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特開2024-106637測定装置、制御方法、及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106637
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】測定装置、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240801BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20240801BHJP
   A61B 5/022 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A61B5/00 G
A61B5/02 310J
A61B5/022 400F
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011008
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 一騎
(72)【発明者】
【氏名】福田 泰士
(72)【発明者】
【氏名】中脇 望
(72)【発明者】
【氏名】樋口 裕哉
【テーマコード(参考)】
4C017
4C117
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA09
4C017AB01
4C017AC04
4C017BB13
4C017CC10
4C017FF05
4C117XB01
4C117XB02
4C117XB03
4C117XC01
4C117XC19
4C117XD13
4C117XE13
4C117XE14
4C117XE15
4C117XE23
4C117XE37
4C117XG05
4C117XH16
4C117XJ52
(57)【要約】
【課題】生体データの解析効率を向上させることが可能な測定装置、制御方法、及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の一側面に係る測定装置は、センサにより得られた生体データに基づく測定と、情報端末5との無線通信と、を行う制御部30を備える。そして、制御部30は、センサによるセンシングにより得られる生体データに、生体データの内容に応じた可変のデータ長単位で誤り検出符号を付与し、誤り検出符号を付与した生体データを情報端末5へ送信する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサにより得られた生体データに基づく測定と、情報端末との無線通信と、を行う制御部を備え、
前記制御部は、
前記センサによるセンシングにより得られる前記生体データに、前記生体データの内容に応じた可変のデータ長単位で誤り検出符号を付与し、
前記誤り検出符号を付与した前記生体データを前記情報端末へ送信する、
測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記可変のデータ長単位は、前記情報端末への前記生体データの送信単位と異なる、
測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記生体データは周期性を有し、
前記可変のデータ長単位は、前記生体データの周期に対応する単位である、
測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記生体データは、前記センサによるセンシングデータと、前記センシングデータが得られた時刻の情報と、を含み、
前記可変のデータ長単位は、前記センシングデータと前記時刻の情報との境界に基づく単位である、
測定装置。
【請求項5】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記可変のデータ長単位は、前記測定の段階に基づく単位である、
測定装置。
【請求項6】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記制御部は、
前記測定を行う第1プロセッサと、
前記情報端末と無線通信を行う第2プロセッサと、
を含み、
前記第2プロセッサに接続された不揮発メモリを備え、
前記第1プロセッサは、
前記センサによるセンシング中に得られる前記生体データを順次、前記第2プロセッサへ送信して前記不揮発メモリに前記生体データを書き込ませ、
前記第2プロセッサは、
前記不揮発メモリに書き込んだ前記生体データを前記情報端末へ送信する、
測定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の測定装置であって、
前記可変のデータ長単位は、前記第1プロセッサから前記第2プロセッサへの前記生体データの転送単位と異なる、
測定装置。
【請求項8】
請求項6に記載の測定装置であって、
前記第1プロセッサが、前記生体データに前記誤り検出符号を付与する、
測定装置。
【請求項9】
請求項6に記載の測定装置であって、
前記第1プロセッサが、前記生体データの内容に基づいて、前記可変のデータ長単位を示す情報を前記第2プロセッサへ送信し、
前記第2プロセッサが、前記可変のデータ長単位を示す情報に基づいて前記生体データに前記誤り検出符号を付与する、
測定装置。
【請求項10】
請求項6に記載の測定装置であって、
前記第2プロセッサは、前記不揮発メモリに書き込む前記生体データに前記誤り検出符号を付与する、
測定装置。
【請求項11】
請求項6に記載の測定装置であって、
前記第2プロセッサは、前記不揮発メモリから読み出して前記情報端末へ送信する前記生体データに前記誤り検出符号を付与する、
測定装置。
【請求項12】
請求項6に記載の測定装置であって、
前記第1プロセッサは、
前記第2プロセッサに対して、前記不揮発メモリにおける書込先のアドレスを指定して前記生体データを前記不揮発メモリに書き込ませ、
前記第2プロセッサに対して、前記不揮発メモリにおける読出元のアドレスを指定して前記生体データを前記不揮発メモリから読み出して前記情報端末へ送信させる、
測定装置。
【請求項13】
請求項12に記載の測定装置であって、
前記不揮発メモリは、前記生体データのために割り当てられた領域を有し、
前記書込先のアドレス及び前記読出元のアドレスは前記領域におけるアドレスである、
測定装置。
【請求項14】
請求項6に記載の測定装置であって、
前記不揮発メモリは、前記第1プロセッサからはアクセス不可である、
測定装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の測定装置であって、
前記生体データは、脈波データである、
測定装置。
【請求項16】
請求項15に記載の測定装置であって、
前記制御部は、前記脈波データに基づく血圧測定結果の出力を行う、
測定装置。
【請求項17】
センサにより得られた生体データに基づく測定と、情報端末との無線通信と、を行う制御部を備える測定装置の制御方法であって、
前記制御部が、
前記センサによるセンシングにより得られる前記生体データに、前記生体データの内容に応じた可変のデータ長単位で誤り検出符号を付与し、
前記誤り検出符号を付与した前記生体データを前記情報端末へ送信する、
制御方法。
【請求項18】
センサにより得られた生体データに基づく測定と、情報端末との無線通信と、を行う制御部を備える測定装置の制御プログラムであって、
前記制御部が、
前記センサによるセンシングにより得られる前記生体データに、前記生体データの内容に応じた可変のデータ長単位で誤り検出符号を付与し、
前記誤り検出符号を付与した前記生体データを前記情報端末へ送信する、
