IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社デンソーの特許一覧

特開2024-106635データ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラム
<>
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラム 図1
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラム 図2
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラム 図3
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラム 図4
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラム 図5
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラム 図6
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラム 図7
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106635
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011005
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三宅 正人
(72)【発明者】
【氏名】田内 真紀子
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC27
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
(57)【要約】
【課題】データの利用を容易にする。
【解決手段】データ処理装置1は、BLE通信部5と、Wi-Fi通信部4と、データ取得部6と、制御部2と、データ蓄積部7と、外部通信部8とを備える。データ取得部6および制御部2は、BLE通信部5が取得した車両データについて、車両データを識別するための標準IDと、車両データの値を正規化した標準データ値とを含む標準化データを生成する。データ取得部6および制御部2は、Wi-Fi通信部4が取得した充電装置データについて、充電装置データを識別するための標準IDと、充電装置データの値を正規化した標準データ値とを含む標準化データを生成する。データ蓄積部7は、標準化データを記憶する。制御部2および外部通信部8は、予め設定されたデータ送信条件が成立した場合に、標準化データを管理センター100へ送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から、予め設定された第1取得方式で、前記車両に関するデータである第1データを取得するように構成された第1取得部(5)と、
前記車両以外から、予め設定された第2取得方式で、前記車両以外に関するデータである第2データを取得するように構成された第2取得部(3,4)と、
前記第1取得部が取得した前記第1データについて、前記第1データを識別するための第1データIDと、前記第1データの値を正規化した第1標準データ値とを含む第1標準化データを生成し、前記第2取得部が取得した前記第2データについて、前記第2データを識別するための第2データIDと、前記第2データの値を正規化した第2標準データ値とを含む第2標準化データを生成するように構成された標準化処理部(S10~S360)と、
前記第1標準化データおよび前記第2標準化データを記憶するように構成されたデータ記憶部(7)と、
前記第1標準化データおよび前記第2標準化データのそれぞれについて、予め設定されたデータ送信条件が成立した場合に、前記データ記憶部に記憶されている前記第1標準化データおよび前記第2標準化データを送信するように構成されたデータ送信部(S410~S430)と
を備えるデータ処理装置(2)。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ処理装置であって、
前記標準化処理部は、前記第1取得部および前記第2取得部が取得した前記第1データおよび前記第2データのそれぞれについて、動的データであるか静的データであるかを判断し、前記動的データであるか前記静的データであるかを示す種別情報を前記第1標準化データおよび前記第2標準化データに設定するよう構成され、
前記データ送信部は、前記第1標準化データおよび前記第2標準化データのそれぞれについて、前記種別情報に応じて設定された前記データ送信条件が成立した場合に、前記第1標準化データおよび前記第2標準化データを送信するように構成されるデータ処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ処理装置であって、
前記種別情報が前記静的データを示している場合における前記データ送信条件は、前記データ送信条件の対象となる前記第1標準化データまたは前記第2標準化データが生成された後に送信するように設定されるデータ処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のデータ処理装置であって、
前記種別情報が前記動的データを示している場合における前記データ送信条件は、前記データ送信条件の対象となる前記第1標準化データまたは前記第2標準化データを、予め設定された送信周期が経過する毎に送信するように設定されるデータ処理装置。
【請求項5】
請求項1~請求項3の何れか1項に記載のデータ処理装置であって、
前記第1取得部が取得した前記第1データには、前記第1データを識別するための第1生データIDが付加されており、
前記第2取得部が取得した前記第2データには、前記第2データを識別するための第2生データIDが付加されており、
前記標準化処理部は、
前記第1取得部が取得した前記第1データについて、前記第1生データIDと、前記第1データの値を示す第1生データ値とを含む第1共通化データに変換し、
前記第2取得部が取得した前記第2データについて、前記第2生データIDと、前記第2データの値を示す第2生データ値とを含む共通化データである第2共通化データに変換し、
前記第1共通化データに含まれる前記第1生データ値を正規化することにより、前記第1標準化データを生成し、
前記第2共通化データに含まれる前記第2生データ値を正規化することにより、前記第2標準化データを生成するように構成されるデータ処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載のデータ処理装置であって、
