(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106610
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】ゲートブレーク装置、樹脂成形システム及び不要樹脂除去方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/56 20060101AFI20240801BHJP
B29C 37/02 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
H01L21/56 T
B29C37/02
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010968
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000146179
【氏名又は名称】エムテックスマツムラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 洋和
【テーマコード(参考)】
4F201
5F061
【Fターム(参考)】
4F201AH33
4F201AJ08
4F201BA08
4F201BC02
4F201BC27
4F201BD04
4F201BS05
5F061AA01
5F061CA21
5F061EA13
(57)【要約】
【課題】弾性を有する不要樹脂に対しても確実に除去することが可能なゲートブレーク装置、樹脂成形システム及び不要樹脂除去方法を提供する。
【解決手段】ゲートブレーク装置は、長手方向に沿って複数の電子部品が配された長尺状の電子部品基板と、電子部品基板の各電子部品をモールドするモールド部と、各モールド部に一体成形された不要樹脂と、を備え、不要樹脂が長手方向と交差する短手方向に向かって形成された樹脂成形体から、不要樹脂を除去するゲートブレーク装置であって、不要樹脂の被切断部分を切断する第1切断ユニットと、被切断部分が切断された不要樹脂の残存部分を切断する第2切断ユニットと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って複数の電子部品が配された長尺状の電子部品基板と、前記電子部品基板の各電子部品をモールドするモールド部と、各モールド部に一体成形された不要樹脂と、を備え、前記不要樹脂が前記長手方向と交差する短手方向に向かって形成された樹脂成形体から、前記不要樹脂を除去するゲートブレーク装置であって、
前記不要樹脂の被切断部分を切断する第1切断ユニットと、
前記被切断部分が切断された前記不要樹脂の残存部分を切断する第2切断ユニットと、を備えた
ことを特徴とするゲートブレーク装置。
【請求項2】
前記第1切断ユニットは、前記長手方向及び前記短手方向と交差する方向に移動可能に構成され、
前記第2切断ユニットは、前記長手方向に沿って移動可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のゲートブレーク装置。
【請求項3】
前記第1切断ユニットは、前記被切断部分を切断する切断刃と、前記切断刃よりも前記モールド部に近い位置の前記不要樹脂に前記長手方向と平行な切れ込みを形成する形成刃と、を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲートブレーク装置。
【請求項4】
前記第2切断ユニットは、前記不要樹脂の残存部分のうち、前記被切断部分の切断端から前記短手方向の所定位置までの第1部分を切断する第1刃具と、前記所定位置から該所定位置よりも前記モールド部に近い位置までの第2部分を切断する第2刃具と、を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲートブレーク装置。
【請求項5】
前記第1刃具は、前記第2刃具よりも先に前記不要樹脂の残存部分に刃先が到達するよう配置され、前記第1刃具及び前記第2刃具は前記長手方向に沿って同時に移動する
ことを特徴とする請求項4に記載のゲートブレーク装置。
【請求項6】
前記電子部品基板は、前記短手方向に沿って一対並設されており、
前記不要樹脂は、各電子部品基板の前記短手方向の間を繋ぐ状態で形成されており、
前記第1切断ユニットは、前記短手方向に亘る前記不要樹脂の前記被切断部分を切断する一対の切断刃と、各切断刃よりもそれぞれ前記モールド部に近い位置の前記不要樹脂に前記長手方向と平行な切れ込みをそれぞれ形成する一対の形成刃と、を有する
請求項1又は2に記載のゲートブレーク装置。
【請求項7】
前記一対の切断刃は、前記短手方向に撓む弾性を有する
ことを特徴とする請求項6に記載のゲートブレーク装置。
【請求項8】
前記第2切断ユニットは、前記第1切断ユニットにより前記不要樹脂の前記被切断部分が切断された各電子部品基板における前記不要樹脂の残存部分のうち、電子部品基板毎に前記被切断部分の切断端から前記短手方向の所定位置までの第1部分を切断する第1刃具と、前記所定位置から該所定位置よりも前記モールド部に近い位置までの第2部分を前記切れ込みに沿って切断する第2刃具と、を有する
ことを特徴とする請求項6に記載のゲートブレーク装置。
【請求項9】
前記不要樹脂は、弾性を有する熱硬化性樹脂からなる
ことを特徴とする請求項8に記載のゲートブレーク装置。
【請求項10】
長手方向に沿って複数の電子部品が配された長尺状の電子部品基板と、前記電子部品基板の各電子部品をモールドするモールド部と、各モールド部に一体成形された不要樹脂と、を備え、前記不要樹脂が前記長手方向と交差する短手方向に向かって形成された樹脂成形体を成形する樹脂成形装置と、
前記樹脂成形体から前記不要樹脂を除去するゲートブレーク装置と
を備え、
前記ゲートブレーク装置は、
前記不要樹脂の被切断部分を切断する第1切断ユニットと、
前記被切断部分が切断された前記不要樹脂の残存部分を切断する第2切断ユニットと、を備えた
ことを特徴とする樹脂成形システム。
【請求項11】
長手方向に沿って複数の電子部品が配された長尺状の電子部品基板と、前記電子部品基板の各電子部品をモールドするモールド部と、各モールド部に一体成形された不要樹脂と、を備え、前記不要樹脂が前記長手方向と交差する短手方向に向かって形成された樹脂成形体から、ゲートブレーク装置によって前記不要樹脂を除去する不要樹脂除去方法であって、
前記ゲートブレーク装置の第1切断ユニットによって、前記不要樹脂の被切断部分を切断する第1切断工程と、
前記ゲートブレーク装置の第2切断ユニットによって、前記被切断部分が切断された前記不要樹脂の残存部分を切断する第2切断工程と、を含む
ことを特徴とする不要樹脂除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲートブレーク装置、樹脂成形システム及び不要樹脂除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、リードフレームや配線基板等の電子部品基板に半導体チップ等の電子部品を実装させた後、この電子部品の周囲をトランスファ成形によって絶縁体の樹脂材料(モールド材料)でモールド(封止)することにより、樹脂封止型の半導体装置(樹脂成形品)を製造することが知られている。
【0003】
