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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106626
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】生産機械及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20240801BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
B65B57/00
G05B23/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010994
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000151461
【氏名又は名称】株式会社東京自働機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】大熊 徹
(72)【発明者】
【氏名】鳥山 翔市
(72)【発明者】
【氏名】久保田 有香
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒平
(72)【発明者】
【氏名】中野 椋輔
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA11
3C223BA01
3C223BB08
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB05
3C223FF04
3C223FF12
3C223FF42
3C223GG01
3C223HH03
3C223HH06
(57)【要約】
【課題】日誌作成ソフトの種類に関わらず、作業日誌作成のための生産データを出力する。
【解決手段】包装機械は、生産機械本体の生産に関する生産情報を表示する表示部と、前記表示部に表示された情報の一部を、画像データとして記憶することを指示する指示部と、前記画像データを記憶する記憶部と、記憶された前記画像データを出力する出力部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産機械本体の生産に関する生産情報を表示する表示部と、
前記表示部に表示された情報の一部を、画像データとして記憶することを指示する指示部と、
前記画像データを記憶する記憶部と、
記憶された前記画像データを出力する出力部と、
を備える生産機械。
【請求項2】
前記指示部は、前記表示部に表示された操作受付部が操作されたことに基づき、前記表示部に表示された情報を、前記画像データとして記憶することを指示し、
前記画像データとは、前記表示部に表示された画像のうち、予め設定された範囲における画像である
請求項1に記載の生産機械。
【請求項3】
前記指示部は、前記操作受付部が操作されたことに応じて、当該操作受付部の表示を異ならせる
請求項2に記載の生産機械。
【請求項4】
前記生産情報には、前記生産機械本体により生産される物品の生産数についての情報、前記生産機械本体に関するアラーム状況、前記生産機械本体の効率化に関するロス解析情報のうち少なくともいずれかが含まれる
請求項1又は請求項2に記載の生産機械。
【請求項5】
前記画像データには、前記表示部に表示されていない情報であって、前記生産機械本体が生産する物品の生産数によっては変動しない情報である生産固有情報が含まれる
請求項1又は請求項2に記載の生産機械。
【請求項6】
前記画像データの画像サイズを予め設定する画像サイズ設定部を更に備える
請求項1又は請求項2に記載の生産機械。
【請求項7】
前記生産機械本体とは、物品の包装を行う包装機械である
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の生産機械。
【請求項8】
コンピュータに、
生産機械本体の生産に関する生産情報を表示する表示ステップと、
前記表示ステップにより表示された情報の一部を、画像データとして記憶することを指示する指示ステップと、
前記画像データを記憶する記憶ステップと、
記憶された前記画像データを出力する出力ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産機械及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を生産する機械が運転される生産現場では、物品の生産量や生産効率等の生産データを記録するため、定期的に作業日誌が作成されている。作業日誌の作成を支援するための技術として、管理情報項目の数値データをまとめた表を作成することができる電子日誌システムに関する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような技術は、包装機械を用いて物品等の包装を行う作業現場に対しても適用されることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-112284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような技術によれば、作業日誌を作成する際に、物品の生産量や生産効率等の生産データを人が手入力する必要がある。すなわち、上述したような技術によれば、人による手入力を行う必要があるため、入力ミスが生じる場合があるといった問題があった。また、生産機械から生産データを自動的に取得しようとした場合、作業日誌の作成に用いる日誌作成ソフトの種類に応じて、出力される情報のフォーマット等を調整しなければならず、困難であるといった問題があった。