処理を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体情報の所定時間分の検出値と、この所定時間分の検出値に対応する誤り検出符号と、を出力する制御部と、制御部の出力する所定時間分の検出値に基づいて求めた生体に係る二次情報(脈拍数)と、誤り検出符号に基づいて検出される誤りの有無を示す検証情報と、を制御部に出力する演算部と、備えた生体情報処理装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-195447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、健康機器で計測した脈波データを記憶メモリに保存する場合、通信路でノイズが発生したり、記憶メモリに保存した後に脈波データが化けてしまったりすると、その後に脈波データを抽出して解析する際に、どの部分の脈波のデータが誤っているか判定できない。そのため、計測データの中から誤っているデータを取り除くことが困難であり、正確な脈波データの解析を行うことができない場合がある。
【0005】
また、所定時間単位で誤り検出を行う構成においては、所定時間単位の1つのデータに複数の生体情報(例えば複数の脈の情報)があった場合、そのデータで誤りが検出されると、1つの生体情報が誤っているだけであるにもかかわらず、他の有効な生体データも破棄されてしまい、生体データの解析効率が低下する場合がある。
【0006】
特許文献1の生体情報処理装置によれば、所定時間分の生体情報の中のどこかに誤りを有する生体情報が含まれているか否かを検証することは可能である。しかしながら、所定時間周期以外の詳細な誤り判定を行うことについては記載されていない。
【0007】
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、生体データの解析効率を向上させることが可能な測定装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0009】
(1)
センサにより得られた生体データに基づく測定と、情報端末との無線通信と、を行う制御部を備え、
前記制御部は、
前記センサによるセンシングにより得られる前記生体データに、前記生体データの内容に応じた可変のデータ長単位で誤り検出符号を付与し、
前記誤り検出符号を付与した前記生体データを前記情報端末へ送信する、
測定装置。
【0010】
(1)によれば、例えばスマホやクラウドサーバ等の情報端末における生体データの解析において、生体データに誤りがあっても、生体データの内容に応じた意味のあるデータ単位で誤りを検出することが可能になるため、解析の効率を向上させることができる。
【0011】
(2)
(1)に記載の測定装置であって、
前記可変のデータ長単位は、前記情報端末への前記生体データの送信単位と異なる、
測定装置。
【0012】
(2)のように、情報端末への生体データの送信単位とは異なるデータ長単位で誤り検出符号を付与することで、生体データの解析効率を向上させることが可能である。
【0013】
(3)
(1)又は(2)に記載の測定装置であって、
前記生体データは周期性を有し、
前記可変のデータ長単位は、前記生体データの周期に対応する単位である、
測定装置。
【0014】
(3)のように、生体データの解析効率を向上させるには、例えば生体データの周期に対応する単位で誤り検出符号を付与することが好ましい。
【0015】
(4)
(1)から(3)のいずれかに記載の測定装置であって、
前記生体データは、前記センサによるセンシングデータと、前記センシングデータが得られた時刻の情報と、を含み、
前記可変のデータ長単位は、前記センシングデータと前記時刻の情報との境界に基づく単位である、
測定装置。
【0016】
(4)のように、生体データの解析効率を向上させるには、例えばセンシングデータと時刻情報との境界に基づく単位で誤り検出符号を付与することが好ましい。
【0017】
(5)
(1)から(4)のいずれかに記載の測定装置であって、
前記可変のデータ長単位は、前記測定の段階に基づく単位である、
測定装置。
【0018】
(5)のように、生体データの解析効率を向上させるには、例えばセンサにより得られた生体データの測定段階に基づく単位で誤り検出符号を付与することが好ましい。
【0019】
(6)
(1)から(5)のいずれかに記載の測定装置であって、
前記制御部は、
前記測定を行う第1プロセッサと、
前記情報端末と無線通信を行う第2プロセッサと、
を含み、
前記第2プロセッサに接続された不揮発メモリを備え、
前記第1プロセッサは、
前記センサによるセンシング中に得られる前記生体データを順次、前記第2プロセッサへ送信して前記不揮発メモリに前記生体データを書き込ませ、
前記第2プロセッサは、
前記不揮発メモリに書き込んだ前記生体データを前記情報端末へ送信する、
測定装置。
【0020】
(6)によれば、生体データに基づく測定を行う第1プロセッサとは別に、無線通信を行う第2プロセッサを設けたことにより、脈波データ等の生体データを情報端末へ送信するための処理負荷を第2プロセッサに分散し、第1プロセッサの処理負荷を低減することができる。これにより、第1プロセッサによる測定等の処理の遅延を抑制することができる。なお、脈波は、血管に加わる圧力の変化を測定して得られる圧脈波であってもよいし、血管における血液量の変化を測定して得られる容積脈波であってもよい。
【0021】
(7)
(6)に記載の測定装置であって、
前記可変のデータ長単位は、前記第1プロセッサから前記第2プロセッサへの前記生体データの転送単位と異なる、
測定装置。
【0022】
(7)のように、第1プロセッサから第2プロセッサへの生体データの転送単位とは異なるデータ長単位で誤り検出符号を付与することで、生体データの解析効率を向上させることが可能である。
【0023】
(8)
(6)又は(7)に記載の測定装置であって、
前記第1プロセッサが、前記生体データに前記誤り検出符号を付与する、
測定装置。
【0024】
(8)のように、可変長の生体データに誤り検出符号を付与するのは第1プロセッサが好ましい。
【0025】
(9)
(6)又は(7)に記載の測定装置であって、
前記第1プロセッサが、前記生体データの内容に基づいて、前記可変のデータ長単位を示す情報を前記第2プロセッサへ送信し、
前記第2プロセッサが、前記可変のデータ長単位を示す情報に基づいて前記生体データに前記誤り検出符号を付与する、
測定装置。
【0026】
(9)によれば、生体データの判定と誤り検出符号の計算を第1プロセッサが行う場合と比べて、誤り検出符号の計算を第2プロセッサが行うため、第1プロセッサの負荷を低減することができる。
【0027】
(10)
(6)から(9)のいずれかに記載の測定装置であって、
前記第2プロセッサは、前記不揮発メモリに書き込む前記生体データに前記誤り検出符号を付与する、
測定装置。
【0028】
(10)のように、第2プロセッサが生体データに誤り検出符号を付与するタイミングとしては、例えば生体データを不揮発メモリに書き込む前であることが好ましい。
【0029】
(11)
(6)から(9)のいずれかに記載の測定装置であって、
前記第2プロセッサは、前記不揮発メモリから読み出して前記情報端末へ送信する前記生体データに前記誤り検出符号を付与する、
測定装置。
【0030】
(11)によれば、生体データを不揮発メモリから読み出す際に誤り検出符号を付与することで、第1プロセッサから第2プロセッサへ送ったデータがそのまま不揮発メモリに書き込まれるため、第1プロセッサが、誤り検出符号の付与によって変化するデータサイズを考慮せずに不揮発メモリにおけるアドレス指定を行うことができる。
【0031】
(12)
(6)から(11)のいずれかに記載の測定装置であって、
前記第1プロセッサは、
前記第2プロセッサに対して、前記不揮発メモリにおける書込先のアドレスを指定して前記生体データを前記不揮発メモリに書き込ませ、
前記第2プロセッサに対して、前記不揮発メモリにおける読出元のアドレスを指定して前記生体データを前記不揮発メモリから読み出して前記情報端末へ送信させる、
測定装置。
【0032】