なお、トランスファ成形は、電子部品が実装された電子部品基板を成形用金型で挟み込んだ状態で、溶融したモールド材料をプランジャ等を用いて成形用金型のカル→ランナ→ゲート→キャビティの順で加圧移動させることで、キャビティ内にある電子部品をモールドする成形方法である。
【0004】
このようなトランスファ成形では、キャビティ内で硬化したモールド部分(以下、「モールド部」という。)だけでなく、成形用金型のカル、ランナ及びゲートで硬化した部分(以下、それぞれ「カル部」、「ランナ部」及び「ゲート部」といい、これらをまとめて「不要樹脂」という。)も電子部品基板に付着する。
【0005】
このため、電子部品をモールドした後に、不要樹脂を電子部品基板から除去する工程(ゲートブレーク)が行われる。このような不要樹脂の除去では、通常、電子部品基板を支持した状態において不要樹脂のカル部を押圧し、ゲート部を中心としてランナ部及びカル部を回動させることで、相対的に強度の弱いゲート部を破断させることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、不要樹脂の除去としては、例えば、電子部品基板を成形用金型の上型に保持した状態で下型と上型の間にブラシを回転させながら進入させることで、樹脂ばりを剥離させて封止樹脂から切り離すことも行われている(例えば、特許文献2参照)。更に、角柱からなるばり取り用チップの稜部をリードフレームの側面に接触させて移動させることで、側面に付着した樹脂ばりを削ぎ落とすことも行われている(例えば、特許文献3参照)。その他、不要樹脂の除去としては、パンチによる打ち抜きせん断、レーザ焼結による剥離、回転砥石による研削なども行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平07-241888号公報
【特許文献2】特開2005-347596号公報
【特許文献3】特開平07-211736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1~3に開示された従来技術の不要樹脂の除去方法では、電子部品基板から不要樹脂を破断、削り取り、削ぎ落とし、せん断、及び焼結剥離等の手法により除去するため、完全に硬化した不要樹脂に対しては有効であるが、例えば、弾性を有する不要樹脂に対しては、適用される手法により樹脂残りや除去不良が発生してしまうおそれがあるという問題がある。このような樹脂残りや除去不良は製品不良の原因となるため、弾性を有する不要樹脂に対しても確実に除去することが可能なゲートブレーク装置が望まれている。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、弾性を有する不要樹脂に対しても確実に除去することが可能なゲートブレーク装置、樹脂成形システム及び不要樹脂除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明に係るゲートブレーク装置は、長手方向に沿って複数の電子部品が配された長尺状の電子部品基板と、前記電子部品基板の各電子部品をモールドするモールド部と、各モールド部に一体成形された不要樹脂と、を備え、前記不要樹脂が前記長手方向と交差する短手方向に向かって形成された樹脂成形体から、前記不要樹脂を除去するゲートブレーク装置であって、前記不要樹脂の被切断部分を切断する第1切断ユニットと、前記被切断部分が切断された前記不要樹脂の残存部分を切断する第2切断ユニットと、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の一実施形態に係るゲートブレーク装置において、前記第1切断ユニットは、前記長手方向及び前記短手方向と交差する方向に移動可能に構成され、前記第2切断ユニットは、前記長手方向に沿って移動可能に構成されていることが好ましい。
【0012】
本発明の他の実施形態に係るゲートブレーク装置において、前記第1切断ユニットは、前記被切断部分を切断する切断刃と、前記切断刃よりも前記モールド部に近い位置の前記不要樹脂に前記長手方向と平行な切れ込みを形成する形成刃と、を有する構成としても良い。
【0013】
本発明の更に他の実施形態に係るゲートブレーク装置において、前記第2切断ユニットは、前記不要樹脂の残存部分のうち、前記被切断部分の切断端から前記短手方向の所定位置までの第1部分を切断する第1刃具と、前記所定位置から該所定位置よりも前記モールド部に近い位置までの第2部分を切断する第2刃具と、を有する構成としても良い。
【0014】
この場合において、前記第1刃具は、前記第2刃具よりも先に前記不要樹脂の残存部分に刃先が到達するよう配置され、前記第1刃具及び前記第2刃具は前記長手方向に沿って同時に移動するよう構成されていても良い。
【0015】
本発明の更に他の実施形態に係るゲートブレーク装置において、前記電子部品基板は、前記短手方向に沿って一対並設されており、前記不要樹脂は、各電子部品基板の前記短手方向の間を繋ぐ状態で形成されており、前記第1切断ユニットは、前記短手方向に亘る前記不要樹脂の前記被切断部分を切断する一対の切断刃と、各切断刃よりもそれぞれ前記モールド部に近い位置の前記不要樹脂に前記長手方向と平行な切れ込みをそれぞれ形成する一対の形成刃と、を有するよう構成されていても良い。
【0016】
なお、この場合のゲートブレーク装置において、前記一対の切断刃は、前記短手方向に撓む弾性を有することが好ましい。
【0017】
また、本発明の更に他の実施形態に係るゲートブレーク装置において、前記第2切断ユニットは、前記第1切断ユニットにより前記不要樹脂の前記被切断部分が切断された各電子部品基板における前記不要樹脂の残存部分のうち、電子部品基板毎に前記被切断部分の切断端から前記短手方向の所定位置までの第1部分を切断する第1刃具と、前記所定位置から該所定位置よりも前記モールド部に近い位置までの第2部分を前記切れ込みに沿って切断する第2刃具と、を有するよう構成されていても良い。
【0018】
なお、この場合のゲートブレーク装置において、前記不要樹脂は、弾性を有する熱硬化性樹脂からなることが好ましい。
【0019】
本発明に係る樹脂成形システムは、長手方向に沿って複数の電子部品が配された長尺状の電子部品基板と、前記電子部品基板の各電子部品をモールドするモールド部と、各モールド部に一体成形された不要樹脂と、を備え、前記不要樹脂が前記長手方向と交差する短手方向に向かって形成された樹脂成形体を成形する樹脂成形装置と、上述したゲートブレーク装置と、を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る不要樹脂除去方法は、長手方向に沿って複数の電子部品が配された長尺状の電子部品基板と、前記電子部品基板の各電子部品をモールドするモールド部と、各モールド部に一体成形された不要樹脂と、を備え、前記不要樹脂が前記長手方向と交差する短手方向に向かって形成された樹脂成形体から、ゲートブレーク装置によって前記不要樹脂を除去する不要樹脂除去方法であって、前記ゲートブレーク装置の第1切断ユニットによって、前記不要樹脂の被切断部分を切断する第1切断工程と、前記ゲートブレーク装置の第2切断ユニットによって、前記被切断部分が切断された前記不要樹脂の残存部分を切断する第2切断工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、弾性を有する不要樹脂に対しても確実に除去することが可能なゲートブレーク装置、樹脂成形システム及び不要樹脂除去方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る樹脂成形システムにおける各構成要素の配置を平面方向から見た状態を概略的に示す図である。
