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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106588
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】電解装置
(51)【国際特許分類】
   C25B 9/00 20210101AFI20240801BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20240801BHJP
   C25B 9/23 20210101ALI20240801BHJP
【FI】
C25B9/00 A
C25B1/04
C25B9/23
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010930
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 悠太
(72)【発明者】
【氏名】浦下 靖崇
(72)【発明者】
【氏名】中山 嘉貴
(72)【発明者】
【氏名】弦巻 茂
(72)【発明者】
【氏名】田上 直人
(72)【発明者】
【氏名】田島 英彦
(72)【発明者】
【氏名】向井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】祐延 貴洋
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC01
4K021BC04
4K021CA08
4K021CA11
4K021CA13
4K021DB06
4K021DB18
4K021DB31
4K021DB43
(57)【要約】
【課題】迷走電流の発生を抑制可能な電解装置を提供する。
【解決手段】本開示の電解装置は、電解セルスタックと、電解セルスタックに電解液を供給する電解液供給部と、電解セルスタックに電圧を印加する電源部と、を備え、電解セルスタックは、第1方向に互いに間隔をあけて並ぶ複数のセパレータと、隣り合う2つのセパレータの間に1つずつ配置された複数の電解セルと、セパレータに設けられ、電解液が流通する電解液流路部と、電解液供給部から供給された電解液を、電解液流路部に流す第1流路部と、第1流路部から電解液流路部に電解液が流れ込む際の圧力損失を、電解液流路部同士の間で均一化させる構造部と、を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解セルスタックと、
前記電解セルスタックに電解液を供給する電解液供給部と、
前記電解セルスタックに電圧を印加する電源部と、
を備え、
前記電解セルスタックは、
第1方向に互いに間隔をあけて並ぶ複数のセパレータと、
隣り合う2つの前記セパレータの間に1つずつ配置された複数の電解セルと、
前記セパレータに設けられ、前記電解液が流通する電解液流路部と、
前記電解液供給部から供給された前記電解液を、前記電解液流路部に流す第1流路部と、
前記第1流路部から前記電解液流路部に前記電解液が流れ込む際の圧力損失を、前記電解液流路部同士の間で均一化させる構造部と、
を有する電解装置。
【請求項2】
前記第1流路部は、前記第1方向に延びる管部であり、
前記構造部は、
前記管部に形成されて、各々の前記電解液流路部内と前記管部内とを連通させる切り欠き部であり、
前記切り欠き部における各々の前記電解液流路部の流路入口と重なる部分は、前記電解液の流れ方向の下流側に向かうにしたがって大きくなる
請求項1に記載の電解装置。
【請求項3】
前記切り欠き部は、
前記管部の外周側から見た場合に、前記管部の外周面に沿う三角形状を成している
請求項2に記載の電解装置。
【請求項4】
前記切り欠き部は、
前記管部の外周側から見た場合に、前記管部の外周面に沿う台形状を成している
請求項2に記載の電解装置。
【請求項5】
前記構造部は、
前記管部内に設けられて、前記第1方向に並んだ複数のメッシュ部材によって構成されており、
隣り合う2つの前記メッシュ部材のうち前記電解液の流れ方向における下流側に配置された前記メッシュ部材の目は、前記隣り合う2つの前記メッシュ部材のうち前記電解液の流れ方向における上流側に配置された前記メッシュ部材の目よりも粗く、
前記メッシュ部材は、各々の前記流路入口に重なるように配置されている
請求項2に記載の電解装置。
【請求項6】
前記構造部は、前記電解液流路部内に設けられたメッシュである
請求項1に記載の電解装置。
【請求項7】
前記メッシュは、導電体である
請求項6に記載の電解装置。
【請求項8】
前記電解液流路部は、
前記電解液が流れる複数の溝流路と、
各々の前記溝流路に前記電解液を供給する供給流路と、
を有し、
前記メッシュは、前記供給流路内に設けられている
請求項6に記載の電解装置。
【請求項9】
前記第1流路部は、前記第1方向に延びる管部であり、
前記構造部は、
前記管部に形成されて、各々の前記電解液流路部内と前記管部内とを連通させる切り欠き部と、
前記電解液流路部内に設けられた導電体メッシュと、
を有し、
前記切り欠き部における各々の前記電解液流路部の流路入口と重なる部分は、前記電解液の流れ方向の下流側に向かうにしたがって大きくなる
請求項1に記載の電解装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電解質をアノード側電極およびカソード側電極で挟んで構成される単位燃料電池セルと、セパレータとを交互に積層するとともに、少なくとも燃料ガス、酸化剤ガスまたは冷却媒体のいずれかの流体を、前記単位燃料電池セルに分配するための連通孔が設けられた燃料電池スタックが開示されている。
【0003】
当該燃料電池スタックは、前記連通孔に複数の前記単位燃料電池セルに跨って一体的に挿入され、複数の前記単位燃料電池セルに対し前記流体を均一に分配するための挿入部材を備えている。挿入部材は、前記セパレータの流体流路に連通する切り欠き部を有するとともに、前記連通孔内で前記切り欠き部の大きさが燃料電池スタックの流体出入口から該燃料電池スタックの内部側に向かって変化する管体を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-149977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電解液を電気分解する電解装置の分野では、電解液が流れる流路であるマニホールドから複数の電解セルのそれぞれに電解液が供給された際、例えば、一の電解セルからマニホールド内の電解液などを通じて、他の電解セルに向かう迷走電流が発生する。迷走電流は電解に寄与しない為、迷走電流が多いほど電解装置の電解効率は低下する。したがって、迷走電流の発生を抑制することが期待されている。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、迷走電流の発生を抑制可能な電解装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る電解装置は、電解セルスタックと、前記電解セルスタックに電解液を供給する電解液供給部と、前記電解セルスタックに電圧を印加する電源部と、を備え、前記電解セルスタックは、第1方向に互いに間隔をあけて並ぶ複数のセパレータと、隣り合う2つの前記セパレータの間に1つずつ配置された複数の電解セルと、前記セパレータに設けられ、前記電解液が流通する電解液流路部と、前記電解液供給部から供給された前記電解液を、前記電解液流路部に流す第1流路部と、前記第1流路部から前記電解液流路部に前記電解液が流れ込む際の圧力損失を、前記電解液流路部同士の間で均一化させる構造部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、迷走電流の発生を抑制可能な電解装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態に係る電解装置の全体構成を示す概略構成図である。
図2】本開示の第1実施形態に係る電解セルスタックの一部を模式的に示す図である。
図3】本開示の第1実施形態に係る電解セルスタックの一部を模式的に示す分解斜視図である。
図4図2中のIV-IV線方向からセパレータの第2内面を見た図である。
図5】本開示の第1実施形態に係る電解セルスタックを模式的に示す図である。
図6図5中のVI-VI線方向から第1流路部に形成された第1構造を見た図である。
図7】本開示の第1実施形態の第1変形例に係る第1構造を示す図であり、図6で示した部分に対応した図である。
図8】本開示の第1実施形態の第2変形例に係る第1構造を示す図であり、図6で示した部分に対応した図である。
図9】本開示の第1実施形態の第3変形例に係る第1構造を示す図であり、図6で示した部分に対応した図である。
図10】本開示の第2実施形態に係る電解セルスタックの一部を模式的に示す図であり、図2で示した部分に対応した図である。
図11図10中のXI-XI線方向からセパレータの第2内面を見た図である。
図12】本開示の第3実施形態に係る電解セルスタックの一部を模式的に示す図であり、図2で示した部分に対応した図である。
図13図12中のXIII-XIII線方向からセパレータの第2内面を見た図である。
図14】本開示の第4実施形態に係る電解セルスタックの一部を模式的に示す図であり、図2で示した部分に対応した図である。
図15】本開示の第1実施形態に係る電解セルスタックの一部を模式的に示す図である。
図16図15中のXVI-XVI線方向からセパレータの第1内面を見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本開示による電解装置1を実施するための形態を説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。本明細書中の「対向する」とは、ある方向で見た場合に2つの部材が重なることを意味し、上記2つの部材の間に別の部材(例えば別の層)が存在する場合も含み得る。