(12)によれば、第1プロセッサが、第2プロセッサに接続された不揮発メモリのアドレスを指定して生体データの書き込み、読み出し及び送信を第2プロセッサに指示する構成としたため、第1プロセッサと第2プロセッサとの間のインタフェース(UART:Universal Asynchronous Receiver Transmitter等)でフロー制御や送達確認が不要となり、情報端末への生体データの転送速度を向上させることができる。また、第2プロセッサは、不揮発メモリにおける指定されたアドレスへの情報の書き込み、不揮発メモリにおける指定されたアドレスからの情報の読み出し及び送信を行えばよいため、第2プロセッサについては簡易な構成とすることができる。また、第1プロセッサは、第2プロセッサへの指示により、不揮発メモリへの生体データの書き込み、不揮発メモリからの生体データの読み出し、読み出した生体データの送信を柔軟に行うことができる。ただし、生体データ等の書き込み処理、読み出し処理、送信処理等の負荷の大きい処理を第1プロセッサ自身で行わなくてもよいため、上記(6)のように第1プロセッサの処理負荷を軽減することができる。
【0033】
(13)
(12)に記載の測定装置であって、
前記不揮発メモリは、前記生体データのために割り当てられた領域を有し、
前記書込先のアドレス及び前記読出元のアドレスは前記領域におけるアドレスである、
測定装置。
【0034】
(13)によれば、生体データ以外の情報は書き込まれない領域を不揮発メモリに設けることにより、第1プロセッサから第2プロセッサへの指示による生体データの書き込みと、第2プロセッサによる他の情報の書き込みと、の干渉を抑制することができる。
【0035】
(14)
(6)から(13)のいずれかに記載の測定装置であって、
前記不揮発メモリは、前記第1プロセッサからはアクセス不可である、
測定装置。
【0036】
(14)によれば、第1プロセッサと第2プロセッサで1つの不揮発メモリを共用する構成と比べて、アクセス処理が分散し高速化を図ることができる。
【0037】
(15)
(1)から(14)のいずれかに記載の測定装置であって、
前記生体データは、脈波データである、
測定装置。
【0038】
(15)のように、測定装置で測定される生体データとしては、例えば圧脈波や容積脈波などの脈波データが好ましい。
【0039】
(16)
(15)に記載の測定装置であって、
前記制御部は、前記脈波データに基づく血圧測定結果の出力を行う、
測定装置。
【0040】
(16)によれば、第1プロセッサは、脈波データの情報端末への無線送信と、血圧測定結果の出力と、を行うことが可能である。
【0041】
(17)
センサにより得られた生体データに基づく測定と、情報端末との無線通信と、を行う制御部を備える測定装置の制御方法であって、
前記制御部が、
前記センサによるセンシングにより得られる前記生体データに、前記生体データの内容に応じた可変のデータ長単位で誤り検出符号を付与し、
前記誤り検出符号を付与した前記生体データを前記情報端末へ送信する、
制御方法。
【0042】
(17)によれば、例えばスマホやクラウドサーバ等の情報端末における生体データの解析において、生体データに誤りがあっても、生体データの内容に応じた意味のあるデータ単位で誤りを検出することが可能になるため、解析の効率を向上させることができる。
【0043】
(18)
センサにより得られた生体データに基づく測定と、情報端末との無線通信と、を行う制御部を備える測定装置の制御プログラムであって、
前記制御部が、
前記センサによるセンシングにより得られる前記生体データに、前記生体データの内容に応じた可変のデータ長単位で誤り検出符号を付与し、
前記誤り検出符号を付与した前記生体データを前記情報端末へ送信する、
処理を実行させるための制御プログラム。
【0044】
(18)によれば、例えばスマホやクラウドサーバ等の情報端末における生体データの解析において、生体データに誤りがあっても、生体データの内容に応じた意味のあるデータ単位で誤りを検出することが可能になるため、解析の効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、生体データの解析効率を向上させることが可能な測定装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の測定装置と、当該測定装置と無線通信を行う情報端末と、を含む情報管理システムを示す図である。
図2】測定装置の一例である血圧計を示す図である。
図3】情報端末がネットワーク接続される一例を示す図である。
図4】測定装置の構成を示すブロック図である。
図5】情報端末の構成を示すブロック図である。
図6】測定装置におけるメインMCUと通信ICと不揮発メモリの動作を示すシーケンス図である。
図7】測定装置で測定される生体データの一例を示す図である。
図8】メインMCUが生体データに誤り検出符号を付与する一例を示す図である。
図9】通信ICが生体データに誤り検出符号を付与する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0048】
§1 適用例
<本発明を適用した情報管理システム100>
図1は、本発明の測定装置1と、当該測定装置1と無線通信を行う情報端末5と、を含む情報管理システム100である。
【0049】
測定装置1は、体重、体組成、血圧、脈拍、心拍、体温、血糖、又は血中酸素飽和度等の生体データを測定する生体データ測定装置を含む。測定装置1には、測定対象量を測定するための測定用センサが含まれる。測定用センサの測定対象量には、測定装置1に応じて、体重、体脂肪率、血圧値、脈拍数、心拍数、体温、血糖値、又は血中酸素飽和度等の生体データが含まれる。また、測定装置1は、非ウェアラブルな測定装置である。非ウェアラブルな測定装置とは、ウェアラブルでない測定装置である。ウェアラブルな測定装置とは、ユーザの身体への装着により携帯される測定装置(例えば活動量計)である。例えば、測定装置1(非ウェアラブルな測定装置)は、地面や台の上に設置された状態で使用される、体重計、体組成計、体重体組成計、血圧計などの測定装置である。測定装置1は、測定した生体データをユーザの測定生体データとして、無線通信により情報端末5に送信する。
【0050】
情報端末5は、測定装置1から受信した測定生体データを情報端末5内のデータ記憶部に記憶する。また、情報端末5は、測定装置1以外の外部機器とも無線通信を行うことが可能であり、外部機器から取得した情報を情報端末5内のデータ記憶部に記憶する。情報端末5は、測定装置1及びその他の外部機器から取得した種々の情報を分析する情報処理装置である。情報端末5は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、及びデスクトップパソコン、ウェアラブル端末等のディスプレイを有する端末である。情報端末5は、特定の測定装置1から測定生体データを取得するように設定されていてもよい。測定生体データを取得する特定の測定装置1は、情報端末5のデータ記憶部に予め登録されていてもよい。
【0051】
図2は、測定装置1の一例である血圧計1Aを示す図である。血圧計1Aは、生体データ測定装置の一例であり、ユーザの血圧(圧脈波データ)を測定し、その測定結果をユーザに出力する。また、血圧計1Aは、測定結果をユーザの測定生体データとして無線通信により情報端末5に送信する。例えば、血圧計1Aは、本体部21と、ユーザの上腕に巻付け可能なカフ22と、本体部21とカフ22を接続するエアチューブ23とを備える。図2の例ではカフ22と本体部21が別体となっているが、カフ22が本体部21と一体化されていてもよい。
【0052】
図3は、情報端末5がネットワーク接続される一例を示す図である。図3に示すように、情報端末5は、インターネット等の広域ネットワークNを介してクラウドサーバ90に接続されてもよい。情報端末5は、自己が記憶する測定生体データを、広域ネットワークNを介してクラウドサーバ90に送信し、クラウドサーバ90においてデータベースとしてユーザの測定生体データを管理するようにしてもよい。また、情報端末5は、クラウドサーバ90において管理される測定生体データを広域ネットワークNを介して取得し、取得した測定生体データを利用するようにしてもよい。
