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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106612
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】介入支援方法、介入支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240801BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010973
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】原田 将治
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】対象者に受け入れられやすい介入の実施を支援することを目的とする。
【解決手段】コンピュータによる介入支援方法であって、前記コンピュータが、記憶部に格納された、行動変容を促す介入を行う際の介入方法と対象者が前記介入方法に対して感じる不快感の強さを示す不快度とを対応付けた介入方法情報と、前記対象者に対して実施された介入の履歴を示す介入履歴情報とを参照し、前記対象者に対して前回実施された介入における介入方法よりも不快度が低い介入方法と対応する介入情報を出力する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによる介入支援方法であって、前記コンピュータが、
記憶部に格納された、行動変容を促す介入を行う際の介入方法と対象者が前記介入方法に対して感じる不快感の強さを示す不快度とを対応付けた介入方法情報と、前記対象者に対して実施された介入の履歴を示す介入履歴情報とを参照し、
前記対象者に対して前回実施された介入における介入方法よりも不快度が低い介入方法と対応する介入情報を出力する、介入支援方法。
【請求項2】
前記介入方法情報において、前記介入方法と前記対象者とが対応付けられており、
前記コンピュータが、
前記対象者の状態と対応した前記介入方法の候補を選出し、
前記選出された前記候補から、前記対象者に対して前回実施された介入における介入方法よりも不快度が低い介入方法を特定する、請求項1記載の介入支援方法。
【請求項3】
前記コンピュータは、
前記候補から、前記実施された介入における介入方法と類似する介入方法を除外する、請求項2記載の介入支援方法。
【請求項4】
コンピュータによる介入支援方法であって、前記コンピュータが、
記憶部に格納された、行動変容を促す介入を行う際の介入方法と対象者の状態とが対応付けられた介入方法情報を参照して、前記対象者の状態に応じた介入方法の候補を選出し、
前記介入方法の候補について、前記対象者による拒否されやすさを示す指標値を算出し、
前記指標値が閾値以下となる前記介入方法の候補と対応する介入情報を出力する、介入支援方法。
【請求項5】
記憶部に格納された、行動変容を促す介入を行う際の介入方法と対象者が前記介入方法に対して感じる不快感の強さを示す不快度とを対応付けた介入方法情報と、前記対象者に対して実施された介入の履歴を示す介入履歴情報とを参照し、
前記対象者に対して前回実施された介入における介入方法よりも不快度が低い介入方法と対応する介入情報を出力する、処理をコンピュータに実行させる、介入支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介入支援方法、介入支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、対象者に対する行動変容と習慣化を支援する技術や、健診を受けた受診者に対して行う健康指導を支援する技術等が知られている。具体的には、例えば、予定の指導内容と同じ指導内容が過去の指導内容の中に有る場合に、警告情報を表示させることで、指導者が、意図的に過去と同じ内容の指導を行えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-163521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対象者に対し、行動変容を促すための介入を行う際に、過去と同じ内容の介入を行った場合、過去の介入の内容が対象者にとって不快なものであると、対象者が介入を拒否する可能性が高くなる。
【0005】
1つの側面では、本発明は、対象者に受け入れられやすい介入の実施を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、コンピュータによる介入支援方法であって、前記コンピュータが、
記憶部に格納された、行動変容を促す介入を行う際の介入方法と対象者が前記介入方法に対して感じる不快感の強さを示す不快度とを対応付けた介入方法情報と、前記対象者に対して実施された介入の履歴を示す介入履歴情報とを参照し、
前記対象者に対して前回実施された介入における介入方法よりも不快度が低い介入方法と対応する介入情報を出力する。
【0007】
上記各手順は、上記手順の機能を実現する各部としても良く、各手順をコンピュータに実行させるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体とすることもできる。
【発明の効果】
【0008】
対象者に受け入れられやすい介入の実施を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一の実施形態の介入支援システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】介入支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】第一の実施形態のユーザ状態データベースの一例を示す図である。
図4】第一の実施形態の介入方法データベースの一例を示す図である。
図5】第一の実施形態の介入履歴データベースの一例を示す図である。