【0011】
先に図2を参照し、Z方向、X方向、およびY方向を定義する。Z方向は、後述する第1セパレータ11aから第2セパレータ11bに向かう方向(図2中の右側)である。X方向は、Z方向とは交差する(例えば直交する)方向であり、電解セル12の中央部Cから電解セル12の一端部に向かう方向(図2中の上下方向)である。X方向は、例えば鉛直方向である。Y方向は、Z方向およびX方向とは交差する(例えば直交する)方向であり、例えば図2における紙面奥行方向である。本明細書中の「外形サイズ」とは、Z方向で見た場合における外形サイズを意味する。
【0012】
<電解装置の第1実施形態>
図1は、第1実施形態の電解装置1の全体構成を示す概略構成図である。電解装置1は、例えば、電解液に含まれる水を電気分解することで水素を生成する装置である。電解装置1は、例えば、アニオン交換膜(AEM:Anion Exchange Membrane)式の電解装置である。ただし、電解装置1は、上記例に限定されず、プロトン交換膜(PEM:Polymer Electrolyte Membrane)式の電解装置、二酸化炭素を電解還元する装置などの異なるタイプの電解装置でもよい。
【0013】
電解装置1は、例えば、電解セルスタック10と、電解液供給部20と、電源部30とを備えている。
【0014】
(電解セルスタック)
電解セルスタック10は、外部から供給された電解液Esを電気分解する。電解セルスタック10は、複数のセパレータ11および複数の電解セル12の集合体である。電解セルスタック10は、複数のセパレータ11および複数の電解セル12が一方向に並べられることで形成されている。本実施形態では、5つのセパレータ11と4つの電解セル12が並べられて電解セルスタック10が形成される場合を一例に説明する(図5参照)。
【0015】
以下、複数のセパレータ11および複数の電解セル12が並ぶ上記一方向(図5中の左右方向)を「第1方向D1」と称する。また、第1方向D1のうち一方の側(図5中の左側)を単に「一方側dl」と称し、一方側dlとは反対の側を「他方側dr」と称する。また以下、説明の便宜上、5つのセパレータ11を一方側dlから順番に「第1セパレータ11a」、「第2セパレータ11b」、「第3セパレータ11c」、「第4セパレータ11d」、「第5セパレータ11e」と称する場合がある。また、4つの電解セル12が一方側dlから順番に「第1電解セル12a」、「第2電解セル12b」、「第3電解セル12c」、「第4電解セル12d」と称する場合がある。
【0016】
図1に示すように、電解セルスタック10は、セパレータ11と共に陰極室Saおよび陽極室Sbを形成する複数(4つ)の電解セル12と、電解液供給部20から供給された電解液Esを陰極室Saおよび陽極室Sbに向けて流す第1流路部13,13´(後述)と、陰極室Saおよび陽極室Sbで反応を終えた電解液を電解液供給部20に向けて流す(戻す)第2流路部14,14´(後述)とを含む。電解セルスタック10については、詳しく後述する。なお、セパレータ11の数および電解セル12の数は、上記の数に限定されることはない。各電解セル12は、陰極室Saと、陽極室Sbとを含む。電解セル12についても、詳しく後述する。
【0017】
(電解液供給部)
電解液供給部20は、各電解セル12に電解液Esを供給する供給部である。電解液Esは、例えば、純水あるいはアルカリ水溶液である。電解液供給部20は、陰極側供給部20aと、陽極側供給部20bとを含む。
【0018】
陰極側供給部20aは、各電解セル12の陰極室Saに電解液Esを供給する供給部である。陰極側供給部20aは、例えば、水素気液分離装置21、第1ポンプ22、水素回収部23、第1電解液供給部24、及び配管ラインL1´,L2´を含む。
【0019】
水素気液分離装置21は、電解液Esを貯留する。水素気液分離装置21の供給口は、配管ラインL1´を介して電解セル12の陰極室Saに接続される。第1ポンプ22は、配管ラインL1´の途中に設けられ、水素気液分離装置21に貯留された電解液Esを電解セル12の陰極室Saに向けて送る。
【0020】
水素気液分離装置21の戻り口は、配管ラインL2´を介して電解セル12の陰極室Saに接続される。水素気液分離装置21には、電解セル12で生成された水素を含む電解液Esが電解セル12から流入する。水素気液分離装置21は、電解液Esに含まれる水素を分離する気液分離部を有する。水素気液分離装置21により電解液Esから分離された水素は、水素回収部23によって回収される。水素気液分離装置21には、第1電解液供給部24から電解液Esが補充される。
【0021】
一方で、陽極側供給部20bは、各電解セル12の陽極室Sbに電解液Esを供給する供給部である。陽極側供給部20bは、例えば、酸素気液分離装置26、第2ポンプ27、酸素回収部28、第2電解液供給部29、及び配管ラインL1,L2を含む。
【0022】
酸素気液分離装置26は、電解液Esを貯留する。酸素気液分離装置26の供給口は、配管ラインL1を介して電解セル12の陽極室Sbに接続される。第2ポンプ27は、配管ラインL1の途中に設けられ、酸素気液分離装置26に貯留された電解液Esを電解セル12の陽極室Sbに向けて送る。
【0023】
酸素気液分離装置26の戻り口は、配管ラインL2を介して電解セル12の陽極室Sbに接続される。酸素気液分離装置26には、電解セル12で生成された酸素を含む電解液Esが電解セル12から流入する。酸素気液分離装置26は、電解液Esに含まれる酸素を分離する気液分離部を有する。酸素気液分離装置26により電解液Esから分離された酸素は、酸素回収部28によって回収される。酸素気液分離装置26には、第2電解液供給部29から電解液Esが補充される。
【0024】
(電源部)
電源部30は、電解セルスタック10の各セパレータ11に電圧を印加する直流電源装置である。電源部30は、各セパレータ11に電圧を第1方向D1に印加することで、各々の電解セル12の陽極122と陰極121との間に、電解液Esの電気分解に必要な直流電圧を印加する。
【0025】
(電解セルスタックの構成)
次に、電解セルスタック10について図2から図5を参照しながら詳しく説明する。
図2は、電解セルスタック10の一部を模式的に示す図である。図2では、第1方向D1(図2中の左右方向)に並ぶ電解セル12のうち、最も一方側dlに配置された電解セル12(第1電解セル12a)に着目して示している。
【0026】
図2および図5に示すように、電解セルスタック10は、例えば、複数のセパレータ11と、複数の電解セル12と、電解液流路部FPと、第1流路部13と、第2流路部14と、第1構造15と、第2構造16とを有している。なお、電解セルスタック10が備える電解液流路部FP´、第1流路部13´、および第2流路部14´の構成については、図示の便宜上、図15および図16を用いて後述する。
【0027】
(セパレータ)
セパレータ11は、電解セル12が配置される内部空間Sを規定する部材である。内部空間Sは、後述する陰極室Saおよび陽極室Sbを含む空間である。セパレータ11は、例えば、第1方向D1から見て矩形の板状を成しており、金属部材などにより形成される。セパレータ11は、第1方向D1に互いに間隔をあけて並んでいる。各々のセパレータ11は、第1端部111(例えば下端部)と、第1端部111とは反対側に位置した第2端部112(例えば上端部)とを有する。各々のセパレータ11の第1端部111に近い部分には、第1方向D1に貫通した第1挿通孔11h1が形成されており、当該第1挿通孔11h1に後述する第1流路部13が挿通されている。各々のセパレータ11の第2端部112に近い部分には、第1方向D1に貫通した第2挿通孔11h2が形成されており、当該第2挿通孔11h2に後述する第2流路部14が挿通されている。
【0028】
複数のセパレータ11のうち最も他方側drに配置されたセパレータ11(第5セパレータ11e)を除くセパレータ11は、内部空間Sに一方側dlから面する第1内面110aを有する。すなわち、第1内面110aは、他方側dr(図2および図5中の右側)を向いている。複数のセパレータ11のうち最も一方側dlに配置されたセパレータ11(第1セパレータ11a)を除くセパレータ11は、内部空間Sに他方側drから面する第2内面110bを有する。すなわち、第2内面110bは、一方側dl(図2および図5中の左側)を向いている。
【0029】
複数(5つ)のセパレータ11のうち、第1セパレータ11a、第3セパレータ11c、および第5セパレータ11eには、例えば、後述する第1集電体41(図3参照)などを介して電源部30からマイナス電圧が印加される。一方、第2セパレータ11bおよび第4セパレータ11dには、例えば、後述する第2集電体42(図3参照)などを介して電源部30からプラス電圧が印加される。第1方向D1に隣り合う2つのセパレータ11は、一対のセパレータ11として電解セル12の電解槽を形成している。
【0030】
(電解セル)
電解セル(MEA:Membrane Electrode Assembly)12は、イオン交換膜、触媒、および給電体などが積層されて組み立てられた構造体である。電解セル12は、隣り合う2つのセパレータ11の間に1つずつ配置されて、隣り合う2つのセパレータ11を第1方向D1に互いに接続する。したがって、電解セル12は、隣り合う2つのセパレータ11の間の内部空間Sに位置している。電解セル12は、例えば、イオン交換膜120と、陰極121と、陽極122とを有している。
【0031】
(イオン交換膜)
イオン交換膜120は、イオンを選択透過させる膜である。イオン交換膜120は、例えば、固体高分子電解質膜である。イオン交換膜120は、例えば、水酸化物イオン伝導性のあるアニオン交換膜(AEM)である。ただし、イオン交換膜120は、上記例に限定されず、上記例とは異なるタイプのプロトン電導性のあるプロトン交換膜(PEM:Polymer Electrolyte Membrane)でもよい。