【0053】
§2 構成例
<測定装置1の構成>
図4は、測定装置1の構成を示すブロック図である。測定装置1は、種々の情報を表示可能な表示部11と、ユーザが操作可能な操作部12と、生体データ等を測定する測定部13と、外部機器と通信を行う通信IC(Integrated Circuit)14と、通信IC14に接続された不揮発メモリ14aと、通信用のアンテナ14bと、を備える。また、測定装置1は、情報を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)16と、装置全体の動作を制御するメインMCU(Micro Controller Unit)18と、メインMCU18に接続された不揮発メモリ18aと、を備える。メインMCU18は、本発明の第1プロセッサの一例である。通信IC14は、本発明の第2プロセッサの一例である。メインMCU18と通信IC14を合わせたものは、本発明の制御部30の一例である。メインMCU18と通信IC14との間の通信インタフェースには、例えばUART等のインタフェースが用いられる。
【0054】
表示部11は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成される。操作部12は、ボタンやタッチパネルのようなユーザ操作を受け付けるユーザインタフェースである。ボタンは、測定装置1に物理的に設けられたボタンや表示部11に表示された仮想的なボタンを含む。
【0055】
測定部13は、体重、体組成、血圧、脈拍、心拍、体温、血糖、血中酸素飽和度等の生体データを測定するセンサを備える。何を測定するかは、測定装置1の測定対象により異なる。
【0056】
不揮発メモリ14aは、所定の機能を実現するために必要なパラメータ、制御プログラム、及び測定部13で測定された生体データを記憶する記録媒体である。不揮発メモリ14aは、例えば、フラッシュメモリで構成されている。不揮発メモリ14aには、生体データを記憶するために割り当てられた生体データ領域が設けられている。不揮発メモリ14aに記憶された生体データは通信IC14によって管理される。
【0057】
通信IC14は、制御プログラムを実行することで所定の機能を実現する。例えば、通信IC14は、不揮発メモリ14aに記憶される通信プログラムを実行することにより近距離無線通信を行うことが可能である。通信IC14は、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))規格にしたがい通信を行う。通信IC14は、無線通信を行うためのアドバタイズ信号をブロードキャスト通信により不特定多数の外部機器に周期的な期間において送信する。通信IC14は、アドバタイズ信号に、例えば、測定装置1の名前や属性情報を含めて発信する。通信IC14が行うBLE通信は、例えば、2.4GHz周波数を利用する通信である。
【0058】
また、通信IC14は、不揮発メモリ14aに記憶される例えば管理プログラムを実行することにより生体データを管理することが可能である。生体データは、測定部13で測定されるユーザの生体データである。
【0059】
例えば、通信IC14は、測定された生体データを不揮発メモリ14aに書き込む書き込み処理を行う。また、通信IC14は、不揮発メモリ14aから生体データを読み出す読み出し処理を行う。通信IC14は、メインMCU18から通信ICへ送信される書込指示信号にしたがって生体データを不揮発メモリ14aに書き込み、読出指示信号にしたがって生体データを不揮発メモリ14aから読み出す。通信IC14は、不揮発メモリ14aの生体データ領域に対して、生体データの書き込み処理及び読み出し処理を行う。生体データ領域には、メインMCU18からの書込指示信号にしたがって書き込まれる生体データ以外の情報は書き込まれない。生体データ領域は、不揮発メモリ14aに設けられる領域の中のメインMCU18が使用可能な専用領域である。
【0060】
また、通信IC14は、不揮発メモリ14aから読み出した生体データを、アンテナ14bを用いて無線通信により、例えば情報端末5に送信する送信処理を行う。通信IC14は、メインMCU18から通信IC14へ送信される送信指示信号にしたがって生体データの送信処理を行う。
【0061】
RAM16は、例えば、DRAM(Dynamic RAM)やSRAM(Static RAM)等の半導体デバイスで構成され、情報を一時的に記憶するとともに、メインMCU18の作業エリアとしても動作する。
【0062】
不揮発メモリ18aは、所定の機能を実現するために必要なパラメータ、制御プログラム、及び通信IC14に接続された不揮発メモリ14aにおける生体データ領域のアドレス情報等を記憶する記録媒体である。不揮発メモリ18aは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)で構成されている。なお、本例では、不揮発メモリ14aが通信IC14から独立した構成となっているが、例えば、不揮発メモリ14aは通信IC14と1つのモジュールになっていてもよい。
【0063】
メインMCU18は、制御プログラムを実行することで所定の機能を実現する。例えば、メインMCU18は、不揮発メモリ18aに記憶される測定プログラムを実行することにより、測定部13で取得された生体データに基づく測定を行うことが可能である。
【0064】
また、メインMCU18は、不揮発メモリ18aに記憶される例えば管理指示プログラムを実行することにより、測定された生体データを管理指示することが可能である。例えば、メインMCU18は、不揮発メモリ14aの生体データ領域における書込先のアドレスを指定して生体データを不揮発メモリ14aに書き込ませる書込指示信号を通信IC14へ送信する。メインMCU18は、測定部13による測定中に得られる生体データを書込指示信号と共に順次、通信IC14へ送信する。メインMCU18は、通信IC14に生体データを送信したことに対する通信IC14からの応答信号を受信せずに、すなわち生体データの送達確認を行わずに順次、通信IC14へ生体データを送信する。生体データの順次送信とは、時系列データである生体データを一定時間ごとに区切って順次送信することをいう。メインMCU18は、一定時間ごとに区切った生体データを順次送る際に、その都度の送達確認を行わないで送信(例えば、ストリーミング方式の送信)する。メインMCU18は、生体データが送達されたか否かの送達確認を行わないことを示すフラグ情報を生体データに添付して通信IC14へ送信する。例えば、メインMCU18は、生体データを32msec毎に18バイトで通信ICへ送信する。
【0065】
また、メインMCU18は、不揮発メモリ14aの生体データ領域における読出元のアドレスを指定して生体データを不揮発メモリ14aから読み出させる読出指示信号を通信IC14へ送信する。なお、書き込みや読み出しのアドレス指定は、例えば、不揮発メモリ14aの生体データ領域における書き込みや読み出しの開始アドレスの指定及び書き込み情報や読み出し情報のサイズの指定であってもよいし、書き込みや読み出しの開始アドレス及び終了アドレスの指定であってもよい。
【0066】
また、メインMCU18は、不揮発メモリ18aに記憶される例えば送信指示プログラムを実行することにより、通信IC14の送信処理を指示することが可能である。例えば、メインMCU18は、無線通信(BLE通信)のためのアドバタイズ信号を周期的な期間で送信させる送信指示信号、及び不揮発メモリ14aから読み出した生体データを情報端末5等の外部機器に送信させる送信指示信号を通信IC14へ送信する。メインMCU18は、測定した生体データを不揮発メモリ14aに書き込む場合、生体データを読み出す場合、及び生体データを外部機器へ送信する場合、通信IC14に対して不揮発メモリ14aのアドレス指定を含む指示信号を送信するのみである。そして、不揮発メモリ14aへの生体データの書き込み処理、生体データの読み出し処理、及び外部機器への送信処理については、メインMCU18から指示を受けた通信IC14が実行するように構成されている。すなわち、メインMCU18は、不揮発メモリ14aに対して通信IC14を介して間接的にアクセスすることは可能であるが、直接的にはアクセスできないように構成されている。