図6】第一の実施形態の介入制御部の機能構成を説明する図である。
図7】第一の実施形態の介入支援装置の動作を示すフローチャートである。
図8】第一の実施形態の介入制御部の処理を説明する図である。
図9】第二の実施形態の介入方法データベースの一例を示す図である。
図10】第二の実施形態の介入制御部の機能構成を説明する図である。
図11】第二の実施形態の介入支援装置の動作を示すフローチャートである。
図12】第二の実施形態の介入制御部の処理を説明する図である。
図13】第三の実施形態の介入方法データベースの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して、第一の実施形態について説明する。図1は、第一の実施形態の介入支援システムのシステム構成について説明する図である。
【0011】
本実施形態の介入支援システム100は、介入支援装置200と端末装置300とを含み、介入支援装置200と端末装置300は、ネットワークを介して接続される。
【0012】
本実施形態の介入支援装置200は、端末装置300のユーザの状態に応じて、端末装置300に対し、ユーザの行動変容を促すための情報を出力する。
【0013】
本実施形態において、介入支援装置200が、端末装置300に対して、行動変容を促す情報を出力することは、端末装置300のユーザ(対象者)に対する介入の一例である。
【0014】
なお、以下の説明では、対象者に対して行動を変えるための情報を提供することを、対象者に対して介入を実施する、と表現する場合がある。また、本実施形態において、対象者とは、端末装置300のユーザであってよく、行動変容を促す対象となる人物である。また、以下の説明では、ユーザの行動変容を促すために端末装置300に出力される情報を、介入情報と表現する場合がある。
【0015】
本実施形態では、対象者が行動を変えた後に、その行動が定着して維持されるように、継続的に対象者に対する介入を実施する。具体的には、介入支援装置200は、端末装置300のユーザの状態に応じて、継続的に、介入情報を端末装置300に出力する。
【0016】
このとき、本実施形態の介入支援装置200は、端末装置300のユーザの不快感が増大しないように介入情報を選択し、端末装置300に出力する。
【0017】
本実施形態の介入支援装置200は、ユーザ状態データベース210、介入方法データベース220、介入履歴データベース230、介入制御部240を有する。
【0018】
ユーザ状態データベース210は、人が行動(生活習慣)を変える場合に通る5つのステージのうちの、現在のユーザのステージを示すユーザ状態情報が格納される。介入方法データベース220は、行動の種類毎の介入方法を示す介入方法情報が格納される。なお、介入方法情報は、介入方法に対してユーザが感じる不快感の強さを示す不快度と、介入情報とを含む。介入履歴データベース230は、ユーザに対して行われた過去の介入に関する介入履歴情報が格納される。
【0019】
介入制御部240は、ユーザ状態データベース210、介入方法データベース220、介入履歴データベース230を参照し、端末装置300のユーザの状態に応じた介入情報であって、且つ、前回端末装置300に出力された介入情報よりもユーザを不快にさせる可能性が低い介入情報を特定し、端末装置300に表示させる。
【0020】
具体的には、介入制御部240は、ユーザの状態に応じた介入情報であって、且つ、前回端末装置300に出力された介入情報よりも不快度が低い介入情報を特定し、端末装置300に表示させる。
【0021】
端末装置300は、例えば、対象者が所持しているスマートフォンやタブレット型端末等であってよい。
【0022】
本実施形態では、このように、前回ユーザに対して提示された介入情報よりも、ユーザを不快にさせる可能性が低い介入情報を表示させることで、対象者に対して受け入れられやすい介入の実施を支援することができる。
【0023】
なお、図1の例では、ユーザ状態データベース210、介入方法データベース220、介入履歴データベース230が介入支援装置200に設けられるものとしたが、これに限定されない。ユーザ状態データベース210、介入方法データベース220、介入履歴データベース230は、全部又は一部が介入支援装置200と通信が可能な外部装置に設けられていてよい。
【0024】
また、図1の例では、介入支援システム100に含まれる端末装置300は1台としているが、これに限定されない。介入支援システム100に含まれる端末装置300の台数は任意であってよい。
【0025】
また、図1の例では、介入制御部240は、介入支援装置200が有するものとしたが、これに限定されない。介入支援装置200は、複数の情報処理装置であってよく、介入制御部240は、複数の情報処理装置によって実現されてよい。
【0026】
次に、図2を参照して、介入支援装置200のハードウェア構成について説明する。図2は、介入支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0027】
本実施形態の介入支援装置200は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置21、出力装置22、ドライブ装置23、補助記憶装置24、メモリ装置25、演算処理装置26及びインタフェース装置27を含むコンピュータである。
【0028】
入力装置21は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現されてよい。出力装置22は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インタフェース装置27は、LANカード等を含み、ネットワークに接続するために用いられる。
【0029】
介入支援装置200が有する介入制御部240を実現させる介入支援プログラムは、介入支援装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。介入支援プログラムは、例えば、記録媒体28の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。介入支援プログラムを記録した記録媒体28は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0030】