【0032】
イオン交換膜120は、例えば、矩形のシート状である。イオン交換膜120の外形サイズは、例えば第1方向D1に隣り合うセパレータ11の外形サイズよりも小さい。イオン交換膜120は、第1方向D1に隣り合う2つのセパレータ11の間に配置され、内部空間Sに位置する。イオン交換膜120は、当該イオン交換膜120よりも一方側dlに位置するセパレータ11の第1内面110aに対向する第1面120aと、第1面120aとは反対側に位置した第2面120bとを有する。イオン交換膜120の第1面120aは、一方側dlを向いている。イオン交換膜120の第2面120bは、他方側drを向いている。イオン交換膜120の第2面120bは、当該イオン交換膜120よりも他方側drに位置するセパレータ11の第2内面110bと対向する。
【0033】
内部空間Sで、イオン交換膜120の第1面120aとセパレータ11の第1内面110aとの間、およびイオン交換膜120の第2面120bとセパレータ11の第2内面110bとの間には、陰極室Saまたは陽極室Sbが規定されている。具体的には、第1電解セル12aのイオン交換膜120の第1面120aと第1セパレータ11aの第1内面110aとの間、および第3電解セル12cのイオン交換膜120の第1面120aと第3セパレータ11cの第1内面110aとの間には、陰極室Saが規定されている。一方、第1電解セル12aのイオン交換膜120の第2面120bと第2セパレータ11bの第2内面110bとの間、および第3電解セル12cのイオン交換膜120の第2面120bと第4セパレータ11dの第2内面110bとの間には、陽極室Sbが規定されている。
【0034】
また、第2電解セル12bのイオン交換膜120の第1面120aと第2セパレータ11bの第1内面110aとの間、および第4電解セル12dのイオン交換膜120の第1面120aと第4セパレータ11dの第1内面110aとの間には、陽極室Sbが規定されている。一方、第2電解セル12bのイオン交換膜120の第2面120bと第3セパレータ11cの第2内面110bとの間、および第4電解セル12dのイオン交換膜120の第2面120bと第5セパレータ11eの第2内面110bとの間には、陰極室Saが規定されている。
【0035】
陰極室Saでは、電解セル12に電圧が印加された場合に、下記(化1)に示す化学反応が生じ、電解液Esから水素が生成される。なお、本明細書中の「XXが生成される」とは、XXの生成に伴って他の物質が同時に生成される場合も含み得る。陰極室Saで生成された水酸化物イオンは、電解セル12を通過して陰極室Saから陽極室Sbに移動する。
2HO+2e→H+2OH …(化1)
【0036】
一方、陽極室Sbでは、電解セル12に電圧が印加された場合に、下記(化2)に示す化学反応が生じ、電解液Esから酸素が生成される。
2OH→1/2O+HO+2e …(化2)
【0037】
これにより、電解セル12の全体で見た場合は、下記(化3)に示す化学反応が生じる。
O→H+1/2O …(化3)
【0038】
イオン交換膜120は、イオン伝導率が高い膜の一例として、主鎖にポリスチレン系またはテトラフェニル系の組成を含み、側鎖にイミダゾリウム基または4級アンモニウム基を含んでよい。一方、これに代えて、イオン交換膜120は、耐酸化性が高い膜の一例として、ポリスルフォン系またはブロモブチルスチレン系の組成を含んでもよい。
【0039】
(陰極)
陰極121は、イオン交換膜120とセパレータ11との間に配置されており、イオン交換膜120およびセパレータ11に挟み込まれている。陰極121は、例えば、陰極触媒層121aと、陰極給電体121bとを有している。
【0040】
陰極触媒層121aは、上述した陰極室Saでの化学反応を促進する層である。陰極触媒層121aは、例えば、矩形のシート状を成している。陰極触媒層121aは、陰極室Saに配置され、イオン交換膜120に例えば面圧着して固定されている。
【0041】
具体的には、第1電解セル12aの陰極触媒層121aおよび第3電解セル12cの陰極触媒層121aは、イオン交換膜120の第1面120aに例えば面圧着して固定されている。第2電解セル12bの陰極触媒層121aおよび第4電解セル12dの陰極触媒層121aは、イオン交換膜120の第2面120bに例えば面圧着して固定されている。各々の陰極触媒層121aは、セパレータ11および陰極給電体121bを介して電源部30からマイナス電圧が印加される。
【0042】
陰極触媒層121aの材質としては、上述した陰極室Saでの化学反応を促進する材質であればよく、種々の材質が利用可能である。例えば、陰極触媒層121aは、ニッケル、ニッケル合金、セリウム酸化物、ランタン酸化物、または白金のうち1つ以上を含む。なお、本明細書中の「〇〇酸化物」は、〇〇および酸素以外の別材料を含み得る。なお、陰極触媒層121aは、上述した材料に加え、カーボンなど別材料を含んでもよい。陰極触媒層121aの外形サイズは、例えばイオン交換膜120の外形サイズよりも小さい。
【0043】
陰極給電体121bは、セパレータ11に印加された電圧を陰極触媒層121aに伝える電気接続部である。陰極給電体121bは、陰極室Saに配置されている。陰極給電体121bは、セパレータ11と陰極触媒層121aとの間に位置している。
【0044】
具体的には、第1電解セル12aの陰極給電体121bは第1セパレータ11aの第1内面110aおよび陰極触媒層121aのそれぞれに接合し、第3電解セル12cの陰極給電体121bは第3セパレータ11cの第1内面110aおよび陰極触媒層121aのそれぞれに接合している。第2電解セル12bの陰極給電体121bは第3セパレータ11cの第2内面110bおよび陰極触媒層121aのそれぞれに接合し、第4電解セル12dの陰極給電体121bは第5セパレータ11eの第2内面110bおよび陰極触媒層121aのそれぞれに接合している。
【0045】
陰極給電体121bは、内部を電解液Esとガスが通過可能な構造を有する。陰極給電体121bは、例えば、金属製のメッシュ構造体、焼結体、またはファイバーなどにより形成されている。本実施形態では、陰極給電体121bの外形サイズは、例えば陰極触媒層121aの外形サイズと同じである。
【0046】
(陽極)
陽極122は、イオン交換膜120とセパレータ11との間に配置されており、イオン交換膜120および第2セパレータ11bに挟み込まれている。陽極122は、例えば、陽極触媒層122aと、陽極給電体122bとを有している。
【0047】
陽極触媒層122aは、上述した陽極室Sbでの化学反応を促進する層である。陽極触媒層122aは、例えば、矩形のシート状を成している。陽極触媒層122aは、陽極室Sbに配置され、イオン交換膜120に例えば面圧着して固定されている。
【0048】
具体的には、第1電解セル12aの陽極触媒層122aおよび第3電解セル12cの陽極触媒層122aは、イオン交換膜120の第2面120bに例えば面圧着して固定されている。第2電解セル12bの陽極触媒層122aおよび第4電解セル12dの陽極触媒層122aは、イオン交換膜120の第1面120aに例えば面圧着して固定されている。各々の陽極触媒層122aは、セパレータ11および陽極給電体122bを介して電源部30からプラス電圧が印加される。
【0049】
陽極触媒層122aの材質としては、上述した陽極室Sbでの化学反応を促進する材質であればよく、種々の材質が利用可能である。例えば、陽極触媒層122aは、ニッケル、ニッケル合金、ニッケル酸化物、銅酸化物、イリジウム酸化物、ニオブ酸化物、鉛酸化物、またはビスマス酸化物のうち1つ以上を含む。上述したように、本明細書中の「XX酸化物」は、XXおよび酸素以外の別材料を含み得る。例えば、「ニッケル酸化物」は、ニッケルおよび酸素の他に、鉄やコバルトなどの別材料を含み得る。また、「銅酸化物」は、銅および酸素の他に、コバルトなどの別材料を含み得る。「イリジウム酸化物」は、イリジウムおよび酸素の他に、ルテニウムなどの別材料を含み得る。「鉛酸化物」は、鉛および酸素の他に、ルテニウムなどの別材料を含み得る。「ビスマス酸化物」は、ビスマスおよび酸素の他に、ルテニウムなどの別材料を含み得る。
【0050】
陽極給電体122bは、セパレータ11に印加された電圧を陽極触媒層122aに伝える電気接続部である。陽極給電体122bは、陽極室Sbに配置されている。陽極給電体122bは、セパレータ11と陽極触媒層122aとの間に位置している。
【0051】
具体的には、第1電解セル12aの陽極給電体122bは第2セパレータ11bの第2内面110bおよび陽極触媒層122aのそれぞれに接合し、第3電解セル12cの陽極給電体122bは第4セパレータ11dの第2内面110bおよび陽極触媒層122aのそれぞれに接合している。第2電解セル12bの陽極給電体122bは第2セパレータ11bの第1内面110aおよび陽極触媒層122aのそれぞれに接合し、第4電解セル12dの陽極給電体122bは第4セパレータ11dの第1内面110aおよび陽極触媒層122aのそれぞれに接合している。
【0052】
陽極給電体122bは、内部を電解液Esとガスが通過可能な構造を有する。陽極給電体122bは、例えば、金属製のメッシュ構造体、焼結体、またはファイバーなどにより形成される。本実施形態では、陽極給電体122bの外形サイズは、例えば陽極触媒層122aの外形サイズと同じである。
【0053】
図3は、電解セルスタック10の一部を示す分解斜視図である。電解セルスタック10は、上述した構成に加え、例えば、第1集電体41と、第2集電体42と、第1絶縁材43と、第2絶縁材44と、第1エンドプレート45と、第2エンドプレート46とを有している。なお図3では、後述する第1流路部13,13´および第2流路部14,14´の図示は省略している。
【0054】
(第1集電体)