【
図2】本実施形態に係る樹脂成形装置を概略的に示す正面図である。
【
図3】樹脂成形体の一例を概略的に示す平面図である。
【
図4】本実施形態に係るゲートブレーク装置の第1切断ユニットを一部を省略して概略的に示す外観斜視図である。
【
図5】
図5(a)は、第1切断ユニットにより不要樹脂が切断された状態を概略的に示す側面図であり、
図5(b)は、不要樹脂が切断された樹脂成形体を概略的に示す側面図である。
【
図6】不要樹脂の廃棄手順の一例を概略的に示す側面図である。
【
図7】不要樹脂の廃棄手順の一例を概略的に示す側面図である。
【
図8】不要樹脂の廃棄手順の一例を概略的に示す側面図である。
【
図9】本実施形態に係るゲートブレーク装置の第2切断ユニットを一部を省略して概略的に示す外観斜視図である。
【
図10】
図9の第2切断ユニットから更に一部を省略して概略的に示す外観斜視図である。
【
図11】第2切断ユニットの一部を概略的に示す側面図である。
【
図12】第2切断ユニットの一部を概略的に示す上面図である。
【
図13】第2切断ユニットによる不要樹脂の切断手順を概略的に説明するための平面図である。
【
図14】第2切断ユニットによる不要樹脂の切断手順を概略的に説明するための平面図である。
【
図15】第2切断ユニットの第3刃具を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係るゲートブレーク装置、樹脂成形システム及び不要樹脂除去方法を詳細に説明する。ただし、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、以下の実施形態において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、実施形態においては、各構成要素の配置、縮尺及び寸法等が誇張或いは矮小化されて、実際のものとは一致しない状態で示されている場合、並びに一部の構成要素につき記載が省略されて示されている場合がある。
【0024】
[樹脂封止システム100] まず、本実施形態に係る樹脂封止システム100について、主に
図1を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂成形システムにおける各構成要素の配置を平面方向から見た状態を概略的に示す図である。
図2は、本実施形態に係る樹脂成形装置を概略的に示す正面図である。
図3は、樹脂成形体の一例を概略的に示す平面図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る樹脂封止システム100は、プレスユニット2と、ローダーユニット4と、アンローダーユニット6と、を備えている。プレスユニット2は、半導体チップ等の電子部品を保持するリードフレームWに対して樹脂封止成形を行う。ローダーユニット4は、プレスユニット2に対してリードフレームW及び図示しない樹脂タブレットを供給する。アンローダーユニット6は、プレスユニット2から樹脂封止後の樹脂成形体Pを回収して後処理を行う。
【0026】
なお、
図1において、例えば、破線で示した矩形状の部材は、リードフレームWを示している。また、以下の説明では、1つのリードフレームWに4つの電子部品が配され、1回の成形サイクルにおいて4つのリードフレームWに対する樹脂封止成形をまとめて実行する態様、すなわち、計16個の電子部品に対する樹脂封止を1回の成形サイクルで行う態様を例に挙げて説明する。
【0027】
プレスユニット2は、樹脂封止装置(樹脂成形装置)1を備えている。樹脂封止装置1は、ローダーユニット4とアンローダーユニット6との間に配置されている。樹脂封止装置1は、ローダーユニット4から搬入されたリードフレームWの電子部品をトランスファ成形により樹脂封止する。
【0028】
図2に示すように、樹脂封止装置1は、下プラテン11と、タイバー12と、上プラテン13と、移動プラテン14と、昇降型締機構15と、トランスファ機構16と、樹脂成形金型17と、を備えている。下プラテン11は、床面上に載置された矩形板状の部材からなる。
【0029】
タイバー12は、例えば、下プラテン11の四隅から上方に向けて延びるよう4本設けられている。上プラテン13は、これら4本のタイバー12の上端部に四隅が連結された矩形板状の部材からなる。移動プラテン14は、4本のタイバー12が四隅を貫通し、下プラテン11及び上プラテン13の間においてタイバー12に沿って昇降可能に設けられた矩形板状の部材である。
【0030】
昇降型締機構15は、下プラテン11と移動プラテン14との間に設けられ、移動プラテン14を昇降させる。トランスファ機構16は、移動プラテン14の上面に設けられている。樹脂成形金型17は、上プラテン13とトランスファ機構16との間に設けられている。
【0031】
トランスファ機構16及び樹脂成形金型17は、いわゆるマルチポット式のトランスファ機構及び樹脂成形金型である。従って、トランスファ機構16及び樹脂成形金型17は、1回の成形サイクルにおいて複数(本実施形態では4つ)のリードフレームWに対する樹脂封止成形をまとめて実行可能に構成されている。なお、本実施形態に係る樹脂封止システム100において、これら下プラテン11、タイバー12、上プラテン13、移動プラテン14、昇降型締機構15及びトランスファ機構16は、種々の公知の構成を採用することが可能であるため、その説明を省略する。
【0032】
樹脂成形金型17は、
図2に示すように、上型17aと、下型17bと、を備えている。上型17aは、上プラテン13の下面に取り付けられている。下型17bは、トランスファ機構16の上型17aと対向する面に取り付けられている。下型17bは、上型17aと共に樹脂封止成形用のキャビティを形成可能に構成されている。
【0033】
下型17bは、
図1に示すように、例えば、4つのリードフレームWを2列で配置可能に構成されている。下型17bには、リードフレームWの列L1,L2の間に複数(本実施形態では8個)の収容ポット形成孔部18が形成されている。各収容ポット形成孔部18には、トランスファ機構16のプランジャ(図示せず)がそれぞれ配置されている。下型17bは、各収容ポット形成孔部18の内面と、各プランジャの上面と、によって樹脂タブレットを収容可能な収容ポットが形成されるよう構成されている。
【0034】
上型17a及び下型17bの型面には、
図3に示すような樹脂成形体Pのカル部106、ランナ部104、ゲート部102及びモールド部108を成形可能な樹脂流路が形成されている。具体的には、上型17aの型面には、収容ポット形成孔部18と整合する位置に、それぞれカル部106を形成するためのカル(図示せず)が形成されている。
【0035】
また、上型17aと下型17bの型面には、各リードフレームWの各電子部品と整合する位置に、それぞれモールド部108を形成するためのキャビティ形成用凹部(図示せず)がそれぞれ形成されている。更に、下型17bの型面には、キャビティ毎に、ランナ部104を形成するランナ(図示せず)が形成されており、ランナとキャビティとの境界部分の開口を狭めることで、ゲート部102を形成可能に構成されている。
【0036】
