特開 2024-106623 ヘルムホルツ共鳴器およびそれを用いた振動発電器

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024106623

(43)【公開日】2024-08-08

(54)【発明の名称】ヘルムホルツ共鳴器およびそれを用いた振動発電器

(51)【国際特許分類】

   H04R 17/10 20060101AFI20240801BHJP

【ＦＩ】

H04R17/10

【審査請求】未請求

【請求項の数】10

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023010988

(22)【出願日】2023-01-27

(71)【出願人】

【識別番号】000143949

【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所

(74)【代理人】

【識別番号】110001243

【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】石黒 巧真

(72)【発明者】

【氏名】芦澤 久幸

【テーマコード（参考）】

5D004

【Ｆターム（参考）】

5D004AA01

5D004BB00

5D004DD02

5D004DD07

(57)【要約】

【課題】ヘルムホルツ共鳴器でより広域の振動を増幅してより効率的に振動発電素子による発電を行う振動発電器を提供する。
【解決手段】仕切り板と、前記仕切り板により画定された第１共鳴室および第２共鳴室を有する筐体を有するヘルムホルツ共鳴器であって、前記筐体は前記第１共鳴室と連通する第１ネック部と、前記第２共鳴室と連通する第２ネック部とを有し、前記仕切り板は少なくとも一部に前記筐体の他の部分よりも剛性の低い振動部を有するヘルムホルツ共鳴器およびそれを用いた振動発電器を提供する。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

仕切り板と、前記仕切り板により画定された第１共鳴室および第２共鳴室を有する筐体を有するヘルムホルツ共鳴器であって、
前記筐体は前記第１共鳴室と連通する第１ネック部と、前記第２共鳴室と連通する第２ネック部とを有し、
前記仕切り板は少なくとも一部に前記筐体の他の部分よりも剛性の低い振動部を有する、
ヘルムホルツ共鳴器。

【請求項2】

前記第１共鳴室の共鳴周波数と前記第２共鳴室の共鳴周波数は異なる、請求項１に記載のヘルムホルツ共鳴器。

【請求項3】

前記第１ネック部の開口方向と前記第２ネック部の開口方向は同一方向に方向付けられる、請求項１に記載のヘルムホルツ共鳴器。

【請求項4】

前記第１ネック部の開口方向と前記第２ネック部の開口方向は互いに逆方向に方向付けられる、請求項１に記載のヘルムホルツ共鳴器。

【請求項5】

前記第１ネック部の開口方向と前記第２ネック部の開口方向は、一方が前記振動部を形成する平面に対して垂直方向に開口し、他方が前記振動部が形成する平面に対して水平方向に開口する、請求項１に記載のヘルムホルツ共鳴器。

【請求項6】

前記振動部は、前記筐体の他の部分よりも厚さが薄い、請求項１に記載のヘルムホルツ共鳴器。

【請求項7】

前記振動部は前記筐体の他の部分と異なる材料から形成された振動板が接合されている、請求項１に記載のヘルムホルツ共鳴器。

【請求項8】

前記請求項１～７のいずれか一項に記載のヘルムホルツ共鳴器と、
前記振動部に設けられた振動発電素子と
を備える振動発電器。

【請求項9】

前記振動発電素子の可動子の振動方向が、前記振動部の振動方向と実質的に一致する、請求項８に記載の振動発電器。

【請求項10】

前記振動発電素子が、圧電型振動発電素子からなる、請求項８に記載の振動発電器。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、ヘルムホルツ共鳴器およびそれを用いた振動発電器に関する。

【背景技術】

【0002】

振動エネルギーを電気エネルギーに変換する振動発電素子は、センサ等の電子機器に用いられている。

【0003】

振動発電素子は、振動の大きさが大きいほど、発電量が大きくなる。そのため、音に対応する振動発電素子では、音の振動を大きくすることで、発電量を増やすことができる。

【0004】

音の振動を大きくする方法の一つに、ヘルムホルツ共鳴器が知られている。ヘルムホルツ共鳴器は、空洞と、当該空洞に連通し、一つの側面に開口部を有するネック部とを備えた箱体からなり、この箱体の空洞部に、ネック部を介して、音波を導入し、特定の周波数の振動に対して共鳴させるものである。

