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特開2024-106618切り替え方法、再放送システムおよび再放送装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106618
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】切り替え方法、再放送システムおよび再放送装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/242 20110101AFI20240801BHJP
   H04N 21/27 20110101ALI20240801BHJP
   H04H 20/18 20080101ALI20240801BHJP
【FI】
H04N21/242
H04N21/27
H04H20/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010983
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】菊田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 颯人
(72)【発明者】
【氏名】山田 正寿
(72)【発明者】
【氏名】岩本 昌也
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164FA05
5C164SA11S
5C164SB10P
5C164SD21P
5C164TA05S
5C164TA08S
5C164TA22S
5C164TB11S
(57)【要約】
【課題】コンテンツの再送信を行う再放送装置を切り替え可能な構成において、再生装置における安定したコンテンツ再生を実現する。
【解決手段】切り替え方法は、運用系の前記再放送装置と待機系の前記再放送装置との時刻同期を行うステップと、制御装置から前記運用系の再放送装置および前記待機系の再放送装置へ切替開始指示を与えるステップと、前記運用系の再放送装置における前記コンテンツの再送信の設定内容を示す設定情報を前記待機系の再放送装置に与えるステップと、前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との間の通信により、切替タイミングを設定するステップと、前記切替タイミングにおいて、前記運用系の再放送装置から前記待機系の再放送装置へ前記コンテンツの再送信を切り替えるステップとを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを受信し、受信した前記コンテンツを再送信する複数の再放送装置と、制御装置とを備える再放送システムにおいて、前記コンテンツの再送信を運用系の前記再放送装置から待機系の前記再放送装置へ切り替える切り替え方法であって、
前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との時刻同期を行うステップと、
前記制御装置から前記運用系の再放送装置および前記待機系の再放送装置へ切替開始指示を与えるステップと、
前記運用系の再放送装置における前記コンテンツの再送信の設定内容を示す設定情報を前記待機系の再放送装置に与えるステップと、
前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との間の通信により、切替タイミングを設定するステップと、
前記切替タイミングにおいて、前記運用系の再放送装置から前記待機系の再放送装置へ前記コンテンツの再送信を切り替えるステップとを含む、切り替え方法。
【請求項2】
前記切り替え方法は、さらに、
切り替えの対象となる複数の前記運用系の再放送装置を運用系セットと定めるステップと、
切り替えの対象となる複数の前記待機系の再放送装置を待機系セットと定めるステップとを含み、
前記運用系セットに含まれる前記運用系の再放送装置と、前記待機系セットに含まれる前記待機系の再放送装置との対に対して、前記運用系の再放送装置から前記待機系の再放送装置へ前記コンテンツの再送信を切り替える方法である、請求項1に記載の切り替え方法。
【請求項3】
前記運用系セットは、1つのサブシャーシに含まれており、
前記待機系セットは、前記サブシャーシとは別の1つのサブシャーシに含まれており、
前記コンテンツの再送信を切り替えるステップに先行するステップを、前記運用系セットおよび前記待機系セットにおけるすべての前記対に対して行った後、前記コンテンツの再送信を切り替えるステップを、前記運用系セットおよび前記待機系セットにおけるすべての前記対に対して行う、請求項2に記載の切り替え方法。
【請求項4】
前記切り替え方法は、さらに、
前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との通信接続を確立する接続確立処理を行うステップを含み、
前記切替タイミングを設定するステップにおいては、前記通信接続を用いた通信により前記切替タイミングを設定し、
前記切り替え方法は、さらに、
前記切替タイミングの設定に失敗した場合、再び前記接続確立処理を行うステップを含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の切り替え方法。
【請求項5】
コンテンツを再送信する再放送システムであって、
前記コンテンツを受信し、受信した前記コンテンツを再送信する複数の再放送装置と、
制御装置とを備え、
運用系の前記再放送装置および待機系の前記再放送装置は、時刻同期を行い、
前記制御装置は、前記コンテンツの再送信を前記運用系の再放送装置から前記待機系の再放送装置へ切り替える切替開始指示を、前記運用系の再放送装置および前記待機系の再放送装置へ送信し、
前記運用系の再放送装置は、前記コンテンツの再送信の設定内容を示す設定情報を前記待機系の再放送装置へ送信し、
前記運用系の再放送装置および前記待機系の再放送装置は、前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との間の通信により、切替タイミングを設定し、
前記運用系の再放送装置は、前記切替タイミングにおいて、前記コンテンツの送信を停止し、
前記待機系の再放送装置は、前記切替タイミングにおいて、前記コンテンツの送信を開始する、再放送システム。
【請求項6】
コンテンツを再送信する再放送システムにおける再放送装置であって、
前記コンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記コンテンツ受信部により受信された前記コンテンツを送信するコンテンツ送信部と、
前記コンテンツの再送信の実行を他の前記再放送装置との間で切り替える切替開始指示を受信する指示受信部と、
前記指示受信部により受信された前記切替開始指示が示す前記他の再放送装置と通信を行うことにより、前記コンテンツ送信部による前記コンテンツの送信の開始および停止を切り替えるべきタイミングである切替タイミングを設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記切替タイミングにおいて、前記コンテンツ送信部による前記コンテンツの送信の開始および停止を切り替える切り替え部とを備える、再放送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切り替え方法、再放送システムおよび再放送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送されるコンテンツを受信し、受信したコンテンツを再送信する再放送システムが開発されている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2020-10199号公報)には、以下のようなIP再送信装置が開示されている。すなわち、IP再送信装置は、アンテナから受信した複数チャンネルのデジタル放送信号を、IPマルチキャスト網を介して複数の受信機へ再送信するIP再送信システムにおいて用いられるIP再送信装置であって、前記デジタル放送信号からSI情報を取り出して、ヘッダ情報の一部にSI識別値が付与されたパケットに前記SI情報を格納し、該パケットを放送ストリームとともに、或いは放送ストリームとは別に前記IPマルチキャスト網へ送出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-10199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
再放送システムでは、コンテンツの再送信を実行する運用系の再放送装置に加えて、予備の再放送装置が設けられる場合が多い。
【0006】
ここで、運用系の再放送装置の保守交換等のために当該再放送装置による再送信を停止し、コンテンツの再送信を実行する再放送装置を運用系の再放送装置から予備の再放送装置へ切り替える場合において、コンテンツを再生する再生装置においてコンテンツを良好に再生することが可能な技術が望まれる。
【0007】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、コンテンツの再送信を行う再放送装置を切り替え可能な構成において、再生装置における安定したコンテンツ再生を実現することが可能な切り替え方法、再放送システムおよび再放送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の切り替え方法は、コンテンツを受信し、受信した前記コンテンツを再送信する複数の再放送装置と、制御装置とを備える再放送システムにおいて、前記コンテンツの再送信を運用系の前記再放送装置から待機系の前記再放送装置へ切り替える切り替え方法であって、前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との時刻同期を行うステップと、前記制御装置から前記運用系の再放送装置および前記待機系の再放送装置へ切替開始指示を与えるステップと、前記運用系の再放送装置における前記コンテンツの再送信の設定内容を示す設定情報を前記待機系の再放送装置に与えるステップと、前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との間の通信により、切替タイミングを設定するステップと、前記切替タイミングにおいて、前記運用系の再放送装置から前記待機系の再放送装置へ前記コンテンツの再送信を切り替えるステップとを含む。
【0009】
本開示の一態様は、このような特徴的な処理のステップを含む切り替え方法として実現され得るだけでなく、かかる特徴的な処理のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得る。また、本開示の一態様は、再放送装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得る。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、コンテンツの再送信を行う再放送装置を切り替え可能な構成において、再生装置における安定したコンテンツ再生を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の第1の実施の形態に係る再放送システムの構成を示す図である。
図2図2は、本開示の第1の実施の形態に係る再放送装置の構成を示す図である。
図3図3は、本開示の第1の実施の形態に係る再放送システムにおける切り替え方法のシーケンスの一例を示す図である。