以上の構成を備えるプレスユニット2の樹脂封止装置1は、上型17a及び下型17bによって4つのリードフレームWを挟み込んだ状態で、溶融したモールド材料を各プランジャによって加圧する。そして、加圧されたモールド材料を樹脂成形金型17のカル→ランナ→ゲート→キャビティの順で流動させて熱硬化させる。これにより、電子部品がモールドされた樹脂成形体Pを1回の成形サイクルにおいて2組製造するよう構成されている。
【0037】
そして、このような樹脂封止装置10により製造された一対(一組)の樹脂成形体Pは、
図3に示すように、長手方向に沿って複数(本実施形態では4つ)の電子部品が配された長尺状のリードフレームWと、リードフレームWの各電子部品をモールドするモールド部108と、各モールド部108に一体成形されたゲート部102、ランナ部104及びカル部106を有する不要樹脂と、を備え、不要樹脂が長手方向と交差する短手方向に向かって、各リードフレームWの間を繋ぐ状態で形成されることとなる。
【0038】
ローダーユニット4は、
図1に示すように、ローダーラック20と、フレームプッシャ21と、整列装置22と、搬送装置23と、タブレット供給装置24と、プリヒータ装置(図示せず)と、を備えている。ローダーラック20は、複数のリードフレームW(ワーク)を収容する。フレームプッシャ21は、ローダーラック20に収容されたリードフレームWを1枚ずつ送り出す。
【0039】
整列装置22は、フレームプッシャ21から送り出されたリードフレームWを樹脂成形金型17の配置に合わせて整列させる。搬送装置23は、整列装置22と樹脂封止装置1との間を往復移動可能に設けられる。タブレット供給装置24は、樹脂タブレットを樹脂成形金型17のポットの配置に合わせて整列させた状態で搬送装置23に対して供給する。プリヒータ装置は、樹脂封止装置1に搬送する前のリードフレームWを予熱する。
【0040】
整列装置22は、例えば、平行に配された一対の搬送ベルト22a,22bを有している。これら一対の搬送ベルト22a,22bは、水平方向に回転可能に構成されている。これにより、一方の搬送ベルト22aにおいてリードフレームWを受け取った後、180度回転することで、他方の搬送ベルト22bにおいてリードフレームWを受け取り可能に構成されている。
【0041】
また、一対の搬送ベルト22a,22bは、昇降可能に構成されている。これにより、下降位置においてフレームプッシャ21からリードフレームWを整列させながら受け取った後に上昇し、上昇位置においてリードフレームWを搬送装置23に受け渡すよう構成されている。
【0042】
搬送装置23は、
図1において白抜きの実線矢印で示すように、
図1中の上下方向と左右方向に移動可能に構成されている。搬送装置23は、整列装置22によって整列された複数のリードフレームWをその製列状態を維持したまま受け取ると共に、タブレット供給装置24において一列に整列された複数の樹脂タブレットをその製列状態を維持したまま受け取る。そして、搬送装置23は、これらリードフレームW及び樹脂タブレットを樹脂封止装置1内に搬入するよう構成されている。
【0043】
以上の構成を備えるローダーユニット4は、1回の成形サイクルに必要な数のリードフレームW及び樹脂タブレットを樹脂成形金型17における配置に合わせて整列させた状態で、樹脂封止装置1に供給するよう構成されている。なお、ローダーユニット4は、種々の公知の構成を採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。また、ローダーユニット4は、上述した構成に限定されず、任意の構成を採用することが可能である。
【0044】
アンローダーユニット6は、
図1に示すように、搬出装置30と、ゲートブレーク装置40と、アンローダー装置32と、収納搬送装置34と、未充填検出装置(図示せず)と、を備えている。搬出装置30は、樹脂封止装置1から不要樹脂付きの樹脂成形体Pを搬出する。ゲートブレーク装置40は、第1切断ユニット50と、第2切断ユニット60と、を有し、樹脂成形体Pから不要樹脂を除去する。アンローダー装置32には、不要樹脂が除去された樹脂成形品が収納される。
【0045】
収納搬送装置34は、ゲートブレーク装置40とアンローダー装置32との間を移動可能に設けられる。未充填検出装置は、ゲートブレーク装置40とアンローダー装置32との間に設けられ、収納搬送装置34により搬送されている樹脂成形品に対して成形不良等の検査を行う。なお、ゲートブレーク装置40の具体的な構成については、後述する。
【0046】
搬出装置30は、
図1において白抜きの破線矢印で示すように、
図1中の上下方向と左右方向に移動可能に構成されている。搬出装置30は、樹脂封止装置1において形成された不要樹脂付きの樹脂成形体Pを回収し、ゲートブレーク装置40に搬送するよう構成されている。
【0047】
搬出装置30は、例えば、樹脂封止済みのリードフレームWの外枠部分を把持可能な搬送爪(図示せず)と、不要樹脂部分を真空吸着させることが可能な吸着バッド(図示せず)と、を備えている。搬出装置30は、これら搬送爪及び吸着パッドにより不要樹脂付きの樹脂成形体Pを保持した状態で、搬送するよう構成されている。また、搬出装置30は、掃除用の吸引手段(図示せず)又はエアブローを発生させることが可能なクリーナヘッド(図示せず)を有しており、樹脂封止装置1からの後退時に樹脂成形金型17の型面を清掃するよう構成されている。
【0048】
収納搬送装置34は、例えば、不要樹脂が除去されたリードフレームWの外枠部分を把持可能な把持爪(図示せず)を有している。収納搬送装置34は、ゲートブレーク装置40の第1切断ユニット50及び第2切断ユニット60間で、第1切断ユニット50による切断が行われた一方(列L1又は列L2)のリードフレームWを、水平方向に回転させて列の向きを揃えた状態で第2切断ユニット60に対し移動可能に構成されている。また、収納搬送装置34は、不要樹脂が除去された樹脂成形品をゲートブレーク装置40から回収し、アンローダー装置32に収納させるよう構成されている。
【0049】
以上の構成を備えるアンローダーユニット6は、樹脂封止装置1において成形された不要樹脂付きの樹脂成形体Pを搬出装置30により取り出し、ゲートブレーク装置40において不要樹脂を除去して樹脂成形品とする。その上で、アンローダーユニット6は、収納搬送装置34により樹脂成形品をアンローダー装置32まで搬送し、アンローダー装置32において樹脂成形品を回収するよう構成されている。なお、アンローダーユニット6において、ゲートブレーク装置40以外の構成は、種々の公知の構成を採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。また、アンローダーユニット6は、上述した構成に限定されず、任意の構成を採用することが可能である。
【0050】
[ゲートブレーク装置40]
次に、本実施形態に係るゲートブレーク装置40について、
図4~
図14を用いて説明する。なお、以下の説明において、長手方向とは、ゲートブレーク装置40に載置された状態におけるリードフレームWの長手方向を意味し、幅方向(短手方向)とは、同状態におけるリードフレームWの幅方向(短手方向)を意味するものとする。
【0051】
ゲートブレーク装置40は、上述したように、不要樹脂付きの樹脂成形体Pから、例えば、第1段階で不要樹脂の被切断部分を切断により除去する第1切断ユニット50と、第2段階で不要樹脂の残存部分を切断により除去する第2切断ユニット60と、を備えている。まず、第1切断ユニット50について説明する。
【0052】