【0005】
そこで本発明は、日誌作成ソフトの種類に関わらず、作業日誌作成のための生産データを出力することが可能な生産機械及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、生産機械本体の生産に関する生産情報を表示する表示部と、前記表示部に表示された情報の一部を、画像データとして記憶することを指示する指示部と、前記画像データを記憶する記憶部と、記憶された前記画像データを出力する出力部と、を備える生産機械である。
【0007】
[2]また、本発明の一態様は、上記[1]に記載の生産機械において、前記指示部は、前記表示部に表示された操作受付部が操作されたことに基づき、前記表示部に表示された情報を、前記画像データとして記憶することを指示し、前記画像データとは、前記表示部に表示された画像のうち、予め設定された範囲における画像である。
【0008】
[3]また、本発明の一態様は、上記[1]又は[2]に記載の生産機械において、前記指示部は、前記操作受付部が操作されたことに応じて、当該操作受付部の表示を異ならせるものである。
【0009】
[4]また、本発明の一態様は、上記[1]から[3]のいずれかに記載の生産機械において、前記生産情報には、前記生産機械本体により生産される物品の生産数についての情報、前記生産機械本体に関するアラーム状況、前記生産機械本体の効率化に関するロス解析情報のうち少なくともいずれかが含まれるものである。
【0010】
[5]また、本発明の一態様は、上記[1]から[4]のいずれかに記載の生産機械において、前記画像データには、前記表示部に表示されていない情報であって、前記生産機械本体が生産する物品の生産数によっては変動しない情報である生産固有情報が含まれるものである。
【0011】
[6]また、本発明の一態様は、上記[1]から[5]のいずれかに記載の生産機械において、前記画像データの画像サイズを予め設定する画像サイズ設定部を更に備えるものである。
【0012】
[7]また、本発明の一態様は、上記[1]から[6]のいずれかに記載の生産機械において、前記生産機械本体とは、物品の包装を行う包装機械である。
【0013】
[8]また、本発明の一態様は、コンピュータに、生産機械の生産に関する生産情報を表示する表示ステップと、前記表示ステップにより表示された情報の一部を、画像データとして記憶することを指示する指示ステップと、前記画像データを記憶する記憶ステップと、記憶された前記画像データを出力する出力ステップと、を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、日誌作成ソフトの種類に関わらず、作業日誌作成のための生産データを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る生産システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る表示部により表示されるメインメニュー画面の一例について説明するための図である。
図3】実施形態に係る表示部により表示される表示画面の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る日誌作成装置により作成される日誌の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態]
以下、本発明の態様に係る生産機械及びプログラムについて、好適な実施の形態として生産機械のひとつである包装機械を掲げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の態様は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、多様な変更または改良を加えたものも含まれる。つまり、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれ、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
【0017】
図1は、実施形態に係る生産システムの機能構成の一例を示すブロック図である。同図を参照しながら、生産システム1の機能構成の一例について説明する。生産システム1は、生産機械10と日誌作成装置20とを備える。生産システム1は、物品の生産を行い、当該物品の生産に関する日誌を作成する。
【0018】
生産機械10は、物品をフィルムや紙等の包材で包み、包装品の生産を行う。物品の包装とは、例えば生産された物品が菓子等である場合におけるピロー包装であってもよく、ボックスティッシュやトイレットロール等である場合におけるクラフト包装であってもよい。生産機械10は、生産機械本体11と、制御装置12と、操作パネル13とを備える。制御装置12は、指示部14と、記憶部15と、出力部16と、画像サイズ設定部17と、機械動作制御部18とを備える。なお、指示部14、記憶部15及び出力部16は、制御装置12に備えられる一例に限定されず、操作パネル13に備えられていてもよい。