図4図4は、本開示の第1の実施の形態に係る制御装置が切替開始指示の送信を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図5図5は、本開示の第1の実施の形態に係る再放送装置が再送信の切り替えを行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図6図6は、本開示の第1の実施の形態に係る再放送装置が切替処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図7図7は、本開示の第1の実施の形態に係る再放送装置が切替処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図8図8は、本開示の第2の実施の形態に係る再放送システムの構成を示す図である。
図9図9は、本開示の第2の実施の形態に係る再放送装置の構成を示す図である。
図10図10は、本開示の第3の実施の形態に係る再放送システムの構成を示す図である。
図11図11は、本開示の第3の実施の形態に係る再放送装置の構成を示す図である。
図12図12は、本開示の第4の実施の形態に係る再放送システムの構成を示す図である。
図13図13は、本開示の第4の実施の形態に係る再放送装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0013】
(1)本開示の実施の形態に係る切り替え方法は、コンテンツを受信し、受信した前記コンテンツを再送信する複数の再放送装置と、制御装置とを備える再放送システムにおいて、前記コンテンツの再送信を運用系の前記再放送装置から待機系の前記再放送装置へ切り替える切り替え方法であって、前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との時刻同期を行うステップと、前記制御装置から前記運用系の再放送装置および前記待機系の再放送装置へ切替開始指示を与えるステップと、前記運用系の再放送装置における前記コンテンツの再送信の設定内容を示す設定情報を前記待機系の再放送装置に与えるステップと、前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との間の通信により、切替タイミングを設定するステップと、前記切替タイミングにおいて、前記運用系の再放送装置から前記待機系の再放送装置へ前記コンテンツの再送信を切り替えるステップとを含む。
【0014】
このように、運用系の再放送装置と待機系の再放送装置との間の通信により切替タイミングを設定し、当該切替タイミングにおいて、運用系の再放送装置から待機系の再放送装置へコンテンツの再送信を切り替える方法により、他の装置と運用系の再放送装置および待機系の再放送装置との通信により切替タイミングを設定してコンテンツの再送信を切り替える方法と比べて、切替タイミングの設定および当該切替タイミングにおけるコンテンツの再送信の切り替えをより確実に行うことができる。したがって、コンテンツの再送信を行う再放送装置を切り替え可能な構成において、再生装置における安定したコンテンツ再生を実現することができる。
【0015】
(2)上記(1)において、前記切り替え方法は、さらに、切り替えの対象となる複数の前記運用系の再放送装置を運用系セットと定めるステップと、切り替えの対象となる複数の前記待機系の再放送装置を待機系セットと定めるステップとを含んでもよく、前記運用系セットに含まれる前記運用系の再放送装置と、前記待機系セットに含まれる前記待機系の再放送装置との対に対して、前記運用系の再放送装置から前記待機系の再放送装置へ前記コンテンツの再送信を切り替える方法であってもよい。
【0016】
このような方法により、たとえば、複数のチャンネルにそれぞれ対応する複数の運用系の再放送装置の保守交換等を計画的に行うことができる。
【0017】
(3)上記(2)において、前記運用系セットは、1つのサブシャーシに含まれてもよく、前記待機系セットは、前記サブシャーシとは別の1つのサブシャーシに含まれてもよく、前記コンテンツの再送信を切り替えるステップに先行するステップを、前記運用系セットおよび前記待機系セットにおけるすべての前記対に対して行った後、前記コンテンツの再送信を切り替えるステップを、前記運用系セットおよび前記待機系セットにおけるすべての前記対に対して行ってもよい。
【0018】
このような方法により、運用系の再放送装置と待機系の再放送装置との複数の対においてコンテンツの再送信を切り替える際に、各対におけるコンテンツの再送信の切り替えをサブシャーシ単位で一括して行うことができる。
【0019】
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記切り替え方法は、さらに、前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との通信接続を確立する接続確立処理を行うステップを含んでもよく、前記切替タイミングを設定するステップにおいては、前記通信接続を用いた通信により前記切替タイミングを設定してもよく、前記切り替え方法は、さらに、前記切替タイミングの設定に失敗した場合、再び前記接続確立処理を行うステップを含んでもよい。
【0020】
このような方法により、たとえば通信異常等が発生した場合であっても、より確実に切替タイミングを設定することができる。
【0021】
(5)本開示の実施の形態に係る再放送システムは、コンテンツを再送信する再放送システムであって、前記コンテンツを受信し、受信した前記コンテンツを再送信する複数の再放送装置と、制御装置とを備え、運用系の前記再放送装置および待機系の前記再放送装置は、時刻同期を行い、前記制御装置は、前記コンテンツの再送信を前記運用系の再放送装置から前記待機系の再放送装置へ切り替える切替開始指示を、前記運用系の再放送装置および前記待機系の再放送装置へ送信し、前記運用系の再放送装置は、前記コンテンツの再送信の設定内容を示す設定情報を前記待機系の再放送装置へ送信し、前記運用系の再放送装置および前記待機系の再放送装置は、前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との間の通信により、切替タイミングを設定し、前記運用系の再放送装置は、前記切替タイミングにおいて、前記コンテンツの送信を停止し、前記待機系の再放送装置は、前記切替タイミングにおいて、前記コンテンツの送信を開始する。
【0022】
このように、運用系の再放送装置と待機系の再放送装置との間の通信により切替タイミングを設定し、当該切替タイミングにおいて、運用系の再放送装置から待機系の再放送装置へコンテンツの再送信を切り替える構成により、他の装置と運用系の再放送装置および待機系の再放送装置との通信により切替タイミングを設定してコンテンツの再送信を切り替える構成と比べて、切替タイミングの設定および当該切替タイミングにおけるコンテンツの再送信の切り替えをより確実に行うことができる。したがって、コンテンツの再送信を行う再放送装置を切り替え可能な構成において、再生装置における安定したコンテンツ再生を実現することができる。
【0023】
(6)本開示の実施の形態に係る再放送装置は、コンテンツを再送信する再放送システムにおける再放送装置であって、前記コンテンツを受信するコンテンツ受信部と、前記コンテンツ受信部により受信された前記コンテンツを送信するコンテンツ送信部と、前記コンテンツの再送信の実行を他の前記再放送装置との間で切り替える切替開始指示を受信する指示受信部と、前記指示受信部により受信された前記切替開始指示が示す前記他の再放送装置と通信を行うことにより、前記コンテンツ送信部による前記コンテンツの送信の開始および停止を切り替えるべきタイミングである切替タイミングを設定する設定部と、前記設定部により設定された前記切替タイミングにおいて、前記コンテンツ送信部による前記コンテンツの送信の開始および停止を切り替える切り替え部とを備える。
【0024】
このように、他の再放送装置と通信を行うことにより切替タイミングを設定し、当該切替タイミングにおいて、コンテンツ送信の開始および停止を切り替える構成により、再放送装置以外の他の装置との通信により切替タイミングを設定してコンテンツ送信の開始および停止を切り替える構成と比べて、切替タイミングの設定および当該切替タイミングにおけるコンテンツ送信の開始および停止の切り替えをより確実に行うことができる。したがって、コンテンツの再送信を行う再放送装置を切り替え可能な構成において、再生装置における安定したコンテンツ再生を実現することができる。
【0025】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0026】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る再放送システムの構成を示す図である。図1を参照して、再放送システム301は、アンテナ81A,81Bと、分配器91A,91Bと、複数の再放送装置101と、インタフェースユニット111A,111Bと、制御装置201と、スイッチ装置121A,121B,131,211とを備える。以下、分配器91A,91Bの各々を分配器91とも称し、スイッチ装置121A,121Bの各々をスイッチ装置121とも称する。再放送システム301は、コンテンツを含む放送信号を受信し、コンテンツをIPパケットに含めて再送信する。
【0027】
一例として、再放送システム301は、運用系の再放送装置101であるN台の再放送装置101Aと、待機系の再放送装置101であるM台の再放送装置101Bとを備える。NおよびMは、1以上の整数である。NおよびMは、同じ値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。再放送装置101Bは、再放送装置101Aのバックアップのための予備の再放送装置101である。以下では、再放送システム301は、12台の再放送装置101Aと、12台の再放送装置101Bとを備えるものとする。
【0028】
各再放送装置101Aは、LAN(Local Area Network)ケーブルを介してスイッチ装置121Aと接続されている。各再放送装置101Bは、LANケーブルを介してスイッチ装置121Bと接続されている。スイッチ装置121は、LANケーブルを介してスイッチ装置131と接続されている。再放送装置101とスイッチ装置121とを接続するLANケーブル、およびスイッチ装置121とスイッチ装置131とを接続するLANケーブルは、たとえばケーブルテレビ局の専用回線を構成する。
【0029】
たとえば、再放送装置101Aおよびインタフェースユニット111Aは、サブシャーシSAに取り付けられ、ケーブルテレビ局の局舎に設けられる。インタフェースユニット111Aは、各再放送装置101Aと通信可能に接続されている。
【0030】
また、たとえば、再放送装置101Bおよびインタフェースユニット111Bは、サブシャーシSBに取り付けられ、再放送装置101Aおよびインタフェースユニット111Aとは異なる局舎に設けられる。インタフェースユニット111Bは、各再放送装置101Bと通信可能に接続されている。
【0031】
制御装置201は、スイッチ装置211を介してインタフェースユニット111A,111Bと接続されている。たとえば、制御装置201は、再放送装置101Aとスイッチ装置121Aとを接続するLANケーブルとは物理的に異なり、かつ再放送装置101Bとスイッチ装置121Bとを接続するLANケーブルとは物理的に異なるLANケーブルを介して、インタフェースユニット111A,111Bと接続されている。制御装置201は、各再放送装置101の制御および監視を行う。
【0032】
制御装置201は、再放送システム301における各再放送装置101の起動後、コンテンツの再送信に関する設定情報C1をスイッチ装置211およびインタフェースユニット111A経由で運用系の再放送装置101Aへ送信し、コンテンツの再送信を待機すべき旨を示す待機指示S1をスイッチ装置211およびインタフェースユニット111B経由で待機系の再放送装置101Bへ送信する。