記録媒体28に記録された介入支援プログラムは、介入支援プログラムを記録した記録媒体28がドライブ装置23にセットされると、記録媒体28からドライブ装置23を介して補助記憶装置24にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた介入支援プログラムは、インタフェース装置27を介して補助記憶装置24にインストールされる。
【0031】
ユーザ状態データベース210、介入方法データベース220、介入履歴データベース230を実現する補助記憶装置24は、介入支援装置200にインストールされた介入支援プログラムを格納すると共に、介入支援装置200による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置25は、介入支援装置200の起動時に補助記憶装置24から介入支援プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置26はメモリ装置25に格納された介入支援プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0032】
次に、図3乃至図5を参照して、本実施形態の各データベースについて説明する。図3は、第一の実施形態のユーザ状態データベースの一例を示す図である。本実施形態のユーザ状態データベース210は、情報の項目として、ユーザIDとユーザ状態を含み、両者は対応付けられている。
【0033】
項目「ユーザID」の値は、端末装置300のユーザを特定するための識別情報である。言い換えれば、項目「ユーザID」の値は、ユーザと紐付けられた端末装置300を特定するための識別情報である。
【0034】
項目「ユーザ状態」の値は、人が行動(生活習慣)を変える場合に通る5つのステージのうちの、現在のユーザのステージを示す。
【0035】
本実施形態におけるユーザ状態情報は、ユーザ状態データベース210において、項目「ユーザID」の値と、項目「ユーザ状態」の値とが対応付けられた情報である。
【0036】
ここで、人が行動(生活習慣)を変える場合に通る5つのステージについて説明する。近年では、人が行動を変える場合に、「無関心期」、「関心期」、「準備期」「実行期」、「維持期」の5つのステージを通ると考えられている。
【0037】
そこで、本実施形態では、項目「ユーザの状態」の値を、この5つのステージの何れかで示すものとした。
【0038】
なお、「無関心期」とは、例えば、6ヶ月以内に行動を変えようと思っていない状態であり、「関心期」とは、例えば、6ヶ月以内に行動を変えようと思っている状態である。また、「準備期」とは、例えば、1ヶ月以内に行動を変えようと思っている状態であり、「実行期」とは、例えば、行動を変えて6ヶ月未満である状態であり、「維持期」とは、例えば、行動を変えて6ヶ月以上が経過した状態である。
【0039】
本実施形態において、ユーザの状態は、予めアンケート等よって判定されていてもよいし、ユーザに生体センサ等を装着させて、ユーザの状態を判定してもよい。ユーザ状態データベース210において、項目「ユーザ状態」の値は、予め格納されており、任意のタイミングで更新されてよい。
【0040】
図4は、第一の実施形態の介入方法データベースの一例を示す図である。本実施形態の介入方法データベース220は、対象者に対して促す行動の種類毎に設けられる。介入方法データベース220は、情報の項目として、行動の種類、介入ID、介入方法、介入内容、ユーザ状態、不快度を含む。
【0041】
本実施形態において、介入方法情報は、介入方法データベース220における各項目の値を含む。
【0042】
項目「行動の種類」の値は、対象者に対して促す行動の種類を示す。図4の例では、項目「行動の種類」の値は、「歩く」である。項目「介入ID」の値は、介入方法情報を特定するための識別情報である。項目「介入方法」の値は、介入の仕方を示す。
【0043】
項目「介入内容」の値は、端末装置300に出力する情報の内容を示す。言い換えれば、項目「介入内容」の値は、端末装置300に出力される介入情報である。本実施形態の項目「介入内容」の値は、歩行を促すだけでなく、健康に関する知識の紹介、散歩の楽しみ方、習慣化できた方の体験談など、様々な内容が含まれてよい。また、項目「介入内容」の値には、「介入なし」が含まれてもよい。
【0044】
項目「ユーザ状態」の値は、人が行動(生活習慣)を変える場合に通る5つのステージのうちの何れかを示す。項目「不快度」の値は、介入方法に対してユーザが感じる不快感の強さを示す指標値である。
【0045】
本実施形態において、項目「不快度」の値は、予め導出されて、介入方法データベース220に格納されていてよい。項目「不快度」の値は、例えば、介入内容に関するアンケート等の集計結果に基づき導出されてもよいし、対象者が介入に呼応して行動を変えたか否かを示す情報を保持しておき、この情報に基づき導出されてもよい。
【0046】
図5は、第一の実施形態の介入履歴データベースの一例を示す図である。本実施形態の介入履歴データベース230は、端末装置300に対して介入情報が出力される度に更新されてよい。
【0047】
本実施形態の介入履歴データベース230は、情報の項目として、日時、ユーザID、介入IDを含み、それぞれが対応付けられている。本実施形態の介入履歴情報は、介入履歴データベース230において対応付けられた各項目の値を含む。なお、介入履歴データベース230は、ユーザID毎に設けられていてよい。
【0048】
項目「日時」の値は、端末装置300のユーザに対する介入が行われた日時を示す。具体的には、項目「日時」の値は、介入支援装置200が端末装置300に対して介入情報を出力した日時であってよい。
【0049】
項目「ユーザID」は、ユーザを特定する識別情報であり、項目「介入ID」の値は、ユーザIDで特定されるユーザに対して行われた介入方法を特定する識別情報であり、言い換えれば、項目「介入ID」の値は、端末装置300に出力された介入情報を特定する識別情報である。