【0019】
生産機械本体11は、物品の生産を行う。生産機械本体11は、具体的には、生産された物品の包装を行う包装機械であってもよい。生産機械本体11は、制御装置12から出力される制御情報CIを取得し、取得した制御情報CIに基づき、物品の生産を行う。
【0020】
制御装置12は、生産機械本体11に対して制御情報CIを出力することにより生産機械本体11の制御を行う。また、制御装置12は、生産機械本体11から出力された信号FIを、生産機械本体11から取得してもよい。生産機械本体11から出力される信号FIには、例えばフィードバック信号や、生産機械本体11に生じた障害に関する情報(エラー信号)等が含まれる。制御装置12は、生産機械10のオペレータが操作パネル13を操作することにより制御されてもよい。オペレータの操作に基づき操作パネル13から出力される情報を、操作情報OIと記載する。
【0021】
操作パネル13は、表示部131と操作受付部132とを備える。表示部131は、生産機械本体11に関する各種情報を表示する。生産機械本体11に関する各種情報とは、例えば生産機械本体11の生産に関する情報(以下、生産情報と記載する。)であってもよい。生産情報は、例えば制御装置12が生産機械本体11から取得した情報に基づいて生成されてもよい。表示部131は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等であってもよい。操作受付部132は、生産機械10を操作するオペレータからの入力操作を受け付ける。操作受付部132は、例えば不図示のタッチパネル、キーボード又はマイク等の入力装置をオペレータが操作することに応じて、入力操作を受け付ける。操作受付部132は、オペレータから取得した操作に関する情報を、操作情報OIとして制御装置12に出力する。実施形態の一例として、操作受付部132は、画像取込ボタンとしてタッチパネルである表示部131に表示されていてもよい。
【0022】
指示部14は、操作受付部132から操作情報OIを取得する。指示部14は、生産機械10のオペレータから受け付けた操作が特定の操作である場合において、表示部131に表示された情報の一部を画像データとして記憶することを指示する。特定の操作とは、例えば画像取込ボタンとしての操作受付部132がオペレータにより押されることであってもよい。指示部14は、画像取込ボタンとしての操作受付部132がオペレータにより押された場合、表示部131に表示された情報を、画像データIDとして記憶することを指示する。この場合、指示部14は、表示部131に指示情報IIを出力する。表示部131は、指示情報IIを取得すると、現在表示している画像のうち一部を含む情報を、画像データIDとして記憶部15に出力する。
【0023】
なお、画像データIDには、例えば、表示部131に表示されていない情報が含まれていてもよい。画像データIDに含まれる情報の一例としては、生産機械本体11が生産する物品の生産数によっては変動しない情報である生産固有情報であってもよい。生産固有情報とは、例えば生産機械10又は生産機械本体11の機械名や、画像データIDが取得された日の日付、時刻、生産機械10又は生産機械本体11により生産される物品等を特定する情報、オペレータを特定する情報等が含まれる情報であってもよい。画像データIDは、例えば生産固有情報を、画像情報として含む。換言すれば、画像データIDとは、表示部131に表示されている画像と、生産固有情報とが含まれた画像情報であってもよい。また画像データIDはファイルを開かなくても画像データIDがどの生産機械の何時の画像データIDかが判別できるように画像データIDのファイル名に生産固有情報の一部が含まれるようにしてもよい。
【0024】
記憶部15は、半導体メモリや磁気ハードディスク装置などといった記憶手段を含む。記憶部15は、表示部131から画像データIDを取得し、取得した画像データIDを記憶する。記憶部15は、例えば所定の通信ネットワークを介して生産機械10と接続される記憶サーバとして存在していてもよい。
【0025】
出力部16は、記憶部15に記憶された画像データIDを含む情報を、生産情報PIとして日誌作成装置20に出力する。生産情報PIには、画像データIDの他、画像データIDに関するメタ情報や、その他生産に関する情報等が含まれていてもよい。
【0026】
画像サイズ設定部17は、画像データIDの画像サイズを設定する。画像サイズ設定部17による画像データIDの画像サイズの設定は、指示部14による指示が行われる前に行われる。画像サイズ設定部17は、画像データIDとして記憶及び出力する範囲を設定してもよいし、画像データIDの解像度を設定してもよい。画像サイズ設定部17は、オペレータの指示に基づき画像サイズを設定してもよいし、日誌作成装置20により用いられる日誌作成ソフトの種類に基づき画像サイズを設定してもよい。
【0027】
機械動作制御部18は、生産機械本体11の動作を制御する。機械動作制御部18は、操作受付部132から取得される操作情報OIに基づいて、生産機械本体11の動作を制御してもよい。