【0005】

ヘルムホルツ共鳴器を用いて音エネルギーを増幅する方法が特許文献１に記載されている。特許文献１では、ヘルムホルツ共鳴器の開口部に対向するように発電装置が設置され、発電装置のコイルを振動させて発電を行っている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【特許文献1】特許第４６３３３４２号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

しかし、ヘルムホルツ共鳴器で増幅される周波数は特定の周波数付近に限定されるため、共鳴周波数周辺のみでしか効率的な発電を行うことができない。

【0008】

これらを鑑み、本発明は、ヘルムホルツ共鳴器でより広域の振動を増幅してより効率的に振動発電素子による発電を行う振動発電器を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0009】

上記課題を解決するために、本発明に係る一実施態様のヘルムホルツ共鳴器は、仕切り板と、前記仕切り板により画定された第１共鳴室および第２共鳴室を有する筐体を有するヘルムホルツ共鳴器であって、前記筐体は前記第１共鳴室と連通する第１ネック部と、前記第２共鳴室と連通する第２ネック部とを有し、前記仕切り板は少なくとも一部に前記筐体の他の部分よりも剛性の低い振動部を有する。

【0010】

また、本発明に係る他の実施形態では、本発明の一実施形態に係るヘルムホルツ共鳴器と振動発電素子とを備える振動発電器を提供する。

【発明の効果】

【0011】

本発明は、ヘルムホルツ共鳴器でより広域の振動を増幅してより効率的に振動発電素子による発電を行う振動発電器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】本発明の第１実施形態のヘルムホルツ共鳴器を用いた振動発電器の模式図である。

【図2】本発明の第２実施形態のヘルムホルツ共鳴器を用いた振動発電器の模式図である。

【図3】本発明の第３実施形態のヘルムホルツ共鳴器を用いた振動発電器の模式図である。

【図4】単純なヘルムホルツ共鳴器のモデル図である。

【図5】（ａ）本発明の第１実施形態のヘルムホルツ共鳴器を用いた振動発電器のモデル図である。（ｂ）図５（ａ）のモデルに外部音圧を印加したときのシミュレーション結果である。

【発明を実施するための形態】

【0013】

以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明はこれらに限られない。

【0014】

１．振動発電器
図１は本発明の第１実施形態のヘルムホルツ共鳴器１００を有する振動発電器１０００の模式図である。図１に示されるように、振動発電器１０００は、ヘルムホルツ共鳴器１００と、ヘルムホルツ共鳴器１００に設けられた振動発電素子（不図示）とを備える。以下、振動発電器１０００の各構成を順に説明する。

【0015】

なお、詳細は後述するが、本実施形態においては、ヘルムホルツ共鳴器１００が２つの共鳴室を有し、その境界に振動板を設けたことで、より広帯域で振動を増幅することができる。

【0016】

２．ヘルムホルツ共鳴器
図１に示されるように、ヘルムホルツ共鳴器１００は、立方体形状からなる外形からなる筐体５０を有する。筐体５０には、内部空間を２分割し、第１共鳴室１０および第２共鳴室２０を画定するために、仕切り板５５が設けられる。この仕切り板５５の一部には、開口部が設けられ、この開口部に振動部４０が接合される。よって、第１共鳴室１０及び第２共鳴室２０は、仕切り板５５及び振動部４０により、完全に隔離されている。また、筐体５０は、第１共鳴室１０と連通する第１ネック部１５と、第２共鳴室２０と連通する第２ネック部２５とを有する。以下、ヘルムホルツ共鳴器１００の各構成を順に説明する。

【0017】

筐体５０は、仕切り板５５と、仕切り板５５で画定された第１共鳴室１０および第２共鳴室２０とを有する。第１共鳴室１０および第２共鳴室２０は、ヘルムホルツ共鳴器１００に取り込まれた音が共鳴する空間であり、空洞体積Ｖ₁およびＶ₂を有する。第１共鳴室１０の共鳴周波数と第２共鳴室２０の共鳴周波数は異なるように構成される。２つの共鳴室１０，２０の共鳴周波数が一致すると、後述するように互いに打ち消し合うことになり、外部音圧を増幅することができない。