第1集電体41は、電源部30から印加されるマイナス電圧を第1セパレータ11a、第3セパレータ11c、および第5セパレータ11eに伝える電気接続部である。すなわち、第1集電体41は、第1セパレータ11a、第3セパレータ11c、および第5セパレータ11eのそれぞれに電気的に接続されている(接続の詳細な図示は省略)。第1集電体41には、各々の電解セル12での電気分解に必要なマイナス電圧が電源部30から印加される。第1集電体41は、金属製の板部材(例えば銅板)などにより形成されている。
【0055】
(第2集電体)
第2集電体42は、電源部30から印加されるプラス電圧を第2セパレータ11bおよび第4セパレータ11dに伝える電気接続部である。すなわち、第2集電体42は、第2セパレータ11bおよび第4セパレータ11dのそれぞれに電気的に接続されている。第2集電体42には、各々の電解セル12での電気分解に必要なプラス電圧が電源部30から印加される。第2集電体42は、金属製の板部材(例えば銅板)などにより形成されている。
【0056】
(第1絶縁材)
第1絶縁材43は、第1集電体41と第1エンドプレート45との間に位置する。第1絶縁材43の外形サイズは、例えば、第1集電体41の外形サイズと同じ、または第1集電体41の外形サイズよりも大きい。
【0057】
(第2絶縁材)
第2絶縁材44は、第2集電体42と第2エンドプレート46との間に位置する。第2絶縁材44の外形サイズは、第2集電体42の外形サイズと同じ、または第2集電体42の外形サイズよりも大きい。
【0058】
(第1エンドプレート)
第1エンドプレート45は、第1絶縁材43に対して、第1集電体41とは反対側に位置する。第1エンドプレート45は、例えば、金属製の板部材(例えばステンレス板)などにより形成されている。第1エンドプレート45の外形サイズは、例えば、第1絶縁材43の外形サイズよりも大きい。
【0059】
(第2エンドプレート)
第2エンドプレート46は、第2絶縁材44に対して、第2集電体42とは反対側に位置する。第2エンドプレート46は、例えば、金属製の板部材(例えばステンレス板)などにより形成されている。第2エンドプレート46の外形サイズは、例えば、第2絶縁材44の外形サイズよりも大きい。
【0060】
さらに、図2に示すように、電解セルスタック10は、上述した構成に加え、例えば、第1絶縁体47と、第2絶縁体48と、支持部50と、封止部60とを有している。
【0061】
(第1絶縁体)
第1絶縁体47は、隣り合う2つのセパレータ11のうち一方側dlのセパレータ11の外周部と他方側drのセパレータ11の外周部との間を絶縁する。第1絶縁体47は、陰極触媒層121aおよび陽極触媒層122aの外形サイズ、ならびに陰極給電体121bおよび陽極給電体122bの外形サイズよりもひと回り大きな枠状を成したシート部材である。
【0062】
第1絶縁体47は、複数のセパレータ11のうち第5セパレータ11eを除く各セパレータ11の第1内面110aに取り付けられ、第1内面110aの端部を他方側drから覆っている。第1絶縁体47の材質は、絶縁材料であれば特に限定されず、例えばPTFE(polytetrafluoroethylene)などのシート状樹脂である。なお、第1絶縁体47におけるセパレータ11の第1端部111に近い部分には第1方向D1に貫通した孔47h1が形成されており、当該孔47h1には、後述の第1流路部13が挿通されている。第1絶縁体47におけるセパレータ11の第2端部112に近い部分には、第1方向D1に貫通した孔47h2が形成されており、当該孔47h2には、後述の第2流路部14が挿通されている。
【0063】
(第2絶縁体)
第2絶縁体48は、第1絶縁体47と同様に、隣り合う2つのセパレータ11のうち他方側drのセパレータ11の外周部と一方側dlのセパレータ11の外周部との間を絶縁する。第2絶縁体48は、陽極触媒層122aおよび陰極触媒層121aの外形サイズ、ならびに陽極給電体122bおよび陰極給電体121bの外形サイズよりもひと回り大きな枠状を成したシート部材である。
【0064】
第2絶縁体48は、複数のセパレータ11のうち第1セパレータ11aを除く各セパレータ11の第2内面110bに取り付けられ、第2内面110bの端部を一方側dlから覆っている。第2絶縁体48の材質は、絶縁材料であれば特に限定されず、例えばPTFEなどのシート状樹脂である。なお、第2絶縁体48におけるセパレータ11の第1端部111に近い部分には第1方向D1に貫通した孔48h1が形成されており、当該孔48h1には、後述の第1流路部13が挿通されている。第2絶縁体48におけるセパレータ11の第2端部112に近い部分には、第1方向D1に貫通した孔48h2が形成されており、当該孔48h2には、後述の第2流路部14が挿通されている。なお、第1絶縁体47および第2絶縁体48は、一体化された絶縁体でも利用可能である。
【0065】
(支持部)
支持部50は、隣り合う2つのセパレータ11の間で電解セル12を支持する部材である。支持部50は、隣り合う2つのセパレータ11の間に配置される。支持部50は、例えばイオン交換膜120の外縁部120eよりも内側(内周側)に位置し、イオン交換膜120を支持する。本明細書中の「外縁部120e」とは、電解セル12の厚さ方向(Z方向)とは直交する方向(例えばX方向またはY方向)で、電解セル12の中央部Cから離れた縁部を意味する。また、本明細書中の「内側」または「内周側」とは、電解セル12の中央部Cから見て内側(中央部Cに近い側)を意味する。本実施形態では、支持部50は、例えば、第1支持部51と、第2支持部52とを含む。
【0066】
(第1支持部)
第1支持部51は、イオン交換膜120よりも一方側dlに位置する支持部である。第1支持部51は、イオン交換膜120よりも一方側dlに位置するセパレータ11の第1内面110aとイオン交換膜120の第1面120aとの間に配置される。第1支持部51は、イオン交換膜120の外縁部120eよりも内側(内周側)に位置する。第1支持部51は、陰極121または陽極122よりも外側(外周側)の位置でセパレータ11の第1内面110a(または第1絶縁体47)とイオン交換膜120の第1面120aとの間に挟まれ、セパレータ11の第1内面110aに対してイオン交換膜120を支持する。第1支持部51は、イオン交換膜120の外縁部120eに沿う環状(例えば枠状)であって、イオン交換膜120の外縁部120eよりもひと回り小さな環状に形成されている。
【0067】
(第2支持部)
第2支持部52は、イオン交換膜120よりも他方側drに位置する支持部である。第2支持部52は、イオン交換膜120よりも他方側drに位置するセパレータ11の第2内面110bとイオン交換膜120の第2面120bとの間に配置される。第2支持部52は、イオン交換膜120の外縁部120eよりも内側(内周側)に位置する。第2支持部52は、陽極122または陰極121よりも外側(外周側)の位置でセパレータ11の第2内面110b(または第2絶縁体48)とイオン交換膜120の第2面120bの間に挟まれ、第2セパレータ11bの第2内面110bに対してイオン交換膜120を支持する。第2支持部52は、イオン交換膜120の外縁部120eに沿う環状(例えば枠状)であって、イオン交換膜120の外縁部120eよりもひと回り小さな環状に形成されている。
【0068】
(封止部)
封止部60は、隣り合う2つのセパレータ11の間の内部空間Sを閉じる部材である。封止部60は、隣り合う2つのセパレータ11の間に配置される。封止部60は、イオン交換膜120の外縁部120eよりも外側(外周側)に位置し、内部空間Sを封止する。
【0069】
本実施形態では、封止部60は、第1封止部61と、第2封止部62とを含む。なお、第1封止部61と第2封止部62とは、一体に形成されてもよい。すなわち、第1封止部61と第2封止部62とは、1つの部材であってもよい。また、封止部60は、上述した第1絶縁体47および第2絶縁体48のうち少なくとも一方と一体に形成されてもよい。
【0070】
(第1封止部)
第1封止部61は、隣り合う2つのセパレータ11のうち一方側dlのセパレータ11の近くに位置する封止部である。第1封止部61は、イオン交換膜120の外縁部120eよりも外側(外周側)に位置する。第1封止部61は、イオン交換膜120よりも一方側dlに位置するセパレータ11の第1内面110aと第2封止部62との間に挟まれ、内部空間Sの外周側の一部を封止する。本実施形態では、第1封止部61は、第1内面110aに取り付けられた第1絶縁体47と第2封止部62との間に挟まれている。第1封止部61は、イオン交換膜120の外縁部120eに沿う環状(例えば枠状)であって、イオン交換膜120の外縁部120eよりもひと回り大きな環状に形成されている。
【0071】
(第2封止部)
第2封止部62は、隣り合う2つのセパレータ11のうち他方側drのセパレータ11の近くに位置する封止部である。第2封止部62は、イオン交換膜120の外縁部120eよりも外側に位置する。第2封止部62は、イオン交換膜120よりも他方側drに位置するセパレータ11の第2内面110bと第1封止部61との間に挟まれ、内部空間Sの外周側の一部を封止する。本実施形態では、第2封止部62は、第2内面110bに取り付けられた第2絶縁体48と第1封止部61との間に挟まれている。第2封止部62は、イオン交換膜120の外縁部120eに沿う環状(例えば枠状)であって、イオン交換膜120の外縁部120eよりもひと回り大きな環状に形成されている。
【0072】
(電解液流路部)
