3]の構成によれば、反応器から流出した流出ガスと水素含有ガスとが熱交換して、反応器から流出したときの温度よりも温度が低下した流出ガスとアンモニア含有ガスとが熱交換することにより、アンモニア供給ラインが窒化しない程度にアンモニア含有ガスの温度を昇温することができるので、アンモニア供給ラインが窒化することを抑制できる。また、アンモニア含有ガス及び水素含有ガスの昇温もできるので、アンモニア分解装置における熱回収量を向上することができる。
【0063】
[4]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[3]のアンモニア分解装置であって、
酸素を含む酸素含有ガスを前記バーナ(4)に供給するための酸素供給ライン(7)と、
前記酸素供給ライン(7)を流通する前記酸素含有ガスと前記第1熱交換器(12)において前記水素含有ガスと熱交換した後の前記流出ガスとが熱交換する第3熱交換器(30)と
を備え、
前記第3熱交換器(30)において前記酸素含有ガスと熱交換した後の前記流出ガスと前記アンモニア供給ライン(5)を流通する前記アンモニア含有ガスとが前記第2熱交換器(13)において熱交換するように構成されている。
【0064】
このような構成によれば、反応器から流出した流出ガスと水素含有ガスとが熱交換した後に、さらに流出ガスと酸素含有ガスとが熱交換して、反応器から流出したときの温度よりも温度が低下した流出ガスとアンモニア含有ガスとが熱交換することにより、アンモニア供給ラインが窒化しない程度にアンモニア含有ガスの温度を昇温することができるので、アンモニア供給ラインが窒化することを抑制できる。また、アンモニア含有ガス及び水素含有ガスの昇温もできるので、アンモニア分解装置における熱回収量を向上することができる。さらに、熱回収量が上昇することで、バーナにおける燃焼で消費される水素及び酸素の量を低減できるので、アンモニア分解装置の構成をコンパクトにすることもできる。
【0065】
[5]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[2]~[4]のいずれかのアンモニア分解装置であって、
前記流出ガスライン(8)に設けられ、前記流出ガスからアンモニアを回収するアンモニア回収装置(9)を備え、
前記水素供給ライン(6)は、前記アンモニア回収装置(9)よりも下流側で前記流出ガスライン(8)から分岐する。
【0066】
流出ガスには水素及び窒素の他に未反応のアンモニアも含まれるが、[5]の構成によれば、アンモニア回収装置において流出ガスからアンモニアを除去した後の流出ガスを水素含有ガスとしてバーナに供給するので、未反応のアンモニアの一部をバーナによる燃焼で消費することを抑制できる。
【0067】
[6]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[2]~[4]のいずれかのアンモニア分解装置であって、
前記流出ガスライン(8)に設けられ、前記流出ガスからアンモニアを回収するアンモニア回収装置(9)を備え、
前記水素供給ライン(6)は、前記アンモニア回収装置(9)よりも上流側で前記流出ガスライン(8)から分岐する。
【0068】
反応器におけるアンモニアの分解率が高く、流出ガスに含まれる未反応のアンモニアが少ない場合には、このような構成を採用することができる。このような構成を採用すると、アンモニア回収設備における圧力損失及びこの設備における冷却による熱損失なしに流出ガスの一部を水素含有ガスとしてバーナに供給できるので、アンモニア分解装置全体のエネルギー効率が向上する。
【0069】
[7]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[2]~[6]のいずれかのアンモニア分解装置であって、
前記水素供給ライン(6)に設けられ、該水素供給ライン(6)を流通する前記水素含有ガスから窒素を除去する窒素除去装置(20)を備える。
【0070】
このような構成によれば、バーナに供給する水素含有ガスの体積流量を小さくすることができるので、水素供給ラインのサイズ、及び、水素含有ガスを昇圧する圧縮機を水素供給ラインに設ける場合には圧縮機のサイズを小さくすることができ、その結果、アンモニア分解装置をコンパクトにすることができる。
【0071】
[8]一の態様に係るアンモニア分解装置は、
原料であるアンモニアを水素と窒素とに分解する分解反応(3)の触媒が充填された反応器(2)と、