【0018】

本実施形態において、筐体５０の外形は、立方体形状とするものであるが、これに限らず、例えば、円筒形状や直方体形状などの任意の形状であってもよい。また、第１共鳴室１０および第２共鳴室２０に対応する２つの筐体が仕切り板５５を挟んで隣接する形状であってもよい。

【0019】

仕切り板５５は、開口部に接合された振動部４０を有する。振動部４０は、筐体５０の他の部分よりも剛性が低い部分である。そのため、振動部４０は、筐体５０の他の部分よりも可撓性が高く、音圧を受けて振動することができる。

【0020】

本実施形態において、振動部４０は、別体である振動板を仕切り板５５に接合したものであるが、これに限らず、例えば、仕切り板５５の一部に肉薄部を形成することにより設けてもよい。なお、振動板の接合方法は、これに限定されないが、例えば、接着、溶着、およびねじ留めなどを用いることができる。

【0021】

振動部４０は任意の形状であってもよい。例えば、円盤状であってもよく、また多角形盤状であってもよい。後述するように、振動部４０には振動発電素子が設けられるため、振動発電素子を保持する形状をさらに有してもよい。

【0022】

仕切り板５５および振動部４０は、筐体５０の仕切り板５５および振動部４０以外の部分と同じ材料から形成されていてもよく、また異なる材料で形成されてもよい。

【0023】

第１ネック部１５は第１共鳴室１０と外部環境とを連通し、第２ネック部２５は第２共鳴室２０と外部環境とを連通する。そのため、第１ネック部１５および第２ネック部２５は、音取り込み口として、外部の音を第１共鳴室１０および第２共鳴室２０内にそれぞれ取り込むことができる。第１ネック部１５および第２ネック部２５は、流路面積であるネック面積Ｓ₁およびＳ₂と流路長さであるネック長さＬ₁およびＬ₂を有し、後述するように、第１共鳴室１０および第２共鳴室２０の共鳴周波数ｆ₁及びｆ₂をそれぞれ規定する。

【0024】

第１ネック部１５および第２ネック部２５は、筐体５０の壁面の任意の場所にそれぞれ設けることができる。例えば、音源方向に第１ネック部１５および第２ネック部２５の開口が対向するように、同一方向に開口するように設けてもよい（図１参照）。また第２実施形態のように、第１ネック部１５および第２ネック部２５の開口方向が互いに逆向きになるように方向付けられてもよく（図２参照）、第３実施形態のように、第１ネック部１５および第２ネック部２５のうち、一方が、振動部４０が形成する平面に対して垂直方向に開口し、他方が、振動部４０が形成する平面に対して水平方向に開口するように設けてもよい（図３参照）。さらに、雨やほこりなどの進入を防ぐように、第１ネック部１５および第２ネック部２５の開口方向が下向きになるように設けてもよい。また、第１ネック部１５および第２ネック部２５の開口に音が通過するカバー部材を設け、第１共鳴室１０および第２共鳴室２０を水やほこりなどの外的環境から保護することができる。

【0025】

３．振動発電素子
振動発電素子（不図示）は、振動部４０に設けられ、ヘルムホルツ共鳴による音波の到達で振動部４０が振動することにより、振動して発電を行う素子である。振動発電素子により発電された電気エネルギーは、配線（不図示）により外部に伝達され、センサ信号などに利用することができる。

【0026】

振動発電素子は、振動エネルギーを電気エネルギーに変換する素子であれば任意の素子を用いることができる。例えば、振動発電素子として、櫛歯型電極を有する静電誘導型振動発電素子を用いてもよい。また、振動発電素子は静電誘導型振動発電素子以外にもエレクトレット型発電素子、ピエゾ型発電素子、電磁誘導型、または磁歪型の発電素子を用いてもよい。

【0027】

また振動部４０自体が振動発電素子を形成してもよい。例えば、振動部４０に圧電膜を成型した圧電型振動発電素子を設けることができる。これにより、実装高さを低くし、振動発電器を小型化することができる。

【0028】

（共鳴周波数）
図４に単純なヘルムホルツ共鳴器のモデルを示す。ヘルムホルツ共鳴器２００は、空洞と、当該空洞に連通し、一つの側面に開口部を有するネック部とを備えた箱体からなり、この箱体の空洞部の体積Ｖと、ネック部の面積Ｓおよび長さＬから下記の式１によって決定される特定の周波数の振動に対して共鳴する（図４参照）。