図4は、本実施形態に係るゲートブレーク装置の第1切断ユニットを一部を省略して概略的に示す外観斜視図である。
図5(a)は、第1切断ユニットにより不要樹脂が切断された状態を概略的に示す側面図であり、
図5(b)は、不要樹脂が切断された樹脂成形体を概略的に示す側面図である。また、
図6~
図8は、不要樹脂の廃棄手順の一例を示す側面図である。
【0053】
図4に示すように、第1切断ユニット50は、主に、テーブル41と、受け機構42と、切断機構43と、駆動機構(図示せず)と、を備えている。テーブル41は、受け機構42を載置可能な大きさを有する台である。テーブル41の中央側の所定領域には、切断機構43により切断された不要樹脂をテーブル41の下方に落下させる貫通孔41aが形成されている。なお、テーブル41の貫通孔41aの下方には、不要樹脂を回収する不要樹脂回収容器(図示せず)が配置されている。
【0054】
受け機構42は、長手方向に一対並設された幅方向ガイドレール44を介してテーブル41上に設けられている。切断機構43は、テーブル41及び受け機構42の上方において昇降可能に設けられている。駆動機構は、切断機構43を上下方向に昇降駆動したり、後述するベース部45a,45bを幅方向に移動させたりする。なお、第1切断ユニット50は、長手方向に二組配置された樹脂成形体Pに対する第1段階の切断を、一度に実行可能に構成されているが、これに限定されるものではない。
【0055】
受け機構42は、
図6~
図8に示すように、第1受け部42aと、第2受け部42bと、第3受け部42cと、を備えている。また、受け機構42は、例えば、第1受け部42aの下方に配置されたベース部45aと、第2受け部42b及び第3受け部42cの下方に配置されたベース部45bと、を備えている。
【0056】
第1受け部42aは、一方の列L1のリードフレームWに対応付けて配置され、その上面に列L1のリードフレームWが位置決めされた状態で載置されるよう構成されている。第2受け部42bは、他方の列L2のリードフレームWに対応付けて配置され、その上面に列L2のリードフレームWが位置決めされた状態で載置されるよう構成されている。
【0057】
また、第3受け部42cは、第1受け部42a及び第2受け部42b間における列L1,L2間の不要樹脂に対応付けて配置され、その上面に不要樹脂が載置されるよう構成されている。なお、第3受け部42cの上面は、後述する切断機構43の切断刃52が進入可能な柔軟性を有するよう構成されていても良い。
【0058】
ベース部45a,45bは、それぞれ、一対の幅方向ガイドレール44間に架け渡されている。ベース部45a,45bは、それぞれ、矩形状に形成された板状部材からなる。本実施形態では、ベース部45bはベース部45aよりも幅広に形成されている。ベース部45a,45bは、その下面に設けられた一対のスライダ部46a,46bを介して、一対の幅方向ガイドレール44に沿って摺動可能に取り付けられている。従って、受け機構42は、第1受け部42aと、第2受け部42b及び第3受け部42cとが、幅方向に互いに離間可能に移動されるよう構成されている。
【0059】
切断機構43は、昇降ベース部47と、第1押さえ部48aと、第2押さえ部48bと、切断ブロック部49と、切込形成ブロック部51と、を備えている。昇降ベース部47は、矩形状に形成された板状部材からなる。第1押さえ部48aは、一方の列L1のリードフレームWに対応付けて昇降ベース部47の下方に配置され、その下面で第1受け部42a上に載置された列L1のリードフレームWを上方から押さえるよう構成されている。第2押さえ部48bは、他方の列L2のリードフレームWに対応付けて昇降ベース部47の下方に配置され、その下面で第2受け部42b上に載置された列L2のリードフレームWを上方から押さえるよう構成されている。
【0060】
図5~
図8に示すように、切断ブロック部49は、
図4に示す垂直板状に形成されたブロックベース49aの下方において、長手方向に延びるよう設けられた、下方凸状断面を有するブロック部材からなる。切断ブロック部49の左右側壁には、刃先を下方に向けた状態で幅方向に並設された一対の切断刃52が取り付けられている。切断ブロック部49の下面には、各不要樹脂に対応する位置に設けられた吸着パッド54が設けられている。なお、各吸着パッド54は、バキューム装置(図示せず)に接続された吸引ホース49bにそれぞれ接続されている。
【0061】
一対の切断刃52は、幅方向における切断ブロック部49との間に、幅方向の位置調整用のスペーサ52aを介してそれぞれ取り付けられている。また、一対の切断刃52は、例えば、上下方向における切断ブロック部49との間に、バネやゴム等の弾性体(図示せず)を介してそれぞれ取り付けられている。なお、一対の切断刃52は、それ自体が幅方向に撓む弾性を有するよう構成されていても良い。
【0062】
一対の切断刃52は、
図5(a)に示すように、図中白抜きの実線矢印で示すよう切断機構43が下降した位置において、列L1,L2のリードフレームW間に架け渡されるよう形成された不要樹脂のうち、例えば、被切断部分(カル部106の主要部分)A1を、
図5(b)に示すように、各リードフレームWから切断するよう設けられている。
【0063】
切込形成ブロック部51は、それぞれ、昇降ベース部47の下面にそれぞれ取り付けられたブロックベース49cの下方において、長手方向に二組ずつ設けられた、倒L字状断面を有するブロック部材からなる。切込形成ブロック部51の切断ブロック部49との対向側壁には、それぞれ、刃先を下方に向けた状態で切断刃52と対向するよう幅方向に並設された一組(一対)の形成刃53が取り付けられている。
【0064】
一組の形成刃53は、それぞれ、幅方向における切込形成ブロック部51との間に、幅方向の位置調整用のスペーサ51aを介して取り付けられている。一組の形成刃53は、
図5(a)に示すように、図中白抜きの実線矢印で示すよう切断機構43が下降した位置において、列L1,L2のリードフレームW間の被切断部分A1が切断された不要樹脂の残存部分(カル部106の残り、ランナ部104及びゲート部102)A2における、切断端106aよりもモールド部108に近い位置の不要樹脂(本実施形態ではランナ部104の一部)に、
図5(b)に示すように、長手方向と平行なスリット(切れ込み)Sをそれぞれ形成するよう設けられている。
【0065】
すなわち、一組の形成刃53は、各モールド部108の側縁に、後述する第2切断ユニット60により不要樹脂の残存部分A2を切断した際に僅かに不要樹脂を残すよう設けられている。なお、一組の形成刃53の刃先は、一対の切断刃52の刃先よりも上方に位置するよう設けられており、一組の形成刃53は、樹脂成形体P(電子部品基板)が変形しない程度の圧力で、リードフレームWの表面側の不要樹脂に挿入され、スリットSを形成する。
【0066】
以上の構成を備える第1切断ユニット50は、受け機構42上に位置決め載置された一組の樹脂成形体Pに対し、
図6に示すように切断機構43が下降することで、一対の切断刃52により樹脂成形体Pの不要樹脂の被切断部分A1を切断し、一組の形成刃53により被切断部分A1が切断された不要樹脂の残存部分A2にスリットSを形成するよう構成されている。
【0067】
なお、一対の切断刃52により切断された不要樹脂の被切断部分A1は、次のように廃棄される。すなわち、
図6に示すような状態で被切断部分A1の切断及びスリットSの形成を行った第1切断ユニット50において、吸着パッド54により各不要樹脂の被切断部分A1を吸着した状態で、