【0033】
分配器91A,91Bは、地上デジタル放送、BSデジタル放送または高度BSデジタル放送のコンテンツを含むRF(Radio Frequency)帯の放送信号をアンテナ81A,81B経由でそれぞれ受信する。当該コンテンツは、たとえば、音声情報、映像情報、PSI(Program Specific Information)情報、SI(Service Information)情報および字幕情報等を含む。分配器91Aは、受信した放送信号を各再放送装置101Aへ分配する。分配器91Bは、受信した放送信号を各再放送装置101Bへ分配する。
【0034】
再放送装置101は、コンテンツを受信する。より詳細には、再放送装置101A,101Bは、コンテンツを含む放送信号を分配器91A,91Bからそれぞれ受信する。
【0035】
再放送装置101Bは、初期状態において、コンテンツの再放送を行わない。一方、再放送装置101Aは、初期状態において、コンテンツの再放送を行う。
【0036】
より詳細には、12台の再放送装置101Aの各々には、たとえば互いに異なるチャンネルが割り当てられている。再放送装置101Aは、制御装置201から受信した設定情報C1に従って、割り当てられているチャンネルに属するコンテンツを放送信号から取得し、取得したコンテンツを含むIPパケットを生成し、生成したIPパケットをスイッチ装置121A,131およびIP網141経由で加入者宅におけるSTB(Set Top Box)151へマルチキャストする。IP網141では、IPプロトコルに従ってIPパケットが伝送される。
【0037】
STB151は、IP網141経由で再放送装置101から受信したIPパケットからコンテンツを取得し、取得したコンテンツを図示しない表示装置において再生する。
【0038】
再放送システム301では、再放送装置101Aの保守交換等のために当該再放送装置101Aによる再送信を停止し、コンテンツの再送信を実行する再放送装置101を再放送装置101Aから再放送装置101Bへ切り替える場合がある。
【0039】
たとえば、再放送システム301では、再放送装置101Aの保守交換等のために、互いに異なる12個のチャンネルにそれぞれ属する12個のコンテンツの再送信を、サブシャーシSAにおける12台の再放送装置101AからサブシャーシSBにおける12台の再放送装置101Bへそれぞれ切り替える。コンテンツの再送信を実行する再放送装置101の切り替えは、たとえば夜間に行われる。
【0040】
(課題)
コンテンツの再送信を実行する再放送装置101を再放送装置101Aから再放送装置101Bへ切り替える場合において、STB151においてコンテンツを良好に再生することが可能な技術が望まれる。
【0041】
より詳細には、コンテンツの再送信を実行する再放送装置101を再放送装置101Aから再放送装置101Bへ切り替える場合、制御装置201が切替タイミングを決定し、決定した切替タイミングをスイッチ装置211およびインタフェースユニット111A,111Bを介して当該再放送装置101A,101Bへそれぞれ通知する構成が考えられる。
【0042】
しかしながら、このような構成では、たとえば制御装置201と再放送装置101Bとの間における通信異常により、制御装置201から再放送装置101Bへ切替タイミングが通知されなかった場合、再放送装置101Aによるコンテンツの再送信が停止される一方で、再放送装置101Bによるコンテンツの再送信が開始されない。この場合、STB151においてコンテンツを良好に再生することができない場合がある。
【0043】
これに対して、本開示の第1の実施の形態に係る再放送システム301では、以下のような構成および動作により、上記課題を解決する。
【0044】
(再放送装置)
図2は、本開示の第1の実施の形態に係る再放送装置の構成を示す図である。図2を参照して、再放送装置101は、チューナ11と、パケット処理部12と、IP送受信部13と、制御部14と、カウンタ15と、記憶部16とを備える。チューナ11は、コンテンツ受信部の一例である。IP送受信部13は、コンテンツ送信部の一例である。制御部14は、指示受信部の一例であり、設定部の一例であり、かつ切り替え部の一例である。チューナ11、パケット処理部12、IP送受信部13および制御部14の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。記憶部16は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。
【0045】
カウンタ15は、図示しない発振器からクロックを受けて、受けたクロックのタイミングに従ってカウント値を更新する。
【0046】
チューナ11は、コンテンツを含む放送信号を分配器91から受信する。また、チューナ11は、制御部14から復調開始指示を受ける。チューナ11は、制御部14から受けた復調開始指示に従って、分配器91から受信した放送信号に対して復調処理を行うことにより、再放送装置101に割り当てられたチャンネルに属するコンテンツを含むストリームを生成する。チューナ11は、生成したストリームをパケット処理部12へ出力する。
【0047】
パケット処理部12は、チューナ11から受けたストリームが分割されたデータをそれぞれ含む、データ長が188バイトである複数のTS(Transport Stream)パケットを生成する。パケット処理部12は、TSパケットを生成するたびに、カウンタ15のカウント値を取得し、生成したTSパケットに当該カウント値がタイムスタンプとして付加されたTTS(Time-stamped TS)パケットを生成してIP送受信部13へ出力する。
【0048】
IP送受信部13は、チューナ11により受信されたコンテンツを送信する。たとえば、IP送受信部13は、コンテンツを含む複数のIPパケットであるIPフローをスイッチ装置121へ送信する。より詳細には、IP送受信部13は、パケット処理部12から受けた1または複数のTTSパケットを含むIPパケットを生成し、生成したIPパケットをフレームに含めてスイッチ装置121へ送信する。
【0049】
チューナ11は、コンテンツを含むストリームの生成を行う生成オン状態と、ストリームの生成を行わない生成オフ状態とを切り替え可能である。たとえば、チューナ11は、再放送装置101の起動時において、生成オフ状態に設定されている。
【0050】
IP送受信部13は、IPフローの送信を行う送信オン状態と、IPフローの送信を行わない送信オフ状態とを切り替え可能である。たとえば、IP送受信部13は、再放送装置101の起動時において、送信オフ状態に設定されている。
【0051】
(初期設定)
再放送装置101Bにおける制御部14は、制御装置201から待機指示S1を受信し、受信した待機指示S1に従い、チューナ11の生成オフ状態およびIP送受信部13の送信オフ状態を維持する。
【0052】
再放送装置101Aにおける制御部14は、制御装置201から設定情報C1を受信する。設定情報C1は、チューナ11における復調対象の放送信号の周波数F1と、コンテンツの送信設定情報とを示す。たとえば、当該送信設定情報は、宛先IPアドレス、宛先ポート番号およびVLANタグを含む。制御部14は、受信した設定情報C1を記憶部16に保存する。
【0053】
再放送装置101Aにおける制御部14は、制御装置201から受信した設定情報C1に従い、チューナ11を生成オン状態に切り替え、IP送受信部13を送信オン状態に切り替える。より詳細には、制御部14は、設定情報C1を含む復調開始指示をチューナ11へ出力し、設定情報C1を含む送信開始指示をIP送受信部13へ出力する。
【0054】
チューナ11は、制御部14から復調開始指示を受けた場合、受けた復調開始指示に含まれる設定情報C1に従って、コンテンツを含むストリームの生成および出力を開始する。より詳細には、チューナ11は、分配器91から受信した放送信号のうち、設定情報C1が示す周波数F1の放送信号に対する復調処理を行うことにより、コンテンツを含むストリームの生成および出力を開始する。
【0055】
IP送受信部13は、制御部14から送信開始指示を受けた場合、受けた送信開始指示に含まれる設定情報C1に従って、コンテンツを含むIPパケットの送信を開始する。より詳細には、IP送受信部13は、ペイロードにコンテンツを含み、かつヘッダに設定情報C1が示す宛先IPアドレスおよび宛先ポート番号を含むIPパケットを生成し、生成したIPパケットを、設定情報C1が示すVLANタグが付与されたフレームに含めてスイッチ装置121へ送信する。
【0056】
(切替開始指示)
たとえば、制御装置201は、再放送装置101Aおよび再放送装置101Bにおけるコンテンツの再送信の切り替え計画を作成する。
【0057】
より詳細には、制御装置201は、12台の再放送装置101Aのうちのコンテンツの再送信を停止すべき再放送装置101Aと、当該再放送装置101Aに代わってコンテンツの再送信を開始すべき再放送装置101Bとを決定する。以下、コンテンツの再送信を停止すべき再放送装置101Aを、「切り替え元の再放送装置101A」とも称し、コンテンツの再送信を開始すべき再放送装置101Bを、「切り替え先の再放送装置101B」とも称する。
【0058】
制御装置201は、NTP(Network Time Protocol)サーバとして機能し、現在時刻を示すNTP情報を含むNTP同期指示を、スイッチ装置211およびインタフェースユニット111A,111B経由で切り替え元の再放送装置101Aおよび切り替え先の再放送装置101Bへ送信する。
【0059】
再放送装置101A,101Bは、制御装置201からNTP同期指示を受信し、受信したNTP同期指示に従って時刻同期を行う。より詳細には、再放送装置101A,101Bにおける制御部14は、制御装置201から受信したNTP同期指示に含まれるNTP情報に基づいて、カウンタ15のカウント値を更新する。これにより、再放送装置101A,101Bは、互いに同期する。制御部14は、カウント値の更新を完了した場合、NTP同期指示に対する応答として、同期完了通知をインタフェースユニット111およびスイッチ装置211経由で制御装置201へ送信する。
【0060】
制御装置201は、コンテンツの再送信の実行を切り替え元の再放送装置101Aから切り替え先の再放送装置101Bに切り替える旨を示す切替開始指示を当該再放送装置101A,101Bへ送信する。より詳細には、制御装置201は、再放送装置101A,101Bから同期完了通知を受信した場合、切替開始指示をIPパケットに含めてスイッチ装置211およびインタフェースユニット111経由で当該再放送装置101A,101Bへ送信する。
【0061】
再放送装置101A,101Bは、制御装置201から切替開始指示を受信した場合、切替開始指示に対する応答として、切替開始通知をインタフェースユニット111およびスイッチ装置211経由で制御装置201へ送信する。また、再放送装置101A,101Bは、制御装置201から受信した切替開始指示に従い、切替処理を実行する。
【0062】
(切替処理)
(1)接続確立処理
再放送装置101Aにおける制御部14は、スイッチ装置211およびインタフェースユニット111A経由で制御装置201から切替開始指示を受信する。再放送装置101Bにおける制御部14は、スイッチ装置211およびインタフェースユニット111B経由で制御装置201から切替開始指示を受信する。
【0063】
再放送装置101Aにおける制御部14および再放送装置101Bにおける制御部14は、通信接続を確立し、確立した通信接続を用いて通信を行う。たとえば、再放送装置101Aにおける制御部14および再放送装置101Bにおける制御部14は、TCP(Transmission Control Protocol)に従う通信接続を確立する。以下、TCPに従う通信接続を「TCP接続」とも称する。