【0050】
次に、図6を参照して、本実施形態の介入支援装置200の有する介入制御部240の機能について説明する。図6は、第一の実施形態の介入制御部の機能構成を説明する図である。
【0051】
本実施形態の介入制御部240は、候補選出部241、介入方法決定部242、出力部243、履歴更新部244を含む。
【0052】
候補選出部241は、端末装置300のユーザの状態に基づき、ユーザに対しておこなわれる介入方法の候補を選出する。介入方法決定部242は、選出された介入方法毎の不快度に応じて、候補選出部241により選出された介入方法から、ユーザに対して行う介入方法を決定する。出力部243は、介入方法決定部242により決定された介入方法と対応する介入情報を端末装置300に出力する。履歴更新部244は、出力部243により出力された介入情報に基づき、介入履歴データベース230を更新する。
【0053】
次に、図7を参照して、本実施形態の介入支援装置200の動作について説明する。図7は、第一の実施形態の介入支援装置の動作を示すフローチャートである。
【0054】
なお、図7の処理は、定期的に実行されてよい。具体的には、例えば、図7の処理は、1日1回、決まった時間に実行されてよい。また、本実施形態では、図7の処理は、ユーザ状態データベース210に格納されているユーザID毎に実行されてよい。
【0055】
本実施形態の介入支援装置200の介入制御部240は、候補選出部241により、ユーザ状態データベース210、介入方法データベース220を参照し、ユーザ状態データベース210に格納されているユーザIDと対応するユーザ状態に応じた介入方法の候補を選出する(ステップS701)。
【0056】
続いて、介入制御部240は、介入方法決定部242により、選出された介入情報の中から、前回実施した介入における介入方法よりも不快度の低い介入方法を、ユーザに対して実施する介入方法に特定する(ステップS702)。続いて、介入制御部240は、出力部243により、特定された介入方法と対応する介入情報を端末装置300に出力する(ステップS703)。
【0057】
続いて、介入制御部240は、履歴更新部244により、介入履歴データベース230を更新する(ステップS704)。
【0058】
なお、本実施形態では、ステップS702において、前回実施した介入における介入方法よりも不快度の低い介入方法が複数存在する場合には、前回実施した介入における介入方法と介入内容が類似する介入方法や、前回実施した介入と同一の介入方法を除外してもよい。
【0059】
つまり、介入制御部240は、選定された介入方法の候補のうち、前回実施した介入における介入方法よりも不快度の低く、且つ、介入内容が前回実施した介入における介入方法と介入内容が類似していない介入方法を、実施する介入方法に特定してもよい。
【0060】
この場合、介入制御部240は、介入内容である文章の文ベクトルを算出し、文ベクトル同士を比較することで、2つの介入方法が類似しているか否かを判定してもよい。
【0061】
本実施形態では、このようにして、介入方法を特定することで、内容が類似する介入情報が繰り返しユーザに提示されることを抑制できる。
【0062】
以下に、図8を参照して、本実施形態の介入制御部240の処理について具体的に説明する。図8は、第一の実施形態の介入制御部の処理を説明する図である。図8では、縦軸を不快度とし、横軸を時間としている。
【0063】
また、図8では、介入が行われるユーザを、ユーザID「1001」で特定されるユーザとし、ユーザに対して促す行動の種類を「歩く」とした場合に、ユーザと紐付けられた端末装置300に対して介入情報を出力する処理について説明する。
【0064】
図8において、タイミングT11は、ユーザに対して初めて介入を行ったタイミングを示す。このとき、介入制御部240は、候補選出部241により、項目「行動の種類」の値が「歩く」である介入方法データベース220を参照し、項目「ユーザ状態」の値が「準備期」である介入方法を、介入方法の候補を選出する(図3参照)。
【0065】
ここでは、介入方法の候補として、介入ID「介入A」の「血液に関する知識提供」、介入ID「介入B」の「筋力に関する知識提供」、介入ID「介入Y」の「正しい歩き方の指導」が、選出される(図4参照)。
【0066】
ここで、タイミングT11では、前回ユーザに対して実施された介入は存在しない。この場合、介入制御部240は、例えば、選出された介入方法の候補の中で、最も不快度が高い介入方法を特定し、特定された介入方法と対応する介入情報を端末装置300に出力してもよい。また、介入制御部240は、例えば、選出された介入方法の候補の中から任意の介入方法を特定し、特定された介入方法と対応する介入情報を端末装置300に出力してもよい。
【0067】
ここで、介入ID「介入A」で特定される介入方法の不快度は「7」であり、介入ID「介入B」で特定される介入方法の不快度は「5」であり、介入ID「介入Y」で特定される介入方法の不快度は「3」である。したがって、タイミングT11では、介入ID「介入A」で特定される介入方法が特定され、介入ID「介入A」と対応する介入内容が、介入情報として端末装置300に出力される。
【0068】
図8において、タイミングT12は、ユーザに対して2回目に介入を行ったタイミングを示す。ここでも、介入制御部240は、介入方法の候補として、介入ID「介入A」の「血液に関する知識提供」、介入ID「介入B」の「筋力に関する知識提供」、介入ID「介入Y」の「正しい歩き方の指導」を、選出する(図4参照)。
【0069】
また、介入制御部240は、介入履歴データベース230を参照し、ユーザID「1001」で特定されるユーザと紐付けられた端末装置300に対して前回出力された介入情報を特定する。
【0070】
ここでは、介入ID「介入A」と対応付けられた介入情報が、前回出力された介入情報に特定される(図5参照)。
【0071】