【0028】
出力部16から日誌作成装置20への画像データIDの出力方法は、所定の通信方法により生産機械10と接続して出力しても良いし、出力部16にUSBメモリ等の記憶媒体を接続して画像データIDを一時的に記憶媒体に保存し、記憶媒体を介して日誌作成装置20に画像データIDを出力しても良い。日誌作成装置20は、所定の通信方法または記憶媒体により、生産機械10から生産情報PIを取得する。日誌作成装置20は、取得した生産情報PIに基づき作業日誌を作成する。作業日誌は、所定の間隔で作成される。所定の間隔とは、例えば1日1回であってもよい。日誌作成装置20は、取得部21と、日誌作成部22とを備える。
【0029】
取得部21は、生産機械10から生産情報PIを取得する。取得部21は、取得した生産情報PIに含まれる画像データIDを、日誌作成部22に出力する。
【0030】
日誌作成部22は、取得部21から画像データIDを取得する。日誌作成部22は、取得した画像データIDに基づき日誌を作成する。日誌作成部22により作成される日誌は、画像データIDの他、オペレータにより入力されたその他の生産に関する情報等が含まれていてもよい。
【0031】
図2は、実施形態に係る表示部131により表示されるメインメニュー画面の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、表示部131に表示されるメインメニュー画面の画面構成の一例について説明する。同図には、符号D1として、メインメニュー画面の画面構成の一例を示す。メインメニュー画面は、符号D10,符号D20及び符号D30を画面構成として有する。
【0032】
符号D10は、製品データに関するボタンを有する。同図には、製品データに関するボタンの一例として、切り替え(符号D11)、運転条件(符号D12)、削除(符号D13)、タイミング(符号D14)、製品名(符号D15)、装置選択(符号D16)が示されている。オペレータは、これらのボタンを選択することにより、製品データに関する詳細な設定や閲覧等が可能な表示画面に遷移する。
【0033】
符号D20は、モニタに関するボタンを有する。同図には、モニタに関するボタンの一例として、異常履歴(符号D21)、入力モニタ(符号D22)、排除履歴(符号D23)、出力モニタ(符号D24)、生産情報(符号D25)が示されている。オペレータは、これらのボタンを選択することにより、各種情報をモニタすることが可能な表示画面に遷移する。
【0034】
符号D30は、生産機械本体11の機械データに関するボタンを有する。同図には、機械データに関するボタンの一例として、機械設定(符号D31)及び装置構成(符号D32)が示されている。オペレータは、これらのボタンを選択することにより、機械データに関する詳細な設定や閲覧等が可能な表示画面に遷移する。
【0035】
図3は、実施形態に係る表示部により表示される表示画面の一例を示す図である。同図を参照しながら、表示部131による表示の一例と、画像取込ボタンとしての操作受付部132の一例について説明する。同図には、符号D4として、表示部131により表示される表示画面の画面構成の一例を示す。符号D4として示した表示画面は、例えば図2に示したいずれかのボタンが押下されることにより表示されてもよい。当該表示画面は、符号D40,符号D50及び符号D61等を画面構成として有する。
【0036】
符号D40は、所定の期間における生産機械本体11の生産実績が示される。図示する一例では、横軸を時間帯として示している。また、生産数[個]の時間帯ごとの変化を棒グラフとして、異常が発生したことに起因して生産ができなかった時間を示す異常時間[min(分)]の時間帯ごとの変化を折れ線グラフとして示している。また、図示する一例では、24時間分の生産実績について、1時間ごとに示されている。また、符号D50は、当日の生産数[個]と、符号D40に記載された生産数[個]の時間帯ごとの内訳とを示している。図示する一例からは、8時から17時の間に物品が生産され、お昼の時間帯には生産が止まっていることが分かる。
【0037】
符号D61は、操作受付部132の一例であり、具体的には画像取込ボタンである。オペレータにより当該ボタンが操作(例えばタッチパネルのタッチ動作)されると、指示部14は、画像データIDの取得を指示する。なお、指示部14は、当該ボタンが操作されたことに応じて、当該ボタンの表示を異ならせてもよい。指示部14は、例えば符号D61で示される画像取込ボタンが押下され、画像データIDが取得されると、当該ボタンの色を異ならせる(例えば、カラーで表示されていたカメラマークを、グレーからに変更する)ことにより既に画像データIDが取得されたことを、視覚的にオペレータに提示する。なお、指示部14は、当該ボタンの形状を異ならせたり、文字表示を行ったりすることにより画像データIDが取得されたことをオペレータに提示してもよい。また、指示部14は、音声出力等により聴覚的にオペレータに提示してもよい。
【0038】
図示する一例において、画像データIDとして取得される範囲は、例えば符号D40及び符号D50で示された範囲であってもよい。オペレータは、画像データIDとして取得する範囲を予め設定することができる。換言すれば、画像データIDとは、表示部131に表示された画像のうち、予め設定された範囲における画像であってもよい。予め設定された範囲とは、例えば生産機械本体11により生産される物品の生産数に関する情報が示された範囲であってもよい。なお、表示部131の全てを画像データIDとして取得するよう設定されていてもよい。