【0064】
より詳細には、再放送装置101Aにおける制御部14は、TCPサーバであり、切替開始指示が示す再放送装置101BからのSYNパケットを待ち受ける。SYNパケットは、TCPヘッダにおけるSYNフラグがオンにセットされたTCPパケットであり、TCPクライアントからの接続要求である。
【0065】
再放送装置101Bにおける制御部14は、TCPクライアントであり、SYNパケットを、IP送受信部13およびスイッチ装置121B,131,121A経由で切替開始指示が示す再放送装置101Aへ送信する。
【0066】
再放送装置101Aにおける制御部14は、IP送受信部13経由で再放送装置101BからSYNパケットを受信し、SYN/ACKパケットをIP送受信部13およびスイッチ装置121A,131,121B経由で再放送装置101Bへ送信する。SYNパケットは、TCPヘッダにおけるSYNフラグおよびACKフラグがオンにセットされたTCPパケットである。
【0067】
再放送装置101Bにおける制御部14は、IP送受信部13経由で再放送装置101AからSYN/ACKパケットを受信し、ACKパケットをIP送受信部13およびスイッチ装置121B,131,121A経由で再放送装置101Aへ送信する。ACKパケットは、TCPヘッダにおけるACKフラグがオンにセットされたTCPパケットである。これにより、再放送装置101Aにおける制御部14と再放送装置101Bにおける制御部14との間のTCP接続が確立される。
【0068】
(2)設定情報の送信
再放送装置101Bにおける制御部14は、再放送装置101Aにおける制御部14との間のTCP接続を確立した場合、TCP接続を用いて、設定情報要求をIPパケットに含めてIP送受信部13およびスイッチ装置121B,131,121A経由で再放送装置101Aへ送信する。
【0069】
再放送装置101Aは、設定情報C1を再放送装置101Bへ送信する。より詳細には、再放送装置101Aにおける制御部14は、再放送装置101Bから設定情報要求を受信した場合、記憶部16から設定情報C1を取得する。そして、制御部14は、設定情報要求に対する応答として、TCP接続を用いて、設定情報C1をIPパケットに含めてIP送受信部13およびスイッチ装置121A,131,121B経由で再放送装置101Bへ送信する。すなわち、制御部14は、コンテンツ伝送用の物理的な通信経路を用いて設定情報C1を再放送装置101Bへ送信する。
【0070】
再放送装置101Bにおける制御部14は、再放送装置101Aから設定情報を受信し、受信した設定情報C1を記憶部16に保存する。また、制御部14は、チューナ11を生成オン状態に切り替える。より詳細には、制御部14は、設定情報C1を含む復調開始指示を再放送装置101Bにおけるチューナ11へ出力する。
【0071】
チューナ11は、制御部14から復調開始指示を受けて、受けた復調開始指示に含まれる設定情報C1に従って、コンテンツを含むストリームの生成および出力を開始する。
【0072】
上述したように、再放送システム301では、再放送装置101Aと再放送装置101Bとは異なる局舎に設けられるので、再放送装置101Aと再放送装置101Bとが同じ局舎に設けられるシステムと比べて、再放送装置101Aと再放送装置101Bとの間の通信経路は脆弱である場合が多い。これに対して、再放送装置101A,101B間の通信にTCP接続を用いることにより、再放送装置101A,101B間において設定情報要求および設定情報C1の伝送をより確実に行うことができる。
【0073】
(3)切替タイミングの設定
再放送装置101Aにおける制御部14は、再放送装置101Bと通信を行うことにより、IP送受信部13によるコンテンツの送信の開始および停止を切り替えるべきタイミングである切替タイミングを設定する。再放送装置101Bにおける制御部14は、再放送装置101Aと通信を行うことにより、切替タイミングを設定する。
【0074】
より詳細には、再放送装置101Bにおける制御部14は、切替タイミングを決定する。たとえば、制御部14は、再放送装置101Aに割り当てられたチャンネルに特有のタイミングを切替タイミングに決定する。一例として、制御部14は、当該チャンネルにおける番組が切り替わるタイミングを切替タイミングに決定する。なお、制御部14は、再放送装置101Bから設定情報C1を受信したときのカウンタ15のカウント値を取得し、取得したカウント値に所定値を加えた値を切替タイミングに決定してもよい。
【0075】
制御部14は、決定した切替タイミングを示すタイミング情報を記憶部16に保存する。また、制御部14は、TCP接続を用いて、タイミング情報をIPパケットに含めてIP送受信部13およびスイッチ装置121B,131,121A経由で再放送装置101Aへ送信する。すなわち、制御部14は、コンテンツ伝送用の物理的な通信経路を用いてタイミング情報を再放送装置101Aへ送信する。
【0076】
再放送装置101Aにおける制御部14は、再放送装置101Bからタイミング情報を受信し、受信したタイミング情報を記憶部16に保存する。制御部14は、タイミング情報に対する応答として、TCP接続を用いて、設定完了通知をIPパケットに含めてIP送受信部13およびスイッチ装置121A,131,121B経由で再放送装置101Bへ送信する。
【0077】
上述したように、再放送システム301では、再放送装置101Aと再放送装置101Bとは異なる局舎に設けられるので、再放送装置101Aと再放送装置101Bとが同じ局舎に設けられるシステムと比べて、再放送装置101Aと再放送装置101Bとの間の通信経路は脆弱である場合が多い。これに対して、再放送装置101A,101B間の通信にTCP接続を用いることにより、再放送装置101A,101B間においてタイミング情報および設定完了通知の伝送をより確実に行うことができる。
【0078】
再放送装置101A,101Bにおける制御部14は、切替タイミングにおいて、IP送受信部13によるコンテンツの送信の開始および停止を切り替える。すなわち、再放送装置101Aは、切替タイミングにおいてコンテンツの送信を停止し、再放送装置101Bは、切替タイミングにおいてコンテンツの送信を開始する。
【0079】
より詳細には、再放送装置101Bにおける制御部14は、再放送装置101Aから設定完了通知を受信した場合、タイミング情報が示す切替タイミングの到来を待ち受け、切替タイミングにおいてIP送受信部13を送信オン状態に切り替える。具体的には、制御部14は、設定情報C1を含む送信開始指示をIP送受信部13へ出力する。
【0080】
再放送装置101BにおけるIP送受信部13は、制御部14から送信開始指示を受けて、受けた送信開始指示に含まれる設定情報C1に従って、コンテンツを含むIPパケットの送信を開始する。
【0081】
再放送装置101Aにおける制御部14は、タイミング情報が示す切替タイミングの到来を待ち受け、切替タイミングにおいてIP送受信部13を送信オフ状態に切り替える。具体的には、制御部14は、切替タイミングが到来した場合、送信停止指示をIP送受信部13へ出力する。
【0082】
再放送装置101BにおけるIP送受信部13は、制御部14から送信停止指示を受けて、コンテンツを含むIPパケットの送信を停止する。
【0083】
再放送装置101Aにおける制御部14は、切替タイミングにおいてコンテンツの送信を停止した場合、切替完了通知をインタフェースユニット111Aおよびスイッチ装置211経由で制御装置201へ送信する。また、再放送装置101Bにおける制御部14は、切替タイミングにおいてコンテンツの送信を開始した場合、切替完了通知をインタフェースユニット111Bおよびスイッチ装置211経由で制御装置201へ送信する。
【0084】
なお、再放送装置101Aにおける制御部14および再放送装置101Bにおける制御部14は、IP送受信部13およびスイッチ装置121,131経由でTCPパケットのやり取りを行うことによりTCP接続を確立する構成であるとしたが、これに限定するものではない。再放送装置101Aにおける制御部14および再放送装置101Bにおける制御部14は、インタフェースユニット111およびスイッチ装置211経由でTCPパケットのやり取りを行うことによりTCP接続を確立する構成であってもよい。
【0085】
この場合、再放送装置101Bにおける制御部14は、TCP接続を用いて、設定情報要求およびタイミング情報をインタフェースユニット111およびスイッチ装置211経由で再放送装置101Aへ送信する。すなわち、再放送装置101Bにおける制御部14は、制御用の物理的な通信経路を用いて、設定情報要求およびタイミング情報を再放送装置101Aへ送信する。また、再放送装置101Aにおける制御部14は、TCP接続を用いて、設定情報C1および設定完了通知をインタフェースユニット111およびスイッチ装置211経由で再放送装置101Bへ送信する。すなわち、再放送装置101Aにおける制御部14は、制御用の物理的な通信経路を用いて、設定情報C1および設定完了通知を再放送装置101Bへ送信する。
【0086】
[動作の流れ]
図3は、本開示の第1の実施の形態に係る再放送システムにおける切り替え方法のシーケンスの一例を示す図である。
【0087】
図3を参照して、まず、制御装置201は、切り替え元の再放送装置101Aと、切り替え先の再放送装置101Bとを含む切り替え計画を作成する(ステップS11)。
【0088】
次に、再放送システム301における切り替え方法では、切り替え元の再放送装置101Aと、切り替え先の再放送装置101Bとの時刻同期を行う。より詳細には、制御装置201は、NTP情報を含むNTP同期指示を切り替え元の再放送装置101Aへ送信する(ステップS12)。
【0089】
次に、再放送装置101Aは、制御装置201から受信したNTP同期指示に含まれるNTP情報に基づいて、カウンタ15のカウント値を更新する(ステップS13)。
【0090】
次に、再放送装置101Aは、NTP同期指示に対する応答として、同期完了通知を制御装置201へ送信する(ステップS14)。
【0091】
次に、制御装置201は、NTP情報を含むNTP同期指示を切り替え先の再放送装置101Bへ送信する(ステップS15)。
【0092】
次に、再放送装置101Bは、制御装置201から受信したNTP同期指示に含まれるNTP情報に基づいて、カウンタ15のカウント値を更新する(ステップS16)。
【0093】
次に、再放送装置101Bは、NTP同期指示に対する応答として、同期完了通知を制御装置201へ送信する(ステップS17)。
【0094】
次に、再放送システム301における切り替え方法では、再放送装置101A,101Bへ切替開始指示を与える。より詳細には、制御装置201は、切替開始指示を再放送装置101Aへ送信する(ステップS18)。
【0095】
次に、再放送装置101Aは、切替開始指示に対する応答として、切替開始通知を制御装置201へ送信する(ステップS19)。
【0096】
次に、制御装置201は、切替開始指示を再放送装置101Bへ送信する(ステップS20)。
【0097】
次に、再放送装置101Bは、切替開始指示に対する応答として、切替開始通知を制御装置201へ送信する(ステップS21)。
【0098】
次に、再放送システム301における切り替え方法では、再放送装置101Aと再放送装置101Bとの通信接続を確立する接続確立処理を行う。より詳細には、再放送装置101Bは、TCPクライアントとして、TCPサーバへの接続要求であるSYNパケットを、切替開始指示が示す再放送装置101Aへ送信する(ステップS22)。
【0099】
次に、再放送装置101Aは、TCPサーバとして、SYN/ACKパケットを再放送装置101Bへ送信する(ステップS23)。
【0100】