前記標準化処理部は、前記第1取得部および前記第2取得部が取得した前記第1データおよび前記第2データのそれぞれについて、動的データであるか静的データであるかを判断し、前記動的データであるか前記静的データであるかを示す種別情報を前記第1共通化データおよび前記第2共通化データに付加するよう構成されるデータ処理装置。
【請求項7】
請求項3に記載のデータ処理装置であって、
前記データ送信条件は、前記データ送信条件の対象となる前記第1標準化データまたは前記第2標準化データが生成された後に毎回送信するように設定されるデータ処理装置。
【請求項8】
請求項3に記載のデータ処理装置であって、
前記データ送信条件は、前記データ送信条件の対象となる前記第1標準化データまたは前記第2標準化データが生成された場合であっても、前記第1標準化データまたは前記第2標準化データに含まれるデータ値が変化していない場合には、送信を禁止するように設定されるデータ処理装置。
【請求項9】
データ処理装置が実行するデータ処理方法であって、
車両から、予め設定された第1取得方式で、前記車両に関するデータである第1データを取得し、
前記車両以外から、予め設定された第2取得方式で、前記車両以外に関するデータである第2データを取得し、
取得した前記第1データについて、前記第1データを識別するための第1データIDと、前記第1データの値を正規化した第1標準データ値とを含む第1標準化データを生成し、取得した前記第2データについて、前記第2データを識別するための第2データIDと、前記第2データの値を正規化した第2標準データ値とを含む第2標準化データを生成し、
前記第1標準化データおよび前記第2標準化データのそれぞれについて、予め設定されたデータ送信条件が成立した場合に、前記第1標準化データおよび前記第2標準化データを送信するデータ処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
車両から、予め設定された第1取得方式で、前記車両に関するデータである第1データを取得するように構成された第1取得部(5)、
前記車両以外から、予め設定された第2取得方式で、前記車両以外に関するデータである第2データを取得するように構成された第2取得部(3,4)、
前記第1取得部が取得した前記第1データについて、前記第1データを識別するための第1データIDと、前記第1データの値を正規化した第1標準データ値とを含む第1標準化データを生成し、前記第2取得部が取得した前記第2データについて、前記第2データを識別するための第2データIDと、前記第2データの値を正規化した第2標準データ値とを含む第2標準化データを生成するように構成された標準化処理部(S10~S360)、
前記第1標準化データおよび前記第2標準化データを記憶するように構成されたデータ記憶部(7)、および、
前記第1標準化データおよび前記第2標準化データのそれぞれについて、予め設定されたデータ送信条件が成立した場合に、前記データ記憶部に記憶されている前記第1標準化データおよび前記第2標準化データを送信するように構成されたデータ送信部(S410~S430)
として機能させるためのデータ処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両データを取得するデータ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両から車両データを収集することによって現実世界の車両の状態を仮想空間で再現するデジタルツインシミュレーションが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-153291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車両データを活用したモビリティサービスの開発が盛んに行われている.特に物流分野では、法規制対応または輸配送効率化のために、走行データ、燃料消費量およびバッテリ情報等の車両データを収集することが求められる。
【0005】
例えば、バッテリの製造元および仕様等の静的な情報は、バッテリに貼られたQRコードまたはバーコードを読み込んで収集することが考えられる。また、バッテリ使用履歴等の動的に変化する情報は、車両からBLEおよびWi-Fi等の無線通信で繰り返し収集して記録することが考えられる。このように、様々なデータ収集方式が考えられる。QRコードは登録商標である。BLEは、Bluetooth Low Energyの略である。Bluetoothは登録商標である。Wi-Fiは登録商標である。
【0006】
発明者の詳細な検討の結果、収集データの形式がデータ収集方式毎に異なると、車両データを利用する際にデータを扱いづらいという課題が見出された。
本開示は、データの利用を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、第1取得部(5)と、第2取得部(3,4)と、標準化処理部(S10~S360)と、データ記憶部(7)と、データ送信部(S410~S430)とを備えるデータ処理装置(2)である。
【0008】
第1取得部は、車両から、予め設定された第1取得方式で、車両に関するデータである第1データを取得するように構成される。
第2取得部は、車両以外から、予め設定された第2取得方式で、車両以外に関するデータである第2データを取得するように構成される。
【0009】
標準化処理部は、第1取得部が取得した第1データについて、第1データを識別するための第1データIDと、第1データの値を正規化した第1標準データ値とを含む第1標準化データを生成し、第2取得部が取得した第2データについて、第2データを識別するための第2データIDと、第2データの値を正規化した第2標準データ値とを含む第2標準化データを生成するように構成される。
【0010】
データ記憶部は、第1標準化データおよび第2標準化データを記憶するように構成される。
データ送信部は、第1標準化データおよび第2標準化データのそれぞれについて、予め設定されたデータ送信条件が成立した場合に、データ記憶部に記憶されている第1標準化データおよび第2標準化データを送信するように構成される。
【0011】
このように構成された本開示のデータ処理装置は、1つのデータについてデータIDとデータ値とで構成される形式に変換するとともに、互いに異なる取得方式で受信した複数のデータを正規化して複数の標準化データを生成するため、取得方式に依存しない共通のデータ形式でデータを提供することができ、データの利用を容易にすることができる。
【0012】
本開示の別の態様は、データ処理装置が実行するデータ処理方法である。
本開示のデータ処理方法では、車両から、予め設定された第1取得方式で、車両に関するデータである第1データを取得し、車両以外から、予め設定された第2取得方式で、車両以外に関するデータである第2データを取得する。