次に、介入方法決定部242は、選出された介入方法の候補の中から、介入ID「介入A」の不快度よりも不快度が低い介入方法を特定する。
【0072】
したがって、介入制御部240は、介入方法の候補の中から、介入ID「介入A」で特定される介入方法を除外し、且つ、不快度が介入ID「介入A」で特定される介入方法の不快度より小さい介入方法を特定する。
【0073】
ここでは、介入ID「介入B」で特定される介入方法と、介入ID「介入Y」で特定される介入方法の両方が、介入ID「介入A」で特定される介入方法よりも不快度が低い。この場合、介入制御部240は、不快度が大きい介入方法を特定してよい。
【0074】
したがって、介入方法決定部242は、介入ID「介入B」と対応する介入情報を、端末装置300に出力する介入情報に決定する。
【0075】
また、本実施形態では、介入ID「介入B」で特定される介入方法と、介入ID「介入Y」で特定される介入方法の両方と対応する介入内容を含む介入情報を端末装置300に出力してもよい。言い換えれば、介入制御部240は、前回実施された介入方法よりも不快度が低い介入方法を全て実施してもよい。
【0076】
図8において、タイミングT13は、ユーザに対して3回目に介入を行ったタイミングを示す。ここでも、介入制御部240は、介入方法の候補として、介入ID「介入A」の「血液に関する知識提供」、介入ID「介入B」の「筋力に関する知識提供」、介入ID「介入Y」の「正しい歩き方の指導」を選出する。
【0077】
また、介入制御部240は、介入履歴データベース230を参照し、介入ID「介入B」で特定される介入方法を、端末装置300に対して実施されて介入方法に特定する。そして、介入制御部240は、介入ID「介入B」で特定される介入方法よりも不快度の低い介入方法として、介入ID「介入Y」で特定される介入方法を特定し、介入ID「介入Y」と対応する介入内容を介入情報として端末装置300に出力する。
【0078】
なお、介入制御部240は、前回実施された介入方法が複数存在する場合には、前回実施された複数の介入方法のうち、最も不快度が高い介入方法よりも不快度が低なるように、介入方法を特定してもよい。また、介入制御部240は、前回実施された複数の介入方法のうち、最も不快度が低い介入方法よりも不快度が低なるように、介入方法を特定してもよいし、前回実施された複数の介入方法の不快度の平均値よりも不快度が低なるように、介入方法を特定してもよい。
【0079】
本実施形態では、このように、前回介入を行ったときの介入内容よりも不快度の低い介入内容で介入を実施するため、対象者に受け入れられやすい介入の実施を支援できる。
【0080】
なお、本実施形態では、例えば、介入方法決定部242において、不快度の初期値を予め設定していてもよい。そして、本実施形態では、介入方法決定部242は、ユーザに対して初めて介入を実施する場合には、候補選出部241により選出された介入方法の候補の中から、不快度が初期値以下となる介入方法と対応する介入情報を端末装置300に出力してもよい。
【0081】
また、本実施形態では、介入方法決定部242は、候補選出部241により選出された介入方法の候補の中に、前回の介入方法よりも不快度が低い介入方法が存在しない場合には、次の介入からは、初期値以下となるように、介入方法を決定してもよい。
【0082】
このようにすることで、前回の介入方法よりも不快度が低い介入方法が存在しない、という理由で、ユーザに対する介入が休止されることを防止できる。
【0083】
また、本実施形態では、介入方法毎の不快度は、予め設定されているものとしたが、これに限定されない。本実施形態の不快度は、例えば、介入内容が、ユーザに対して行動を強要するような内容であるか否か、大幅な行動の変化を要求する内容であるか、ユーザが好むことを妨害する内容であるか、感情に訴える内容であるか又は理論的な内容であるか、等に応じて自動的に算出されてもよい。
【0084】
例えば、本実施形態では、行動を強要する内容や、大幅な行動の変化を要求する内容や、ユーザが好むことを妨害する内容であるほど、不快度が高まるようにしてもよい。
【0085】
(第二の実施形態)
以下に、図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、介入方法を決定する際に、介入方法の不快度と、前回行われた介入方法との類似度とを用いる点が、第一の実施形態と相違する。以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0086】
図9は、第二の実施形態の介入方法データベースの一例を示す図である。本実施形態の介入方法データベース220Aは、介入方法データベース220と、類似度データベース221とを含む。
【0087】
類似度データベース221は、介入方法データベース220に格納された各介入方法情報が示す介入方法同士の類似度が格納される。介入方法同士の類似度とは、各介入方法情報に含まれる介入内容が示す文章同士の類似の度合いを示す値である。
【0088】
類似度データベース221では、類似度の最大値を「5」としている。図9の例では、介入ID「介入A」で特定される介入方法情報に含まれる介入内容と、介入ID「介入B」で特定される介入方法情報に含まれる介入内容との類似度は「4」であり、介入ID「介入A」で特定される介入方法情報に含まれる介入内容と、介入ID「介入Y」で特定される介入方法情報に含まれる介入内容との類似度は「1」である。
【0089】
図10は、第二の実施形態の介入制御部の機能構成を説明する図である。本実施形態の介入制御部240Aは、候補選出部241、介入方法決定部242A、出力部243、履歴更新部244、指標算出部245を含む。
【0090】
指標算出部245は、候補選出部241により選出された介入方法の候補について、各介入方法の不快度と、前回行われた介入における介入内容と介入方法の候補毎の介入内容との類似度と、に基づき、介入方法の候補毎の、ユーザによる拒否されやすさを示す指標値を算出する。
【0091】
介入方法の候補毎の拒否されやすさを示す指標値とは、言い換えれば、介入方法の候補毎の、ユーザにより介入が拒否される可能性の高さを示す指標値である。