前記触媒(3)よりも上流側で前記反応器(2)内に設けられたバーナ(44)であって、前記原料のアンモニアの一部を燃焼させるためのバーナ(44)と、
前記原料であるアンモニアを含むアンモニア含有ガスを前記バーナ(44)に供給するためのアンモニア供給ライン(5)と、
前記反応器(2)においてアンモニアが分解することにより生成した水素及び窒素を含む流出ガスが前記反応器(2)から流出した後に流通する流出ガスライン(8)と、
前記アンモニア供給ライン(5)を流通する前記アンモニア含有ガスを加熱するための第1加熱器(43)であって、前記アンモニア含有ガスと前記流出ガスライン(8)を流通する前記流出ガスとが熱交換する第1加熱器(43)と、
前記第1加熱器(43)よりも上流側で、前記アンモニア供給ライン(5)を流通する前記アンモニア含有ガスに水素を含む水素含有ガスを供給する水素供給ライン(46)と
を備える。
【0072】
本開示のアンモニア分解装置によれば、バーナにアンモニア含有ガスを供給するためのアンモニア供給ラインに設けられた第1加熱器においてアンモニア含有ガスが加熱されるので、第1加熱器よりも下流においてアンモニアとアンモニア供給ラインの金属材料とが反応してアンモニア供給ラインが窒化するおそれがあるが、第1加熱器よりも上流側でアンモニア含有ガスに水素含有ガスを供給することにより、アンモニア含有ガス中のアンモニアの濃度が低下するので、第1加熱器よりも下流においてアンモニア供給ラインが窒化することを抑制できる。
【0073】
[9]別の態様に係るアンモニア分解装置は、[8]のアンモニア分解装置であって、
前記水素供給ライン(46)は、前記第1加熱器(43)よりも下流側で前記流出ガスライン(8)から分岐する。
【0074】
このような構成によれば、水素を含む流出ガスを水素含有ガスとして使用することにより、アンモニア分解装置の外部から水素を供給する必要がなくなるので、アンモニア分解装置をアンモニア分解装置の外部の装置に依存させずに独立して運転することができる。
【0075】
[10]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[8]または[9]のアンモニア分解装置であって、
酸素を含む酸素含有ガスを前記バーナ(44)に供給するための酸素供給ライン(7)と、
前記酸素供給ライン(7)から分岐し、前記酸素含有ガスの一部を前記触媒(3)内に供給するための酸素分岐ライン(52)と
を備える。
【0076】
このような構成によれば、反応器内においてバーナよりも下流に位置する触媒内において、アンモニアの一部が酸化する際に発生する熱を、吸熱反応であるアンモニアの分解反応を生じさせるための熱として使用することができる。これにより、アンモニアの分解反応に適切な温度を維持して、アンモニアの分解反応を持続させることができる。
【0077】
[11]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[10]のアンモニア分解装置であって、
前記触媒(3)は、前記バーナ(44)から前記流出ガスライン(8)に向かう方向に少なくとも2段(3a,3b,3c,3d,3e)に分割されて配置され、
前記酸素分岐ライン(52)は、隣り合う前記段間に形成された少なくとも1つの空間(50a,50b,50c,50d)に連通するように構成されている。
【0078】
このような構成によれば、[10]の構成と同様に、アンモニアの分解反応に適切な温度を維持して、アンモニアの分解反応を持続させることができる。
【0079】
[12]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[10]のアンモニア分解装置であって、
前記触媒(3)内に設けられた少なくとも1つの配管部材(60a,60b,60c,60d)を備え、
前記少なくとも1つの配管部材(60a,60b,60c,60d)にはそれぞれ、該配管部材の内部と外部とを連通するように少なくとも1つの孔(61)が形成され、
前記酸素分岐ライン(52)は、前記少なくとも1つの配管部材(60a,60b,60c,60d)に連通するように構成されている。
【0080】
このような構成によれば、[10]の構成と同様に、アンモニアの分解反応に適切な温度を維持して、アンモニアの分解反応を持続させることができる。
【0081】
[13]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[10]のアンモニア分解装置であって、