【0013】
本開示のデータ処理方法では、取得した第1データについて、第1データを識別するための第1データIDと、第1データの値を正規化した第1標準データ値とを含む第1標準化データを生成し、取得した第2データについて、第2データを識別するための第2データIDと、第2データの値を正規化した第2標準データ値とを含む第2標準化データを生成する。
【0014】
本開示のデータ処理方法では、第1標準化データおよび第2標準化データのそれぞれについて、予め設定されたデータ送信条件が成立した場合に、第1標準化データおよび第2標準化データを送信する。
【0015】
本開示のデータ処理方法は、本開示のデータ処理装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、本開示のデータ処理装置と同様の効果を得ることができる。
本開示の更に別の態様は、コンピュータを、第1取得部(5)、第2取得部(3,4)、標準化処理部(S10~S360)、データ記憶部(7)、および、データ送信部(S410~S430)として機能させるためのデータ処理プログラムである。
【0016】
本開示のデータ処理プログラムによって制御されるコンピュータは、本開示のデータ処理装置の一部を構成することができ、本開示のデータ処理装置と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】データ処理装置の構成を示すブロック図である。
図2】フォーマット共通化処理を示すフローチャートである。
図3】共通フォーマットを説明する図である。
図4】データ抽出処理を示すフローチャートである。
図5】生データIDおよび生データ値の記憶形式を説明する図である。
図6】データ標準化処理を示すフローチャートである。
図7】標準データIDおよび標準データ値の記憶形式を説明する図である。
図8】データ送信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本開示の実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態のデータ処理装置1は、車両の運転者が所持するスマートフォンであり、図1に示すように、制御部2と、QRコードリーダ3と、Wi-Fi通信部4と、BLE通信部5と、データ取得部6と、データ蓄積部7と、外部通信部8と、バス9とを備える。
【0019】
制御部2は、CPU11、ROM12およびRAM13等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成された電子制御装置である。マイクロコンピュータの各種機能は、CPU11が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROM12が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、CPU11が実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、制御部2を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
【0020】
QRコードリーダ3は、図示しないカメラを備え、カメラによりQRコードを撮影することにより、QRコードを読み取る。QRコードリーダ3は、カメラにより読み取ったQRコードを復号し、復号することにより得られたデータをQRコードデータとして出力する。本実施形態では、QRコードリーダ3は、車両に搭載されるバッテリに貼り付けられたQRコードを読み取る。
【0021】
QRコードデータは、バッテリに関するバッテリデータ(例えば、バッテリの製造元および仕様)を識別するための1または複数の生データIDと、1または複数の生データIDのそれぞれに対応するバッテリデータの値を示す1または複数の生データ値とを含む。
【0022】
Wi-Fi通信部4は、Wi-Fi規格に準拠した方式で近距離無線通信を行う。Wi-Fi通信部4は、受信したデータをWi-Fiデータとして出力する。本実施形態では、Wi-Fi通信部4は、車両のバッテリを充電する充電装置との間でデータ通信を行う。
【0023】
Wi-Fiデータは、充電装置に関する充電装置データ(例えば、充電電力)を識別するための1または複数の生データIDと、1または複数の生データIDのそれぞれに対応する充電装置データの値を示す1または複数の生データ値とを含む。
【0024】
BLE通信部5は、Bluetoothの拡張仕様であるBLEに準拠した方式で近距離無線通信を行う。BLE通信部5は、受信したデータをBLEデータとして出力する。本実施形態では、BLE通信部5は、車両に搭載された複数のECUとの間でデータ通信を行う。ECUは、Electronic Control Unitの略である。
【0025】
BLEデータは、車両に関する車両データ(例えば、車速、エンジン回転数)を識別するための1または複数の生データIDと、1または複数の生データIDのそれぞれに対応する車両データの値を示す1または複数の生データ値とを含む。
【0026】
データ取得部6は、CPU21、ROM22およびRAM23等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成された電子制御装置である。マイクロコンピュータの各種機能は、CPU21が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROM22が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、CPU21が実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、データ取得部6を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
【0027】
データ蓄積部7は、各種データを記憶するための記憶装置である。
外部通信部8は、広域無線通信網NWを介して、管理センター100との間でデータ通信を行う。管理センター100は、複数のデータ処理装置1のそれぞれから、複数のデータ処理装置1のそれぞれに対応する複数の車両に関連する車両データを取得し、複数の車両を管理する装置である。
【0028】
バス9は、制御部2、QRコードリーダ3、Wi-Fi通信部4、BLE通信部5、データ取得部6、データ蓄積部7および外部通信部8を、互いにデータ入出力可能に接続する。
【0029】
次に、データ取得部6が実行するフォーマット共通化処理の手順を説明する。フォーマット共通化処理は、データ処理装置1の動作中において繰り返し実行される処理である。