【0039】
画像データIDの範囲に含まれる生産情報には、生産機械本体11により生産される物品の生産数についての情報の他、生産機械本体11の異常に関する情報(アラーム状況)や、生産機械本体11の効率化に関するロス解析情報等が含まれていてもよい。また、画像データIDの範囲に含まれる生産情報には、これらの情報のうち少なくともいずれかが含まれていればよい。
【0040】
また、指示部14は、操作受付部132が操作されたことに加えて、又は代えて、生産機械本体11の生産情報がリセットされたことに基づき、画像データIDとして記憶することを指示してもよい。この場合、指示部14は、制御装置12から生産機械本体11のリセットに関する情報を取得してもよい。また、生産機械10が所定の計時部(不図示)を備えることにより、指示部14は、計時部が計時する所定の時間間隔に基づき、画像データIDとして記憶することを指示してもよい。所定の時間間隔とは、例えば、1日ごとであってもよい。
【0041】
なお、表示部131は、符号D62及び符号D63を画面構成として備えることにより、日誌作成装置20との接続やUSBメモリとの接続等についての表示を行い、当該接続に関する操作をオペレータから受け付けてもよい。符号D62は、生産機械10が、画像データIDを出力する先のデバイス(日誌作成装置20又はUSBメモリ等)と接続されているか否かを示す。例えば符号D62は、接続済みの場合緑色等の所定の色で点灯し、未接続の場合は消灯してもよい。符号D63は、USB取り出しボタンであり、当該デバイスとの切断を指示するボタンであってもよい。オペレータは、符号D63に示されるUSB取り出しボタンを操作することにより接続を解除してもよい。
【0042】
図4は、実施形態に係る誌作成装置により作成される日誌の一例を示す図である。同図を参照しながら、日誌作成装置20により作成される日誌の一例について説明する。まず、日誌作成装置20の取得部21は、生産機械10から画像データIDを取得する。画像データIDには、例えば図3において示した符号D40及び符号D50の範囲が含まれている。日誌作成装置20の日誌作成部22は、画像データIDを、別途容易された枠に貼り付けることにより日誌を作成する。
【0043】
図4(A)は、日誌作成部22により用意された枠の一例である。図示する一例では、作業日報として符号D70及び符号D80が示されている。
符号D70には、日誌の作成日、記入者名、生産機械本体11の識別情報、生産機械本体11により生産される物品名、作業時間、休憩時間等の書誌的事項が記載されている。これら書誌的事項は、出力部16を介して生産機械10の制御装置12から自動的に取得されてもよいし、オペレータにより入力されてもよい。
符号D80には作業内容や、生産個数が示されている。ここで、生産個数については、単なる枠として記載されている。これは、生産個数等の生産に関する情報がオペレータにより手入力されると、タイプミスが生じる場合があるからである。そこで本実施形態によれば、生産機械10から画像データIDを取得し、取得した画像データIDを予め用意された枠に貼り付けることにより日誌を作成する。
【0044】
図4(B)は、日誌作成部22により、画像データIDが貼り付けられたことにより、完成した日誌の一例である。図示するように、枠の中に生産に関する情報を示す画像が貼り付けられたことにより、日誌が完成している。なお、オペレータは作業に関する特記事項があれば、符号D80で示した範囲の中に記載することも可能である。
【0045】
[本実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、生産機械10は、表示部131を備えることにより生産機械本体11の生産に関する生産情報を表示し、指示部14を備えることにより表示部131に表示された情報の一部を画像データIDとして記憶することを指示し、記憶部15を備えることにより画像データIDを記憶し、出力部16を備えることにより記憶された画像データIDを出力する。すなわち、本実施形態によれば、表示部131に表示された生産機械本体11の情報を容易に取り出すことができ、例えば日誌作成装置20に取り込むことができる。ここで、日誌作成装置20は、専用の日誌作成ソフトを有しなくてもよい。したがって、生産機械10によれば、日誌作成装置20が用いる日誌作成ソフトの種類に関わらず、作業日誌作成のための生産データを出力することができる。よって、本実施形態によれば、容易に日誌を作成することができる。
【0046】