【0029】

【数1】

【0030】

図５（ａ）は、本発明の第１実施形態のヘルムホルツ共鳴器を用いた振動発電器のモデル図である。また、図５（ｂ）は、図５（ａ）のモデルに外部音圧ｐ_inを印加したときのシミュレーション結果である。以下、詳細を説明する。

【0031】

図５（ａ）のモデルにおいて、第２共鳴室２０の第２ネック部２５を塞いで、第１共鳴室１０のみを外部環境と連通させた場合に外部音圧ｐ_inを印加した場合のシミュレーション結果を図５（ｂ）中のグラフの線（ａ）で表す（シミュレーションＡ）。この場合、第１共鳴室１０の共鳴周波数ｆ₁である４００Ｈｚを中心に、第１共鳴室１０内の音圧ｐ₁が増幅される。振動発電素子は２つの共鳴室の音圧の差ｐ₁－ｐ₂によって加振される。シミュレーションＡではｐ₂＝０であるため、振動発電素子の加速度のピークは音圧ｐ₁のピークと一致する。

【0032】

一方、第１共鳴室１０の第１ネック部１５を塞いで、第２共鳴室２０のみを外部環境と連通させた場合に外部音圧ｐ_inを印加した場合のシミュレーション結果を図５（ｂ）中のグラフの線（ｂ）で表す（シミュレーションＢ）。この場合は、第２共鳴室２０の共鳴周波数ｆ₂である５００Ｈｚを中心に、第２共鳴室２０内の音圧ｐ₂が増幅される一方、ｐ₁＝０である。したがって、振動発電素子の加速度は音圧ｐ₂のピークと一致する。

【0033】

第１ネック部１５および第２ネック部２５を外部環境に開放した、本発明の振動発電器に外部音圧ｐ_inを印加した場合のシミュレーション結果を図５（ｂ）中のグラフの線（ｃ）で表す（シミュレーションＣ）。その結果、グラフから明らかなように、２つの共鳴周波数ｆ₁，ｆ₂（４００Ｈｚおよび５００Ｈｚ）の間の領域においては、それぞれの共鳴室単体の場合よりも大きい加速度が得られることがわかった。一方、２つの共鳴周波数ｆ₁，ｆ₂より外側の領域（４００Ｈｚ未満および５００Ｈｚより大きい）では、共鳴室がそれぞれ単体の場合よりも加速度が低下する。

【0034】

これは、共鳴点間の外側では、ｐ₁およびｐ₂が同位相かつ小振幅となり、その差分であるｐ₁－ｐ₂は非常に小さくなるためである。これに対し、共鳴点では、ｐ₁とｐ₂の位相が約９０°ずれているため、差分をとっても打ち消されることはない。さらに、共鳴点間では、ｐ₁とｐ₂はほぼ逆位相で振動するため、その差分ｐ₁－ｐ₂は比較的大きな振幅となる。

【0035】

このように、本発明のヘルムホルツ共鳴器は２つの共鳴点間の振動を増幅することができるから、ヘルムホルツ共鳴器の周波数特性の帯域を広げることと同じ効果を提供することができる。

【0036】

（本発明のヘルムホルツ共鳴器を用いた発電効率の改善について）
本発明のヘルムホルツ共鳴器は、共鳴し得る音波の周波数帯域を広げることができるものである。よって、このヘルムホルツ共鳴器に親和性の高い、つまり、発電し得る振動の周波数帯域が広い、振動発電素子を選択することにより、より発電効率を向上させることができる。

【0037】

前述したように、振動発電素子には、様々なタイプがあるが、この中で、Ｑ値の低い振動発電素子として、櫛歯型電極を有する静電誘導型振動発電素子がある。ここで、Ｑ値とは共振系が蓄積している振動エネルギーと単位時間あたりに外界と出入りするエネルギーとの比であり、共振系の質を表す値である。Ｑ値が大きい共振系は共振のピークが鋭く、共振周波数に一致する振動を外界から受けたときにだけ振幅が成長する。一方、Ｑ値が低い値であるほど共振のピークがなだらかとなり、振動発電素子の可動部の共振周波数と外部振動の周波数のマッチングが容易となる。