フォーマット共通化処理が実行されると、データ取得部6のCPU21は、図2に示すように、まずS10にて、QRコードリーダ3からQRコードデータが出力されたか否かを判断する。ここで、QRコードリーダ3からQRコードデータが出力されていない場合には、CPU21は、S30に移行する。
【0030】
一方、QRコードリーダ3からQRコードデータが出力された場合には、CPU21は、S20にて、QRコードリーダ3から出力されたQRコードデータを取得して、このQRコードデータを後述の共通フォーマットに変換することにより共通フォーマット化データを生成し、S30に移行する。
【0031】
S30に移行すると、CPU21は、Wi-Fi通信部4からWi-Fiデータが出力されたか否かを判断する。ここで、Wi-Fi通信部4からWi-Fiデータが出力されていない場合には、CPU21は、S50に移行する。
【0032】
一方、Wi-Fi通信部4からWi-Fiデータが出力された場合には、CPU21は、S40にて、Wi-Fi通信部4からWi-Fiデータを取得して、このWi-Fiデータを上記の共通フォーマットに変換することにより共通フォーマット化データを生成し、S50に移行する。
【0033】
S50に移行すると、CPU21は、BLE通信部5からBLEデータが出力されたか否かを判断する。ここで、BLE通信部5からBLEデータが出力されていない場合には、CPU21は、フォーマット共通化処理を終了する。
【0034】
一方、BLE通信部5からBLEデータが出力された場合には、CPU21は、S60にて、BLE通信部5からBLEデータを取得して、このBLEデータを上記の共通フォーマットに変換することにより共通フォーマット化データを生成し、フォーマット共通化処理を終了する。
【0035】
図3に示すように、共通フォーマット化データは、1つの通信種別フィールドと、1または複数のデータフィールドとにより構成されている。
通信種別フィールドには、通信種別を示す通信種別情報が格納される。通信種別情報のデータサイズは8bitである。通信種別情報は、通信種別に応じて、0または1が設定される。通信種別情報が0に設定されている場合には、データフィールド内のデータは動的データである。通信種別情報が1に設定されている場合には、データフィールド内のデータは静的データである。動的データは、短時間で値が変化するデータであり、静的データは、短時間で値が変化しないデータである。本実施形態では、Wi-FiデータおよびBLEデータは動的データであり、QRコードデータは静的データである。
【0036】
1つのデータフィールドには、1つのデータIDと、1つのデータ値とが格納される。1つのデータIDのデータサイズは16bitである。1つのデータ値のデータサイズは可変である。データ値が数値である場合には、データ値は、2進数で表現される。データ値が文字である場合には、UTF-8形式で表現される。
【0037】
上記のS20において、CPU21は、取得したQRコードデータに含まれる1または複数の生データIDのそれぞれについて、対応する生データ値をQRコードデータから抽出することにより、1または複数のデータフィールドを生成する。またCPU21は、通信種別情報を1に設定した通信種別フィールドを生成する。そしてCPU21は、1つの通信種別フィールドと、1または複数のデータフィールドとを連結することにより、共通フォーマット化データを生成する。
【0038】
上記のS40において、CPU21は、取得したWi-Fiデータに含まれる1または複数の生データIDのそれぞれについて、対応する生データ値をWi-Fiデータから抽出することにより、1または複数のデータフィールドを生成する。またCPU21は、通信種別情報を0に設定した通信種別フィールドを生成する。そしてCPU21は、1つの通信種別フィールドと、1または複数のデータフィールドとを連結することにより、共通フォーマット化データを生成する。
【0039】
上記のS60において、CPU21は、取得したBLEデータに含まれる1または複数の生データIDのそれぞれについて、対応する生データ値をBLEデータから抽出することにより、1または複数のデータフィールドを生成する。またCPU21は、通信種別情報を0に設定した通信種別フィールドを生成する。そしてCPU21は、1つの通信種別フィールドと、1または複数のデータフィールドとを連結することにより、共通フォーマット化データを生成する。
【0040】
次に、制御部2が実行するデータ抽出処理の手順を説明する。データ抽出処理は、データ処理装置1の動作中において繰り返し実行される処理である。
データ抽出処理が実行されると、制御部2のCPU11は、図4に示すように、まずS110にて、データ取得部6が新規の共通フォーマット化データを生成したか否かを判断する。ここで、データ取得部6が新規の共通フォーマット化データを生成していない場合には、CPU11は、データ抽出処理を終了する。
【0041】
一方、データ取得部6が新規の共通フォーマット化データを生成した場合には、CPU11は、S120にて、新規の共通フォーマット化データを取得し、取得した共通フォーマット化データから通信種別情報を抽出することにより通信種別を識別する。
【0042】
CPU11は、S130にて、S120での識別結果に基づいて、取得した共通フォーマット化データに含まれるデータが動的データであるか否かを判断する。具体的には、CPU11は、共通フォーマット化データの通信種別情報が0に設定されている場合には、共通フォーマット化データに含まれるデータが動的データであると判断する。一方、CPU11は、共通フォーマット化データの通信種別情報が1に設定されている場合には、共通フォーマット化データに含まれるデータが静的データであると判断する。
【0043】
ここで、共通フォーマット化データに含まれるデータが動的データである場合には、CPU11は、S140にて、S120で取得した共通フォーマット化データから、生データIDおよび生データ値の識別が行われていない1つのデータフィールドを、共通フォーマット化データの先頭から順番に抽出する。
【0044】
CPU11は、S150にて、S140で抽出したデータフィールドの生データIDを識別する。
CPU11は、S160にて、S140で抽出したデータフィールドの生データ値を識別する。
【0045】
CPU11は、S170にて、S160で識別した生データ値を更新する。具体的には、CPU11は、図5に示すように、S150で識別した生データIDと、S160で識別した生データ値とを対応付けて、RAM13に記憶する。なお、S150で識別した生データIDがRAM13に記憶されていない場合には、CPU11は、S150で識別した生データIDと、S160で識別した生データ値とをRAM13に記憶する。一方、S150で識別した生データIDが既にRAM13に記憶されている場合には、CPU11は、S150で識別した生データIDに対応する生データ値が記憶されている記憶領域に、S160で識別した生データ値を上書きする。
