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  • 特開-壁紙 図1
  • 特開-壁紙 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106601
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】壁紙
(51)【国際特許分類】
   B32B 21/06 20060101AFI20240801BHJP
   D06N 7/00 20060101ALI20240801BHJP
   E04F 13/07 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
B32B21/06
D06N7/00
E04F13/07 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010956
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】595005743
【氏名又は名称】エリモ工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】509160247
【氏名又は名称】株式会社谷口
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】中村 由之
(72)【発明者】
【氏名】谷口 正晴
【テーマコード(参考)】
4F055
4F100
【Fターム(参考)】
4F055AA17
4F055BA10
4F055BA11
4F055CA11
4F055DA09
4F055DA12
4F055EA02
4F055EA26
4F055GA32
4F100AJ04A
4F100AP01B
4F100AT00A
4F100BA02
4F100CA08A
4F100CB00
4F100DG10A
4F100EC18
4F100GB08
4F100YY00A
4F100YY00B
(57)【要約】
【課題】 耐火性に配慮しながら、天然木の香りや質感を活かした壁紙を提供する。
【解決手段】 壁紙は、シート状部材と、前記シート状部材に担持された難燃剤と、前記シート状部材の一方の面に張り付けられた木質シートとを有する。難燃剤をシート状部材に担持させることにより、木質シートの香りや質感を活かしつつ、壁紙に耐火性を持たせることができる。好適には、前記木質シートは、無垢材から切り出された厚さ0.10mm~0.18mmの天然木材シートであり、前記シート状部材は、古紙由来のセルロースを55%以上含む紙である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状部材と、
前記シート状部材に担持された難燃剤と、
前記シート状部材の一方の面に張り付けられた木質シートと
を有する壁紙。
【請求項2】
前記木質シートは、無垢材から切り出された厚さ0.10mm~0.18mmの天然木材シートであり、
前記シート状部材は、古紙由来のセルロースを55%以上含む紙である
請求項1に記載の壁紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁紙に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、不燃性を備え且つ意匠性が高い非塩ビ製の木目意匠壁紙が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-202661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、耐火性に配慮しながら、天然木の香りや質感を活かした壁紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る壁紙は、シート状部材と、前記シート状部材に担持された難燃剤と、前記シート状部材の一方の面に張り付けられた木質シートとを有する。難燃剤をシート状部材に担持させることにより、木質シートの香りや質感を活かしつつ、壁紙に耐火性を持たせることができる。
【0006】
好適には、前記木質シートは、無垢材から切り出された厚さ0.10mm~0.18mmの天然木材シートであり、前記シート状部材は、古紙由来のセルロースを55%以上含む紙である。木質シートの厚みは、防火性能に影響を与えると共に、壁紙施工時のハンドリング性や施工後の安定性にも影響するところ、天然木材シートである場合に厚さ0.10mm~0.18mmが好適である。より好ましくは、木質シートの厚さは0.10mm~0.14mmである。また、古紙由来のセルロースを55%以上(より好ましくは60%以上)含む裏打ち紙を採用することにより、湿気の影響を受けにくくすることが期待できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耐火性に配慮しながら、天然木の香りや質感を活かした壁紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】壁紙1の断面を例示する図である。
図2】壁紙1の表面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、壁紙1の断面を例示する図である。
図1に例示するように、壁紙1は、木質シート10と、裏打ちシート20とを有する。なお、木質シート10と裏打ちシート20との間は、接着剤により接着されている。接着剤は、特に限定するものではない。
本例では、裏打ちシート20のみに、難燃剤が担持されており、木質シート10には難燃剤が含まれていない。
【0010】
木質シート10は、天然木を薄くスライスしてシート状に切り出したシート材である。木質シート10に用いる木材として、例えば、黒柿、黒丹、桐、カバ、ナラ、ケヤキ、桜、松、杉等である。また、木質シート10の厚さは、壁紙1全体の難燃性が担保され、かつ、壁紙としての安定性やハンドリング性が確保できる観点から0.10mm以上0.18mm以下の範囲である。より好ましくは、木質シート10の厚さは、0.10mm以上0.14mmである。例えば、木質シート10の厚みが厚くなると、燃焼してしまい防火性能が達成できなくなる可能性がある。
また、木質シート10は、既知の方法により柔軟加工を施したものであってもよい。例えば、木質シート10を柔軟加工するには、高分子化合物を木質シート10の導管に含浸させてもよい。これにより、木質シート10は、布のような柔軟性を獲得することができる。さらに、木質シート10は、含浸させる高分子化合物により、防水性と耐腐食性を高めることができる。
【0011】
裏打ちシート20は、本発明に係るシート状部材の一例であり、一定の柔軟性を有し、かつ、難燃剤を担持できるシート状の部材である。本例の裏打ちシート20は、古紙由来のセルロースを55%以上含むセルロース100%の紙である。古紙由来のセルロースを55%以上(より好ましくは60%以上)含む裏打ち紙を採用することにより、壁紙1に対する湿気の影響を受けにくくすることが期待できる。
【0012】
図2は、壁紙1の表面を例示する図である。
図2に例示するように、壁紙1の表面には、木質シート10のみが露出している。木質シート10は、天然木を薄くスライスしたものであるから、木目が現れて木の質感を視認できるとともに、木の香りを発する。
【0013】
以上説明したように、本実施形態における壁紙1によれば、裏打ちシート20のみに難燃剤を担持させて、壁紙1全体の難燃性を実現しつつ、天然木の質感や香りを発することができる。
また、本例の壁紙1は、主に天然物である木やセルロースにより構成されているため、燃焼時に有害な煙やガスの発生を抑えることができる。
【符号の説明】
【0014】
1…壁紙
10…木質シート
20…裏打ちシート
図1
図2