次に、電解液流路部FP,FP´について説明する。図5に示すように、電解液流路部FP,FP´は、各々のセパレータ11に設けられている。本実施形態では、電解液流路部FPは、プラス電圧が印加される第2セパレータ11bおよび第4セパレータ11dに設けられており、電解液流路部FP´は、マイナス電圧が印加される第1セパレータ11a、第3セパレータ11c、および第5セパレータ11eに設けられている。図5に示すように、電解液流路部FPは、第1電解セル12aよりも他方側drに配置された第2セパレータ11bの第2内面110bから他方側drに凹むように形成されている。また、電解液流路部FPは、第2電解セル12bよりも一方側dlに配置された第2セパレータ11bの第1内面110aから一方側dlに凹むように形成されている。また、電解液流路部FPは、第3電解セル12cよりも他方側drに配置された第4セパレータ11dの第2内面110bから他方側drに凹むように形成されている。また、電解液流路部FPは、第4電解セル12dよりも一方側dlに配置された第4セパレータ11dの第1内面110aから一方側dlに凹むように形成されている。なお、電解液流路部FPは、各々のセパレータ11に形成されていなくてもよく、電解セルスタック10中で少なくとも2つ形成されていればよい。
図2および図4に示すように、本実施形態では、電解液流路部FPは、供給流路FP1と、溝流路FP2と、合流流路FP3とによって構成されている。
【0073】
供給流路FP1は、電解液流路部FPのなかで最も第1端部111側(下方側)に配置されている。図4に示すように、供給流路FP1は、セパレータ11の第2内面110bでY方向に延びている。言い換えれば、供給流路FP1は、セパレータ11の横幅方向に延びている。図2に示すように、本実施形態では、供給流路FP1は、陰極121および陽極122よりも外側(外周側)に位置している。供給流路FP1は、支持部50(第1支持部51および第2支持部52)と第1方向D1に重なっている。また、供給流路FP1は、後述する第1流路部13および第2流路部14よりも内側(内周側)に位置している。図2および図4に示すように、供給流路FP1は、第1挿通孔11h1の内面に開口する開口部を有している。供給流路FP1の開口部は、電解液流路部FPの流路入口FPiとされている。供給流路FP1には、液相状態の電解液Esが後述の第1流路部13から流入する。
【0074】
溝流路FP2は、セパレータ11の第2内面110bでX方向に延びている。言い換えれば、溝流路FP2は、セパレータ11の縦幅方向(鉛直方向)に延びている。本実施形態では、溝流路FP2は、供給流路FP1が延びる方向(Y方向)で等間隔に複数(例えば数十)配列されている。溝流路FP2の一端(下端)は、供給流路FP1に接続されており、溝流路FP2の他端(上端)は、合流流路FP3に接続されている。
【0075】
合流流路FP3は、電解液流路部FPのなかで最も第2端部112側(上方側)に配置されている。すなわち、合流流路FP3は、供給流路FP1よりも第2端部112側(上方側)に位置している。合流流路FP3は、セパレータ11の第2内面110bでY方向に延びている。言い換えれば、合流流路FP3は、セパレータ11の横幅方向に延びている。本実施形態では、合流流路FP3は、陰極121および陽極122よりも外側(外周側)に位置している。合流流路FP3は、支持部50(第1支持部51および第2支持部52)と第1方向D1に重なっている。また、合流流路FP3は、後述する第1流路部13および第2流路部14よりも内側(内周側)に位置している。合流流路FP3は、第2挿通孔11h2の内面に開口する開口部を有している。合流流路FP3の開口部は、電解液流路部FPの流路出口FPoとされている。電解液流路部FPを流れる電解液Esは、電解セル12の陽極122に接触する。
【0076】
(第1流路部)
第1流路部13は、各々のセパレータ11(本実施形態では、第2セパレータ11bおよび第4セパレータ11d)に形成された第1挿通孔11h1に挿通されている管部130である。第1流路部13は、支持部50(第1支持部51および第2支持部52)よりも外側(外周側)に位置している。本実施形態では、管部130は、第1方向D1に延びる円筒状を成している。管部130には、一方側dlから配管ラインL1が接続されている。したがって、配管ラインL1を流れる電解液Esは、一方側dlから管部130に流入し、管部130内を他方側drに向かって流れる。したがって、管部130内での電解液Esの流れ方向における上流側は第1方向D1における一方側dlとなり、管部130内での電解液Esの流れ方向における下流側は第1方向D1における他方側drとなる。管部130は、例えば、金属材料や合成樹脂材料などにより形成されている。管部130は、各々のセパレータ11に形成された電解液流路部FPの流路入口FPiに亘っている。ここでいう「流路入口FPiに亘って」とは、管部130の外周面が、第1挿通孔11h1の内面に開口する各々の流路入口FPiに近接(または接触)している状態を意味する。
【0077】
(第2流路部)
第2流路部14は、各々のセパレータ11(本実施形態では、第2セパレータ11bおよび第4セパレータ11d)に形成された第2挿通孔11h2に挿通されている管部140である。第2流路部14は、第1流路部13よりも第2端部112側(上方側)に位置している。第2流路部14は、支持部50(第1支持部51および第2支持部52)よりも外側(外周側)に位置している。管部140は、第1方向D1に延びる円筒状を成している。管部140には、一方側dlから配管ラインL2が接続されている。したがって、管部140内を流れる電解液Esは、一方側dlから配管ラインL2に流入し、配管ラインL2内を電解液供給部20に向かって流れる。したがって、管部140内での電解液Esの流れ方向における上流側は第1方向D1における他方側drとなり、管部140内での電解液Esの流れ方向における下流側は第1方向D1における一方側dlとなる。第2流路部14には、気液二相状態の電解液Esが電解液流路部FPから流入する。管部140は、例えば、金属材料や合成樹脂材料などにより形成されている。管部140は、各々のセパレータ11に形成された電解液流路部FPの流路出口FPoに亘っている。ここでいう「流路出口FPoに亘って」とは、管部140の外周面が、第2挿通孔11h2の内面に開口する各々の流路出口FPoに近接(または接触)している状態を意味する。
【0078】
(第1構造)
第1構造15は、管部130(第1流路部13)に形成された切り欠き部150である。切り欠き部150は、各々の電解液流路部FP内と管部130内とを連通させている。具体的には、切り欠き部150は、第1挿通孔11h1内で管部130内を開放しており、管部130内を他方側drに流れる電解液Esの一部を電解液流路部FPに導入可能にさせている。第1構造15は、構造部の一例である。
【0079】
図6に示すように、本実施形態では、切り欠き部150は、管部130の外周側から見た場合に、管部130の外周面に沿う三角形状を成している。ここでいう「切り欠き部150」は、管部130における切り欠かれた管壁部分のみを示すわけではなく、管部130が切り欠かれたことで欠損した領域をも含む。切り欠き部150における各々の電解液流路部FPの流路入口FPiと重なる部分は、電解液Esの流れ方向の下流側に向かうにしたがって大きくなっている。なお、ここでいう「流路入口FPiと重なる部分」は、切り欠き部150がX方向(鉛直方向)で流路入口FPiと重なっている部分を意味している。
【0080】
(第2構造)
第2構造16は、管部140(第2流路部14)に形成された切り欠き部160である。切り欠き部160は、各々の電解液流路部FP内と管部140内とを連通させている。具体的には、切り欠き部160は、第2挿通孔11h2内で管部140内を開放しており、電解液流路部FPの流路出口FPoから流出した電解液Esを管部140内に導入可能にさせている。管部140内に流入した電解液Esは、一方側dlに向かって流れる。第2構造16は、構造部の一例である。
【0081】
詳細な図示は省略するが、本実施形態では、切り欠き部160は、上述した管部130に形成された切り欠き部150と同様に、管部140の外周側から見た場合に、管部140の外周面に沿う三角形状を成している。ここでいう「切り欠き部160」は、管部140における切り欠かれた管壁部分のみを示すわけではなく、管部140が切り欠かれたことで欠損した領域をも含む。切り欠き部160における各々の電解液流路部FPの流路出口FPoと重なる部分は、電解液Esの流れ方向の下流側に向かうにしたがって大きくなっている。なお、ここでいう「流路出口FPoと重なる部分」は、切り欠き部160がX方向(鉛直方向)で流路出口FPoと重なっている部分を意味している。
【0082】
(作用・効果)
隣り合う2つのセパレータ11の間に配置された電解セル12は、セパレータ11に設けられた電解液流路部FPに電解液Esが供給された際、供給された電解液Esを電気分解する。電解液Esを電解液流路部FPに供給するための管部130の内部を第1方向D1に流れる電解液Esは、第1方向D1に並ぶ電解液流路部FPに順次に流入するため、流れ方向で圧力が変動することがある。具体的には、電解液Esの流れ方向における下流側に向かうにしたがって電解液Esの圧力は低下することがある。そのため、電解液Esが電解液流路部FPに流入する量が流れ方向の下流側に向かうにしたがって減少する。各々の電解セル12に均一に電解液Esが供給されないと、電解液Esの供給が少ない電解セル12では、電解により発生する熱が電解液Esにより除熱されなくなるため、電解セル12の温度が上昇し損傷に至る可能性がある。この対策の一つとして、管部130の径を大きくする、あるいは電解セル12同士の間の距離を縮めることで、電解液Esの圧力の変動を抑えることが考えられる。しかし、これらは、電解液Esの電気抵抗を小さくする作用があり、電解セル12間に流れる迷走電流が大きくなるという課題がある。
【0083】