【0046】
図4に示すように、CPU11は、S180にて、S140で抽出したデータフィールドより後ろ側に次のデータフィールドがあるか否かを判断する。ここで、S140で抽出したデータフィールドより後ろ側に次のデータフィールドがある場合には、CPU11は、S140に移行する。一方、S140で抽出したデータフィールドより後ろ側に次のデータフィールドがない場合には、CPU11は、データ抽出処理を終了する。
【0047】
またS130にて、共通フォーマット化データに含まれるデータが動的データでない場合には、CPU11は、S190にて、S140と同様にして、1つのデータフィールドを抽出する。
【0048】
CPU11は、S200にて、S150と同様にして、S190で抽出したデータフィールドの生データIDを識別する。
CPU11は、S210にて、S160と同様にして、S190で抽出したデータフィールドの生データ値を識別する。
【0049】
CPU11は、S220にて、S170と同様にして、S210で識別した生データ値を更新する。
CPU11は、S230にて、S190で抽出したデータフィールドより後ろ側に次のデータフィールドがあるか否かを判断する。ここで、S190で抽出したデータフィールドより後ろ側に次のデータフィールドがある場合には、CPU11は、S190に移行する。一方、S190で抽出したデータフィールドより後ろ側に次のデータフィールドがない場合には、CPU11は、S240にて、データ標準化指示を実行し、データ抽出処理を終了する。
【0050】
次に、制御部2が実行するデータ標準化処理の手順を説明する。データ標準化処理は、データ処理装置1の動作中において繰り返し実行される処理である。
データ標準化処理が実行されると、制御部2のCPU11は、図6に示すように、まずS310にて、予め設定されたデータ標準化条件が成立しているか否かを判断する。本実施形態では、データ標準化条件は、第1定期標準化条件、第2定期標準化条件、第3定期標準化条件、第1イベント標準化条件および第2イベント標準化条件を含む。
【0051】
第1定期標準化条件は、第1定期標準化条件が前回成立してから第1周期(例えば、1秒)が経過することである。第2定期標準化条件は、第2定期標準化条件が前回成立してから第2周期(例えば、1分)が経過することである。第3定期標準化条件は、第3定期標準化条件が前回成立してから第3周期(例えば、1時間)が経過することである。
【0052】
第1イベント標準化条件は、制御部2がデータ標準化指示を実行することである。第2イベント標準化条件は、予め設定された第2イベント対象データIDと一致する生データIDに対応した生データ値が変化することである。
【0053】
ここで、データ標準化条件が成立していない場合には、CPU11は、データ標準化処理を終了する。一方、データ標準化条件が成立している場合には、CPU11は、S320にて、成立しているデータ標準化条件について予め設定されている1または複数の生データIDと、1または複数の生データIDに対応した1または複数の生データ値とを取得する。
【0054】
CPU11は、S330にて、S320で取得した1または複数の生データIDと1または複数の生データ値とを用いて、データ標準化を実行することにより、標準化データを生成する。標準化データは、1つの標準IDと、1つの標準データ値とにより構成される。具体的には、CPU11は、ROM12に格納された標準化テーブルを参照して、1または複数の生データIDと1または複数の生データ値とを、1または複数の標準IDと、1または複数の標準データ値とに変換する。
【0055】
標準化テーブルは、複数の正規化情報と、複数の意味化情報とを備える。
正規化情報は、車種および車両製造企業に関わらず同一の物理量が同一の値になるように生データ値を正規化するための情報である。
【0056】
正規化情報は、生データIDを標準IDへ変換するためのID変換情報と、生データ値を標準データ値へ変換するためのデータ値変換情報とを含む。
ID変換情報は、車種および車両製造企業に関わらず同一の種別が同一の値になるようにデータIDを変換するための情報である。例えば、車種および車両製造企業に応じて「車速」の生データIDは異なる。これに対し、「車速」の生データIDは、ID変換情報に基づいて、車種および車両製造企業に関わらず同一の標準IDに変換される。
データ値変換情報は、例えば、「有効桁数」、「解像度」、「オフセット」および「単位」を備える。「有効桁数」は、標準データ値の有効桁数を示す情報である。「解像度」は、1ビット当たりの数値を示す情報である。「オフセット」は当該データの数値のオフセット量を示す。「単位」は当該データの単位を示す。
【0057】
またデータ値変換情報は、例えば、生データ値と標準データ値との対応テーブルを備える。例えば対応テーブルは、生データ値の「0」、「1」、「2」、「3」をそれぞれ、シフトポジションの「P」、「R」、「N」、「D」に対応付ける。
【0058】
意味化情報は、正規化された生データ値を用いて、意味のある車両データに変換するための情報(例えば演算式、変換テーブル)である。意味化情報は、正規化される前の生データ値を用いてもよい。
【0059】
意味化情報は、変換により算出される標準データ値に対応する「標準ID」と、生データ値を標準データ値へ変換するための変換式または変換テーブルとを含む。変換式は、例えば、「操舵移動角度」を示す生データ値から、「操舵ゼロ点」を示す生データ値を減算することにより「操舵角」を示す標準データ値に変換する式である。
【0060】
CPU11は、S340にて、S330で生成した標準化データを更新する。具体的には、CPU11は、図7に示すように、S330で生成した標準化データについて、標準IDと標準データ値とを対応付けて、データ蓄積部7に記憶する。なお、S330で生成した標準化データの標準IDがデータ蓄積部7に記憶されていない場合には、CPU11は、S330で生成した標準化データの標準IDと標準データ値とをデータ蓄積部7に記憶する。一方、S330で生成した標準化データの標準IDがデータ蓄積部7に記憶されている場合には、CPU11は、S330で生成した標準化データの標準IDに対応する標準データ値が記憶されている記憶領域に、S330で生成した標準化データの標準データ値を上書きする。
【0061】
図6に示すように、CPU11は、S350にて、上記の第1イベント標準化条件または第2イベント標準化条件が成立しているか否かを判断する。ここで、第1イベント標準化条件および第2イベント標準化条件が成立していない場合には、CPU11は、データ標準化処理を終了する。一方、第1イベント標準化条件または第2イベント標準化条件が成立している場合には、CPU11は、S360にて、データ送信指示を実行し、データ標準化処理を終了する。