次に、再放送装置101Bは、ACKパケットを再放送装置101Aへ送信する(ステップS24)。これにより、再放送装置101Aと再放送装置101Bとの間のTCP接続が確立される。
【0101】
次に、再放送システム301における切り替え方法では、再放送装置101Aにおける設定情報C1を再放送装置101Bに与える。より詳細には、再放送装置101Bは、TCP接続を用いて、設定情報要求を再放送装置101Aへ送信する(ステップS25)。
【0102】
次に、再放送装置101Aは、設定情報要求に対する応答として、TCP接続を用いて、設定情報C1を再放送装置101Bへ送信する(ステップS26)。
【0103】
次に、再放送システム301における切り替え方法では、再放送装置101Aと再放送装置101Bとの間におけるTCP接続を用いた通信により、切替タイミングを設定する。より詳細には、再放送装置101Bは、切替タイミングを決定し、決定した切替タイミングを示すタイミング情報を、TCP接続を用いて再放送装置101Aへ送信する(ステップS27)。
【0104】
次に、再放送装置101Aは、タイミング情報に対する応答として、TCP接続を用いて、設定完了通知を再放送装置101Bへ送信する(ステップS28)。
【0105】
次に、再放送システム301における切り替え方法では、切替タイミングにおいて、再放送装置101Aから再放送装置101Bへコンテンツの再送信を切り替える。より詳細には、再放送装置101Aは、切替タイミングの到来を待ち受け、切替タイミングにおいてコンテンツの送信を停止する(ステップS29)。
【0106】
また、再放送装置101Bは、切替タイミングの到来を待ち受け、切替タイミングにおいてコンテンツの送信を開始する(ステップS30)。
【0107】
次に、再放送装置101Aは、切替完了通知を制御装置201へ送信する(ステップS31)。
【0108】
また、再放送装置101Bは、切替完了通知を制御装置201へ送信する(ステップS32)。
【0109】
たとえば、再放送システム301における切り替え方法では、切替タイミングの設定に失敗した場合、再び接続確立処理を行う。より詳細には、再放送装置101Bは、タイミング情報を送信してから所定時間内に再放送装置101Aからの設定完了通知が到来しない場合、タイムアウトし、切替処理を中断する。そして、再放送装置101Bは、再びSYNパケットの送信を行う(ステップS22)。
【0110】
また、たとえば、再放送装置101Bは、設定情報要求を送信してから所定時間内に再放送装置101Aからの設定情報C1が到来しない場合も同様に、タイムアウトし、切替処理を中断する。そして、再放送装置101Bは、再びSYNパケットの送信を行う(ステップS22)。なお、再放送装置101Bは、切替処理を中断した場合、SYNパケットの送信を行う代わりに、エラー通知を制御装置201へ送信してもよい。制御装置201は、当該エラー通知を受信した場合、たとえば再び切り替え計画の作成を行う(ステップS11)。
【0111】
また、たとえば、再放送装置101Aは、SYN/ACKパケットを送信してから所定時間内に再放送装置101BからのACKパケットが到来しない場合、タイムアウトし、切替処理を中断する。そして、再放送装置101Aは、再びSYNパケットが到来するのを待ち受ける。なお、再放送装置101Aは、切替処理を中断した場合、SYNパケットが到来するのを待ち受ける代わりに、エラー通知を制御装置201へ送信してもよい。制御装置201は、当該エラー通知を受信した場合、たとえば再び切り替え計画の作成を行う(ステップS11)。
【0112】
また、たとえば、制御装置201は、NTP同期指示を送信してから所定時間内に再放送装置101A,101Bからの同期完了通知が到来しない場合、切替開始指示を送信してから所定時間内に再放送装置101A,101Bからの切替開始通知が到来しない場合、または切替開始通知を受信してから所定時間内に再放送装置101A,101Bからの切替完了通知が到来しない場合、タイムアウトする。そして、制御装置201は、再び切り替え計画の作成を行う(ステップS11)。
【0113】
再放送システム301において、複数の再放送装置101Aから複数の再放送装置101Bへのコンテンツの再送信を切り替える場合、再送信の切り替えは計画的に行われる。たとえば、制御装置201は、ステップS11において、切り替えの対象となる複数の再放送装置101Aを運用系セットと定め、切り替えの対象となる複数の再放送装置101Bを待機系セットと定める。より詳細には、制御装置201は、たとえば局舎全体の停電が計画されている場合、当該局舎内のサブシャーシSAに含まれる12台の再放送装置101を運用系セットと定め、当該12台の再放送装置101Aの対となる、別の局舎内のサブシャーシSBに含まれる12台の再放送装置101Bを待機系セットと定める。
【0114】
制御装置201は、運用系セットに含まれる切り替え元の再放送装置101Aの数に応じて、切り替え先となる待機系セットを定めてもよい。たとえば、ある局舎X内に、p台の再放送装置101Aが設置されたシャーシラックXpと、q台の再放送装置101Aが設置されたシャーシラックXqとが設けられているとする。制御装置201は、シャーシラックXp,XqのうちのシャーシラックXpのみが電源の交換のために停電する場合、シャーシラックXpに設置されたp台の再放送装置101Aを運用系セットと定める。そして、制御装置201は、運用系セットと定めたp台の再放送装置101Aの対となる、別の局舎Y内のシャーシラックYpに設置されたp台の再放送装置101Bを待機系セットと定める。この場合、シャーシラックXp,Xqを備える局舎Xと比べて規模が小さい局舎Yにおける再放送装置101Bを、待機系セットと定めることができる。
【0115】
運用系セットおよび待機系セットを定めた後、運用系セットに含まれる再放送装置101Aと、待機系セットに含まれる再放送装置101Bとの対に対して、上記ステップS12からステップS32までの処理を実行することにより、再放送装置101Aから再放送装置101Bへコンテンツの再送信を切り替える。
【0116】
たとえば、再放送システム301における切り替え方法では、コンテンツの再送信を切り替えるステップに先行するステップを、再放送装置101A,101Bのすべての対に対して行った後、コンテンツの再送信を切り替えるステップを、再放送装置101A,101Bのすべての対に対して行う。すなわち、複数の再放送装置101Aから複数の再放送装置101Bへコンテンツの再送信を切り替える場合、切り替えの対象となるすべての再放送装置101A,101Bの対に対して、切り替える直前までのステップが完了した後で、切り替えるステップを実行する。
【0117】
より詳細には、再放送装置101A,101Bの各対に対して上記ステップS12からステップS28までの処理を実行した後、再放送装置101A,101Bの各対に対して上記ステップS29からステップS32までの処理を実行する。これにより、運用系セットから待機系セットへの切り替えが通信途絶などの不調により途中で止まる事態を避けることができるので、運用系セットから待機系セットへの切り替えをたとえばサブシャーシ単位で一括して行うことができる。
【0118】
また、たとえば、再放送システム301における切り替え方法では、複数の再放送装置101Aから複数の再放送装置101Bへのコンテンツの再送信の切り替えを、チャンネルごとに順次行う。より詳細には、再放送システム301における切り替え方法では、12台の再放送装置101Aから12台の再放送装置101Bへのコンテンツの再送信の切り替えが完了するまで、上記ステップS11からステップS32までの処理を順次繰り返す。具体的には、制御装置201は、あるチャンネルに属するコンテンツの再送信の実行が再放送装置101Aから再放送装置101Bへ切り替わり、当該再放送装置101A,101Bから切替完了通知を受信した場合、他のチャンネルに属するコンテンツの再送信の実行を再放送装置101Aから再放送装置101Bへ切り替えるための切り替え計画を作成する。
【0119】
図4は、本開示の第1の実施の形態に係る制御装置が切替開始指示の送信を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0120】
図4を参照して、まず、制御装置201は、切り替え元の再放送装置101Aと、切り替え先の再放送装置101Bとを含む切り替え計画を作成する(ステップS41)。
【0121】
次に、制御装置201は、NTP同期指示を切り替え元の再放送装置101Aおよび切り替え先の再放送装置101Bへ送信する(ステップS42)。
【0122】
次に、制御装置201は、同期完了通知の到来、およびNTP同期指示を送信してから所定時間が経過するのを待ち受ける(ステップS43でNO、かつステップS44でNO)。
【0123】
次に、制御装置201は、NTP同期指示を送信してから所定時間が経過する前に再放送装置101A,101Bから同期完了通知を受信した場合(ステップS43でYES)、切替開始指示を再放送装置101A,101Bへ送信する(ステップS45)。
【0124】
次に、制御装置201は、切替開始通知の到来、および切替開始指示を送信してから所定時間が経過するのを待ち受ける(ステップS46でNO、かつステップS47でNO)。
【0125】
次に、制御装置201は、切替開始指示を送信してから所定時間が経過する前に再放送装置101A,101Bから切替開始通知を受信した場合(ステップS46でYES)、切替完了通知の到来、および切替開始通知を受信してから所定時間が経過するのを待ち受け(ステップS48でNO、かつステップS49でNO)、切替開始通知を受信してから所定時間が経過する前に再放送装置101A,101Bから切替完了通知を受信した場合(ステップS48でYES)、正常終了する。
【0126】
一方、制御装置201は、NTP同期指示を送信してから再放送装置101A,101Bからの同期完了通知が到来する前に所定時間が経過した場合(ステップS44でYES)、切替開始指示を送信してから再放送装置101A,101Bからの切替開始通知が到来する前に所定時間が経過した場合(ステップS47でYES)、または切替開始通知を受信してから再放送装置101A,101Bからの切替完了通知が到来する前に所定時間が経過した場合(ステップS49でYES)、タイムアウトして終了する(ステップS50)。
【0127】
図5は、本開示の第1の実施の形態に係る再放送装置が再送信の切り替えを行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0128】
図5を参照して、まず、再放送装置101は、NTP同期指示の到来を待ち受け(ステップS51でNO)、制御装置201からNTP同期指示を受信した場合(ステップS51でYES)、受信したNTP同期指示に従って時刻同期を行う(ステップS52)。
【0129】
次に、再放送装置101は、同期完了通知を制御装置201へ送信する(ステップS53)。
【0130】
次に、再放送装置101は、切替開始指示の到来を待ち受け(ステップS54でNO)、制御装置201から切替開始指示を受信した場合(ステップS54でYES)、切替開始指示に対する応答として、切替開始通知を制御装置201へ送信する(ステップS55)。
【0131】
次に、再放送装置101は、切替処理を行う(ステップS56)。
【0132】
図6は、本開示の第1の実施の形態に係る再放送装置が切替処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。図6は、運用系の再放送装置101Aにおける、図5に示すステップS56の詳細を示している。
【0133】
図6を参照して、まず、再放送装置101Aは、SYNパケットの到来を待ち受け(ステップS61でNO)、再放送装置101BからSYNパケットを受信した場合(ステップS61でYES)、SYN/ACKパケットを再放送装置101Bへ送信する(ステップS62)。