【0092】
本実施形態の指標算出部245は、例えば、介入方法の候補の不快度と、前回行われた介入における介入方法と介入方法の候補との類似度とを加算した値を、指標値として算出する。指標算出部245の処理の詳細は後述する。
【0093】
なお、ユーザが介入を拒否することとは、例えば、ユーザが端末装置300に対する介入情報の表示を禁止すること、ユーザが端末装置300に表示された介入情報を直ちに消去すること、ユーザが端末装置300に表示された介入情報を無視すること等を含む。
【0094】
介入方法決定部242Aは、候補選出部241により選出された介入方法の候補の中から、指標算出部245が算出した指標値に基づき、ユーザに対して行う介入方法を決定する。具体的には、介入方法決定部242Aは、指標算出部245が算出した指標値が、予め設定された閾値未満となる介入方法を特定する。つまり、介入方法決定部242は、選出された介入方法の候補の中から、ユーザに拒否される可能性の低い介入方法を特定する。
【0095】
図11は、第二の実施形態の介入支援装置の動作を示すフローチャートである。本実施形態の介入制御部240Aは、候補選出部241により、ユーザ状態データベース210、介入方法データベース220Aを参照し、ユーザ状態データベース210に格納されているユーザIDと対応するユーザ状態に応じた介入方法の候補を選出する(ステップS1101)。
【0096】
続いて、介入制御部240Aは、指標算出部245により、ステップS1101で選定された介入方法毎の指標値を算出する(ステップS1102)。続いて、介入制御部240Aは、介入方法決定部242Aにより、介入方法の候補毎の指標値と、閾値とを比較する(ステップS1103)。
【0097】
続いて、介入制御部240Aは、指標値が閾値以下となる候補が存在するか否かを判定する(ステップS1104)。ステップS1104において、指標値が閾値以下となる候補が存在しない場合、介入制御部240Aは、処理を終了する。
【0098】
ステップS1104において、指標値が閾値以下となる候補が存在する場合、出力部243は、該当する候補のそれぞれと対応する介入内容を含む介入情報を端末装置300に出力する(ステップS1105)。
【0099】
続いて、介入制御部240Aは、履歴更新部244により、介入履歴データベース230を更新し(ステップS1106)、処理を終了する。
【0100】
以下に、図12を参照して、介入制御部240Aの処理について、具体的に説明する。図12は、第二の実施形態の介入制御部の処理を説明する図である。図12では、縦軸を指標値とし、横軸を時間としている。図12では、介入が行われるユーザを、ユーザID「1001」で特定されるユーザとし、ユーザに対して促す行動の種類を「歩く」とし、指標値に対して予め設定された閾値を「7」とした場合に、ユーザと紐付けられた端末装置300に対して介入情報を出力する処理について説明する。
【0101】
図12において、タイミングT1は、ユーザに対して初めて介入を行ったタイミングを示す。このとき、介入制御部240Aは、介入方法の候補として、介入ID「介入A」で特定される介入方法を選定し、この介入方法の指標値を算出する。ここで、タイミングT1では、前回に行われた介入が存在しない。
【0102】
このため、介入制御部240Aは、前回行われた介入における介入方法と介入方法の候補との類似度を「0」として、指標値を算出する。
【0103】
具体的には、指標値は、介入ID「介入A」で対応する不快度「5」と、「0」とを加算した値「5」となる。
【0104】
そして、この指標値は、閾値「7」以下であるため、介入制御部240Aは、この介入方法と対応する介入情報を端末装置300に出力する。言い換えれば、介入制御部240Aは、タイミングT1において、ユーザに対して、介入ID「介入A」で特定される介入方法による介入を実施する。そして、介入制御部240Aは、介入履歴データベース230を更新する。
【0105】
図12において、タイミングT2は、ユーザに対して2回目に介入を行ったタイミングを示す。このとき、介入制御部240Aは、介入方法の候補として、介入ID「介入Z」で特定される介入方法を選定し、この介入方法の指標値を算出する。
【0106】
ここで、介入制御部240Aは、介入履歴データベース230を参照し、前回の介入において実施された介入方法を特定する。ここでは、前回の介入において実施された介入方法として、介入ID「介入A」で特定される介入方法が特定される。
【0107】
次に、介入制御部240Aは、介入方法データベース220Aの類似度データベース221を参照し、介入ID「介入A」で特定される介入方法と、介入方法の候補である介入ID「介入Z」で特定される介入方法との類似度「1」を取得する。そして、介入制御部240Aは、介入方法の候補である介入ID「介入Z」で特定される介入方法の不快度「1」と、類似度「1」とを加算して、指標値とする。タイミングT2において算出された指標値は、「2」であり、閾値以下である。
【0108】
したがって、介入制御部240Aは、この介入方法と対応する介入情報を端末装置300に出力する。言い換えれば、介入制御部240Aは、タイミングT2において、ユーザに対して、介入ID「介入Z」で特定される介入方法による介入を実施する。そして、介入制御部240Aは、介入履歴データベース230を更新する。
【0109】
なお、タイミングT2において、複数の介入方法の候補が選定された場合には、介入制御部240Aは、各候補について、指標値を算出すればよい。そして、介入制御部240Aは、各候補について算出された指標値を、それぞれ閾値と比較し、指標値が閾値以下となる全ての介入方法の候補を、タイミングT2においてユーザに対して実施する介入の介入方法としてもよい。この場合、端末装置300には、複数の介入内容を含む介入情報が表示されてよい。また、介入制御部240Aは、ユーザに対して実施された介入の介入方法は、全て介入履歴データベース230に格納してよい。
【0110】
図12において、タイミングT3は、ユーザに対して3回目に介入を行ったタイミングを示す。このとき、介入制御部240Aは、介入方法の候補として、介入ID「介入A」で特定される介入方法を選定し、この介入方法の指標値を算出する。