【0062】
次に、制御部2が実行するデータ送信処理の手順を説明する。データ送信処理は、データ処理装置1の動作中において繰り返し実行される処理である。
データ送信処理が実行されると、制御部2のCPU11は、図8に示すように、まずS410にて、予め設定されたデータ送信条件が成立しているか否かを判断する。本実施形態では、データ送信条件は、第1定期送信条件、第2定期送信条件、第3定期送信条件およびイベント送信条件を含む。
【0063】
第1定期送信条件は、第1定期送信条件が前回成立してから第1周期(例えば、1秒)が経過することである。第2定期送信条件は、第2定期送信条件が前回成立してから第2周期(例えば、1分)が経過することである。第3定期送信条件は、第3定期送信条件が前回成立してから第3周期(例えば、1時間)が経過することである。イベント送信条件は、制御部2がデータ送信指示を実行することである。
【0064】
ここで、データ送信条件が成立していない場合には、CPU11は、データ送信処理を終了する。一方、データ送信条件が成立している場合には、CPU11は、S420にて、成立しているデータ標準化条件について予め設定されている1または複数の標準化データをデータ蓄積部7から取得する。
【0065】
CPU11は、S430にて、S420で取得した1または複数の標準化データを管理センター100へ送信する処理を外部通信部8に実行させ、データ送信処理を終了する。
このように構成されたデータ処理装置1は、BLE通信部5と、Wi-Fi通信部4と、QRコードリーダ3と、データ取得部6と、制御部2と、データ蓄積部7と、外部通信部8とを備える。
【0066】
BLE通信部5は、車両から、BLEに準拠した方式で近距離無線通信を行うことにより、車両に関する車両データを取得する。
Wi-Fi通信部4は、Wi-Fi規格に準拠した方式で近距離無線通信を行うことにより、充電装置から、充電装置に関する充電装置データを取得する。
【0067】
QRコードリーダ3は、車両に搭載されるバッテリに貼り付けられたQRコードを読み取ることにより、バッテリから、バッテリに関するバッテリデータを取得する。
データ取得部6および制御部2は、BLE通信部5が取得した車両データについて、車両データを識別するための標準IDと、車両データの値を正規化した標準データ値とを含む標準化データを生成する。
【0068】
データ取得部6および制御部2は、Wi-Fi通信部4が取得した充電装置データについて、充電装置データを識別するための標準IDと、充電装置データの値を正規化した標準データ値とを含む標準化データを生成する。
【0069】
データ取得部6および制御部2は、QRコードリーダ3が取得したバッテリデータについて、バッテリデータを識別するための標準IDと、バッテリデータの値を正規化した標準データ値とを含む標準化データを生成する。
【0070】
データ蓄積部7は、標準化データおよび標準化データを記憶する。
制御部2および外部通信部8は、予め設定されたデータ送信条件が成立した場合に、データ蓄積部7に記憶されている標準化データを管理センター100へ送信する。
【0071】
このようなデータ処理装置1は、1つのデータについてデータIDとデータ値とで構成される形式に変換するとともに、互いに異なる取得方式で取得した複数のデータを正規化して複数の標準化データを生成するため、取得方式に依存しない共通のデータ形式でデータを提供することができ、データの利用を容易にすることができる。
【0072】
またデータ処理装置1では、共通フォーマット化データを生成するデータ取得部6が、データ処理装置1を構成する他の構成要素(すなわち、制御部2、QRコードリーダ3、Wi-Fi通信部4、BLE通信部5、データ蓄積部7および外部通信部8)から分離している。このため、データ処理装置1は、新たな取得方式を追加する場合には、新たなデータ通信部(例えば、QRコードリーダ3、Wi-Fi通信部4、BLE通信部5等)を追加して、データ取得部6の構成を変更するだけでよく、データ処理装置1の拡張を容易にすることができる。
【0073】
またデータ取得部6は、BLE通信部5が取得した車両データ、Wi-Fi通信部4が取得した充電装置データ、および、QRコードリーダ3が取得したバッテリデータのそれぞれについて、動的データであるか静的データであるかを判断し、動的データであるか静的データであるかを示す通信種別情報を、標準化データに設定する。具体的には、データ取得部6は、通信種別情報を共通フォーマット化データに付加することにより、通信種別情報を標準化データに設定する。
【0074】
制御部2および外部通信部8は、通信種別情報に応じて設定されたデータ送信条件が成立した場合に、標準化データを送信する。本実施形態では、動的データに対して、第1定期送信条件、第2定期送信条件、第3定期送信条件の何れかがデータ送信条件として設定され、静的データに対して、イベント送信条件が設定される。
【0075】
このようなデータ処理装置1は、短時間でデータ値が変化する動的データに対しては、データ値が変化する頻度に応じた適切なタイミングでデータを管理センター100へ送信することができる。これにより、管理センター100は、動的データの変化を管理することができる。またデータ処理装置1は、短時間でデータ値が変化しない静的データに対しても、データ値が変化する頻度に応じた適切なタイミングでデータを管理センター100へ送信することができる。これにより、データ処理装置1は、静的データのデータ値が変化していないのにも関わらず静的データを管理センター100へ送信するという無駄の発生を抑制することができる。
【0076】
また、通信種別情報が静的データを示している場合におけるデータ送信条件(すなわち、イベント送信条件)は、静的データに対応する標準化データが生成された直後に送信するように設定される。これにより、データ処理装置1は、静的データに対応する標準化データを、可能な限り早いタイミングで管理センター100へ提供することができる。
【0077】
また、通信種別情報が動的データを示している場合におけるデータ送信条件(すなわち、第1定期送信条件、第2定期送信条件、第3定期送信条件)は、動的データに対応する標準化データを、予め設定された送信周期(すなわち、第1周期、第2周期および第3周期)が経過する毎に送信するように設定される。これにより、データ処理装置1は、QRコードリーダ3、Wi-Fi通信部4およびBLE通信部5のデータ取得方式毎のデータ取得頻度に依存しない任意のタイミングで、標準化データを管理センター100へ提供することができる。
【0078】