【0134】
次に、再放送装置101Aは、ACKパケットの到来、およびSYN/ACKパケットを送信してから所定時間が経過するのを待ち受ける(ステップS63でNO、かつステップS64でNO)。
【0135】
次に、再放送装置101Aは、SYN/ACKパケットを送信してから所定時間が経過する前に再放送装置101BからACKパケットを受信した場合(ステップS63でYES)、設定情報要求の到来を待ち受ける(ステップS65でNO)。
【0136】
次に、再放送装置101Aは、再放送装置101Bから設定情報要求を受信した場合(ステップS65でYES)、TCP接続を用いて、設定情報C1を再放送装置101Bへ送信する(ステップS66)。
【0137】
次に、再放送装置101Aは、タイミング情報の到来を待ち受け(ステップS67でNO)、再放送装置101Bからタイミング情報を受信した場合(ステップS67でYES)、受信したタイミング情報を記憶部16に保存し、TCP接続を用いて、設定完了通知を再放送装置101Bへ送信する(ステップS68)。
【0138】
次に、再放送装置101Aは、切替タイミングの到来を待ち受け(ステップS69でNO)、切替タイミングが到来した場合(ステップS69でYES)、コンテンツの送信を停止する(ステップS70)。
【0139】
次に、再放送装置101Aは、切替完了通知を制御装置201へ送信する(ステップS71)。
【0140】
一方、再放送装置101Aは、SYN/ACKパケットを送信してから再放送装置101BからのACKパケットが到来する前に所定時間が経過した場合(ステップS64でYES)、タイムアウトし、切替処理を中断する(ステップS72)。
【0141】
図7は、本開示の第1の実施の形態に係る再放送装置が切替処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。図7は、待機系の再放送装置101Bにおける、図5に示すステップS56の詳細を示している。
【0142】
図7を参照して、まず、再放送装置101Bは、SYNパケットを再放送装置101Aへ送信する(ステップS81)。
【0143】
次に、再放送装置101Bは、SYN/ACKパケットの到来を待ち受け(ステップS82でNO)、再放送装置101AからSYN/ACKパケットを受信した場合(ステップS82でYES)、ACKパケットを再放送装置101Aへ送信する(ステップS83)。
【0144】
次に、再放送装置101Bは、TCP接続を用いて、設定情報要求を再放送装置101Aへ送信する(ステップS84)。
【0145】
次に、再放送装置101Bは、設定情報C1の到来、および設定情報要求を送信してから所定時間が経過するのを待ち受ける(ステップS85でNO、かつステップS86でNO)。
【0146】
次に、再放送装置101Bは、設定情報要求を送信してから所定時間が経過する前に再放送装置101Aから設定情報C1を受信した場合(ステップS85でYES)、切替タイミングを決定する(ステップS87)。
【0147】
次に、再放送装置101Bは、切替タイミングを示すタイミング情報を、TCP接続を用いて再放送装置101Aへ送信する(ステップS88)。
【0148】
次に、再放送装置101Bは、設定完了通知の到来、およびタイミング情報を送信してから所定時間が経過するのを待ち受ける(ステップS89でNO、かつステップS90でNO)。
【0149】
次に、再放送装置101Bは、タイミング情報を送信してから所定時間が経過する前に再放送装置101Aから設定完了通知を受信した場合(ステップS89でYES)、切替タイミングの到来を待ち受ける(ステップS92でNO)。
【0150】
次に、再放送装置101Bは、切替タイミングが到来した場合(ステップS92でYES)、コンテンツの送信を開始する(ステップS93)。
【0151】
次に、再放送装置101Bは、切替完了通知を制御装置201へ送信する(ステップS94)。
【0152】
一方、再放送装置101Bは、設定情報要求を送信してから再放送装置101Aからの設定情報C1が到来する前に所定時間が経過した場合(ステップS86でYES)、またはタイミング情報を送信してから再放送装置101Aからの設定完了通知が到来する前に所定時間が経過した場合(ステップS90でYES)、タイムアウトし、切替処理を中断する(ステップS95)。
【0153】
なお、本開示の第1の実施の形態に係る再放送システム301では、複数の再放送装置101Aから複数の再放送装置101Bへのコンテンツの再送信の切り替えを、チャンネルごとに順次行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。再放送システム301では、複数の再放送装置101Aから複数の再放送装置101Bへのコンテンツの再送信の切り替えを一斉に行う構成であってもよい。
【0154】
また、本開示の第1の実施の形態に係る再放送システム301では、再放送装置101Bは、タイムアウトし、切替処理を中断した場合、再びSYNパケットの送信を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。再放送装置101Bは、タイミング情報を送信してから所定時間内に再放送装置101Aからの設定完了通知が到来しない場合、SYNパケットの送信を行う代わりに、再びタイミング情報を再放送装置101Aへ送信する構成であってもよい。また、再放送装置101Bは、設定情報要求を送信してから所定時間内に再放送装置101Aからの設定情報C1が到来しない場合、SYNパケットの送信を行う代わりに、再び設定情報要求を再放送装置101Aへ送信する構成であってもよい。
【0155】
また、本開示の第1の実施の形態に係る再放送システム301では、再放送装置101Bが再放送装置101AへSYNパケットを送信し、再放送装置101Aが再放送装置101BへSYN/ACKパケットを送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。再放送システム301では、再放送装置101Aが再放送装置101BへSYNパケットを送信し、再放送装置101Bが再放送装置101AへSYN/ACKパケットを送信する構成であってもよい。
【0156】
また、本開示の第1の実施の形態に係る再放送システム301では、再放送装置101Bが、切替タイミングを決定し、タイミング情報を再放送装置101Aへ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。再放送システム301では、再放送装置101Aが、切替タイミングを決定し、タイミング情報を再放送装置101Bへ送信する構成であってもよい。
【0157】
次に、本開示の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0158】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る再放送システム301と比べて、コンテンツを含むIPパケットを受信し、コンテンツを放送信号に含めて再送信する再放送システム302に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る再放送システム301と同様である。
【0159】
図8は、本開示の第2の実施の形態に係る再放送システムの構成を示す図である。図8を参照して、再放送システム302は、再放送システム301と比べて、アンテナ81A,81B、分配器91およびスイッチ装置121,131の代わりに、スイッチ装置82,92A,92Bおよび合波器122A,122B,132を備える。また、再放送システム302は、再放送システム301と比べて、再放送装置101の代わりに再放送装置102を備え、制御装置201の代わりに制御装置202を備える。以下、スイッチ装置92A,92Bの各々をスイッチ装置92とも称し、合波器122A,122Bの各々を合波器122とも称する。
【0160】
一例として、再放送システム302は、運用系の再放送装置102である12台の再放送装置102Aと、待機系の再放送装置102である12台の再放送装置102Bとを備える。
【0161】
各再放送装置102Aは、LANケーブルを介してスイッチ装置92Aと接続されている。各再放送装置102Bは、LANケーブルを介してスイッチ装置92Bと接続されている。
【0162】
制御装置202は、スイッチ装置211を介してインタフェースユニット111A,112Bと接続されている。たとえば、制御装置202は、再放送装置102Aとスイッチ装置92Aとを接続するLANケーブルとは物理的に異なり、かつ再放送装置102Bとスイッチ装置92Bとを接続するLANケーブルとは物理的に異なるLANケーブルを介して、インタフェースユニット111A,111Bと接続されている。
【0163】
制御装置202は、再放送システム302における各再放送装置102の起動後、コンテンツの再送信に関する設定情報C2をスイッチ装置211およびインタフェースユニット111A経由で運用系の再放送装置102Aへ送信し、コンテンツの再送信を待機すべき旨を示す待機指示S2をスイッチ装置211およびインタフェースユニット111B経由で待機系の再放送装置102Bへ送信する。
【0164】
たとえば、再放送装置102Aは、コンテンツを含む複数のIPパケットであるIPフローを、IP網または図示しないヘッドエンド装置からスイッチ装置82,92A経由で受信する。また、たとえば、再放送装置102Bは、コンテンツを含む複数のIPパケットであるIPフローを、IP網または当該ヘッドエンド装置からスイッチ装置82,92B経由で受信する。
【0165】
再放送装置102Bは、初期状態において、コンテンツの再放送を行わない。一方、再放送装置102Aは、初期状態において、コンテンツの再放送を行う。
【0166】
より詳細には、12台の再放送装置102Aの各々には、たとえば互いに異なるチャンネルが割り当てられている。再放送装置102Aは、制御装置202から受信した設定情報C2に従って、割り当てられているチャンネルに属するコンテンツをIPパケットから取得し、取得したコンテンツを含む放送信号を生成し、生成した放送信号を合波器122A,132およびケーブルテレビ網142経由で加入者宅におけるSTB151へ送信する。
【0167】
STB151は、ケーブルテレビ網142経由で再放送装置102から受信した放送信号からコンテンツを取得し、取得したコンテンツを図示しない表示装置において再生する。
【0168】
(再放送装置)
図9は、本開示の第2の実施の形態に係る再放送装置の構成を示す図である。図9を参照して、再放送装置102は、再放送装置101と比べて、チューナ11、パケット処理部12、IP送受信部13および制御部14の代わりに、IP送受信部21、信号処理部22、信号出力部23および制御部24を備える。IP送受信部21は、コンテンツ受信部の一例である。信号出力部23は、コンテンツ送信部の一例である。制御部24は、指示受信部の一例であり、設定部の一例であり、かつ切り替え部の一例である。IP送受信部21、信号処理部22、信号出力部23、および制御部24の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。
【0169】
IP送受信部21は、コンテンツを含むIPパケットをスイッチ装置92から受信する。また、IP送受信部21は、制御部24から受信開始指示を受ける。IP送受信部21は、制御部24から受けた受信開始指示に従って、再放送装置102に割り当てられたチャンネルに属するコンテンツを含むIPパケットの受信処理を行う。IP送受信部21は、受信したIPパケットを信号処理部22へ出力する。
【0170】