上述した構成では、電解液Esを電解液流路部FPに供給する管部130(第1流路部13)に切り欠き部150(第1構造15)が形成されている。切り欠き部150における各々の電解液流路部FPの流路入口FPiと重なる部分は、電解液Esの流れ方向における下流側(第1方向D1における他方側dr)に向かうにしたがって大きくなっている。すなわち、電解液流路部FPの入口の流路断面積が電解液Esの流れ方向における下流側に向かうにしたがって増大している。これにより、流れ方向における上流側ほど、管部130内を流れる電解液Esの圧力が高いため、管部130を流れる電解液Esが電解液流路部FPに流入する際に電解液Esが電解液流路部FPの入口部分から受ける抵抗(反力)は大きい。つまり、流れ方向における上流側ほど、電解液Esが電解液流路部FPに流入しにくい。その結果、第1方向D1に並ぶ電解液流路部FPのそれぞれに流入する電解液Esの量を第1方向D1で均すことができる。つまり、管部130から各々のセパレータ11に設けられた電解液流路部FPに電解液Esが流れ込む際の圧力損失の大きさが、電解液流路部FP同士の間で均一化される。したがって、例えば、管部130の径を細くしても電解液Esが均一に供給される為、迷走電流の発生を抑制することができる。
【0084】
また、上述した構成によれば、管部130の外周側から見た場合に、切り欠き部150が管部130の外周面に沿う三角形状を成しているため、管部130に切り欠き部150を容易に形成することができる。また、管部140には、切り欠き部160(第2構造16)が形成されているため、上記の作用をより高精度に実現することができる。
【0085】
<第1実施形態の第1変形例>
次に、電解装置1の第1実施形態の第1変形例について図7を参照しながら説明する。以下に説明する第1変形例では、第1構造15が上記の第1実施形態で説明した第1構造15と異なっている。本変形例では、切り欠き部150a,150bは、管部130の外周面に沿って、当該管部130に2つ形成されている。2つの切り欠き部150a,150bは、隣り合って配置されている。図示省略するが、第2構造16についても同様の構成を採用してよい。
当該構成によっても、上述した第1実施形態の作用・効果を奏することができる。
【0086】
<第1実施形態の第2変形例>
次に、電解装置1の第1実施形態の第2変形例について図8を参照しながら説明する。以下に説明する第2変形例では、第1構造15が上記の第1実施形態で説明した第1構造15と異なっている。本変形例では、切り欠き部150cは、管部130の外周面に沿う台形状を成している。図示省略するが、第2構造16についても同様の構成を採用してよい。
当該構成によっても、上述した第1実施形態の作用・効果を奏することができる。
【0087】
<第1実施形態の第3変形例>
次に、電解装置1の第1実施形態の第3変形例について図9を参照しながら説明する。以下に説明する第3変形例では、第1構造15が上記の第1実施形態で説明した第1構造15と異なっている。また、本変形例では、上述した管部130に切り欠き部150(第1構造15)が形成されている構成に代えて、例えば、電解液流路部FPの数と同じ数の流出口13oが、管部130における流路入口FPiと重なる位置に形成されている。流出口13oは、第1挿通孔11h1内で管部130内を開放しており、管部130内を他方側drに流れる電解液Esの一部を電解液流路部FPに導入可能にさせている。
【0088】
第1構造15は、管部130(第1流路部13)内に設けられて、第1方向D1に並んだ複数のメッシュ部材151によって構成されている。本変形例における各々のメッシュ部材151は、管部130内で第1方向D1に延びるメッシュ管である。なお、メッシュ部材151は、メッシュ管に限定されることはなく、例えば、流出口13oおよび流路入口FPiに重なって管部130内に配置されたシート状の部材であってもよい。本変形例では、複数のメッシュ部材151は、第1方向D1で互いに接続されている。メッシュ部材151は、例えば金属材料や合成樹脂材料などにより形成されている。以下、説明の便宜上、複数のメッシュ部材151を一方側dlから順に「第1メッシュ部材151a」、「第2メッシュ部材151b」、「第3メッシュ部材151c」、「第4メッシュ部材151d」と称する場合がある。
【0089】
メッシュ部材151は、各々の流路入口FPiおよび流出口13oに重なるように1つずつ対応して配置されている。第1方向D1に隣り合う2つのメッシュ部材151のうち電解液Esの流れ方向における下流側(他方側dr)に配置されたメッシュ部材151の目は、隣り合う2つのメッシュ部材151のうち電解液Esの流れ方向における上流側(一方側dl)に配置されたメッシュ部材151の目よりも粗い。すなわち、第2メッシュ部材151bの目は、第1メッシュ部材151aの目よりも粗く、第3メッシュ部材151cの目は、第2メッシュ部材151bの目よりも粗く、第4メッシュ部材151dの目は、第3メッシュ部材151cの目よりも粗い。図示省略するが、第2構造16についても同様の構成を採用してよい。なおこの場合、上述した管部140に切り欠き部160(第2構造16)が形成されている構成に代えて、電解液流路部FPの数と同じ数の流出口14oが、管部140における流路出口FPoと重なる位置に形成される。なお、メッシュ部材151は、各々の流路入口FPiおよび流出口13oに重なるように1つずつ対応して配置されている構成に限定されることはなく、1つのメッシュ部材151が複数の流路入口FPiおよび流出口13oに対応して配置されていてもよい。
当該構成によっても、上述した第1実施形態の作用・効果を奏することができる。
【0090】
<電解装置の第2実施形態>
次に、本開示に係る電解装置1の第2実施形態について図10および図11を参照しながら説明する。なお、以下に説明する第2実施形態では、上記の第1実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。第2実施形態では、電解液流路部FPおよび第1構造15の構成が、上記の第1実施形態で説明した電解液流路部FPおよび第1構造15と異なっている。
【0091】
また、本実施形態では、上述した管部130に切り欠き部150(第1構造15)が形成されている構成に代えて、例えば、電解液流路部FPの数と同じ数の流出口13oが、管部130における流路入口FPiと重なる位置に形成されている。流出口13oは、第1挿通孔11h1内で管部130内を開放しており、管部130内を他方側drに流れる電解液Esの一部を電解液流路部FPに導入可能にさせている。また、上述した管部140に切り欠き部160(第2構造16)が形成されている構成に代えて、電解液流路部FPの数と同じ数の流出口14oが、管部140における流路出口FPoと重なる位置に形成されている。本実施形態では、電解セルスタック10は、第2構造16を備えていない。
【0092】
図10に示すように、電解液流路部FPは、電解セル12よりも他方側drに配置されたセパレータ11の第2内面110bから他方側drに凹むように形成されている。また、電解液流路部FPは、電解セル12よりも一方側dlに配置されたセパレータ11の第1内面110aから一方側dlに凹むように形成されている。電解液流路部FPは、第1挿通孔11h1の内面に開口する開口部を有している。当該開口部は、電解液流路部FPの流路入口FPiとされている。また、電解液流路部FPは、第2挿通孔11h2の内面に開口する開口部を有している。当該開口部は、電解液流路部FPの流路出口FPoとされている。図11に示すように、電解液流路部FPは、X方向およびY方向に沿った状態で他方側drに向かって凹む凹所である。
【0093】
図10および図11に示すように、第1構造15は、電解液流路部FP内に設けられた導電体メッシュ152である。導電体メッシュ152は、内部を電解液Esとガスが通過可能な構造を有する。導電体メッシュ152は、例えば金属材料などの導電体により形成されている。導電体メッシュ152は、例えばX方向およびY方向に沿う板状(またはシート状)を成している。本実施形態では、導電体メッシュ152は、電解液流路部FP内の空間の大部分(例えば半分以上)を占めている。導電体メッシュ152は、例えば、電解液流路部FPの流路入口FPiを閉塞するように配置されている。また、電解液流路部FP内では、例えば、電解液流路部FPの流路出口FPoと導電体メッシュ152との間に隙間S1が形成されている。導電体メッシュ152は、メッシュの一例である。
【0094】
(作用・効果)
上述した構成によれば、管部130(第1流路部13)を流れる電解液Esは、流路入口FPiを通じて導電体メッシュ152から抵抗(反力)を受けつつ、当該導電体メッシュ152の内部を通過し、流路出口FPoに到る。電解セル12で生じる圧力差が十分に大きいと、管部130および管部140で生じる圧力分布の影響が相対的に小さくなる。その結果、第1方向D1に並ぶ電解液流路部FPのそれぞれに流入する電解液Esの量を第1方向D1で均すことができる。このため、管部130および管部140の径を小さくすることができ、したがって、迷走電流の発生を抑制することができる。また、上述した構成によれば、電解液流路部FP内に導電体メッシュ152を配置するといった簡易な構成で上記の作用を実現することができる。
【0095】
<電解装置の第3実施形態>
次に、本開示に係る電解装置1の第3実施形態について図12および図13を参照しながら説明する。なお、以下に説明する第3実施形態では、上記の第1実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。第3実施形態では、第1構造15の構成が、上記の第1実施形態で説明した第1構造15と異なっている。
【0096】
また、本実施形態では、上述した管部130に切り欠き部150(第1構造15)が形成されている構成に代えて、例えば、電解液流路部FPの数と同じ数の流出口13oが、管部130における流路入口FPiと重なる位置に形成されている。流出口13oは、第1挿通孔11h1内で管部130内を開放しており、管部130内を他方側drに流れる電解液Esの一部を電解液流路部FPに導入可能にさせている。また、上述した管部140に切り欠き部160(第2構造16)が形成されている構成に代えて、電解液流路部FPの数と同じ数の流出口14oが、管部140における流路出口FPoと重なる位置に形成されている。すなわち、電解セルスタック10は、第2構造16を備えていない。
【0097】