【0067】
また、メインMCU18は、生体データのセンシングの前に通信IC14に不揮発メモリ14aへの生体データの保存の開始を指示する保存開始の指示信号を送信する。また、メインMCU18は、生体データのセンシングの後に通信IC14に不揮発メモリ14aへの生体データの保存の終了を指示する保存終了の指示信号を送信する。また、メインMCU18は、生体データのセンシングの終了後に、不揮発メモリ14aへの生体データの書き込みに関する結果情報を通信IC14から受信する。結果情報は、保存終了の指示に対する通信IC14からメインMCU18への応答信号に含めて送信される。結果情報は、通信IC14がメインMCU18から受信した生体データの受信数を示す情報、及び通信IC14が不揮発メモリ14aへの書き込みに失敗した生体データの失敗数を示す情報を含む。なお、結果情報は、不揮発メモリ14aへの書き込みに成功した生体データの成功数を示す情報であってもよい。
【0068】
また、メインMCU18は、測定部13によるセンシング(加圧及び測定)により得られる生体データに誤り検出符号を付与する。誤り検出符号は、生体データを受信する外部機器がデータ伝送の誤りを検出することができるように付与される符号である。メインMCU18は、生体データを一定の手順で計算して誤り検出符号を算出する。付加する誤り検出符号は、データ伝送の誤りを検出可能なものであれば特に限定されない。例えば、誤り検出符号は、CRC(Cyclic Redundancy Check)符号、パリティ符号、チェックサムなどであってもよい。データ伝送の誤りには、例えば、メインMCU18から通信IC14への通信での誤りや、メインMCU18から通信IC14の不揮発メモリ14aへの書き込み時、保存中、読み出し時での誤りが含まれる。
【0069】
メインMCU18は、センシングにより得られる生体データの内容に応じた可変のデータ長単位で誤り検出符号を付与する。例えば、可変のデータ長単位は、測定する生体データの周期に対応する単位である。具体的には、センシング(加圧及び測定)により得られる生体データが圧脈波データである場合、可変のデータ長単位は、データの周期性である圧脈波の一拍ごと、あるいは二拍ごとであってもよい。
【0070】
また、可変のデータ長単位は、例えば、生体データがセンサによるセンシングデータと、そのセンシングデータが得られた時刻の情報(例えば、測定した日付等)と、を含む場合、センシングデータと時刻の情報との境界に基づく単位であってもよい。例えば、生体データが圧脈波データである場合、圧脈波データの所々に時刻情報が挿入され、その時刻情報の前後の少なくともいずれかに誤り検出符号が付与されてもよい。具体的には、最初に測定日付情報、次に誤り検出符号、その次にセンシングした圧脈波データの順番で並べたものをデータ長単位としてもよい。
【0071】
また、可変のデータ長単位は、生体データの測定の段階に基づく単位であってもよい。例えば、測定される生体データが圧脈波データで、その測定が加圧段階と測定段階との2段階で行われる場合、可変のデータ長単位は、加圧開始、加圧終了、測定終了等のタイミングで誤り検出符号が付与されるデータ長単位であってもよい。加圧終了のタイミングで誤り検出符号を付与することにより、加圧中の圧脈波データを得ることができる。測定終了のタイミングで誤り検出符号を付与することにより、加圧後の圧脈波データを得ることができる。
【0072】
また、可変のデータ長単位は、メインMCU18から通信IC14へ生体データを転送する転送単位(例えば、32msec毎に18byte送信の固定長単位)と異なるデータ長である。また、可変のデータ長単位は、通信IC14から外部機器へ生体データを無線送信する送信単位(固定長の単位)と異なるデータ長である。
【0073】
なお、生体データへの誤り検出符号の付与は、通信IC14が行うようにしてもよい。この場合には、例えば、メインMCU18が、生体データの内容に基づいて、可変のデータ長単位を示す情報を通信IC14へ送信する。可変のデータ長単位を示す情報は、例えば、上述したセンシングデータと時刻の情報との境界を示す境界符号である。ただし、通信IC14側で「可変のデータ長単位」を特定できる情報であれば境界符号に限定されない。
【0074】
例えば、通信IC14は、メインMCU18から送信される可変のデータ長単位を示す情報に基づいて、生体データに誤り検出符号を付与する。例えば、通信IC14は、不揮発メモリ14aに書き込む生体データに誤り検出符号を付与してもよい。具体的には、通信IC14は、生体データを不揮発メモリ14aに書き込む前に誤り検出符号を付与する。また、通信IC14は、不揮発メモリ14aから読み出して外部機器へ送信する生体データに誤り検出符号を付与してもよい。具体的には、通信IC14は、生体データを不揮発メモリ14aから読み出すときに誤り検出符号を付与し、誤り検出符号を付与した生体データを外部機器へ送信する。なお、通信IC14は、通信IC14から外部機器へ生体データを無線送信する送信単位での誤り検出符号を別途付与してもよい。
【0075】
また、メインMCU18は、不揮発メモリ18aに記憶される例えば情報出力プログラムを実行することにより、測定した生体データに基づく生体測定結果、例えば、圧脈波データに基づく血圧測定結果を出力する。メインMCU18は、血圧測定結果を、例えば、測定装置1の表示部11に画面表示させる。また、メインMCU18は、血圧測定結果を測定装置1から音声出力してもよいし、情報端末5へ無線送信してもよい。
【0076】
<情報端末5の構成>
図5は、情報端末5の構成を示すブロック図である。情報端末5は、種々の情報を表示可能な表示部51と、ユーザが操作可能な操作部52と、位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)センサ53と、外部機器と通信を行う第1無線通信部54及び第2無線通信部55と、を備える。また、情報端末5は、情報を一時的に記憶するRAM56と、情報やプログラムを記憶するデータ記憶部57と、端末全体の動作を制御するコントローラ58と、を備える。
【0077】
表示部51は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成される。操作部52は、ボタンやタッチパネルのようなユーザ操作を受け付けるユーザインタフェースである。ボタンは、情報端末5に物理的に設けられたボタンや表示部51に表示された仮想的なボタンを含む。GPSセンサ53は、情報端末5の現在位置を検出するためのセンサである。
【0078】
第1無線通信部54は、セルラ通信を行う通信部、例えば、4G、5G、LTE(Long Term Evolution:登録商標)等の規格にしたがい通信を行うことが可能な回路(モジュール)である。また、第1無線通信部54は、無線LAN通信を行う通信部、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の規格にしたがい通信を行うことが可能な回路(モジュール)である。第2無線通信部55は、近距離無線通信を行う通信部、例えば、BLE規格にしたがい通信を行うための回路(モジュール)である。
【0079】
第2無線通信部55は、例えば、測定装置1の通信IC14とBLE通信を行うことにより、測定装置1で測定されたユーザの生体データを取得する。第2無線通信部55は、スキャンすることで、測定装置1の通信IC14から送信されているアドバタイズ信号を受信する。第2無線通信部55は、受信したアドバタイズ信号から測定装置1を認識し、通信接続したい場合に接続要求を測定装置1に対して送信する。なお、測定装置1は、アドバタイズ信号を発信した後に、所定時間、接続要求を待ち、所定時間内に接続要求を受信するとアドバタイズ信号の発信を停止し、接続要求相手との1対1の接続通信に切り替える。