信号処理部22は、IP送受信部21からIPパケットを受けるたびに、受けたIPパケットからTSパケットを取得し、取得したTSパケットに対して変調処理を行うことにより、コンテンツを含むデジタル信号を生成する。信号処理部22は、生成したデジタル信号を信号出力部23へ出力する。
【0171】
信号出力部23は、IP送受信部21により受信されたコンテンツを送信する。また、信号出力部23は、制御部24から出力開始指示を受ける。信号出力部23は、制御部24から受けた出力開始指示に従って、信号処理部22から受けたデジタル信号をアナログ変換した放送信号を、再放送装置102に割り当てられたチャンネルに対応する周波数にアップコンバートして合波器122へ出力する。
【0172】
IP送受信部21は、コンテンツを含むIPパケットの受信処理を行う受信オン状態と、コンテンツを含むIPパケットの受信処理を行わない受信オフ状態とを切り替え可能である。たとえば、IP送受信部21は、再放送装置102の起動時において、受信オフ状態に設定されている。
【0173】
信号出力部23は、放送信号の出力を行う出力オン状態と、放送信号の出力を行わない出力オフ状態とを切り替え可能である。たとえば、信号出力部23は、再放送装置102の起動時において、出力オフ状態に設定されている。
【0174】
(初期設定)
再放送装置102Bにおける制御部24は、制御装置202から待機指示S2を受信し、受信した待機指示S2に従い、IP送受信部21の受信オフ状態および信号出力部23の出力オフ状態を維持する。
【0175】
再放送装置102Aにおける制御部24は、制御装置202から設定情報C2を受信する。設定情報C2は、コンテンツを含むIPパケットの受信設定情報と、出力する放送信号に関する信号情報とを示す。たとえば、当該受信設定情報は、受信すべきIPパケットの宛先IPアドレス、宛先ポート番号およびVLANタグを含む。たとえば、当該信号情報は、出力すべき放送信号の周波数F2および出力レベルを含む。制御部24は、受信した設定情報C2を記憶部16に保存する。
【0176】
再放送装置102Aにおける制御部24は、制御装置202から受信した設定情報C2に従い、IP送受信部21を受信オン状態に切り替え、信号出力部23を出力オン状態に切り替える。より詳細には、制御部24は、設定情報C2を含む受信開始指示をIP送受信部21へ出力し、設定情報C2を含む出力開始指示を信号出力部23へ出力する。
【0177】
IP送受信部21は、制御部24から受信開始指示を受けて、受けた受信開始指示に含まれる設定情報C2に従って、IPパケットの受信処理および信号処理部22への出力を開始する。
【0178】
信号出力部23は、制御部24から出力開始指示を受けて、受けた出力開始指示に含まれる設定情報C2に従って、放送信号の出力を開始する。より詳細には、信号出力部23は、放送信号を、設定情報C2が示す周波数F2にアップコンバートして合波器122へ出力する。
【0179】
(切替処理)
再放送システム302では、再放送システム301と同様にして、コンテンツの再送信を実行する再放送装置102の切り替えが行われる。
【0180】
より詳細には、再放送装置102A,102Bは、スイッチ装置92,82経由でTCPパケットのやり取りを行うことによりTCP接続を確立し、TCP接続を用いて、設定情報C2およびタイミング情報等の送受信を行う。そして、再放送装置102Aは、切替タイミングにおいて、コンテンツの送信を停止する。また、再放送装置102Bは、切替タイミングにおいて、コンテンツの送信を開始する。
【0181】
次に、本開示の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0182】
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る再放送システム301と比べて、コンテンツを含むIPパケットを受信し、コンテンツをIPパケットに含めて再送信する再放送システム303に関する。以下で説明する内容以外は、第1の実施の形態に係る再放送システム301および第2の実施の形態に係る再放送システム302と同様である。
【0183】
図10は、本開示の第3の実施の形態に係る再放送システムの構成を示す図である。図10を参照して、再放送システム303は、再放送システム301と比べて、アンテナ81A,81Bおよび分配器91の代わりに、スイッチ装置82およびスイッチ装置92A,92Bを備える。また、再放送システム303は、再放送システム301と比べて、再放送装置101の代わりに再放送装置103を備え、制御装置201の代わりに制御装置203を備える。
【0184】
一例として、再放送システム303は、運用系の再放送装置103である12台の再放送装置103Aと、待機系の再放送装置103である12台の再放送装置103Bとを備える。
【0185】
各再放送装置103Aは、LANケーブルを介してスイッチ装置92Aと接続されている。また、各再放送装置103Aは、LANケーブルを介してスイッチ装置121Aと接続されている。
【0186】
各再放送装置103Bは、LANケーブルを介してスイッチ装置92Bと接続されている。また、各再放送装置103Bは、LANケーブルを介してスイッチ装置121Bと接続されている。
【0187】
制御装置203は、スイッチ装置211を介してインタフェースユニット111A,112Bと接続されている。たとえば、制御装置203は、再放送装置103Aとスイッチ装置92Aとを接続するLANケーブルとは物理的に異なり、再放送装置103Aとスイッチ装置121Aとを接続するLANケーブルとは物理的に異なり、再放送装置103Bとスイッチ装置92Bとを接続するLANケーブルとは物理的に異なり、かつ再放送装置103Bとスイッチ装置121Bとを接続するLANケーブルとは物理的に異なるLANケーブルを介して、インタフェースユニット111A,111Bと接続されている。
【0188】
制御装置203は、再放送システム303における各再放送装置103の起動後、コンテンツの再送信に関する設定情報C3をスイッチ装置211およびインタフェースユニット111A経由で運用系の再放送装置103Aへ送信し、コンテンツの再送信を待機すべき旨を示す待機指示S3をスイッチ装置211およびインタフェースユニット111B経由で待機系の再放送装置103Bへ送信する。
【0189】
たとえば、再放送装置103Aは、コンテンツを含む複数のIPパケットであるIPフローを、IP網または図示しないヘッドエンド装置からスイッチ装置82,92A経由で受信する。また、たとえば、再放送装置103Bは、コンテンツを含む複数のIPパケットであるIPフローを、IP網または当該ヘッドエンド装置からスイッチ装置82,92B経由で受信する。
【0190】
再放送装置103Bは、初期状態において、コンテンツの再放送を行わない。一方、再放送装置103Aは、初期状態において、コンテンツの再放送を行う。
【0191】
より詳細には、12台の再放送装置103Aの各々には、たとえば互いに異なるチャンネルが割り当てられている。再放送装置103Aは、制御装置203から受信した設定情報C3に従って、割り当てられているチャンネルに属するコンテンツをIPパケットから取得し、取得したコンテンツを含むIPパケットを生成し、生成したIPパケットをスイッチ装置121A,131およびIP網141経由で加入者宅におけるSTB151へマルチキャストする。
【0192】
STB151は、IP網141経由で再放送装置103から受信したIPパケットからコンテンツを取得し、取得したコンテンツを図示しない表示装置において再生する。
【0193】
(再放送装置)
図11は、本開示の第3の実施の形態に係る再放送装置の構成を示す図である。図11を参照して、再放送装置103は、再放送装置101と比べて、チューナ11、パケット処理部12および制御部14の代わりに、IP送受信部21、パケット処理部32および制御部34を備える。指示受信部の一例であり、設定部の一例であり、かつ切り替え部の一例である。IP送受信部21、パケット処理部32、IP送受信部13および制御部34の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。
【0194】
IP送受信部21は、コンテンツを含むIPパケットをスイッチ装置92から受信する。また、IP送受信部21は、制御部34から受信開始指示を受ける。IP送受信部21は、制御部34から受けた受信開始指示に従って、再放送装置103に割り当てられたチャンネルに属するコンテンツを含むIPパケットの受信処理を行う。IP送受信部21は、受信したIPパケットをパケット処理部32へ出力する。
【0195】
パケット処理部32は、IP送受信部21からIPパケットを受けるたびに、受けたIPパケットからTSパケットを取得する。パケット処理部32は、TSパケットを取得するたびに、カウンタ15のカウント値を取得し、生成したTSパケットに当該カウント値がタイムスタンプとして付加されたTTSパケットを生成してIP送受信部13へ出力する。
【0196】
IP送受信部13は、IP送受信部21により受信されたコンテンツを送信する。たとえば、IP送受信部13は、コンテンツを含む複数のIPパケットであるIPフローをスイッチ装置121へ送信する。より詳細には、IP送受信部13は、パケット処理部32から受けた1または複数のTTSパケットを含むIPパケットを生成し、生成したIPパケットをフレームに含めてスイッチ装置121へ送信する。
【0197】
IP送受信部21は、コンテンツを含むIPパケットの受信処理を行う受信オン状態と、コンテンツを含むIPパケットの受信処理を行わない受信オフ状態とを切り替え可能である。たとえば、IP送受信部21は、再放送装置103の起動時において、受信オフ状態に設定されている。
【0198】
IP送受信部13は、IPフローの送信を行う送信オン状態と、IPフローの送信を行わない送信オフ状態とを切り替え可能である。たとえば、IP送受信部13は、再放送装置103の起動時において、送信オフ状態に設定されている。
【0199】
(初期設定)
再放送装置103Bにおける制御部34は、制御装置203から待機指示S3を受信し、受信した待機指示S3に従い、IP送受信部21の受信オフ状態およびIP送受信部13の送信オフ状態を維持する。
【0200】
再放送装置103Aにおける制御部34は、制御装置203から設定情報C3を受信する。設定情報C3は、コンテンツを含むIPパケットの受信設定情報と、コンテンツの送信設定情報とを示す。制御部34は、受信した設定情報C3を記憶部16に保存する。
【0201】
再放送装置103Aにおける制御部34は、制御装置203から受信した設定情報C3に従い、IP送受信部21を受信オン状態に切り替え、IP送受信部13を送信オン状態に切り替える。より詳細には、制御部34は、設定情報C3を含む受信開始指示をIP送受信部21へ出力し、設定情報C3を含む送信開始指示をIP送受信部13へ出力する。
【0202】
IP送受信部21は、制御部34から受信開始指示を受けて、受けた受信開始指示に含まれる設定情報C3に従って、IPパケットの受信処理およびパケット処理部32への出力を開始する。
【0203】
IP送受信部13は、制御部34から送信開始指示を受けて、受けた送信開始指示に含まれる設定情報C3に従って、コンテンツを含むIPパケットの送信を開始する。
【0204】
(切替処理)
再放送システム303では、再放送システム301と同様にして、コンテンツの再送信を実行する再放送装置103の切り替えが行われる。
【0205】
より詳細には、再放送装置103A,103Bは、スイッチ装置121,131経由でTCPパケットのやり取りを行うことによりTCP接続を確立し、TCP接続を用いて、設定情報C3およびタイミング情報等の送受信を行う。そして、再放送装置103Aは、切替タイミングにおいて、コンテンツの送信を停止する。また、再放送装置103Bは、切替タイミングにおいて、コンテンツの送信を開始する。なお、再放送装置103A,103Bは、スイッチ装置92,82経由でTCPパケットのやり取りを行うことによりTCP接続を確立し、当該TCP接続を用いて設定情報C3およびタイミング情報等の送受信を行ってもよい。