図7に示すように、切断機構43を上昇させて切断機構43を受け機構42から離間させる。
【0068】
そして、
図8に示すように、受け機構42のベース部45a,45bを、図中白抜きの実線矢印で示すように、幅方向に互いに離間させるよう移動させ、第1受け部42aと第3受け部43cとの間に貫通孔41aに連通する隙間を生じさせる。その上で、吸着パッド54による不要樹脂の被切断部分A1の吸着保持状態を解除し、図中白抜きの実線矢印で示すように、被切断部分A1を隙間に落下させ、貫通孔41aを通して不要樹脂回収容器に廃棄する。次に、第2切断ユニット60について説明する。
【0069】
図9は、本実施形態に係るゲートブレーク装置の第2切断ユニットを一部を省略して概略的に示す外観斜視図である。
図10は、
図9の第2切断ユニットから更に一部を省略して概略的に示す外観斜視図である。
図11は、第2切断ユニットの一部を概略的に示す側面図である。
図12は、第2切断ユニットの一部を概略的に示す上面図である。また、
図13及び
図14は、第2切断ユニットによる不要樹脂の切断手順を概略的に説明するための平面図である。
【0070】
図9及び
図10に示すように第2切断ユニット60は、主に、ユニットフレーム61と、受け機構62と、切断機構63と、駆動機構(図示せず)と、を備えている。ユニットフレーム61は、長手方向にロの字状に延びて受け機構62を取り付け可能な大きさを有するフレームである。
【0071】
受け機構62は、ユニットフレーム61上に設けられた、左右一対となるよう構成された複数のフレームガイド部64と、フレームクランパ65と、を備えている。各フレームガイド部64は、不要樹脂の被切断部分A1が切断されたリードフレームWの短手方向の両側縁、長手方向の一方の側縁及び下面をそれぞれ支持する。フレームクランパ65は、各フレームガイド部64に対して昇降(開閉)可能に配置されている。フレームクランパ65は、各フレームガイド部64より支持されたリードフレームWの上面を、
図11中白抜きの実線矢印で示すように、各フレームガイド部64に上方から押さえ付けて支持する。
【0072】
切断機構63は、各フレームガイド部64の左右いずれか一方側において、ユニットフレーム61の延伸方向に沿って、長手方向にスライド移動可能に設けられている。駆動機構は、切断機構63を長手方向にスライド移動させたり、フレームクランパ65を上下方向に開閉したりする。
【0073】
なお、第2切断ユニット60は、不要樹脂の被切断部分A1が切断された列L1及び列L2のリードフレームWのいずれか一方を、不要樹脂の残存部分A2の位置がいずれか他方のリードフレームWの残存部分A2の位置と同じとなるよう(すなわち、幅方向の一方側の同じ位置にくるよう)収納搬送装置34によって180度水平回転させた上で受け取り可能に構成され、各リードフレームWの残存部分A2に対する第2段階の切断を、それぞれのリードフレームWの列の向きが揃えられた状態で実行可能に構成されているが、これに限定されるものではない。
【0074】
切断機構63は、スライダ本体66と、スライダ本体66と一体的に接続された吸引ホース67と、を備えている。スライダ本体66は、その内部に、
図10に示すように、第1刃具68及び第2刃具69が側壁に取り付けられた刃具ブロック部70を有する。吸引ホース67は、吸引装置(図示せず)に接続され、第1刃具68及び第2刃具69で切断された不要樹脂を吸引除去するよう構成されている。なお、切断機構63は、吸引ホース67に代えて、切断された不要樹脂をブロア装置から供給されるエアにより吹き飛ばすブロアホースを備えていても良い。
【0075】
第1及び第2刃具68,69は、
図11及び
図12に示すように、長手方向に沿って図中白抜きの実線矢印で示すように、リードフレームWの上面上を同時に移動し、かつ、第1刃具68が第2刃具69よりも先に不要樹脂の残存部分A2に刃先68aが到達するよう刃具ブロック部70に取り付けられている。
【0076】
第1刃具68は、幅方向と平行に形成された刃先68aと、刃先68aから長手方向の一方側(基端側)に向けて上方に傾斜する傾斜面68bと、を備える。第2刃具69は、幅方向と平行に形成された刃先69aと、刃先69aから長手方向の一方側(基端側)に向けて上方に傾斜する傾斜面69bと、を備える。
【0077】
第1刃具68の幅H1は、被切断部分A1が切断された不要樹脂の残存部分A2の幅よりも小さくなるよう形成されている。第2刃具69の幅H2は、第1刃具68の幅H1よりも大きくなるよう形成されている。なお、第1刃具68及び第2刃具69は、刃具ブロック部70側の側面が、切断端106aの位置よりも僅かに幅方向外側(切断端106aに対して
図12中左側)に位置するよう配置されている。
【0078】
また、第2刃具69の刃具ブロック部70側と反対側の側面は、第1刃具68の刃具ブロック部70側と反対側の側面よりもモールド部108側に位置し、かつ、モールド部108の側縁との間に僅かな隙間を形成可能となるよう幅方向内側(モールド部108の側縁に対して
図12中左側)に位置するよう配置されている。
【0079】
以上の構成を備える第2切断ユニット60は、受け機構62の各フレームガイド部64上に位置決め載置され、フレームクランパ65で押さえ付けられた一つの樹脂成形体P(リードフレームW)に対し、切断機構63が長手方向に沿って図中白抜きの実線矢印で示すように水平移動する(以下、
図13及び
図14の「図中白抜きの実線矢印」が示す移動態様も同じ。)ことで、第1刃具68及び第2刃具69で順番に樹脂成形体Pの不要樹脂の残存部分A2を一部を僅かに残した状態で切断するよう構成されている。
【0080】
具体的には、
図13(a)に示すように、切断機構63が水平移動を開始すると、まず、第1刃具68の刃先68aが不要樹脂の残存部分A2に到達する。そして、そのまま水平移動が継続されると、
図13(b)に示すように、第1刃具68の刃先68aが不要樹脂の残存部分A2のうち、被切断部分A1の切断端106aから短手方向の所定位置までの第1部分A2aを部分的に切断し、切断された第1部分A2aは傾斜面68bに沿ってめくれ上がり除去される。
【0081】
その後、切断機構63の水平移動は継続され、
図13(c)に示すように、第2刃具69の刃先69aが不要樹脂の残存部分A2のうち、第1部分A2aが切断された所定位置から短手方向のモールド部108の近傍位置(所定位置よりもモールド部108に近い位置)であるスリットSまでの第2部分A2bに到達する。そして、そのまま水平移動が継続されると、
図13(d)に示すように、第2刃具69の刃先69aが第2部分A2bをスリットSに沿って切断し、切断された第2部分A2bは傾斜面69bに沿ってめくれ上がり除去される。これにより、モールド部108の側縁に僅かな不要樹脂(第3部分A2c)を残した状態で、不要樹脂の残存部分A2は切断され除去される。なお、順次切断される第1部分A2a及び第2部分A2bは、吸引ホース67に吸い込まれるエアにより、順次吸引除去されて不要樹脂回収容器(図示せず)等に廃棄される。
【0082】
そして、第2切断ユニット60においては、上記のような第1刃具68及び第2刃具69による不要樹脂の残存部分A2の切断が、
図14(a)~
図14(d)に示すように、切断機構63をリードフレームWの長手方向の一方側(
図14中上側)の端部から他方側(