第1構造15は、電解液流路部FP内に設けられた導電体メッシュ153である。具体的には、導電体メッシュ153は、電解液流路部FPの供給流路FP1内に配置されている。導電体メッシュ153は、内部を電解液Esとガスが通過可能な構造を有する。導電体メッシュ153は、例えば金属材料などにより形成されている。導電体メッシュ153は、例えばY方向およびZ方向に沿う板状(またはシート状)を成している。本実施形態では、導電体メッシュ153は、供給流路FP1内の空間の大部分を占めている。導電体メッシュ153は、例えば、電解液流路部FPの流路入口FPiを閉塞するように配置されている。導電体メッシュ153は、メッシュの一例である。
【0098】
(作用・効果)
上述した構成によれば、管部130(第1流路部13)を流れる電解液Esは、流路入口FPiを通じて導電体メッシュ153から抵抗(反力)を受けつつ、当該導電体メッシュ153の内部を通過し、供給流路FP1から溝流路FP2および合流流路FP3を経て流路出口FPoに到る。電解セル12で生じる圧力差が十分に大きいと、管部130および管部140で生じる圧力分布の影響が相対的に小さくなる。その結果、第1方向D1に並ぶ電解液流路部FPのそれぞれに流入する電解液Esの量を第1方向D1で均すことができる。このため、管部130および管部140の径を小さくすることができ、したがって、迷走電流の発生を抑制することができる。また、上述した構成によれば、導電体メッシュ153を電解液流路部FPの供給流路FP1内に配置することで、比較的狭隘な空間である溝流路FP2を形成することができる。
【0099】
<電解装置の第4実施形態>
次に、本開示に係る電解装置1の第4実施形態について図14を参照しながら説明する。なお、以下に説明する第4実施形態は、上記の第1実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。第4実施形態では、第1構造15の構成が、上記の第1実施形態で説明した第1構造15と異なっている。
【0100】
電解液流路部FPは、電解セル12よりも他方側drに配置されたセパレータ11の第2内面110bから他方側drに凹むように形成されている。また、電解液流路部FPは、電解セル12よりも一方側dlに配置されたセパレータ11の第1内面110aから一方側dlに凹むように形成されている。電解液流路部FPは、第1挿通孔11h1の内面に開口する開口部を有している。当該開口部は、電解液流路部FPの流路入口FPiとされている。また、電解液流路部FPは、第2挿通孔11h2の内面に開口する開口部を有している。当該開口部は、電解液流路部FPの流路出口FPoとされている。
【0101】
第1構造15は、管部130(第1流路部13)に形成された切り欠き部150と、電解液流路部FP内に設けられた導電体メッシュ152とを有している。切り欠き部150は、各々の電解液流路部FP内と管部130内とを連通させている。具体的には、切り欠き部150は、第1挿通孔11h1内で管部130内を開放しており、管部130内を他方側drに流れる電解液Esの一部を電解液流路部FPに導入可能にさせている。図6に示した構成と同様に、本実施形態では、切り欠き部150は、管部130の外周側から見た場合に、管部130の外周面に沿う三角形状を成している。切り欠き部150における各々の電解液流路部FPの流路入口FPiと重なる部分は、電解液Esの流れ方向の下流側に向かうにしたがって大きくなっている。導電体メッシュ152は、内部を電解液Esとガスが通過可能な構造を有する。導電体メッシュ152は、例えばX方向およびY方向に沿う板状(またはシート状)を成している。導電体メッシュ152は、電解液流路部FP内の空間の大部分(例えば半分以上)を占めている。導電体メッシュ152は、例えば、電解液流路部FPの流路入口FPiを閉塞するように配置されている。また、電解液流路部FP内では、電解液流路部FPの流路出口FPoと導電体メッシュ152との間に隙間S1が形成されている。
当該構成によれば、上述した第1実施形態および第2実施形態の作用・効果をより高精度に実現することができる。
【0102】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は各実施形態の構成に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
【0103】
上記の各実施形態では、電解液流路部FPを説明するに当たり、電解セル12よりも他方側drに配置されたセパレータ11の第2内面110bに形成されている構成を中心に説明したが、図15および図16に示すように、電解液流路部FP´は、第1セパレータ11aの第1内面110a、第3セパレータ11cの第1内面110aおよび第2内面110b、ならびに第5セパレータ11eの第2内面110bにも同様に形成されている(例えば図2図5図10図12中には二点鎖線および符号FP´を図示)。
【0104】
以下、セパレータ11に形成された電解液流路部FP´の構成について、第1セパレータ11aの第1内面110aに形成された電解液流路部FP´に着目して説明する。電解液流路部FP´は、第1電解セル12aよりも一方側dlに配置された第1セパレータ11aの第1内面110aから一方側dlに凹むように形成されている。電解液流路部FP´は、供給流路FP1´と、溝流路FP2´と、合流流路FP3´とによって構成されている。
【0105】
供給流路FP1´は、電解液流路部FP´のなかで最も第1端部111側(下方側)に配置されている。供給流路FP1´は、セパレータ11の第1内面110aでY方向(セパレータ11の横幅方向)に延びている。図15に示すように、本実施形態では、供給流路FP1´は、陰極121および陽極122よりも外側(外周側)に位置している。供給流路FP1´は、支持部50(第1支持部51および第2支持部52)と第1方向D1に重なっている。また、供給流路FP1´は、後述する第1流路部13´および第2流路部14´よりも内側(内周側)に位置している。図15および図16に示すように、供給流路FP1´は、第1挿通孔11h3の内面に開口する開口部を有している。当該第1挿通孔11h3は、各々のセパレータ11の第1端部111に近い部分で第1方向D1に貫通して形成されている。第1挿通孔11h3には、後述する第1流路部13´が挿通されている。第1挿通孔11h3は、例えば上記の第1挿通孔11h1とY方向に隣り合って配置されている(図16参照)。供給流路FP1´の開口部は、電解液流路部FP´の流路入口FPi´とされている。供給流路FP1´には、液相状態の電解液Esが後述の第1流路部13´から流入する。
【0106】
溝流路FP2´は、セパレータ11の第1内面110aでX方向(セパレータ11の縦幅方向、または鉛直方向)に延びている。溝流路FP2´は、供給流路FP1´が延びる方向(Y方向)で等間隔に複数(例えば数十)配列されている。溝流路FP2´の一端(下端)は、供給流路FP1´に接続されており、溝流路FP2´の他端(上端)は、合流流路FP3´に接続されている。
【0107】
合流流路FP3´は、電解液流路部FP´のなかで最も第2端部112側(上方側)に配置されている。すなわち、合流流路FP3´は、供給流路FP1´よりも第2端部112側(上方側)に位置している。合流流路FP3´は、セパレータ11の第2内面110bでY方向に延びている。本実施形態では、合流流路FP3´は、陰極121および陽極122よりも外側(外周側)に位置している。合流流路FP3´は、支持部50(第1支持部51および第2支持部52)と第1方向D1に重なっている。また、合流流路FP3´は、後述する第1流路部13´および第2流路部14´よりも内側(内周側)に位置している。合流流路FP3´は、第2挿通孔11h4の内面に開口する開口部を有している。当該第2挿通孔11h4は、各々のセパレータ11の第2端部112に近い部分で第1方向D1に貫通して形成されている。第2挿通孔11h4には、後述する第2流路部14´が挿通されている。第2挿通孔11h4は、例えば上記の第2挿通孔11h2とY方向に隣り合って配置されている(図16参照)。合流流路FP3´の開口部は、電解液流路部FP´の流路出口FPo´とされている。電解液流路部FP´を流れる電解液Esは、電解セル12の陰極121に接触する。
【0108】
第1流路部13´は、各々のセパレータ11(本例では、第1セパレータ11a、第3セパレータ11c、および第5セパレータ11e)に形成された第1挿通孔11h3に挿通されている管部130´である。管部130´は、第1方向D1に延びる円筒状を成している。管部130´には、一方側dlから配管ラインL1´が接続されている。したがって、配管ラインL1´を流れる電解液Esは、一方側dlから管部130´に流入し、管部130´内を他方側drに向かって流れる。管部130´は、例えば、金属材料や合成樹脂材料などにより形成されている。管部130´は、各々のセパレータ11に形成された電解液流路部FP´の流路入口FPi´に亘っている。
【0109】
第2流路部14´は、各々のセパレータ11(本例では、第1セパレータ11a、第3セパレータ11c、および第5セパレータ11e)に形成された第2挿通孔11h4に挿通されている管部140´である。管部140´は、第1方向D1に延びる円筒状を成している。管部140´には、一方側dlから配管ラインL2´が接続されている。管部140´は、例えば、金属材料や合成樹脂材料などにより形成されている。管部140´は、各々のセパレータ11に形成された電解液流路部FP´の流路出口FPo´に亘っている。第2流路部14´には、気液二相状態の電解液Esが電解液流路部FP´から流入する。
【0110】
第1構造15は、管部130´(第1流路部13´)に形成された切り欠き部150である。切り欠き部150は、各々の電解液流路部FP´内と管部130´内とを連通させている。具体的には、切り欠き部150は、第1挿通孔11h3内で管部130´内を開放しており、管部130´内を他方側drに流れる電解液Esの一部を電解液流路部FP´に導入可能にさせている。図6に示した構成と同様に、切り欠き部150は、管部130´の外周側から見た場合に、管部130´の外周面に沿う三角形状を成している。切り欠き部150における各々の電解液流路部FP´の流路入口FPi´と重なる部分は、電解液Esの流れ方向の下流側に向かうにしたがって大きくなっている。