【0206】
次に、本開示の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0207】
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る再放送システム301と比べて、コンテンツを含む放送信号を受信し、コンテンツを放送信号に含めて再送信する再放送システム304に関する。以下で説明する内容以外は、第1の実施の形態に係る再放送システム301、第2の実施の形態に係る再放送システム302,および第3の実施の形態に係る再放送システム303と同様である。
【0208】
図12は、本開示の第4の実施の形態に係る再放送システムの構成を示す図である。図12を参照して、再放送システム304は、再放送システム301と比べて、スイッチ装置121,131の代わりに合波器122,132を備える。また、再放送システム304は、再放送システム301と比べて、再放送装置101の代わりに再放送装置104を備え、制御装置201の代わりに制御装置204を備える。
【0209】
一例として、再放送システム304は、運用系の再放送装置104である12台の再放送装置104Aと、待機系の再放送装置104である12台の再放送装置104Bとを備える。
【0210】
制御装置204は、スイッチ装置211を介してインタフェースユニット111A,112Bと接続されている。
【0211】
制御装置204は、再放送システム304における各再放送装置104の起動後、コンテンツの再送信に関する設定情報C4をスイッチ装置211およびインタフェースユニット111A経由で運用系の再放送装置104Aへ送信し、コンテンツの再送信を待機すべき旨を示す待機指示S4をスイッチ装置211およびインタフェースユニット111B経由で待機系の再放送装置104Bへ送信する。
【0212】
再放送装置104A,104Bは、コンテンツを含む放送信号を分配器91A,91Bからそれぞれ受信する。
【0213】
再放送装置104Bは、初期状態において、コンテンツの再放送を行わない。一方、再放送装置104Aは、初期状態において、コンテンツの再放送を行う。
【0214】
より詳細には、12台の再放送装置104Aの各々には、たとえば互いに異なるチャンネルが割り当てられている。再放送装置104Aは、制御装置204から受信した設定情報C4に従って、割り当てられているチャンネルに属するコンテンツを放送信号から取得し、取得したコンテンツを含む放送信号を生成し、生成した放送信号を合波器122A,132およびケーブルテレビ網142経由で加入者宅におけるSTB151へ送信する。
【0215】
STB151は、ケーブルテレビ網142経由で再放送装置104から受信した放送信号からコンテンツを取得し、取得したコンテンツを図示しない表示装置において再生する。
【0216】
(再放送装置)
図13は、本開示の第4の実施の形態に係る再放送装置の構成を示す図である。図13を参照して、再放送装置104は、再放送装置101と比べて、パケット処理部12、IP送受信部13および制御部14の代わりに、信号処理部42、信号出力部23および制御部44を備える。制御部44は、指示受信部の一例であり、設定部の一例であり、かつ切り替え部の一例である。チューナ11、信号処理部42、信号出力部23、および制御部44の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。
【0217】
チューナ11は、コンテンツを含む放送信号を分配器91から受信する。また、チューナ11は、制御部44から復調開始指示を受ける。チューナ11は、制御部44から受けた復調開始指示に従って、分配器91から受信した放送信号に対して復調処理を行うことにより、再放送装置104に割り当てられたチャンネルに属するコンテンツを含むストリームを生成する。チューナ11は、生成したストリームを信号処理部42へ出力する。
【0218】
信号処理部42は、チューナ11から受けたストリームが分割されたデータをそれぞれ含む、データ長が188バイトである複数のTSパケットを生成する。信号処理部42は、取得したTSパケットに対して変調処理を行うことにより、コンテンツを含むデジタル信号を生成する。信号処理部42は、生成したデジタル信号を信号出力部23へ出力する。
【0219】
信号出力部23は、チューナ11により受信されたコンテンツを送信する。また、信号出力部23は、制御部44から出力開始指示を受ける。信号出力部23は、制御部44から受けた出力開始指示に従って、信号処理部42から受けたデジタル信号をアナログ変換した放送信号を、再放送装置104に割り当てられたチャンネルに対応する周波数にアップコンバートして合波器122へ出力する。
【0220】
チューナ11は、コンテンツを含むストリームの生成を行う生成オン状態と、ストリームの生成を行わない生成オフ状態とを切り替え可能である。たとえば、チューナ11は、再放送装置104の起動時において、生成オフ状態に設定されている。
【0221】
信号出力部23は、放送信号の出力を行う出力オン状態と、放送信号の出力を行わない出力オフ状態とを切り替え可能である。たとえば、信号出力部23は、再放送装置104の起動時において、出力オフ状態に設定されている。
【0222】
(初期設定)
再放送装置104Bにおける制御部44は、制御装置204から待機指示S4を受信し、受信した待機指示S4に従い、チューナ11の生成オフ状態および信号出力部23の出力オフ状態を維持する。
【0223】
再放送装置104Aにおける制御部44は、制御装置204から設定情報C4を受信する。設定情報C4は、チューナ11における復調対象の放送信号の周波数F1と、出力する放送信号に関する信号情報とを示す。制御部44は、受信した設定情報C4を記憶部16に保存する。
【0224】
再放送装置104Aにおける制御部44は、制御装置204から受信した設定情報C4に従い、チューナ11を生成オン状態に切り替え、信号出力部23を出力オン状態に切り替える。より詳細には、制御部44は、設定情報C4を含む復調開始指示をチューナ11へ出力し、設定情報C4を含む出力開始指示を信号出力部23へ出力する。
【0225】
チューナ11は、制御部44から復調開始指示を受けて、受けた復調開始指示に含まれる設定情報C4に従って、コンテンツを含むストリームの生成および出力を開始する。
【0226】
信号出力部23は、制御部44から出力開始指示を受けて、受けた出力開始指示に含まれる設定情報C4に従って、放送信号の出力を開始する。
【0227】
(切替処理)
再放送システム304では、再放送システム301と同様にして、コンテンツの再送信を実行する再放送装置104の切り替えが行われる。
【0228】
より詳細には、再放送装置104A,104Bは、インタフェースユニット111およびスイッチ装置211経由でTCPパケットのやり取りを行うことによりTCP接続を確立し、TCP接続を用いて、設定情報C4およびタイミング情報等の送受信を行う。そして、再放送装置104Aは、切替タイミングにおいて、コンテンツの送信を停止する。また、再放送装置104Bは、切替タイミングにおいて、コンテンツの送信を開始する。
【0229】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0230】
上述の実施形態の各処理(各機能)は、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。上記処理回路は、上記1または複数のプロセッサに加え、1または複数のメモリ、各種アナログ回路、各種デジタル回路が組み合わされた集積回路等で構成されてもよい。上記1または複数のメモリは、上記各処理を上記1または複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1または複数のプロセッサは、上記1または複数のメモリから読み出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、コンピュータの制御に適合する種々のプロセッサであってよい。なお、物理的に分離した上記複数のプロセッサが互いに協働して上記各処理を実行してもよい。たとえば、物理的に分離した複数のコンピュータのそれぞれに搭載された上記プロセッサがLAN(Local Area Network)、WAN (Wide Area Network)、およびインターネット等のネットワークを介して互いに協働して上記各処理を実行してもよい。上記プログラムは、外部のサーバ装置等から上記ネットワークを介して上記メモリにインストールされても構わないし、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、および半導体メモリ等の記録媒体に格納された状態で流通し、上記記録媒体から上記メモリにインストールされても構わない。
【0231】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
コンテンツを受信し、受信した前記コンテンツを再送信する複数の再放送装置と、制御装置とを備える再放送システムにおいて、前記コンテンツの再送信を運用系の前記再放送装置から待機系の前記再放送装置へ切り替える切り替え方法であって、
前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との時刻同期を行うステップと、
前記制御装置から前記運用系の再放送装置および前記待機系の再放送装置へ切替開始指示を与えるステップと、
前記運用系の再放送装置における前記コンテンツの再送信の設定内容を示す設定情報を前記待機系の再放送装置に与えるステップと、
前記運用系の再放送装置と前記待機系の再放送装置との間の通信により、切替タイミングを設定するステップと、
前記切替タイミングにおいて、前記運用系の再放送装置から前記待機系の再放送装置へ前記コンテンツの再送信を切り替えるステップとを含み、
前記切替タイミングを設定するステップにおいては、TCPに従う通信接続を用いた通信により、前記切替タイミングを設定する、切り替え方法。
【0232】
[付記2]
コンテンツを再送信する再放送システムにおける再放送装置であって、
処理回路を備え、
前記処理回路は、
前記コンテンツを受信し、
受信した前記コンテンツを送信し、
前記コンテンツの再送信の実行を他の前記再放送装置との間で切り替える切替開始指示を受信し、
受信した前記切替開始指示が示す前記他の再放送装置と通信を行うことにより、前記コンテンツの送信の開始および停止を切り替えるべきタイミングである切替タイミングを設定し、
設定した前記切替タイミングにおいて、前記コンテンツの送信の開始および停止を切り替える、再放送装置。
【符号の説明】
【0233】
11 チューナ
12,32 パケット処理部
13,21 IP送受信部
14,24,34,44 制御部
15 カウンタ
16 記憶部
22,42 信号処理部
23 信号出力部
81,81A,81B アンテナ
82,92,92A,92B,121,121A,121B,131,211 スイッチ装置
91,91A,91B 分配器
101,101A,101B,102,102A,102B,103,103A,103B,104,104A,104B 再放送装置
111,111A,111B インタフェースユニット
122,122A,122B,132 合波器
141 IP網
142 ケーブルテレビ網
151 STB
201 制御装置
301,302,303,304 再放送システム
SA,SB サブシャーシ
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