また、以上説明した実施形態によれば、画像取込ボタンが表示部131に表示されていてもよい。画像取込ボタンとは、例えば操作受付部132の一例である。指示部14は、表示部131に表示された操作受付部132が操作されたことに基づき、表示部131に表示された情報を、画像データIDとして記憶することを指示する。また、この場合における画像データIDとは、表示部131に表示された画像のうち、予め設定された範囲における画像である。予め設定された範囲における画像とは、例えば生産機械本体11の生産に関する情報が示された範囲であってもよく、詳細には、図3における符号D40及び符号D50等が示された範囲であってもよい。したがって、本実施形態によれば、生産機械本体11の情報について示された範囲の画像を出力することができる。よって、生産機械10によれば、更に容易に日誌を作成することができる。また、作成された日誌には、予め設定された範囲における画像が埋め込まれるため、表示部131に表示された情報であって、作業日誌に関連しない情報を排除して貼り付けることができる。よって、本実施形態によれば、視認性の良い日誌を作成することができる。
【0047】
また、以上説明した実施形態によれば、操作受付部132は画像取込ボタンとして表示部131に表示され、指示部14は、操作受付部132が操作されたことに応じて(具体的には、画像取込ボタンが押下されたことに応じて)、操作受付部132の表示を異ならせる。指示部14は、例えば画像取込ボタンが押下された場合に、画像取込ボタンの色を異ならせることにより、既に画像が取り込まれたことを提示する。なお、指示部14は、画像取込ボタンの形状を異ならせることにより既に画像が取り込まれたことを提示してもよいし、文字表示を行う等、他の手段により既に画像が取り込まれたことを提示してもよい。このような構成を採用することにより、生産機械10のオペレータは、予め定められた時間内で画像取り込みが行われた否かを容易に認識することが可能となり、画像の取り込みミスの発生を抑止することができる。
【0048】
また、以上説明した実施形態によれば、画像データIDに含まれる生産情報には、生産機械本体11により生産される物品の生産数についての情報、生産機械本体11に関するアラーム状況、及び生産機械本体11の効率化に関するロス解析情報のうち少なくともいずれかが含まれる。すなわち、画像データIDに含まれる生産情報には、詳細な生産状況が含まれる。日誌作成装置20は、生産機械10により出力される生産情報に基づき日誌を作成する。したがって、本実施形態によれば、生産状況を十分に記載した日誌を作成することができる。
【0049】
また、以上説明した実施形態によれば、画像データIDには、生産固有情報が含まれる。生産固有情報とは、表示部131に表示されていない情報であって、生産機械本体11が生産する物品の生産数によっては変動しない情報である。生産固有情報の一例としては、例えば生産機械本体11の機械名や、画像データIDが取得された日の日付、生産機械本体11により生産される物品の物品名、生産機械10を操作したオペレータ名等を例示することができる。本実施形態によれば、画像データIDに生産固有情報が含まれるため、画像データIDを取得した後(または日誌に取り込んだ後)であっても、当該画像データIDが何の生産に関わる生産情報なのかを容易に知ることができる。
【0050】
また、以上説明した実施形態によれば、生産機械10は、画像サイズ設定部17を更に備えることにより、表示部131から取得する画像データIDの画像サイズを予め設定する。すなわち生産機械10のオペレータは、日誌作成装置20が用いる日誌作成ソフトに合わせた画像サイズに合わせて、生産機械10から出力される画像サイズを変換することができる。したがって、本実施形態によれば、日誌に貼り付ける際に画像の大きさを変える必要がなく、貼り付け作業を容易に行うことができる。
【0051】
また、以上説明した実施形態によれば、指示部14は、生産機械本体11の生産情報がリセットされたことに基づき、画像データIDとして記憶することを指示する。換言すれば、生産機械10は、生産機械本体11の情報がリセットされる場合に画像を自動的に取り込む機能を備える。ここで、画像データIDを出力することなく生産機械本体11がリセットされてしまった場合、最後に画像データIDを出力してからリセットされるまでの期間における生産情報が失われてしまう可能性が有る。本実施形態によれば、リセットされたことに基づき画像データIDを出力するため、生産機械本体11の生産に関する情報を画像データIDとして取り漏らすことを抑止することができる。
【0052】
なお、生産機械10は、日付または時刻により指定される所定の期間、画像データIDの出力がない場合、バックアップのために、画像データIDを出力してもよい。生産機械10は、バックアップとして画像データIDを出力することにより、生産機械本体11の情報を画像データIDとして取り漏らすことを抑止することができる。
【0053】
なお、上述した実施形態に係る生産機械10が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0054】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0055】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0056】
1…生産システム
10…生産機械
20…日誌作成装置
11…生産機械本体
12…制御装置
13…操作パネル
131…表示部
132…操作受付部
14…指示部
15…記憶部
16…出力部
17…画像サイズ設定部
21…取得部
22…日誌作成部
PI…生産情報
CI…制御情報
OI…操作情報
II…指示情報
SI…サイズ情報
ID…画像データ
図1
図2
図3
図4