【0038】

この振動発電素子において、振動発電素子の可動電極の振動方向は、振動部４０の振動方向と一致することが好ましい。図１に記載の本発明の一実施形態の振動部４０は両矢印Ａの方向に振動するため、振動発電素子の可動電極の振動方向も実質的に両矢印Ａの方向であるように設置されている。

【0039】

このように、振動発電素子を、櫛歯型電極を有する静電誘導型振動発電素子とすることにより、振動発電素子が広い帯域において、加わった外部振動に対して共振することができるため、より広帯域で振動を増幅することができる本発明のヘルムホルツ共鳴器に設置することで、より効率よく発電を行うことができる。

【0040】

以上説明した実施の形態によれば、以下の作用効果を奏する。

【0041】

（１）ヘルムホルツ共鳴器は、仕切り板と、前記仕切り板により画定された第１共鳴室および第２共鳴室を有する筐体を有するヘルムホルツ共鳴器であって、前記筐体は前記第１共鳴室と連通する第１ネック部と、前記第２共鳴室と連通する第２ネック部とを有し、前記仕切り板は少なくとも一部に前記筐体の他の部分よりも剛性の低い振動部を有する。

【0042】

このように構成したのでヘルムホルツ共鳴器の周波数特性の帯域を広げることができる。

【0043】

（２）前記第１共鳴室の共鳴周波数と前記第２共鳴室の共鳴周波数は異なる。

【0044】

このように構成したので、当該ヘルムホルツ共鳴器は、共鳴周波数間で音圧を増幅することができる。

【0045】

（３）前記第１ネック部の開口方向と前記第２ネック部の開口方向は同一方向に方向付けられる。

【0046】

このように構成したので、当該ヘルムホルツ共鳴器は外部音圧を効率よく取り込むことができる。

【0047】

（４）前記第１ネック部の開口方向と前記第２ネック部の開口方向は互いに逆方向に方向付けられる。

【0048】

このように構成したので、当該ヘルムホルツ共鳴器は外部音圧を効率よく取り込むことができる。

【0049】

（５）前記第１ネック部の開口方向と前記第２ネック部の開口方向は、一方が前記振動部を形成する平面に対して垂直方向に開口し、他方が前記振動部が形成する平面に対して水平方向に開口する。

【0050】

このように構成したので、当該ヘルムホルツ共鳴器は外部音圧を効率よく取り込むことができる。

【0051】

（６）前記振動部は、前記筐体の他の部分よりも厚さが薄い。

【0052】

このように構成したので、振動部は他の部分よりも剛性が低く形成することができる。

【0053】

（７）前記振動部は前記筐体の他の部分と異なる材料から形成された振動板が接合されている。

【0054】

このように構成したので、振動部は他の部分よりも剛性が低く形成することができる。

【0055】

（８）振動発電器は、前記（１）～（７）のいずれか一項に記載のヘルムホルツ共鳴器と、前記振動部に設けられた振動発電素子とを備える。

【0056】

このように構成したので、ヘルムホルツ共鳴器でより広域の振動を増幅してより効率的に振動発電素子による発電を行うことができる。

【0057】

（９）振動発電素子は、前記振動発電素子の可動子の振動方向が、前記振動部の振動方向と実質的に一致する。

【0058】

このように構成したので、ヘルムホルツ共鳴器でより広域の振動を増幅してより効率的に振動発電素子による発電を行うことができる。

【0059】

（１０）前記振動発電素子が、圧電型振動発電素子からなる。

【0060】

このように構成したので、振動発電器を小型化することができる。

【0061】

上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定
されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の
範囲内に含まれる。

【0062】

また、上述の各実施の形態および変形例の一つもしくは複数を、適宜組合せてもよい。

【符号の説明】

【0063】

１０ 第１共鳴室
１５ 第１ネック部
２０ 第２共鳴室
２５ 第２ネック部
４０ 振動部
５０ 筐体
５５ 仕切り板
１００ ヘルムホルツ共鳴器
２００ ヘルムホルツ共鳴器
１０００ 振動発電器

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】