【0080】
RAM56は、例えば、DRAMやSRAM等の半導体デバイスで構成され、情報を一時的に記憶するとともに、コントローラ58の作業エリアとして動作する。
【0081】
データ記憶部57は、所定の機能を実現するために必要なパラメータ、制御プログラム、及び測定装置1から取得した測定生体データ等を記憶する記録媒体である。データ記憶部57は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)や半導体記憶装置(SSD)で構成される。
【0082】
コントローラ58は、制御プログラムを実行することで所定の機能を実現する。なお、本実施形態では、データ記憶部57に制御プログラムとして、例えば、情報端末用の管理アプリケーションソフトが予めインストールされており、コントローラ58はこの管理アプリケーションソフトを実行することにより所定の機能を実現する。例えば、コントローラ58は、情報端末用の管理アプリケーションソフトが立ち上げられると、スキャンすることでアドバタイズ信号を受信するように第2無線通信部55を制御する。コントローラ58は、測定装置1からのアドバタイズ信号が受信されると、測定装置1に接続要求を送信し、測定装置1から測定生体データを取得するように第2無線通信部55を制御する。
【0083】
§3 動作例
<測定装置1の動作例>
次に、図6を参照して、測定装置1の動作例を説明する。図6は、測定装置1におけるメインMCU18と通信IC14と不揮発メモリ14aの動作を示すシーケンス図である。なお、本例では、測定装置1を血圧計1Aとし、血圧計1Aによって測定される生体情報を圧脈波データとして以下に説明する。
【0084】
ユーザの上腕に血圧計1Aのカフ22が取り付けられて、測定開始スイッチが押下されたとする。
【0085】
まず、メインMCU18が、測定開始スイッチの押下を受け付ける(ステップS11)。次に、メインMCU18が、書き込み開始のための準備を指示する保存開始指示信号を通信IC14へ送信する(ステップS12)。
【0086】
次に、通信IC14が、ステップS12で受信した保存開始指示信号に応じて、不揮発メモリ14aへの書き込みを開始するための保存開始の処理を行う(ステップS13)。次に、通信IC14が、保存開始の処理が完了したことを通知する応答信号をメインMCU18へ送信する(ステップS14)。応答信号には、保存開始の処理が完了したことを示す結果コードが含まれる。
【0087】
次に、メインMCU18が、ステップS14で応答信号を受信すると、不揮発メモリ14aのデータを消去させるための消去指示信号を通信IC14へ送信する(ステップS15)。消去指示信号には、不揮発メモリ14aにおいて消去させる領域のアドレス及びそのサイズの指定が含まれる。
【0088】
次に、通信IC14が、ステップS15で受信した消去指示信号に応じて、指示された領域のデータを例えば1セクタごとに消去する処理を行う(ステップS16)。通信IC14は、指示された消去領域のサイズに応じて1セクタごとの消去処理を繰り返す。1セクタごとの消去処理とは、例えば、通信IC14側から見た場合、まず通信IC14が、1セクタごとの消去指示を不揮発メモリ14aへ送信し、その消去指示に応じたことを示す応答(1セクタを消去したという応答)を不揮発メモリ14aから受信する。次に、通信IC14が、消去した1セクタを読み出す読出要求を不揮発メモリ14aへ送信し、その読出要求に応じた応答(1セクタの読出しデータ)を不揮発メモリ14aから受信した後に、ベリファイを行って終了する。次に、通信IC14が、消去処理が完了したことを通知する応答信号をメインMCU18へ送信する(ステップS17)。応答信号には、消去処理が完了したことを示す結果コード、消去したデータの不揮発メモリ14aにおけるアドレス及びデータサイズが含まれる。
【0089】
次に、メインMCU18が、ステップS17で応答信号を受信すると、カフ22を加圧して圧脈波データの測定を開始する(ステップS18)。メインMCU18は、この測定により得られた圧脈波データに、その圧脈波データの内容に応じた可変のデータ長単位(例えば、圧脈波の一拍毎など)で誤り検出符号を付与する。次に、メインMCU18は、測定した圧脈波データを不揮発メモリ14aの生体データ領域に書き込みさせるための書込指示信号を通信IC14へ送信する(ステップS19)。書込指示信号には、圧脈波データが送達されたか否かの送達確認を行わない送信(例えば、ストリーミング方式の送信)であることを示すフラグ、圧脈波データを書き込む不揮発メモリ14aのアドレスとそのデータサイズ、及び書き込む圧脈波データが含まれる。この書込指示における圧脈波データの送信は、測定部13によって測定される圧脈波データを一定時間ごとに区切って順次行う。
【0090】
次に、通信IC14が、ステップS19で受信した書込指示信号に応じて、メインMCU18から順次送信されてくる圧脈波データを、その順次送信されてくる圧脈波データごとに、不揮発メモリ14aの生体データ領域における指定されたアドレスに書き込む書込処理を行う(ステップS20)。順次送信された圧脈波データごとの書込処理とは、例えば、通信IC14側から見た場合、まず通信IC14が、メインMCU18から順次送信されてくる圧脈波データごとの書込指示を不揮発メモリ14aへ送信し、その書込指示に応じたことを示す応答(圧脈波データを書き込んだという応答)を不揮発メモリ14aから受信する。次に、通信IC14が、書き込んだ圧脈波データを読み出す読出要求を不揮発メモリ14aへ送信し、その読出要求に応じた応答(読み出した圧脈波データ)を不揮発メモリ14aから受信した後に、ベリファイを行って終了する。
【0091】
なお、上記ステップS18の説明では、測定部13のセンシングにより得られた圧脈波データに対して、メインMCU18が誤り検出符号を付与しているが、これに限定されない。例えば、誤り検出符号の付与は通信IC14が行ってもよい。その場合、通信IC14は、メインMCU18から送信される圧脈波データの内容に基づいた可変のデータ長単位を示す情報に基づき、例えば、ステップS20において圧脈波データを不揮発メモリ14aに書き込む前に誤り検出符号を付与する。
【0092】
次に、メインMCU18が、圧脈波データの測定を終了すると(ステップS21)、書き込み終了のための処理を指示する保存終了指示信号を通信IC14へ送信する(ステップS22)。
【0093】
次に、通信IC14が、ステップS22で受信した保存終了指示信号に応じて、不揮発メモリ14aへの書き込みを終了するための保存終了の処理を行う(ステップS23)。次に、通信IC14が、保存終了の処理が完了したことを通知する応答信号をメインMCU18へ送信する(ステップS24)。応答信号には、保存終了の処理が完了したことを示す結果コード、通信IC14がメインMCU18から受信した圧脈波データの受信数、及び不揮発メモリ14aへの書き込みに失敗した圧脈波データの失敗数が含まれる。
【0094】
不揮発メモリ14aに書き込んだ圧脈波データを血圧計1Aから外部の情報端末5へ送信するための送信処理は、例えば、上述した圧脈波データの測定が終了した後に行われる。その場合、メインMCU18が、圧脈波データを送信させるための送信指示信号を通信ICへ送信する。送信指示信号には、送信させる圧脈波データの不揮発メモリ14aにおけるアドレス及びそのサイズの指定が含まれる。次に、通信IC14が、メインMCU18から受信した送信指示信号にしたがって、不揮発メモリ14aから圧脈波データを読み出し、読み出した圧脈波データを無線通信により情報端末5へ送信する。通信IC14は、圧脈波データと共に圧脈波データの書き込みに関する結果情報(受信数,失敗数等)を情報端末5へ送信する。
【0095】
§4 生体データの誤り検出符号
<生体データに付与される誤り検出符号例>