図14中下側)の端部に亘って長手方向に沿って一回水平移動させることにより、複数の不要樹脂の残存部分A2に対して一度に行われる。
【0083】
すなわち、
図14(a)に示すように、リードフレームWを受け機構62(図示せず)にセットした後に、切断機構63を水平移動させることにより、まず、
図14(b)に示すように、第1及び第2刃具68,69の移動方向の最上流側に位置するモールド部108に対する不要樹脂の残存部分A2が第3部分A2cを残すように切断される。
【0084】
続いて、
図14(c)及び
図14(d)に示すように、最上流側から二番目及び三番目のモールド部108についても切断機構63の水平移動を継続させることで、不要樹脂の残存部分A2が第3部分A2cを残すように順次切断される。そして、図示は省略するが、最上流側から四番目のモールド部108についても不要樹脂の残存部分A2が第3部分A2cを残して切断されることで、切断機構63の一度の水平移動で全ての不要樹脂の残存部分A2が切断される。
【0085】
このように、切断機構63において、幅H1の第1刃具68及び幅H2の第2刃具69を設け、不要樹脂の残存部分A2に対し、第1部分A2aの切断及び第2部分A2bの切断を連続的に順番に行うことにより、不要樹脂の残存部分A2がリードフレームWと強く密着している場合でも、切断時の応力を分散させて確実に(綺麗な切断状態となるよう)切断を行うことが可能となる。
【0086】
特に、本実施形態に係るゲートブレーク装置40では、第1切断ユニット50によって、第1段階の切断で不要樹脂の主要部分である被切断部分A1の切断のみならず、不要樹脂の残存部分A2に対してスリットSも形成するので、このスリットSを起点として、第2段階の切断において第2切断ユニット60により不要樹脂の残存部分A2を、第3部分A2cを残してモールド部108から確実に切断することが可能である。
【0087】
そして、本実施形態に係るゲートブレーク装置40による不要樹脂の除去方法は、上述したように、第1切断ユニット50によって、不要樹脂の被切断部分A1を切断する第1切断工程(第1段階の切断)と、第2切断ユニット60によって、被切断部分A1が切断された不要樹脂の残存部分A2を切断する第2切断工程(第2段階の切断)と、が実施されることにより実現される。このような構成によれば、例えば、硬化した熱硬化性樹脂からなる不要樹脂のみならず、完全に硬化しておらず弾性を保った状態の不要樹脂に対しても、確実に切断を行って除去することが可能である。
【0088】
[樹脂封止システム100の動作]
次に、本実施形態に係る樹脂封止システム100の動作について説明する。なお、以下の樹脂封止システム100の動作は、例えば、予め記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、各構成要素が適宜駆動制御されることにより実行される。
【0089】
まず、ローダーユニット4のフレームプッシャ21によって、ローダーラック20から整列装置22に向けてリードフレームWが1枚ずつ送り出される。ローダーラック20から送り出されたリードフレームWは、整列装置22において樹脂成形金型17の配置に合わせて整列され、搬送装置23に受け渡される。
【0090】
搬送装置23は、整列装置22から受け取った4つのリードフレームWをプリヒータ装置に受け渡し、予熱させた上で回収する。これと共に、搬送装置23は、タブレット供給装置24から樹脂タブレットを受け取り、これらリードフレームW及び樹脂タブレットをプレスユニット2の樹脂封止装置1に搬送する。そして、搬送装置23は、樹脂成形金型17の下型17bに4つのリードフレームWを載置させると共に、樹脂タブレットを下型17bの各収容ポット形成孔部18にそれぞれ投下させる。
【0091】
リードフレームW及び樹脂タブレットが樹脂封止装置1に受け渡されると、樹脂封止装置1は、樹脂封止成形を実行する。これにより、樹脂封止装置1において不要樹脂付きの樹脂成形体Pが製造される。そして、樹脂封止装置1において不要樹脂付きの樹脂成形体Pが製造されると、アンローダーユニット6の搬出装置30は、樹脂封止装置1内の不要樹脂付きの樹脂成形体Pを回収し、ゲートブレーク装置40に向けて搬送する。
【0092】
搬出装置30によって、ゲートブレーク装置40の第1切断ユニット50の受け機構42の上に不要樹脂付きの樹脂成形体Pが載置されると、第1切断ユニット50は切断機構43を下降させて第1及び第2押さえ部48a,48bで各リードフレームWを押さえつつ、一対の切断刃52で不要樹脂の被切断部分A1を切断すると共に、一組の形成刃53で不要樹脂の残存部分A2にスリットSをそれぞれ形成する。
【0093】
その後、切断機構43を上昇させて第1受け部42aと第2受け部42b及び第3受け部42cとを互いに離間させ、上述したように不要樹脂の被切断部分A1を不要樹脂回収容器に向けて落下させることで、各リードフレームW間の不要樹脂の被切断部分A1が切断されて除去される第1段階の切断が行われる。
【0094】
次に、収納搬送装置34によって、ゲートブレーク装置40の第2切断ユニット60の受け機構62に列の向きが揃えられた不要樹脂の残存部分A2付きの樹脂成形体Pがクランプされると、第2切断ユニット60は切断機構63を長手方向に沿って水平移動させて、不要樹脂の残存部分A2の第1部分A2aを第1刃具68で切断すると共に、第2部分A2bを第2刃具69で切断しつつ吸引除去し廃棄する。これにより、各リードフレームWのモールド部108の側縁に第3部分A2cを僅かに残す状態で、残存部分A2が切断されて除去される第2段階の切断が行われる。
【0095】
また、不要樹脂の残存部分A2の除去の後若しくは残存部分A2の除去と並行して、不要樹脂が除去されたリードフレームWを含む樹脂成形体P(樹脂成形品)を収納搬送装置34により回収しつつ未充填検出装置による検査を経てから、アンローダー装置32に収納させることが行われる。そして、このような工程が連続して繰り返し実行されることにより、樹脂成形品が1つずつ連続して製造される。
【0096】
以上説明したとおり、本実施形態に係るゲートブレーク装置40は、不要樹脂の被切断部分A1を切断する第1切断ユニット50と、被切断部分A1が切断された不要樹脂の残存部分A2を切断する第2切断ユニット60と、を備え、第1切断ユニット50の切断機構43をリードフレームWの長手方向及び幅方向(短手方向)と交差する上下方向に移動させて被切断部分A1を第1段階で切断し、第2切断ユニット60の切断機構63をリードフレームWの長手方向に沿って移動させて残存部分A2を第2段階で切断し、不要樹脂を除去するよう構成されている。
【0097】
このように構成されたゲートブレーク装置40によれば、不要樹脂が硬化したもののみならず、弾性を有する不要樹脂に対しても、不要樹脂を段階的に切断することで切断に関する応力を分散させて確実に除去することができ、これにより、余分な樹脂残り等に起因する製品不良の発生を防止することができる。なお、第2切断ユニット60によれば、上述した第3部分A2cを残さずに不要樹脂を除去することも可能であるが、ゲートブレーク時におけるモールド部108の側縁を損傷させない(傷付けない)ようマージンを取る意味で、第3部分A2cを積極的に残すように構成している。
【0098】