【0111】
ここで、前回の介入において実施された介入方法は、介入ID「介入Z」で特定される介入方法である。したがって、介入制御部240Aは、介入ID「介入A」で特定される介入方法と、介入方法の候補である介入ID「介入Z」で特定される介入方法との類似度「1」を取得する。そして、介入制御部240Aは、介入方法の候補である介入ID「介入A」で特定される介入方法の不快度「5」と、類似度「1」とを加算して、指標値とする。タイミングT3において算出された指標値は、「6」であり、閾値以下である。
【0112】
したがって、介入制御部240Aは、タイミングT3において、ユーザに対して、介入ID「介入A」で特定される介入方法による介入を実施する。そして、介入制御部240Aは、介入履歴データベース230を更新する。
【0113】
また、図12において、タイミングTmは、ユーザに対してm回目に介入を行ったタイミングを示す。このとき、介入方法の候補として、介入ID「介入B」で特定される介入方法が選定されている。また、前回図11の処理を実行した際に介入は実施されていない。
【0114】
したがって、介入制御部240Aは、介入方法の候補である介入ID「介入B」で特定される介入方法と前回の介入方法との類似度「0」を取得する。そして、介入制御部240Aは、介入方法の候補である介入ID「介入B」で特定される介入方法の不快度「5」と、類似度「0」とを加算して、指標値とする。タイミングTmにおいて算出された指標値は、「5」であり、閾値以下である。
【0115】
したがって、介入制御部240Aは、タイミングTmにおいて、ユーザに対して、介入ID「介入B」で特定される介入方法による介入を実施する。そして、介入制御部240Aは、介入履歴データベース230を更新する。
【0116】
また、図12において、タイミングTnは、ユーザに対してn回目に介入を行ったタイミングを示す。このとき、介入方法の候補として、介入ID「介入A」で特定される介入方法が選定されており、前回の介入において実施された介入方法は、介入ID「介入B」で特定される介入方法である。
【0117】
したがって、介入制御部240Aは、介入ID「介入B」で特定される介入方法と、介入方法の候補である介入ID「介入A」で特定される介入方法との類似度「4」を取得する。そして、介入制御部240Aは、介入方法の候補である介入ID「介入A」で特定される介入方法の不快度「5」と、類似度「4」とを加算して、指標値とする。タイミングTnにおいて算出された指標値は、「9」であり、閾値より大きい。
【0118】
このため、介入制御部240Aは、タイミングTnにおける介入は実施しない。
【0119】
本実施形態では、このように、ユーザの状態に応じて選出された介入方法の候補の不快度と、前回実施された介入における介入方法と選出された介入方法の候補との類似度と、に応じて、候補として選出された介入方法による介入を実施したときの拒否されやすさを求める。
【0120】
本実施形態では、選出された介入方法の候補は、不快度が高く、且つ、介入内容が前回実施された介入方法と対応する介入内容と似ているほど、ユーザに拒否される可能性が高い介入方法となる。さらに、本実施形態では、指標値が閾値より大きく場合には、介入を実施しない。
【0121】
本実施形態では、このようにして、ユーザに対して介入を実施するか否かを判定するため、前回実施された不快度の高い介入と類似した内容の介入が続けて実施されることを回避できる。したがって、本実施形態によれば、不快度の高い介入が実施された後には、ユーザの不快感を緩和させるための期間を設けることができる。ユーザの不快感を緩和させるための期間とは、ユーザに対して介入を行わない期間である。
【0122】
また、本実施形態では、候補として選出された介入方法が不快度の高いものであっても、前回の介入と内容が類似していない場合には、ユーザに対して介入が実施される。
【0123】
このため、本実施形態では、ユーザに行動変容を拒否されることを回避しつつ、ときにはユーザにとって不快な介入を実施する。したがって、本実施形態では、ユーザの不快感を緩和するための期間が長くなりすぎることを抑制し、継続的にユーザに対して介入を実施することができる。
【0124】
(第三の実施形態)
以下に、図面を参照して、第三の実施形態について説明する。第三の実施形態では、前回実施された介入方法と選出された介入方法との類似度をコサイン類似度とした点が、第二の実施形態と相違する。よって、以下の第三の実施形態では、第二の実施形態との相違点について説明し、第二の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第二の実施形態の説明で用いた符号を付与し、その説明を省略する。
【0125】
図13は、第三の実施形態の介入方法データベースの一例を示す図である。本実施形態の介入方法データベース220Bは、情報の項目として、行動の種類、介入ID、介入方法、介入内容、文ベクトル、ユーザ状態、不快度を含む。
【0126】
項目「文ベクトル」の値は、項目「介入内容」の値である自然言語の文章を数値化し、文章の特徴を表現したものである。
【0127】
本実施形態において、介入制御部240Aは、介入方法の候補が選出されると、選出された介入方法と対応する文ベクトルの値を取得する。また、介入制御部240Aは、前回実施された介入方法と対応する文ベクトルの値を取得する。次に、介入制御部240Aは、取得した2つの文ベクトルのコサイン類似度を算出する。
【0128】
そして、介入制御部240Aは、前回実施された介入方法の不快度と算出された類似度とを加算した値を指標値とし、指標値が予め設定された閾値以下である場合に、候補として選出された介入方法による介入を実施する。なお、本実施形態では、類似度の最大値は1.0となるため、閾値は0.8等に設定されていてよい。
【0129】
なお、第二の実施形態及び第三の実施形態において説明した指標値の算出の仕方は、一例であり、これに限定されない。
【0130】