また、BLE通信部5が取得した車両データには、車両データを識別するための生データIDが付加されている。Wi-Fi通信部4が取得した充電装置データには、充電装置データを識別するための生データIDが付加されている。QRコードリーダ3が取得したバッテリデータには、バッテリデータを識別するための生データIDが付加されている。
【0079】
そしてデータ取得部6は、BLE通信部5が取得した車両データについて、生データIDと、車両データの値を示す生データ値とを含む共通フォーマット化データに変換する。データ取得部6は、Wi-Fi通信部4が取得した充電装置データについて、生データIDと、充電装置データの値を示す生データ値とを含む共通フォーマット化データに変換する。データ取得部6は、QRコードリーダ3が取得したバッテリデータについて、生データIDと、バッテリデータの値を示す生データ値とを含む共通フォーマット化データに変換する。
【0080】
制御部2は、共通フォーマット化データに含まれる生データ値を正規化することにより、標準化データを生成する。
このようなデータ処理装置1は、QRコードリーダ3、Wi-Fi通信部4およびBLE通信部5のデータ取得方式毎のデータ取得頻度に依存しない任意のタイミングで、標準化データを生成することができる。
【0081】
またデータ取得部6は、BLE通信部5が取得した車両データについて、動的データであるか静的データであるかを判断し、動的データであるか静的データであるかを示す通信種別情報を共通フォーマット化データに付加する。データ取得部6は、Wi-Fi通信部4が取得した充電装置データについて、動的データであるか静的データであるかを判断し、動的データであるか静的データであるかを示す通信種別情報を共通フォーマット化データに付加する。データ取得部6は、QRコードリーダ3が取得したバッテリデータについて、動的データであるか静的データであるかを判断し、動的データであるか静的データであるかを示す通信種別情報を共通フォーマット化データに付加する。
【0082】
また、静的データのデータ送信条件は、データ送信条件の対象となる標準化データが生成された後に毎回送信するように設定される。これにより、データ処理装置1は、静的データに対応する標準化データを、可能な限り早いタイミングで管理センター100へ提供することができる。
【0083】
また、静的データのデータ送信条件は、データ送信条件の対象となる標準化データが生成された場合であっても、標準化データに含まれる標準データ値が変化していない場合には、送信を禁止するように設定される。これにより、データ処理装置1は、静的データのデータ値が変化していないのにも関わらず静的データを管理センター100へ送信するという無駄の発生を抑制することができる。
【0084】
以上説明した実施形態において、BLE通信部5は第1取得部に相当し、Wi-Fi通信部4およびQRコードリーダ3は第2取得部に相当し、S10~S360は標準化処理部としての処理に相当する。
【0085】
また、データ蓄積部7はデータ記憶部に相当し、S410~S430はデータ送信部としての処理に相当する。
また、BLEに準拠した方式は第1取得方式に相当し、車両データは第1データに相当し、Wi-Fi規格に準拠した方式は第2取得方式に相当し、充電装置データは第2データに相当し、QRコードの読み取りは第2取得方式に相当し、バッテリデータは第2データに相当する。
【0086】
また、車両データの標準化データに含まれる標準データIDは第1データIDに相当し、車両データの標準化データに含まれる標準データ値は第1標準データ値に相当する。
また、充電装置データおよびバッテリデータの標準化データに含まれる標準データIDは第2データIDに相当し、充電装置データおよびバッテリデータの標準化データに含まれる標準データ値は第2標準化データに相当する。
【0087】
また、通信種別情報は種別情報に相当し、第1周期、第2周期および第3周期は送信周期に相当し、車両データの共通フォーマット化データに含まれる生データIDは第1生データIDに相当し、充電装置データおよびバッテリデータの共通フォーマット化データに含まれる生データIDは第2生データIDに相当する。
【0088】
また、車両データの共通フォーマット化データに含まれる生データ値は第1生データ値に相当し、車両データの共通フォーマット化データは第1共通化データに相当する。
また、充電装置データおよびバッテリデータの共通フォーマット化データに含まれる生データ値は第2生データ値に相当し、充電装置データおよびバッテリデータの共通フォーマット化データは第2共通化データに相当する。
【0089】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
[変形例1]
上記実施形態では、データ処理装置1がスマートフォンである形態を示したが、データ処理装置1は、車両に搭載される車載装置であってもよい。
【0090】
[変形例2]
上記実施形態では、Wi-Fi規格またはBLEに準拠した方式で近距離無線通信を行う形態を示したが、データ処理装置1が無線通信を行うことができる形態であればよく、例えば、UWB規格に準拠した方式で無線通信を行うようにしてもよい。UWBは、Ultra Wide Bandの略である。
【0091】
[変形例3]
上記実施形態では、バッテリに貼り付けられたQRコードを読み取る形態を示したが、バッテリに貼り付けられたバーコードを読み取るようにしてもよい。
【0092】
本開示に記載の制御部2およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部2およびその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部2およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。制御部2に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0093】
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
【0094】
上述したデータ処理装置1の他、当該データ処理装置1を構成要素とするシステム、当該データ処理装置1としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、データ処理方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
[本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
車両から、予め設定された第1取得方式で、前記車両に関するデータである第1データを取得するように構成された第1取得部(5)と、
前記車両以外から、予め設定された第2取得方式で、前記車両以外に関するデータである第2データを取得するように構成された第2取得部(3,4)と、