また、本実施形態に係るゲートブレーク装置40は、リードフレームW(電子部品基板)が短手方向に沿って一対並設され、不要樹脂が各リードフレームW(電子部品基板)の短手方向を繋ぐ状態で形成された一組の樹脂成形体Pに対し、第1切断ユニット50の切断機構43が、短手方向に亘る不要樹脂の被切断部分A1を切断する一対の切断刃52と、各切断刃52よりもそれぞれモールド部108に近い位置の不要樹脂に長手方向と平行なスリットS(切れ込み)をそれぞれ形成する一対の形成刃53と、を有するので、不要樹脂の主要部分である被切断部分A1の切断とスリットSの形成を一組のリードフレームWに対して同時に実行することが可能となる。
【0099】
また、本実施形態に係るゲートブレーク装置40は、第2切断ユニット60の切断機構63が、第1切断ユニット50により不要樹脂の被切断部分A1が切断された各リードフレームW(電子部品基板)における不要樹脂の残存部分A2のうち、リードフレームW(電子部品基板)毎に被切断部分A1の切断端106aから短手方向の所定位置までの第1部分A2aを切断する第1刃具68と、所定位置から短手方向のモールド部108の近傍位置までの第2部分A2bをスリットS(切れ込み)に沿って切断する第2刃具69と、を有するので、不要樹脂の残存部分A2を更に段階的かつ連続的に切断可能で、切断に関する応力を分散させることができ、不要樹脂の残存部分A2が弾性を保った状態であっても確実に切断して除去することが可能となる。
【0100】
なお、第1切断ユニット50の切断機構43において、一組の形成刃53は必須の構成ではなく、これを除いて切断機構43を形成するようにしても良い。また、複数のリードフレームWを繋ぐ状態ではなく、単に不要樹脂が短手方向に形成された単体のリードフレームWに対しても、第1切断ユニット50による不要樹脂の被切断部分A1の切断等を行うことが可能である。この場合、切断機構43には、少なくとも1つの切断刃52が設けられていれば良い。
【0101】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記各実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0102】
[変形例]
例えば、上記第2切断ユニット60の切断機構63において、第1及び第2刃具68,69を例に挙げて不要樹脂の残存部分A2を切断することについて説明したが、これに限定されるものではない。刃具ブロック部70に取り付ける刃具は、少なくとも一つあれば十分に残存部分A2を切断することが可能である。
【0103】
図15は、第2切断ユニットの第3刃具を概略的に示す説明図である。
図15に示すように、第3刃具71は、刃先71aと、傾斜面71bと、を備える点は、上述した第1及び第2刃具68,69と同様であるが、その形状が相違している。すなわち、第3刃具71においては、刃具ブロック部70側の側面74の刃先端点72が、モールド部108側の側面75の刃先端点73よりも、図中実線矢印で示す移動方向の前方側(先端側)に位置するよう刃先71aが形成されている。
【0104】
また、第3刃具71においては、傾斜面71bが、刃先71aから図中実線矢印で示す移動方向の後方側(基端側)に向けて、側面75側が側面74側よりも低くなる状態で上方に傾斜するよう形成されている。なお、第3刃具71の幅H3は、第2刃具69の幅H2と同程度に設定されている。
【0105】
このように構成された第3刃具71では、不要樹脂の残存部分A2に対し、刃先71aが刃先端点72側から先に到達し、残存部分A2を傾斜面71bに沿ってめくり上げながら刃先端点73側が後に残存部分A2に到達することで、スリットSに沿って残存部分A2を確実に(綺麗な切断状態となるよう)切断することができる。これにより、上記第1及び第2刃具68,69を用いた切断機構63と同様の作用効果を奏することができると共に、刃具を一つで構成することができるので、切断機構63の部品点数を削減することが可能となる。なお、上述した切断刃52、形成刃53、第1~第3刃具68,69,71は、金属製又は樹脂製のものを適宜採用することが可能である。
【0106】
また、上述した実施形態では、第1切断ユニット50及び第2切断ユニット60を有するゲートブレーク装置40が、リードフレームWから不要樹脂を除去する態様を例に挙げて説明したが、これに限定されず、電子部品が実装された配線基板等に対して不要樹脂の除去を行う態様としても良い。
【0107】
上述した実施形態では、ローダーユニット4とアンローダーユニット6との間にプレスユニット2が1台のみ配置される態様を例に挙げて説明したが、これに限定されず、プレスユニット2が2台以上配置される態様としても良い。
【0108】
上述した実施形態では、1つのリードフレームWに4つの電子部品が配され、1回の成形サイクルにおいて4つのリードフレームWに対する樹脂封止成形をまとめて実行する態様を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、種々の構成を採用することが可能である。
【0109】
上述した実施形態では、リードフレームWが2列で配置される構成(リードフレームWが短手方向に一対並設される構成)を例に挙げて説明したが、これに限定されず、上記のように単体のリードフレームWが1列で配置される構成としても良いし、3列以上で配置される構成としても良い。この場合において、ゲートブレーク装置40の第1切断ユニット50の切断機構43は、リードフレームWの列毎に対応して被切断部分A1を切断可能に配置された切断刃52を有することが好ましい。
【0110】
上述した実施形態では、リードフレームWが2列で配置され、第1切断ユニット50の切断機構43が上方から下降して、各リードフレームW間を繋ぐ状態で形成された不要樹脂の被切断部分A1を切断するものとして説明したが、これに限定されず、切断機構43が下方から上昇して不要樹脂の被切断部分A1を切断するよう構成しても良い。なお、切断機構43において、第1及び第2押さえ部48a,48bによるリードフレームWの押さえ付けと、切断刃52による被切断部分A1の切断と、形成刃53による不要樹脂へのスリットSの形成と、は、それぞれ異時的に行われるよう構成しても良い。
【0111】
上述した実施形態では、ゲートブレーク装置40が
図4に示す第1切断ユニット50と、
図9に示す第2切断ユニット60と、を備え、一組の樹脂成形体Pに対する第1段階の切断と、一つの樹脂成形体Pに対する第2段階の切断と、を実行可能に構成されるものとして説明したが、これに限定されず、第1切断ユニット50及び第2切断ユニット60を複数備え、多数組の樹脂成形体Pに対する第1段階及び第2段階の切断を一度に実行可能な構成としても良い。
【0112】
上述した実施形態では、上型17aの型面にカルが形成され、上型17aと下型17bの型面にキャビティ形成用凹部が形成され、下型17bの型面にランナ及びゲートが形成されるものとして説明したが、これに限定されず、任意に変更することが可能である。また、
図3では、隣接するカル部106同士が連結されない樹脂成形体Pを例示したが、これに限定されず、隣接するカル部106同士が連結された構成等の種々の構成を採用することが可能である。
【0113】
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0114】
1 樹脂封止装置(樹脂成形装置)
40 ゲートブレーク装置
42,62 受け機構
43,63 切断機構
50 第1切断ユニット
52 切断刃
53 形成刃
60 第2切断ユニット
68 第1刃具
69 第2刃具
71 第3刃具
100 樹脂封止システム