【0111】
第2構造16は、管部140´(第2流路部14´)に形成された切り欠き部160である。切り欠き部160は、各々の電解液流路部FP´内と管部140´内とを連通させている。具体的には、切り欠き部160は、第2挿通孔11h4内で管部140´内を開放しており、電解液流路部FP´の流路出口FPo´から流出した電解液Esを管部140´内に導入可能にさせている。管部140´内に流入した電解液Esは、一方側dlに向かって流れる。詳細な図示は省略するが、本実施形態では、切り欠き部160は、上述した管部130´に形成された切り欠き部150と同様に、管部140´の外周側から見た場合に、管部140´の外周面に沿う三角形状を成している。切り欠き部160における各々の電解液流路部FP´の流路出口FPo´と重なる部分は、電解液Esの流れ方向の下流側に向かうにしたがって大きくなっている。
【0112】
なお、上記の第1実施形態から第4実施形態で説明した電解装置1の構成は、それぞれ独立した構成に留まることはない。各実施形態に記載の構成要素を適宜組み合わせて電解装置1を構成してもよい。
【0113】
<付記>
各実施形態に記載の電解装置1は、例えば以下のように把握される。
【0114】
(1)第1の態様に係る電解装置1は、電解セルスタック10と、前記電解セルスタック10に電解液Esを供給する電解液供給部20と、前記電解セルスタック10に電圧を印加する電源部30と、を備え、前記電解セルスタック10は、第1方向D1に互いに間隔をあけて並ぶ複数のセパレータ11と、隣り合う2つの前記セパレータ11の間に1つずつ配置された複数の電解セル12と、前記セパレータ11に設けられ、前記電解液Esが流通する電解液流路部FP,FP´と、前記電解液供給部20から供給された前記電解液Esを、前記電解液流路部FP,FP´に流す第1流路部13,13´と、前記第1流路部13,13´から前記電解液流路部FP,FP´に前記電解液Esが流れ込む際の圧力損失を、前記電解液流路部FP,FP´同士の間で均一化させる構造部と、を有する。
【0115】
これにより、例えば管部130,140の径を小さくしても、電解液流路部FP, FP′同士の間で電解液Esの流量が均一となり、迷走電流の発生を抑制することができる。
【0116】
(2)第2の態様に係る電解装置1は、(1)の電解装置1であって、前記第1流路部13,13´は、前記第1方向D1に延びる管部130,130´であり、前記構造部は、前記管部130,130´に形成されて、各々の前記電解液流路部FP,FP´内と前記管部130,130´内とを連通させる切り欠き部150,150a,150b,150cであり、前記切り欠き部150,150a,150b,150cにおける各々の前記電解液流路部FP,FP´の流路入口FPi,FPi´と重なる部分は、前記電解液Esの流れ方向の下流側に向かうにしたがって大きくなってもよい。
【0117】
これにより、電解液Esの流れ方向における上流側ほど、管部130,130´を流れる電解液Esが電解液流路部FPに流入する際に電解液Esが電解液流路部FP,FP´の入口部分から受ける抵抗(反力)は大きい。その結果、第1方向D1に並ぶ電解液流路部FP,FP´のそれぞれに流入する電解液Esの量を第1方向D1で均すことができる。つまり、管部130,130´から各々のセパレータ11に設けられた電解液流路部FP,FP´に電解液Esが流れ込む際の圧力損失の大きさが、電解液流路部FP,FP´同士の間で均一化される。
【0118】
(3)第3の態様に係る電解装置1は、(2)の電解装置1であって、前記切り欠き部150,150a,150bは、前記管部130,130´の外周側から見た場合に、前記管部130,130´の外周面に沿う三角形状を成していてもよい。
【0119】
これにより、管部130,130´に切り欠き部150,150a,150bを容易に形成することができる。
【0120】
(4)第4の態様に係る電解装置1は、(2)の電解装置1であって、前記切り欠き部150cは、前記管部130,130´の外周側から見た場合に、前記管部130,130´の外周面に沿う台形状を成していてもよい。
【0121】
これにより、管部130,130´に切り欠き部150cを容易に形成することができる。
【0122】
(5)第5の態様に係る電解装置1は、(2)の電解装置1であって、前記構造部は、前記管部130,130´内に設けられて、前記第1方向D1に並んだ複数のメッシュ部材151によって構成されており、隣り合う2つの前記メッシュ部材151のうち前記電解液Esの流れ方向における下流側に配置された前記メッシュ部材151の目は、前記隣り合う2つの前記メッシュ部材151のうち前記電解液Esの流れ方向における上流側に配置された前記メッシュ部材151の目よりも粗く、前記メッシュ部材151は、各々の前記流路入口FPi,FPi´に重なるように配置されていてもよい。
【0123】
これにより、例えば、管部130,130´内にメッシュ管を設けることで上記作用を得ることができる。したがって、例えば管部130,130´の設計変更の発生などを抑制することができる。
【0124】
(6)第6の態様に係る電解装置1は、(1)の電解装置1であって、前記構造部は、前記電解液流路部FP,FP´内に設けられたメッシュであってもよい。
【0125】
これにより、電解液Esの流れ方向における上流側ほど、管部130,130´内を流れる電解液Esの圧力が高いため、電解液Esが電解液流路部FPに流入する際に電解液Esがメッシュ(導電体メッシュ152,153)から受ける抵抗(反力)は大きく、管部130,140の圧力分布の影響が相対的に小さくなる。その結果、管部130,130´から各々のセパレータ11に設けられた電解液流路部FP,FP´に電解液Esが流れ込む際の流量が、電解液流路部FP,FP´同士の間で均一化される。また、電解液流路部FP,FP´内にメッシュ(導電体メッシュ152,153)を配置するといった簡易な構成で上記作用を得ることができる。
【0126】
(7)第7の態様に係る電解装置1は、(6)の電解装置1であって、前記メッシュは、導電体であってもよい。
【0127】
(8)第8の態様に係る電解装置1は、(6)の電解装置1であって、前記電解液流路部FP,FP´は、前記電解液Esが流れる複数の溝流路FP2,FP2´と、各々の前記溝流路FP2,FP2´に前記電解液Esを供給する供給流路FP1,FP1´と、を有し、前記メッシュは、前記供給流路FP1,FP1´内に設けられていてもよい。
【0128】
これにより、メッシュ(導電体メッシュ153)を電解液流路部FP,FP´の供給流路FP1,FP1´内に配置することで、溝流路FP2,FP2´を形成することができる。
【0129】
(9)第9の態様に係る電解装置1は、(1)の電解装置1であって、前記第1流路部13,13´は、前記第1方向D1に延びる管部130,130´であり、前記構造部は、前記管部130,130´に形成されて、各々の前記電解液流路部FP,FP´内と前記管部130,130´内とを連通させる切り欠き部150,150a,150b,150cと、前記電解液流路部FP,FP´内に設けられた導電体メッシュ152,153と、を有し、前記切り欠き部150,150a,150b,150cにおける各々の前記電解液流路部FP,FP´の流路入口FPi,FPi´と重なる部分(貫通部分)は、前記電解液Esの流れ方向の下流側に向かうにしたがって大きくなってもよい。
【0130】
これにより、上記作用をより高精度に実現することができる。
【符号の説明】
【0131】
1…電解装置 10…電解セルスタック 11…セパレータ 11a…第1セパレータ 11b…第2セパレータ 11c…第3セパレータ 11d…第4セパレータ 11e…第5セパレータ 11h1,11h3…第1挿通孔 11h2,11h4…第2挿通孔 12…電解セル 12a…第1電解セル 12b…第2電解セル 12c…第3電解セル 12d…第4電解セル 13,13´…第1流路部 13o,13o´,14o,14o´…流出口 14,14´…第2流路部 15…第1構造 16…第2構造 20…第1電解液供給部 21…水素気液分離装置 22…第1ポンプ 23…水素回収部 24…第1電解液供給部 26…酸素気液分離装置 27…第2ポンプ 28…酸素回収部 29…第2電解液供給部 30…電源部 41…第1集電体 42…第2集電体 43…第1絶縁材 44…第2絶縁材 45…第1エンドプレート 46…第2エンドプレート 47…第1絶縁体 47h1,47h2,48h1,48h2…孔 48…第2絶縁体 50…支持部 51…第1支持部 52…第2支持部 60…封止部 61…第1封止部 62…第2封止部 110a…第1内面 110b…第2内面 111…第1端部 112…第2端部 120…イオン交換膜 120a…第1面 120b…第2面 120e…外縁部 121…陰極 121a…陰極触媒層 121b…陰極給電体 122…陽極 122a…陽極触媒層 122b…陽極給電体 130,130´,140,140´…管部 150,150a,150b,150c,160…切り欠き部 151…メッシュ部材 151a…第1メッシュ部材 151b…第2メッシュ部材 151c…第3メッシュ部材 151d…第4メッシュ部材 152,153…導電体メッシュ C…中央部 D1…第1方向 dl…一方側 dr…他方側 Es…電解液 FP,FP´…電解液流路部 FPi,FPi´…流路入口 FPo,FPo´…流路出口 FP1,FP1´…供給流路 FP2,FP2´…溝流路 FP3,FP3´…合流流路 L1,L1´,L2,L2´…配管ライン S…内部空間 S1…隙間 Sa…陰極室 Sb…陽極室
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