前記第1取得部が取得した前記第1データについて、前記第1データを識別するための第1データIDと、前記第1データの値を正規化した第1標準データ値とを含む第1標準化データを生成し、前記第2取得部が取得した前記第2データについて、前記第2データを識別するための第2データIDと、前記第2データの値を正規化した第2標準データ値とを含む第2標準化データを生成するように構成された標準化処理部(S10~S360)と、
前記第1標準化データおよび前記第2標準化データを記憶するように構成されたデータ記憶部(7)と、
前記第1標準化データおよび前記第2標準化データのそれぞれについて、予め設定されたデータ送信条件が成立した場合に、前記データ記憶部に記憶されている前記第1標準化データおよび前記第2標準化データを送信するように構成されたデータ送信部(S410~S430)と
を備えるデータ処理装置(2)。
【0095】
[項目2]
項目1に記載のデータ処理装置であって、
前記標準化処理部は、前記第1取得部および前記第2取得部が取得した前記第1データおよび前記第2データのそれぞれについて、動的データであるか静的データであるかを判断し、前記動的データであるか前記静的データであるかを示す種別情報を前記第1標準化データおよび前記第2標準化データに設定するよう構成され、
前記データ送信部は、前記第1標準化データおよび前記第2標準化データのそれぞれについて、前記種別情報に応じて設定された前記データ送信条件が成立した場合に、前記第1標準化データおよび前記第2標準化データを送信するように構成されるデータ処理装置。
【0096】
[項目3]
項目2に記載のデータ処理装置であって、
前記種別情報が前記静的データを示している場合における前記データ送信条件は、前記データ送信条件の対象となる前記第1標準化データまたは前記第2標準化データが生成された後に送信するように設定されるデータ処理装置。
【0097】
[項目4]
項目2または項目3に記載のデータ処理装置であって、
前記種別情報が前記動的データを示している場合における前記データ送信条件は、前記データ送信条件の対象となる前記第1標準化データまたは前記第2標準化データを、予め設定された送信周期が経過する毎に送信するように設定されるデータ処理装置。
【0098】
[項目5]
項目1~項目4の何れか1項に記載のデータ処理装置であって、
前記第1取得部が取得した前記第1データには、前記第1データを識別するための第1生データIDが付加されており、
前記第2取得部が取得した前記第2データには、前記第2データを識別するための第2生データIDが付加されており、
前記標準化処理部は、
前記第1取得部が取得した前記第1データについて、前記第1生データIDと、前記第1データの値を示す第1生データ値とを含む第1共通化データに変換し、
前記第2取得部が取得した前記第2データについて、前記第2生データIDと、前記第2データの値を示す第2生データ値とを含む共通化データである第2共通化データに変換し、
前記第1共通化データに含まれる前記第1生データ値を正規化することにより、前記第1標準化データを生成し、
前記第2共通化データに含まれる前記第2生データ値を正規化することにより、前記第2標準化データを生成するように構成されるデータ処理装置。
【0099】
[項目6]
項目5に記載のデータ処理装置であって、
前記標準化処理部は、前記第1取得部および前記第2取得部が取得した前記第1データおよび前記第2データのそれぞれについて、動的データであるか静的データであるかを判断し、前記動的データであるか前記静的データであるかを示す種別情報を前記第1共通化データおよび前記第2共通化データに付加するよう構成されるデータ処理装置。
【0100】
[項目7]
項目3に記載のデータ処理装置であって、
前記データ送信条件は、前記データ送信条件の対象となる前記第1標準化データまたは前記第2標準化データが生成された後に毎回送信するように設定されるデータ処理装置。
【0101】
[項目8]
項目3に記載のデータ処理装置であって、
前記データ送信条件は、前記データ送信条件の対象となる前記第1標準化データまたは前記第2標準化データが生成された場合であっても、前記第1標準化データまたは前記第2標準化データに含まれるデータ値が変化していない場合には、送信を禁止するように設定されるデータ処理装置。
【0102】
[項目9]
データ処理装置が実行するデータ処理方法であって、
車両から、予め設定された第1取得方式で、前記車両に関するデータである第1データを取得し、
前記車両以外から、予め設定された第2取得方式で、前記車両以外に関するデータである第2データを取得し、
取得した前記第1データについて、前記第1データを識別するための第1データIDと、前記第1データの値を正規化した第1標準データ値とを含む第1標準化データを生成し、取得した前記第2データについて、前記第2データを識別するための第2データIDと、前記第2データの値を正規化した第2標準データ値とを含む第2標準化データを生成し、
前記第1標準化データおよび前記第2標準化データのそれぞれについて、予め設定されたデータ送信条件が成立した場合に、前記第1標準化データおよび前記第2標準化データを送信するデータ処理方法。
【0103】
[項目10]
コンピュータを、
車両から、予め設定された第1取得方式で、前記車両に関するデータである第1データを取得するように構成された第1取得部(5)、
前記車両以外から、予め設定された第2取得方式で、前記車両以外に関するデータである第2データを取得するように構成された第2取得部(3,4)、
前記第1取得部が取得した前記第1データについて、前記第1データを識別するための第1データIDと、前記第1データの値を正規化した第1標準データ値とを含む第1標準化データを生成し、前記第2取得部が取得した前記第2データについて、前記第2データを識別するための第2データIDと、前記第2データの値を正規化した第2標準データ値とを含む第2標準化データを生成するように構成された標準化処理部(S10~S360)、
前記第1標準化データおよび前記第2標準化データを記憶するように構成されたデータ記憶部(7)、および、
前記第1標準化データおよび前記第2標準化データのそれぞれについて、予め設定されたデータ送信条件が成立した場合に、前記データ記憶部に記憶されている前記第1標準化データおよび前記第2標準化データを送信するように構成されたデータ送信部(S410~S430)
として機能させるためのデータ処理プログラム。
【符号の説明】
【0104】
1…データ処理装置、2…制御部、3…QRコードリーダ、4…Wi-Fi通信部、5…BLE通信部、6…データ受信部、7…データ蓄積部、8…外部通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8