図7は、測定装置1で測定される生体データの一例を示す図である。本例では、血圧計1Aによって測定される圧脈波データの一例を示す。図7に示すように、圧脈波データ40は、略一定の周期性を有した連続する伝導波として測定される。測定された圧脈波データ40は、メインMCU18から通信ICへ送信される。メインMCU18は、測定された圧脈波データ40を一定時間ごとに区切って順次、通信IC14へ送信する。測定された圧脈波データには可変のデータ長単位で誤り検出符号が付与される。
【0096】
図8は、メインMCU18が生体データに誤り検出符号を付与する一例を示す図である。メインMCU18は、測定された圧脈波データ40の脈波判定を行い一拍の圧脈波のデータ長をデータ長単位として、図8に示すように、一拍の圧脈波データごとに境界位置41a,41b,41c,41d,41eを検出する。
【0097】
メインMCU18は、例えば、境界位置41aと41b間の一拍の圧脈波データを第1波形データ42a、境界位置41bと41c間の一拍の圧脈波データを第2波形データ42b、境界位置41cと41d間の一拍の圧脈波データを第3波形データ42c…とする。そして、メインMCU18は、第1波形データ42aから誤り検出符号43aを計算し、計算した誤り検出符号43aを第1波形データ42aに付与する。同様に、メインMCU18は、第2波形データ42bから計算した誤り検出符号43bを第2波形データ42bに付与し、第3波形データ42cから計算した誤り検出符号43cを第3波形データ42cに付与する。メインMCU18は、誤り検出符号を付与した圧脈波データ、すなわち、誤り検出符号43aを付与した第1波形データ42a、誤り検出符号43bを付与した第2波形データ42b、誤り検出符号43cを付与した第3波形データ42c…を、書込指示信号に含めて通信IC14へ送信する。
【0098】
図9は、通信IC14が生体データに誤り検出符号を付与する一例を示す図である。図9に示すように、一拍の圧脈波のデータ長をデータ長単位とし、一拍の圧脈波データごとに境界位置41a,41b,41c,41d,41eを設定する点は図8で説明した場合と同様である。また、境界位置41aと41b間の一拍の圧脈波データを第1波形データ42a、境界位置41bと41c間の一拍の圧脈波データを第2波形データ42b、境界位置41cと41d間の一拍の圧脈波データを第3波形データ42c…とする点も図8で説明した場合と同様である。
【0099】
次に、メインMCU18は、圧脈波データにおける可変のデータ長単位を示す情報として、一拍の圧脈波データごとに設定した境界位置41a,41b,41c,41d,41eの情報を、圧脈波データと共に通信IC14へ送信する。例えば、メインMCU18は、第1波形データ42aと第2波形データ42bの間の境界位置41bを示す情報を境界符号44aと設定し、第1波形データ42aと第2波形データ42bとの間に付与する。同様に、メインMCU18は、第2波形データ42bと第3波形データ42cの間の境界位置41cを示す情報を境界符号44bと設定し、第2波形データ42bと第3波形データ42cとの間に付与する。同様に、メインMCU18は、第3波形データ42cと第4波形データ42d(図示省略)の間の境界位置41dを示す情報を境界符号44cと設定し、第3波形データ42cと第4波形データ42dとの間に付与する。メインMCU18は、第1波形データ42a、境界符号44a、第2波形データ42b、境界符号44b、第3波形データ42c、境界符号44c…(以下、「境界符号付与データ45」ともいう。)を通信IC14へ送信する。
【0100】
通信IC14は、メインMCU18から受信した境界符号付与データ45を境界符号44a,44b,44cの部分で分割する。通信IC14は、分割した波形データごとに誤り検出符号を計算する。すなわち、通信IC14は、第1波形データ42aから誤り検出符号43aを計算し、第2波形データ42bから誤り検出符号43bを計算し、第3波形データ42cから誤り検出符号43cを計算する。通信IC14は、計算した誤り検出符号43aを第1波形データ42aに付与し、誤り検出符号43bを第2波形データ42bに付与し、誤り検出符号43cを第3波形データ42cに付与する。
【0101】
通信IC14は、メインMCU18から受信した境界符号付与データ45に基づいて第1波形データ42a、第2波形データ42b、及び第3波形データ42cに誤り検出符号43a、誤り検出符号43b、及び誤り検出符号43cをそれぞれ付与する場合、例えば、第1波形データ42a、第2波形データ42b、及び第3波形データ42cを不揮発メモリ14aへ書き込む前に誤り検出符号を付与する。
【0102】
この場合、メインMCU18は、誤り検出符号43a、誤り検出符号43b、及び誤り検出符号43cを付与することによって変化するデータサイズを考慮して、書込指示信号における不揮発メモリ14aのアドレス指定(図6のステップS19参照)を行う。ただし、誤り検出符号のデータ長が固定長の場合であれば、境界符号44a,44b,44cのデータ長を誤り検出符号43a,43b,43cのデータ長と同じデータ長となるように設定してもよい。このように同じデータ長とすることで、メインMCU18は、誤り検出符号の付与によって変化するデータサイズを考慮せずに不揮発メモリ14aのアドレス指定を行うことが可能になる。
【0103】
また、通信IC14は、境界符号付与データ45に基づいて誤り検出符号43a、誤り検出符号43b、及び誤り検出符号43cを付与する場合、例えば、不揮発メモリ14aに書き込まれている第1波形データ42a、第2波形データ42b、及び第3波形データ42cを不揮発メモリ14aから読み出したとき、すなわち、第1波形データ42a、第2波形データ42b、及び第3波形データ42cを無線通信により情報端末5へ送信するときに誤り検出符号を付与してもよい。この場合、メインMCU18は、誤り検出符号43a、誤り検出符号43b、及び誤り検出符号43cの付与によって変化するデータサイズを考慮せずに、書込指示信号における不揮発メモリ14aのアドレス指定を行うことができる。
【0104】
また、メインMCU18は、第1波形データ42a、第2波形データ42b、第3波形データ42c…を通信IC14へ送信する際に、波形データ間に境界符号44a,44b,44c…を挿入して送信するのではなく、例えば、境界のタイミング(時刻)を示す情報を第1波形データ42a、第2波形データ42b、第3波形データ42c…とは別に通信IC14へ送信するようにしてもよい。境界のタイミング(時刻)を示す情報とは、例えば、何バイト目が第1波形データ42aと第2波形データ42bの境界であり、何バイト目が第2波形データ42bと第3波形データ42cの境界あるという情報であってもよい。
【0105】
以上説明したように、測定装置1の制御部30は、測定部13によるセンシング(加圧及び測定)により得られる生体データに、その内容に応じた可変のデータ長単位で誤り検出符号を付与し、誤り検出符号を付与した生体データを情報端末5へ送信する。このため、例えばスマホやクラウドサーバ等の情報端末5における生体データの解析において、測定装置1から受信する生体データに誤りがあっても、生体データの内容に応じた意味のあるデータ単位で誤りを検出することが可能になる。これにより、情報端末5における生体データの解析の効率を向上させることができる。例えば、センシングで得られる生体データが圧脈波データであって、1拍の圧脈波データごとに誤り検出符号を付与した場合、誤りがあった圧脈波データ1拍分のデータを破棄すればよく、その前後の拍の圧脈波データはそのまま解析に使用することができる。仮に、拍に関係ないデータ単位(例えば所定のデータサイズごと)で誤り検出符号を付与すると、そのデータ単位に複数の拍の圧脈波データが含まれている場合、その複数の拍の圧脈波データが解析に使用できなくなるため解析の効率が低下する。
【0106】