例えば、指標値は、介入方法の候補と対応する不快度と、前回実施された介入における介入方法の不快度とを加算した値であってもよい。また、指標値は、介入方法の候補と対応する不快度と、前回実施された介入における介入方法と対応する指標値と、を用いて算出された値であってもよい。この場合、介入制御部240Aは、介入が実施されると、介入履歴データベース230に対応する指標値を格納してもよい。
【0131】
また、指標値は、前々回実施された介入における介入方法と介入方法の候補との類似度、前回実施された介入における介入方法と介入方法の候補との類似度、介入を実施している頻度等を用いて算出された値であってもよい。
【0132】
さらに、指標値は、過去の所定期間において実施された介入が考慮された値となるように、算出されてもよい。
【0133】
例えば、指標値は、介入方法の候補と対応する不快度と、介入方法の候補と過去1週間以内に実施された介入における介入方法との類似度の累積値とを加算した値であってもよい。また、指標値は、介入方法の候補と対応する不快度と、介入方法の候補と過去3日以内に実施された介入における介入方法との類似度の最大値とを加算した値であってもよい。
【0134】
また、指標値は、介入方法の候補と対応する不快度と、介入方法の候補と過去1日以内に実施された介入における介入方法との類似度の平均値とを加算した値であってもよい。
【0135】
また、指標値は、介入方法の候補と対応する不快度と、過去1週間以内に実施された介入における介入方法の不快度の平均値とを加算した値であってもよい。また、指標値は、介入方法の候補と対応する不快度と、過去3日以内に実施された介入における介入方法の不快度の最大値とを加算した値であってもよい。また、指標値は、介入方法の候補と対応する不快度と、過去1日以内に実施された介入における介入方法の不快度の累積値とを加算した値であってもよい。また、指標値は、介入方法の候補と対応する不快度と、過去3日以内に実施された介入における介入方法の指標値の最大値とを加算した値であってもよい。
【0136】
また、指標値は、介入が実施される頻度が考慮された値となるように算出されてもよい。指標値は、介入方法の候補と対応する不快度と、過去1日以内に実施された介入の頻度に重み付けをした値とを加算した値であってもよい。また、指標値は、介入方法の候補と対応する不快度と、過去3日以内に実施された介入の頻度に重み付けをした値とを加算した値であってもよい。
【0137】
この場合、指標値は、所定期間に実施される介入の頻度が高いほど、値が大きくなるものとした。また、本実施形態では、指標値が閾値より大きくなると、介入が実施されない。したがって、本実施形態では、所定期間の間に実施される介入の頻度を制限することができる。
【0138】
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
コンピュータによる介入支援方法であって、前記コンピュータが、
記憶部に格納された、行動変容を促す介入を行う際の介入方法と対象者が前記介入方法に対して感じる不快感の強さを示す不快度とを対応付けた介入方法情報と、前記対象者に対して実施された介入の履歴を示す介入履歴情報とを参照し、
前記対象者に対して前回実施された介入における介入方法よりも不快度が低い介入方法と対応する介入情報を出力する、介入支援方法。
(付記2)
前記介入方法情報において、前記介入方法と前記対象者とが対応付けられており、
前記コンピュータが、
前記対象者の状態と対応した前記介入方法の候補を選出し、
前記選出された前記候補から、前記対象者に対して前回実施された介入における介入方法よりも不快度が低い介入方法を特定する、付記1記載の介入支援方法。
(付記3)
前記コンピュータは、
前記候補から、前記実施された介入における介入方法と類似する介入方法を除外する、付記2記載の介入支援方法。
(付記4)
コンピュータによる介入支援方法であって、前記コンピュータが、
記憶部に格納された、行動変容を促す介入を行う際の介入方法と対象者の状態とが対応付けられた介入方法情報を参照して、前記対象者の状態に応じた介入方法の候補を選出し、
前記介入方法の候補について、前記対象者による拒否されやすさを示す指標値を算出し、
前記指標値が閾値以下となる前記介入方法の候補と対応する介入情報を出力する、介入支援方法。
(付記5)
前記介入方法情報において、前記介入方法は、前記対象者が前記介入方法に対して感じる不快感の強さを示す不快度と対応付けられており、
前記指標値は、
前記介入方法の候補と対応する不快度と、前記介入方法の候補と前記対象者に対して前回実施された介入における介入方法との類似度と、を用いて算出される、付記4記載の介入支援方法。
(付記6)
記憶部に格納された、行動変容を促す介入を行う際の介入方法と対象者が前記介入方法に対して感じる不快感の強さを示す不快度とを対応付けた介入方法情報と、前記対象者に対して実施された介入の履歴を示す介入履歴情報とを参照し、
前記対象者に対して前回実施された介入における介入方法よりも不快度が低い介入方法と対応する介入情報を出力する、処理をコンピュータに実行させる、介入支援プログラム。
(付記7)
記憶部に格納された、行動変容を促す介入を行う際の介入方法と前記対象者の状態とが対応付けられた介入方法情報を参照して、前記対象者の状態に応じた記介入方法の候補を選出し、
前記介入方法の候補について、前記対象者による拒否されやすさを示す指標値を算出し、
前記指標値が閾値以下となる前記介入方法の候補と対応する介入情報を出力する、処理をコンピュータに実行させる、介入支援プログラム。
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0139】
100 介入支援システム
200 介入支援装置
210 ユーザ状態データベース
220 介入方法データベース
230 介入履歴データベース
240、240A 介入制御部
241 候補選出部
242 介入方法決定部
243 出力部
244 履歴更新部
300 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13