前記アンモニア供給ライン(5)から分岐し、該アンモニア供給ライン(5)を流通する前記アンモニア含有ガスの一部を前記触媒(3)内に供給するためのアンモニア分岐ライン(51)を備える。
【0082】
このような構成によれば、[10]の構成と同様に、アンモニアの分解反応に適切な温度を維持して、アンモニアの分解反応を持続させることができる。
【0083】
[14]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[13]のアンモニア分解装置であって、
前記触媒(3)は、前記バーナ(44)から前記流出ガスライン(8)に向かう方向に少なくとも2段(3a,3b,3c,3d,3e)に分割されて配置され、
前記アンモニア分岐ライン(51)は、隣り合う前記段間に形成された少なくとも1つの空間(50a,50b,50c,50d)のうちの少なくとも1つに連通し、前記酸素分岐ライン(52)は、前記少なくとも1つの空間(50a,50b,50c,50d)のうちの少なくとも1つに連通するように構成されている。
【0084】
このような構成によれば、[10]の構成と同様に、アンモニアの分解反応に適切な温度を維持して、アンモニアの分解反応を持続させることができる。
【0085】
[15]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[13]のアンモニア分解装置であって、
前記触媒(3)内に設けられた少なくとも1つの配管部材(60a,60b,60c,60d)を備え、
前記少なくとも1つの配管部材(60a,60b,60c,60d)にはそれぞれ、該配管部材(60a,60b,60c,60d)の内部と外部とを連通するように少なくとも1つの孔(61)が形成され、
前記アンモニア分岐ライン(51)は、前記少なくとも1つの配管部材(60a,60b,60c,60d)のうちの少なくとも1つに連通し、前記酸素分岐ライン(52)は、前記少なくとも1つの配管部材(60a,60b,60c,60d)のうちの少なくとも1つに連通するように構成されている。
【0086】
このような構成によれば、[10]の構成と同様に、アンモニアの分解反応に適切な温度を維持して、アンモニアの分解反応を持続させることができる。
【0087】
[16]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[8]~[15]のいずれかのアンモニア分解装置であって、
前記水素供給ライン(46)に設けられ、該水素供給ライン(46)を流通する前記水素含有ガスから窒素を除去する窒素除去装置(20)を備える。
【0088】
このような構成によれば、アンモニア供給ラインを流通するアンモニア含有ガスに供給する水素含有ガスの体積流量を小さくすることができるので、水素供給ライン及びアンモニア供給ラインのサイズを小さくすることができ、その結果、アンモニア分解装置をコンパクトにすることができる。
【0089】
[17]さらに別の態様に係るアンモニア分解装置は、[8]~[16]のいずれかのアンモニア分解装置であって、
酸素を含む酸素含有ガスを前記バーナ(44)に供給するための酸素供給ライン(7)と、
前記酸素供給ライン(7)を流通する前記酸素含有ガスと前記反応器(2)から流出した前記流出ガスとが熱交換する第2加熱器(45)を備え、
前記第2加熱器(45)において前記酸素含有ガスと熱交換した後の前記流出ガスと前記アンモニア供給ライン(5)を流通する前記アンモニア含有ガスとが前記第1加熱器(43)において熱交換するように構成されている。
【0090】
このような構成によれば、酸素含有ガスの昇温ができるので、アンモニア分解装置における熱回収量を向上することができる。さらに、熱回収量が上昇することで、バーナにおける燃焼で消費されるアンモニア及び酸素の量を低減できるので、アンモニア分解装置の構成をコンパクトにすることもできる。
【符号の説明】
【0091】
1 アンモニア分解装置
2 反応器
3 触媒
3a,3b,3c,3d,3e (触媒の)段
4 バーナ
5 アンモニア供給ライン
6 水素供給ライン
7 酸素供給ライン
8 流出ガスライン
9 アンモニア回収装置
12 第1熱交換器
13 第2熱交換器
20 窒素除去装置
30 第3熱交換器
40 アンモニア分解装置
43 第1加熱器
44 バーナ
45 第2加熱器
46 水素供給ライン
50a,50b,50c,50d 空間
51 アンモニア分岐ライン
52 酸素分岐ライン
60a,60b,60c,60d 配管部材
61 孔