また、測定装置1のメインMCU18は、測定部13によるセンシング中に得られる生体データを順次、送達確認を行わずに通信IC14へ送信して不揮発メモリ14aに書き込ませ、生体データのセンシングの終了後に、不揮発メモリ14aへの生体データの書き込みに関する結果情報を通信IC14から受信する。また、通信IC14は、不揮発メモリ14aに書き込んだ生体データを読み出し、無線通信により情報端末5に送信する。この構成によれば、生体データに基づく測定を行うメインMCU18とは別に、無線通信を行う通信IC14を設けたことにより、圧脈波データ等の生体データを情報端末5へ送信するための処理負荷を通信IC14に分散し、メインMCU18の処理負荷を低減することができる。これにより、メインMCU18による測定等の処理の遅延を抑制することができる。また、センシング中に得られる生体データをメインMCU18が順次、送達確認せずに通信IC14へ送信して不揮発メモリ14aに生体データを書き込ませることにより、メインMCU18から通信IC14への生体データの転送速度を向上させることができる。また、センシング中におけるメインMCU18の処理負荷を低減することができる。また、センシングの終了後に、不揮発メモリ14aへの生体データの書き込みに関する結果情報を通信IC14からメインMCU18へ送信することにより、上記の送達確認しない構成においても、メインMCU18は不揮発メモリ14aへの生体データの書き込み結果を認識することができる。
【0107】
また、測定装置1において、誤り検出符号を付与する可変のデータ長単位は、例えば測定される生体データの周期に対応する単位であっても、センシングデータと時刻情報との境界に基づく単位であっても、測定部13により得られた生体データの測定段階に基づく単位であってもよい。これにより、さらに生体データの内容に応じた意味のあるデータ単位で誤り検出符号を付与することが可能になる。
【0108】
また、測定装置1において、誤り検出符号を付与する可変のデータ長単位は、例えば情報端末5への生体データの送信単位とは異なる単位であり、メインMCU18から通信IC14への生体データの転送単位とは異なる単位である。これにより、生体データの解析効率を向上させることが可能である。
【0109】
また、測定装置1は、メインMCU18が、生体データの内容に基づいて可変のデータ長単位を示す情報を通信IC14へ送信し、通信IC14が、可変のデータ長単位を示す情報に基づいて生体データに誤り検出符号を付与する。この構成によれば、生体データの判定と誤り検出符号の計算をメインMCU18が行う場合と比べて、誤り検出符号の計算を通信IC14が行うため、メインMCU18の負荷を低減することができる。通信IC14は、例えば不揮発メモリ14aから読み出して情報端末5へ送信する生体データに誤り検出符号を付与する。このように、生体データの読み出し時に誤り検出符号を付与することで、メインMCU18から通信IC14へ送ったデータがそのまま不揮発メモリ14aに書き込まれるため、メインMCU18が、誤り検出符号の付与によって変化するデータサイズを考慮せずに不揮発メモリ14aにおけるアドレス指定を行うことができる。
【0110】
また、測定装置1のメインMCU18は、通信IC14に対して、不揮発メモリ14aの生体データ領域における書込先のアドレスを指定して生体データを不揮発メモリ14aに書き込ませ、不揮発メモリ14aの生体データ領域における読出元のアドレスを指定して生体データを不揮発メモリ14aから読み出させ、不揮発メモリ14aから読み出させた生体データを情報端末5等の外部機器へ無線通信により送信させる。この構成によれば、メインMCU18が、通信IC14に接続された不揮発メモリ14aのアドレスを指定して生体データの書き込み、読み出し及び送信を通信IC14に指示する構成としたため、メインMCU18と通信IC14との間のインタフェースでフロー制御や送達確認が不要となり、情報端末5への生体データの転送速度を向上させることができる。また、通信IC14は、不揮発メモリ14aにおける指定されたアドレスへの情報の書き込み、不揮発メモリ14aにおける指定されたアドレスからの情報の読み出し及び送信を行えばよいため、通信IC14については簡易な構成とすることができる。また、メインMCU18は、通信IC14への指示により、不揮発メモリ14aへの生体データの書き込み、不揮発メモリ14aからの生体データの読み出し、読み出した生体データの送信を柔軟に行うことができる。ただし、生体データ等の書き込み処理、読み出し処理、送信処理等の負荷の大きい処理をメインMCU18自身で行わなくてもよいため、上記のようにメインMCU18の処理負荷を軽減することができる。
【0111】
また、測定装置1は、不揮発メモリ14aに生体データを記憶するために割り当てられた生体データ領域を有している。そして、生体データ領域に記憶された生体データは通信IC14によって管理され、メインMCU18からはアクセスできないように構成されている。この構成によれば、生体データ領域には生体データ以外の情報は書き込まれないため、メインMCU18から通信IC14への指示による生体データの書き込みと、通信IC14による他の情報の書き込みと、の干渉を抑制することができる。また、メインMCU18と通信IC14で1つの不揮発メモリを共用する構成と比べて、アクセス処理が分散し高速化を図ることができる。
【0112】
§5 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明したが、上記の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができる。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0113】
上記実施形態では、メインMCU18が測定した生体データを不揮発メモリ14aへ書き込ませる場合及び不揮発メモリ14aから読み出す場合、不揮発メモリ14aにおける書込先及び読出元のアドレスを指定して生体データを通信IC14に送信しているが、これに限定されない。例えば、メインMCU18は、不揮発メモリ14aにおける生体データの書込先及び読出元のアドレスを指定しないで通信IC14に送信してもよい。この場合、通信IC14が、不揮発メモリ14aにおける生体データの書き込み及び読み出しのアドレス管理を行う。
【0114】
上記実施形態では、メインMCU18が測定した生体データを不揮発メモリ14aへ書き込ませる場合、測定部13による測定中に得られる生体データを順次、送達確認せずに通信IC14へ送信して書き込ませているが、これに限定されない。例えば、メインMCU18は、生体データを順次、通信IC14へ送信するごとに生体データの送達確認を行うようにしてもよい。その場合、不揮発メモリ14aへの生体データの書き込みに関する結果情報をその送達確認で得ることが可能であるため、センシングの終了後に結果情報を通信IC14から受信しなくてもよい。
【0115】
上記実施形態では、生体データが脈波データであり、脈波データとして圧脈波データを取得する構成について説明したが、測定装置1が脈波データとして容積脈波データを測定する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 測定装置
1A 血圧計
5 情報端末
11,51 表示部
12,52 操作部
13 測定部
14 通信IC(第2プロセッサ)
14a,18a 不揮発メモリ
14b アンテナ
16,56 RAM
18 メインMCU(第1プロセッサ)
21 本体部
22 カフ
23 エアチューブ
30 制御部
40 圧脈波データ
41a~41e 境界位置
42a 第1波形データ
42b 第2波形データ
42c 第3波形データ
42d 第4波形データ
43a~43c 検出符号
44a~44c 境界符号
45 境界符号付与データ
53 GPSセンサ
54 第1無線通信部
55 第2無線通信部
57 データ記憶部
58 コントローラ
90 クラウドサーバ
100 情報管理システム
図1
図2
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図9